JP3608719B2 - ブラウン管用パネル包装箱 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラウン管用パネルの表面の損傷を防止するために、シールエッジ面を下向きにして収納するタイプ(平置きタイプ)のブラウン管用パネル包装箱の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平置きタイプのブラウン管用パネル包装箱(図示省略)は、収納されるパネルのシールエッジ面を支持する箱底面が平坦面とされている。そして、パネルの収納及び取出しを容易にするために、包装箱の内法寸法は、パネルの外形寸法よりも若干大き目に形成されている。このため、包装箱内に収納されたパネルは、周囲に若干の隙間が存在し、この隙間の分だけ運搬中等にズレ動き可能となっている。
【0003】
上記包装箱内に収納されるパネルは、所定量の溶融ガラス塊(ガラスゴブ)を金型に供給してプレス成形されるもので、その形状は、図3の(A)に示すように、略矩形のフェース部4aと、このフェース部4aの周縁部より背面側に延びるスカート部4bとからなる。そして、上記フェース部4aは、画像表示部となるもので、従来では、図3の(B)に示すように、フェース部4aの外表面が凸球面形状とされていたが、最近では、図3の(C)に示すように、フェース部4aの外表面が実質的に平坦であるパネル(フラットパネルと呼ばれている。)が製造されるようになってきている。また、スカート部4bは、フェース部4aの周縁部よりブレンド部を介して背面側にほぼ直角に延長して形成されており、その端面には、ファンネル(図示省略)と接合するためのシールエッジ面4cが形成されている。ブラウン管用パネルには、成形時のガラスの温度変化により、圧縮応力と引張応力が発生するが、本質的に材料強度を低下させる性質を有する引張応力は、上記の形状をもつパネルにおいて、シールエッジ面4cの各コーナー部4dの外周側に発生し易い。
【0004】
また、特に、先記したフラットパネルにおいては、フラット化による強度低下を補うため、パネルに高い圧縮応力を形成させており、それに伴って、上記各コーナー部4dには、高い引張応力が発生し易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブラウン管用パネル包装箱は、箱底面が平坦面とされているため、この箱底面に、パネル4のシールエッジ面4cが、四隅のコーナー部4dを含めて全面接触状態で収納される。そして、収納されたパネル4は、包装箱内で、前記隙間分だけズレ動き可能となっているため、何れかの工程で、砂塵等の硬質小塊粒子状の異物やゴミ等が包装箱内に侵入すると、これが、パネル4のシールエッジ面4cと箱底面との間に噛み込まれ、運搬中等に発生する振動その他の影響によるズレ動きによって、パネル4のシールエッジ面4cに傷が発生する場合がある。このような傷が、パネル4のシールエッジコーナー部4dに発生した場合、かかるシールエッジコーナー部には、引張応力が集中して発生しているため、この傷を起点として、パネル4が亀裂破損し易い傾向がある。
【0006】
特に、フェース部4aの外表面が平坦面のパネル4の場合では、先記の通り、外表面が凸球面形状のフェース部4aをもつパネル4の場合に比較して、シールエッジ面4cの各コーナー部4dの外周側への引張応力の集中が、一層、発生し易いため、前記の課題がより顕著になる。
【0007】
そこで、本発明は、シールエッジコーナー部の破損を防止し得るブラウン管用パネル包装箱を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、シールエッジ面を下向きにして包装箱内にパネルを平置きに収納するタイプのブラウン管用パネル包装箱において、収納するパネルの四隅のシールエッジコーナー部に対応する包装箱の箱底面に、該シールエッジコーナー部を非接触とするための穴または凹部を形成したものである。この構成としたことにより、包装箱内に収納されたパネルは、四隅のシールエッジコーナー部が非接触の状態で、箱底面に支持されるため、シールエッジコーナー部と箱底面との間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得る。従って、パネルのシールエッジコーナー部の傷の発生や破損を防止することができる。なお、パネルは、シールエッジコーナー部を除く残余のシールエッジ面(大部分を占める)により箱底面に接触して支持されるため、十分な支持面積が確保され、不安定になる心配はない。
【0009】
また、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、収納するパネルが、フェース部が実質的に平坦な外表面を有するフラットパネルの包装に適用される場合に、より好適である。ここで、実質的に平坦な外表面とは、パネルの対角軸方向における平均曲率半径が10000mm以上であることをいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて説明する。図1の(A)は本発明のブラウン管用パネル包装箱の一例を示す平面図、(B)及び(C)は(A)図中のD−D線位置で切断した場合の本発明の異なる実施例の概略を示す要部拡大断面図、図2は本発明のブラウン管用パネル包装箱の梱包形態の一例を説明するための概略斜視図、図3の(A)はパネルの概略斜視図、(B)及び(C)はフェース部の外表面が凸球面形状のパネルと平坦面形状のパネルとの概略縦断側面図である。
【0011】
図1において、1は包装箱、2は側面パッド、3は紙管、4はパネルを示している。
【0012】
包装箱1は、本実施例では、パネル4を平置きで1個だけ収納する場合を例示しており、そのため、その形状は、収納するパネル4の外形寸法に対応させ、かつ、側面パッド2の挿入を可能とする内法寸法の四辺形箱形状に製作され、底板部1aと周壁板部1bとを有し、周壁板部1bの高さは、パネル4の頂部高さよりも所定寸法だけ高くして、収納されるパネル4のフェース部4aの損傷を防止するように構成されている。
【0013】
側面パッド2は、本実施例では、包装箱1内に収納されるパネル4の短辺側両側外面と、包装箱1の短辺側両側内面との間に挿入されるもので、包装箱1内でのパネル4の水平方向の自由移動を防止させ、かつ、外部からの衝撃を緩和させるために、略四角形筒形状に製作され、筒の中心線を包装箱1の短辺に平行にして挿入される。この側面パッド2の高さは、包装箱1の周壁板部1bの高さと同等か若干低くされている。また、側面パッド2の筒の中心線方向両端には、紙管3を位置決め挿入するための上下方向に貫通したポケット部2a、2bが形成されている。このポケット部2a、2bは、平面から見た形状が略正方形枠状とされ、この枠内に紙管3を内接状態で位置決め支持するように構成されている。
【0014】
紙管3は、包装箱1の四隅に挿入され、包装箱1が複数段に段積み梱包された場合における垂直方向の荷重を支持させるためのものであって、これらの積載荷重を考慮した強度を維持する所定肉厚の円筒状の紙管製パイプ材を、包装箱1の周壁板部1bの高さと同等寸法に裁断したものが使用され、管の中心線を垂直方向にして、前記側面パッド2のポケット部2a、2bに挿入される。
【0015】
本実施例では、包装箱1及び側面パッド2を、段ボール紙製とした場合を例示しているが、これらは、合成樹脂製としてもよい。なお、合成樹脂製とする場合には、紙管3も合成樹脂製とし、側面パッド2と一体に形成してもよく、また、別体としてもよい。
【0016】
本実施例において、パネル4を包装箱1内に収納する場合、側面パッド2及び紙管3は、包装箱1内に挿入していない状態で収納させるもので、このようにすると、パネル4の短辺側両側を作業者が直接両手で把持して収納する場合や、ロボットハンド等のローディング手段、または、ハンドリング手段等によって両手の代わりの把持手段で把持して収納する場合において、これらの両手、または、両手に代わる把持手段が包装箱1内に衝突干渉することなしにパネル4を包装箱1内に円滑に挿入するスペースを包装箱1内に確保させることができることになるからである。なお、側面パッド2は、パネル4の長辺側両側にも挿入することが可能である。本実施例では、パネル4の短辺側両側にのみ挿入した場合を例示している。このようにしている理由は、パネル4を長辺側両側で把持するとき、長辺側の中心付近で把持しただけでは左右に揺れ動いて支持が不安定となるが、短辺側の中心付近を把持した場合では、前記のような揺れ動きが少なく、支持が安定し、合理的であるとの認識によるためである。このことは、作業者が両手でパネル4を把持して挿入する場合は勿論のこと、特に、大型ブラウン管用パネルでは、1人の作業者で把持すること自体が困難であり、2人以上の作業者で把持する必要があり、かつまた、ロボットハンド等によって把持させる場合等をも考慮したものである。
【0017】
ところで、本発明の特徴とするところは、図1の(A)および(B)または(C)に示すように、収納するパネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dに対応する包装箱1の箱底面1cに、該シールエッジコーナー部4dを非接触とするための穴1dまたは凹部1eを形成したものである。
【0018】
上記穴1dまたは凹部1eの平面形状は、パネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dを非接触状態とし得る形状であれば、どのような形状でもよい。例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、その他の形状とできる。図1の(A)に示す実施例は、四角形の一角を斜め45度にカットして五角形とし、カットした部分をパネル4のシールエッジコーナー部4dの内側にくるように配置して形成した場合を例示している。
【0019】
図2は、本実施例の梱包形態の概略を示すもので、パレット5の上に外箱6を載せ、この外箱6内に前記実施例の包装箱1を2個並べて挿入配置し、これを第1段とし、その上に第2段目以降最上段まで所定段数(例えば、5段)積み重ねて載置し、その際、第1段目の包装箱1から最上段の1つ前の段の包装箱1までの上に中蓋7をその都度被せ、最上段の包装箱1の上に上蓋8を被せ、最後に包装フイルム等で被覆し、さらに、包装バンドで緊締結縛して梱包体とされる。上記中蓋7は、周囲に、図1の(B)(C)に示すようなフラップ部7aを有しており、このフラップ部7aによって、各段に並べられた2個の包装箱1、1の水平方向のズレを防止させ、かつ、その上の段に載置される2個の包装箱1、1の水平方向のズレをも防止させるように構成されている。即ち、中蓋7も各段に並べられる2個の包装箱1、1に跨って被せられる。また、上蓋8は、外箱6と同一形状のものを反転させて使用している。
【0020】
上記図2では、パネル4を省略して示しているが、パネル4は前工程で包装箱1内に収納され、2個の側面パッド2および4個の紙管3が挿入された状態で梱包位置まで搬送され、この梱包位置において、前述した要領で梱包作業が行われるものである。
【0021】
本発明のブラウン管用パネル包装箱の実施例は、以上の構成からなるものであるため、包装箱1内に収納されたパネル4は、四隅のシールエッジコーナー部4dが非接触の状態で、箱底面1cに支持される。従って、シールエッジコーナー部4dと箱底面1cとの間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得るため、パネル4のシールエッジコーナー部4dの傷の発生や破損を防止することができる。上記箱底面1cに設ける穴1dまたは凹部1eは、パネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dに対応する部分だけであるから、パネル4の支持は、シールエッジコーナー部4dを除く残余のシールエッジ面1c(大部分を占める)により箱底面1cに接触して支持されるため、十分な支持面積が確保される。
【0022】
上記実施例では、包装箱1内にパネル4を1個だけ収納する場合を例示したが、2個以上を区画収納させるようにしたものにも、その箱底面1cに図1の(A)および(B)または(C)の要領で穴1dまたは凹部1eを形成して適用することができる。
【0023】
なお、本発明において、包装箱1の概念には、パネル4の加工工程間の搬送用コンテナーや、パネル4のプレス成型後から梱包されるまでの間にパネル4を保管または貯蔵しておくための容器をも含むものであって、それらの底部に適用して同等の作用効果を奏するものである。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、包装箱内に収納されたパネルは、四隅のシールエッジコーナー部が非接触の状態で、箱底面に支持されるため、シールエッジコーナー部と箱底面との間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得る。従って、パネルのシールエッジコーナー部の傷の発生や破損を防止することができる。なお、パネルは、シールエッジコーナー部を除く残余のシールエッジ面(大部分を占める)により箱底面に接触して支持されるため、十分な支持面積が確保され、不安定になる心配はない。
【0025】
また、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、収納するパネルが、フェース部が実質的に平坦な外表面を有するフラットパネルの包装に適用される場合に、より好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のブラウン管用パネル包装箱の一例を示す平面図、(B)及び(C)は(A)図中のD−D線位置で切断した場合の本発明の異なる実施例の概略を示す要部拡大断面図。
【図2】本発明のブラウン管用パネル包装箱の梱包形態の一例を説明するための概略斜視図。
【図3】(A)はパネルの概略斜視図、(B)及び(C)は表面が凸球面形状のパネルと平坦面形状のパネルとの概略縦断側面図。
【符号の説明】
1 包装箱
1a 底板部
1b 周壁板部
1c 箱底面
1d 穴
1e 凹部
2 側面パッド
2a、2b ポケット部
3 紙管
4 パネル
4a フェース部
4b スカート部
4c シールエッジ面
4d コーナー部
5 パレット
6 外箱
7 中蓋
7a フラップ
8 上蓋
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラウン管用パネルの表面の損傷を防止するために、シールエッジ面を下向きにして収納するタイプ(平置きタイプ)のブラウン管用パネル包装箱の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平置きタイプのブラウン管用パネル包装箱(図示省略)は、収納されるパネルのシールエッジ面を支持する箱底面が平坦面とされている。そして、パネルの収納及び取出しを容易にするために、包装箱の内法寸法は、パネルの外形寸法よりも若干大き目に形成されている。このため、包装箱内に収納されたパネルは、周囲に若干の隙間が存在し、この隙間の分だけ運搬中等にズレ動き可能となっている。
【0003】
上記包装箱内に収納されるパネルは、所定量の溶融ガラス塊(ガラスゴブ)を金型に供給してプレス成形されるもので、その形状は、図3の(A)に示すように、略矩形のフェース部4aと、このフェース部4aの周縁部より背面側に延びるスカート部4bとからなる。そして、上記フェース部4aは、画像表示部となるもので、従来では、図3の(B)に示すように、フェース部4aの外表面が凸球面形状とされていたが、最近では、図3の(C)に示すように、フェース部4aの外表面が実質的に平坦であるパネル(フラットパネルと呼ばれている。)が製造されるようになってきている。また、スカート部4bは、フェース部4aの周縁部よりブレンド部を介して背面側にほぼ直角に延長して形成されており、その端面には、ファンネル(図示省略)と接合するためのシールエッジ面4cが形成されている。ブラウン管用パネルには、成形時のガラスの温度変化により、圧縮応力と引張応力が発生するが、本質的に材料強度を低下させる性質を有する引張応力は、上記の形状をもつパネルにおいて、シールエッジ面4cの各コーナー部4dの外周側に発生し易い。
【0004】
また、特に、先記したフラットパネルにおいては、フラット化による強度低下を補うため、パネルに高い圧縮応力を形成させており、それに伴って、上記各コーナー部4dには、高い引張応力が発生し易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブラウン管用パネル包装箱は、箱底面が平坦面とされているため、この箱底面に、パネル4のシールエッジ面4cが、四隅のコーナー部4dを含めて全面接触状態で収納される。そして、収納されたパネル4は、包装箱内で、前記隙間分だけズレ動き可能となっているため、何れかの工程で、砂塵等の硬質小塊粒子状の異物やゴミ等が包装箱内に侵入すると、これが、パネル4のシールエッジ面4cと箱底面との間に噛み込まれ、運搬中等に発生する振動その他の影響によるズレ動きによって、パネル4のシールエッジ面4cに傷が発生する場合がある。このような傷が、パネル4のシールエッジコーナー部4dに発生した場合、かかるシールエッジコーナー部には、引張応力が集中して発生しているため、この傷を起点として、パネル4が亀裂破損し易い傾向がある。
【0006】
特に、フェース部4aの外表面が平坦面のパネル4の場合では、先記の通り、外表面が凸球面形状のフェース部4aをもつパネル4の場合に比較して、シールエッジ面4cの各コーナー部4dの外周側への引張応力の集中が、一層、発生し易いため、前記の課題がより顕著になる。
【0007】
そこで、本発明は、シールエッジコーナー部の破損を防止し得るブラウン管用パネル包装箱を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、シールエッジ面を下向きにして包装箱内にパネルを平置きに収納するタイプのブラウン管用パネル包装箱において、収納するパネルの四隅のシールエッジコーナー部に対応する包装箱の箱底面に、該シールエッジコーナー部を非接触とするための穴または凹部を形成したものである。この構成としたことにより、包装箱内に収納されたパネルは、四隅のシールエッジコーナー部が非接触の状態で、箱底面に支持されるため、シールエッジコーナー部と箱底面との間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得る。従って、パネルのシールエッジコーナー部の傷の発生や破損を防止することができる。なお、パネルは、シールエッジコーナー部を除く残余のシールエッジ面(大部分を占める)により箱底面に接触して支持されるため、十分な支持面積が確保され、不安定になる心配はない。
【0009】
また、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、収納するパネルが、フェース部が実質的に平坦な外表面を有するフラットパネルの包装に適用される場合に、より好適である。ここで、実質的に平坦な外表面とは、パネルの対角軸方向における平均曲率半径が10000mm以上であることをいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて説明する。図1の(A)は本発明のブラウン管用パネル包装箱の一例を示す平面図、(B)及び(C)は(A)図中のD−D線位置で切断した場合の本発明の異なる実施例の概略を示す要部拡大断面図、図2は本発明のブラウン管用パネル包装箱の梱包形態の一例を説明するための概略斜視図、図3の(A)はパネルの概略斜視図、(B)及び(C)はフェース部の外表面が凸球面形状のパネルと平坦面形状のパネルとの概略縦断側面図である。
【0011】
図1において、1は包装箱、2は側面パッド、3は紙管、4はパネルを示している。
【0012】
包装箱1は、本実施例では、パネル4を平置きで1個だけ収納する場合を例示しており、そのため、その形状は、収納するパネル4の外形寸法に対応させ、かつ、側面パッド2の挿入を可能とする内法寸法の四辺形箱形状に製作され、底板部1aと周壁板部1bとを有し、周壁板部1bの高さは、パネル4の頂部高さよりも所定寸法だけ高くして、収納されるパネル4のフェース部4aの損傷を防止するように構成されている。
【0013】
側面パッド2は、本実施例では、包装箱1内に収納されるパネル4の短辺側両側外面と、包装箱1の短辺側両側内面との間に挿入されるもので、包装箱1内でのパネル4の水平方向の自由移動を防止させ、かつ、外部からの衝撃を緩和させるために、略四角形筒形状に製作され、筒の中心線を包装箱1の短辺に平行にして挿入される。この側面パッド2の高さは、包装箱1の周壁板部1bの高さと同等か若干低くされている。また、側面パッド2の筒の中心線方向両端には、紙管3を位置決め挿入するための上下方向に貫通したポケット部2a、2bが形成されている。このポケット部2a、2bは、平面から見た形状が略正方形枠状とされ、この枠内に紙管3を内接状態で位置決め支持するように構成されている。
【0014】
紙管3は、包装箱1の四隅に挿入され、包装箱1が複数段に段積み梱包された場合における垂直方向の荷重を支持させるためのものであって、これらの積載荷重を考慮した強度を維持する所定肉厚の円筒状の紙管製パイプ材を、包装箱1の周壁板部1bの高さと同等寸法に裁断したものが使用され、管の中心線を垂直方向にして、前記側面パッド2のポケット部2a、2bに挿入される。
【0015】
本実施例では、包装箱1及び側面パッド2を、段ボール紙製とした場合を例示しているが、これらは、合成樹脂製としてもよい。なお、合成樹脂製とする場合には、紙管3も合成樹脂製とし、側面パッド2と一体に形成してもよく、また、別体としてもよい。
【0016】
本実施例において、パネル4を包装箱1内に収納する場合、側面パッド2及び紙管3は、包装箱1内に挿入していない状態で収納させるもので、このようにすると、パネル4の短辺側両側を作業者が直接両手で把持して収納する場合や、ロボットハンド等のローディング手段、または、ハンドリング手段等によって両手の代わりの把持手段で把持して収納する場合において、これらの両手、または、両手に代わる把持手段が包装箱1内に衝突干渉することなしにパネル4を包装箱1内に円滑に挿入するスペースを包装箱1内に確保させることができることになるからである。なお、側面パッド2は、パネル4の長辺側両側にも挿入することが可能である。本実施例では、パネル4の短辺側両側にのみ挿入した場合を例示している。このようにしている理由は、パネル4を長辺側両側で把持するとき、長辺側の中心付近で把持しただけでは左右に揺れ動いて支持が不安定となるが、短辺側の中心付近を把持した場合では、前記のような揺れ動きが少なく、支持が安定し、合理的であるとの認識によるためである。このことは、作業者が両手でパネル4を把持して挿入する場合は勿論のこと、特に、大型ブラウン管用パネルでは、1人の作業者で把持すること自体が困難であり、2人以上の作業者で把持する必要があり、かつまた、ロボットハンド等によって把持させる場合等をも考慮したものである。
【0017】
ところで、本発明の特徴とするところは、図1の(A)および(B)または(C)に示すように、収納するパネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dに対応する包装箱1の箱底面1cに、該シールエッジコーナー部4dを非接触とするための穴1dまたは凹部1eを形成したものである。
【0018】
上記穴1dまたは凹部1eの平面形状は、パネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dを非接触状態とし得る形状であれば、どのような形状でもよい。例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、その他の形状とできる。図1の(A)に示す実施例は、四角形の一角を斜め45度にカットして五角形とし、カットした部分をパネル4のシールエッジコーナー部4dの内側にくるように配置して形成した場合を例示している。
【0019】
図2は、本実施例の梱包形態の概略を示すもので、パレット5の上に外箱6を載せ、この外箱6内に前記実施例の包装箱1を2個並べて挿入配置し、これを第1段とし、その上に第2段目以降最上段まで所定段数(例えば、5段)積み重ねて載置し、その際、第1段目の包装箱1から最上段の1つ前の段の包装箱1までの上に中蓋7をその都度被せ、最上段の包装箱1の上に上蓋8を被せ、最後に包装フイルム等で被覆し、さらに、包装バンドで緊締結縛して梱包体とされる。上記中蓋7は、周囲に、図1の(B)(C)に示すようなフラップ部7aを有しており、このフラップ部7aによって、各段に並べられた2個の包装箱1、1の水平方向のズレを防止させ、かつ、その上の段に載置される2個の包装箱1、1の水平方向のズレをも防止させるように構成されている。即ち、中蓋7も各段に並べられる2個の包装箱1、1に跨って被せられる。また、上蓋8は、外箱6と同一形状のものを反転させて使用している。
【0020】
上記図2では、パネル4を省略して示しているが、パネル4は前工程で包装箱1内に収納され、2個の側面パッド2および4個の紙管3が挿入された状態で梱包位置まで搬送され、この梱包位置において、前述した要領で梱包作業が行われるものである。
【0021】
本発明のブラウン管用パネル包装箱の実施例は、以上の構成からなるものであるため、包装箱1内に収納されたパネル4は、四隅のシールエッジコーナー部4dが非接触の状態で、箱底面1cに支持される。従って、シールエッジコーナー部4dと箱底面1cとの間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得るため、パネル4のシールエッジコーナー部4dの傷の発生や破損を防止することができる。上記箱底面1cに設ける穴1dまたは凹部1eは、パネル4の四隅のシールエッジコーナー部4dに対応する部分だけであるから、パネル4の支持は、シールエッジコーナー部4dを除く残余のシールエッジ面1c(大部分を占める)により箱底面1cに接触して支持されるため、十分な支持面積が確保される。
【0022】
上記実施例では、包装箱1内にパネル4を1個だけ収納する場合を例示したが、2個以上を区画収納させるようにしたものにも、その箱底面1cに図1の(A)および(B)または(C)の要領で穴1dまたは凹部1eを形成して適用することができる。
【0023】
なお、本発明において、包装箱1の概念には、パネル4の加工工程間の搬送用コンテナーや、パネル4のプレス成型後から梱包されるまでの間にパネル4を保管または貯蔵しておくための容器をも含むものであって、それらの底部に適用して同等の作用効果を奏するものである。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、包装箱内に収納されたパネルは、四隅のシールエッジコーナー部が非接触の状態で、箱底面に支持されるため、シールエッジコーナー部と箱底面との間に硬質小塊粒子状の異物等を噛み込むこと自体をなくし得る。従って、パネルのシールエッジコーナー部の傷の発生や破損を防止することができる。なお、パネルは、シールエッジコーナー部を除く残余のシールエッジ面(大部分を占める)により箱底面に接触して支持されるため、十分な支持面積が確保され、不安定になる心配はない。
【0025】
また、本発明のブラウン管用パネル包装箱は、収納するパネルが、フェース部が実質的に平坦な外表面を有するフラットパネルの包装に適用される場合に、より好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のブラウン管用パネル包装箱の一例を示す平面図、(B)及び(C)は(A)図中のD−D線位置で切断した場合の本発明の異なる実施例の概略を示す要部拡大断面図。
【図2】本発明のブラウン管用パネル包装箱の梱包形態の一例を説明するための概略斜視図。
【図3】(A)はパネルの概略斜視図、(B)及び(C)は表面が凸球面形状のパネルと平坦面形状のパネルとの概略縦断側面図。
【符号の説明】
1 包装箱
1a 底板部
1b 周壁板部
1c 箱底面
1d 穴
1e 凹部
2 側面パッド
2a、2b ポケット部
3 紙管
4 パネル
4a フェース部
4b スカート部
4c シールエッジ面
4d コーナー部
5 パレット
6 外箱
7 中蓋
7a フラップ
8 上蓋
Claims (2)
- シールエッジ面を下向きにして包装箱内にパネルを平置きに収納するタイプのブラウン管用パネル包装箱において、収納するパネルの四隅のシールエッジコーナー部に対応する包装箱の箱底面に、該シールエッジコーナー部を非接触とするための穴または凹部を形成したことを特徴とするブラウン管用パネル包装箱。
- 収納するパネルが、フェース部が実質的に平坦な外表面を有するフラットパネルであることを特徴とする請求項1記載のブラウン管用パネル包装箱。
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