JP3165127U - 移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】箱内に収納された収納物に応じた任意の高さで、この収納物の上下方向の移動を規制する移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱を提供する。【解決手段】箱内で収納物の上下方向の移動を規制する移動規制部材1であって、この箱の内形と略拡大相似形に形成される1枚の紙素材からなり、中央部から外縁部に放射状に3本以上の折れ目線3,4、6に沿い弱化線を略等角度間隔に設けて移動規制部材、及びこれを用いた運搬用箱を成す。【選択図】図1
Description
本考案は、運搬用の箱内に収納された物品の動きを規制する移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱に関する。
通い箱や段ボール箱等の運搬用の箱内に物品を収納して運搬する場合、収納物の動きを規制して破損や傷付きを防止するために緩衝材が利用される。緩衝材として、例えば、紙、スポンジ、発泡スチロール、エアパッキンが利用される。
収納物上部に隙間がある状態のまま運搬すると、箱内部で収納物が上下方向に移動したり倒れたりして破損や傷付きの原因となる。そのため上下方向の移動を規制するよう収納物の上部空間に緩衝材を充填する。例えば特開2004−262507では段ボール製の緩衝材を利用する方法が開示されている。このように、運搬対象である物品と運搬に用いる箱の大きさが予め決まっている場合には、隙間空間の形状や容積に応じた専用の緩衝材を利用することができる。
しかし、規格によって規定されたサイズの箱を利用する場合でも、箱内に収納される物品には様々なサイズや形状のものが存在する。そのため、同一サイズの段ボール箱であっても収納物によって必要となる緩衝材が異なり、箱及び収納物に合わせた専用の緩衝材が必要となる。即ち上記方法では物品の大きさが異なる場合の対応が困難である。
また、例えば特開平11−292149ではペレット状の発泡スチロールを、箱内壁と物品との隙間に充填し緩衝材とする方法が開示されている。その他、特開2006−111339では、空気を充填した袋型緩衝材を利用する方法が開示されている。このように、小さなペレット状の緩衝材や、空気を利用した非定形の緩衝材を利用すれば、収納物と箱の隙間空間が一定でない場合にも対応することができる。
しかし、ペレット状の緩衝材を利用する場合、物品と箱の隙間全てをペレットで埋める必要があるため大量のペレットが必要となる。大量のペレットを管理し取り扱うには手間とコストがかかる上に、運搬先でペレットが廃棄される可能性を考慮すると環境的にも好ましくない。
空気を充填した袋型の緩衝材ではペレットのような問題は生じないが、袋内の空気量を隙間に応じた量にするための機能や設備と、空気量を調節するための作業が必要となる。また袋が破れる場合を考慮すると緩衝材としての信頼性に問題が残る。
また、いずれの例も、緩衝材を蓋によって上部から押さえることが必要である。そのため上面が開口され蓋を有さない通い箱等への利用には適さない。
本考案は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、箱内に収納された収納物に応じた任意の高さで、この収納物の上下方向の移動を規制する移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱の提供を目的とする。
箱内で収納物の上下方向の移動を規制する移動規制部材であって、
この箱の内形と略拡大相似形に形成される1枚の紙素材からなり、
中央部から外縁部に放射状に3本以上の弱化線を略等角度間隔に有していることを特徴とする移動規制部材である。
この箱の内形と略拡大相似形に形成される1枚の紙素材からなり、
中央部から外縁部に放射状に3本以上の弱化線を略等角度間隔に有していることを特徴とする移動規制部材である。
当該移動規制部材は、弱化線を有する紙製部材であるため、力が加えられると弱化線の位置に折目線が形成され、この折目線の外側で撓むことにより形状が変化する。この弱化線が中央部から外縁に放射状に設けられているため、箱内形より略相似形に拡大された形状の当該移動規制部材を変形させて箱内に装入することができる。箱内に装入され、箱内形に応じて変形した当該規制部材は、少なくとも外縁の一部が箱内壁に当接し、収納物と接する任意の高さで固定されるため、収納物の上下方向の移動を規制することができる。
上記紙素材が段ボール紙であることが好ましい。当該移動規制部材によれば、その差材が段ボール紙であることにより加工しやすい上に、適度な強度を有するため、箱内で安定して固定される。
上記弱化線が、紙素材の両表面側のうち一方側への曲げ強度のみを弱めるように形成されることが好ましい。当該移動規制部材によれば、適度な強度を有するため、箱内へ装入され変形したときに元の形状に戻ろうとする復元力を有し、箱内壁へ突っ張る形となって安定して固定される。
上記弱化線が、紙素材の両表面側のうち一方側に形成された断面略V字状の押圧線であることが好ましい。当該移動規制部材によれば、一方側の曲げ強度のみを弱めることができる。
上記中央部に貫通孔を有していることが好ましい。当該移動規制部材によれば、変形したときに中央部に集中する力が貫通孔によって分散されるため、歪みによる皺の発生を防ぐことができる。またこの貫通孔を利用して箱内への装入や箱内からの取り外しを容易に行うことができる。
上記中央部を取り囲む位置に連環する押さえ面用弱化線を有していることが好ましい。当該移動規制部材によれば、箱内に装入したときに折目線によって囲まれた平面状の押さえ面が形成されるため、収納物を安定して押さえることができる。
なお、本考案において「弱化線」とは、力が加えられたときに折目線となる位置で、その曲げ強度を弱めるよう加工を施された線を言う。具体的には折目線となる位置に罫線加工や切り込み加工等の各種加工が施された線である。箱内に装入される前の移動規制部材に設けられた弱化線の位置は、箱内に装入されて生ずる折目線の位置と一致する。
以上説明したように、本考案の移動規制部材は、箱内部に収納された物品の上に蓋をするような形で装入されると、弱化線から折目線を形成して変形し物品に応じた任意の高さで静止するため、収納物の上下方向の動きを規制することができる。従って、本考案の移動規制部材によれば、収納物毎に専用の緩衝材を設ける必要がなく、経済的及び環境的に優れた効果を発揮することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ本考案の実施の形態を詳説する。
図1は、一枚の板状部材からなる移動規制部材1を示す。移動規制部材1の材質は、一定の強度及びクッション性を有し、箱内に装入されたときに弱化線の両側で撓みながら変形することが可能な可撓性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、紙素材やポリビニル樹脂等の合成樹脂等を用いることができるが、特に段ボール紙が好適な材質として挙げられる。適度な厚みを有する段ボール紙は、加工しやすく緩衝材としてのクッション性にも優れている。また段ボール紙は適度な強度を有し、箱内に装入されて変形したときに、元の形状に戻ろうとする復元力により箱内壁への突っ張り力を生ずる。そのため移動規制部材1を箱内で安定して固定することができる。
図2は、箱2の内部に運搬対象となる物品を収納し、移動規制部材1を利用して運搬するときの状態を示している。箱2の内部で底面に置かれた物品は、その上に蓋のようにして装入された移動規制部材1によって押さえられる。蓋及び緩衝材として機能する移動規制部材1によって押さえられることにより、箱2を運搬するときに内部の物品が揺れ等によって破損したり傷付いたりすることを防止できる。また移動規制部材1は単独で蓋及び緩衝材として機能するため、従来の緩衝材のようにその上からさらに蓋によって押さえる必要がない。そのため箱2自体が蓋を有するか否かに拘わらず利用することができる。
移動規制部材1は、図1に示すように、短手方向外寸がa、長手方向外寸がbの略矩形形状を有している。移動規制部材1の大きさは、この移動規制部材1を利用する通い箱や段ボール箱等の箱の内寸に応じて適宜設定される。
具体的には、移動規制部材1の短手方向外寸a及び長手方向外寸bが、各々図2に示す箱2の短手方向内寸x及び奥行方内寸yより大きい。即ち、移動規制部材1は、箱の内形を略相似形に拡大した形状を有している。移動規制部材1の大きさと箱2の内寸との関係は特に限定されず、箱2内への移動規制部材1の装入や取り外しの作業を容易に行うことができ、かつ箱2内に装入した移動規制部材1を適度な突っ張り力により安定して箱2内に固定できるという2つの条件を満たすように決定される。移動規制部材1の好適な大きさは、箱2の大きさや、移動規制部材1及び箱2の材質、箱2内部に収納される物品の重量、後述する弱化線等によって異なる。例えば、段ボール箱の短手方向内寸x及び長手方向内寸yの各々が1m程度までの大きさであれば、段ボール紙製移動規制部材1のサイズa,bが、箱2の内寸x,yより各々1mmから8mm程度大きいことが好ましい。移動規制部材1の大きさが上記下限より小さいと箱へ装入したときの突っ張り力が不足して収納物を押さえる効果を十分に得ることができない。逆に、移動規制部材1の大きさが上記上限よりも大きいと、箱へ装入したときの突っ張り力は大きくなるものの、移動規制部材1の箱への装入や箱からの取り外しの際の作業性が低下したり、移動規制部材1が完全に折れ曲がって復元力が無くなり収納物を押さえるという本来の機能を果たせない場合がある。
移動規制部材1の面上には、弱化線が設けられる。箱2の内寸よりも大きい移動規制部材1を箱内に装入すると、力が加わって弱化線の位置に折目線が形成される。この折目線の両側で移動規制部材1が撓んで曲面を形成して変形する。このとき、元の形状に戻ろうとする復元力により突っ張り力を生じるため、移動規制部材1を箱2内の任意の高さで固定することができる。箱2内への装入や箱2内からの取り外しを容易に行うことができ、かつ箱2内で適度な突っ張り力により安定して固定できるように折目線を利用する。移動規制部材1の面上で、この折目線が必要となる位置に弱化線を設ける。
板状の移動規制部材1は、箱2内に装入されたときに弱化線から折目線を生ずるが、折目線の位置で完全に折れ曲がることなく、元の板状平面に戻ろうとする復元力を有する。この復元力を維持するため、弱化線は、板状の移動規制部材1の一方への曲げ強度のみを弱めるように設けられる。
具体的には、弱化線を、箱2に収納した物品と接して押さえる面(裏面)とは反対側の面(表面)上にのみ設ける。この弱化線により、移動規制部材1の裏面から表面方向への曲げ強度が弱められ、表面側では弱化線から折目線を生じて変形する。これに対し裏面側では容易に折目線を生ずることがないため変形を元に戻そうとする復元力を生ずる。その結果、変形して箱2内へ装入されたときに、復元力によって適度な突っ張り力を生じて箱2内壁と当接するため、移動規制部材1を任意の高さで固定することができる。
弱化線は公知の方法により設けられる。移動規制部材1が段ボール紙である場合は、罫線加工や切り込み加工によって弱化線を設けることができる。罫線加工の場合は、上記表面上から中芯を押し潰す方向に罫線を設ければよい。罫線加工による弱化線は、中芯が潰れ、断面がV字状に押圧された線となる。切り込み加工については、裏面に切り込みを設けると復元力が不足するため、表面に裏面側のライナに切り込みが達しない深さで切り込みを設ければよい。弱化線の形成方法は限定されないが、加工後も適度な強度を有する罫線加工の利用が好ましい。
移動規制部材1の構造について説明する。移動規制部材1は、図1に示すように、中央部から略短手方向の外縁に向けて設けられた2本の弱化線からなる直線状の短手方向折目線3を有する。また中央部から略長手方向の外縁に向けて設けられた2本の弱化線からなる直線状の長手方向折目線4を有する。即ち、中央部から放射状に略等角度間隔で設けられた4本の弱化線を有している。弱化線を中央部から放射線状に略等角度間隔に設けることにより、ある方向の折目線で完全に折れ曲がってしまった場合でも、全ての方向で折れ曲がることがなく復元力を維持することができる。なお、弱化線は折目線を形成することを目的として設けられた線であるため以下では弱化線を含めて折目線と記載する。
図3に、箱内に装入された移動規制部材1の短手方向断面P1及び長手方向断面P2(図2参照)を示す。図3(a)に示すように、長手方向折目線4から外縁に向けて撓むことにより、短手方向外寸aの移動規制部材1を短手方向内寸xの箱2内に装入することができる。同様に、図3(b)に示すように、短手方向折目線3から外縁に向けて撓むことにより、長手方向外寸bの移動規制部材1を長手方向内寸yの箱2内に装入することができる。移動規制部材1を箱2内に装入したときに、箱2内壁と当接する部位が、二つの当接部13、14を構成する。即ち、板状の移動規制部材1において、板状平面外周上の一点と、対向する平面外周上の他点との距離が、箱2内へ装入したときに曲面を形成することにより箱2内寸と一致して当接部となる。
移動規制部材1の中央部には、図1に示すように、短手方向折目線3と長手方向折目線4が交差する中央位置に貫通孔5が設けられる。短手方向及び長手方向に撓んだときに応力が集中する部分に貫通孔5を設けることで応力が分散される。そのため、歪みや皺が生じることが無く移動規制部材1の外観を損なわず再利用しやすい。また箱2内に装入された移動規制部材1を取り外すときに貫通孔5に指を掛けて作業すれば取り外しやすい。
移動規制部材1は、図1に示すように、中央部に押さえ面用折目線(弱化線)6によって構成される押さえ面7を有している。押さえ面用折目線6は、貫通孔5を取り囲むように形成される。
図4に、箱2内に装入された移動規制部材1の、押さえ面7を含む短手方向断面Q1及び長手方向断面Q2(図2参照)を示す。移動規制部材1は、押さえ面用折目線6で折り曲げられることにより押さえ面7の平面状態を維持したまま箱2内に装入される。この平面を利用することにより、箱2内の収納物を確実に安定して押さえることができる。
移動規制部材1は、図1に示すように、正確には完全な矩形ではなく、矩形から四つの頂点部分を直線状に切り欠いた切り欠き部8を有している。このように四つの頂点を切り欠いた形状とすることで、箱内に移動規制部材1を装入したり箱内から取り外したりする際に、移動規制部材1の四つの頂点である角部が内壁に当たらないため、容易に作業を行うことができる。また箱への出し入れの際に潰れやすい角部を切り欠いた形状とすることで、移動規制部材1外観の劣化を防ぎ再利用しやすいという利点がある。また切り欠きを外周の一部に設けることで装入時の突っ張り力を調整したり、切り欠きによって特徴ある形状とし意匠的な効果を持たせることもできる。
次に箱2内に装入されたときの移動規制部材1について説明する。箱2内に装入された移動規制部材1は、箱2の底面に最も近い中央部を中心に、外縁に向けて箱2の底面からの距離が離れる曲面を形成して静止する。移動規制部材1は、折目線3、4で完全に折れ曲がらず、板状平面に戻ろうとする復元力を有している。また折目線3、4を中心に短手方向及び長手方向に3次元的に撓みながら突っ張り力を生ずるため、移動規制部材1は箱2内の任意の高さで安定して固定される。移動規制部材1が中央部に押さえ面7を有する場合は、押さえ面7の平面状態を維持しながら、押さえ面用折目線6から外側で曲面を形成する。
図5に、箱2内に装入された移動規制部材1の部分形状を示す。具体的には、短手方向折目線3及び長手方向折目線4によって切り取られる移動規制部材1の1/4部分の立体形状を示している。押さえ面用折目線6を設けることにより、移動規制部材1が箱2内に装入されたときも、押さえ面用折目線6の内側にある押さえ面7では平面状態が維持される。これに対し、押さえ面用折目線6の外側では、短手方向折目線3及び長手方向折目線4によって囲まれた面が撓んで曲面を形成する。押さえ面用折目線6を折目線3、4を対角線とするように設けることで図5に示すような3次元形状を形成し箱2内で安定して固定される。
移動規制部材1の残り3/4の各面も略同様の形状となる。押さえ面用折目線6の外側で、矩形板状本体の4つの頂点方向に向けて3次元的に撓んだ移動規制部材1は、突っ張り力によって箱2内の任意の高さで安定して固定される。これにより箱2内の収納物の高さに応じた位置で静止し、収納物を上から押さえることができる。また移動規制部材1の中心付近に設けられた押さえ面7が平面状であるため、収納物を安定して押さえることができる。移動規制部材1は、適度な厚みを有しクッション性に優れるため緩衝材としても機能する。
なお、本考案の移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱は上記実施形態に限定されるものではない。
図6に、移動規制部材の折目線及び押さえ面に係る他の実施形態を示す。例えば、短手方向折目線3及び長手方向折目線4が、図6(a)に示すように、押さえ面用折目線6の外側にのみ設けられてもよい。押さえ面用折目線6から内側にある押さえ面7では平面状態が維持されるため、折目線3、4が押さえ面用折目線6から外側のみに設けられた場合でも上記実施形態と同様の機能を実現できる。
また、移動規制部材1が、図6(b)に示すように、押さえ面7を有さず、短手方向折目線3及び長手方向折目線4のみを有するものでもよい。箱2内に収納される物品を押さえるために特に平面を必要としない場合は折目線3、4のみでよい。
また、短手方向折目線3及び長手方向折目線4が、図6(c)に示すように、折目線(弱化線)全体ではなく、一部にのみ罫線加工を施されたものでもよい。箱2内に装入されたときに折目となる線上の一部にのみ罫線加工を施した場合でも、移動規制部材1が撓むときにその加工部分をきっかけに折り曲げられて折目線全体が形成される。折目線を構成する線上の適切な位置に、部分的に罫線加工を施せば、折目線全体に加工を施した場合と同様の機能を実現できる。
また、一枚の板材が、図1で説明した移動規制部材1の構成を複数含むものでもよい。上記構成を2つ含む場合の例を図6(d)に示す。箱内部で1つの物品を2カ所で押さえたい場合や、2つの独立した物品を押さえたい場合には、対応する複数の位置に押さえ面7を設ければよい。このとき図1で説明した構成を有する各面9、10境界の折目線11を、他の折目線3、4及び6が設けられた面とは反対面上に設ければ、移動規制部材1を箱2内に装入したときに、折目線3、4及び6は谷折り線となり境界折目線11だけが山折り線となって安定する。また境界折目線11では、各面9、10から水平方向に引っ張り力が作用するため、両端から一部に切り込みを設けることが好ましい。これにより各押さえ面7の外側で図5で説明した曲面が形成されて安定し、2つの押さえ面7によって物品を押さえることができる。
折目線の本数や形状も特に限定されない。折目線は略等角度間隔に3本以上設けられればよいし、緩やかな曲線であってもよい。また、折目線は、図1に示したように移動規制部材外周上の一端から他端へ一本の直線状に形成されるものに限定されず、例えば図6(e)に示すような折目線12であっても構わない。箱内形を略相似形に拡大した形状を有する移動規制部材1上で、変形することにより箱内部に装入できるように折目線を設ければ、上記実施例と同様の機能を実現できる。
移動規制部材1上での折目線の位置も特に限定されない。例えば、箱2内の収納物を箱2の中央ではなく端寄りの位置で押さえたい場合は、押さえたい位置に合わせて折目線を設ければよい。この場合、押さえ面7も折目線の位置に応じて移動すればよい。また例えば図6(f)に示すように、移動規制部材1の中央部から辺上に向けてではなく頂点に向けて折目線12を設けてもよいし、図6(g)に示すような折目線12であってもよい。移動規制部材1が折目線12で折り曲げられるとともに撓みを生じて曲面を形成し、その曲面の一部が箱内壁と当接するように折目線12を設ければ、上記実施形態と同様の機能を実現できる。
また上記実施形態では、移動規制部材1の大きさが全体に渡って箱2の内寸より大きい例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、移動規制部材1の一部のみが、対応する位置の箱2内寸より大きい形状であってもよい。この場合、移動規制部材1の箱2内寸より寸法の大きい部位が箱2内壁と接する当接部13、14を構成する。箱2内に装入したときに、適度な突っ張り力により移動規制部材1を安定して固定できれば上記実施形態と同様の機能を実現できる。
図7に移動規制部材1の形状に係る他の実施形態を示す。移動規制部材1の形状は矩形に限定されず、運搬対象である物品に応じて決められた箱2の形状に合わせて、例えば三角形、五角形又は六角形等の多角形や、円形状又は楕円形状であってもよい。物品に応じた箱形状を選択し、移動規制部材1の外形を箱形状に合わせて作製する。移動規制部材1を箱内形を略相似形に拡大した形状とし、さらに弱化線を中央部から略等角度間隔で放射線状に3本以上設ければよい。
例えば、底面が三角形の箱であれば、図7(a)に示すように、移動規制部材1を、略中央部に設けた貫通孔5から各辺の略中央に向けて折目線12を有する形状とすればよい。また図7(b)に示すように、中央部の貫通孔5から各頂点に向けて折目線12を設けてもよい。五角形、六角形、円等の形状に対応する場合も、図7(c)から(e)に示すような貫通孔5や折目線を12を有する移動規制部材1とすればよい。このとき貫通孔5を取り囲むように押さえ面用折目線6を設ければ押さえ面7を形成することもできる。移動規制部材1は、折目線12の両側で撓んで二方向以上で箱内壁と当接し、適度な突っ張り力で安定して箱2内に固定される構成を有するため、様々な断面形状を有する箱2内で物品の上下方向の移動を規制するために利用することができる。
以上のように、本考案の移動規制部材は、通い箱や段ボール箱に収納する物品の上下方向の移動を規制する緩衝材としての利用に適しており、これを用いた通い箱や段ボール箱は、様々なサイズや形状を有する物品を収納する運搬用箱としての利用に適している。
1 移動規制部材
2 箱
3 短手方向折目線
4 長手方向折目線
5 貫通孔
6 押さえ面用折目線
7 押さえ面
8 切り欠き部
9、10 移動規制部材構成面
11、12 折目線
13 短手方向当接部
14 長手方向当接部
2 箱
3 短手方向折目線
4 長手方向折目線
5 貫通孔
6 押さえ面用折目線
7 押さえ面
8 切り欠き部
9、10 移動規制部材構成面
11、12 折目線
13 短手方向当接部
14 長手方向当接部
Claims (7)
- 箱内で収納物の上下方向の移動を規制する移動規制部材であって、
この箱の内形と略拡大相似形に形成される1枚の紙素材からなり、
中央部から外縁部に放射状に3本以上の弱化線を略等角度間隔に有していることを特徴とする移動規制部材。 - 上記紙素材が段ボール紙である請求項1に記載の移動規制部材。
- 上記弱化線が、紙素材の両表面側のうち一方側への曲げ強度のみを弱めるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の移動規制部材。
- 上記弱化線が、紙素材の両表面側のうち一方側に形成された断面略V字状の押圧線である請求項3に記載の移動規制部材。
- 上記中央部に貫通孔を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動規制部材。
- 上記中央部を取り囲む位置に連環する押さえ面用弱化線を有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の移動規制部材。
- 箱と、この箱内に配設される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の移動規制部材とを備え、
この移動規制部材が箱の内形より1mm以上8mm以下大きい運搬用箱。
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JP2010006931U JP3165127U (ja) | 2010-10-19 | 2010-10-19 | 移動規制部材及びこれを用いた運搬用箱 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508079A (ja) * | 2011-02-09 | 2014-04-03 | ミードウエストヴェイコ・パッケージング・システムズ・エルエルシー | 折り曲げ抵抗減少構造 |
CN114620275A (zh) * | 2020-12-11 | 2022-06-14 | 杭州海康威视数字技术股份有限公司 | 一种立式装箱机 |
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2010
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014508079A (ja) * | 2011-02-09 | 2014-04-03 | ミードウエストヴェイコ・パッケージング・システムズ・エルエルシー | 折り曲げ抵抗減少構造 |
CN114620275A (zh) * | 2020-12-11 | 2022-06-14 | 杭州海康威视数字技术股份有限公司 | 一种立式装箱机 |
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