JP4176451B2 - 表示パネルの輸送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表示パネルの輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示パネルとしての液晶パネルは、一対のガラス基板の間に液晶を封入してなる。一方のガラス基板にはTFT及びアクティブマトリクスが設けられ、他方のガラス基板にはカラーフィルタが設けられる。液晶表示装置の製造においては、TFT基板製造工程、CF基板製造工程、TFT基板とCF基板を貼合する液晶パネル組立工程、及びユニット化工程がある。
【0003】
ガラス基板のサイズが大型化していくのに伴い、各工程での必要スペースの増加ならびに投資金額の増加に対処するため、上記の工程を複数の工場を使用して実施することがある。この場合、ユニット化工程は、クリーンルームの清浄度が低くてもよく、技術的にも他の工程とは相違点があるので、TFT基板製造工程、CF基板製造工程、及び液晶パネル組立工程は一つの工場で行われるが、ユニット化工程は別の工場で実施されることがある。
【0004】
ガラス基板及び液晶パネルはそれぞれカセットを使用して輸送される(例えば、特許文献1,2,3参照)。一般に、1枚のガラス基板は複数の液晶パネルに割り振られており、例えば、1枚のマザーガラス基板から4つの液晶パネル分のガラス基板を取るようになっている。従って、工場内には、マザーガラス基板を輸送するための前工程カセットと、マザーガラス基板を含む液晶パネル化を4分割し所定のサイズとした液晶パネルを輸送するための後工程カセットとがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−286812号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−264970号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2000−7148号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ユニット化工程を前の工程とは別の工場で実施する場合には、所定のサイズの液晶パネルを液晶パネル組立工程を行なった工場からユニット化工程を行う工場に輸送しなければならない。このため、液晶パネルを梱包することが必要である。従来は、液晶パネルを後工程カセットから取り出し、クッション材等で包装し、専用の輸送ケースに入れて輸送していた。専用の輸送ケースは例えば発泡PPボックスが使用されていた。ユニット化工程を実施する工場では、液晶パネルを専用の輸送ケースから取り出し、カセットに移載していた。
【0009】
このために、専用の輸送ケースが必要であり、後工程カセットから専用の輸送ケースへの移載作業が必要になり、コスト上昇を招く問題があった。
【0010】
本発明の目的は、比較的低コストで表示パネルを梱包して輸送することのできる表示パネルの輸送方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示パネルの輸送方法は、表示パネルをカセットに収納し、表示パネルを収納したカセットを、表示パネルの端部を支持するクッション部材を含む梱包部材で梱包し、梱包したカセットを輸送する表示パネルの輸送方法において、上記クッション部材は、表示パネルの端部を支持する本体と、本体から延びるとともに、隣接する表示パネルの間に入る櫛歯状の部分とを含み、上記カセットの側板は、複数の表示パネルを支持する平行な複数の段部を有し、上記各櫛歯状の部分は、上記複数の段部と整列するように配置されるとともに、その先端部の厚さは、上記段部の厚さより、厚くなっていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例の梱包体10を示す断面図である。図2は液晶パネル12を収容したカセット14を示す斜視図である。図3は図1の梱包体10の分解斜視図である。
【0014】
まず、図2を参照すると、液晶パネル12はTFT基板製造工程、CF基板製造工程、液晶パネル組立工程を経て作られたものであり、一対のガラス基板の間に液晶を封入してなるものである。カセット14は、上フレーム16と下フレーム18とが平行に間隔をあけて支柱20によって結合されてなるものである。一対の互いに対向する側板22が上フレーム16と下フレーム18との間で支柱20の内側に設けられている。2つの側板22の間の距離が変えられるように、側板22は調節可能に上フレーム16と下フレーム18に固定される。さらに、2本のロッド状のストッパ24が一方の開放端部に配置される。
【0015】
図4はストッパ24とは反対側の開放端部から見たカセット14の部分正面図である。図5はカセット14の内部から側板22を見た部分側面図である。側板22は液晶パネル12の支持手段としての平行な複数の段部26を有する。段部26に代えて溝部としてもよい。こうして、図2に示されるように、液晶パネル12はカセット14に収容され、図示しないロボット又は台車により工場(クリーンルーム)内を輸送される。
【0016】
液晶パネル組立工程を実施する工場からユニット化工程を実施する工場へ液晶パネル12を輸送する場合には、液晶パネル組立工程で使用したカセット(後工程カセット)14をそのまま使用し、液晶パネル12をカセット14に収容した状態で図1及び図3に示される梱包体10として梱包する。液晶パネル組立工程を実施する工場においては、カセット14は上フレーム16が上方にある状態で輸送される。カセット14をユニット化工程を実施する工場へ輸送するために梱包するときには、液晶パネル12を収容したカセット14を90度回転させ、ストッパ24が下方にある状態で梱包される。液晶パネル12は縦置き状態になる。つまり、液晶パネル12を収納したカセット14は段部(支持手段)26がほぼ水平になる状態で工場内で輸送され、段部(支持手段)26がほぼ垂直になる状態で梱包したカセット14を工場から外部(別の工場)へ輸送することになる。
【0017】
図1及び図3において、梱包体10は、液晶パネル12を収容したカセット14を梱包するために、上クッション部材28と、上押さえ部材30と、箱蓋体32と、下クッション部材34と、下押さえ部材36と、箱底体38とからなる。上クッション部材28は液晶パネル12の上端を支持し、下クッション部材34は液晶パネル12の下端を支持する。下クッション部材34は図2に示す2本のストッパ24の間に入る大きさとされる。下クッション部材34と下押さえ部材36は一体化されている。上押さえ部材30及び下押さえ部材36はカセット14を箱蓋体32と箱底体38とからなる箱に固定する。実施例においては、箱蓋体32の高さが箱底体38の高さより大きいが、箱底体38の高さが箱蓋体32の高さよりも大きくしてもよい。
【0018】
図6は梱包時のカセット14の内部から側板22を見た部分側面図である。下クッション部材34がカセット14に収容された液晶パネル12の下端を支持する。下クッション部材34はその下に下押さえ部材36が配置されたときに下押さえ部材36の表面よりも上に突出し、液晶パネル12の下端をショックを吸収するように支持する。上クッション部材28についても同様である。従って、液晶パネル12は梱包体10の中で損傷することなく梱包される。上クッション部材28及び下クッション部材34の大きさを変えると、液晶パネル12のサイズの変化に対応することができる。
【0019】
箱蓋体32と箱底体38とはグリーンダンボールで作られ、通箱として繰り返し使用可能である。箱蓋体32と箱底体38とは従来の発泡PPボックスからなる専用の輸送ケースよりも低コストで採用可能である。そして、工場で使用しているカセット14をそのまま使用することができるので、液晶パネル12の移載作業が不要である。専用の輸送ケースを利用する場合には、荷積み時と荷下ろし時との2回の移載作業が必要である。
【0020】
図7は下クッション部材34の変形例を示す図である。図8は図7の下クッション部材34を含むカセット14の内部から側板22を見た部分側面図である。下クッション部材34は、液晶パネル12の端部を支持する本体と、本体から延びる櫛歯状の部分40を含む。各櫛歯状の部分40の先端部はカセット14の側板22の段部26の厚さより大きく、液晶パネル12の間に差し込みやすいように先端は細い形状になっている。櫛歯状の部分40は段部26と整列するように配置される。下クッション部材34の本体は上記したのと同様に液晶パネル12の端部を支持することができ、櫛歯状の部分40は隣接する液晶パネル12の間に入り、液晶パネル12を隣接する2つの段部26の間の中心に維持する。従って、櫛歯状の部分40は液晶パネル12を整列させ、液晶パネル12の振動を抑え、液晶パネル12が段部26と擦れ合わないようにして、液晶パネル12を保護する。櫛歯状の部分40は剛性があるカセット14のフレーム基準でセットすることができ、段部26と同じ平面内に位置させることができる。上クッション部材28についても櫛歯状の部分40と同様の櫛歯状の部分を設けることができる。
【0021】
本発明による表示パネルの輸送方法は、表示パネルをカセットに収納し、表示パネルを 収納したカセットを梱包部材で梱包し、梱包したカセットを輸送することができる。
【0022】
この構成によれば、工場内で使用していたカセットを利用して表示パネルを輸送することができる。従って、コストダウンを達成することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶パネル等の表示パネルがカセットに収容された状態のまま輸送用梱包部材に梱包することで、表示パネルをカセットから移載する必要がなくなる。輸送用梱包部材はカセットとともに使用することで低価格のものとすることができる。また、表示パネルがカセットに収容された状態のままでも、表示パネルの端部の割れや欠けを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の梱包体を示す断面図である。
【図2】 液晶パネルを収容したカセットを示す斜視図である。
【図3】 図1の梱包体の分解斜視図である。
【図4】 ストッパとは反対側の開放端部から見たカセットの部分正面図である。
【図5】 カセットの内部から側板を見た側面図である。
【図6】 梱包時のカセットの内部から側板を見た部分側面図である。
【図7】 下クッション部材の変形例を示す図である。
【図8】 図7の下クッション部材を含むカセットの内部から側板を見た部分側面図である。
【符号の説明】
10…梱包体
12…液晶パネル
14…カセット
16…上フレーム
18…下フレーム
20…支柱
22…側板
24…ストッパ
26…段部
28…上クッション部材
30…上押さえ部材
32…箱蓋体
34…下クッション部材
36…下押さえ部材
38…箱底体
40…櫛歯状の部分
Claims (3)
- 表示パネルをカセットに収納し、表示パネルを収納したカセットを、表示パネルの端部を支持するクッション部材を含む梱包部材で梱包し、梱包したカセットを輸送する表示パネルの輸送方法において、
上記クッション部材は、表示パネルの端部を支持する本体と、本体から延びるとともに、隣接する表示パネルの間に入る櫛歯状の部分とを含み、
上記カセットの側板は、複数の表示パネルを支持する平行な複数の段部を有し、
上記各櫛歯状の部分は、上記複数の段部と整列するように配置されるとともに、その先端部の厚さは、上記段部の厚さより、厚くなっていることを特徴とする表示パネルの輸送方法。 - 上記各櫛歯状の部分の先端部は、表示パネルの間に差し込みやすいように先端が細い形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネルの輸送方法。
- 上記表示パネルを収納したカセットは、上記段部がほぼ水平になる状態で工場内で輸送され、上記段部がほぼ垂直になる状態で上記梱包したカセットを上記工場から外部へ輸送することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示パネルの輸送方法。
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