JP3598541B2 - ナス科接ぎ木ロボット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は台木苗と穂木苗を自動的に供給・切断・接木する接木苗製造用のナス科接ぎ木ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは前記接ぎ木ロボットに代わる操作性の優れた接ぎ木ロボットを開発すべく、研究を重ね一連の特許出願(特願平4−161515号、特願平5−194828号)を行った。前記本発明者らの開発した接ぎ木ロボットは苗供給装置に配置された台木苗と穂木苗をそれぞれの切断装置で切断し、切断された穂木と台木をこれらの接合装置でクリップにより接合する装置であり、これらの操作を自動的に行う接ぎ木ロボットである。
ナス科植物の接ぎ木に前記本発明者らの開発した接ぎ木ロボットを利用しようとすると、ナス科植物は、例えばウリ科植物に比べて硬いので、特に台木苗の胚軸(茎)を把持しても滑り易いことがあり、切断前の台木苗の切断位置を所定位置に決めることが難しかった。そのため、接ぎ木された後の苗の高さ等が不揃いになっていた。そこで、本発明者は台木搬送装置の台木苗の把持ハンドを改良して、使い勝手のよいナス科接ぎ木ロボットを開発し、特許出願をした(特願平6−168503号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ナス科植物用の接ぎ木ロボットでの台木苗と穂木苗の胚軸の切断する機構は改良の余地が残っていた。すなわち、本発明者の特に台木搬送装置の台木苗の把持ハンドを改良して硬いナス科植物の胚軸(茎)の切断位置を所定位置に決めることが容易になったが、切断装置側については従来の本発明者の発明した接ぎ木ロボットのものを使用していた。
本発明の目的は、使いやすく、しかも確実に硬いナス科の胚軸を切断できる切断装置を備えた接ぎ木ロボットを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は次の構成によって達成される。すなわち、台木苗供給装置に配置される台木苗および穂木苗供給装置に配置される穂木苗を各々の苗の搬送装置で、各々の切断位置まで搬送し、それぞれ切断した台木苗と穂木苗をさらに各々の搬送装置で接合位置まで搬送して接合するナス科接ぎ木ロボットにおいて、台木苗切断装置および穂木苗切断装置の各々のカッター刃を台木苗搬送装置および穂木苗搬送装置による各苗の搬送軌跡上の所定位置に位置させて、且つブラケットを介して接ぎ木ロボットの基体部分に固定し、前記ブラケットの前記基体部分への支持部に、カッター刃の取付面に沿う方向にカッター刃の位置を移動させる機構を設けたことを特徴とするナス科接ぎ木ロボットである。
【0005】
【作用】
本発明の上記構成により、切断装置が所定位置に固定されているため、硬いナス科植物の胚軸でも、その切断位置が正確に得られ、また切断位置の調整も容易となる。また、上記構成では切断装置を移動させる時間がないため全体の処理時間を短縮できる。
【0006】
【実施例】
本発明の一実施例を図面と共に説明する。
まず、台木苗と穂木苗の接合を自動的に行う接ぎ木ロボットの概略を説明する。本実施例の接ぎ木ロボットの上面図を図1(天板を外した図)に、その部分(接木部)拡大図を図2に、前面図を図3に、側面図を図4にそれぞれ示す。
本実施例の接ぎ木ロボットの接合苗作製のための機構は図1に示すようにクリップフィーダ部1と接木部2からなり、接木部2は台木部3と穂木部5および接合部6からなっている。
クリップフィーダ部1のクリップボウル7外周からクリップガイドレール9を設け、その先端部に接木部2を隣接させる。また、台木と穂木の各々を把持、搬送するためのそれぞれのロボットマニュピュレータ10、11および苗供給板13、14を接木部2の天板15(図3)に懸架している。図1に示す接木部2部分の拡大図を図2に示すが、台木部3は台木苗供給装置17と台木搬送装置18および台木切断装置19からなり、また、穂木部5も同様に穂木苗供給装置21、穂木搬送装置22、穂木切断装置23からなっている。
【0007】
台木苗供給装置17の台木苗供給板13の台木苗胚軸径よりも大きな受け溝13a(図2参照)に台木胚軸を人手により供給する。この台木苗は図1の矢印(イ)の方向に回転する台木搬送装置18により台木切断装置19の位置(切断位置)まで搬送され、ここで、切断装置19のカッター刃により台木苗の胚軸を斜めに切り落とす。台木切断装置19は先端にカッター刃を取り付けたカッターであり、接ぎ木ロボット基体に固定されていて、台木搬送装置が矢印(イ)から矢印(ロ)に搬送されている途中で固定された台木切断装置19のカッター刃で切断される。切断された台木は矢印(ロ)方向に搬送され、接木部2で接合部6の接合装置25(図2、図3参照)で穂木と接合される。
また、同様に人手により穂木苗供給装置21の穂木苗供給板14に供給された穂木苗は穂木搬送装置22により矢印(ニ)方向(図1参照)に搬送され、切断位置で接ぎ木ロボット基体に固定されている穂木切断装置23により、搬送途中に、その胚軸部分より上の組織を残して、一部胚軸部と根部が切り落とされる。そして、子葉部分を持つ穂木は矢印(ハ)方向に搬送され、台木と接木部2において、クリップフィーダ部1から供給されるクリップで接合され、接合苗は適宜の方法で鉢に移植される。
【0008】
ここで、台木搬送装置18と穂木搬送装置22について、主に図3により、若干の説明をする。台木搬送装置18の台木搬送用回転アクチュエータ29は天板15に支持され、該アクチュエータ29の下部には台木搬送アーム支持体30が該アクチュエータ回転軸31を中心に回転自在に支持されている。台木搬送アーム支持体30には、該支持体30に支持された台木搬送アーム押出シリンダ33、該シリンダ33に固定された台木搬送アーム34と該搬送アーム34先端の台木把持部(一対の台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38)が設けられている。前記ハンド37、38は図示しないエアシリンダにより台木を把持するように開閉制御される。また、一対の台木胚軸固定ハンド39は台木搬送アーム支持体30に固定される支持板40に支持されたアクチュエータ41内のエアシリンダ(図示せず)により開閉される。台木苗供給板13上の台木苗のセット位置まで押し出された台木搬送アーム34先端の台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38が作動して前記両ハンド37、38が台木苗を把持する。台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38の作動と同時に台木搬送用回転アクチュエータ29も作動して、前記ハンド37、38で把持した台木苗を切断位置まで搬送する。切断位置では台木搬送アーム34が引っ込んで、その時台木胚軸固定ハンド39が胚軸を把持する。
【0009】
図5(a)には台木把持部を中心として台木苗供給装置17と台木搬送装置18の一部側面図を示し、台木搬送装置18が台木苗供給装置17部分に台木苗を受け取りに来た時の状態を示す。図5(b)には根鉢把持ハンド38先端が閉じた状態の平面図を示し、図5(c)にはハンド38先端が開いた状態の平面図を示す。また、図6には台木胚軸ハンド37の図5の円A内の台木胚軸把持面の斜視図を示す。また、図7には図5の矢印B方向から見た矢視図を示す。
図6に示すように一対の胚軸把持ハンド37の台木胚軸把持面に胚軸長手方向と胚軸太さ方向にそれぞれ切欠き37a、37bを設け、胚軸(茎)の把持を確実とした。さらに、該胚軸把持ハンド37の下方に台木根鉢側面に沿う形状の一対の把持面38aを備えた一対の根鉢把持ハンド38を設けている。図6に示す胚軸把持ハンド37の切欠き37a、37bはウリ科に比べて硬いナス科植物の胚軸(茎)が胚軸把持ハンド37の把持面ですべらないようにするためである。また、セル成形苗で苗を供給する場合、台木根が植え付けられた根鉢が重いため胚軸(茎)の把持を確実にする必要があるが、これを根鉢把持ハンド38の台木根鉢側面に沿う形状の一対の把持面38aを備えた一対の根鉢把持ハンド38で確実に把持することができる。
【0010】
図7に示すように根鉢把持ハンド38の一対の把持面38aは台形の台木根鉢に沿うように傾斜状とし、また胚軸(茎)の把持幅を広くし、また、その先端部は部分的に内側に折曲部38cを設けているので、より確実に台木根鉢を把持することができる。
また、セル成形苗に仕立てた台木を苗供給板13上に供給した時に台木根鉢の底面を支える台木根支持部材16を台木苗供給装置17に設け、台木根鉢の底面から台木胚軸切断位置までの長さが一定となるようにした。
ウリ科の接ぎ木ロボットでは台木子葉展開基部を胚軸上下方向の位置決め基準としていたが、ナス科植物の場合には必ずしも台木に子葉を残す必要はないため、本実施例のように台木根支持部材16を用いて、台木胚軸の上下方向の位置決めを行い、根鉢を上下方向の基準として接ぎ木することができる。
【0011】
こうして、接ぎ木後の複数の接ぎ木苗の高さがほぼ一定し、均一な高さの接ぎ木苗ができる。また、台木苗が従長ぎみでも接ぎ木後の苗高さを低くできるため、台木の元苗を密植することによりハウス面積利用効率を高くできる(密植すると苗は従長ぎみになる)。さらに、台木苗は台木根鉢の中心部に胚軸(茎)があるとは限らないため、根鉢を台木苗供給板13にぶら下げるような支え方をすると、台木根鉢が傾き、台木搬送装置18の胚軸把持ハンド37が台木胚軸(茎)を把持しにくい場合があるが、台木根鉢を台木根支持部材16上に置くようにすると胚軸(茎)把持が確実となる。
このとき台木根支持部材16の支持片16aに固定用長孔を設け、ボルト16bにより、その上下方向の位置調整を可能とすると、台木苗の生育状態に応じて接ぎ木位置(台木胚軸切断位置)の調整ができる。また、大きさの異なるセル苗を供給する場合も接ぎ木位置(台木胚軸切断位置)を調整できる。こうして、接ぎ木用の元苗を従長させてしまった場合でも背の低いがっちりした接ぎ木苗を作ることができる。また、セル成形苗は根のいたみがないため台木に子葉を残さなくても活着率が低下することはない。
【0012】
また、図8に示すように、セル苗仕立ての台木根鉢の上面に上下方向位置決め用の部材16’を設けても良い。この場合は接ぎ木後の苗の高さを揃えることができる。また、台木が従長ぎみでも接ぎ木後の苗の高さを低く調整することもできる。さらに、胚軸(茎)の位置決めができるため、胚軸把持ハンド37が正確に台木苗を把持できる。
本実施例では根鉢把持ハンド38の把持面38aの先端部分には平面部38bと折曲部38cを交互に設け、台木根鉢の把持を確実としたが、これは、ナス科植物はウリ科に比べ胚軸(茎)が硬いため、その切断時に切断方向に苗全体が動くのを押さえるのに効果がある。また、把持面38aの先端部分に平面部38bと折曲部38cが交互にあるため折曲部38cが台木根鉢に強く食い込んで根鉢を崩すのを防ぐことができる。また、根鉢把持ハンド38の把持面38aに折曲部38cを設けると同時に把持面38aを根鉢の傾斜に添って角度αの傾き(図7参照)を付けて根鉢の固定を確実とした。そのため、胚軸(茎)の切断時の苗のズレがなくなり、セル成形苗の根鉢のような逆円すい状の根鉢でも把持が可能となる。また、折曲部38cとの協働作用により、逆円すい状の根鉢を両側で把持しても、上に抜けることがなくなる。
【0013】
また、図5(b)、図5(c)に示すように根鉢把持ハンド38の開閉用の支点部に長孔38dを設け、支点部の自由度を高め、セル成形苗の根鉢の形状の若干の違いがあっても根鉢把持ハンド38が根鉢に添うようにした。そのため、形状の若干異なる根鉢でも根鉢把持ハンド38で把持した時に根鉢の側面に添って把持できるので、根鉢を崩すことなく確実な把持ができる。
また、ナス科台木元苗をセル成形苗に仕立てていない場合に台木根支持部材16または上下方向位置決め用の部材16’を用いないで、ナス科台木苗用の元苗の子葉よりも上側の部分を接ぎ木ロボットに供給する前に図9のように予め刈り取って台木苗供給板13に供給する接ぎ木法も採用できる。ナス科植物の場合、少なくとも本葉3枚以上にならないと茎の太さが機械接ぎに適応しないが、この状態では苗が大きく、機械で搬送する際もスピードを上げられないが、図9に示すようにすると台木搬送装置18での搬送速度を早くすることができる。この方法によると、接ぎ木苗の大きさは問題なくなるので台木苗の育苗期間を長くして胚軸(茎)の太さを太くできるため機械的接合率も向上する。
【0014】
次に穂木苗搬送装置22の説明をする。
図3に示すように、穂木苗搬送装置22は穂木搬送用回転アクチュエータ51と該アクチュエータ51の下部の穂木搬送アーム支持体52が該アクチュエータ回転軸53を中心に回転自在に支持されている。穂木搬送アーム支持体52には、該支持体52に支持された穂木搬送アーム押出シリンダ55、該シリンダ55により伸縮される穂木搬送アーム56と該搬送アーム56先端には穂木胚軸把持ハンド59が設けられている。前記ハンド59は穂木搬送アーム56先端に設けられたアクチュエータ(図示せず)により穂木を把持するように開閉制御される。また、穂木搬送アーム56は押出量調整シム60により、その押し出し量が調整され、搬送アーム押出シリンダ55で押し出される。穂木搬送アーム支持体52の下部に設けられたアーム61の先端にはアクチュエータ62が設けられ、そのアクチュエータ62のエアシリンダ(図示せず)により胚軸固定ハンド64が穂木の胚軸切断時の胚軸の支持を確実にし、胚軸の切断も確実に行うことができる。
【0015】
次に本発明の台木搬送装置18と台木切断装置19を図10、図11を用いて説明する。図10は接ぎ木ロボットの正面から見た図、図11は接ぎ木ロボットの側面から見た図を示す。
台木切断装置19は接ぎ木ロボット基体の支柱26に取り付けられた平行四辺形の形のカッターブラケット43の一辺にカッター刃45を固定したものである。カッター刃45が取り付けられるカッターブラケット43の辺は鉛直方向に対して傾斜した方向に設けられている。カッターブラケット43のカッター刃45が取り付けられる辺の下半分を切り欠き状態にし(図11参照)、その奥まった部分にカッター刃45を取り付ける。
上記構成により、カッター刃45が所定位置に固定されているため、硬いナス科植物の胚軸でも、その切断位置が正確に得られ、また切断位置の調整も容易となる。また、上記構成ではカッター刃45を移動させる時間不要のため全体の処理時間を短縮できる。また、切断された胚軸の切りカスは斜め向きに配置されたカッターブラケット43上を滑り落ちるので、飛び散ることなく、切りカスの処理がし易い。
【0016】
また、カッターブラケット43を接ぎ木ロボットの基体の支柱26へ支持する際には、カッターブラケット43のカッター刃45の取付面に沿う方向にカッター刃45の位置を移動させるための機構を設けた。前記機構は鉛直方向上下二段にカッターブラケット43のカッター刃45取付面に沿う方向に長手方向を持つ長孔43aを二つ設け、この長孔43aで支柱26にカッターブラケット43をねじ止めする。この長孔43aの移動可能範囲がカッター刃45の移動可能範囲となる。こうして、切断時に一部しか使用していないカッター刃45を胚軸切断面に沿って移動させることができ、カッター刃45の全面をまんべんなく使用でき、カッター刃45を交換するまでの時間も長くできる。
また、カッターブラケット43の傾斜面はカッター刃45で切断された台木苗の切りカスの誘導路となる。そのため、切断後の切りカスは台木苗の搬送路上に落下して搬送の障害となることを防ぐことができる。
【0017】
また、本実施例では図12に示すように、台木切断装置19と穂木切断装置23のいずれも、胚軸切断用のカッター刃45を固定するカッターブラケット43を一体で構成し、そのカッターブラケット43を支柱26に上下方向への移動の調整が可能となるように、ねじ式の上下調整機構17により支柱に取り付けた。図12には接ぎ木ロボット前面から見た台木切断装置19と穂木切断装置23を示し、図13には接ぎ木ロボットの穂木側の側面から見た台木切断装置19と穂木切断装置23を示す。
台木と穂木の胚軸部分の切断位置は相互に決まっているため、上記したようにカッター刃45の固定用のカッターブラケット43等の部材を一体で構成することで台木と穂木の接合位置の精度向上が図れる。また、接合位置の調整時も台木と穂木の相互の位置を保ったまま調整できるため調整工数の節減が可能となる。
【0018】
また、図14(a)(接ぎ木ロボットの正面からみたカッター刃45部分の拡大図、)に示すように、ナス科植物の胚軸(茎)の切断時に胚軸の楕円の切断面の短径方向からカッター刃45が入るように、台木搬送装置18、穂木搬送装置22への把持を行う。これは、ナス科植物の胚軸は硬いため長径方向から切断すると鋭角部に樹皮が残りやすかったが、短径方向からの切断により皮の残りがなくなるからである。また、胚軸切断時の切断抵抗が胚軸当接面全体に均等であるため、切断面の平面度が向上する。図14(b)(胚軸の切断部分の側面図)の矢印Aの方向から胚軸(茎)を切断すると切断の進行に伴って胚軸の厚みが変化するため、切断面の平面度が悪くなり、切り終わりに皮が残りやすくなる。
【0019】
また、図15、16(図15は接ぎ木ロボットの部分正面図、図16は接ぎ木ロボットの部分側面図)に示すように台木搬送装置18の胚軸把持ハンド37に併設して胚軸の位置決め部材42を設ける構成とすることができる。これは台木胚軸が曲がっている場合には胚軸把持ハンド37だけでは正確に胚軸を把持できないため、位置規制用の位置決め部材42を設けたものである。同様に、図17、18(図17は接ぎ木ロボットの部分側面図、図18は接ぎ木ロボットの部分正面図)に示すように、穂木搬送装置22の胚軸把持ハンド59にも併設して穂木胚軸把持ハンド59の下方に胚軸の位置決め部材65を設けても良い。これはナス科穂木が胚軸把持ハンド59の上部に重心があるため、その搬送中に穂木上部が遠心力によって搬送円周の外側に倒れ、従って胚軸把持ハンド59部分の胚軸は内側に倒れてくるため、内側に倒れてくる胚軸部分の位置に位置決め部材65を設けて、穂木胚軸を搬送中に鉛直方向に穂木搬送装置22で支持するためである。
【0020】
また、図10に示すように、カッターブラケット43と接するように、台木搬送装置18の台木切断後に胚軸を固定する胚軸固定ハンド39の形状をカッター刃45が配置される斜め方向に沿う形状とした。こうして、胚軸の硬いナス科植物を切断する場合、台木搬送装置18の胚軸把持ハンド37だけでの固定が不確実であったり、カッター刃45が切れなくなってくると、胚軸切断位置がズレる問題があったが、斜め方向に切断する胚軸切断位置に沿う形で胚軸を固定することで、胚軸の切断位置の安定を図ることができる。また、セル成形苗のように根鉢が付いたまま搬送する場合、根鉢が重たく、また把持した胚軸が硬いと、搬送中に胚軸把持ハンド37から抜ける場合があったが、胚軸把持ハンド37と胚軸固定ハンド39の少なくとも二箇所で台木胚軸を把持することにより固定が確実となった。
【0021】
同様に、図17、18に示すように、穂木搬送装置22にも胚軸把持ハンド59の下側に胚軸固定ハンド64を設け、その下面形状も穂木切断後にカッターブラケット43と接するように、カッター刃45が配置される斜め方向に沿う形状とした。これはナス科植物の場合、根から第一本葉までの切断する部分の長さが短く、かつ、接ぎ木時には本葉が3〜4枚と上部が重いため、切断時苗の位置決めが不安定になりやすいため、カッター刃45の軌跡に沿う形で胚軸を固定するためである。また、台木の場合と同様に、ナス科植物の穂木胚軸が硬いため、固定が不確実であったりカッター刃45が切れなくなると切断位置がズレてくるので胚軸を確実に固定することが可能となる。
【0022】
次にクリップ供給装置とクリップ接合装置について図19に示す。
図1に示すようにクリップ供給装置のクリップフィーダ部1はクリップボウル7の内面に沿って螺旋状の上昇路を持つ振動型のパーツフィーダ(振動システムNB−300:(株)モートロン)にクリップ123(図19参照)の取手部123aの両端部をガイドする溝を形成した振動トラフからなるクリップガイドレール9を接続して、そのガイドレール9の先端は接ぎ木部2に臨むクリップ掛け装置124が接続している。
図19にはクリップガイドレール9に接続するクリッブ掛け装置124(=クリップ接合装置25)の要部上面図を示す。
図19に示すように、このガイドレール9の先端は接ぎ木部2の台木と穂木の接合部6(図1参照)の直前で前記クリップ123の取手部123aの両端部のガイド間隔を狭め、クリップ123の把持部123bを開放するための狭窄ガイドレール125が接続している。ここで把持部123bを開放した状態で前進したクリップ123(図19(a))が台木と穂木の接合位置に来ると、クリップ開閉具126がクリップ123の取手部123aの付勢を開放する方向に移動して(図19(b))、把持部123bにより台木と穂木を接合状態に保つ。
また、本実施例の接ぎ木ロボットの作動シーケンスは図20に開示したとおりであり、本発明の接ぎ木ロボットの台木部3および穂木部5の各装置の作動タイムチャートについては、図21および図22に開示したとおりである。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、カッター刃が接ぎ木ロボット基体に固定されているため、ナス科植物の胚軸の切断位置が正確に得られ、また切断位置の調整も容易となる。 また切断時に一部しか使用していないカッター刃を胚軸切断面に沿って移動させることができ、カッター刃の全面をまんべんなく使用でき、カッター刃を交換するまでの時間も長くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの上面図。
【図2】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの接ぎ木部の上面図。
【図3】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの接ぎ木部の前面図。
【図4】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの接ぎ木部の側面図。
【図5】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木把持部を中心として台木苗供給装置と台木搬送装置の一部側面図(図5(a))、根鉢把持ハンド先端が閉じた状態の平面図(図5(b))、根鉢把持ハンド先端が開いた状態の平面図(図5(c))。
【図6】図5の円A内の台木胚軸把持面の斜視図。
【図7】図5の矢印B方向から見た矢視図。
【図8】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木把持部を中心として台木苗供給装置に台木根鉢の上面に上下方向位置決め用の部材を設けた図。
【図9】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットのナス科台木苗用の元苗の子葉よりも上側の部分を予め刈り取って台木苗供給板に供給することを説明する図。
【図10】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木切断装置と搬送装置近傍の側面図。
【図11】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木切断装置と搬送装置近傍の正面図。
【図12】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木切断装置と穂木切断装置の正面図。
【図13】図12の切断装置をロボット側面から見た図。
【図14】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの切断装置で胚軸を切断する状態を説明する図。
【図15】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木搬送装置近傍の正面図。
【図16】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木の搬送装置と切断装置近傍の側面図。
【図17】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの穂木の搬送装置と切断装置近傍の側面図。
【図18】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの穂木の搬送装置と切断装置近傍の正面図。
【図19】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットのクリップ掛け装置の上面図。
【図20】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの作動シーケンスを示す図。
【図21】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの台木部のタイムチャートを示す図。
【図22】本発明の一実施例の接ぎ木ロボットの穂木部のタイムチャートを示す図。
【符号の説明】
1…クリップフィーダ部、2…接木部、3…台木部、5…穂木部、
6…接合部、9…クリップガイドレール、13…台木苗供給板、
14…穂木苗供給板、15…天板、16…台木根支持部材、
16’…上下方向位置決め用の部材、17…台木苗供給装置、
18…台木搬送装置、19…台木切断装置、22…穂木搬送装置、
23…穂木切断装置、25…クリップ接合装置、37…台木胚軸把持ハンド、
38…台木根鉢把持ハンド、39…台木胚軸固定ハンド、
42…位置決め部材、43…カッターブラケット、45…カッター刃、
59…穂木胚軸把持ハンド、64…穂木胚軸固定ハンド、65…位置決め部材
Claims (1)
- 台木苗供給装置に配置される台木苗および穂木苗供給装置に配置される穂木苗を各々の苗の搬送装置で、各々の切断位置まで搬送し、それぞれ切断した台木苗と穂木苗をさらに各々の搬送装置で接合位置まで搬送して接合するナス科接ぎ木ロボットにおいて、台木苗切断装置および穂木苗切断装置の各々のカッター刃を台木苗搬送装置および穂木苗搬送装置による各苗の搬送軌跡上の所定位置に位置させて、且つブラケットを介して接ぎ木ロボットの基体部分に固定し、前記ブラケットの前記基体部分への支持部に、カッター刃の取付面に沿う方向にカッター刃の位置を移動させる機構を設けたことを特徴とするナス科接ぎ木ロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24132494A JP3598541B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | ナス科接ぎ木ロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24132494A JP3598541B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | ナス科接ぎ木ロボット |
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1994
- 1994-10-05 JP JP24132494A patent/JP3598541B2/ja not_active Expired - Fee Related
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