JPH09248061A - 接木ピンを用いた自動接木方法と装置 - Google Patents

接木ピンを用いた自動接木方法と装置

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JPH09248061A
JPH09248061A JP8087259A JP8725996A JPH09248061A JP H09248061 A JPH09248061 A JP H09248061A JP 8087259 A JP8087259 A JP 8087259A JP 8725996 A JP8725996 A JP 8725996A JP H09248061 A JPH09248061 A JP H09248061A
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JP
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cotyledon
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Application number
JP8087259A
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English (en)
Inventor
Tomio Furusawa
富夫 古沢
Tadahiro Iida
忠広 飯田
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Daiichi Seramo Kk
Takii Shubyo KK
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Seramo Kk
Takii Shubyo KK
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接木ピンによる接木方法を自動化して茎径に差
がある台木と穂木を高い活着率で接木できるようにし、
また、自動化装置のメンテナンスを容易化する。 【解決手段】子葉部を切除した台木に、穂木から切離し
た子葉部を接木する方法であって、台木作業位置に位置
決めされた台木を把持する工程と、把持された台木の子
葉部を把持部位より下方で切断する工程と、切断された
台木の子葉部を排出位置まで移動させて排出する工程
と、接木ピンを把持し、子葉部を切除した台木の上方ま
で移動させて位置決めする工程と、接木ピンの一部を子
葉部を切除した台木の切断面に挿込む工程と、穂木作業
位置に位置決めされた穂木を把持する工程と、把持され
た穂木の子葉部を把持部位より下方で切断する工程と、
切断された穂木の子葉部を台木の上方まで移動させて位
置決めする工程と、穂木の子葉部切断面を台木の切断面
に接合させるとともに、台木切断面から突出している接
木ピンを穂木の子葉部切断面に挿込ませる工程を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、子葉部を切断して
取り除いた台木に、根部を切断して取り除いた穂木を自
動的に接木する方法と装置に関し、より詳しくは、接木
ピンによって台木と穂木を接木する接木ピンを用いた自
動接木方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における野菜,果樹等の生産にあっ
ては、冷害,病害虫等に対する抵抗力を強めると同時
に、味の向上及び生産量の増大を図るため、これら優れ
た性質を個々に備えた品種のものを接木する技術が採用
されている。従来採用されている接木技術としては、第
一に、クリップあるいはチューブを用いて台木と穂木の
外周を把持して接木する特開平2−190118号にお
けるような方法、第二に、接着剤を用いて台木と穂木を
直接接木する方法、第三に、接木ピンによって台木と穂
木の切断面を接合させて接木する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の接木方法には、次のような解決すべき課題があっ
た。すなわち、クリップあるいはチューブを用いた第一
の接木方法は、台木と穂木の茎径に差があると、小径側
の木の固定が不完全となり、穂木の切断面が台木の切断
面にしっかりと接合しなくなる。このため、台木と穂木
の茎径に差がある場合に適用すると活着率が非常に悪く
なる。さらに、クリップあるいはチューブを用いて接木
する方法にあっては、台木と穂木が活着した後に、木の
成長を妨げないようにするためクリップあるいはチュー
ブを取り除かなければならない。このため、クリップあ
るいはチューブの取り外し作業が必要となる。
【0004】また、接着剤を用いた第二の接木方法は、
接木作業を自動化した場合における接着剤の温度、濃度
管理が難しく、さらに接木作業終了後における接木装置
のメンテナンスに手数を要するという問題がある。
【0005】また、接木ピンを用いた第三の接木方法
は、上記した第一及び第二の接木方法が有する問題はな
いものの、細い接木ピンを、軟弱かつ小径の台木に挿込
み、この接木ピンにさらに軟弱かつ小径の穂木を挿込ま
なければならないため、これら一連の作業を自動化する
ことが難しかった。
【0006】本発明は、上記の事情にかんがみてなされ
たものであり、接木ピンを用いた接木方法を自動化する
ことにより、台木と穂木の茎径に差があっても高い活着
率で接木が可能であり、また、自動化装置のメンテナン
スが容易な自動接木方法とその装置の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、子葉部を切除した台木に穂木から切離した子葉部を
接木する本発明の請求項1記載の自動接木方法は、次の
(a)〜(i)の工程を有するようにしてある。 (a)台木作業位置に位置決めされた台木を把持する工
程。 (b)把持された台木の子葉部を把持部位より下方で切
断する工程。 (c)切断された台木の子葉部を排出位置まで移動させ
て排出する工程。 (d)接木ピンを把持し、子葉部を切除した台木の上方
まで移動させて位置決めする工程。 (e)接木ピンの一部を子葉部を切除した台木の切断面
に挿込む工程。 (f)穂木作業位置に位置決めされた穂木を把持する工
程。 (g)把持された穂木の子葉部を把持部位より下方で切
断する工程。 (h)切断された穂木の子葉部を台木の上方まで移動さ
せて位置決めする工程。 (i)穂木の子葉部切断面を台木の切断面に接合させる
とともに、台木切断面から突出している接木ピンを穂木
の子葉部切断面に挿込ませる工程。
【0008】また、子葉部を切除した台木に穂木から切
離した子葉部を接木する本発明の請求項2記載の自動接
木方法は、次の(a)〜(k)の工程を有するようにし
てある。 (a)搬送されてきた台木を、台木作業位置に位置決め
する台木位置決め工程。 (b)台木作業位置に位置決めされた台木を把持する工
程。 (c)把持された台木の子葉部を把持部位より下方で切
断する工程。 (d)切断された台木の子葉部を排出位置まで移動させ
て排出する工程。 (e)接木ピンを把持し、子葉部を切除した台木の上方
まで移動させて位置決めする工程。 (f)接木ピンの一部を子葉部を切除した台木の切断面
に挿し込む工程。 (g)搬送されてきた穂木を、穂木作業位置に位置決め
する穂木位置決め工程。 (h)穂木作業位置に位置決めされた穂木を把持する工
程。 (i)把持された穂木の子葉部を把持部位より下方で切
断する工程。 (j)切断された穂木の子葉部を台木の上方まで移動さ
せて位置決めする工程。 (k)穂木の子葉部切断面を台木の切断面に接合させる
とともに、台木切断面から突出している接木ピンを穂木
の子葉部切断面に挿込ませる工程。
【0009】また、請求項3記載の発明は、前記台木及
び/又は穂木の位置決め工程が、位置決め手段によって
台木及び/又は穂木の根元部分をルーズに支承し、その
後、前記位置決め手段を上昇させて台木及び/又は穂木
の茎の曲がりを矯正してから、茎の切断部位の下部を挟
持して行なうようにしてある。
【0010】上記目的を達成するため、子葉部を切除し
た台木に、穂木から切離した子葉部を接木する請求項4
記載の自動接木装置は、台木を台木作業位置に位置決め
する台木位置決め手段と、穂木を穂木作業位置に位置決
めする穂木位置決め手段と、台木の子葉部を把持すると
ともに、台木作業位置と台木子葉部排出位置との間を移
動する台木子葉部移送手段と、穂木の子葉部を把持する
とともに、穂木作業位置と台木作業位置との間を移動す
る穂木子葉部移送手段と、台木子葉部把持手段の下部に
位置する台木切断手段と、穂木子葉部把持手段の下部に
位置する穂木切断手段と、接木ピンを供給する接木ピン
供給手段と、接木ピンを把持するとともに、接木ピン供
給手段と台木作業位置との間を移動する接木ピン移送手
段とを具備した構成としてある。
【0011】また、必要に応じて、前記台木子葉部移送
手段と穂木子葉部移送手段を同一の移送手段で兼用した
構成としてあり、さらに、必要に応じ、前記台木を、台
木作業位置まで搬送するとともに、作業終了後台木作業
位置から搬出する台木葉搬送手段と、前記穂木を、穂木
作業位置まで搬送するとともに、作業終了後穂木作業位
置から搬出する穂木用搬送手段とを併設した構成として
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。まず、自動接木装置の一実
施形態について説明する。図1は一実施形態装置の概略
正面図、図2は同じく概略平面図である。
【0013】これら図面に示すように、この実施形態に
係る接木ピンを用いた自動接木装置は、主に、台木及び
穂木の搬送手段(コンベア)110及び120と、台木
及び穂木をそれぞれの作業位置に位置決めする位置決め
手段210及び220と、台木及び穂木の子葉部をそれ
ぞれ切断する切断手段310及び320(図1及び図2
には図示せず)と、台木及び穂木の子葉部を交互に把持
するとともに所定位置まで搬送する台木・穂木子葉部移
送手段400と、台木子葉部排出手段500と、接木ピ
ン供給手段600と、接木ピン供給手段600から接木
ピンを取り出して台木に挿込む接木ピン移送手段700
等からなっている。
【0014】
【台木及び穂木の搬送手段】台木及び穂木を作業位置へ
搬送する搬送手段について図1,2及び3図を参照して
説明する。ここで、図3は台木搬送コンベア110の一
部省略側面図である。なお、穂木搬送コンベア120は
台木搬送コンベア110と同一構造となっているので、
具体的構造については省略する。台木搬送コンベア11
0と穂木搬送コンベア120は平行に並べて配置してあ
り、それぞれ台木トレイ10と穂木トレイ20を、作業
領域までは連続的に搬送し、作業領域では間欠的に搬送
する。台木トレイ10と穂木トレイ20には、それぞれ
台木と穂木を一株ごと植え付けてあるポット11及び1
2が、たとえば10行20列のマトリックス状に連結し
て配設してある。台木搬送コンベア110と穂木搬送コ
ンベア120は、マトリックス状に連結配設してあるポ
ット11,12の一行ずつを、それぞれ台木作業位置と
穂木作業位置まで搬送し、作業終了後搬出する。
【0015】ここで、台木作業位置とは、あとで詳述す
る、台木子葉部の切断、台木への接木ピンの挿込み及び
穂木子葉部の接合等を行なう位置をいい、また穂木作業
位置とは、あとで詳述する穂木子葉部の切断等を行なう
位置をいう。この台木作業位置と穂木作業位置は、台木
搬送コンベア110と穂木搬送コンベア120を直交し
て横切る同一線上に形成してある。
【0016】台木搬送コンベア110は、図示しない制
御部からの指令にもとづいて駆動する図3に示す駆動モ
ータ111を有しており、マトリックス状に連結配設し
てあるポット11の行ピッチごとに間欠移動する。な
お、本実施形態装置にあっては、台木搬送コンベア11
0と穂木搬送コンベア120はそれぞれ反対方向に移動
するようになっている。
【0017】台木搬送コンベア110は、中央下部にジ
ャッキ式の上下動調整部材112、前後端側にクランプ
部材113(一端側クランプ部材のみ図示)を設け、こ
れらを介して装置の基台1に上下動可能に取り付けてあ
る。したがって、台木搬送コンベア110はクランプ部
材113のクランプを解除し上下動調整部材112を調
整することによって任意の高さとすることができる。
【0018】
【台木及び穂木の位置決め手段】作業位置へ搬送されて
きた台木及び穂木を一定の位置に位置決めする手段につ
いて、図1,図4,図5及び図6を参照して説明する。
図4は位置決め手段の正面図、図5は同じく平面図、図
6は同位置決め手段のアーム部の作動説明図である。な
お、台木位置決め手段210と穂木位置決め手段220
は、同じ構成となっており、配置状態だけが逆になって
いる。すなわち、台木位置決め手段210及び穂木位置
決め手段220は、台木作業位置及び穂木作業位置へ、
それぞれ台木搬送コンベア110と穂木搬送コンベア1
20の対向する側部から突出するように配置されてい
る。したがって、穂木位置決め手段220の具体的構造
の説明は省略する。
【0019】装置基台1上における台木作業位置のほぼ
真下となる位置から台木搬送コンベア110の側方にわ
たってガイドレール211が設けてあり、このガイドレ
ール211に沿って台木位置決め手段210は作業位置
まで移動する。台木位置決め手段210は、シリンダ2
11aによってガイドレール211上を移動するベース
212と、このベース212に立設された縦ガイドレー
ル213と、シリンダ213a及び引張りスプリング2
13bによって縦ガイドレール213に沿って上下動す
るアーム支持体214と、このアーム支持体214に、
ガイドレール211と同方向に支持された一対のアーム
体215,216と、この一対のアーム体215,21
6を開閉させる第一アームシリンダ217a及びこの第
一アームシリンダ217aの移動量を制御する第二アー
ムシリンダ217bとからなっている。
【0020】そして、この一対のアーム体215,21
6は、それぞれ対向する側にほぼV字形のポケット21
5a,216aが形成してある。このポケット215
a,216aは、台木トレイ10に収納されている台木
ポット11の一行中のポット数と同じであり、その間隔
も一行中のポットとポットの間隔と同じになっている。
また、一対のアーム体215,216の縦断面形状は、
図6に示すように、一側のアーム体215は二本爪にな
っており、他側のアーム体216は一側アーム体215
の二本爪が空間に係入する三本爪となっている。このよ
うな構成からなる台木及び穂木の位置決め手段210,
220によって台木及び穂木がそれぞれの作業位置に位
置決めされる。
【0021】
【台木及び穂木の切断手段】位置決め手段210及び穂
木位置決め手段220によって位置決めされた台木及び
穂木の子葉部を切断する手段について、図5及び図6を
参照して説明する。図5及び図6は、切断手段の平面図
及び拡大断面図でもある。なお、この切断手段も、台木
用と穂木用は同じ構造となっているので、穂木用の切断
手段については、説明を省略する。これら図面に示すよ
うに台木切断手段310は、対をなす二本のアーム体2
15,216のうちの一方のアーム体215の上面に配
置されている。
【0022】台木切断手段310は、具体的には、アー
ム体215の上面長手方向に形成した溝311と、この
溝311に下半部が摺動自在に係合するカッタ支持杆3
12と、このカッタ支持杆312に、アーム体215の
各ポケット215aと対向した状態で着脱自在に挟着さ
れた複数のカッタ313と、カッタ支持杆312の一端
部と連結し該カッタ支持杆312を溝311内において
往復動させるシリンダ314とで構成してある。したが
って、シリンダ314が作動するとカッタ313が往復
動して、カッタ313の刃部がポケット216a上を通
過し、ポケット215a,216aに挟まれている台木
を切断する。
【0023】
【子葉部移送手段】本実施形態の装置では、台木子葉部
移送手段と穂木子葉部移送手段を一体化(兼用)した構
成としてある。したがって、台木又は穂木を把持すると
ともに、切断された台木子葉部を排出位置まで移送し、
切断された穂木子葉部を台木作業位置まで移送する子葉
部移送手段について、図1,図2及び図7〜図9を参照
して説明する。図7は子葉部移送手段の正面図、図8は
同じく右側面拡大図、図9はチャック部の平面一部拡大
図である。
【0024】子葉部移送手段400は、具体的には次の
ような構成となっている。すなわち、台木作業位置と穂
木作業位置において台木搬送コンベア110と穂木搬送
コンベア120を跨ぐように(図1に示すように)、装
置基台1上に立設された門型のコラム401と、このコ
ラム401に設けられたガイド402に沿い、シリンダ
402aによって台木及び穂木の作業位置の上方を水平
方向に移動する側断面L字状の移動台403と、この移
動台403の下部水平部に、ガイド軸404に沿いシリ
ンダ404aによって上下動可能に設けられた移送ヘッ
ド支持台405を有している。
【0025】また、子葉部移送手段400は、移送ヘッ
ド支持台405に架設され回動アクチェータ406aに
よって揺動する揺動軸406と、この揺動軸406に上
端を固着された状態で垂設されたヘッド枠体407と、
このヘッド枠体407の下部に架設されたチャック支持
板408と、このチャック支持板408に開閉自在に取
り付けられた多数の子葉部チャック409を有してい
る。
【0026】そして、この多数の子葉部チャック409
は、台木トレイ10に収納されている台木ポット11の
一行中のポット数と同じであり、その間隔も一行中のポ
ットとポットの間隔と同じとなっている。この子葉部チ
ャック409は、図9に示すように、L字状をした二つ
のチャック部材409a,409aを対向して配置する
とともに、二つのチャック部材409a,409aの折
曲部をチャック支持板408に軸409c,409cで
揺動自在に取り付けてある。これら二つのチャック部材
409a,409aは先端に子葉部を把持する爪部40
9b,409bを有している。
【0027】また、二つのL字状をしたチャック部材の
うちの一方のチャック部材409aは、縦部を折曲部よ
り下方に延設して突杆409dを形成するとともに、横
部の先端にピン409eを突設してある。これと対向す
る他方のチャック部材409aは横部の先端にピン40
9eの係合する凹部409fが形成してあり、二つのチ
ャック部材409a,409aは、これらピン409e
と凹部409fが連関することによって開閉する。
【0028】さらに、チャック支持板408の長手方向
には溝410が設けてあり、この溝410にはチャック
開閉杆411が往復動自在に係入してある。チャック開
閉杆411は、各子葉部チャック409の一方のチャッ
ク部材409aに延設した突杆409dと交差するよう
に配置してあり、かつ、チャック開閉杆411の突杆4
09dと近接する位置には操作ピン412が突設してあ
る。また、チャック開閉杆411と突杆409dの間に
は、チャック部409aの突杆409dを操作ピン41
2側に引張るスプリング413が張設してあり、子葉部
チャック409の爪部409b,409bを閉じる方向
に付勢している。
【0029】チャック開閉杆411の一端には、ヘッド
枠体407に固定されたシリンダ414と連結するレバ
ー415が枢着してある。したがって、シリンダ414
が作動し、スプリング413の引張り力に抗してチャッ
ク開閉杆411を図9において左側に移動させると操作
ピン412が突杆409dを押して子葉部チャック40
9の爪部409b,409bを開かせる。
【0030】なお、この子葉部チャック409の爪部4
09b,409bは、図示してないが、一方が二本爪と
なっており、他方が二本爪となっている。なお、位置決
め手段210のポケット215a,216aと同様に、
一方を二本爪とし、他方を三本爪とすることもできる。
【0031】
【台木子葉部排出手段】台木から切除した子葉部を排出
する手段について図2と図10及び図11を参照して説
明する。図10は排出手段の側面図、図11は同じく平
面図である。台木子葉部排出手段500は、図2に示す
ように、穂木搬送コンベア120を跨いだ状態で、か
つ、子葉部移送手段400の子葉部チャック409の揺
動軌跡近傍に位置するよう設けられている。この台木子
葉部排出手段500は、上部の穂木搬送コンベア120
と直交する方向に台木子葉部の受皿501を設けるとと
もに、各子葉部チャック409と同数かつ同間隔で、子
葉部チャック409が揺動したときにこの子葉部チャッ
ク409と接触するブラシ502が取り付けてある。子
葉部チャック409に把持されている台木子葉部は受皿
501上に排出される。
【0032】
【接木ピン供給手段】接木ピンの供給手段について、図
1,図2,図12及び図13を参照して説明する。図1
2は接木ピン供給手段の側面図、図13は図12の一部
拡大断面図である。接木ピン供給手段600は、台木搬
送コンベア110の側方であって、子葉部移送手段40
0のコラム11の下方近傍に配置されている。この接木
ピン供給手段600は、装置基台1に図1に示す支柱6
01を介して水平に設けた支持板602と、この支持板
602の両端に立設したガイド軸603と、このガイド
軸603にガイドされ、図12に示すシリンダ603a
及びスプリング603bによって上下動するベース60
4と、このベース604上にコラム401と直交する方
向(台木及び穂木搬送コンベア110,120と平行)
に設けたレール605と、このレール605に沿ってシ
リンダ605aにより移動する移動台606と、この移
動台606の先端に固定されたチャック支持部材607
と、このチャック支持部材607に、子葉部移送手段4
00の子葉部チャック409と同数かつ同間隔で設けた
中間チャック608を有している。
【0033】また、接木ピン供給手段600は、ガイド
軸603の上端に架設したホルダ支持部材609に、中
間チャック608と同数かつ同間隔に配設され下端が中
間チャック608とそれぞれ対向する接木ピンホルダ6
10を有している。この接木ピンホルダ610は、図示
しない振動手段によって振動させられ、内部に収納して
いる多数の接木ピンを、振動により一本ずつそのノズル
穴610aから中間チャック608に供給する。
【0034】一方、中間チャック608は、図13に示
すように、接木ピンを保持するチャック穴608aと、
接木ピンホルダ610と接触したときにチャック穴60
8aとノズル穴610aの位置を一致させるための位置
決め凹部608bを有している。また、中間チャック6
08は、真空チャックとなっており、接木ピンホルダ6
10から供給された接木ピンをチャック穴608aに確
実に保持する。接木ピンホルダ610から接木ピンの供
給を受けた中間チャック608は、シリンダ605aに
よってコラム401の下方まで移動し接木ピン供給位置
に位置決めされる。
【0035】
【接木ピン移送手段】接木ピンを、接木ピン供給手段か
ら取り出し子葉部を切断した台木に挿込む接木ピン移送
手段について、図1及び図14を参照して説明する。図
14はピンチャックの要部拡大断面図である。接木ピン
移送手段700は、図1に示すように、コラム401に
設けられたガイド402に沿って台木作業位置と接木ピ
ン供給位置の上方を水平方向に移動する側断面L字状の
移動台701と、この移動台701と子葉部移送手段4
00の移動台403を連結し、子葉部移送手段400の
移動台403とともに接木ピン移送手段700の移動台
701を移動させる連結杆702と、L字状の移動台7
01の下部水平部にガイド軸703に沿いシリンダ70
3aによって上下動可能に設けられた供給ヘッド支持台
704を有している。
【0036】また、接木ピン移送手段700は、供給ヘ
ッド支持台704に、接木ピン供給手段600の中間チ
ャック608と同数かつ同間隔に配設されたピンチャッ
ク705を有している。ピンチャック705は、中間チ
ャック608と同様チャック穴705aを有し、かつ、
真空チャックとなっている。
【0037】次に、このような構成からなる自動接木装
置を用いた接木方法の実施形態について説明する。この
実施形態にかかる自動接木方法は、台木及び穂木の搬送
工程、台木及び穂木の位置決め工程、台木の把持工程、
台木子葉部の切断工程、台木子葉部の移送・排出工程、
穂木の把持工程、穂木子葉部の切断工程、接木ピンの供
給工程、接木ピンの移送工程、接木ピンの挿込み工程、
穂木子葉部の移送工程及び接合工程等からなっている。
【0038】
【台木及び穂木の搬送工程】台木を一株ずつ植付けてあ
る多数のポット11をマトリックス状に連結配設してあ
る台木トレイ10を、台木搬送コンベア110によって
台木作業位置まで搬送する。そして、台木作業位置へ最
初の一行目のポット11が位置すると、台木搬送コンベ
ア110の動作を止め最初の一行目のポット11、すな
わちこれらポットに植付けてある台木を台木作業位置へ
停止させる。その後、接木作業の進行にしたがって、二
行目以降のポット11も同様にして順次台木作業位置へ
停止させる。穂木の搬送も上記台木の搬送と同様に行な
う。すなわち、穂木を一株ずつ植付けてある多数のポッ
ト12をマトリックス状に連結配設してある穂木トレイ
20を、穂木搬送コンベア120によって穂木作業位置
まで搬送し停止させる。
【0039】ロットによって、台木及び/又は穂木の種
類あるいは成育状態が異なり、台木及び/又は穂木の高
さが異なる場合は、図3に示す、搬送コンベア110の
クランプ部材113を解除し、その後、上下動調整部材
112を操作させて、搬送コンベア110の上下方向の
位置を調整し、台木及び/又は穂木の種類あるいは成育
状態に合った高さとする。調整後、クランプ部材113
を再度クランプして搬送コンベア110が上下方向に動
かないようにする。
【0040】
【台木及び穂木の位置決め工程】台木及び穂木が、それ
ぞれ台木作業位置及び穂木作業位置に停止すると、台木
搬送コンベア110及び穂木搬送コンベア120の側方
から台木及び穂木の位置決め手段210,220が、台
木及び穂木の作業位置に進出してくる。なお、前記した
ように、台木位置決め手段210と穂木位置決め手段2
20の構成は同じであり、その作用も同じであるので、
ここでは、台木の位置決め工程についてのみ説明する。
【0041】台木が台木作業位置に停止すると、シリン
ダ211aが作動してベース212をガイドレール21
1に沿って待機位置からコンベア側へ移動させる。これ
により、ベース212にアーム支持体214を介して取
り付けられているアーム体215,216もコンベア
側、すなわち台木作業位置まで移動する。
【0042】このとき、第一アームシリンダ217aの
作動によってアーム体215,216は開いた状態にあ
る。また、シリンダ213aは作動しておらず、アーム
支持体214は引張りスプリング213によって下方へ
引張られており、アーム体215,216は下降状態と
なっている。したがって、台木作業位置まで移動したア
ーム体215,216は、台木と干渉することなく、か
つ、台木の根元付近の高さに位置することになる。
【0043】アーム体215,216が台木作業位置ま
で移動すると第二アームシリンダ217bがピストンロ
ッドを押出す方向に作動して第一アームシリンダ217
aのストッパとして機能するとともに、第一アームシリ
ンダ217aがピストンロッドを引込む方向に作動す
る。これにより、第一アームシリンダのピストンロッド
は途中まで引き込まれた状態となり、アーム体215,
216も最後まで閉じることなく中間まで閉じた状態に
なるので、両アーム体215,216のポケット215
a,216aで形成される空間は、台木をルーズに支承
する広さとなっている。
【0044】このように、ポケット215a,216a
で、まず台木の根元部分を支承するのは、茎が曲がって
いるものであっても、根元付近の曲がりは小さく、台木
をポケット内215a,216aに確実に把持できるか
らである。
【0045】アーム体215,216が中間まで閉じる
と、シリンダ213aが作動しピストンロッドを引張り
スプリング213bに抗して上方へ移動させる。これに
より、アーム体215,216もポケット215a,2
16aで台木を支承した状態で上昇する。このアーム体
215,216の上昇にともない曲っていた茎も真直ぐ
に矯正される。
【0046】アーム体215,216が上昇すると、第
二アームシリンダ217bのピストンロッドが引込む方
向に作動し、これにともない第一アームシリンダ217
aのピストンロッドは最後まで引込まれた状態となる。
これにより、アーム体215,216は最後まで閉じた
状態となってポケット215a,216aによって台木
を挟持する。このようにして、台木が台木作業位置に位
置決めされる。
【0047】なお、茎の太さは台木の種類あるいは成育
状態によって異なるので、アーム体215,216を最
後まで閉じた状態においても、一定範囲の太さの茎であ
れば、茎を傷つけたり茎の挟持が緩くなったりしないよ
うにすることが好ましい。そこで、本装置においては、
アーム体215,216が最後まで閉じたときにもポケ
ット215a,216aで形成される空間をやや広くし
ておくとともに、アーム体215のポケット215a
に、アーム体215,216が最後まで閉じたときに膨
らむ弾性体チューブ(図6参照)を設けてある。弾性体
としては、膨縮する弾性体チューブのほかゴム,スポン
ジ等を用いることも勿論可能であり、また片側のポケッ
トだけでなく両ポケット215a,216aに設けるこ
とも可能である。
【0048】
【台木の把持工程】台木が作業位置へ位置決めされる
と、図1に示す移動台403に、移送ヘッド支持台40
5を介して揺動可能に設けられているヘッド枠体407
が回動アクチェータ406aによって待機位置から作業
位置(図8の第二鎖線の位置から実線の位置)へ揺動す
る。なお、移動台403は、台木の位置決め工程時に、
シリンダ402aによってあらかじめコラム1のガイド
402に沿って移動され、台木作業位置上方に停止して
いる。
【0049】ヘッド枠体407の揺動により、チャック
支持板408に設けられている子葉部チャック409が
台木作業位置へ移動してくる。このとき、シリンダ41
4はピストンロッドを引込んだ状態にあり、したがって
レバー415を介してチャック開閉杆411を図9にお
いて左方向に移動させた状態となっている。これによ
り、チャック開閉杆411に突設してある操作ピン41
2が、スプリング413の引張り力に抗してチャック部
材409aの突杆409dを図9において左側に押動し
ており、子葉部チャック409の爪409b,409b
は開いた状態となっている(図9の実線の状態)。
【0050】したがって、台木作業位置へ移動してきた
子葉部チャック409の両爪部409b,409bは、
アーム体215,216によって位置決めされた台木
の、アーム体215,216よりやや上方の両側に位置
する。子葉部チャック409が台木作業位置まで移動し
てくると、シリンダ414がピストンロッドを押出しチ
ャック開閉杆411及び操作ピン412を図9において
右方向に移動させる。
【0051】操作ピン412の移動によりチャック部材
409aの突杆409dがスプリング413によって図
9において右側に引張られると、子葉部チャック409
の爪部409b,409bは閉じ台木の茎を把持する。
これにより、台木は、アーム体215,216のポケッ
ト215a,216aと子葉部チャック409の爪部4
09b,409bによって茎の二点がしっかりと支持さ
れる。
【0052】
【台木子葉部の切断工程】子葉部チャック409の爪部
409bが閉じると、アーム体215の上部に載置され
ているシリンダ314がピストンロッドを押出した状態
から往復動して、カッタ313を支持するカッタ支持杆
312を溝311内で往復動させる。これにより、カッ
タ313も往復動して台木の茎をアーム体215,21
6と子葉部チャック409の間(アーム体215,21
6の上部)で切断する。
【0053】
【台木子葉部の移送・排出工程】カッタ313が往復動
すると、シリンダ404aが作動してヘッド枠体40
7,チャック支持板408,子葉部チャック409等を
上昇させる(図8の状態)。この上昇動作と同時もしく
はその後に、シリンダ402aが作動して移動台403
をガイド402に沿って穂木作業位置の上方まで移動さ
せる。また、ヘッド枠体407は回動アクチェータ40
6aによって上方へ揺動する。このようにして子葉部チ
ャック409が穂木作業位置の上方まで移動するとヘッ
ド枠体407,チャック支持体408,子葉部チャック
409等を再度下降し、次いでヘッド枠体407が下方
へ揺動する。
【0054】ヘッド枠体407の下方への揺動ととも
に、シリンダ414がピストンロッドを引込む方向に作
動して子葉部のチャック409のチャック部材409
a,409aを開く。これにより、子葉部チャック40
9が下方へ揺動するときに台木子葉部排出手段500の
ブラシ502と衝突し、このとき子葉部チャック409
で把持していた台木の子葉部と、子葉部チャック409
に付着している土等をかき落す。このようにしてかき落
された台木の子葉部と土等は受皿501に落下する。
【0055】
【穂木の把持工程】台木の子葉部を排出して下方まで揺
動してきた子葉部チャック409は、穂木作業位置にお
いて穂木位置決め手段220によって位置決めされてい
る穂木を把持する。このときの穂木の把持は、台木の把
持工程と同様にして行なわれる。
【0056】
【穂木子葉部の切断工程】また、その後における穂木子
葉部の切断工程も、台木子葉部の切断工程と同様に行な
われる。そして、穂木の子葉部が切断されると、子葉部
移送手段400はシリンダ404aを作動させてチャッ
ク支持板408,子葉部チャック409等を上昇させ、
かつ、シリンダ402aを作動させて移動台403を台
木作業位置の上方まで移動させる。
【0057】
【接木ピンの供給工程】一方、接木ピン供給手段600
においては、台木及び穂木の位置決めが行なわれている
間に接木ピンホルダ610から中間チャック608に接
木ピンの供給が行なわれる。すなわち、シリンダ603
aのピストンロッドが押出され、支持板602をガイド
軸603に沿って上昇させ、中間チャック608を接木
ピンホルダ610に係合させる。このとき、位置決め凹
部608bにより、中間チャック608のチャック穴6
08aは接木ピンホルダ610のノズル穴610aと確
実に一致する。接木ピンホルダ610から供給された接
木ピンは、中間チャック608において吸引保持され
る。
【0058】中間チャック608に接木ピンが供給され
ると、シリンダ603aのピストンロッドが引込まれス
プリング603bによって支持板602が下降し、中間
チャック608を接木ピンホルダ610から離す。中間
チャック608が接木ピンホルダ610から離れると、
シリンダ605aがピストンロッドを押出してチャック
支持部材607すなわち中間チャック608をレール6
05に沿ってコラムの下方(台木及び穂木の作業位置を
通る線の延長線上)まで前進させる。これにより、中間
チャック608は接木ピン供給位置に位置決めされ待機
した状態となる。
【0059】
【接木ピン移送工程】また、前記したように、子葉部移
送手段400の移動台403が子葉部把持のためコラム
401のガイド402に沿って台木作業位置の上方まで
移動すると、移動台403と連結杆702で連結されて
いる接木ピン移送手段700の移動台701も、中間チ
ャック608の待機している接木ピン供給装置の上方ま
で移動する。
【0060】このようにして接木ピン供給位置の上方に
移動台701が移動してくると、ガイド軸703に沿い
シリンダ703aによって供給ヘッド支持台704が下
降しててき中間チャック608のチャック穴608aに
保持されている。接木ピンをピンチャック705のチャ
ック穴705aに吸い込む。このとき、中間チャック6
08は接木ピンの吸引を停止しているので、接木ピンは
中間チャック608のチャック穴608aからピンチャ
ック705のチャック穴705aへスムーズに吸引保持
される。接木ピンをピンチャック705で吸引保持する
と、シリンダ703aによって支持台704が再度上昇
し、また中間チャック608はシリンダ605aによっ
て接木ピンホルダ610の下方まで後退する。
【0061】そして、子葉部移送手段400の子葉部チ
ャック409が、台木から切断された子葉部を把持し、
台木作業位置から穂木作業位置までコラム401のガイ
ド402に沿って移動するときに、接木ピン移送手段7
00の移動台701も台木作業位置の上方まで移動し、
その後、シリンダ703aによって再度、供給ヘッド支
持台704を下降させる。このとき、台木作業位置に
は、台木位置決め手段210のアーム体215,216
に挟持され、かつ、子葉部を切除された台木が位置して
いる。
【0062】したがって、ピンチャック705に吸引保
持されている接木ピンは、供給ヘッド支持台704すな
わちピンチャック705の下降にともない、台木の茎の
切断面に全長のほぼ1/2だけ挿込まれる。ここで、ピ
ンチャック705は接木ピンの吸引を停止し、かつ、ピ
ンチャック705を上昇させる。これにより、台木に接
木ピンが挿込まれた状態となる。
【0063】一方、この間に穂木作業位置では、穂木切
断手段320と子葉部移送手段400による穂木子葉部
の把持と切断が行なわれている。そこで、切断して子葉
部移送手段400の子葉部チャック409が把持してい
る穂木の子葉部を移送するため、移動台403を穂木作
業位置から台木作業位置まで移動すると、接木ピン移送
手段700の移動台701も接木ピン供給位置の上方ま
で移動する。
【0064】
【接合工程】移動台403の移動により、穂木から切離
した子葉部を把持した子葉部チャック409が台木作業
位置の上方へ位置決めされると、シリンダ404aが作
動して子葉部チャック409を下降させる。これによ
り、子葉部の茎の切断面が台木の茎の切断面から突出し
ている接合ピンに挿込まれ、台木と穂木の子葉部は、両
切断面が接合された状態で固定される。
【0065】その後、子葉部チャック409は、爪部4
09bが開いて子葉部の把持を解くとともに回動アクチ
ェータ406aの作動によってヘッド枠体407が上方
へ揺動して接合された子葉部から離れる。また、台木位
置決め手段210のアーム体215,216も第一アー
ムシリンダ217aのピストンロッドの押出し動作によ
って台木の挟持を解くとともに、台木作業位置から台木
搬送コンベア110の側方へ後退する。
【0066】このようにして、台木と穂木の接木が完了
する。その後、台木搬送コンベア110と穂木搬送コン
ベア120が台木トレイ10と穂木トレイ20をポット
一列分だけ搬送し、次の行の台木ポットと穂木ポットと
台木作業位置と穂木作業位置までそれぞれ搬送し、次の
接木作業を開始する。
【0067】前記実施形態からなる接木ピンを用いた自
動接木方法における各工程のうち台木搬送工程と穂木搬
送工程、台木位置決め工程と穂木位置決め工程、台木の
把持工程・台木子葉部切断工程と接木ピン供給工程、台
木子葉部の移送・排出工程と接木ピン移送工程、穂木の
把持工程・穂木子葉部切断工程と接木ピンの挿込み工程
はそれぞれ同時に行なわれる。したがって、この自動接
木方法によれば作業時間が大幅に短縮される。
【0068】また、一連の工程における各手段の連続的
な動作は、シーケンス制御又は/及びセンサの検知によ
って行なわせている。
【0069】なお、前記実施形態装置では、台木と穂木
の子葉部移送手段を兼用させた構成としているが、それ
ぞれ独立した移送手段としてもよい。
【0070】図15は本発明の接木ピンを用いた自動接
木装置の他の実施形態を示す平面図である。この実施形
態装置は、台木トレイと穂木トレイを固定とするととも
に、台木子葉部の移送手段と接木ピン移送手段を一体化
した構成としてある。具体的には、台木ポット11と穂
木ポット12を行列状に配置してある台木トレイ10と
穂木トレイ20を図15に示すように、交換可能に並べ
て固定配置してあり、それぞれの片側には台木位置決め
手段210と穂木位置決め手段220が配置してある。
【0071】これら台木位置決め手段210と穂木位置
決め手段220は同じ構成となっており、それぞれトレ
イと平行に配置した移動路218,228に沿って、該
トレイに収納してあるポット11,12の列と列の間の
間隔と同じピッチで移動する移動台219,229と、
この移動台219,229に載置されトレイ10,20
の台木及び穂木作業位置に向って進退するアーム体21
5,216及び225,226を有している。なお、こ
れら台木位置決め手段210と穂木位置決め手段220
の他の構成部分は前記した実施形態装置の台木及び穂木
の位置決め手段と同じとなっている。
【0072】また、台木トレイ10及び穂木トレイ20
の台木位置決め手段210及び穂木位置決め手段220
と反対側には台木子葉部・接木ピン移送手段470及び
穂木子葉部移送手段480が配置してある。これら台木
子葉部・接木ピン移送手段470と穂木子葉部移送手段
480は、それぞれのトレイ10,20と平行に配置し
た移動路471と、この移動路471に沿ってポット1
1,12の一列ごとの間隔と同じピッチで移動する移動
台472,482と、この移動台472,482に載置
されトレイ10,20に向って進退する移動台403,
403を有している。なお、穂木子葉部移送手段480
の他の構成部分は、前記した実施形態装置の子葉部移送
手段400と同じ構成となっている。
【0073】一方、台木子葉部・接木ピン移送手段47
0は、移動台403に前記した実施形態において子葉部
移送手段400と同じ構成部分と、接木ピン移送手段7
00と同じ構成部分を併設した構成としてある。したが
って、移動路471の端部には、台木子葉部排出手段5
00と接木ピン供給手段600が配置してある。ここ
で、接木ピン供給手段600の中間チャック608は、
図15において上下方向に移動する構成となっている。
【0074】このような構成からなる実施形態装置を用
いた自動接木方法の実施形態は、次のようになる。すな
わち、台木及び穂木位置決め手段210,穂木位置決め
手段220によって、前記した台木及び穂木の位置決め
工程と同様の工程で、台木及び穂木をそれぞれの作業位
置に位置決めする。次いで、台木子葉部・接木ピン移送
手段470,穂木子葉部移送手段480によって、これ
も前記した台木及び穂木の切断工程と同様の工程で台木
及び穂木の子葉部を切断し、かつ、切断した子葉部を子
葉部チャック409で把持した状態で移動路471及び
481に戻る。
【0075】その後、台木子葉部・接木ピン移送手段4
70の移動台472を移動路471の端部手前まで移動
させ、ここで子葉部チャック409を開いて台木の子葉
部を500の受皿501に排出する。その後、さらに移
動台472を端部まで移動させ接木ピン移送手段700
のピンチャック705を下降させて中間チャック608
から接木ピンを吸引して保持する。この状態で移動台4
72は再び台木作業位置の側部まで戻り、ここで接木ピ
ンを保持している図示しないピンチャックを台木作業位
置の上方へ前進させ、かつ下降させる。これにより、台
木の茎の切断面に接木ピンが挿込まれる。
【0076】このようにして接木ピンの挿込み作業が終
了すると、台木子葉部・接木ピン移送手段470はピン
チャックを移動路471上に戻すとともに、移動台47
2を再び移動路471の端部側へ移動させて、待機状態
とする。台木子葉部・接木ピン移送手段470が待機状
態となると、穂木子葉部移送手段480の移動台482
が移動路471に沿って台木作業位置の側部まで移動し
てきて子葉部チャックを台木作業位置の上方へ前進さ
せ、かつ下降させる。これにより、接木ピンに穂木の子
葉部の切断面が挿込まれ、台木と穂木の子葉部が接合さ
れる。
【0077】なお、本発明の自動接木装置及び自動接木
方法は、上記した実施形態のものに限定されるものでは
なく、発明の要旨の範囲内における種々変形例を含むも
のである。たとえば、本実施形態の装置によれば、台木
及び穂木を搬送コンベアによって自動供給しているが、
搬送コンベアを用いることなく、手動によって台木と穂
木の搬出入を行なうものであってもよい。。また、台木
ポット11と穂木ポット12の配設状態は、自動及び手
動による供給のいずれの場合も、上記マトリックス状以
外の配設、たとえば、台木ポットと穂木ポットを一列ず
つに配設したものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、台木と
穂木の茎径に差があっても、高い活着率で接木が可能で
あって、しかも、装置のメンテナンスが容易な接木ピン
を用いた接木を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態装置の概略正面図で
ある。
【図2】図2は本発明の一実施形態装置の概略平面図で
ある。
【図3】図3は本発明の一実施形態装置における台木搬
送コンベア110の一部省略側面図である。
【図4】図4は本発明の一実施形態装置における位置決
め手段の正面図である。
【図5】図5は同じく位置決め手段の平面図である。
【図6】図6は同じく位置決め手段のアーム部の作動説
明図である。
【図7】図7は本発明の一実施形態装置における子葉部
移送手段の正面図である。
【図8】図8は同じく子葉部移送手段の右側面拡大図で
ある。
【図9】図9は本発明の一実施形態装置におけるチャッ
ク部の平面一部拡大図である。
【図10】図10は本発明の一実施形態装置における排
出手段の側面図である。
【図11】図11は同じく排出手段の平面図である。
【図12】図12は本発明の一実施形態装置における接
木ピン供給手段の側面図である。
【図13】図13は図12の一部拡大断面図である。
【図14】図14は本発明の一実施形態装置におけるピ
ンチャックの要部拡大断面図である。
【図15】図15は本発明の接木ピンを用いた自動接木
装置の他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 装置基台 10 台木トレイ 11(12) ポット 20 穂木トレイ 110 台木搬送コンベア 120 穂木搬送コンベア 210 台木位置決め手段 215,216 アーム体 215a,216a ポケット 217a 第一アームシリンダ 217b 第二アームシリンダ 310 台木切断手段 400 子葉部移送手段 409 子葉部チャック 500 台木子葉部排出手段 600 接木ピン供給手段 608 中間チャック 610 接木ピンホルダ 700 接木ピン移送手段 702 連結杆 705 ピンチャック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古沢 富夫 埼玉県所沢市下富840 シチズン時計株式 会社所沢事業所内 (72)発明者 飯田 忠広 埼玉県所沢市下富840 シチズン時計株式 会社所沢事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 子葉部を切除した台木に、穂木から切離
    した子葉部を接木する方法であって、次の(a)〜
    (i)の工程を有することを特徴とした接木ピンを用い
    た自動接木方法。 (a)台木作業位置に位置決めされた台木を把持する工
    程。 (b)把持された台木の子葉部を把持部位より下方で切
    断する工程。 (c)切断された台木の子葉部を排出位置まで移動させ
    て排出する工程。 (d)接木ピンを把持し、子葉部を切除した台木の上方
    まで移動させて位置決めする工程。 (e)接木ピンの一部を子葉部を切除した台木の切断面
    に挿込む工程。 (f)穂木作業位置に位置決めされた穂木を把持する工
    程。 (g)把持された穂木の子葉部を把持部位より下方で切
    断する工程。 (h)切断された穂木の子葉部を台木の上方まで移動さ
    せて位置決めする工程。 (i)穂木の子葉部切断面を台木の切断面に接合させる
    とともに、台木切断面から突出している接木ピンを穂木
    の子葉部切断面に挿込ませる工程。
  2. 【請求項2】 子葉部を切除した台木に、穂木から切離
    した子葉部を接木する方法であって、次の(a)〜
    (k)の工程を有することを特徴とした接木ピンを用い
    た自動接木方法。 (a)搬送されてきた台木を、台木作業位置に位置決め
    する台木位置決め工程。 (b)台木作業位置に位置決めされた台木を把持する工
    程。 (c)把持された台木の子葉部を把持部位より下方で切
    断する工程。 (d)切断された台木の子葉部を排出位置まで移動させ
    て排出する工程。 (e)接木ピンを把持し、子葉部を切除した台木の上方
    まで移動させて位置決めする工程。 (f)接木ピンの一部を子葉部を切除した台木の切断面
    に挿し込む工程。 (g)搬送されてきた穂木を、穂木作業位置に位置決め
    する穂木位置決め工程。 (h)穂木作業位置に位置決めされた穂木を把持する工
    程。 (i)把持された穂木の子葉部を把持部位より下方で切
    断する工程。 (j)切断された穂木の子葉部を台木の上方まで移動さ
    せて位置決めする工程。 (k)穂木の子葉部切断面を台木の切断面に接合させる
    とともに、台木切断面から突出している接木ピンを穂木
    の子葉部切断面に挿込ませる工程。
  3. 【請求項3】 前記台木及び/又は穂木の位置決め工程
    が、 位置決め手段によって台木及び/又は穂木の根元部分を
    ルーズに支承し、その後、前記位置決め手段を上昇させ
    て台木及び/又は穂木の茎の曲がりを矯正してから、茎
    の切断部位の下部を挟持して行なうものである請求項2
    記載の接木ピンを用いた自動接木方法。
  4. 【請求項4】 子葉部を切除した台木に、穂木から切離
    した子葉部を接木する装置であって、 台木を台木作業位置に位置決めする台木位置決め手段
    と、 穂木を穂木作業位置に位置決めする穂木位置決め手段
    と、 台木の子葉部を把持するとともに、台木作業位置と台木
    子葉部排出位置との間を移動する台木子葉部移送手段
    と、 穂木の子葉部を把持するとともに、穂木作業位置と台木
    作業位置との間を移動する穂木子葉部移送手段と、 台木子葉部把持手段の下部に位置する台木切断手段と、 穂木子葉部把持手段の下部に位置する穂木切断手段と、 接木ピンを供給する接木ピン供給手段と、 接木ピンを把持するとともに、接木ピン供給手段と台木
    作業位置との間を移動する接木ピン移送手段とを具備し
    たことを特徴とする接木ピンを用いた自動接木装置。
  5. 【請求項5】 前記台木子葉部移送手段と穂木子葉部移
    送手段を同一の移送手段で兼用した構成とした請求項4
    記載の接木ピンを用いた自動接木装置。
  6. 【請求項6】 前記台木を、台木作業位置まで搬送する
    とともに、作業終了後台木作業位置から搬出する台木葉
    搬送手段と、 前記穂木を、穂木作業位置まで搬送するとともに、作業
    終了後穂木作業位置から搬出する穂木用搬送手段とを併
    設した請求項4又は5記載の接木ピンを用いた自動接木
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433271B1 (ko) * 2001-06-21 2004-05-31 대한민국 토마토용 접목 로봇
KR100862711B1 (ko) * 2007-04-23 2008-10-13 대한민국(관리부서:농촌진흥청) 가지과 채소 합접식 접목로봇
CN105875207A (zh) * 2016-04-14 2016-08-24 日照中盛集团股份有限公司 一种自动嫁接机
CN111990087A (zh) * 2020-09-16 2020-11-27 杭州捷铭智能装备有限公司 一种穴盘苗的嫁接取苗终端

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