JP3603039B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、装置外部から空気を吸い込むための吸気部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体ドラム、メインチャージャ、LEDプリントヘッド、現像装置などを含む画像形成部を備えた画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、感光体ドラムは、その表面がメインチャージャにより一様に帯電された後、LEDプリントヘッドにより選択的に露光されることにより、いわゆる静電潜像が書き込まれる。静電潜像は現像装置によりトナー像に現像され、このトナー像が用紙に転写される。
【0003】
LEDプリントヘッドからは熱が発生するため、画像形成部を冷却する必要がある。また、メインチャージャの放電により、オゾンやNOxなどの酸化生成物が発生するという問題があった。
そこで、画像形成装置のハウジングに吸気口を設けると共に、画像形成部近傍にファンを設けた画像形成装置が提案されている。この種の画像形成装置では、ファンの作動により、装置内部の空気や、吸気口を介して装置内部へと導かれる装置外部の空気により、画像形成部が冷却されると共に、メインチャージャの放電により発生する酸化生成物が感光体ドラムの周囲に滞らないように装置内へ分散される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ファンが吸気口と離間して設けられているので、装置外部の冷たい空気を十分に吸気することができず、画像形成部の冷却効率が悪いという問題があった。
また、ファンが画像形成部近傍に設けられているので、ファンから画像形成部に吹き付けられる風により、トナーが飛散するおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、画像形成部の冷却効率のよい画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、画像形成部におけるトナーの飛散を防止できる画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、ハウジングと、このハウジングの内部に備えられた画像形成部とを有する画像形成装置であって、上記ハウジングの背面に形成され、ハウジングの内部と外部とを連通する吸気口と、上記ハウジング内に備えられ、上記吸気口に連設されていて、上記吸気口からハウジング内に入る空気を、上記画像形成部へ導くためのダクトと、上記ダクト内に備えられ、ハウジング外部の空気を上記吸気口から吸い込むためのファンと、上記画像形成部で使用されるトナーを供給するためのトナーホッパであって、上記ハウジングの幅よりも短く形成され、上記ハウジング内の後側上部に左右方向に延びるように配置されたトナーホッパとを含み、上記吸気口は、上記ハウジング背面の左右両側に形成されており、上記ダクトは、上記トナーホッパの左右両側に配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
画像形成装置は、その外形を略矩形のハウジングにより区画されている。ハウジングの背板の上部には、ハウジング外部の空気をハウジング内に取り込むための吸気口が、左右両端部に穿設されている。
ハウジングの内部には画像形成部が備えられており、この画像形成部には軸線方向に長手の感光体ドラムが備えられている。感光体ドラムは、その軸線がハウジングの背板に対して平行に延びるように、背板の手前側に配置されている。
【0008】
本発明の構成によれば、ファンによりハウジング内に吸い込まれたハウジング外部の空気が、ダクトにより画像形成部に導かれる。したがって、ハウジング外部の冷たい空気を画像形成部へと十分に吸気できるので、画像形成部の冷却効率がよい。
また、ファンが画像形成部と離間して設けられているので、ファンから吹き付けられる風により、画像形成部においてトナーが飛散するのを防止できる。
【0009】
特に、上記画像形成装置が幅広の用紙に対して画像を形成することができるような大型の画像形成装置であれば、上記効果が高い。
【0010】
ハウジング内の後側上部には、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像装置が配置されている。現像装置の長手方向の中央部には、現像装置にトナーを供給するためのトナーホッパが上方から取り付けられている。
本発明の構成によれば、トナーホッパの左右両側のスペースにダクトを配置して、このダクトを介してハウジング外部の空気を画像形成部へと導くことができるので、スペースを有効利用することができる。
【0011】
また、幅広の用紙に対して画像を形成することができるような大型の画像形成装置であっても、その左右両側に設けられた吸気口から、ハウジング外部の空気を画像形成部へと満遍なく吸気できる。
請求項2記載の発明は、上記ダクトは、下面および左右両側面が一体的に形成され、上面を有さない形状であって、上記左右両側面の各上端辺が上記ハウジングの上板に当接するように下方から取り付けられており、上記吸気口からハウジング内に入る空気は、上記ダクトとハウジングの上板により区画された通気路を通って上記画像形成部へ導かれることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
【0012】
この構成によれば、ダクトの上面をハウジングの上板を利用して区画することができるので、通気路の断面積を大きくすることができる。したがって、狭いスペースでもダクトを配置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明の一実施形態として複写機について説明するが、本発明は複写機に限らず、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置にも適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る複写機1を背面側から見た外観斜視図である。複写機1は、A0サイズなどの幅広の用紙に画像を形成することができる画像形成装置である。図1において右奥側を前方、左手前側を後方とする。
【0014】
複写機1は、その外形を略矩形のハウジング2により区画されている。ハウジング2の上面には、原稿を搬送するための原稿搬送装置3が取り付けられている。ハウジング2の上面は、原稿を搬送するための原稿搬送路をなしており、原稿搬送装置3の手前側には、原稿をセットするための載置台4が設けられている。載置台4にセットされた原稿は、原稿搬送装置3により、ハウジング2の上面と原稿搬送装置3の間を通って後方へと搬送される。ハウジング2の上面には、原稿搬送装置3に対向してスキャナ(図示せず)が設けられており、載置台4にセットされた原稿は、原稿搬送装置3により後方へと搬送される過程で、スキャナによりその画像が読み取られる。
【0015】
ハウジング2の背板2aの上部には、ハウジング2外部の空気をハウジング2内に取り込むための吸気口5が、左右両端部に穿設されている。ただし、吸気口5は、ハウジング2の背板2aに形成されていれば、その上部の左右両端部に限らず、他の位置に形成されていてもよい。また、吸気口5は2つに限らず、1つだけであってもよいし、3つ以上であってもよい。
ハウジング2の上面の後端部は、開閉可能な開閉カバー6により構成されている。開閉カバー6は、その後端縁に沿って設けられた回動軸6aにより回動自在に保持されている(図4参照)。開閉カバー6の上面の左右両端部には、操作部7が突設されており、作業者は複写機1の正面側から手を伸ばして操作部7を摘むことにより、開閉カバー6を後側に回動させて開けることができるようになっている。
【0016】
図2は、複写機1の構成を示す断面概略図である。複写機1は、ロール紙などの用紙を収容するための用紙収容部11、用紙収容部11から用紙搬送路12を通って搬送されてきた用紙に、スキャナ13から読み取られた原稿の画像に基づくトナー像を転写するための画像形成部14、および用紙に転写されたトナー像を定着するための定着装置15などを備えている。
画像形成部14は、ハウジング2内の上部に配置されており、図2において反時計回りに回転駆動される感光体ドラム16を備えている。感光体ドラム16は、軸線方向に長手の部材であって、その軸線がハウジング2の背板2aに対して平行に延びるように、背板2aの手前側に配置されている。
【0017】
感光体ドラム16は、その外周面に感光体層を有していて、メインチャージャ17の放電によって一様に帯電された後、スキャナ13から読み取られた原稿の画像に基づいてLEDプリントヘッド18から照射された光によって露光される。これにより、感光体ドラム16の表面には、いわゆる静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム16の表面には、現像装置19によりトナーが付着され、トナー像が形成される。感光体ドラム16がさらに回転されると、転写装置20により、用紙収容部11から用紙搬送路12を通って搬送されてきた用紙にトナー像が転写される。トナー像転写後の感光体ドラム16の表面に残留しているトナーは、クリーニング装置21によって回収される。
【0018】
トナー像が転写された用紙は、定着装置15へと導かれ、この定着装置15により定着処理がなされた後、排出ローラ22によりハウジング2外部に排出される。
ハウジング2内部の後側上部には、ダクト23が吸気口5に連設されている。ダクト23内には、ハウジング2外部の空気を吸気口5からハウジング2内に導き入れるためのファン24が備えられており、このファン24およびダクト23により、ハウジング2外部の空気が画像形成部14へと導かれるようになっている。これにより、画像形成部14を冷却することができると共に、メインチャージャ15の放電により発生するオゾンやNOxなどの酸化生成物が感光体ドラム16の周囲に滞らないように装置内へ分散することができる。
【0019】
図3は、ダクト23を斜め上方から見た外観斜視図である。ダクト23は、例えば樹脂により一体的に成形されており、その上面が解放されている。ダクト23は、その両側板31の上端面31aがハウジング2に内側から当接されて取り付けられる。ダクト23の上面をハウジング2を利用して区画することができるので、通気路の断面積を大きくすることができる。したがって、狭いスペースでもダクト23を配置することができる。
【0020】
ダクト23は、樹脂による一体成形品に限らず、例えば金属などが加工されることにより形成されていてもよい。
また、ダクト23は、その上面が解放された形状に限らず、例えば上面を有する筒状であってもよい。この場合、ダクト23をハウジング2の内面に当接させる必要がないので、ダクト23はハウジング2の内面から離して配置されてもよい。
【0021】
ダクト23内の中間部には略矩形の窓32を有する仕切板33が形成されており、この仕切板33の後側はファン24を収容するためのファン収容部34をなしている。
ダクト23の両側板31の内面には、仕切板33の手前側に、それぞれ上下方向に延びる1対のスライドガイド35が突設されている。1対のスライドガイド35は、フィルタ(図示せず)の側縁を上下方向にスライド可能に支持するためのものである。
【0022】
図4は、ハウジング2内に導き入れられる空気の流れを説明するための要部断面概略図であって、開閉カバー6が開けられ、フィルタ41が取り外された状態を示している。
ファン24が作動されると、ファン24内に設けられた羽根25が回転し、図4において矢印で示すように、ハウジング2外部の空気がハウジング2内に導かれる。そして、ハウジング2内に導き入れられた空気は、ダクト23により画像形成部14へと導かれる。したがって、ハウジング2外部の冷たい空気を画像形成部14へと十分に吸気できるので、画像形成部の冷却効率がよい。特に、吸気口5がハウジング2の左右両端部に設けられているので、吸気口5からハウジング2外部の空気を画像形成部14へと満遍なく吸気できる。
【0023】
ハウジング2は、開閉カバー6を開けたときに現れる中板(上板)48を含む。この中板48には、左右方向に延びるスリット42が形成されており、ダクト23が中板48に取り付けられると、1対のスライドガイド35がスリット42の下方に連接するようになっている。
フィルタ41は、ホルダ43と、ホルダ43に張り付けられた濾過部材44とを含む。ホルダ43は、ダクト23内に挿入される挿入部45と、挿入部45の上端に形成された把持部46とからなり、濾過部材44は、挿入部45の背面に張り付けられている。
【0024】
フィルタ41は、作業者がその把持部46を摘んで複写機1の正面側から手を伸ばすことにより、その挿入部45がハウジング2の上方からスリット42に差し込まれる。スリット42に差し込まれたフィルタ41の挿入部45は、スライドガイド35に沿ってスライドされ、ダクト23内に取り付けられる。ハウジング2の上面に形成されたスリット42から差し込むことによりフィルタ41を取り付けることができるので、フィルタ41の着脱が容易である。特に、複写機1の正面側からフィルタ41の着脱を行うことができるので、複写機1の左右両側にスペースがなくても複写機1を移動させる必要がない。
【0025】
フィルタ41がダクト23内に取り付けられた状態でファン24が作動されると、ハウジング2内に取り込まれた空気が濾過部材44を通過する過程で、その空気に含まれる塵埃や、煙草の煙によるヤニなどの異物が濾過部材44に付着する。したがって、これらの異物がハウジング2内に入り込んで画像形成に悪影響を及ぼすのを防止できる。
ハウジング2の背板2aの上部および中板48は、取り外し可能な後上カバー51をなしている。開閉カバー6およびダクト23は、後上カバー51に取り付けられており、この後上カバー51を取り外すことにより、一体的に取り外されるようになっている。
【0026】
図5は、後上カバー51が取り外された状態の複写機1を背面側から見た外観斜視図である。図4および図5を参照して、両ダクト23間には、現像装置19にトナーを供給するためのトナーホッパ52が配置されている。トナーホッパ52の底部には、トナー供給口(図示せず)が形成されており、このトナー供給口から現像装置19にトナーが供給されるようになっている。
トナーホッパ52の上面には、トナーホッパ52内にトナーを補給するためのトナー補給口53が形成されている。トナーホッパ52内のトナーがなくなった場合には、開閉カバー6を開けて、トナー補給口53からトナーを補給できるようになっている。
【0027】
ハウジング2には、各ダクト23の前端が連設される位置に、通気口54が形成されている。
トナーホッパ52の左右両側のスペースにダクト23を配置して、これらのダクト23を介してハウジング2外部の空気を画像形成部14へと導くことができるので、スペースを有効利用することができる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、ファン24がフィルタ41よりも吸気口5側に設けられる構成に限らず、フィルタ41がファン24よりも吸気口5側に設けられていてもよい。この場合、ファン24の羽根25や、羽根25を回転させるためのモータなどに塵埃やヤニなどの異物が付着するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る複写機を背面側から見た外観斜視図である。
【図2】複写機の構成を示す断面概略図である。
【図3】ダクトを斜め上方から見た外観斜視図である。
【図4】ハウジング内に導き入れられる空気の流れを説明するための要部断面概略図である。
【図5】後上カバーが取り外された状態の複写機を背面側から見た外観斜視図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 ハウジング
2a 背板
5 吸気口
14 画像形成部
23 ダクト
24 ファン
31a 上端面
48 中板(上板)
52 トナーホッパ
Claims (2)
- ハウジングと、このハウジングの内部に備えられた画像形成部とを有する画像形成装置であって、
上記ハウジングの背面に形成され、ハウジングの内部と外部とを連通する吸気口と、
上記ハウジング内に備えられ、上記吸気口に連設されていて、上記吸気口からハウジング内に入る空気を、上記画像形成部へ導くためのダクトと、
上記ダクト内に備えられ、ハウジング外部の空気を上記吸気口から吸い込むためのファンと、
上記画像形成部で使用されるトナーを供給するためのトナーホッパであって、上記ハウジングの幅よりも短く形成され、上記ハウジング内の後側上部に左右方向に延びるように配置されたトナーホッパとを含み、
上記吸気口は、上記ハウジング背面の左右両側に形成されており、
上記ダクトは、上記トナーホッパの左右両側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記ダクトは、下面および左右両側面が一体的に形成され、上面を有さない形状であって、上記左右両側面の各上端辺が上記ハウジングの上板に当接するように下方から取り付けられており、
上記吸気口からハウジング内に入る空気は、上記ダクトとハウジングの上板により区画された通気路を通って上記画像形成部へ導かれることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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