JP3607567B2 - 建築板、その塗装方法及び塗装装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築板、その塗装方法及び塗装装置に関し、特に、凹凸状の表面柄を有する建築板において、効果的な陰影塗装を施して高い立体感を持たせるようにした建築板、その塗装方法及び塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17に示すように、通常、タイル柄のような凹凸表面を有する建築板1に対しては、立体感を持たせるため、凹部である目地部(溝部)3には暗い色の塗装を施し、凸部(柄部)4の表面70には明るい色の塗装を施し、凸部4と目地部3の色の差によって立体感を出すようにしている。その場合の一般的な塗装方法としては、例えば、初めにスプレー法により、建築板表面に目地色で全面塗装を施し乾燥した後、ロールコート法により凸部塗装が施される。
【0003】
また、特公平6−98338号公報には、凹凸部が形成されている基材に対して塗料を吐出するスプレーガンで斑点状の模様を付ける塗装方法によって、凹部の色と凸部の色を変化させるようにした方法が開示されている。
また、特公平7−22735号公報には、天然石の表面を転写した凹凸を有する基板にベースコート、第1柄コート、第2柄コート及びトップコートを順次施すことにより、みかげ石柄等の建築板を得る方法が開示されている。
【0004】
また、特開昭63−35471号公報には、コンベア上を走行するタイル状の凹凸模様を有する建築板に対してコンベアを一旦停止させて四方からスプレーノズルによって暗色系の塗料を吹き付けて、そしてコンベアを連続走行させながら乾燥したあとで凸部の上面のみをロールコータによって明彩色の塗料を塗布して乾燥させるようにした建築用板の塗装方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来技術では、凹凸を有する基材上にスプレーガンやロールコータにより塗料を塗布していくだけあるので、凹部(又は目地)の傾斜面に塗布される色は凹部の最底部に施される色と同じになってしまい、結果的に凸部と凹部の各部の塗装色がはっきりと塗り分けられてしまうこととなり、自然な立体感が得られない、という問題があった。
【0006】
すなわち、図17に示すように、凸部4の表面70にのみ明彩色の塗料が塗布されているので、斜め上方より眺めた場合には、該表面塗装部があたかも帽子を被っているように見え、自然な立体感が得られず、意匠上も好ましくないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、特に、表面に凹凸のある被塗装面に対して深みがあり立体感に富む建築板、その塗装方法及び塗装装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の建築板は、凸部と凹部とから成る表面を有するものであって、該凸部表側の一部に第1の塗装が施されていて、該凹部表側の一部に第1の塗装と異なる第2の塗装が施されていて、該凸部から凹部にかけての表側に両者にまたがって第1及び第2の塗装と異なる第3の塗装が施されているものである。
また、第3の塗装は第1の塗装より暗い色であることが凹凸を強調して立体感を表出する点で好ましい。
さらに、前記表面に粒径を異にする少なくとも2種類の粒状体が散布されていることが表面に石肌感を表出する点で好ましい。
【0008】
また、本発明の建築板を塗装する方法は、凸部と凹部とから成る表面を有する建築板を塗装するものであって、第1の色で全面塗装する第1の工程と、第1の色と異なる第2の色で凸部を塗装する第2の工程と、凹部の形状に応じて、第1及び第2の色と異なる第3の色でスプレー塗装する第3の工程と、を備えているものである。
【0009】
また、第3の工程は第2の工程で塗料が半乾燥状態にある段階で次の塗料をスプレー塗装することが塗料相互の馴染みを良くする点で好ましい。
さらに、第3の工程の次に、粒径の異なる粒状体を別々に散布する第4の工程を備えることが表面に石肌感を表出する点で好ましい。
また、細かい粒径の粒状体を先に散布し、大きい粒径の粒状体を後に散布することが粒状体全体のすわりを良くする点で好ましい。
また、本発明の建築板の塗装装置は、建築板表面の形状に応じてスプレーガンの噴射を制御する噴射制御器を具備するものである。
【0010】
さらに、本発明の建築板の塗装装置は、それぞれ異なる方向にスプレー可能な複数のスプレーガンと、建築板表面の形状に応じていずれの前記スプレーガンを使用するかを決定するスプレーガン決定手段と、建築板表面の形状に応じて前記スプレーガンから噴射される塗料の噴射量を決定する噴射量決定手段と、決定されたスプレーガンを使用して決定された噴射量でもって建築板の塗装を実行する塗装実行手段と、を備えているものである。
【0011】
また、前記スプレーガン決定手段は、建築板をその長手方向及び短手方向に所定数の小区割りに分割し、各小区割りに対してその傾斜状態をパターン化する傾斜パターン化手段を備え、該傾斜パターンに従って使用するスプレーガンを決定するようにしたものであることが極端に細かな噴射制御をせずに立体感を表出する上で実行のある制御をすることができる点で好ましい。
【0012】
さらに、前記噴射量決定手段は、建築板をその長手方向及び短手方向に所定数の小区割りに分割し、各小区割りに対してその部分に占める凹部の面積比率をパターン化する面積比率パターン化手段を備え、該面積比率パターンに従って前記スプレーガンの噴射量を決定するようにしたものであることが、やはり極端に細かな噴射制御をせずに立体感を表出する上で実行のある制御をすることができる点で好ましい。
【0013】
また、前記傾斜パターン化手段は、前記小区割りを建築板の長手方向に所定数の走査線でもって前記凸部の最高位から建築板表面部までの距離を実測し、該測定データをもとにその小区割りについての傾斜パターンを決定するようにしたものであることが精度良く傾斜パターンを決定することができる点で好ましい。
【0014】
また、前記面積比率パターン化手段は、前記建築板表面を写真撮影により二次元白黒画像に縮図化したものを光学的読み取り手段により走査することで画素化し、画像処理により小区割りに該当する全画素数に対して、凹部に該当する黒画素数が占める割合でもってその小区割りについての占有面積比率パターンを決定するようにしたものであることが簡単な構成で精度良く占有面積比率パターンを決定することができる点で好ましい。
【0015】
また、前記塗装実行手段は、建築板の長手方向に連続する小区割り群に対して決定された傾斜パターン及び面積比率パターンを、噴射量の時間変化及び使用するスプレーガンの塗料噴射時間の変化の情報に加工して、その加工情報に従って塗装を実行するようにしたものであることがスプレーガンの特性に即した制御をすることができる点で好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明による建築板の平面外観を模式的に示す図であり、図2はこの建築板の凹部に注目した断面を模式的に示す図である。
建築板1は基板2の表面に凹凸部、すなわち、凹部3(斜線を施した部分)と凸部4(ここでは平坦部)とを有する起伏のある表面柄が形成されており、特に、該凹部3に対する独特な塗装(後述する立体塗装のこと)を施すことによって立体感が発現されている。さらに、大小のビーズ模様が建築板1の表面に散在されることで石肌感が発現されている。
【0017】
特に凹部は、図2に示すように、不規則に形成されたもので、図示の例では次の〔1〕〜〔7〕のパターンが見られる。
〔1〕 凸部4→底部3a→凸部4
〔2〕 凸部4→下り傾斜6→上り傾斜7→凸部4
〔3〕 凸部4→下り傾斜6→底部3a
〔4〕 底部3a→下り傾斜6→上り傾斜7→底部3a
〔5〕 底部3a→凸部4
〔6〕 凸部4→底部3a
〔7〕 底部3a→上り傾斜7→下り傾斜6→底部3a
【0018】
ここで、図2におけるX−X’線より高い部分(後述する立体塗装を施す部分)の凸部4の周辺について、建築板1の進行方向(図1のR方向)前方より見たときの傾斜部を図3のようにパターン化する。
【0019】
図3において、傾斜パターンP1は、(a) 下り傾斜、(b) 平坦部→下り傾斜、(c) 下り傾斜→平坦部の3パターンを示しているが、これらを含めて、(d) 単純下り傾斜パターンとする。傾斜パターンP2は、(a) 下り傾斜→上り傾斜、(b) 下り傾斜→平坦部→上り傾斜の2パターンを示しているが、これらを含めて、(d) 屈曲上り傾斜パターンとする。傾斜パターンP3は、(a) 上り傾斜、(b) 平坦部→上り傾斜、(c) 上り傾斜→平坦部の3パターンを示しているが、これらを含めて、(d) 単純上り傾斜パターンとする。傾斜パターンP4は、(a) 上り傾斜→下り傾斜、(b) 上り傾斜→平坦部→下り傾斜の2パターンを示しているが、これらを含めて、(d) 屈曲下り傾斜パターンとする。傾斜パターンP5は、(a) 平坦部のみを示しているがこれを(d) 傾斜なしパターンとする。
【0020】
図4に上記方法による傾斜パターン化を行った建築板の例を、図5に凹部の傾斜をパターン化する方法を各々示している。
先ず、図4(a) に示すように、建築板1を仮想分割して、長手方向に連続する一辺aの正方形ます状の小区割りを想定する。そして、その各正方形ますについて、図5(a) に示すように、建築板1の進行方向に沿って3等分した長方形区画の長手方向中心線をL1 、L2 、L3 とし、これら各ライン上の深さデータをサンプリングしていく。
【0021】
具体的には、図5(b) において、距離aを進行するのに要する時間内に所定のサンプリング速度をもって凹部の深さデータd0 、d1 、d2 ・・・d6 を各ライン毎にサンプリングしていく。ここで、建築板の凸部(最高位)の厚み設計値であるdsからの変位量diが凹部における深さデータとなる。各ライン毎の深さデータから、単純算術平均によって、決定した小区割りを代表させる深さデータ集合{di}={d0 、d1 、d2 ・・・d6 }を求める。なお、深さデータの測定については、例えば、変位センサが使用される。
【0022】
この深さデータの集合から前記凹部の傾斜パターンを決定する。すなわち、
差分{(di+1)−di}≦0のとき 傾斜パターンP3
差分{(di+1)−di}≧0のとき 傾斜パターンP1
差分{(di+1)−di}の符号変化が≦→≧のとき 傾斜パターンP4
差分{(di+1)−di}の符号変化が≧→≦のとき 傾斜パターンP2
差分{(di+1)−di}=0が所定数連続するとき 傾斜パターンP5
上記のようにして決定された傾斜パターン(P1〜P5)を用いて、後述するように立体塗装におけるスプレーノズルの噴射角度を決定する。
【0023】
図4(a) おける斜線の部分は凹部3を示し、図4(b) は上記のように仮想分割された部分の傾斜パターンを図3に示す傾斜パターンP1〜P5で示している。つぎに、図6に、凹部3の占有面積比率をパターン化した建築板の例を示しており、図7に、画像処理技術によりこの占有面積比率をパターン化する方法について示している。
【0024】
先ず、図7について説明する。図7(a) において、建築板1を撮像機(図示せず)により撮像して縮図10(縮尺比1/Nの白黒画像)を得る。そして(b) に示すように、建築板1の該縮図10を光走査ヘッド11に送り込み、(c) のように光走査ヘッド11の走査ライン上に検知される黒画素(この集合が凹部3に該当)12の数を1区割内において積分し、次式により、凹部3の占有面積比率(%)を求める。なお、縮図化された1区画(1辺a/Nの正方形ます)内における全画素数は画像読み取り解像度により決定される。
【0025】
占有面積比率=(黒画素数/全画素数)×100
上記のようにして決定した面積比率をパターン化した建築板1の例を図6に示している。
図6において、1区割り(1辺a)において、例えばAは凹部3の占有面積比率(以下同じ)が3/4以上、Bは1/4〜3/4、Cは1/4以下、Dは0(凸部のみ)を示している。このようにして決定された面積比率パターンを用いて、後述するように立体塗装におけるスプレーノズルの噴射量(塗布量)を決定する。
【0026】
図8は、本発明の建築板塗装装置の工程図を示している。13はシーラー塗布等により建築板表面に全面スプレーをかける下塗り工程、14は第1乾燥工程、15は全面スプレー塗装の中塗り工程、16は第2乾燥工程を示す。17、18は本発明の主要部をなす塗装工程であって、17は凸部塗装工程、18は凹部塗装工程を示している。凸部塗装工程17は、速乾性塗料をロールコータで塗装するものであり、凹部塗装工程18は凸部4の色と略同系色の色を有し、かつ明度を凸部4よりも若干低く、すなわち、暗めに調色した塗料を凹部3の形状特性、すなわち、前記傾斜パターン(図4参照)及び面積比率パターン(図6参照)に従って制御スプレー塗装を行うものである。
【0027】
19は、固定スプレーによる第1クリヤーコートであって、例えば粒径120μm程度のプラスチックビーズを混入させたフッ素樹脂クリヤーをコーティングするものであり、20は同様に固定スプレーによる第2クリヤーコートであって、例えば粒径2000μm程度のプラスチックビーズを混入させたフッ素樹脂クリヤーをコーティングするものである。この第1クリヤーコート及び第2クリヤーコートは、耐候性を向上させ、石肌感を表現するための加工であって、必要に応じて工程に入れられる。最後に第3乾燥工程21を経て建築板が完成する。
【0028】
図9は、本発明に係る建築板の凹部3付近の塗膜形成状態を模式的に示す断面図で、図8における中塗り工程15による中塗り塗装部25上に、ロールコータにより凸部4のみに凸部塗装部26が形成され(凸部塗装工程17)、この凸部塗装部26上における縁部分4aと、それに続く中塗り塗装部25における下り傾斜部6及び上り傾斜部7の一部分には、更に、その上に傾斜塗装部27が形成されている。すなわち、傾斜塗装部27は、凸部4の縁部分4aにその一部がかかると共に、下り傾斜部6及び上り傾斜部7においては、凹部3の底部3aに至る途中まで塗装が施されている。そして、前述したとおりその部分の色は凸部塗装部26の色より暗めの色としている。
【0029】
図10は、凹部3の傾斜パターンP1〜P4(P5は傾斜なしであるので塗装なし)に応じた制御スプレー塗装の具体例を示している。
傾斜パターンP1では、下り傾斜部6に対して略直交する方向を中心に前後に幅tをもってスプレーのノズル(後述する)37を向けて塗料を噴射して傾斜塗装部27を形成する。この傾斜塗装部27の幅tは下り傾斜部6の長さの1/2〜2/3程度が好ましい。
【0030】
傾斜パターンP2では、2方向の傾斜面、すなわち、下り傾斜部6及び上り傾斜部7に略直交する方向を中心に前後に幅t1,t2をもって2個のノズル37をそれぞれの方向に向けて各々塗料を噴射して傾斜塗装部27を形成する。
傾斜パターンP3では、傾斜面がP1と逆である上り傾斜部7に対する塗装であり、その他の点はP1と同様である。
【0031】
傾斜パターンP4では、屈曲の頂上面に対して略直交する方向を中心に前後に幅t3をもってノズル37を向けて塗料を噴射して傾斜塗装部27を形成する。
図11は、本発明の建築板塗装装置に使用されるスプレーガンユニットの一例を示すものである。
図11(a) に示すように、中央スプレーガン33と左右スプレーガン34、35を組み合わせた3連式の構造のものとしている。
【0032】
左右スプレーガン34、35には調整ネジ36により噴射方向を調整できるノズル37が取り付けられ、中央スプレーガン33には垂直下方を噴射方向とするノズル37が取り付けられている。左右スプレーガン34、35の内側には溝38が形成され、この溝38と中央スプレーガン33を嵌合させることにより、図11(b) に示すように一体化されたガンユニットGが構成されるようになっている。
【0033】
各スプレーガン33、34、35にはソレノイドバルブ40を介してフレキシブルチューブ41が連結され、フレキシブルチューブ41は後述するポンプユニットに接続されている。
図12(a) (b) は、制御スプレー塗装の具体例を示している。図12(a) において、建築板1はガイド43に沿って搬送され、フレーム44に取り付けられたガンユニットG1〜G4により、前記図6の面積比率パターンA〜Dに従って噴射量を可変させながらスプレー塗装するようになっている。
【0034】
図12(b) は、制御スプレー塗装を行うためのシステム構成の一例を示す。4種類のガンユニットG1、G2、G3、G4は、各々図11に示されているような中央スプレーガン(C)33と左右スプレーガン(FとB)34、35とを備え、それぞれのソレノイドバルブ40を介してポンプユニット(1〜4)46に接続されている。ポンプユニット46は、ユニット4に代表して示されているように、チェックバルブ47、リリーフバルブ48、可変容量形ポンプ49、塗料タンク50、洗浄液タンク51を含み、ソレノイドバルブ45の切替えにより塗料と洗浄液を各ガンユニットG1〜G4に供給するようになっている。
【0035】
各ポンプユニット46には可変容量形ポンプ49を駆動するインダクションモータ52が連結されている。各インダクションモータ52はインバータ53を介してコントローラ54に接続されている。インダクションモータ52及びソレノイドバルブ40と45は、コントローラ54により制御されるようになっている。また、コントローラ54にはタイマ及びカウンタが搭載され、更に前述した傾斜パターンと面積比率パターンを記憶するパターンメモリ55が接続されている。また、コントローラ54には、制御塗装の開始と終了を規定するために建築板の検出を行う光電スイッチ56と、塗料タンク50及び洗浄液タンク51にそれぞれ取り付けられたセンサ付き液面計57からの液面検出信号が入力されるようになっている。
【0036】
図13は、建築板1の短手方向のスプレーパターンの例を示すもので、(a) は1つのノズル37から噴射の広がり角θ1、標準スプレー幅hをもって偏平楕円状に噴射する扇形塗布パターンが一列に等間隔に配置されたもの、(b) は同様の扇形塗布パターンが二列に配置されたものを示し、両者とも隣り合うスプレーパターンが相互に干渉しないように平面傾斜角θ2をもって配置されている。
一般に、ノズルチップからの塗料の吐出量は、次式で示されるように、圧力の平方根に比例し、塗料の比重の平方根に反比例する。
【0037】
実吐出量Q=Q0 ×(P/P0 ×S0 /S)1/2 〔L/min〕
P :ノズルチップ前の実圧力〔kg/cm
P0 :標準圧力〔kg/cm
S :塗料の比重
S0 :塗料の標準比重
したがって、塗料の吐出圧を制御することで、具体的には図12に示すインダクションモータ52の回転数をインバータ制御することで、塗料の吐出量が制御できる。この場合、通常、ポンプの吐出圧はモータの回転数の2乗に比例する。
【0038】
図14及び図15は、図12に示すコントローラ54の制御動作フローを示している。システム電源オンか否かを判断し(S1)、YESであれば、初期設定を行い(S2)、NOであれば、システム電源がオンするまで待機する。ステップS3では、コントローラ54がパターンメモリ55(図12参照)から塗装パターンを読み込む。つぎに、テストスプレー制御(I)を実行する(S4)。すなわち、塗装パターンの読み込みが完了したか否かを判断し(S5)、YESであればガンユニットG1〜G4のソレノイドバルブ40をすべて開け(S6)、テストのための所定時間をカウントするタイマをスタートさせる(S7)。そして、各ポンプユニット1〜4(46)のテストスプレー用インバータ1〜4の制御を実行する(S8)。続いて、テストのための所定時間がタイムアップしたか否かを判断して(S9)、YESであればガンユニットG1〜G4におけるソレノイドバルブ40をすべて閉じ(S10)、各ポンプユニット1〜4を停止する(S11)。また、ステップS9においてNOの場合には、タイムアップするまでステップS8のインバータ制御を実行する。つぎに、光電スイッチ56(図12参照)によって建築板を検出したか否かを判断し(S12)、YESであればパターンスプレー制御(II)を行い(S13)、NOであれば建築板の検出を待機する。
【0039】
パターンスプレー制御(II)は、図16(a) に示されるパターンに従って、傾斜パターンP1〜P5に応じて各ガンユニットG1〜G4を構成する3個のスプレーガン33、34、35のうちのいずれを使用するかを決定する。また、使用することに決定したスプレーガンからの塗料吐出量を面積比率パターンA〜Dによって決定する。
【0040】
1つのスプレーガンG1について、その受け持つ建築板の長手方向の面積比率及び傾斜パターン列は(A1、A3、D5、・・・)となるが、具体的には、図16(b) のタイムチャートに示すように、この塗装パターン列はさらに加工される。すなわち、吐出量を決定するモータ回転数について、急激な回転数変化を避けるために所要周期(a/v;vは建築板の走行速度[m/sec])よりも若干Δt1だけ短めの時間位置にて次なる回転数に向けて回転数を変化させていくような関数に加工して使用する。
また、スプレーガン開閉用のソレノイドバルブ40の使用タイミングについては、次のように加工して使用する。
【0041】
スプレーガンが変更される場合は、所要周期(a/v)よりも若干Δt2だけ短めの時間位置から次なるスプレーガンからの吐出が開始されるよう(すなわち、次なるスプレーガン用ソレノイドバルブのオン時間はa/v+Δt2となる)に加工して使用する。
さらに、最初の吹き初めを除き、スプレー停止状態からスプレー再開する場合にも、同様に所定周期(a/v)よりも若干Δt2だけ短めの時間位置から吐出が開始されるように加工して使用する。
【0042】
このように、決定した塗装パターンを更に加工することにより、スプレー開始時の時間遅れが回避され、パターン切換えによる塗装の途切れを発生させることなく、スムースに変化していく連続塗装が実現される。
ステップS13のパターンスプレー制御(II)については、次のステップS14で、光電スイッチ56によって建築板が通過したか否かを判断して、NOであればパターンスプレー制御(II)を継続し、YESであれば制御を終了し、カウンタを1だけ増加させる(S15)。つぎに、カウンタ値が建築板の加工枚数nに等しいか否かを判断し(S16)、YESであれば、スプレー終了制御(III)を行い(S17)、NOであれば、ステップS12に戻る。スプレー終了制御(III) では、図15に示すように、塗料タンク50の排出用ソレノイドバルブ(図12参照)を開けて(S18)、液面センサ57で確認することで排出が完了したか否かを判断し(S19)、NOであれば、引き続き排出完了を待ち、YESとなり塗料の排出が完了すれば、塗料タンク50の排出用ソレノイドバルブを閉め(S20)、つぎに、配管系を洗浄するための洗浄用タンク51の洗浄液送込み用ソレノイドバルブ45を開け(S21)、洗浄液送込みポンプ(図12参照)をオンして(S22)、洗浄液タンク51の液面センサ57で確認することで洗浄液の送込みが完了したか否かを判断し(S23)、NOであれば、送込み完了を待ち、YESであれば、洗浄液送込みポンプをオフする(S24)。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、凹凸表面を有する建築板に対し、従来得られなかった深みのある立体感に富んだ自然な外観風合いを発現させることが可能となり、意匠性に優れた建築板が得られる。また、本発明装置によれば、再現性のよい安定性に富む立体塗装が可能であり、かつ加工条件を変更するだけで各パターンに応じた立体塗装を簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建築板の平面模式図である。
【図2】建築板の凹部に注目した断面模式図である。
【図3】図2のX−X’よりも高い部分の傾斜パターンを分類した図である。
【図4】建築板の傾斜パターン化を示すもので、(a) は建築板の凹部の例、(b) はそのパターン化の例である。
【図5】小区割りにおける傾斜パターン決定手段の説明図で、(a) は平面図、(b) は断面図である。
【図6】建築板の面積比率パターン化を示す図である。
【図7】画像処理による面積比率パターン化決定手段を示す図で、(a) は縮図化、(b) は縮図読み取り、(c) は1区割りの黒画素を示す図である。
【図8】本発明に係る建築板の塗装装置の塗装工程図である。
【図9】本発明に係る建築板の要部断面図である。
【図10】傾斜パターンに応じた塗装手段を示す図である。
【図11】本発明の建築板の塗装装置に利用されるスプレーガンを示すもので、(a) は分解斜視図、(b) は組付け状態の斜視図である。
【図12】面積比率パターンによる制御スプレー塗装の説明図で、(a) は建築板の搬送状態の平面図、(b) は塗装装置のシステム構成図である。
【図13】(a) 及び(b) は建築板の短手方向のスプレーパターンを示す図である。
【図14】制御スプレー塗装のフローチャートである。
【図15】制御スプレー塗装のフローチャートである。
【図16】図14及び図15の制御スプレー塗装の制御内容を示すもので、(a) は傾斜パターンデータ例、(b) はガンユニットに対する指示内容を示すタイムチャートである。
【図17】従来の凹凸表面を有する建築板であって、(a) は斜視図、(b) は断面図である。
【符号の説明】
1…建築板、2…基板、3…凹部、4…凸部、4a…凸部の縁部分、6、7…傾斜面、10…縮図、11…走査ヘッド、17…凸部塗装、18…凹部塗装、27…傾斜塗装部、33、34、35…スプレーガン、54…コントローラ、55…パターンメモリ、G1〜G4…ガンユニット

Claims (5)

  1. それぞれ異なる方向にスプレー可能な複数のスプレーガンと、
    建築板表面の形状に応じていずれの前記スプレーガンを使用するかを決定するスプレーガン決定手段と、
    建築板表面の形状に応じて前記スプレーガンから噴射される塗料の噴射量を決定する噴射量決定手段と、
    決定されたスプレーガンを使用して決定された噴射量でもって建築板の塗装を実行する塗装実行手段と、を備えている建築板の塗装装置であって、
    前記スプレーガン決定手段は、建築板をその長手方向及び短手方向に所定数の小区割りに分割し、各小区割りに対してその傾斜状態をパターン化する傾斜パターン化手段を備え、該傾斜パターンに従って使用するスプレーガンを決定するようにしたことを特徴とする建築板の塗装装置。
  2. 前記噴射量決定手段は、建築板をその長手方向及び短手方向に所定数の小区割りに分割し、各小区割りに対してその部分に占める凹部の面積比率をパターン化する面積比率パターン化手段を備え、該面積比率パターンに従って前記スプレーガンの噴射量を決定するようにしたことを特徴とする請求項記載の建築板の塗装装置。
  3. 前記傾斜パターン化手段は、前記小区割りを建築板の長手方向に所定数の走査線でもって前記凸部の最高位から建築板表面部までの距離を実測し、該測定データをもとにその小区割りについての傾斜パターンを決定するようにしたことを特徴とする請求項記載の建築板の塗装装置。
  4. 前記面積比率パターン化手段は、前記建築板表面を写真撮影により二次元白黒画像に縮図化したものを光学的読み取り手段により走査することで画素化し、画像処理により小区割りに該当する全画素数に対して、凹部に該当する黒画素数が占める割合でもってその小区割りについての占有面積比率パターンを決定するようにしたことを特徴とする請求項記載の建築板の塗装装置。
  5. 前記塗装実行手段は、建築板の長手方向に連続する小区割り群に対して決定された傾斜パターン及び面積比率パターンを、噴射量の時間変化及び使用するスプレーガンの塗料噴射時間の変化の情報に加工して、その加工情報に従って塗装を実行するようにしたことを特徴とする請求項記載の建築板の塗装装置。
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