JPH06287422A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH06287422A
JPH06287422A JP7947893A JP7947893A JPH06287422A JP H06287422 A JPH06287422 A JP H06287422A JP 7947893 A JP7947893 A JP 7947893A JP 7947893 A JP7947893 A JP 7947893A JP H06287422 A JPH06287422 A JP H06287422A
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JP
Japan
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weight
vinyl
polyester resin
monomer
parts
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JP7947893A
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English (en)
Inventor
Yasunori Shirai
安則 白井
Tomohiko Yoshida
友彦 吉田
Hiroshi Mori
弘 森
Hideyuki Shigemitsu
英之 重光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06287422A publication Critical patent/JPH06287422A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維状強化材の配合によるそりの発生を抑制
して、難燃性、耐熱性、機械的特性、耐衝撃性に優れた
成形品を得ることのできる繊維状強化材を含有するポリ
エステル樹脂組成物を提供する。 【構成】 熱可塑性ポリエステル樹脂55〜99重量%
(A)と、シアン化ビニル単量体(B−1)、芳香族ビ
ニル単量体(B−2)およびエポキシ基含有ビニル単量
体(B−3)を重合してなり、エポキシ基含有ビニル単
量体(B−3)の割合が0.1〜1.5重量%であるビ
ニル系重合体(B)1〜45重量%とからなる樹脂成分
30〜80重量%、繊維状強化材(C)5〜57重量
%、臭素系難燃剤(D)3〜20重量%およびアンチモ
ン系化合物(E)1〜10重量%からなるポリエステル
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種熱器具、電気・電
子機械部品、自動車部品等の成形材料として用いられる
ポリエステル樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、耐熱
性、機械的特性および耐衝撃性に優れるとともに、難燃
性、低そり性に優れた成形品を提供できるポリエステル
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】成形材料用ポリエステル樹脂組成物とし
ては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレ
フタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂が使
用されている。これら熱可塑性ポリエステル樹脂は、そ
れ自身では耐熱性や成形性等の点で十分に満足できない
場合が多く、通常は、耐熱性や成形性の向上を図るため
繊維状強化材等の強化材が添加されている。しかし、こ
のように強化材、特に繊維状強化材を添加した場合に
は、得られた成形品のそりの発生が著しくなるという問
題点を有している。そこで、熱可塑性ポリエステル樹脂
に繊維状強化材を添加した場合のそりの発生を抑制する
ために、特開昭61−4758号公報や特公昭51−2
5261号公報等に記載されているように、繊維状強化
材とともに、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノキシ樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合体(AS樹脂)等を配合する方法、繊維
状強化材と板状強化材とを併用する方法等が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリス
チレン系樹脂を配合した場合には、ポリスチレン系樹脂
が熱可塑性ポリエステル樹脂との相溶性に劣り、機械特
性の低下や耐熱性の低下をまねき、ポリカーボネート樹
脂を配合した場合には成形時の流動加工性が損なれた
り、熱可塑性ポリエステル樹脂とエステル交換を起こ
し、成形安定性、機械的特性、耐熱性が低下するという
問題点を有している。また、フェノキシ樹脂はコストが
高く採算性に劣るという問題点を有している。さらに、
ABS樹脂を配合した場合には耐熱性や剛性が損なわれ
るという問題点を有しており、ポリブタジエンを含有し
ていないAS樹脂では、耐熱性および剛性に関してはA
BS樹脂よりは改善されるものの、耐衝撃性に劣るとい
う問題点を有している。本発明は、耐熱性、機械的特
性、耐衝撃性に優れるとともに、低そり性に優れた成形
品を得ることのできるポリエステル樹脂組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる現状
に鑑み、熱可塑性ポリエステル樹脂に特定のビニル系共
重合体を配合することにて、耐熱性、機械的特性、耐衝
撃性および低そり性に優れたた成形品を得られることを
見い出し、本発明に到達したものである。すなわち、本
発明のポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂55〜99重量%(A)と、シアン化ビニル単量
体(B−1)、芳香族ビニル単量体(B−2)およびエ
ポキシ基含有ビニル単量体(B−3)を重合してなり、
エポキシ基含有ビニル単量体(B−3)の割合が0.1
〜1.5重量%であるビニル系重合体(B)1〜45重
量%とからなる樹脂成分30〜80重量%、繊維状強化
材(C)5〜57重量%、臭素系難燃剤(D)3〜20
重量%およびアンチモン系化合物(E)1〜10重量%
からなることを特徴とするものである。
【0005】本発明においてA成分として使用される熱
可塑性ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸ある
いはそのエステル形成性誘導体と、ジオールあるいはそ
のエステル形成性誘導体とを主成分とするモノマーを、
縮合反応することによって得られる重合体あるいは共重
合体である。本発明において、酸成分として使用される
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキ
シフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸等が挙げられ、これらのエステル
形成性誘導体としてはこれらのジアルキルエステル、ジ
アリールエステル等が挙げられる。
【0006】また、本発明で使用されるジオール成分と
しては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等の炭素数2〜10の
脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,
3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等の分子量が400〜6000の長鎖グリコール等
が挙げられる。このような芳香族ジカルボン酸成分とジ
オール成分から得られるポリエステル樹脂としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
等、あるいはこれらを主成分とする共重合体が挙げられ
る。中でも、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレ
ンテレフタレートが、適度の機械的強度を有し好まし
い。
【0007】これら熱可塑性ポリエステル樹脂(A)
は、55〜99重量%の範囲で含有され、好ましくは7
0〜97重量%の範囲である。これは、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂を、55重量%以上含有することによって耐
薬品性、耐衝撃性および耐熱性に優れた成形品が得ら
れ、99重量%以下とすることによって耐衝撃性および
低そり性に優れた成形品が得られるためである。また、
熱可塑性ポリエステル樹脂は、フェノール/テトラクロ
ルエタンの混合溶媒中(混合比は、重量比で1:1)、
23℃の温度下での極限粘度が[η]が0.5〜1.4
であることが好ましい。これは、極限粘度が0.5未満
では得られ得た成形品の強度が低下する傾向にあり、
1.4を超えると成形時の流動性が低下し充填性が十分
でなくなる恐れがあるためである。本発明においては、
特定のビニル系重合体(B)を含有させるとこによっ
て、繊維状強化材の配合による成形品のそりの発生を抑
制するとともに、成形品の耐衝撃性の改良を図ることが
できるものである。本発明で使用されるB成分であるビ
ニル系重合体は、シアン化ビニル単量体、芳香族ビニル
単量体およびエポキシ基含有ビニル単量体からなるグラ
フト単量体を重合して得られるものである。
【0008】ビニル系重合体として使用されるシアン化
ビニル単量体(B−1)としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニト
リル等が挙げられ、これら単量体を単独または2種以上
を組み合わせて使用することができる。これらシアン化
ビニル単量体は、重合に使用されるグラフト単量体中に
15〜40重量%の割合で使用されることが好ましく、
さらに好ましくは15〜25重量%の範囲である。これ
は、シアン化ビニル単量体の割合を15重量%以上とす
ることによって得られる成形品が耐衝撃性や耐薬品性に
優れるためであり、40重量%以下とすることによって
着色の少ない成形品が得られるためである。また、芳香
族ビニル単量体(B−2)としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、1,3−ジメチル
スチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
ハロゲン化スチレン、p−エチルスチレン等が挙げら
れ、これら単量体を単独または2種以上を組み合わせて
使用することができる。これら芳香族ビニル単量体は、
重合に使用されるグラフト単量体中に60〜84.9重
量%の割合で使用されることが好ましく、さらに好まし
くは70〜83重量%の範囲である。これは、シアン化
ビニル単量体の割合を60〜84.9重量%とすること
によって、得られる成形品が耐衝撃性に優れ、その成形
時の流動加工性にも優れるためである。
【0009】さらに、エポキシ基含有ビニル単量体(B
−3)としては、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート等が挙げられるが、グリシジルメタクリ
レートが特に好ましい。エポキシ基含有ビニル単量体
は、重合に使用されるグラフト単量体中に0.1〜1.
5重量%の割合で使用され、好ましくは0.2〜1.2
の範囲である。これは、エポキシ基含有ビニル単量体の
割合を0.1重量%以上とすることによって耐衝撃性に
優れた成形品が得られ、1.5重量%以下とすることに
よって成形時の流動加工性に優れるためである。本発明
においては、ビニル系重合体(B)として、35重量%
以下の範囲内で他の共重合可能なビニル単量体を使用す
ることもできる。このようなビニル単量体としては、例
えば、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−フェニ
ルマレイミド等のマレイミド単量体等が挙げられる。
【0010】上記の単量体を重合して得られるビニル系
重合体(B)は、1〜45重量%の範囲で含有され、好
ましくは3〜30重量%の範囲である。これは、ビニル
系重合体を、1重量%以上含有することによって耐衝撃
性および低そり性に優れた成形品が得られ、45重量%
以下とすることによって耐薬品性、耐衝撃性および耐熱
性に優れた成形品が得られるためである。また、ビニル
系重合体は、0.2%ジメチルホルムアルデヒド溶液で
測定した還元粘度(ηSP/C)が0.55以下であるこ
とが、成形時の流動加工性の観点から好ましい。本発明
においては、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とビニル
系重合体(B)とからなる樹脂成分は、30〜80重量
%の範囲で含有され、好ましくは35〜75重量%の範
囲である。これは、樹脂成分の含有量が30重量%未満
であると、賦形性に問題を生じたり、成形時の流動性が
低下して流動加工性に劣るためであり、逆に80重量%
を超えると耐熱性や成形性に劣るためである。
【0011】本発明のC成分として使用される繊維状強
化材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、
シリコンカーバイド繊維、セラミック繊維、アスベスト
繊維等の無機繊維、金属繊維、耐熱性有機繊維等が挙げ
られる。具体的には、繊維径1〜20μm、繊維長10
mm以下のガラス繊維または炭素繊維のチョップドスト
ランド、ガラス繊維ミルドファイバー、ピッチ系炭素繊
維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリイミド繊維、芳
香族ポリアミドイミド繊維等が挙げられ、これらを単独
または組み合わせて使用することができる。中でも、ガ
ラス繊維のチョップドストランドが特に好ましい。これ
ら繊維状強化材は、3〜45重量%の範囲で含有され、
好ましくは5〜40重量%の範囲である。これは、繊維
状充填材を3重量%以上含有することにって耐熱性およ
び成形性に優れた成形品が得られ、45重量%以下とす
ることによって成形時の流動加工性に優れるためであ
る。
【0012】さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物
においては、臭素系難燃剤(D)およびアンチモン系化
合物(E)を添加することによって、得られた成形品に
難燃性を付与するものである。本発明において使用され
る臭素系難燃剤(D)としては、高分子型臭素系難燃剤
が難燃剤のブリードアウト防止できることから好まし
い。高分子型臭素系難燃剤としては、例えば、ペンタボ
ロモベンジルポリアクリレート、ペンタブロモベンジル
ポリメタクリレート、ポリテトラブロモキシリレンビス
メタクリレート、臭素化ポリカーボンネート、ポリ
(2,4,6−トリブロモ)スチレン、ポリ(2,4,
5−トリブロモ)スチレン、臭素化架橋ポリスチレン、
臭素化エポキシ等が挙げられ、これらを単独あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができる。これら臭
素系難燃剤の含有量は3〜20重量%の範囲であり、好
ましくは5〜18重量%の範囲である。これは、臭素系
難燃剤の含有量を3重量%以上とすることによって十分
な難燃性の効果が得られ、20重量%以下とすることに
よって機械的強度に優れた成形品が得られるためであ
る。
【0013】また、本発明に使用されるアンチモン系化
合物(E)は、臭素系難燃剤の難燃助剤として作用する
ものであって、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アン
チモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられ、これらを単
独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。これらアンチモン系化合物の含有量は1〜10重量
%の範囲であり、好ましくは3〜8重量%の範囲であ
る。これは、アンチモン系化合物の含有量を1重量%以
上とすることによって十分な難燃助剤としての効果が得
られ、10重量%以下とすることによって機械的強度に
優れた成形品が得られるためである。さらに、本発明に
おいては、本発明の効果を損なわない範囲内にで、タル
ク、カオリン、マイカ、クレー、ウォラストナイト、セ
リサイト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケ
ート等のケイ酸塩、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトな
どの炭酸塩硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、
ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素等の粒子状の充
填剤、シリカやステアリン酸塩等の滑剤や離型剤、紫外
線吸収剤、カーボンブラック窓の顔料を含む着色料、酸
化防止剤、帯電防止剤、カップリング剤、発泡剤、架橋
剤および熱安定剤等の公知の添加剤を任意に添加しても
よい。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例において、アイゾット衝撃強度は、A
STM D−256に準拠して、三菱重工社製75t成
形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80
℃で成形した厚さ6.3mmのノッチ付き試験片を、東
洋精機社製ストログラフで測定した。熱変形温度は、A
STM D−648に準拠して、三菱重工社製75t成
形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80
℃で成形した厚さ6.3mmのノッチ付き試験片を、東
洋精機社製ヒートディストーションテンスターにて、曲
げ応力4.6Kg/cm2 で測定した。平面度は、名機
製作所社製32t成形機を用いて、シリンダー温度25
0℃、金型温度80℃で成形した厚さ2mmの100m
m×100mmの角板を、東京精密社製三次元座標測定
機ザイザックスを用いて測定した。ショートショット圧
は、名機製作所社製成形機M−100を用いて、シリン
ダー温度240℃で厚さ3mmの100mm×100m
mの角板を成形した時の成形可能な最小圧力を成形機の
最大圧力(2000Kgf/cm2)に対する百分率で
表示した。難燃性は、上記成形条件にて、厚さ1.4m
mの12.7mm×127mmの棒状試験片を成形し、
UL規格E54695に準拠して測定した。
【0015】ビニル系重合体1の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル23重量部、スチレン76.7重量部およ
びグリシジルメタクリレート0.3重量部と、t−ドデ
シルメルカプタンを0.5重量部、アゾビスイソブチル
ニトリルを0.17重量部、ガファックGB−520
(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合物を、
反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反応容器
内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して重合を
行った。得られたビニル系重合体Aの還元粘度は0.4
9であった。
【0016】ビニル系重合体2の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル18重量部、スチレン81.75重量部お
よびグリシジルメタクリレート0.25重量部と、t−
ドデシルメルカプタンを0.6重量部、アゾビスイソブ
チルニトリルを0.17重量部、ガファックGB−52
0(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合物
を、反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反応
容器内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して重
合を行った。得られたビニル系重合体の還元粘度は0.
47であった。
【0017】ビニル系重合体3の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル28重量部、スチレン71重量部およびグ
リシジルメタクリレート1重量部と、t−ドデシルメル
カプタンを0.8重量部、アゾビスイソブチルニトリル
を0.17重量部、ガファックGB−520(東邦化学
工業社製)を0.003重量部の混合物を、反応容器に
添加して懸濁液状とした。その後、反応容器内の温度を
75℃に昇温し、240分間保持して重合を行った。得
られたビニル系重合体の還元粘度は0.55であった。
【0018】ビニル系重合体4の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル28重量部、スチレン71.7重量部およ
びグリシジルメタクリレート0.3重量部と、t−ドデ
シルメルカプタンを0.3重量部、アゾビスイソブチル
ニトリルを0.17重量部、ガファックGB−520
(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合物を、
反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反応容器
内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して重合を
行った。得られたビニル系重合体の還元粘度は0.53
であった。
【0019】ビニル系重合体5の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル28重量部、スチレン71.7重量部およ
びグリシジルメタクリレート0.3重量部と、t−ドデ
シルメルカプタンを0.3重量部、アゾビスイソブチル
ニトリルを0.17重量部、ガファックGB−520
(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合物を、
反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反応容器
内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して重合を
行った。得られたビニル系重合体の還元粘度は0.53
であった。
【0020】ビニル系重合体6の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル23重量部とよびスチレン77重量部と、
t−ドデシルメルカプタンを0.5重量部、アゾビスイ
ソブチルニトリルを0.17重量部、ガファックGB−
520(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合
物を、反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反
応容器内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して
重合を行った。得られたビニル系重合体の還元粘度は
0.49であった。
【0021】ビニル系重合体7の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル23重量部、スチレン75重量部およびグ
リシジルメタクリレート2重量部と、t−ドデシルメル
カプタンを0.3重量部、アゾビスイソブチルニトリル
を0.17重量部、ガファックGB−520(東邦化学
工業社製)を0.003重量部の混合物を、反応容器に
添加して懸濁液状とした。その後、反応容器内の温度を
75℃に昇温し、240分間保持して重合を行った。得
られたビニル系重合体の還元粘度は1.74であった。
【0022】ビニル系重合体8の製造 蒸留水115重量部、第三燐酸カルシウム1重量部およ
びデモールP(花王社製)0.001重量部を反応容器
に仕込み撹拌した。次いで、グラフト単量体としてアク
リロニトリル23重量部、スチレン76.95重量部お
よびグリシジルメタクリレート0.05重量部と、t−
ドデシルメルカプタンを0.5重量部、アゾビスイソブ
チルニトリルを0.17重量部、ガファックGB−52
0(東邦化学工業社製)を0.003重量部の混合物
を、反応容器に添加して懸濁液状とした。その後、反応
容器内の温度を75℃に昇温し、240分間保持して重
合を行った。得られたビニル系重合体の還元粘度は0.
49であった。
【0023】実施例1〜4、比較例1〜7 固有粘度[η]1.0のポリブチレンテレフタレート、
表1に示したビニル系重合体、繊維径13μm、繊維長
さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製ECS03T
−191)、臭素化エポキシ(阪本薬品工業社製SR−
TP2)、三酸化アンチモン(鈴裕化学製ファイヤーカ
ットAT−3)を、それぞれ表1に示した割合で配合
し、カワタ社製スーパーミキサーで5分間混合した後、
スクリューの直径65mmの単軸押出機でペレットを製
造した。得られたペレットを用いて、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度、平面度およびショートショット圧の測
定を行い、その結果を表1に示した。表1から明らかな
ように、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いた実施
例1〜4は、いずれもアイゾット衝撃強度が高く優れた
耐衝撃性を示し、熱変形温度も高く耐熱性にも優れてお
り、平面度が小さく低そり性に優れ、ショートショット
圧も低く優れた成形性を有すし、難燃性にも優れている
ものであった。これに対して、ビニル系重合体を含有し
ていない比較例1、ビニル系重合体の含有量の少ない比
較例2では、平面度が大きく低そり性に劣り、ビニル系
重合体の含有量の多い比較例3では、アイゾット衝撃強
度が低く耐衝撃性に劣るものであった。エポキシ基含有
ビニル単量体を使用していない比較例4および5では、
アイゾット衝撃強度が低く耐衝撃性に劣るものであっ
た。エポキシ基含有ビニル単量体の使用量の多い比較例
6では、アイゾット衝撃強度は高く耐衝撃性には優れて
いるが、平面度が大きくそりの発生が著しく、ショート
ッショット圧も高く成形性に劣るものであった。エポキ
シ基含有ビニル単量体の使用量の少ない比較例7では、
アイゾット衝撃強度が低く耐衝撃性に劣るものであっ
た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例5〜8、比較例7〜8 固有粘度[η]1.0のポリブチレンテレフタレート、
表2に示したビニル系重合体、繊維径13μm、繊維長
さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製ECS03T
−191)、臭素化エポキシ(阪本薬品工業社製SR−
TP2)、三酸化アンチモン(鈴裕化学製ファイヤーカ
ットAT−3)を、それぞれ表2に示した割合で配合
し、カワタ社製スーパーミキサーで5分間混合した後、
スクリューの直径65mmの単軸押出機でペレットを製
造した。得られたペレットを用いて、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度、平面度およびショートショット圧の測
定を行い、その結果を表2に示した。表2から明らかな
ように、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いた実施
例5〜8では、いずれも耐衝撃性、耐熱性、低そり性、
成形性および難燃性に優れたものであった。これに対し
て、ビニル系重合体を含有していない比較例8では耐衝
撃性に劣り、エポキシ基含有ビニル単量体の使用量の多
い比較例9ではそりの発生が著しく、成形性にも劣るも
のであった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例9〜14、比較例10〜11 固有粘度[η]1.0のポリブチレンテレフタレート、
表3に示したビニル系重合体、繊維径13μm、繊維長
さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製ECS03T
−191)、臭素化エポキシ(阪本薬品工業社製SR−
TP2)、三酸化アンチモン(鈴裕化学製ファイヤーカ
ットAT−3)を、それぞれ表3に示した割合で配合
し、カワタ社製スーパーミキサーで5分間混合した後、
スクリューの直径65mmの単軸押出機でペレットを製
造した。得られたペレットを用いて、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度、平面度およびショートショット圧の測
定を行い、その結果を表3に示した。表3から明らかな
ように、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いた実施
例9〜14では、いずれも耐衝撃性、耐熱性、低そり
性、成形性および難燃性に優れたものであった。これに
対して、ガラス繊維を含有していない比較例10では耐
衝撃性に劣り、ガラス繊維の含有量の多い比較例11で
はそりの発生が著しく、成形性にも劣るものであった。
【0028】
【表3】
【0029】実施例15〜18 固有粘度[η]1.0のポリブチレンテレフタレート、
表4に示したビニル系重合体、繊維径13μm、繊維長
さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製ECS03T
−191)、臭素化エポキシ(阪本薬品工業社製SR−
TP2)、三酸化アンチモン(鈴裕化学製ファイヤーカ
ットAT−3)を、それぞれ表4に示した割合で配合
し、カワタ社製スーパーミキサーで5分間混合した後、
スクリューの直径65mmの単軸押出機でペレットを製
造した。得られたペレットを用いて、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度、平面度およびショートショット圧の測
定を行い、その結果を表4に示した。表4から明らかな
ように、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いた実施
例15〜18では、いずれも耐衝撃性、耐熱性、低そり
性、成形性難燃性に優れたものであった。
【0030】
【表4】
【0031】比較例12〜17 固有粘度[η]1.0のポリブチレンテレフタレート、
表5に示したビニル系重合体、繊維径13μm、繊維長
さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製ECS03T
−191)、臭素化エポキシ(阪本薬品工業社製SR−
TP2)、三酸化アンチモン(鈴裕化学製ファイヤーカ
ットAT−3)を、それぞれ表5に示した割合で配合
し、カワタ社製スーパーミキサーで5分間混合した後、
スクリューの直径65mmの単軸押出機でペレットを製
造した。得られたペレットを用いて、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度、平面度およびショートショット圧の測
定を行い、その結果を表5に示した。表5から明らかな
ように、臭素化エポキシの含有量の少ない比較例2、三
酸化アンチモンを含まない比較例17では、いずれも難
燃性に著しく劣るものであった。また、臭素化エポキシ
の含有量が少なく三酸化アンチモンの含有量の多い比較
例13では、成形性に劣るとともに難燃性も低いもので
あった。三酸化アンチモンの含有量の多い比較例15で
は、成形性に劣るものであった。さらに、臭素化エポキ
シの含有量の多い比較例14、臭素化エポキシおよび三
酸化アンチモンの含有量の多い比較例16では、耐衝撃
性および成形性に劣るものであった。
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】本発明は、繊維状強化材を含有するポリ
エステル樹脂組成物に、特定のビニル系共重合体を配合
するとともに、臭素系難燃剤およびアンチモン系化合物
を配合することによって、繊維強化材の配合による成形
品のそりの発生を抑制するとともに、難燃性、耐熱性、
機械的強度および耐衝撃性に優れた成形品を得ることが
できるものであり、各種熱器具、電気・電子部品、自動
車部品等の広い分野で使用できるポリエステル樹脂組成
物を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63:00) (72)発明者 重光 英之 神奈川県川崎市多摩区登戸3816番地三菱レ イヨン株式会社東京研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂55〜99重
    量%(A)と、シアン化ビニル単量体(B−1)、芳香
    族ビニル単量体(B−2)およびエポキシ基含有ビニル
    単量体(B−3)を重合してなり、エポキシ基含有ビニ
    ル単量体(B−3)の割合が0.1〜1.5重量%であ
    るビニル系重合体(B)1〜45重量%とからなる樹脂
    成分30〜80重量%、繊維状強化材(C)5〜57重
    量%、臭素系難燃剤(D)3〜20重量%およびアンチ
    モン系化合物(E)1〜10重量%からなることを特徴
    とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ビニル系重合体(B)が、シアン化ビニ
    ル単量体(B−1)15〜40重量%、芳香族ビニル単
    量体(B−2)60〜84.9重量%およびエポキシ基
    含有ビニル単量体(B−3)0.1〜1.5重量%を重
    合してなることを特徴とする請求項1記載のポリエステ
    ル樹脂組成物。
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