JPH1112428A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH1112428A
JPH1112428A JP18186997A JP18186997A JPH1112428A JP H1112428 A JPH1112428 A JP H1112428A JP 18186997 A JP18186997 A JP 18186997A JP 18186997 A JP18186997 A JP 18186997A JP H1112428 A JPH1112428 A JP H1112428A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
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resin composition
group
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JP18186997A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sekiguchi
関口  正之
Takashi Kurata
貴志 蔵田
Kazuki Iwai
一樹 岩井
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性
などの機械的特性のバランスに優れ、広範囲の用途に使
用し得る熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記(A)+(B)+(C)、または
(A)+(B)+(C)+(D)を主成分とする熱可塑
性樹脂組成物。 (A)温度280℃、せん断速度1,000sec-1
測定条件下において、見かけの粘度が5,000ポイズ
以下のサーモトロピック液晶ポリエステル (B)ゴム状重合体(a)の存在下または不存在下に、
ビニル系単量体(b)を重合して得られる(ゴム変性)
熱可塑性樹脂 (C)ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびエポキ
シ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
不飽和化合物、またはこれと必要に応じて共重合可能な
他のビニル系単量体とからなる官能基含有重合体 (D)芳香族ポリカーボネートおよび/または非液晶性
芳香族ポリエステル

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐熱性、流
動性、ウエルド強度や剛性などの機械的特性のバランス
に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの高度な利用にともない、
近年、さまざまな特性を有するプラスチックが市場ニー
ズに応えて提供されている。なかでも、溶融時に液晶性
を示すサーモトロピック液晶ポリマーは、剛直な分子鎖
の高度な配向により、優れた流動性と自己強化性による
高弾性率を示すことが知られている。しかしながら、サ
ーモトロピック液晶ポリマーは、高度な分子鎖配向によ
り、機械的特性の異方性、成形収縮率の異方性、フィブ
リル化による剥離、ウエルド強度が低いなどの種々の問
題を有している。これらに対し、液晶ポリエステルに、
ガラス繊維などの無機充填剤を配合する方法(例えば、
特開昭63−264660号公報、特開昭64−384
64号公報)が提案されているが、無機充填剤の配合に
より、脆性が増大し、ウエルド強度や成形品表面外観が
充分でないなどの問題がある。また、液晶ポリエステル
に、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートな
どを溶融混合する方法(例えば、特開昭57−4055
1号公報、特開昭56−11537号公報、特開昭63
−215769号公報、特開平1−301749号公
報、特開平2−263849号公報)が提案されている
が、高い成形性が必要であったり、耐熱性と成形性のバ
ランスが不充分であったり、各成分間の相溶性または分
散性が充分でないため、射出成形品の剥離や、混合則か
ら予測される機械的特性を下回るなど、実用上、満足で
きるものではない。
【0003】一方、芳香族ポリカーボネートは、その耐
熱性や高い靱性により、OA機器分野、家電分野などの
各種分野に使用されているが、使用用途によっては、耐
熱性や流動性、耐衝撃性などが不足するいという欠点を
有している。また、ABS樹脂などのゴム強化スチレン
系樹脂は、成形加工性、耐衝撃性、成形品表面外観など
に優れていることから、車両分野、OA機器分野、家電
分野、雑貨などの幅広い分野に使用されているが、使用
用途によって、剛性、耐熱性、流動性が不足するという
欠点を有している。このゴム強化スチレン系樹脂の耐熱
性を改良するために、液晶ポリエステルを溶融混合する
方法(例えば、特開平2−102245号公報)が提案
されているが、熱変形温度の向上はあるものの、ウエル
ド強度や射出成形品の剥離が生ずるなどの問題があり、
実用上、満足できるものではない。さらに、流動性に優
れた熱可塑性樹脂組成物として、芳香族ポリカーボネー
トとABS樹脂に液晶ポリエステルを配合する方法(例
えば、特開平5−125254号公報)が提案されてい
るが、ウエルド強度や射出成形品の剥離が生じたり、機
械的特性と成形性とのバランスなどが充分でなく、実用
上、満足できるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、優れた耐熱性、流動
性、ウエルド強度や剛性などの機械的特性のバランスに
優れ、広範囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)温度2
80℃、せん断速度1,000sec-1の測定条件下に
おいて、見かけの粘度が5,000ポイズ以下のサーモ
トロピック液晶ポリエステル95〜4重量%、(B)ゴ
ム状重合体(a)の存在下または不存在下に、芳香族ビ
ニル化合物、シアン化ビニル化合物および(メタ)アク
リル酸エステルの群から選ばれた少なくとも1種のビニ
ル系単量体(b)を重合して得られる(ゴム変性)熱可
塑性樹脂4〜95重量%、ならびに(C)ヒドロキシル
基、カルボキシル基およびエポキシ基の群から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物、または
これと必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量体と
からなる官能基含有重合体1〜92重量%〔ただし、
(A)+(B)+(C)=100重量%〕を主成分とす
る熱可塑性樹脂組成物(以下「第1組成物」ともいう)
を提供するものである。また、本発明は、上記(A)成
分、(B)成分および(C)成分の合計量100重量部
に対し、(D)芳香族ポリカーボネートおよび/または
非液晶性芳香族ポリエステルを1〜200重量部配合し
た熱可塑性樹脂組成物(以下「第2組成物」ともいい、
第1〜2組成物を総称して「本発明の熱可塑性樹脂組成
物」ともいう)を提供するものである。ここで、上記
(A)成分は、脂肪族ポリエステル構造を含むものが好
ましい。また、上記(B)成分は、220℃、荷重10
kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.01
〜50(g/10分)であるものが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂組成物(第
1〜2組成物)に用いられる(A)サーモトロピック液
晶ポリエステルは、公知のものを使用することができ
る。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸およびポリエチレ
ンテレフタレートを主構成単位とするサーモトロピック
液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および2−
ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主構成単位とするサーモ
トロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸
および4,4′−ジヒドロキシビフェニルならびにテレ
フタル酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリ
エステルなどが挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物に用いられる(A)サーモトロピック液晶ポリエステ
ルとしては、下記(イ)〜(ニ)より任意に選択した構
造単位を有するポリエステルである。
【0007】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0008】ここで、構造単位(イ)、(ロ)は、それ
ぞれ、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステ
ルの構造単位と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸から
生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位
(イ)、(ロ)を使用することで、耐熱性に優れた本発
明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。また、上
記構造単位(ハ)、(ニ)中のXは、下記化5および/
または化6より、それぞれ、任意に1種あるいは2種以
上選択することができる。構造単位中のXを、化5のX
1 の中より選ぶことで、比較的に耐熱性および剛性が良
好な熱可塑性樹脂組成物となる。また、構造単位中のX
を、化6のX2 の中より選ぶことで、比較的に成形加工
性および機械的特性のバランスが良好な熱可塑性樹脂組
成物となる。
【0009】
【化5】
【化6】
【0010】構造単位(ハ)において好ましいものは、
エチレングリコール、ハイドロキノン、p−ヒドロキシ
ビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビスフ
ェノールAそれぞれから生成した構造単位であり、さら
に好ましくは、エチレングリコール、ハイドロキノン、
p−ヒドロキシビフェニルであり、特に好ましくは、エ
チレングリコール、ハイドロキノンである。構造単位
(ニ)において好ましいものは、テレフタル酸、イソフ
タル酸、2,6−ジカルボキシナフタレンそれぞれから
生成した構造単位であり、さらに好ましくは、テレフタ
ル酸、イソフタル酸であり、特に好ましくは、テレフタ
ル酸である。
【0011】構造単位(ハ)および構造単位(ニ)は、
上記に挙げた構造単位を少なくとも1種、あるいは2種
以上を併用することができる。具体的には、2種以上併
用する場合、構造単位(ハ)においては、エチレング
リコールから生成した構造単位/ハイドロキノンから生
成した構造単位、エチレングリコールから生成した構
造単位/p−ヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位、ハイドロキノンから生成した構造単位/p−ヒド
ロキシビフェニルから生成した構造単位、などを挙げる
ことができる。また、構造単位(ニ)においては、テ
レフタル酸から生成した構造単位/イソフタル酸から生
成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位
/2,6−ジカルボキシナフタレンから生成した構造単
位、などを挙げることができる。ここで、テレフタル酸
量は、2成分中、好ましくは40重量%以上、さらに好
ましくは60重量%以上、特に好ましくは80重量%以
上である。テレフタル酸量を2成分中40重量%以上と
することで、比較的に流動性、耐熱性が良好な熱可塑性
樹脂組成物となる。
【0012】構造単位(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)
の使用割合は、特に限定されない。ただし、構造単位
(ハ)と(ニ)は、基本的にほぼ等モル量となる。ま
た、構造単位(ハ)、(ニ)からなる構造単位(ホ)
を、(A)成分中の構造単位として使用することもでき
る。具体的には、エチレングリコールとテレフタル酸
から生成した構造単位、ハイドロキノンとテレフタル
酸から生成した構造単位、p−ヒドロキシビフェニル
とテレフタル酸から生成した構造単位、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレンとテレフタル酸から生成した構造単
位、ビスフェノールAとテレフタル酸から生成した構
造単位、などを挙げることができる。好ましくは、エ
チレングリコールとテレフタル酸から生成した構造単位
である。
【0013】本発明の(A)成分として特に好ましく使
用されるのは、脂肪族ポリエステル構造を含むサーモト
ロピック液晶ポリエステルである。具体的には、構造単
位(ハ)および(ニ)を必須成分とし、これらの中のX
の一方もしくは両方を、化6中のメチレン鎖繰り返し構
造単位、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチ
レン鎖などとしたポリエステルである。特に最も好まし
く使用されるのは、エチレングリコールとテレフタル酸
から生成した構造単位と構造単位(イ)からなるポリエ
ステルである。これらを(A)成分として使用すること
で、優れた耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性などの
機械的特性のバランスが特に優れ、さらに薄肉成形品と
したときの上記特性が一段と優れた本発明の熱可塑性樹
脂組成物となる。また、本発明の(A)成分には、必要
に応じて、本発明の目的を損なわない程度の少量の範囲
で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族
ヒドロキシカルボン酸から生成する構造単位を導入する
ことができる。
【0014】本発明の(A)成分は、温度280℃、せ
ん断速度1,000sec-1の測定条件下において、見
かけの粘度(溶融粘度)は、5,000ポイズ以下、好
ましくは10〜3,000ポイズ、さらに好ましくは2
0〜2,000ポイズ、特に好ましくは30〜1,00
0ポイズ、最も好ましくは50〜500ポイズである。
上記粘度をこの範囲にすることで、得られる熱可塑性樹
脂組成物を優れた耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性
などの機械的特性のバランスに優れたものとし、さらに
薄肉成形品としたときの上記特性バランスが優れたもの
となる。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物(第1〜2組
成物)における(A)〜(C)成分中の(A)成分の使
用量は、95〜4重量%、好ましくは70〜4重量%、
さらに好ましくは50〜4重量%、特に好ましくは30
〜4重量%である。(A)成分の使用量をこの範囲にす
ることで、優れた耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性
などの機械的特性のバランスに優れ、広範囲の用途に使
用し得る熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
(A)成分の使用量が95重量%を超えると、得られる
熱可塑性樹脂組成物の機械的特性の異方性が発生し、ま
たウエルド強度が低下するから好ましくない。一方、
(A)成分の使用量が4重量%未満では、得られる熱可
塑性樹脂組成物の耐熱性、剛性、流動性が低下し好まし
くない。
【0016】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物(第1
〜2組成物)に用いられる(B)成分は、ゴム状重合体
(a)の存在下または不存在下に、上記ビニル系単量体
(b)を重合して得られる(ゴム変性)熱可塑性樹脂で
ある。ここで、(B)成分に用いられるゴム状重合体
(a)としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチ
レン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソ
プレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコーン系ゴ
ム、アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加ブタ
ジエン系共重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げ
られる。
【0017】また、上記スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、上
記水素添加ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合
体の水素添加物のほかに、スチレンブロックとスチレン
−ブタジエンランダム共重合体のブロック体の水素添加
物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含有量が2
0重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含有量が
20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる重
合体の水素添加物などが含まれる。以上のゴム状重合体
(a)は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
【0018】また、ビニル系単量体(b)である芳香族
ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジ
エチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル
−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニル
キシレン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モ
ノブロモスチレン、ジブロモスチレン、モノフルオロス
チレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げ
られ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ビニル系単量体(b)であるシアン化ビニル化合物とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル化合物が挙げられる。
【0019】ビニル系単量体である(メタ)アクリル酸
エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
アミノアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オク
タデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジ
ルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、アミノメタクリレー
ト、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデ
シルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルなどが挙
げられる。
【0020】以上のビニル系単量体(b)である芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステルは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記ビ
ニル系単量体(b)に、共重合可能な他のビニル系単量
体を30重量%以下共重合することもできる。この共重
合可能な他のビニル系単量体としては、N−フェニルマ
レイミド、シクロヘキシルマレイミド、無水マレイン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドなどが
挙げられる。
【0021】本発明の(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂
は、ゴム状重合体(a)の存在下にビニル系単量体
(b)をグラフト重合したものを用いてもよく、ゴム
状重合体(a)の不存在下に、ビニル系単量体(b)を
(共)重合したものを用いてもよく、さらには上記
〜を混合して用いてもよい。(B)(ゴム変性)熱可
塑性樹脂におけるゴム状重合体(a)の割合は、耐衝撃
性の面から、0〜80重量%、好ましくは5〜80重量
%、さらに好ましくは10〜70重量%である。また、
(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂中のゴム状重合体
(a)の平均分散径は、耐衝撃性の面から、好ましくは
0.01〜50ミクロン、さらに好ましくは0.05〜
30ミクロンである。
【0022】本発明の(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂
は、公知の重合方である乳化重合、溶液重合、懸濁重
合、塊状重合などで製造することができる。(B)(ゴ
ム変性)熱可塑性樹脂のグラフト率は、好ましくは5〜
200重量%、さらに好ましくは10〜150重量%で
ある。また、(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂のメチル
エチルケトン可溶分(マトリックス成分)の極限粘度
〔η〕(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、好
ましくは0.1〜1.2dl/g、さらに好ましくは
0.2〜0.8dl/gである。
【0023】なお、ゴム状重合体(a)の存在下で、ビ
ニル系単量体(b)を2種以上重合する場合、ビニル系
単量体の好ましい組み合わせは、次の(1)〜(3)で
ある。 (1)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物 (2)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステ
ル (3)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/
(メタ)アクリル酸エステルまた、(B)(ゴム変性)
熱可塑性樹脂が、ゴム状重合体(a)の不存在下にビニ
ル系単量体(b)から選ばれる少なくとも1種を(共)
重合して得られるものである場合、好ましい(共)重合
体は、次の(4)〜(7)である。 (4)芳香族ビニル化合物−シアン化ビニル化合物共重
合体 (5)(メタ)アクリル酸エステル重合体 (6)芳香族ビニル化合物重合体 (7)芳香族ビニル化合物−(メタ)アクリル酸エステ
ル−シアン化ビニル化合物共重合体
【0024】本発明の(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂
は、220℃、荷重10kgにおけるメルトフローレー
ト(MFR)が、好ましくは0.01〜50(g/10
分)、さらに好ましくは0.05〜40(g/10
分)、特に好ましくは0.1〜30(g/10分)、最
も好ましくは0.5〜20(g/10分)である。MF
Rをこの範囲にすることで、優れた耐熱性、流動性、ウ
エルド強度や剛性などの機械的特性のバランスが特に優
れ、さらに薄肉製品とした場合の上記特性が一段と優れ
た本発明の熱可塑性樹脂組成物となる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物(第1〜2組
成物)における(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂の使用
量は、4〜95重量%、好ましくは30〜95重量%、
さらに好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは7
0〜95重量%である。(B)(ゴム変性)熱可塑性樹
脂の使用量が、4重量%未満では、得られる熱可塑性樹
脂組成物の機械的特性の異方性が発生し、またウエルド
強度が低下するので好ましくなく、一方、95重量%を
超えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性、剛性
および流動性が低下し、好ましくない。
【0026】次に、本発明の(C)成分は、ヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、およびエポキシ基の群から選ば
れた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物、ま
たはこれと必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量
体とからなる官能基含有重合体である。ここで、(C)
成分に使用されるヒドロキシル基含有不飽和化合物とし
ては、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロ
ペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロ
キシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブ
テン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートなどが挙げられる。また、カルボキシ
ル基、酸無水物基含有重合体のカルボキシル基、酸無水
物基を、ポリオール成分でエステル化しヒドロキシル基
化したものを、また酸無水物基含有重合体と一般式 NH2 −R−OH (式中、Rは、炭素数2〜30の炭化水素基を示す。)
と反応させて得られるものも使用することができる。
【0027】カルボキシル基含有不飽和化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸などが挙げられる。エポキシ基含有不
飽和化合物としては、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これら官能基
含有不飽和化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を
併用することができる。官能基含有不飽和化合物の好ま
しい官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、さら
に好ましくはヒドロキシル基である。
【0028】また、(C)成分に必要に応じて用いられ
る共重合可能な他のビニル系単量体としては、上記
(B)成分に用いられる芳香族ビニル化合物、シアン化
ビニル化合物のほか、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、
4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンや、ブタ
ジエン、イソプレン、ペンタジエンなどの共役ジエンが
挙げられ、好ましくは芳香族ビニル化合物、シアン化ビ
ニル化合物、さらに好ましくはスチレン、α−メチルス
チレン、アクリロニトリルである。これらの共重合可能
な他のビニル系単量体は、1種単独で、あるいは2種以
上を併用することができる。
【0029】なお、本発明の(C)成分には、ゴム状重
合体の存在下に、官能基含有不飽和化合物または官能基
含有不飽和化合物と共重合可能な他のビニル系単量体を
共重合したものも含まれる。ここで、ゴム状重合体に
は、上記したものがすべて含まれる。本発明の(C)成
分を得るには、通常のよく知られた重合法でよく、例え
ば乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合が用いられ
る。
【0030】(C)成分を構成する単量体成分の組み合
わせとして好ましいものは、スチレン/メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド
共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド/無水
マレイン酸共重合体、スチレン/アクリロニトリル/
ヒドロキシル基含有不飽和化合物共重合体、スチレン
/アクリロニトリル/不飽和酸共重合体、スチレン/
アクリロニトリル/エポキシ基含有共重合体、スチレ
ン/アクリロニトリル/オキサゾリン基含有不飽和化合
物共重合体、スチレン/アクリロニトリル/ヒドロキ
シル基含有不飽和化合物/メタクリル酸メチル共重合体
である。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物(第1〜2組
成物)における(C)官能基含有重合体の使用量は、1
〜92重量%、好ましくは1〜65重量%、さらに好ま
しくは1〜45重量%、特に好ましくは1〜25重量%
である。(C)成分の使用量をこの範囲にすることで、
優れた耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性などの機械
的バランスに優れ、広範囲の用途に使用し得る熱可塑性
樹脂組成物を得ることができる。(C)成分の使用量
が、1重量%未満では、ウエルド強度が低下し好ましく
なく、一方、92重量%を超えると、得られる熱可塑性
樹脂組成物の耐熱性、剛性、流動性が低下し好ましくな
い。
【0032】次に、本発明の第2組成物は、上記(A)
〜(C)成分に、さらに(D)芳香族ポリカーボネート
および/または非液晶性芳香族ポリエステルを配合した
熱可塑性樹脂組成物である。上記(D)成分として用い
られる芳香族ポリカーボネートとしては、種々のジヒド
ロキシアリール化合物とホスゲンとの反応によって得ら
れるもの(ホスゲン法)、あるいはジヒドロキシアリー
ル化合物とジフェニルカーボネートとのエステル交換反
応によって得られるもの(エステル交換法)が挙げられ
る。代表的なポリカーボネートとしては、2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとホスゲンとの
反応によって得られるポリカーボネートである。
【0033】ここで、ポリカーボネートの原料となるジ
ヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ロフェニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロペンタン、1,1′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジ
ヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキ
シ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′
−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒド
ロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキ
シド、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,
4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルス
ルホン、ヒドロキノン、レゾルシンなどが挙げられ、こ
れらは、1種または2種以上で用いられる。特に好まし
いものは、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、すなわちビスフェノールAである。(D)ポ
リカーボネートの粘度平均分子量は、好ましくは15,
000〜40,000、さらに好ましくは17,000
〜35,000、特に好ましくは20,000〜33,
000である。
【0034】また、本発明の第2組成物において、
(D)成分として用いられる非液晶性芳香族ポリエステ
ルは、熱可塑性ポリエステルであり、酸成分として、テ
レフタル酸またはそのエステル形成誘導体と、イソフタ
ル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメシン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリ
カルボン酸、あるいはアジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸などの飽和脂肪族ジ
カルボン酸、またはそのエステル形成誘導体の1種また
は2種以上を用いることができる。ここで、前者のテレ
フタル酸などと後者のジカルボン酸などの組成比は特に
限定されないが、好ましくは50:50〜95:5モル
%である。
【0035】また、上記非液晶性芳香族ポリエステルに
用いられるジオールとしては、1,4−ブタンジオー
ル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール
の少なくとも1種を用いることができる。好ましくは、
1,4−ブタンジオールである。また、上記酸成分とし
て、テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体を単独
で使用する場合には、ジオール成分として、1,4−ブ
タンジオールと脂肪族ジオールの併用系が好ましく、そ
の組成比は特に限定されないが、好ましくは50:50
〜95:5モル%である。(D)非液晶性芳香族ポリエ
ステルとして特に好ましく用いられるのは、ポリエチレ
ンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタ
レートである。
【0036】本発明における(D)非液晶性芳香族ポリ
エステルの製造方法は、特に限定されるものではなく、
公知の方法に従って行うことができる。例えば、上記酸
成分とジオール成分を、同時にまたは段階的に直接エス
テル化するか、あるいはエステル交換反応させたのち、
重合する方法などを採用することができる。これらの重
合あるいはエステル化反応、エステル交換反応の際に、
公知の各種触媒、安定剤、改質剤または添加剤を使用し
てもよい。
【0037】本発明の第2組成物における(D)成分の
使用量は、上記(A)〜(C)成分の合計量100重量
部に対し、1〜200重量部、好ましくは5〜150重
量部、さらに好ましくは10〜100重量部、特に好ま
しくは10〜70重量部である。1重量部未満では、
(D)成分の使用効果が発現せず、一方、200重量部
を超えると、流動性が低下し好ましくない。(D)成分
を上記範囲内で使用することで、得られる第2組成物
を、耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性などの機械的
特性のバランスを一段と優れたものとし、さらに薄肉成
形品としたときの上記特性バランスが優れたものとする
ことができる。
【0038】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物の機械
的性質を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイ
ト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫
酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー
などの充填剤を、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。これらの充填
剤のうち、ガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜
60ミクロンの繊維径と30ミクロン以上の繊維長を有
するものが好ましい。これらの充填剤は、本発明の熱可
塑性樹脂組成物100重量部に対し、通常、5〜150
重量部の範囲で用いられる。
【0039】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
公知の難燃剤、カップリング剤、耐光剤、酸化防止剤、
可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、シリコンオイル、
発泡剤などの添加剤を配合することができる。さらに、
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、銀もしくは銀化合物
などの抗菌剤または市販の防カビ剤を配合することによ
り、優れた抗菌性、防カビ性を付与することができる。
上記抗菌剤、防カビ剤の配合量は、本発明の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に対し、0.01〜30重量部、
好ましくは0.05〜20重量部である。さらに、本発
明の熱可塑性樹脂組成物には、要求される性能に応じ
て、他の重合体、例えばポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエ
ーテルなどを適宜ブレンドすることができる。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押し
出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを
用い、各成分を混練りすることによって得られる。好ま
しい製造方法は、2軸押し出し機を用いる方法である。
各成分を混練りするに際して、各成分を一括して混練り
してもよく、多段添加式で混練りしてもよい。このよう
にして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、シート押し出し成形、真空成形、異形押し出し成
形、ブロー成形、発泡成形、射出プレス成形、ガス注入
成形などによって、各種成形品を成形することができ
る。上記成形法によって得られる各種成形品は、その優
れた性質を利用して、OA・家電分野、電気・電子分
野、雑貨分野、サニタリー分野、自動車分野などの各種
パーツ、ハウジング、シャーシなどに使用することがで
きる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中、部および%は特に断らない限り重
量基準である。また、実施例中の各種評価は、次のよう
にして測定した値である。
【0042】耐熱性 ASTM D648に準じて、熱変形温度(℃)を測定
した。流動性 シリンダー温度270℃、厚さ0.5mmのスラブフロ
ー金型を用い、射出圧1,000kg/cm2 にて流動
長を求め、次のように評価した。 ◎;非常に良く流れる。 ○;良く流れる。 ×;良く流れない。
【0043】ウエルド強度 ASTM1号ダンベルの中央にウエルドラインができる
金型を用いて成形した試験片を用いて、引張強度(T
M)を測定し、次にウエルドラインの入らない金型で成
形した試験片を用いて、引張強度(T0 )を測定した。
ウエルド強度は、引張試験(TM、T0 )から、下記の
式に従って、ウエルド強度の保持率を求めた。 保持率(%)=(TM/T0 )×100剛性 ASTM D790に準じて、曲げモジュラスを測定し
た。単位は、kg/cm2 である。
【0044】本実施例に用いられる各成分は、次のとお
りである。サーモトロピック液晶ポリエステル(A)−1〜(A)
−3 (A)−1;p−ヒドロキシ安息香酸とポリエチレンテ
レフタレートからなる、溶融粘度(見かけの粘度)20
0ポイズ(280℃、せん断速度1,000sec-1
の共重合ポリエステル (A)−2;p−ヒドロキシ安息香酸とポリエチレンテ
レフタレートからなる、溶融粘度(見かけの粘度)50
0ポイズ(280℃、せん断速度1,000sec-1
の共重合ポリエステル (A)−3;p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ
−6−ナフトエ酸からなる、溶融粘度(見かけの粘度)
1,000ポイズ(280℃、せん断速度1,000s
ec-1)の共重合ポリエステル
【0045】ゴム状重合体(a)−1〜(a)−3 本発明の(B)(ゴム変性)熱可塑性樹脂に用いられる
(a)成分として、表1のゴム状重合体を用いた。(ゴム変性)熱可塑性樹脂(B)−1〜(B)−6 上記ゴム状重合体(a)−1〜(a)−3存在下に各種
ビニル系単量体をグラフト重合した樹脂、およびゴム状
重合体を存在させずに、各種ビニル系単量体のみを重合
した樹脂を、それぞれ得た。これらの樹脂の組成、およ
びメルトフローレート(MFR;220℃、荷重10k
g)を、表2に示す。なお、(B)−1〜2、(B)−
6は乳化重合で、(B)−3〜5は溶液重合で得た。
【0046】官能基含有重合体(C)−1〜(C)−3 本発明の(C)成分を構成する単量体成分を重合し、官
能基含有重合体を得た。これらの重合体の構成を表3に
示す。なお、(C)−1〜(C)−3は、乳化重合で得
た。
【0047】芳香族ポリカーボネート(D)−1〜
(D)−2 ビスフェノールAとホスゲンの重合で得た粘度平均分子
量の異なる下記の2種を用いた。 (D)−1;分子量=21,000 (D)−2;分子量=27,000非液晶性芳香族ポリエステル(D)−3〜(D)−4 (D)−3;ポリエチレンテレフタレート、極限粘度
〔η〕=0.65 (D)−4;ポリブチレンテレフタレート、極限粘度
〔η〕=0.80
【0048】充填剤(E)−1〜(E)−2 充填剤として、下記の(E)−1、(E)−2を使用し
た。 (E)−1;カーボン繊維〔旭ファイバーグラス(株)
製、A9000〕 (E)−2;ガラス繊維〔日本電気硝子(株)製、EC
S−03−F34〕
【0049】実施例1〜15、比較例1〜4 表4に示す配処方で、ベント付き2軸押し出し機を用い
て、溶融混練りし(240〜300℃)、ペレット化し
た。このペレットを用い、射出成形機で試験片を作製
し、上記評価方法で評価した。評価結果を表4に示す。
実施例1〜15は、本発明の熱可塑性樹脂組成物であ
り、耐熱性、流動性、ウエルド強度、剛性に優れてお
り、これらのバランスが特に優れている。これに対し、
比較例1は、(A)成分および(B)成分量が本発明の
範囲外であり、ウエルド強度が劣る。比較例2は、
(A)成分および(B)成分が本発明の範囲外であり、
耐熱性、流動性、剛性が劣る。比較例3は、(B)成分
量および(C)成分量が本発明の範囲外であり、耐熱
性、流動性、剛性に劣る。比較例4は、(C)成分量が
本発明の範囲外であり、ウエルド強度が劣る。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた
耐熱性、流動性、ウエルド強度や剛性などの機械的特性
バランスに優れたものである。従って、これらの性能を
要求される電気・電子部品や、音響部材、OA機器分
野、家電分野、車両分野での各種構造材や、ハウジング
および部品などに使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 51/04 67:00 57:10)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)温度280℃、せん断速度1,0
    00sec-1の測定条件下において、見かけの粘度が
    5,000ポイズ以下のサーモトロピック液晶ポリエス
    テル95〜4重量%、 (B)ゴム状重合体(a)の存在下または不存在下に、
    芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および(メ
    タ)アクリル酸エステルの群から選ばれた少なくとも1
    種のビニル系単量体(b)を重合して得られる(ゴム変
    性)熱可塑性樹脂4〜95重量%、ならびに (C)ヒドロキシル基、カルボキシル基およびエポキシ
    基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不
    飽和化合物、またはこれと必要に応じて共重合可能な他
    のビニル系単量体とからなる官能基含有重合体1〜92
    重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量
    %〕を主成分とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の、(A)成分、(B)成
    分および(C)成分の合計量100重量部に対し、
    (D)芳香族ポリカーボネートおよび/または非液晶性
    芳香族ポリエステルを1〜200重量部配合した熱可塑
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分が脂肪族ポリエステル構造を
    含む請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の220℃、荷重10kgに
    おけるメルトフローレート(MFR)が0.01〜50
    (g/10分)である請求項1または2記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004104100A1 (en) * 2003-05-15 2004-12-02 E.I. Dupont De Nemours And Company Fast crystallizing polyester compositions
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