JP3602175B2 - リムレスレンズ用穴開け装置とこれを用いた玉摺機とこの玉摺機に使用されるメガネ用形状測定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、リムレスレンズにレンズ止穴を開けるリムレスレンズ用穴開け装置と、これを用いた玉摺機と、この玉摺機に使用されるメガネ用形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リムレスレンズに開けられるレンズ止穴は、レンズ止穴が設けられた型板と、研削加工されたリムレスレンズとを重ね合わせてそのレンズ止穴に対応したリムレスレンズの屈折面の位置に印しを付け、この後、熟練した眼鏡技術者がリムレスレンズに印した位置をドリルで切削して、屈折面と直交する方向に開けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リムレスレンズの表面である屈折面は湾曲しているため、その屈折面と直交する方向を正確に見極めることが難しく、勘に頼って直交方向にレンズ止穴を開けていた。
【0004】
このため、屈折面に対して斜め方向にレンズ止穴が開いてしまうことが多く、このような場合には、レンズ止穴に取り付けるレンズ止め金具や、このレンズ止め金具と耳掛け(テンプル)とをつなぐ蝶番を調整してリムレスレンズがレンズ止め金具から外れないようにしているが、その調整作業が非常に厄介であるとう問題があった。
【0005】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、レンズ止穴を屈折面と直交する方向に正確に開けることのできる玉摺機と、この玉摺機に使用されるメガネ用形状測定装置とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、所定位置で高速回転されるレンズ加工用刃物と、
リムレスレンズをレンズ回転軸回りに回転可能に保持し、レンズ回転軸と前記レンズ加工用刃物との軸間距離を相対的に変化可能に移動し得るキャリッジと、このキャリッジに保持されたリムレスレンズの屈折面の傾斜角と形状を測定する傾斜角測定手段とを備えている玉摺機において、
前記キャリッジに保持されるリムレスレンズの周縁部の所定位置にレンズ止穴を開ける穴開け手段と、
前記穴開け手段による穴開け方向の角度を調整する角度調整手段とを備え、
この角度調整手段は、前記傾斜角測定手段が測定したリムレスレンズの屈折面の傾斜角に基づいて穴開け方向の角度を調整することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明では、デモ用レンズを保持するレンズ保持手段と、このレンズ保持手段に保持されるデモ用レンズの形状を測定する形状測定手段とを有するメガネ用形状測定装置を備え、
前記レンズ保持手段に保持されたデモ用レンズに開けられたレンズ止穴の位置を検出する位置検出手段を設け、
前記傾斜角測定手段が測定したリムレスレンズの形状に基づいて前記レンズ止穴の位置に対応したリムレスレンズの穴位置を求め、この求めた穴位置に前記穴開け手段によって穴を開けることを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1の発明によれば、玉摺機の傾斜角測定手段が測定するリムレスレンズの屈折面の傾斜角に基づいて穴開け手段が穴を開ける。
【0012】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1において、1は玉摺機の筺体状の本体、2は本体1の前側上部に設けられた傾斜面、3は傾斜面2の左側半分に設けられた液晶表示部、4は傾斜面2の右側に設けられたキーボード部、4a〜4c等はキーボード部4に設けられたスイッチである。
【0014】
また、本体1の中央及び左側部近傍の部分には凹部1a,1bが設けられていて、凹部1aには本体1に回転自在に保持された砥石(レンズ加工用刃物)5が配設されている。この砥石5は、粗砥石6とV溝砥石7を備え、図示しないで回転駆動されるようになっている。
【0015】
本体1内には、図示しない取付板部が設けられており、この取付板部の両側部には図2に示すように軸取付用のブラケット10,11が突設され、取付板部の中間部には軸支持突起12が突設されている。このブラケット10,11には軸支持突起12を貫通する支持軸14の両端部が固定されている。
【0016】
<キャリッジ>
本体1上にはキャリッジ15が配設されている。このキャリッジ15は、図2に示すように、キャリッジ本体15aと、このキャリッジ本体15aの両側に前方に向けて一体に設けられた互いに平行なアーム部15b,15cと、キャリッジ本体15aの両側に後方に向けて突設された突起15d,15eを有する。
【0017】
この突起15d,15eは、軸支持突起12を挟む位置に配設されていると共に、支持軸14の軸線回りに回動可能に且つ支持軸14の長手方向(左右)に移動自在に支持軸14に保持されている。これによりキャリッジ15の前端部が支持軸14を中心に上下回動できるようになっている。
【0018】
このキャリッジ15のアーム部15bにはレンズ回転軸16が回転自在に保持され、キャリッジ15のアーム部15cにはレンズ回転軸16と同軸上に配設されたレンズ回転軸17が回転自在に且つレンズ回転軸16に対して進退調整可能に保持されていて、このレンズ回転軸16,17の対向端間(一端部間)には被加工レンズLが挟持される様になっている。また、レンズ回転軸16の他端部には図示を省略した固定手段により円板Tが着脱可能に取り付けられている。この固定手段の構造は周知のものを用いている。
【0019】
このレンズ回転軸17はキャリッジ15内に設けられたパルスモータ137(図25参照)によって回転駆動され、レンズ回転軸16もレンズ回転軸17とともに回転するものである。
【0020】
支持軸14には、本体1の凹部1aに配設した支持アーム26の後部が左右動自在に保持されている。この支持アーム26は、キャリッジ15に対して相対回転自在に且つ左右方向には一体的に移動可能に保持されている。尚、支持アーム26の中間部は本体1に図示しない軸で左右動自在に保持されている。
【0021】
この支持アーム26とブラケット10との間には支持軸14に巻回したスプリング27が介装され、本体1とブラケット11との間にはスプリング28が介装されている。そして、キャリッジ15はスプリング27,28のバネ力がバランスする位置で停止し、この停止位置ではレンズ回転軸16,17間に保持された被加工レンズLが粗砥石6上に位置するようになっている。
【0022】
<穴開け装置>
本体1の凹部1bには、上下動可能な台座21が設けられており、この台座21にはリムレスレンズLのレンズ止穴LHを開ける穴開け装置50が設けられている。穴開け装置50のドリル51は進退可能となっており、穴開け装置50は垂直軸線50aの回りに回動可能であり、しかも、台座21に対して矢印A方向(前後方向)にも移動可能となっている。ドリル51はモータ52によって回転するものである。
【0023】
台座21の上下動はパルスモータ1101(図26参照)によって、穴開け装置50の回動やA方向の移動はパルスモータ1102,1103によって行うものである。そして、パルスモータ1102が穴開け方向の角度を調整する角度調整手段として機能する。
【0024】
<傾斜角測定装置>
キャリッジ本体15a内には、リムレスレンズの屈折面の傾斜角を測定する傾斜角測定装置(傾斜角測定手段)130が内蔵されている。
【0025】
傾斜角測定装置130は、図25に示すように、パルスモータ132と、このパルスモータ132の駆動によりリムレスレンズLに接近離反する支持台131と、支持台131上に配置されてリムレスレンズLの前側屈折面Lf及び後側屈折面Lbに当接させられるフィラー133,134と、フィラー133,134の移動量を検知可能に支持台131上に装着されたエンコーダ135,136と、演算装置105と、メモリ102,m1等とを有する。
【0026】
フィラー133,134は、キャリッジ本体15aの前面に設けた開口15Kから図1の鎖線で示すように進出して測定するものである。開口15Kは通常シャッタ15Sによって閉じられており、測定時にシャッタ15Sが右方向(図1において)にスライド移動して開口15Kが開くようになっている。
【0027】
リムレスレンズLを回転させるパルスモータ137には、メモリ102からの動径角度θiが入力される。そして、パルスモータ137は、この入力を基にレンズ回転軸16,17を回転制御して、動径角度θiだけレンズ回転軸16,17及びリムレスレンズLを回転させる。
【0028】
他方、パルスモータ132にはメモリ102から動径長ρiが入力される。そして、パルスモータ132は、この入力を基に支持台131を駆動して、フィラー133,134を動径長ρiの位置に位置づけするようになっている。
【0029】
エンコーダ135,136の検出量fZi,bZiは演算装置105に入力される。演算装置105は、動径角度θi,動径長ρi,検出量fZi,bZiからリムレスレンズLの前側屈折面Lf及び後側屈折面Lbの傾斜角や肉厚等を求め、これらからリムレスレンズLの形状を求める。演算装置105によって求められた傾斜角データや形状データはメモリm1に記憶される。
【0030】
<メガネ用形状測定装置>
また、玉摺機本体1内にはメガネ用形状測定装置60が内蔵されている。
【0031】
図20は、メガネ用形状測定装置60を示したものである。
【0032】
この形状測定装置60は、大きく3つの部分、すなわち、フレームを保持するフレーム保持装置100と、レンズを保持させるレンズ保持装置(レンズ保持手段)900と、このフレーム保持装置100又はレンズ保持装置900との一方を選択的に支持すると共に、この保持装置の測定面内への移送及びその測定面内での移動を司る支持装置部200Aと、メガネフレームのレンズ枠またはレンズの形状をディジタル計測する計測部300とから構成されている。尚、フレーム保持装置100には、特開昭61−274859号公報に開示されたものと同一構造のものを用いているので、この公報に記載された符号と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0033】
支持装置部200Aは本体としての筺体201を有する。筺体201は足部253,254を有し、この足部253,254は玉摺機本体1に取り付けられたレール251,252上に摺動可能に載置されている。
【0034】
また、玉摺機本体1のドア1Dにはレール255,256が設けられ、ドア1Dを開いたとき、レール251,252の延長線上に位置するように構成されている。この構成により作業者は必要に応じて筺体201をスライドさせてレンズ研削装置の筺体外へ引き出すことができる。
【0035】
筺体201は、また、筺体201上に縦方向(測定座標系のX軸方向)に平行に設置されたガイドレール202a,202bを有し、このガイドレール上にステージ203が摺動自在に載置されている。移動ステージ203の下面には雌ネジ204が形成されており、この雌ネジ204にはX軸用送りネジ205が螺合されている。このX軸用送りネジ205はパルスモータからなるX軸モータ206により回動される。
【0036】
移動ステージ203の両側フランジ207a,207b間には測定座標系のY軸方向と平行にガイド軸208が渡されており、このガイド軸208はフランジ207aに取り付けられたガイド軸モータ209により回転できるよう構成されている。ガイド軸208は、その軸と平行に外面に一条のガイド溝210が形成されている。ガイド軸208にはホルダー保持部としてのハンド211,212が摺動可能に支持されている。このハンド211,212の軸穴213,214にはそれぞれ突起部213a,214aが形成されており、この突起部213a,214aが前述のガイド軸208のガイド溝210内に係合され、ハンド211,212のガイド軸208の回りの回転を阻止している。
【0037】
ハンド211は互いに交わる二つの斜面215,216を持ち、他方ハンド211も同様に互いに交わる二つの斜面217,218を有している。ハンド212の両斜面217,218が作る稜線220はハンド211の斜面215,216の作る稜線219と平行で且つ同一平面内に位置するように、また、斜面217,218のなす角度と斜面215,216のなす角度は相等しいように構成されている。そして、両ハンド211,212の間には図21に示すようにバネ230が掛け渡されている。また、斜面215,217にはそれぞれ切欠部215a,217aが形成されている。
【0038】
ハンド212には、一端に接触輪242を有するアーム241が他端を中心に回動自在に取り付けられている。このアーム241はバネ243によりマイクロスイッチ244に常時は当接されている。これら接触輪242,アーム241,バネ243、マイクロスイッチ244はフレームの左右眼判定装置240を構成する。しかも、ハンド212には、レンズ保持装置900を検出するマイクロスイッチ等のセンサー245が取り付けられている。
【0039】
また、ハンド212には、エンコーダ700が取り付けられており、このエンコーダ700はハンド212がガイド208に沿って左右方向に所定距離移動する毎にパルスを発生する。このパルスはカウンタによってカウントされ、このカウントのカウント数によりハンド212の移動距離が求められるようになっている。
【0040】
ハンド212がモータ224のある最左方位置(初期位置)に移動したとき、マイクロスイッチ701がこれを検知してカウンタをリセットするようになっている。
【0041】
移動ステージ203の後側フランジ221の一端にはプーリー222が回転自在に軸支され、後側フランジ221の他端にはプーリー223を有するパルスモータから成るY軸モータ224が取り付けられている。プーリー223,224にはスプリング225を介在させたミニチアベルト226の両端はハンド211の上面に植設されたピン227に固着されている。他方、ハンド212の上面には、鍔228が形成されており、この鍔228はハンド212の移動により移動ステージ203の後側フランジ221に植設されたピン229の側面に当接するように構成されている。
【0042】
計測部(形状測定手段)300は、筺体201の下面に取り付けられたパルスモータから成るセンサーアーム回転モータ301と筺体201の上面に回動自在に軸支されたセンサーアーム部302から成る。モータ301の回転軸に取り付けられたプーリー303とセンサーアーム部の回転軸304との間にはベルト305が掛け渡されており、これによりモータ301の回転がセンサーアーム部302に伝達される。
【0043】
センサーアーム302はそのベース310の上方に渡された2本のレール311,311を有し、このレール311,311上にはセンサーヘッド部312のスライダ350がスライド自在に装着され、このセンサーヘッド部312のスライダ350の一側面には磁気スケール読み取りヘッド313が取り付けられている。この磁気スケール読み取りヘッド313によりベース310にレール311と平行に取り付けられた磁気スケール314を読み取り、センサーヘッド部312の移動量を検出するように構成されている。また、センサーヘッド部312のスライダ350他側には、このヘッド部312を常時アーム端側面(図20において左方)へ引っ張るバネ装置315の定トルクバネ316の一端が固着されている。この定トルクバネ316の付勢力によりスライダ350はバネ装置315側へ常時バネ付勢されている。
【0044】
上記センサーヘッド部312の磁気スケール読み取りヘッド313及び磁気スケール314は移動量測定手段を構成している。
【0045】
図23は、このバネ装置315の構成を示している。センサーアーム部302のベース310に取り付けられたケーシング317内には電磁マグネット318が設けられ、スライド軸319がマグネット318の軸穴内にその軸線方向に摺動可能に構成されている。このスライド軸319は、鍔320,321を有し、鍔320とケーシング317の壁間にはバネ323が介在し、バネ323によりスライド軸319は常時左方に移動させられている。
【0046】
スライド軸319の端部には、クラッチ板324,325が回動可能に軸支され、一方のクラッチ板324には定トルクバネ316の一端が固着されている。また、両クラッチ板324,325間にはスライド軸319を嵌挿されたバネ326が介在し、常時これらクラッチ板324,325の間隔を広げ、定トルクバネ316とクラッチ板325との接触を妨げている。さらに、スライド軸319の端部にはワッシャー327が取り付けられている。
【0047】
図22はセンサーヘッド部312の構成を示し、レール311に支持されたスライダー350の一端部には鉛直方向に軸穴351が形成されており、この軸穴351にセンサー軸352が挿入されている。センサー軸352と軸穴351との間にはセンサー軸352に保持されたボールベアリング353が介在し、これによりセンサー軸352の鉛直軸線回りの回動及び鉛直軸線方向の移動を滑らかにしている。
【0048】
また、センサー軸352の中央にはアーム355が取り付けられており、このアーム355の上部にはレンズ枠のヤゲン溝に当接させるソロバン玉状のヤゲンフィラー356がフレームフィラー(フレーム測定手段)として回動自在に軸支されている。そして、ヤゲンフィラー356の円周点は鉛直なセンサー軸352の中心線上に位置するように構成されている。
【0049】
また、スライダー350の他端部には一対の筒状軸360,361が植立固定され、この筒状軸360,361上にはレンズ測定部材362が配設されている。
【0050】
このレンズ測定部材362は、ベース363と、ベース363の下面に突設され且つ筒状軸360,361に着脱自在に嵌合された取付軸364,365(図6A参照)と、ベース362上の中央に突設されたフィラー366を有する。このフィラー366は、上段に所定の曲率半径の接触面を持つレンズフィラー366aと、下段に平面状の接触面を持つレンズフィラー366bとを有している。フィラー366は、図6Bおよび図6Cに示すように、傾倒可能になっている。
【0051】
また、筺体201にはデモ用リムレスレンズLD(図24参照)に設けられたレンズ止穴LDHの位置を検出するためのエリアセンサ(位置検出手段)1001が設けられている。このエリアセンサ1001はCCDからなり、X方向にのびたライン状に形成されている。このエリアセンサ1001に対向した上方位置にはX方向に延びたブラケット1002が設けられており、ブラケット1002にはX方向に沿って複数のLED1003が配設されている。なお、ブラケット1002は支柱1004によって保持されている。
【0052】
この複数のLED1003は、図24に示すように、エリアセンサ1001に向けて平行光束を照射するものである。
【0053】
LED1003とエリアセンサ1001との間にデモ用リムレスレンズLDが配置されると、エリアセンサ1001の受光量は、デモ用リムレスレンズLDの端部LTとレンズ止穴LDHの周辺で受光量が減少する。このことからエリアセンサ1001の各受光素子の受光量からレンズ止穴LDHの位置を求めることができる。
【0054】
なお、受光量が少ないときには、レンズ止穴LDHの周辺を塗料などでペイントしてもよい。塗料の色は例えば赤,だいだい,黄,緑,青,黒,灰色等である。
【0055】
そして、メガネ用形状測定装置60がレンズ止穴の位置を入力する穴位置入力手段として機能する。
【0056】
図26に示す制御装置1100は、デモ用リムレスレンズLDを水平状態に保持させたときのエリアセンサ1001の各受光素子の受光量と、計測部300で測定したデモ用リムレスレンズLDの形状とからレンズ止穴LDHの長径および短径の大きさを求め、デモ用リムレスレンズLDの屈折面、特に前側屈折面の傾斜角度αを算出し、この傾斜角度αを基にして、ハンド211,212を回動させてデモ用リムレスレンズLDの屈折面の傾斜調整を行い、レンズ止穴LDHをほぼ垂直状態にしたときのレンズ止穴LDHの位置を極座標として求め、この求めたレンズ止穴LDHの位置に対応したリムレスレンズL(図2参照)の穴位置Pを求める。さらに、制御装置1100は上記穴位置Pに対応したリムレスレンズLの屈折面Lfの傾斜角βと直交する方向にレンズ止穴LDを開けさせる。
【0057】
制御装置1100による上記制御は、リムレスレンズLの前側屈折面Lfの傾斜角βとデモ用リムレスレンズLDの前側屈折面の傾斜角αとが一致する場合であるが、一致しない場合は、レンズ止穴LDHをほぼ垂直状態にしたときのレンズ止穴LDHの位置を極座標として求め、この求めたレンズ止穴LDHの位置に対応したリムレスレンズLの穴位置P´を求め、さらに、傾斜角差Δ=β−αを求める。そして、デモ用リムレスレンズLDを水平面Hに対して角度α+Δだけ傾斜させたときの、デモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置を求める。この位置に対応したリムレスレンズLの穴位置Pを求め、穴位置Pにおける屈折面Lfの傾斜角度βと、この傾斜角度βと直交する角度を求めて、穴位置Pに傾斜角βと直交する方向にレンズ止穴LHを開けさせる。
【0058】
また、上記実施例では、玉摺機本体1内にメガネ用形状測定装置60を内蔵しているが、これに限定されず、玉摺機本体1から独立させてもよい。この場合、デモ用リムレスレンズLDや型板Tの形状データや、デモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの穴位置P等の情報を電話回線等の通信装置を用いて玉摺機本体1へ送信してもよい。
【0059】
<レンズ保持装置>
レンズ保持装置900は、図5,図7〜図11に示したように、側部にフランジ901,901が設けられた筺体状のホルダ本体902を有する。
【0060】
ホルダー本体902には4つの穴902A〜902Dが形成されている。穴902Aと902Bとの間には、図8,図12,図13に示した如く吸着盤保持部910が設けられている。この吸着盤保持部910は、ホルダ本体902に一体に形成された治具嵌合用筒部911と、この治具嵌合用筒部911に形成された切欠912,912と、切欠912,912に配設され且つホルダー本体902に一体に設けられた係止爪913,913と、治具嵌合用筒部911内の上部付近に設けられたホルダー本体902と一体の位置決台914と、この位置決台914に設けられた位置決用の突条915を有する。
【0061】
また、吸着盤保持部910には、図14に示した型板保持具920又は第10図に示したレンズ保持具930が選択的に保持される。そして、吸着盤保持部910とレンズ保持具930とでレンズ保持部が構成される。
【0062】
図14に示した型板保持具920は、軸部921と、軸部921の一端に設けられた位置決溝922と、軸部921の他端に設けられたフランジ923と、フランジ923に近接して軸部921の中間部に設けられた環状係止溝924を有する。フランジ923上には、軸部921と同軸の雌ネジ筒925が一体に形成されていると共に、この雌ネジ筒925を挟む位置に配置された位置決ピン926,926が一体に形成されている。また、雌ネジ筒925には固定ネジ927が螺合されるようになっている。
【0063】
この型板保持具920に取り付ける型板Tには、雌ネジ筒925及び位置決ピン926,926に係合する中心孔928及びピン孔929,929が形成されている。そして、型板Tの中心孔928及びピン孔929,929を型板保持具920の雌ネジ筒925及び位置決ピン926,926に挿入して、固定ネジ927を雌ネジ筒925螺合することにより、型板Tは固定ネジ927により片板保持具920に固定される。
【0064】
図15に示したレンズ保持具930は、軸部931と、軸部931の一端に設けられた位置決溝932と、軸部931の他端に設けられたフランジ933と、フランジ933に近接して軸部931の中間部に設けられた環状係止溝Kを有する。
【0065】
そして、フランジ933上には、両面粘着テープ934を介して片眼レンズLが固着されるようになっている。
【0066】
また、ホルダー本体902の穴902Cと902Dとの間には、吸着保持部910aを左右方向にスライド可能に保持している保持部960が設けられている。吸着保持部910aは上記と同様にレンズ保持具930が取り付けられる。
【0067】
吸着保持部910a近傍には、図9に示すように、レンズ保持具930に載置されるレンズを押さえる板押え部970が設けられている。板押え部970は弾性を有する押え部970aを有している。
【0068】
図9に示す980はリムレスフレームFの鼻当Fhを当接させてリムレスフレームFの位置決めを行う円柱状の支持部である。この支持部980は下側に行くにしたがって小径となっている。
【0069】
支持部980は、図11,図16および図17に示すように、スリットG1に沿って摺動可能な基部981に取り付けられており、スプリングS1によって矢印方向に付勢されている。支持部980をスリットG1の端部Gaより少し手前の位置(図11に示す支持部980の位置より右側の位置)からリムレスフレームFの鼻当Fhの間に入れて、スプリングS1の付勢力によって支持部980をスリットG1の端部Gaまで移動させることによりリムレスフレームFの中心位置を予め設定した位置に位置させるものである。
【0070】
尚、上述以外の構成は、特開昭61−274859号公報に開示されたものを採用している。
【0071】
次に、この様な構成のレンズレンズの形状計測装置の作用を説明する。
【0072】
(1)メガネフレームのレンズ枠形状測定
レンズ枠(レンズフレーム)501の形状を測定する場合には、メガネフレームにおける左右の測定したい側のレンズ枠たとえばレンズ枠501をフレーム保持装置100のスライダ156,156間に保持させる。
【0073】
一方、レンズ研削装置(図示せず)の筺体内から筺体201を引き出して、この筺体201側のハンド211,212を斜め上方に傾斜させ、レンズ測定部材362を図19の如くスライダー350から取り外すと共に、このハンド211,212をバネ230のバネ力に抗して開き、メガネフレームが保持されたフレーム保持装置100をハンド211,212間に配設して、フレーム保持装置100をバネ230のバネ力でハンド211,212間に挟持させる。
【0074】
この状態ではセンサー245はONさせられないので、図示しないCPU(演算制御回路)は、ハンド211,212間にレンズ保持装置900が装着されておらずフレーム保持装置100が保持されていることを検知する。
【0075】
この後、スライダー350を定トルクバネ316のバネ力に抗してレール311の中央側に移動させると共に、ハンド211,212を下方に水平になるまで回動させた後、ヤゲンフィラー356を定トルクバネ316のバネ力でレンズ枠501のヤゲン溝501aに図19,図21の如く当接させる。この状態で、モータ301を作動させて回転軸304を回転させることにより、ベース310を一回転させ。このときのヤゲンフィラー356の移動量を磁気スケール読み取りヘッド313により検出する。この際、ヤゲンフィラー356移動量をベース310の回動角に対応させて記録して、レンズ枠501の形状をCPU等により演算して求める。この様な演算のための回路構成及び演算方法等は特開昭61−274859号公報に開示されたものを採用する。
【0076】
(2)型板の形状測定
一方、型板Tの形状を測定する場合には、型板Tを型板保持具920に上述したようにして取り付けて、この型板保持具920の軸部931を吸着盤保持部910の治具嵌合筒部911に嵌合する。この際、型板保持具920の位置決溝922を治具嵌合筒部911内の突条914に係合させると、係止爪913,913が型板保持具920の係止溝924に係合して、レンズ保持具930を吸着盤保持部910に保持させることができる。
【0077】
一方、玉摺機本体1内から筺体201を引き出して、この筺体201側のハンド211,212を斜め上方に傾斜させると共に、このハンド211,212の間隔をバネ230のバネ力に抗して開き、このハンド211,212間に型板Tが保持されたレンズ保持装置900を配設して、レンズ保持装置900をバネ230のバネ力でハンド211,212間に挟持させる。
【0078】
この状態ではセンサー245がレンズ保持装置900のホルダー本体902によりONさせられ、このON信号は図示しないCPU(演算制御回路)に入力される。このCPUは、ハンド211,212間にレンズ保持装置900が装着されていることをセンサー245のON信号から判断する。
【0079】
この後、スライダー350を定トルクバネ316のバネ力に抗してレール311の中央側に移動させると共に、ハンド211,212を下方に水平になるまで回動させた後、レンズフィラー366を定トルクバネ316のバネ力で型板Tの周面に図5,図18の如く当接させる。この状態で、モータ301を作動させる回転軸304を回転させることにより、ベース310を一回転させて、このときのレンズフィラー366の移動量を磁気スケール読み取りヘッド313により検出する。この際、レンズフィラー366の移動量をベース310の回動角に対応させて記録して、型板Tの形状をCPU等により演算して求める。この様な演算のための回路構成及び演算方法等は、特開昭61−267732号公報(特願昭60−287491号)に開示されたものを採用する。
【0080】
リムレスフレームメガネのレンズの形状を測定する場合には、図15に示したようなレンズ保持具930を用いて、このレンズ保持具930を吸着盤保持部910に嵌着し、上述した型板Tと同様な測定を行わせる。
【0081】
次に、リムレスレンズLを加工する場合について説明する。
【0082】
先ず、リムレスレンズLを図1および図2に示すように、レンズ回転軸16,17間に挟持させるとともに、デモ用リムレスレンズLDを、図10に示すように、レンズ保持装置900のホルダー本体902のレンズ保持具930に取り付ける。そして、ハンド211,212を所定位置に移動させて、図24に示すようにレンズ止穴LDHをエリアセンサ1001上に位置させる。
【0083】
この際、デモ用リムレスレンズLDがハンド211,212に水平に保持されているときは、図27(A)に示すように、屈折面LDfの傾斜によりレンズ止穴LDHの形状は楕円に投影されるため、レンズ止穴LDHの投影像LTの長径R1,短径R2を測定することによりデモ用リムレスレンズLDの屈折面、特に前側屈折面LDfの傾斜角αを求めることができる。なお、図27(B)には、屈折面LDfを水平に保持した場合のレンズ止穴LDHの投影像LT´の形状を示す。
【0084】
すなわち、レンズ止穴LDHの直径(長径)R1は、屈折面LDfが水平面に対して傾斜角αで傾斜していることにより水平面に短径R2として投影され、図27(C)の関係が成り立つ。これを三角関数を用いて示せば、
R1・cosα=R2となり、
α=cos−1(R2/R1)
となる。この式からデモ用リムレスレンズLDの屈折面LDfの傾斜角αを算出することができる。
【0085】
ここで求めた傾斜角αを基にしてハンド211,212を上下方向に旋回回動させて傾斜調整を行い、デモ用リムレスレンズLDの屈折面LDfをほぼ水平に保ち、レンズ止穴LDHの向きをほぼ垂直状態にさせる。すなわち、図24に示すように、デモ用リムレスレンズLDを水平Hに対して角度α傾斜させる。
【0086】
デモ用リムレスレンズLDの屈折面LDfの傾斜角αは5°〜15°程度であるので、例えば、傾斜角10°の屈折面LDfを有するデモ用リムレスレンズLDHでは、ハンド211,212によりデモ用リムレスレンズLDを10°に傾斜させ、屈折面LDfをほぼ水平にしてレンズ止穴LDHの向きをほぼ垂直状態にさせる。
【0087】
次に、デモ用リムレスレンズLDの形状を型板Tと同様にして測定するとともに、LED1003を発光させてエリアセンサ1001の各受光素子の受光量からレンズ止穴LDHの位置を求める。レンズ止穴LDHの位置は、デモ用リムレスレンズLDの形状データを基にして極座標で求める。
【0088】
一方、玉摺機本体1では、上記型板Tの形状データに基づいてリムレスレンズLを砥石5によって研削加工する。この研削加工が終了した後、傾斜角測定装置130は、フィラー133,134をキャリッジ本体15aの開口15Kから図1の鎖線で示すように進出させて、リムレスレンズLの前側屈折面Lf及び後側屈折面Lbの傾斜角や肉厚等を求めてリムレスレンズLの形状を求める。
【0089】
リムレスレンズLの屈折面、特に前側屈折面Lfの傾斜角βとデモ用リムレスレンズLDの屈折面、特に前側屈折面の傾斜角αとが一致する場合、制御装置1100は、傾斜角測定装置130が求めたリムレスレンズLの形状を基にしてデモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置に対応したリムレスレンズLの穴位置Pを求める。また、制御装置1100は、穴位置Pにおける屈折面Lfの傾斜角度β(=α)と、この傾斜角度β(=α)と直交する角度を求め、さらに、パルスモータ1101〜1103を制御して穴開け装置50のドリル51の先端部がリムレスレンズLの穴位置Pに当接するように且つドリル51の向きを傾斜角度αと直交する方向にする。
【0090】
そして、制御装置1100は、ドリルモータ52を駆動させてドリル51を回転させるとともに、図示しないモータを駆動させてドリル51を前進させ、リムレスレンズLの位置Pを切削して屈折面Lfと直交する方向にレンズ止穴LHを開けさせる。
【0091】
ところで、リムレスレンズLの屈折面Lfの傾斜角βとデモ用リムレスレンズLDの前側屈折面の傾斜角αとが一致しない場合が多い。このような場合、デモ用リムレスレンズLDの前側屈折面LDfに垂直に開けられたレンズ止穴LDHの位置からリムレスレンズLのレンズ止穴の位置Pを正確に求めることができない。
【0092】
そこで、制御装置1100は、上記と同様にしてデモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置を求め、この位置からリムレスレンズLの位置Pを求める。この求めた位置PをP´とし、この位置P´におけるリムレスレンズLの屈折面Lfの傾斜角βを求め、さらに、傾斜角差Δ=β−αを求める。そして、デモ用リムレスレンズLDを保持するハンド211,212の前記の傾斜調整に加えて前記傾斜角差Δだけハンド211,212を旋回回動させて、デモ用リムレスレンズLDの傾斜を微調整する。すなわち、デモ用リムレスレンズLDを水平面Hに対して角度α+Δだけ傾斜させる。
さらに、制御装置1100は、微調整された傾斜角α+Δで保持されたデモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置PD(図示せず)を求める。このレンズ止穴LDHの位置PDは、上記と同様にデモ用リムレスレンズLDの形状データを基にして極座標で求める。
【0093】
次いで、制御装置1100は、傾斜角測定装置130が求めたリムレスレンズLの形状を基にして、レンズ止穴LDHの位置PDに対応したリムレスレンズLの穴位置Pを極座標で求める。また、制御装置100は穴位置Pにおける屈折面Lfの傾斜角度βと、この傾斜角度βと直交する角度を求め、さらに、パルスモータ1101〜1103を制御して穴開け装置50のドリル51の先端部がリムレスレンズLの穴位置Pに当接するように且つドリル51の向きを傾斜角βと直交する方向にする。
【0094】
そして、制御装置1100は、ドリルモータ52を駆動させてドリル51を回転させるとともに、図示しないモータを駆動させてドリル51を前進させ、リムレスレンズLの位置Pを切削して屈折面Lfと直交する方向にレンズ止穴LHを開けさせる。
【0095】
次に、他方のレンズ止穴LDH´の位置を測定するには、上記と同様にハンド211,212を移動させてレンズ止穴LDH´をエリアセンサ1001上に位置させて行う。
【0096】
デモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDH,LDH´は2つあるので左右のレンズを合わせて穴の位置測定は4回行うが、左右のレンズの形状は左右対象なので、例えば左用のデモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDH,LDH´の2つを測定して、そのデータを反転させて右用のデータとして使用してもよい。
【0097】
ところで、制御装置1100は、レンズ止穴LDHの位置に対応したリムレスレンズLの穴位置Pを求め、この穴位置PにおけるリムレスレンズLの屈折面Lfの傾斜角度αと、この傾斜角度αと直交する角度を求め、パルスモータ1101〜1103を制御してドリル51の向きを傾斜角度αと直交する方向にするので、レンズ止穴LHを屈折面Lfと直交する方向に正確に開けることができることとなる。
【0098】
このため、従来のように、熟練した眼鏡技術者が勘に頼ってリムレスレンズLの屈折面Lfと直交方向にレンズ止穴LHを開ける必要がなくなり、レンズ止穴LHに取り付けるレンズ止め金具の取付け作業の効率化を図ることができる。
【0099】
また、デモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置を求めるためのエリアセンサ1001をメガネ用形状測定装置60の筺体201に設けたものであるから、レンズ止穴LDHの位置を求める装置を玉摺機本体1とは別個に設ける必要がなく、しかも、レンズ止穴LDHの位置を求めるために形状測定部300を利用しているので、レンズ止穴LDHの位置を極座標として正確に求めることができ、また、装置が大型化してしまうことを防止することができる。
【0100】
次に、リムレスフレームのレンズ幾何学中心間距離やレンズ形状を測定する場合について説明する。
【0101】
先ず、リムレスフレームFの片眼レンズLを取り外し、吸着盤保持部910に嵌着したレンズ保持具930にその片眼レンズLを取り付ける。他方、片眼レンズを取り外したリムレスフレームFを図16,図17に示すようにセットする。
【0102】
そして、このホルダー901をアーム211,212間に装着し、図3a,図4aに示すように、レンズLの周端にレンズフィラー366aを当接させて上記と同様にしてレンズ形状を測定する。この測定データから片眼レンズLの巾Haが分かる。
【0103】
次に、アーム211,212を上昇させて斜め上方に傾斜させるとともに初期位置に移動させ、カウンタ(図示せず)をリセットさせる。そして、このアーム211,212を右方向へ移動させていき、中央位置で停止させる。中央位置は前記カウンタのカウント数から求める。他方、スライダ350は定トルクバネ316により初期位置に移動し、図4cに示すように、レンズフィラー366bとレンズLの周端とが離間した状態にある(予めこの状態となるように各寸法が設定されている)。
【0104】
この状態で、アーム211,212を下降させて水平状態に位置させる。そして、アーム211,212をさらに右方向へ移動させていき、レンズLの端部がレンズフィラー366bに当接するまでの距離を前記カウンタで測定する。このカウンタのカウント値による距離をH1とする。
【0105】
ところで、アーム212の初期位置から支持部材980までの距離は、カウンタのカウント数によって決定され、また、回転軸304の位置は固定されているので、支持部材980から初期位置にあるレンズフィラー366bの接触面までの距離H2は既知となる。
【0106】
したがって、リムレスフレームFの1/2の巾Hbを求めることができる。すなわち、H1−H2=Hbで求まる。これらデータからレンズ幾何学中心間距離FPDを次式から求める。
【0107】
FPD=2×(Hb−Ha/2)
このように、レンズ保持装置900に片眼レンズLとリムレスフレームFをセットすれば、リムレスフレームFのレンズ幾何学中心間距離FPDを求めることができるので、従来のように、レンズLとリムレスフレームFを交換してレンズ保持装置900にセットをし直すとともに、この保持装置900をアーム211,212から取り出して再度アーム211,212に装着し直す必要がない。このため、その装着操作は至って簡単なものとなる。
【0108】
上記実施例では、デモ用リムレスレンズLDのレンズ止穴LDHの位置をエリアセンサ1001の各受光素子の受光量から求めているが、このレンズ止穴LDHの位置は予め分かっているので、この位置データを入力装置(図示せず)によって入力するようにしてもよい。
【0109】
【効果】
請求項1の発明によれば、玉摺機とは別個にリムレスレンズに穴を開ける専用の穴開装置を用意する必要がなく、しかも、玉摺機の傾斜角測定手段が測定するリムレスレンズの屈折面の傾斜角に基づいて穴開け手段が穴を開けるものであるから、その穴開用のための傾斜角測定装置を新たに設ける必要がなく、このため、玉摺機が大型化してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】玉摺機の外観を示した斜視図である。
【図2】キャリッジの概略構成を示した平面図である。
【図3】(a)はこの発明に係るレンズの形状計測装置の要部斜視図である。
(b)はリムレスフレームを測定する場合を説明した斜視図である。
【図4】(a)はレンズ保持装置にレンズとリムレスフレームを取り付けてレンズ形状を測定する状態を示した説明図である。
(b)はレンズ巾を示した説明図である。
(c)はレンズ保持装置にレンズとリムレスフレームを取り付けてフレーム巾を測定する状態を示した説明図である。
( d ) はリムレスフレームの1 / 2の幅を示した説明図である。
【図5】Aは型板を測定する場合のレンズ保持装置と形状計測装置との関係を示す説明図である。Bはフレーム巾を測定する場合のレンズ保持装置と形状計測装置との関係を示す説明図である。
【図6】Aはレンズフィラーの取付構造を示す部分断面図である。
Bはレンズフィラーを示した側面図である。
Cはレンズフィラーの傾倒を示した側面図である。
【図7】レンズ保持装置の斜視図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】レンズ保持装置にレンズとリムレスフレームを取り付けた状態を示した斜視図である。
【図10】図7に示したレンズ保持装置の裏側からみた説明図である。
【図11】図9のレンズ保持装置に設けた支持部の説明図である。
【図12】図8に示した吸着盤保持部とレンズ保持具との間系を示す説明図である。
【図13】図12に示した吸着盤保持部の斜視図である。
【図14】型板と型板保持具との関係を示す分解斜視図である。
【図15】レンズとレンズ保持具との関係を示す分解斜視図である。
【図16】リムレスフレームのレンズをレンズ保持具に取り付けた状態を示した説明図である。
【図17】リムレスフレームのレンズをレンズ保持具に取り付けた状態を示した側面図である。
【図18】レンズとレンズフィラーとの関係を示す説明図である。
【図19】レンズ枠のヤゲンフィラーによる測定状態を示す説明図である。
【図20】上述した構成を有する計測装置の斜視図である。
【図21】図20に示したヤゲンフィラーによる測定状態を示す説明図である。
【図22】図20に示したヤゲンフィラーの部分の拡大説明図である。
【図23】図20に示した定トルクバネの部分の拡大断面図である。
【図24】エリアセンサとエリアセンサの出力との関係を示した説明図である。
【図25】図1の玉摺機に設けた傾斜角測定装置の構成を示した説明図である。
【図26】図1の玉摺機に設けた制御系の構成を示したブロック図である。
【図27】(A)屈折面が傾斜している場合のレンズ止穴の投影像を示した説明図である。 (B)屈折面を水平に保持した場合のレンズ止穴の投影像を示した説明図である。
(C)投影像の長径と短径の関係を示した説明図である。
【符号の説明】
5 砥石
15 キャリッジ
50 穴開け装置(穴開け手段)
100 傾斜角測定装置(傾斜角測定手段)
300 計測部(形状測定手段)
900 レンズ保持装置(レンズ保持手段)
1001 エリアセンサ(位置検出手段)
1100 制御装置(切削制御手段)
Claims (2)
- 所定位置で高速回転されるレンズ加工用刃物と、
リムレスレンズをレンズ回転軸回りに回転可能に保持し、レンズ回転軸と前記レンズ加工用刃物との軸間距離を相対的に変化可能に移動し得るキャリッジと、このキャリッジに保持されたリムレスレンズの屈折面の傾斜角と形状を測定する傾斜角測定手段とを備えている玉摺機において、
前記キャリッジに保持されるリムレスレンズの周縁部の所定位置にレンズ止穴を開ける穴開け手段と、
前記穴開け手段による穴開け方向の角度を調整する角度調整手段とを備え、
この角度調整手段は、前記傾斜角測定手段が測定したリムレスレンズの屈折面の傾斜角に基づいて穴開け方向の角度を調整することを特徴とする玉摺機。 - デモ用レンズを保持するレンズ保持手段と、このレンズ保持手段に保持されるデモ用レンズの形状を測定する形状測定手段とを有するメガネ用形状測定装置を備え、
前記レンズ保持手段に保持されたデモ用レンズに開けられたレンズ止穴の位置を検出する位置検出手段を設け、
前記傾斜角測定手段が測定したリムレスレンズの形状に基づいて前記レンズ止穴の位置に対応したリムレスレンズの穴位置を求め、この求めた穴位置に前記穴開け手段によって穴を開けることを特徴とする請求項1に記載の玉摺機。
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