JP3603038B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、装置外部から空気を吸い込むための吸気部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体ドラム、メインチャージャ、LEDプリントヘッド、現像装置などを含む画像形成部を備えた画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、感光体ドラムは、その表面がメインチャージャにより一様に帯電された後、LEDプリントヘッドにより選択的に露光されることにより、いわゆる静電潜像が書き込まれる。静電潜像は現像装置によりトナー像に現像され、このトナー像が記録用紙に転写される。
【0003】
LEDプリントヘッドからは熱が発生するため、画像形成部を冷却する必要がある。また、メインチャージャの放電により、オゾンやNOxなどの酸化生成物が発生するという問題があった。
そこで、画像形成装置のハウジングに吸気口を設けると共に、画像形成部近傍にファンを設けた画像形成装置が提案されている。この種の画像形成装置では、ファンの作動により、装置外部の空気が吸気口を介して装置内部へと導かれ、画像形成部が冷却されると共に、メインチャージャの放電により発生する酸化生成物が感光体ドラムの周囲に滞らないように装置内へ分散される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸い込む空気には、塵埃や、煙草の煙によるヤニなどが含まれており、これらを除去しなければ画像形成に悪影響を及ぼす。そこで、一般的に、ハウジングの背板などに形成された吸気口には、背面側から例えばビスなどによりフィルタが取り付けられている。このため、フィルタを清掃または交換する場合、ビスをいちいち締めたり緩めたりしてフィルタを着脱しなければならず、面倒であった。
【0005】
また、通常、画像形成装置はその背面を壁などに対向させて設置されるので、ハウジングの背板に取り付けられたフィルタを着脱するためには、画像形成装置を移動させなければならず、面倒であった。
特に、日本工業規格(JIS)のA列0番(以下「A0」という)サイズなどの幅広の用紙に画像を形成することができる画像形成装置は、大型であるため移動が困難であり、フィルタの着脱が面倒であった。
【0006】
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、フィルタの着脱が容易なフィルタ取付構造を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、ハウジング内の通気路を流れる空気を濾過するためのフィルタ取付構造を有する画像形成装置であって、画像形成部と、上記ハウジングの内面に隣接するように配置され、上記画像形成部に外気を導くための通気路と、上記ハウジングに形成され、上記通気路を交叉方向に臨むスリットと、上記スリットから差し込まれたフィルタが上記通気路を横断するようにフィルタを保持する保持手段とを有し、上記画像形成部は、その軸線がハウジングの背板に対して平行に延びるように配置された軸線方向に長手の感光体ドラムと、上記ハウジングの背板と感光体ドラムとの間に左右方向に延びるように配置された現像装置とを含み、上記通気路は、上記現像装置の左右両側の上方を通るように、上記ハウジングの中板に隣接して配置されており、上記スリットは、上記ハウジングの中板に形成されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
画像形成装置は、その外形を略矩形のハウジングにより区画されている。ハウジングの背板の上部には、ハウジング外部の空気をハウジング内に取り込むための吸気口が、左右両端部に穿設されている。通常、画像形成装置は、その背面を壁などに対向させて設置される。
本発明の構成によれば、フィルタをハウジングに形成されたスリットから差し込むことにより取り付けることができる。したがって、画像形成装置を移動させることなく、フィルタを容易に着脱することができる。
また、ハウジングの中板の後部左右両側にスリットを設けることができる。これにより、画像形成装置の正面側から手を伸ばしてフィルタの着脱を行うことができるので、画像形成装置の左右両側にスペースがなくても画像形成装置を移動させる必要がない。幅広の用紙に対して画像を形成することができるような大型の画像形成装置では、特に効果が高い。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記通気路は、上記ハウジングの内面と、この内面に取り付けられたダクトとにより区画されており、上記保持手段は、上記ダクトの内側面に形成され、フィルタの端部を案内するスライドガイドを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
この構成によれば、スリットから差し込まれるフィルタを、スライドガイドによりスライドさせて取り付けることができるので、フィルタの着脱が容易である。
【0010】
また、ハウジング2の内面を利用して通気路を区画することができるので、通気路の断面積を大きくすることができる。したがって、狭いスペースでもダクトを配置することができる。
請求項3記載の発明は、上記中板は、上記ハウジングの一部が開かれることにより現れるものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
【0011】
この構成によれば、フィルタを中板に形成されたスリットから差し込むことにより取り付けることができる。フィルタの清掃時や交換時以外のときには、ハウジングの一部を閉じることにより、フィルタが外部に露出しないようにすることができるので、見栄えがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明の一実施形態として複写機について説明するが、本発明は複写機に限らず、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置にも適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る複写機1を背面側から見た外観斜視図である。複写機1は、A0サイズなどの幅広の用紙に画像を形成することができる画像形成装置である。図1において右奥側を前方、左手前側を後方とする。
【0015】
複写機1は、その外形を略矩形のハウジング2により区画されている。ハウジング2の上面には、原稿を搬送するための原稿搬送装置3が取り付けられている。ハウジング2の上面は、原稿を搬送するための原稿搬送路をなしており、原稿搬送装置3の手前側には、原稿をセットするための載置台4が設けられている。載置台4にセットされた原稿は、原稿搬送装置3により、ハウジング2の上面と原稿搬送装置3の間を通って後方へと搬送される。ハウジング2の上面には、原稿搬送装置3に対向してスキャナ(図示せず)が設けられており、載置台4にセットされた原稿は、原稿搬送装置3により後方へと搬送される過程で、スキャナによりその画像が読み取られる。
【0016】
ハウジング2の背板2aの上部には、ハウジング2外部の空気をハウジング2内に取り込むための吸気口5が、左右両端部に穿設されている。通常、複写機1は、その背面を壁などに対向させて設置される。
ハウジング2の上面の後端部は、開閉可能な開閉カバー6により構成されている。開閉カバー6は、その後端縁に沿って設けられた回動軸6aにより回動自在に保持されている(図4参照)。開閉カバー6の上面の左右両端部には、操作部7が突設されており、作業者は複写機1の正面側から手を伸ばして操作部7を摘むことにより、開閉カバー6を後側に回動させて開けることができるようになっている。
【0017】
図2は、複写機1の構成を示す断面概略図である。複写機1は、ロール紙などの用紙を収容するための用紙収容部11、用紙収容部11から用紙搬送路12を通って搬送されてきた用紙に、スキャナ13から読み取られた原稿の画像に基づくトナー像を転写するための画像形成部14、および用紙に転写されたトナー像を定着するための定着装置15などを備えている。
画像形成部14は、ハウジング2内の上部に配置されており、図2において反時計回りに回転駆動される感光体ドラム16を備えている。感光体ドラム16は、軸線方向に長手の部材であって、その軸線がハウジング2の背板2aに対して平行に延びるように、背板2aの手前側に配置されている。
【0018】
感光体ドラム16は、その外周面に感光体層を有していて、メインチャージャ17の放電によって一様に帯電された後、スキャナ13から読み取られた原稿の画像に基づいてLEDプリントヘッド18から照射された光によって露光される。これにより、感光体ドラム16の表面には、いわゆる静電潜像が形成される。ハウジング2の背板2aと感光体ドラム16との間には、現像装置19が左右方向に延びるように配置されている。静電潜像が形成された感光体ドラム16の表面には、現像装置19によりトナーが付着され、トナー像が形成される。感光体ドラム16がさらに回転されると、転写装置20により、用紙収容部11から用紙搬送路12を通って搬送されてきた用紙にトナー像が転写される。トナー像転写後の感光体ドラム16の表面に残留しているトナーは、クリーニング装置21によって回収される。
【0019】
トナー像が転写された用紙は、定着装置15へと導かれ、この定着装置15により定着処理がなされた後、排出ローラ22によりハウジング2外部に排出される。
ハウジング2内部の後側上部には、ダクト23が吸気口5に連設されている。ダクト23内には、ハウジング2外部の空気を吸気口5からハウジング2内に取り込むためのファン24が備えられており、このファン24およびダクト23により、ハウジング2外部の空気が画像形成部14へと導かれるようになっている。これにより、画像形成部14を冷却することができると共に、メインチャージャ15の放電により発生するオゾンやNOxなどの酸化生成物が感光体ドラム16の周囲に滞らないように装置内へ分散することができる。
【0020】
図3は、ダクト23を斜め上方から見た外観斜視図である。ダクト23は、例えば樹脂により一体的に成形されており、その上面が解放されている。ダクト23は、その両側板31の上端面31aがハウジング2に内側から当接されて取り付けられる。ダクト23の上面をハウジング2を利用して区画することができるので、通気路の断面積を大きくすることができる。したがって、狭いスペースでもダクト23を配置することができる。
【0021】
ダクト23は、樹脂による一体成形品に限らず、例えば金属などが加工されることにより形成されていてもよい。
また、ダクト23は、その上面が解放された形状に限らず、例えば上面を有する筒状であってもよい。この場合、ダクト23をハウジング2の内面に当接させる必要がないので、ダクト23はハウジング2の内面から離して配置されてもよい。
【0022】
ダクト23内の中間部には略矩形の窓32を有する仕切板33が形成されており、この仕切板33の後側はファン24を収容するためのファン収容部34をなしている。
ダクト23の両側板31の内面には、仕切板33の手前側に、それぞれ上下方向に延びる1対のスライドガイド35が突設されている。1対のスライドガイド35は、フィルタ(図示せず)の側縁を上下方向にスライド可能に支持するためのものである。
【0023】
図4は、フィルタ41の取付構造について説明するための要部断面概略図であって、開閉カバー6が開けられ、フィルタ41が取り外された状態を示している。
ハウジング2は、開閉カバー6を開けたときに現れる中板48を含む。この中板48には、左右方向に延びるスリット42が形成されており、ダクト23が中板48に取り付けられると、1対のスライドガイド35がスリット42の下方に連接するようになっている。
【0024】
フィルタ41は、ホルダ43と、ホルダ43に張り付けられた濾過部材44とを含む。ホルダ43は、ダクト23内に挿入される挿入部45と、挿入部45の上端に形成された把持部46とからなり、濾過部材44は、挿入部45の背面に張り付けられている。
フィルタ41は、作業者がその把持部46を摘んで複写機1の正面側から手を伸ばすことにより、その挿入部45がハウジング2の上方からスリット42に差し込まれる。スリット42に差し込まれたフィルタ41の挿入部45は、スライドガイド35に沿ってスライドされ、ダクト23内に取り付けられる。ハウジング2の上面に形成されたスリット42から差し込むことによりフィルタ41を取り付けることができるので、フィルタ41の着脱が容易である。特に、複写機1の正面側からフィルタ41の着脱を行うことができるので、複写機1の左右両側にスペースがなくても複写機1を移動させる必要がない。
【0025】
ファン24が作動されると、ファン24内に設けられた羽根25が回転し、図4において矢印で示すように、ハウジング2外部の空気がハウジング2内に導かれる。フィルタ41がダクト23内に取り付けられた状態でファン24が作動されれば、ハウジング2内に取り込まれた空気が濾過部材44を通過する過程で、その空気に含まれる塵埃や、煙草の煙によるヤニなどの異物が濾過部材44に付着する。したがって、これらの異物がハウジング2内に入り込んで画像形成に悪影響を及ぼすのを防止できる。
【0026】
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、ファン24がフィルタ41よりも吸気口5側に設けられる構成に限らず、フィルタ41がファン24よりも吸気口5側に設けられていてもよい。この場合、ファン24の羽根25や、羽根25を回転させるためのモータなどに塵埃やヤニなどの異物が付着するのを防止できる。
【0027】
フィルタは、装置外部の空気を取り込むときに限らず、装置内の空気を排出するときに用いられる場合もある。フィルタ41は、装置内の空気を排出するときに、その空気を濾過するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る複写機を背面側から見た外観斜視図である。
【図2】複写機の構成を示す断面概略図である。
【図3】ダクトを斜め上方から見た外観斜視図である。
【図4】フィルタの取付構造について説明するための要部断面概略図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 ハウジング
2a 背板
16 感光体ドラム
19 現像装置
23 ダクト
35 スライドガイド
41 フィルタ
42 スリット
48 中板(上板)
Claims (3)
- ハウジング内の通気路を流れる空気を濾過するためのフィルタ取付構造を有する画像形成装置であって、
画像形成部と、
上記ハウジングの内面に隣接するように配置され、上記画像形成部に外気を導くための通気路と、
上記ハウジングに形成され、上記通気路を交叉方向に臨むスリットと、
上記スリットから差し込まれたフィルタが上記通気路を横断するようにフィルタを保持する保持手段とを有し、
上記画像形成部は、その軸線がハウジングの背板に対して平行に延びるように配置された軸線方向に長手の感光体ドラムと、上記ハウジングの背板と感光体ドラムとの間に左右方向に延びるように配置された現像装置とを含み、
上記通気路は、上記現像装置の左右両側の上方を通るように、上記ハウジングの中板に隣接して配置されており、
上記スリットは、上記ハウジングの中板に形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記通気路は、上記ハウジングの内面と、この内面に取り付けられたダクトとにより区画されており、
上記保持手段は、上記ダクトの内側面に形成され、フィルタの端部を案内するスライドガイドを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 上記中板は、上記ハウジングの一部が開かれることにより現れるものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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