JP3602796B2 - チオバルビツール酸誘導体の製法 - Google Patents
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Description
本発明は、特異的に置換されたチオバルビツール酸(thiobarbituric acid)誘導体の新規製法に関する。
【0002】
J. Org. Chem. 26, 792 (1961)は、その2−,4−、及び6−位で、水素、ヒドロキシ、アミノ、及びチオール基により置換された可能性のあるピリミジン誘導体について記載しており、それは、それらを合成により得る可能性、及びさらなる誘導体の製造において使用されるそれらの能力について記載している。
【0003】
例えば、一方において、塩基性媒質中でのジメチルスルフェート(DMS)によるメチル化、その後の、オキシ塩化リンによる、中間体として形成された2−(メチルチオ)−4,6−ピリミジンジオールの塩素化によるチオバルビツール酸からの4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジンの合成、そして他方において対応の4,6−ピリミジンチオールを形成するための、エタノール中硫化水素ナトリウムを用いたそのピリミジン環の4−及び6−位における塩素原子の置換可能性について記載している。
【0004】
EP−A−0 529 631は、ナトリウム・メタノレートの存在下でのチオウレア及びマロン酸ジメチル・エステルからの2−(メチルチオ)−2−ナトリウム・バルビツレートの製造、及び臭化メチルによる、中間体として形成されたチオバルビツール酸2ナトリウムのメチル化を開示している。
【0005】
J. Am. Chem. Soc. 76, 2899 (1954)は、一方において、ジオキサン中の過酸化水素を用いた2,4−ジメトキシ−6−ピリミジンチオールからのビス−(2,4−ジメトキシ−6−ピリミジニル)−ジスルフィドの製造、そして他方において、無水エーテル中水素化リチウム・アルミニウムとの反応によるそれを解裂させて収率76%で対応の2,4−ジメトキシ−6−ピリミジン−チオールを形成することを記載している。
【0006】
Helv. Chem. Acta 72, 744 (1989)中には、オキシ塩化リンとN,N−ジエチルアニリンを用いた2−チオバルビツール酸からのビス−(4,6−ジクロロピリミジニ−2−イル)−ジスルフィドの製造が記載されており、そしてそれは同時に、その中で、形成されたジスルフィドは、酸−又は塩基−触媒による加水分解又は還元的加水分解のいずれによっても、単量体ウラシル誘導体に変換されることができないということを指摘している。
【0007】
EP−A−0 547 411は、ハロゲン化水素の存在下でシアニミデートと環化して4,6−ジアルコキシ−2−ハロピリミジンを形成し、そして後者の化合物をチオール酸ナトリウムと反応させることによる、4,6−ジアルコキシ−2−アルキルメルカプト−ピリミジンの製造について記載している。
【0008】
DE−A−2 412 854は、ジメチルスルフェートを用いた2−アルキルチオ−4,6−ジヒドロキシピリミジンのメチル化による2−アルキルチオ−4−メトキシ−6−ヒドロキシピリミジンの製造について記載している。
【0009】
Helv. Chim. Acta 72, 738 (1989)は、2段階の工程における、2,4,6−トリクロロピリミジンの2位における塩素置換基の選択的塩基性加水分解、及びメタノールによる4−及び6−位の残存塩素置換基のその後の求核置換について記載している。
【0010】
さらに、DE−A 4 408 404とDE−A 2 248 747は、オキシ塩化リン、及び触媒量の塩化水素アミン又は5塩化リンにより2−ヒドロキシ−4,6−ジアルコキシピリミジンを変換して2−クロロ−4,6−ジアルコキシピリミジンを形成することを記載している。
【0011】
特別に置換された(チオ−)バルビツール酸誘導体を製造する上記方法の全ては、いくつかの反応ステップを通じていくぶん操作が複雑である。なぜなら、一方において、そのピリミジン環の所定の位置における特定の置換基は、実際に同一の反応性を有し、そしてそれ故選択的に置換されることができないからであり、又は他方において、それらは、求核試薬に向かう反応において遅く、又はさらに顕著な安定性をもち、そしてその場合には、それらは、極端な反応条件下、例えば、加圧容器内、及び高温においてのみ反応するからである(例えば、J. Org. Chem. 26, 794 (1961)、及びHelv. Chim. Acta 72, 745 (1989)を参照のこと)。観察された生成物の収率と生成物の純度は、結果としてしばしば、大規模製造法のためには満足できるものではない。さらに、その単離及び精製プロセスは、不経済であり、そして複雑な装置を伴う。
【0012】
今般、驚ろくべきことに、特別に置換された4,6−ジメトキシ−2−チオバルビツール酸、4,6−ジメトキシ−2−ナトリウム・チオバルビツール酸、及び4,6−ジメトキシ−2−メチルチオ−ピリミジンが、上記の開示された方法の欠点を回避しながら、ビス−(4,6−2置換)2−ピリミジン・ジスルフィドから直接的に、後者の化合物を水素化分解し、そしてアルカリ金属アルコレート又はメチル化試薬のいずれかにより単離せずに直接的にその水素化分解産物をメチル化し、そして次にそのチオメチル化生成物をアルカリ金属アルコレートと反応させることにより、高収率かつ高純度で、経済的かつ生態学的に、最も有利には、1反応容器プロセスにおいて、容易に製造されることができるということが発見された。
【0013】
従って、本発明の1の目的は、以下の式(I):
【0014】
【化6】
【0015】
{式中、R1 がSH,S− M+ 又はCH3 S−であり、そしてM+ がアルカリ金属イオンである。}により表されるチオバルビツール酸誘導体の製造方法であって、以下の式(II):
【0016】
【化7】
【0017】
{式中R2 が塩素又はCH3 O−である。}により表される化合物を、
(a)不活性溶媒の存在下での水素化分解剤、及びメタノール中アルカリ金属メチレートとの水素化分解生成物の直接反応、
又は
(b)不活性溶媒の存在下、かつ、メチル化試薬の存在下での水素化分解剤、及びその後のメタノール中アルカリ金属メチレート、
を用いて水素化分解することによる前記方法である。
【0018】
式(II)の化合物の水素化分解解裂のために好適な水素化分解剤は、例えば、ホウ化水素、ジボラン、水素化アルカリ金属リチウム、及び水素である。これらの中で、特に好適なものは、ホウ化水素アルカリ金属、ジボラン、水素化リチウム・アルミニウム、貴金属触媒の存在下での水素である。
【0019】
特に好適な水素化分解剤は、ホウ化水素アルカリ金属、及び貴金属触媒の存在下での水素、特にホウ化水素ナトリウム、及びパラジウム又は白金の存在下での水素である。
【0020】
これらの水素化分解剤は、便利には、式(II)の化合物に基づき、等モル量で又は5〜15モル%の僅かに過剰な量で使用される。
【0021】
変法a)又はb)に従う式(II)の化合物の水素化分解反応は、0〜60℃の反応温度で行われる。
【0022】
変法a)又はb)に従う式(II)の化合物の水素化分解のために好適な溶媒は、例えば、ケトン、アミド、ニトリル、脂肪族炭化水素、エーテル、アルコール、アルコール−水混合物、及びこれらの溶媒の混合物である。好ましいものは、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、及びメタノール−水混合物である。
【0023】
特に好ましいのは、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、ジオキサン、及びテトラヒドロフランである。
【0024】
本発明に係る方法のさらなる特徴は、変法a)又はb)に従う水素化分解が、連続的に、すなわち、中間体生成物の単離を伴わずに“1反応容器反応”として行われるということである。
【0025】
変法a)に従って直接形成される以下の式(IV):
【0026】
【化8】
【0027】
{式中、R1 はSH又はS− M+ であり;M+ はアルカリ金属イオンであり、そしてR2 は式(I)のために与えたものと同じである。}により表される水素化分解産物は不安定であり、そして単離されない。
【0028】
変法b)に従って直接形成される以下の式(III ):
【0029】
【化9】
【0030】
{式中、R2 は式(I)のために与えたものと同じである。}により表される水素化分解産物は安定であり、そして必要により単離されることができる。
【0031】
反応スキーム1が上記反応を図示する。
【0032】
反応スキーム1
【0033】
【化10】
【0034】
ジボラン又は水素が、貴金属触媒の存在下、水素化分解剤として使用される場合、変法a)に従って、式中R1 がSHである式(IV)の化合物が、第1の不安定な水素化分解産物として得られる。ホウ化水素アルカリ金属又は水素化アルカリ金属アルミニウムが水素化分解剤として使用される場合、変法b)に従って、式中R1 がS− M+ であり、そしてM+ がアルカリ金属イオンである式(IV)の化合物が、第1の不安定な水素化分解産物として得られる。
【0035】
本発明に係る水素化分解反応の好ましい変法a)においては、乾燥メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中の式(II)の化合物が、適宜、5〜10モル%僅かに過剰なホウ化水素ナトリウムと15〜35℃で混合され、次に0.5〜3時間撹拌され、そしてその後、同一反応温度で、メタノール中僅かに過剰なナトリウム・メチレート(5〜10モル%)が適宜添加され、そしてこの反応は撹拌しながら25〜50℃まで緩やかに加熱される。上記反応混合物を冷却した後、得られた粗生成物を、さらなる反応のために直接使用することも又はその粗生成物を濃縮することにより単離し、そして慣用の精製方法、再結晶化により純粋な形態で調製することもできる。この収率は、一般に、(使用する溶媒に依存して)理論値の20〜≧90%の範囲内にある。
【0036】
本発明に係る水素化分解反応の好ましい変法b)においては、乾燥メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中の式(II)の化合物を、式(II)の化合物に基づき、1モル等量のジメチルスルフェート(DMS)と15〜25℃で混合し、そして次に、適宜、5〜10モル%僅かに過剰のホウ化水素ナトリウムと5〜35℃で混合し、そしてその後、式(II)のジスルフィドが水素化分解され、そして以下の式(III ):
【0037】
【化11】
【0038】
{式中、R2 が塩素又はCH3 O−である。}により表される化合物にメチル化されるまで撹拌し(約1〜3時間)、そして次に、同一反応温度で、メタノール中過剰のナトリウム・メチレート(5〜50モル%)を添加し、そしてこの反応混合物を、その反応が完結するまで25〜80℃まで撹拌しながら加熱する。この反応混合物を冷却した後、得られた精製物を、さらなる反応のために直接使用すること、又は形成された塩を濾過し、その濾液を濃縮し、そして粗生成物を単離し、そして慣用の精製方法、例えば再結晶化により純粋な形態で調製することができる。収率は一般に理論値の80〜≧90%の範囲内にある。
【0039】
本発明に係る方法により、好ましくは製造される式(I)の化合物は、4,6−ジメトキシ−2−ピリミジン・ナトリウム・メルカプチッド、及び4,6−ジメトキシ−2−メチル−メルカプトピリミジンである。
【0040】
式(II)の出発化合物、及び使用される水素化分解剤の全ては、知られており、又は知られた方法で製造されることができる。例えば、Helv. Chim. Acta 72, 744 (1989)は、オキシ塩化リン及びN,N−ジエチルアニリンを用いた2−チオバルビツール酸からのビス−(4,6−ジクロロピリミジン−2−イル)−ジスルフィド(R2 =式(II)の化合物中の塩素)の製造について記載している。過剰のアルカリ金属メチレートによるビス−(4,6−ジクロロピリミジン−2−イル)−ジスルフィドのメトキシル化は、2つのピリミジン環における各塩素置換基の置換を容易に導き、そして式中R2 がCH3 O−を表す式(II)の化合物を生じる(J. Am. Chem. Soc. 76, 2899 (1954)を再び参照のこと)。
【0041】
本発明に係る方法は、以下の点で知られた方法と区別される:
1)それは、緩やかな反応条件下で高純度及び高収率で、4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール誘導体を与え、
2)それは、上記反応が速く進行することを可能にし、
3)それは、“1反応容器反応”として理解され、
4)それは、4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール誘導体への、容易、直接、並びに経済的及び生態学的に有利なアクセスを許容し、そして
5)それは、“その場の(in situ)”その後の反応、例えば酸化を許容して、対応の2−(メチルスルホニル)−ピリミジン誘導体を形成する。
【0042】
上記の知られた方法を超える本発明の方法の利点は、それ故、以下のものである:
1)それは、大規模適用のために特に好適であり、
2)それは、複雑な分離及び精製ステップの使用を回避し、そして
3)それは、溶媒を変えずに1反応容器プロセスで形成された式(I)の4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−チオール誘導体をさらに処理し、そしてそれにより、溶媒の廃材料と複雑な設備の必要性を減少させる。
【0043】
本発明に従って製造される式(I)の4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール誘導体は、例えばEP−A−0 447 506中に記載されるように、7−〔(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)チオ〕−3−メチルナフタリドの製造における中間体として特に使される。
【0044】
それ故、第1の反応ステップにおいては、本発明に従って製造された以下の式(I):
【0045】
【化12】
【0046】
{式中、R1 はCH3 S−である。}により表される4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール誘導体を、酢酸中、及びタングステン酸アルカリ金属、例えばタングステン酸ナトリウム、又は塩素ガスの存在下で、酸化剤、例えば過酸化物、例えば過酸化水素と反応させ、そしてこうして得られた4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)ピリミジンを、置換反応において7−メルカプト−3−メチルフタリドとともに反応させる。
【0047】
第1の反応ステップにおいては、それ故、本発明に従って製造された以下の式(I):
【0048】
【化13】
【0049】
{式中、R1 はSH又はS− M+ であり、そしてM+ はアルカリ金属イオンである。}により表される4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール誘導体を、メチル化剤、例えばジメチルスルフェート(DMS)と反応させ、次に酢酸中、及びタングステン酸アルカリ金属、例えばタングステン酸ナトリウム、又は塩素ガスの存在下、酸化剤、例えば過酸化物、例えば過酸化水素と反応させ、そしてこうして得られた4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)−ピリミジンを7−メルカプト−3−メチルフタリドと反応させる。
【0050】
7−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−ル)チオール〕−3−メチルナフタリドの製造のための上記変法を、以下の反応スキーム2において図示する。
【0051】
反応スキーム2
【0052】
【化14】
【0053】
反応スキーム2に従えば、第1の反応ステップにおいて、4,6−ジメトキシ−2−ピリミジンチオール又はそのチオール酸アルカリ金属が、中間体4,6−ジメトキシ−2−メチル−チオピリミジンにメチル化される。ジメチルスルフェート(DMS)によるこのメチル化は、便利には、水性塩基性媒質中で、場合により極性有機溶媒、例えばアルコールの存在下、0〜40℃の温度で、行われる。例えば、過酸化水素によるその後の酸化は、同一溶媒中直接的にか又は有機酸、例えばアルカンカルボン酸、例えば酢酸中、及びタングステン酸アルカリ金属、例えばタングステン酸ナトリウムの存在下、又は塩素ガスを用いて、行われることができ、4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)ピリミジンを生じる。
【0054】
反応スキーム2においては、所望の4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)ピリミジンは、例えばアルコール中の過酸化水素有機酸の添加による、そしてタングステン酸アルカリ金属の存在下での酸化により直接的に4,6−ジメトキシ−2−メチルメルカプト−ピリミジンから得られうる。
【0055】
この種のメチル化及び酸化反応は、例えば、DE−A−2 412 854, DE−A−3 324 399, EP−A−0 033 195, Z. Chem. 17 (392), 63 (1977), Chem. Soc. 16 (6), 489 (1995)、及びJ. Org. Chem. 26, 792 (1961) 中に記載されている。
【0056】
反応スキーム2における7−メルカプト−3−メチルフタリドとの、形成された4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)ピリミジンのその後の反応は、便利には、0〜160℃の温度において、不活性有機溶媒、例えば、エーテル、ケトン、ニトリル及びアミド、例えばテトラヒドロフラン、ブタノン、アセトニトリル、及びN,N−ジメチルホルムアミド中で生じる。この種の置換反応は、例えば、EP−A−0 447 506中に記載されている。
【0057】
以下の実施例により、本発明に係る方法をさらに説明する。
【0058】
実施例P1:4,6−ジメトキシ−2−メチルチオバルビツール酸の製造
1.8gのビス−(4,6−ジクロロ−2−ピリミジン)−ジスルフィドを、30gのN,N−ジメチルホルムアミド中に22℃で溶解させる。1.26gのジメチルスルフェート(DMS)を添加した後、この溶液を5〜35℃で0.19gのホウ化水素ナトリウムと混合し、そしてこのステップから生じた物質の全てが4,6−ジクロロ−2−メチルチオバルビツール酸にメチル化されるまで(薄層クロマトグラフィーによる分析)約1時間撹拌する。その後、5.5gのメタノール/ナトリウム・メチレート(30%)を25℃で添加し、そしてその反応混合物を50℃に加熱する。この温度で、全ての4,6−ジクロロ−2−メチルチオバルビツール酸が反応するまで、撹拌を続ける。所望の標題の化合物を水と混合し、冷却し、そして濾過により単離するか、又は直接次の反応のためにさらに使用することができる。
【0059】
実施例P2:4,6−ジメトキシ−2−(メチルスルホニル)ピリミジンの製造
30gの水を上記反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を酢酸によりpH3〜4に調整する。0.01gの臭化テトラブチルアンモニウムと0.01gのタングステン酸ナトリウムを添加した後、3.4gの過酸化水素(30g)を、60〜70℃で30分以上にわたり添加する。60〜70℃で約1時間撹拌した後、対応のメチルスルホニルへの酸化を完結させる。この反応混合物を0℃に冷却し、約15gの水と混合し、そして沈殿した生成物を濾過により単離する。所望の標的化合物を、80〜90%の収率で純粋な形態で得る。
【0060】
実施例P3:4,6−ジクロロ−2−メチルチオバルビツール酸の製造
撹拌オートクレーブ内で、2.5gの4,6−ジクロロ−2−ピリミジン−ジスルフィドと50mlのメタノールの溶液を、1.86gの2,6−ルチジン(2,6−lutidine)と2.2gのジメチルスルフェートと混合する。その後、0.25gのスルフィド化Pd−炭素触媒(Engelhard)を添加し、そして水添を22℃、及び20バールの水素圧で9時間行う。冷却し、そして窒素ガスで上記撹拌オートクレーブを不活性にした後、上記触媒を濾別し、そしてメタノールで洗浄する。カラム・クロマトグラフィーに調製した後、1.08gの所望の標題化合物を、理論値の82%の収率で得る。 1H−NMR(CDCl3 ,400MHz):7.08ppm (s,1H)。
Claims (14)
- ホウ化水素、ジボラン、水素化アルカリ金属アルミニウム又は水素が、水素化分解のための水素化分解剤として使用される、請求項1に記載の方法。
- ホウ化水素アルカリ金属、ジボラン、水素化リチウムアルミニウム又は水素が、貴金属触媒の存在下での水素化分解剤として使用される、請求項2に記載の方法。
- ホウ化水素アルカリ金属又は水素が、貴金属触媒の存在下で使用される、請求項3に記載の方法。
- ホウ化水素ナトリウム又は水素が、パラジウム又は白金の存在下で使用される、請求項4に記載の方法。
- 前記水素化分解剤が、式(II)の化合物に基づき、等モル量又は5〜15モル%の僅かに過剰な量で使用される、請求項1に記載の方法。
- 変法a)又はb)に従う水素化分解が、0〜60℃の反応温度で行われる、請求項1に記載の方法。
- 変法a)又はb)に従う水素化分解が、ケトン、アミド、ニトリル、脂肪族炭化水素、エーテル、アルコール、アルコール−水混合物、又は上記溶媒の混合物の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
- アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール又はメタノール−水混合物が前記溶媒として使用される、請求項8に記載の方法。
- アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、ジオキサン又はテトラヒドロフランが使用される、請求項9に記載の方法。
- 変法a)又はb)に従う水素化分解が、連続的に、すなわち、“1反応器反応(one-pot reaction)”として行われる、請求項1に記載の方法。
- 乾燥メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中の式(II)の化合物を、15〜35℃で、ホウ化水素ナトリウムと混合し、その後0.5〜3時間撹拌し、そしてその後、同一反応温度で、メタノール中僅かに過剰のナトリウム・メチレートを添加し、そしてこの反応混合物を、撹拌しながら25〜50℃まで緩やかに加熱する、請求項1に記載の方法。
- 4,6−ジメトキシ−2−ピリミジン・ナトリウム・メルカプチド、及び4,6−ジメトキシ−2−メチルメルカプト−ピリミジンの製造のための、請求項1に記載の方法。
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