JP3599316B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、面放電方式交流型のプラズマディスプレイパネルに関し、特に、このプラズマディスプレイパネルの放電空間を区画する隔壁の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型で且つ薄型のカラー画面表示装置として面放電方式交流型プラズマディスプレイパネルが注目を集めており、その普及が図られて来ている。
【0003】
図22は、この面放電方式交流型プラズマディスプレイパネルの従来のセル構造を模式的に示す平面図であり、図23は、図22のV−V線における断面図、図24は、図22のW−W線における断面図である。
【0004】
この図22ないし24において、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP)の表示面となる前面ガラス基板1側には、その裏面に、複数の行電極対(X’,Y’)と、この行電極対(X’,Y’)を被覆する誘電体層2と、この誘電体層2の裏面を被覆するMgOからなる保護層3が順に設けられている。
【0005】
各行電極X’,Y’は、それぞれ、幅の広いITO等の透明導電膜からなる透明電極Xa’,Ya’と、その導電性を補う幅の狭い金属膜からなるバス電極Xb’,Yb’とから構成されている。
【0006】
そして、行電極X’とY’とが放電ギャップg’を挟んで対向するように列方向に交互に配置されており、各行電極対(X’,Y’)によって、マトリクス表示の1表示ライン(行)Lが構成される。
【0007】
一方、希ガスが封入された放電空間S’を介して前面ガラス基板1に対向する背面ガラス基板4には、行電極対X’,Y’と直交する方向に延びるように配列された複数の列電極D’と、この列電極D’間にそれぞれ平行に延びるように形成された帯状の隔壁5と、この隔壁5の側面と列電極D’を被覆するそれぞれR,G,Bに色分けされた蛍光体層6とが設けられている。
【0008】
そして、各表示ラインLにおいて、列電極D’と行電極対(X’,Y’)が交差し、隔壁5によって放電空間S’が区画されることにより形成された単位発光領域に、放電セルC’がそれぞれ画定されている。
【0009】
上記の面放電方式交流型PDPにおける画像の表示は、以下のようにして行われる。
すなわち、先ず、アドレス操作により、各放電セルC’において行電極対(X’,Y’)と列電極D’との間で選択的に放電が行われ、点灯セル(誘電体層2に壁電荷が形成された放電セルC’)と消灯セル(誘電体層2に壁電荷が形成されなかった放電セルC’)とが、表示する画像に対応してパネル上に分布される。
【0010】
このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X’,Y’)に対して交互に放電維持パルスが印加され、この放電維持パルスが印加される毎に、点灯セルにおいて面放電が発生される。
【0011】
以上のようにして、点灯セルにおける面放電により紫外線が発生され、放電空間S’内のR,G,Bの蛍光体層6がそれぞれ励起されて発光することにより、表示する画面が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような面放電方式交流型PDPにおいては、図24に示されるように蛍光体層6を帯状の隔壁5の側面にも形成して、放電セルC’内の発光面積を増大させることにより、表示画面の輝度の増加を図っている。
【0013】
しかしながら、上述した従来のPDPの構造では、各放電セルC’のサイズを小さくして画面の精細度を上げようとすると、それに伴って、蛍光体層6の表面積が減少し、輝度が低下してしまうという問題が生じる。
【0014】
さらに、この画面の高精細化に対応するために、行電極対(X’,Y’)のピッチを狭めてゆくと、上下方向に隣接する放電セルC’に放電の干渉が生じ、誤放電が発生し易くなるという問題が生じる。
【0015】
そこで、本発明の出願人は、先に、図25〜29に示されるような新規な面放電方式交流型PDPの提案を行っている。
このPDPは、図25ないし29において、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図25の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0016】
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0017】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0018】
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図25の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0019】
バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、この誘電体層11の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の隣り合うバス電極XbおよびYbと対向する位置及び隣り合うバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域と対向する位置に、誘電体層11の背面側に突出する嵩上げ誘電体層11Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0020】
そして、この誘電体層11と嵩上げ誘電体層11Aの背面側には、MgOからなる保護層12が形成されている。
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0021】
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に、隔壁15が形成されている。この隔壁15は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁15aと、嵩上げ誘電体層11Aに対向する位置において行方向に延びる横壁15bとによって井桁状に形成されている。
【0022】
そして、この井桁状の隔壁15によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
【0023】
この隔壁15は、その表示面側に形成されたが黒色層(光吸収層)15’と背面側の白色層(光反射層)15”の二層構造に形成されており、放電空間Sに面する側壁面がほぼ白色(すなわち、光反射層)になるように構成されている。
【0024】
隔壁15の縦壁15aの表示側の面は保護層12に当接されておらず(図28参照)、その間に隙間rが形成されているが、横壁15bの表示側の面が、保護層12の嵩上げ誘電体層11Aを被覆している部分に当接されていて(図26および27参照)、列方向において隣接する放電空間Sとの間がそれぞれ遮蔽されている。
【0025】
放電空間Sに面する隔壁15の縦壁15aおよび横壁15bの側面と誘電体層14の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層16が、それぞれ順に形成されている。
この蛍光体層16の色は、各放電空間S毎にR,G,Bの色が行方向に順に並ぶように設定される。
そして、放電空間S内には、希ガスが封入されている。
【0026】
このPDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、井桁状の隔壁15によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
このPDPにおける画像表示は、図22〜24のPDPと同様に、先ず、アドレス操作による行電極対(X,Y)と列電極Dとの間の選択的な放電によって、全表示ラインLに点灯セルと消灯セルとが、表示する画像に対応してパネル上に分布され、この後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X,Y)に対して交互に放電維持パルスが印加されて、各点灯セルにおいて面放電が発生される。
【0027】
そして、この点灯セルにおける面放電により紫外線が発生され、放電空間S内のR,G,Bの各蛍光体層16がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
【0028】
上記PDPは、各放電セルCにおいて、蛍光体層16が、放電空間Sに面する隔壁15の四面の側壁と列電極Dを被覆する誘電体層14の表示側の面の五面に形成されていることにより、蛍光体層16の表面積すなわち発光面積が図22〜24のPDPと比較して拡大されているので、放電セルCの一個当たりの輝度がそれぞれ増大されて、表示画面の輝度を向上させることが出来る一方、画面の精細度を上げるために各放電セルCのサイズを小さくしても、表示画面の輝度が従来のものと比べて低下してしまうことがないという特徴を備えている。
【0029】
さらに、行電極X,Yの透明電極Xa,Yaが、バス電極Xb,Ybから互いに対となる相手の行電極側に延びて、それぞれ放電セルC毎に島状に独立するように構成されているために、画面の精細度を上げるために各放電セルCのサイズを小さくしても、表示ラインL方向(水平方向)において隣接する放電セルCヘの放電の干渉が生じる虞が無いという特徴を備えている。
【0030】
さらにまた、誘電体層11に嵩上げ誘電体層11Aが形成され、この嵩上げ誘電体層11Aを被覆する保護層12が隔壁15の横壁15bの表示側の面に当接されて列方向(垂直方向)において隣接する放電セルCの放電空間Sが互いに遮蔽されている(図26および27参照)ことにより、この列方向において隣接する放電セルC間で放電の干渉が生じるのが防止され、その一方で、隔壁15の縦壁15aの表示側の面が、誘電体層11の嵩上げ誘電体層11Aが形成されていない部分に対向されていて、この縦壁15aの表示側の面と保護層12との間に隙間rが形成されている(図28および29参照)ことにより、行方向(表示ライン方向)において互いに隣接する放電セルCの放電空間Sが隙間rを介して僅かに連結されて、放電を連鎖的に生じさせるプライミング効果が発生し、放電動作の安定化を図ることが出来るという特徴を備えている。
【0031】
さらに、このPDPは、バス電極Xb,Ybの表示面側にそれぞれ黒色導電層Xb’,Yb’が設けられているとともに隔壁15の表示側の面に黒色層15’が形成されていることにより、前面ガラス基板10を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることが出来る等、種々の特徴を備えているものである。
【0032】
ところが、図25から分かるように、放電空間Sを区画する隔壁15の縦壁15aは、その幅が放電空間Sの面積を広くするために出来るだけ小さくなるように形成されるのに対し、横壁15bの幅は、バス電極Xb,Ybの設置スペースを確保するために縦壁15aの幅よりも広くならざるお得ない。
【0033】
このため、この隔壁15の縦壁15aと横壁15bの幅の違いによって、その焼成時の収縮にばらつきが生じ、これによって、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13の反りおよび隔壁15の破損など、放電セル形状の変形の原因になるという新たな問題が発生している。
【0034】
この発明は、上記のような面放電方式交流型プラズマディスプレイパネルにおける問題点を解決するために為されたものである。
すなわち、この発明は、隔壁の縦壁および横壁によって放電空間を区画する面放電方式交流型プラズマディスプレイパネルにおいて、基板の反りや隔壁の破損により放電セルの形状が変形するのを防止することが出来るプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
発明によるプラズマディスプレイパネルは、上記目的を達成するために、一つには、前面基板の背面側に、行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対とこの行電極対を被覆する誘電体層とが設けられ、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に、列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する位置においてそれぞれ放電空間に単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられたプラズマディスプレイパネルにおいて、前記前面基板と前記背面基板との間に配置されて列方向に延びる縦壁部と行方向に延びる横壁部によって前記放電空間を前記単位発光領域毎に行方向と列方向に区画する隔壁を備え、互いに隣接する行に沿って並ぶ前記単位発光領域の間の横壁部が行方向と平行な隙間によって分離され、前記誘電体層の前記隔壁の横壁部に対向する部分に、前記横壁部側に張り出すように形成されて該横壁部との間を閉じる嵩上げ部が形成されていることを特徴としている。
【0036】
この発明によるプラズマディスプレイパネルは、列方向に延びる縦壁部と行方向に延びる横壁部を有する隔壁によって、前面基板と背面基板の間の放電空間が、単位発光領域毎に区画される。そして、互いに隣接する行に沿って並ぶ単位発光領域の間の横壁部が行方向と平行な隙間によって分離されていることによって、分離された各横壁部の列方向の幅が縮小されることになる
【0037】
すなわち、前面基板と背面基板の間の放電空間が隔壁によって発光領域毎に行方向および列方向においてそれぞれ区画されているので、この列方向において隣接する単位発光領域間で放電の干渉が生じて誤放電が発生するのを防止することが出来、これによって、画面の高精細化を図ることが可能になるとともに、隔壁の横壁部が隙間によって上下方向に分離されているので、分離されている各横壁部の列方向の幅が縮小されることになり、分離されたそれぞれの横壁部の幅と隔壁の縦壁部の幅との差が小さくなり、これによって、隔壁の焼成時の収縮にばらつきが少なくなって、前面基板や背面基板の反りおよび隔壁の破損などによる単位発光領域の放電空間の形状が変形する虞がない。更には、誘電体層の隔壁の横壁部に対向する部分に横壁部側に張り出すように形成された嵩上げ部によって、隔壁によって単位発光領域毎に区画されて列方向に配列された放電空間の間が、対向する隔壁の横壁部との間で遮蔽される。したがって、この嵩上げ部によって、この列方向において隣接する単位発光領域間で放電の干渉が生じて誤放電が発生するのを防止することが出来、これによっても、画面の高精細化を図ることが可能になる。
【0038】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記間隙によって上下に分割された隔壁の横壁部の各部分の列方向の幅が、隔壁の列方向に延びる縦壁部の行方向の幅とほぼ同一になっていることを特徴としている。
【0039】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、隙間によって分離された隔壁の各部分の幅が、それぞれ縦壁部の幅と同一になるように設定されている。
【0040】
これによれば、隔壁の焼成時の収縮にばらつきがほとんどなくなるので、前面基板や背面基板の反りおよび隔壁の破損などによる単位発光領域の放電空間の形状の変形がさらに確実に防止される。
【0051】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記前面基板の前記隙間に対向する部分に、第1光吸収層が設けられていることを特徴としている。
【0052】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、前面基板の隔壁の横壁部に対向する部分に、黒色や暗褐色等の光を吸収する暗色に色付けされた光吸収層が形成され、さらに、行電極の電極本体部の前面基板側の面がこの光吸収層によってカバーされている。
【0053】
これによれば、前面基板を通して前面基板の隔壁の横壁部間の隙間に対向する部分に入射してくる外光が、光吸収層によって吸収されるので、反射が防止されて、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0054】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記前面基板の背面側の前記隔壁の縦壁部に対向する部分に、第2光吸収層が設けられていることを特徴としている。この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、前面基板の背面側の隔壁の縦壁部に対向する部分に、黒色や暗褐色等の光を吸収する暗色に色付けされた光吸収層が形成され、さらに、行電極の電極本体部の前面基板側の面がこの光吸収層によってカバーされている。
【0055】
これによれば、前面基板を通して前面基板の隔壁の横壁部に対向する部分に入射してくる外光が、光吸収層によって吸収されるので、反射が防止されて、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0056】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記隔壁の少なくとも縦壁部が、その表示面側に形成された光吸収層と背面側に形成された光反射層の二層構造になっていることを特徴としている。
【0057】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、放電空間を区画する隔壁の少なくとも縦壁部の前面基板に対向する面に、黒色や暗褐色等の光を吸収する暗色に色付けされた光吸収層が形成され、他の部分が光反射層になっている。
【0058】
これによれば、前面基板を通して入射してくる外光が隔壁の少なくとも縦壁部に形成された光吸収層によって吸収されて反射が防止されるので、表示画面のコントラストを向上させることができる。そして、他の部分が光反射層になっているので、放電空間内における放電の際の発光を反射して、画面の輝度を増加させることができる。
【0059】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述した特徴に加えて、前記一対の行電極は、それぞれ、行方向に伸びる本体部と、この本体部から列方向に突出して前記単位発光領域毎に放電ギャップを介して互いに対向する突出部とを有し、前記本体部が金属膜によって形成され、前記突出部が透明導電膜によって形成されて、その基端部が前記本体部に接続されるとともに前記単位発光領域毎に島状に独立して設けられていることを特徴としている。
【0060】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、行電極対を構成するそれぞれの行電極が、行方向に延びる電極の金属膜によって形成された本体部から単位発光領域毎に対となる他の行電極の方向に張り出して所要の放電ギャップを介して互いに対向する透明導電膜によって形成された突出部を備え、それぞれ単位発光領域毎に島状に独立するように構成されている。
【0061】
これによれば、行電極対を構成するそれぞれの行電極が単位発光領域毎に島状に独立するように構成されているために、画面の精細度を上げるために各単位発光領域のサイズを小さくしても、行方向において隣接する単位発光領域ヘの放電の干渉が生じる虞は無い。
【0062】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記本体部の表示面側に光吸収層が設けられていることを特徴としている。この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、行電極の本体部の前面基板に対向する面に、黒色や暗褐色等の光を吸収する暗色に色付けされた光吸収層が形成されている。
【0063】
これによれば、前面基板を通して入射してくる外光が行電極の本体部に形成された光吸収層によって吸収されることにより、反射が防止されるので、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0064】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記一対の行電極のうち少なくとも一方の行電極が、互いに隣接する表示ライン間において前記本体部を共用していることを特徴としている。この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、行電極対を構成する一対の行電極が表示ライン毎に交互に入れ替えられて隣接する表示ラインにおいて同じ極の行電極が互いに背中合わせに配置されている状態で、少なくとも一方の極の行電極が同一の本体部を共用している。
【0065】
これによれば、隣接する表示ラインにおいて互いに背中合わせに配置される行電極が同一の本体部を共用していることによって、この本体部の設置面積を小さくすることが出来、これによって、本体部に対向する隔壁の横壁部の幅を小さくできるので、その分、単位発光領域のサイズを大きくしてこの単位発光領域内に形成される蛍光体層の表面積を増加させることができ、表示画面の輝度が増加される。さらに、本体部の共用によって、放電電流を低減することが出来る。
【0066】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述した特徴に加えて、前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、列方向において直線状に配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の蛍光体層を有する単位発光領域が列方向において直線状に配置され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成されることを特徴としている。
【0067】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、隔壁によって区画された単位発光領域がマトリクス状に配置され、各単位発光領域の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の蛍光体層を有する単位発光領域が列方向において直線状に配置されるように設定されている。そして、表示画面を構成する画素が、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域を単位として構成される。
【0068】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述した特徴に加えて、前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、列方向において直線状に配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に一つ分ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成されることを特徴としている。
【0069】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、隔壁によって区画された単位発光領域がマトリクス状に配置され、各単位発光領域の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の単位発光領域が隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に一つ分ずつずれるように設定されている。そして、表示画面を構成する画素が、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域を単位として構成される。
【0070】
これによれば、画素が、表示ライン毎に行方向に単位発光領域放電の一個分ずつずれるように配置されることによって、表示画面の解像度を向上させることが出来る。
【0071】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に単位発光領域の幅方向の寸法の半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に幅方向の寸法の半分ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成されることを特徴としている。
【0072】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、隔壁によって区画された単位発光領域が隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の単位発光領域が隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に半分ずつずれる位置に位置されるように設定されている。
【0073】
そして、表示画面を構成する画素が、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域を単位として構成される。
上記第15の発明によれば、画素が、表示ライン毎に行方向に単位発光領域放電の半分ずつずれるように配置されることによって、表示画面の解像度を向上させることが出来る。
【0074】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前述した特徴に加えて、前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に単位発光領域の幅方向の寸法の半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に幅方向の寸法の1.5倍ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、隣接する二つの表示ライン行方向に跨ってデルタ状に配置される赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成されることを特徴としている。
【0075】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、隔壁によって区画された単位発光領域が隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の単位発光領域が隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に一つと半分ずつずれる位置に位置されるように設定されている。
【0076】
そして、表示画面を構成する画素が、列方向において隣接する二つの表示ラインにまたがってデルタ状に位置する赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域を単位として構成される。これによれば、一つの画素を構成する三つの単位発光領域がデルタ状に配置されることによって、表示画面の解像度を向上させることができる。
【0077】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルは、前述の特徴に加えて、行方向に沿って並ぶ前記単位発光領域の最も外側に位置する単位発光領域を区画する隔壁の外側角部に面取りが施されていることを特徴としている。
【0078】
この特徴に係るプラズマディスプレイパネルは、行方向に一列に並ぶ単位発光領域のそれぞれ最も外側に位置する単位発光領域を区画している隔壁の外側角部に面取りが施されることによって、隔壁の角部に盛り上がりが生じるのが防止される。
【0079】
これによって、隔壁の角部に盛上がりが生じや場合には前面基板と背面基板を重ね合せたときに前面基板が盛り上がり部(すなわち、基板の周辺部)にのみ接触してその他の部分(中央部分)が浮いた状態になりプラズマディスプレイパネルの駆動時に基板に振動が生じて振動音が発生するが、隔壁の角部に施された面取りによる隔壁の角部の盛上がりの防止により、基板と隔壁とが一様に接することになり、上記のような振動の発生が防止される。
【0080】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0081】
図1ないし5は、この発明によるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の実施形態の第1の例を示すものであって、図1はこの第1の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図2は図1のV3−V3線における断面図、図3は図1のV4−V4線における断面図、図4は図1のW3−W3線における断面図、図5は図1のW4−W4線における断面図である。
【0082】
この図1ないし5に示されるPDPは、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図1の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0083】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0084】
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図1の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0085】
バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
前面ガラス基板10の背面には、列方向において隣接する行電極対(X,Y)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極XbとYbの間に、このバス電極Xb,Ybに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されており、さらに、隔壁35の縦壁35aに対向する部分に、光吸収層(遮光層)31が形成されている。
【0086】
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、この誘電体層11の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の隣り合うバス電極XbおよびYbと対向する位置及び隣り合うバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域と対向する位置に、誘電体層11の背面側に突出する嵩上げ誘電体層11Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0087】
そして、この誘電体層11と嵩上げ誘電体層11Aの背面側には、MgOからなる保護層12が形成されている。
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に、隔壁35が形成されている。
【0088】
隔壁35は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁35aと、嵩上げ誘電体層11Aに対向する位置において行方向に延びる横壁35bとによって梯子状に形成されている。
そして、この梯子状の隔壁35によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
【0089】
隔壁35の縦壁35aの表示側の面は保護層12に当接されておらず(図4参照)、その間に隙間rが形成されているが、横壁35bの表示側の面が、保護層12の嵩上げ誘電体層11Aを被覆している部分に当接されていて(図2および5参照)、列方向において隣接する放電空間Sとの間がそれぞれ遮蔽されている。
【0090】
放電空間Sに面する隔壁35の縦壁35aおよび横壁35bの側面と誘電体層14の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層16が、それぞれ順に形成されている。
【0091】
この蛍光体層16の色は、各放電空間S毎にR,G,Bの色が行方向に順に並ぶように設定される(図4参照)。
そして、放電空間S内には、希ガスが封入されている。
この放電空間Sを区画する隔壁35の横壁35bは、表示ライン間の光吸収層30と重なる位置に設けられた隙間SLによって列方向に分離されている。
【0092】
すなわち、隔壁35は、表示ライン(行)L方向に沿って梯子状に形成され、列方向において表示ラインLに沿って延びる隙間SLを介して互いに平行になるように配置されている。
この表示ラインL間に設けられた隙間SLによって分割された横壁35bの各部分35b’の幅は、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように隙間SLの幅が設定されている。
【0093】
上記のPDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、梯子状の隔壁35によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
【0094】
このPDPにおける画像表示は、先ず、アドレス操作により、各放電セルCにおいて行電極対(X,Y)と列電極Dとの間で選択的に放電が行われ、全表示ラインLに点灯セル(誘電体層11に壁電荷が形成された放電セルC)と消灯セル(誘電体層11に壁電荷が形成されなかった放電セルC)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
【0095】
このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X,Y)に対して交互に放電維持パルスが印加され、この放電維持パルスが印加される毎に、各点灯セルにおいて面放電が発生される。
【0096】
以上のようにして、点灯セルにおける面放電により紫外線が発生され、放電空間S内のR,G,Bの各蛍光体層16がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
上記PDPは、放電空間Sを区画する隔壁35の横壁35bを表示ラインL間に設けられた隙間SLによって列方向に分離し、この分離された各部分35b’の幅を、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように設定することによって、隔壁35の焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13の反りおよび隔壁35の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0097】
さらに、上記PDPは、前面ガラス基板10の背面の放電空間Sに対向する部分以外の部分が、光吸収層30,31および二層構造に形成されたバス電極Xb,Ybの黒色導電層Xb’,Yb’によってカバーされていることにより、前面ガラス基板10を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0098】
なお、この例において、光吸収層30と31のうち何れか一方のみを形成するようにしてもよい。
また、前面ガラス基板10の背面に、対向する放電空間S内の蛍光体層16の色(R,G,B)に対応する色のカラーフィルタ層(図示せず)を、各放電セルC毎に形成することも出来る。
【0099】
この場合、光吸収層30,31は、各放電空間Sに対向するように島状に形成されたカラーフィルタ層の間隙またはこの間隙に対応する位置に形成される。
【0100】
次に、この発明の実施形態における第2の例を、図6ないし8に基づいて説明する。
図6はこの第2の例のPDPを模式的に表す平面図であり、図7は図6のV5−V5線における断面図、図8は図6のV6−V6線における断面図である。
【0101】
この図6ないし8に示されるPDPは、前面ガラス基板10の背面に行電極対(Xo,Yo)が図1ないし5の第1の例のPDPと同様の態様で配列されている。
そして、前面ガラス基板10の背面には、梯子状の隔壁35および隙間SLの表示側の面に対向する部分に、全て、黒色の光吸収層(遮光層)40が形成されている。
【0102】
行電極Xo,Yoのそれぞれのバス電極Xob,Yobは、主導電層のみの一層構造に形成されており、光吸収層(遮光層)40の背面に位置するように配置されている。
他の構造は図1ないし5の第1の実施例と同様であり、放電空間Sを区画する隔壁35の横壁35bは、表示ラインL間に設けられた間隙SLにより列方向に分離され、この分離された横壁35bの各部分35b’の幅が、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になっている。
【0103】
上記PDPも、図1ないし5の例の場合と同様に、間隙SLによって列方向に分離された各部分35b’の幅が、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になっているので、隔壁35の焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13の反りおよび隔壁35の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0104】
さらにこのPDPは、前面ガラス基板10の背面の放電空間Sに対向する部分以外の部分が、光吸収層(遮光層)40によってカバーされていることにより、前面ガラス基板10を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0105】
次に、この発明の実施形態における第3の例を、図9に基づいて説明する。
図9は、この第3の例におけるPDPの行電極対と隔壁との関係を模式的表す平面図である。
【0106】
この第3の例のPDPは、列方向に配列された表示ラインLi−1’,Li’,Li+1 ’…において、行電極が、(Yi−1’,Xi−1’’),(Xi’,Yi’),(Yi+1’,Xi+1’)…というように、表示ライン毎に交互にその配置が入れ替えられて配列されており、さらに、隣接する表示ラインにおいて、互いに背中合わせに配置される行電極Xi−1’とXi’の透明電極Xai−1’とXai’のそれぞれの基端部が連結されて一体的に形成され、さらに、行電極Yi’とYi+1’ のそれぞれの透明電極Yai’とYai+1’の基端部が連結されて一体的に形成されている。
【0107】
そして、上記の配置によって、列方向において隣接する表示ラインにおいて、互いに背中合わせに配置される行電極Xi−1’とXi’のそれぞれ透明電極Xai−1’とXai’とが、共通のバス電極Xbj’に接続されており、さらに、列方向において隣接する表示ラインにおいて、互いに背中合わせに配置される行電極Yi’とYi+1’ のそれぞれ透明電極Yai’とYai+1’とが、共通のバス電極Ybj’に接続されている。
【0108】
この例においても、前述した第1および第2の例と同様に、放電空間Sを区画する隔壁35の横壁35bには、表示ラインL間に設けられた隙間によって列方向に分離され、この分離された横壁35bの各部分35b’の幅が、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になっている。
【0109】
上記PDPも、隙間SLによって列方向に分離された各部分35b’の幅が、それぞれ縦壁35aの幅と同一になっているので、隔壁35の焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁35の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0110】
また、このPDPは、隣接する表示ラインにおいて、互いに背中合わせに配置される行電極Xi’とXi+1’ が、バス電極Xbj’を共用しており、さらに、互いに背中合わせに配置される行電極Yi’’とYi+1’が、バス電極Ybj’を共用していることにより、このバス電極Xbj’とYbj’の設置面積が、図1ないし5のPDPのバス電極の設置面積よりもさらに小さくなる。
【0111】
従って、バス電極Xbj’およびYbj’に対向する隔壁25’の横壁25b’の幅をそれぞれ図1ないし5のPDPと比べてさらに小さくでき、その分、放電空間S1’の容積を大きくして、この放電空間S1’内に形成される蛍光体層の表面積をさらに増加させることができるので、表示画面の輝度が増加される。
【0112】
さらに、バス電極Xbj’およびYbj’の共用によって、放電電流を低減することが出来る。
ここで、バス電極Xbj’およびYbj’をそれぞれ黒色導電層と主導電層の二層にするか、または、バス電極Xbj’,Ybj’は一層構造にして、このバス電極Xbj’,Ybj’と前面ガラス基板との間にバス電極Xbj’,Ybj’の表側に位置するように黒色の光吸収層を形成することにより、前面ガラス基板を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0113】
次に、この発明の実施形態における第4の例を、図10に基づいて説明する。この図10は、この第4の例におけるPDPの行電極対と隔壁との関係を模式的に表す平面図である。
この第4の例のPDPは、図1ないし5の第1の例におけるPDPの行電極XとYが列方向に交互に配置されていたのに対し、列方向に配列された表示ラインLi,Li+1…において、行電極が、(Yi,Xi),(Xi+1,Yi+1)…というように、表示ライン毎に交互にその配置が入れ替えられて配列されている。
【0114】
そして、上記の配置によって、列方向において隣接する表示ラインLi,Li+1において、行電極対(Yi, Xi)と(Xi+1,Yi+1)の互いに背中合わせに配置される行電極XiとXi+1 のそれぞれ透明電極XaiとXai+1 とが、共通のバス電極Xbjに接続されている。
【0115】
この例においても、前述した各例と同様に、放電空間Sを区画する隔壁45の横壁45b1および45b2は、表示ラインL間に設けられた隙間SL1,SL2によって列方向に分離され、この隙間SL1,SL2によって分離された横壁45b1,45b2の各部分45b1’,45b2’の幅が、それぞれ縦壁45aの幅と略同一になっている。
【0116】
上記PDPも、隙間SL1,SL2によって列方向に分離された横壁45b1,45b2の各部分45b1’,45b2’の幅が、それぞれ縦壁45aの幅と略同一になっているので、隔壁45の焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁45の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0117】
さらに、この第4の例におけるPDPは、隣接する表示ラインにおいて、互いに背中合わせに配置される行電極XiとXi+1 が、バス電極Xbjを共用しており、このバス電極Xbjの設置面積が小さくなる。
従って、バス電極Xbjに対向する隔壁45の横壁45b1の幅を小さくでき、その分、放電空間S1の容積を大きくして、この放電空間S1内に形成される蛍光体層の表面積を増加させることができるので、表示画面の輝度が増加される。
【0118】
さらに、バス電極Xbjの共用によって、放電電流を低減することが出来る。
【0119】
次に、この発明の構成の一部を採用した参考例を、図11ないし15に基づいて説明する。ここで、図11はこの第5の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図12は図11のV7−V7線における断面図、図13は図11のV8−V8線における断面図、図14は図11のW7−W7線における断面図、図15は図11のW8−W8線における断面図である。
【0120】
この図11ないし15に示されるPDPは、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図11の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0121】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図11の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0122】
バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
前面ガラス基板10の背面には、列方向において隣接する行電極対(X,Y)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極XbとYbの間に、このバス電極Xb,Ybに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されており、さらに、梯子状の隔壁35の縦壁35aに対向する部分に、光吸収層(遮光層)31が形成されている。
以上の構成については、第1の例のPDPの構造とほぼ同様である。
【0123】
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層61が形成されている。
この誘電体層61には、第1の例の嵩上げ誘電体層に相当する構成は備えていない。
この誘電体層61の背面側には、MgOからなる保護層62が形成されている。
【0124】
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に、隔壁65が形成されている。
【0125】
この隔壁65は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁65aと、行方向に延びる横壁65bとによって梯子状に形成されており、その表面が保護層62の背面側に接触している。
【0126】
そして、この梯子状の隔壁65によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
【0127】
そして、この放電空間Sを区画する隔壁65の縦壁65aには、隣接する放電空間Sを連通させるスリットslが形成されている。
また、この隔壁65の横壁65bは、表示ラインL間の光吸収層30と対向する位置に設けられた隙間SLによって列方向に分離されている。
この隙間SLによって分離された横壁65bの各部分65b’の幅は、それぞれ縦壁65aの幅と略同一になるようにスリットSLの幅が設定されている。
【0128】
放電空間Sに面する隔壁65の縦壁65aおよび横壁65bの側面と誘電体層14の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層16が、それぞれ順に形成されている。
【0129】
この蛍光体層16の色は、各放電空間S毎にR,G,Bの色が行方向に順に並ぶように設定される(図14参照)。
そして、放電空間S内には、放電ガスが封入されている。
上記のPDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、梯子状の隔壁35によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
【0130】
このPDPにおける画像表示は、先ず、アドレス操作により、各放電セルCにおいて行電極対(X,Y)と列電極Dとの間で選択的に放電が行われ、全表示ラインLに点灯セル(誘電体層11に壁電荷が形成された放電セルC)と消灯セル(誘電体層11に壁電荷が形成されなかった放電セルC)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
【0131】
このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X,Y)に対して交互に放電維持パルスが印加され、この放電維持パルスが印加される毎に、各点灯セルにおいて面放電が発生される。
【0132】
以上のようにして、点灯セルにおける面放電により紫外線が発生され、放電空間S内のR,G,Bの各蛍光体層16がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
【0133】
上記PDPは、隔壁65の表面が保護層62の背面に接触して放電空間Sを遮蔽しているが、縦壁65aに形成されたスリットslによって互いに隣接する放電空間Sが連通されていることによって、封入されている放電ガスおよびプライミング粒子の隣接する放電空間Sへの移動が可能になっており、これによって、隣接する放電セルC間において連鎖的に放電が行われるようになる。
【0134】
さらに、放電空間Sを区画する隔壁65の横壁65bが隙間SLによって列方向に分離され、この分離された各部分65b’の幅が、それぞれ縦壁65aの幅と略同一になるように設定されているので、隔壁65の焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13の反りおよび隔壁65の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0135】
次に、この発明の構成の一部を採用した他の参考例を、図16に基づいて説明する。この第6の例によるPDPは、上記第5の例のPDPにおいて互いに隣接する放電空間Sを連通するスリットが隔壁の縦壁に形成されていたのに対し、隔壁65の横壁65bの透明電極Xa,Yaとバス電極Xb,Ybがそれぞれ重なっている位置とは別の位置に、スリットsl'が形成されていて、列方向において隣接する放電空間Sが互いに連通されるようになっている。他の構成は、前述の参考例のPDPと同様である。
【0136】
このスリットsl’が隔壁65の横壁65bの透明電極Xa,Yaとバス電極Xb,Ybがそれぞれ重なっている位置とは別の位置に設けられるのは、隔壁65の横壁65bによって押さえて放電の広がりを抑制しているためである。
上記第1ないし6の各例においては、梯子状の隔壁を白色の一層構造にした例を示したが、少なくとも縦壁部分を、表側を黒色層に背面側を白色層にした二層構造にしてもよい。
さらにまた、それぞれの例において、二層構造のバス電極の黒色導電層および光吸収層を黒色の他、暗褐色等の光を吸収する暗色に色付けするようにしても良い。
【0137】
次に、この発明の実施形態におけるカラー表示のための具体例を、図17に基づいて説明する。図17は、このPDPにおいて、RGBの三色に色分けされた三個の放電セルCによって構成される画素の構成を模式的に表す平面図である。この図17において、梯子状の隔壁15Aによって区画される放電セルCは、列方向において直線状に配置され、列電極DAは直線状に形成されている。
【0138】
そして、各放電セルCの蛍光体層の色が、表示ラインL方向(行方向)においてR,G,Bの順に並ぶように設定されており、さらに、表示ラインL方向に対して直角な方向(列方向)において同じ色の放電セルCが並ぶように配列されている。
【0139】
この例におけるPDPは、図に示されるように、表示ラインL方向に並ぶR,G,Bの三個の放電セルCによって一つの画素GAが構成され、従って、列方向において画素GAが直線上に配列される。
【0140】
そして、隔壁15Aの横壁15Abは、表示ラインL間に設けられた隙間SLによって分離され、この分離された各部分15Ab’の幅が、それぞれ縦壁15Aaの幅と略同一になるように設定されているので、隔壁15Aの焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁15Aの破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0141】
次に、この発明の実施形態におけるカラー表示のための他の具体例を、図18に基づいて説明する。図18は、このPDPにおいて、RGBの三色に色分けされた三個の放電セルCによって構成される画素の構成を模式的に表す平面図である。この図18において、放電セルCは、上述した第7の例の場合と同様に梯子状の隔壁15Bによって区画されて列方向において直線状に配置され、列電極DBも直線状に形成されているが、各放電セルCの蛍光体層のR,G,Bの色が、列方向において隣接する二つの表示ラインLにおいて互いに一個ずつ表示ラインL方向にずれるように、設定されている。
【0142】
一つの画素GBは、図に示されるように、表示ラインL方向に並ぶR,G,Bの三個の放電セルCによって構成され、従って、画素GBは、列方向において隣接する二つの表示ラインLにおいて、互いに放電セルCが一個ずつ表示ラインL方向にずれるように配列される。
【0143】
この例におけるPDPは、上記のように画素GBが表示ラインL毎に放電セルCが一個ずつずれるように配置されることによって、表示画面の解像度を向上することが出来る。
そして、隔壁15Bの横壁15Bbは、表示ラインL間に設けられた隙間SLによって列方向に分離され、この分離された各部分15Bb’の幅が、それぞれ縦壁15Baの幅と略同一になるように設定されているので、隔壁15Bの焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁15Bの破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0144】
次に、この発明の実施形態におけるカラー表示のための更に他の具体例を、図19に基づいて説明する。図19は、このPDPにおいて、RGBの三色に色分けされた三個の放電セルCによって構成される画素の構成を模式的に表す平面図である。この図19において、列方向において隣接する二つの表示ラインLに配列される放電セルCは、梯子状の隔壁15Cによって、互いに放電セルCの幅方向の寸法の半分ずつ表示ラインL方向にずれるように区画されている。
【0145】
そして、各放電セルCの蛍光体層のR,G,Bの色が、列方向において隣接する二つの表示ラインLの互いに半分ずつ表示ラインL方向にずれるように配置された放電セルCにおいて同じになるように、設定されている。
このため、列電極DCは、列方向において隣接する二つの表示ラインLにおいて半分ずつ表示ラインL方向にずれるように配置された放電セルCに対応して、ジグザグに屈曲する形状に形成されている。
【0146】
一つの画素GCは、図に示されるように、表示ラインL方向に並ぶR,G,Bの三個の放電セルCによって構成され、従って、画素GCは、列方向において隣接する二つの表示ラインLにおいて、互いに放電セルCが半分ずつ表示ラインL方向にずれるように配列される。
【0147】
この例におけるPDPは、上記のように画素GCが表示ラインL毎に放電セルCが半分ずつずれるように配置されることによって、表示画面の解像度を向上することが出来る。
そして、梯子状の隔壁15Cが、表示ラインL間に設けられた隙間SLによって列方向に分離され、この分離された各部分15Cb’の幅が、それぞれ縦壁15Caの幅と略同一になるように設定されているので、隔壁15Cの焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁15Cの破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0148】
次に、この発明の実施形態におけるカラー表示のための更に他の具体例を、図20に基づいて説明する。 図20は、このPDPにおいて、RGBの三色に色分けされた三個の放電セルCによって構成される画素の構成を模式的に表す平面図である。この図20において、列方向において隣接する二つの表示ラインLに配列される放電セルCは、隔壁15Dによって、上記第9の例の場合と同様に、互いに放電セルCの幅方向の寸法の半分ずつ表示ラインL方向にずれるように区画されている。
【0149】
そして、各放電セルCの蛍光体層のR,G,Bの色が、列方向において隣接する表示ラインLにおいて互いに放電セルCの幅方向の寸法の1.5倍の寸法ずつ表示ラインL方向にずれるように、設定されている。
このため、列電極DDは、列方向において隣接する二つの表示ラインLにおいて幅方向の寸法の半分ずつ表示ラインL方向にずれるように配置された放電セルCに対応して、ジグザグに屈曲する形状に形成されている。
【0150】
一つの画素GDは、図に示されるように、列方向において隣接する二つの表示ラインLにまたがってデルタ状に位置するR,G,Bの三個の放電セルCによって構成される。
【0151】
この例におけるPDPは、上記のように、一つの画素GDがデルタ状に位置する三個の放電セルCによって構成されることによって、表示画面の解像度を向上することができる。
そして、梯子状の隔壁15Dが表示ラインL間に設けられた隙間SLを介して互いに平行になるように配置され、この各横壁15Dbの各部分15Db’の幅が、それぞれ縦壁15Daの幅と略同一になるように設定されているので、隔壁15Dの焼成時の収縮にばらつきが少なくなり、これによって、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板の反りおよび隔壁15Dの破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0152】
図21は、図1ないし20の各例における隔壁の形状と配置を示すものである。 この隔壁15Aは、それぞれ、梯子状に形成された縦壁15Aaと横壁15Abによって、放電セルCが一列に並ぶように放電空間を区画している。
そして、各隔壁15Aが表示ラインLに沿って互いに平行に延びるように、かつ、互いに隣接する隔壁15Aの横壁15Abが隙間SLを挟んで対向するように列方向に配置されている。
【0153】
この隔壁15Aの右端および左端に位置する放電セルC’は、それぞれダミーセルとなっている。
そして、このダミーセルC’を区画している隔壁15Aの外側の角部に、それぞれ面取り15Acが施されている。
この面取り15Acは、図に示されるように直線状でも良いが、曲線状に施しても良い。
【0154】
この面取り15Acは、隔壁15Aの角部の盛り上がりを防止するためのものである。
すなわち、隔壁15Aの角部に盛り上がりが生じると、前面基板と背面基板を重ね合せたとき、前面基板が盛り上がり部(すなわち、基板の周辺部)にのみ接触してその他の部分(中央部分)が浮いた状態になるため、プラズマディスプレイパネルの駆動時に基板に振動が生じて振動音が発生するが、隔壁15Aの角部に施された面取り15Acによって盛り上がりが防止されることにより、基板と隔壁15Aとが一様に接することになり、上記のような振動の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の例を模式的に表す平面図である。
【図2】図1のV3−V3線における断面図である。
【図3】図1のV4−V4線における断面図である。
【図4】図1のW3−W3線における断面図である。
【図5】図1のW4−W4線における断面図である。
【図6】この発明の第2の例を模式的に表す平面図である。
【図7】図6のV5−V5線における断面図である。
【図8】図6のV6−V6線における断面図である。
【図9】この発明の第3の例におけるPDPの行電極対と隔壁との関係を模式的に表す平面図である。
【図10】この発明の第4の例を模式的に表す平面図である。
【図11】この発明の参考例を模式的に表す平面図である。
【図12】図11のV7−V7線における断面図である。
【図13】図11のV8−V8線における断面図である。
【図14】図11のW7−W7線における断面図である。
【図15】図11のW8−W8線における断面図である。
【図16】この発明の参考例を模式的に表す平面図である。
【図17】この発明の実施形態におけるカラー表示のための具体例を模式的に表す平面図である。
【図18】この発明の実施形態におけるカラー表示のための具体例を模式的に表す平面図である。
【図19】この発明の実施形態におけるカラー表示のための具体例を模式的に表す平面図である。
【図20】この発明の実施形態におけるカラー表示のための具体例を模式的に表す平面図である。
【図21】この発明における隔壁の形状と配置を示す平面図である。
【図22】従来のPDPの構成を模式的に表す平面図である。
【図23】図21のV−V線における断面図である。
【図24】図21のW−W線における断面図である。
【図25】出願人の提案にかかるPDPを模式的に表す平面図である。
【図26】図24のV1−V1線における断面図である。
【図27】図25のV2−V2線における断面図である。
【図28】図24のW1−W1線における断面図である。
【図29】図24のW2−W2線における断面図である。
【符号の説明】
10 …前面ガラス基板(前面基板)
11 …誘電体層
11A …嵩上げ誘電体層(嵩上げ部)
12 …保護層
13 …背面ガラス基板(背面基板)
14 …誘電体層
15,35,45,65,15A…隔壁
15a,35a,45a,65a,15Aa…縦壁(縦壁部)
15b,35b,45b,65b,15Ab…横壁(横壁部)
15b,35b,45b,65b…分割部分
15A,15B,15C,15D…隔壁
15Aa,15Ba,15Ca,15Da…縦壁
15Ab,15Bb,15Cb,15Db…横壁
15Ac…面取り
16 …蛍光体層
30 …光吸収層
31 …光吸収層
40 …光吸収層
X …行電極
Y …行電極
Xa …透明電極
Ya …透明電極
Xb …バス電極(本体部)
Yb …バス電極(本体部)
Xb’,Yb’…黒色層(光吸収層)
Xb”,Yb”…白色層(光反射層)
D,DA,DB,DC,DD…列電極
S …放電空間
SL,SL1,SL2…隙間
sl,sl’…スリット
C …放電セル(単位発光領域)
C’ …ダミーセル
GA,GB,GC,GD…画素
L …表示ライン
g …ギャップ
r …隙間

Claims (13)

  1. 前面基板の背面側に、行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対とこの行電極対を被覆する誘電体層とが設けられ、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に、列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する位置においてそれぞれ放電空間に単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられたプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記前面基板と前記背面基板との間に配置されて列方向に延びる縦壁部と行方向に延びる横壁部によって前記放電空間を前記単位発光領域毎に行方向と列方向に区画する隔壁を備え、互いに隣接する行に沿って並ぶ前記単位発光領域の間の横壁部が行方向と平行な隙間によって分離され
    前記誘電体層の前記隔壁の横壁部に対向する部分に、前記横壁部側に張り出すように形成されて該横壁部との間を閉じる嵩上げ部が形成されている、
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記隙間によって分離された隔壁の横壁部の幅が、隔壁の列方向に延びる縦壁部の行方向の幅とほぼ同一になっている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記前面基板の前記隙間に対向する部分に、第1光吸収層が設けられている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記前面基板の背面側の前記隔壁の縦壁部に対向する部分に、第2光吸収層が設けられている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記隔壁の少なくとも縦壁部が、その表示面側に形成された光吸収層と背面側に形成された光反射層の二層構造になっている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記一対の行電極は、それぞれ、行方向に伸びる本体部と、この本体部から列方向に突出して前記単位発光領域毎に放電ギャップを介して互いに対向する突出部とを有し、前記本体部が金属膜によって形成され、前記突出部が透明導電膜によって形成されて、その基端部が前記本体部に接続されるとともに前記単位発光領域毎に島状に独立して設けられている、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記本体部の表示面側に光吸収層が設けられている請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記一対の行電極のうち少なくとも一方の行電極が、互いに隣接する表示ライン間において前記本体部を共用している請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、列方向において直線状に配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、同じ色の蛍光体層を有する単位発光領域が列方向において直線状に配置され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成される請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、列方向において直線状に配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に一つ分ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成される請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に単位発光領域の幅方向の寸法の半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に幅方向の寸法の半分ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、行方向に並ぶ赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成される請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記隔壁によって区画された前記単位発光領域が、隣接する二つの表示ラインにおいて互いに行方向に単位発光領域の幅方向の寸法の半分ずつずれるように配置され、各単位発光領域内に蛍光体層が形成され、この蛍光体層の色が行方向において赤,緑,青の順に設定されるとともに、この蛍光体層の色が隣接する二つの表示ラインの互いに行方向に幅方向の寸法の1.5倍ずつずれる単位発光領域において同じになるように設定され、隣接する二つの表示ライン行方向に跨ってデルタ状に配置される赤,緑,青に色分けされた三つの単位発光領域によって一つの画素が構成される請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 行方向に沿って並ぶ前記単位発光領域の最も外側に位置する単位発光領域を区画する隔壁の外側角部に面取りが施されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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