JP3597590B2 - グラフト重合体粒子及び該重合体粒子を含むゴム強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は耐衝撃性に優れ、かつ高温加工時の流動性、滞留時の耐着色性、耐衝撃性及び滞留時の耐ゲル化特性の優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ABS樹脂等に代表されるゴム強化熱可塑性樹脂は優れた耐衝撃性、成形加工性、表面光沢、その他機械的特性のバランスを有する汎用性樹脂として、あるいはエンプラに匹敵する材料として広く使用されている。
このようなゴム強化熱可塑性樹脂組成物においては通常条件での耐衝撃性、成形加工性やその他機械的物性とともに、高温加工時や滞留時のこれら物性値、すなわち熱安定性も非常に重要である。すなわち、ゴム強化熱可塑性樹脂の押出造粒時や成形加工時にはシェアによる発熱や熱滞留による熱劣化現象として成型品の耐衝撃性が低下したり、樹脂が黄色く着色したり、表面光沢の低下現象がしばしば生ずる。また、熱滞留が進むと押出機内や成形機内からゲル状物が発生し、樹脂中の異物として成型品に混入し問題を発生させる。また、大型の製品を成形する場合や複雑な形状や薄肉の製品を成形する場合、樹脂を金型全てに充填しやすくするため高温にして成形することがしばしばある。このような場合においても、耐衝撃性の低下、流動性の低下、表面光沢の低下現象がおこるという問題がしばしばあった。
【0003】
さらに、このような高温加工時の流動性の低下、滞留時の耐衝撃性の低下、滞留時の着色、滞留時のゲル化は、特に一般押出成形条件での耐衝撃性に優れた設計であるゴム状重合体粒子が大粒径の場合やゴム状重合体粒子のゲル分率が低い領域で顕著に現れる。したがって、この領域での一般押出成形条件での耐衝撃性と高温加工時の流動性、滞留時の耐衝撃性、滞留時の耐着色性及び滞留時の耐ゲル化特性に優れたゴム強化熱可塑性樹脂を得ることは困難であった。
【0004】
このような問題に対し、従来技術では例えば、ゴム量を低下させる場合やゴム状重合体のゲル分率を高める場合があるが耐衝撃性重視の設計においては好ましくない。また、ゴム状重合体に対するビニル化合物のグラフト率(グラフト率(%)=[(グラフトしたビニル化合物の量)/(ゴム量)]×100)を増加させるという方法もとられるが、高温時の表面光沢は保たれるものの、通常温度での耐衝撃強度が低下したり、流動性の低下を招き好ましくない。
【0005】
また、押し出しあるいは成形加工時に種々の酸化防止剤を添加し、熱劣化による着色や耐衝撃性の低下を抑えるという手法もとられているが、必ずしも耐衝撃性や高温時の流動性の低下や滞留時の衝撃強度の低下を抑えることはできない。また、耐衝撃性と表面光沢を重視する設計においては、例えば特開昭50−144747号公報、特開昭52−141859号公報、特開昭53−57293号公報、特開昭62−11713号公報、特開平3−221550号公報では、中〜大粒子径ゴムと小粒子径ゴムをブレンドしているが、その製造の際、大粒子径ゴムと小粒子径ゴムを別々にグラフト重合し混合するなど、製造工程の複雑化を招き好ましくない。
【0006】
また、例えば特開昭62−164707号公報ではゴム状重合体にグラフトしているビニル化合物の平均厚さが10〜20nmである耐衝撃性と高温光沢の優れた熱可塑性組成物の記載がある。ところがゴム状重合体へのビニル化合物のグラフト重合に関しては、一般にゴム状重合体の粒子径が大きいほど、またゴム状重合体のゲル分率が低いほどゴム状重合体表面にグラフト重合しにくいという特徴を持っている。そして、本発明者の研究においては、特にゴム状重合体粒子のゲル分率が100%に近くても粒子径が250nmを越える大粒子径になると、あるいはゲル分率の低いゴム状重合体粒子になると、ゴム粒子表面のグラフト厚みが不均一になりやすく、グラフト層の平均厚みだけでは耐衝撃性と高温状態での表面光沢のバランスはとれないことがわかった。また、上記の先行技術にも高温状態での流動性、滞留時の着色性、滞留時の衝撃強度及び耐ゲル化特性の記載はない。
【0007】
従って、従来の技術において、一般押出成形条件での耐衝撃性に優れた設計であるゴム状重合体粒子を大粒径で、かつゴム状重合体粒子のゲル分率を低い領域で、一般押出成形条件での耐衝撃性と同時に高温加工時の流動性、滞留時の耐衝撃性、滞留時の耐着色性及び滞留時の耐ゲル化特性に優れたゴム強化熱可塑性樹脂を得ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に対しゴム状重合体が大粒子径で、かつゲル分率が低い領域においても、一般押出成形条件での耐衝撃性に優れ、かつ高温加工時の流動性、滞留時の耐衝撃性、滞留時の耐着色性及び滞留時の耐ゲル化特性に優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題に対し、本発明者らは鋭意研究の結果、ゴム状重合体に対し1種以上のビニル化合物単量体がグラフト重合する際、ゴム状重合体の表面積に対しグラフト重合体が被覆する面積、すなわち表面グラフト被覆率およびその平均厚さが重要であることを見い出し、本発明に至った。すなわち、特開昭62−164707号公報で述べられているようにグラフト層の平均厚みを10〜20nmにするだけでは十分でなく、ゴム状重合体粒子の表面グラフト被覆率が重要であること、すなわち表面グラフト被覆率が80%以上にすることが出来ればグラフト層の平均厚みを10nm以下としても好ましい物性が得られることを見いだした。更に、ゴム状重合体粒子にグラフト重合する該ビニル化合物のうち、少なくとも1種類が分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する乳化剤であると上記課題に対して優れた効果があることを見い出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ゴム状重合体粒子に、該ゴム状重合体粒子と共重合可能な1種以上のビニル化合物または分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する乳化剤をグラフト重合して得られるグラフト重合体粒子において、上記ゴム状重合体粒子にグラフト重合しているビニル化合物の下記(A)式により定義される表面グラフト被覆率が80%以上であり、上記ゴム状重合体粒子表面にグラフト重合しているビニル化合物の平均厚みが5〜25nmであり、かつ上記ゴム状重合体粒子の重量平均粒子径が150〜600nmであることを特徴とするグラフト重合体粒子であり、また該グラフト重合体粒子と熱可塑性樹脂からなるゴム強化熱可塑性樹脂組成物である。
【0011】
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (A)
(ここで、Sはゴム状重合体粒子の表面積、sはゴム状重合体粒子表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積)
以下、本発明について、詳細に説明する。
まず、本発明における表面グラフト被覆率とは、Sをゴム状重合体粒子の表面積、sをゴム状重合体粒子表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積としたとき、下記の(A)式により定義され、要約すればゴム強化熱可塑性樹脂組成物中に分散するゴム状重合体粒子の表面にどれくらいのビニル化合物がグラフトされ、被覆されているかを示す尺度である。
【0012】
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (A)
この表面グラフト被覆率(%)は後述するように、具体的にはゴム強化熱可塑性樹脂組成物中に分散するグラフト重合体粒子の超薄切片を電子顕微鏡で観察、写真撮影した写真を解析、測定して求めることができる。図1はこの電子顕微鏡写真を模式化した図であり、図1において、a1 〜an 及びb1 〜bn のそれぞれの長さを測定し、R=(a1 +a2 +・・・・+an−1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn−1 +bn )、r=(a1 +a2 +・・・・+an−1 +an )として、Rを上記のS=ゴム状重合体粒子の表面積に相当する長さ、rを上記のs=ゴム状重合体粒子表面にグラフトし被覆しているビニル化合物の表面積に相当する長さとして下記の(A’)式で表面グラフト被覆率として求めることができる。すなわち、
表面グラフト被覆率(%)=(r/R)×100 (A’)
本発明では、この表面グラフト被覆率が80%以上が必要であり、好ましくは90%以上である。
【0013】
表面グラフト被覆率が80%未満であると耐衝撃性が低下する場合がしばしばあり、仮に耐衝撃性の低下がなかったとしても高温成形時の流動性の低下、熱劣化による着色、さらに特に押出しや成形時の滞留によりゲル状物が生じ好ましくない。
さらに、熱可塑性樹脂に含まれるゴム状重合体粒子の重量平均粒子径(Ynm)とそのゲル分率(X%)が下記(B)と(C)式で示される範囲(図2の直線xで囲まれる範囲)、好ましくは下記(D)と(E)式で示される範囲(図2の直線yで囲まれる範囲)、さらに好ましくは下記(F)式で示される範囲(図2の直線zで囲まれる範囲)において、表面グラフト被覆率が80%以上であると、耐衝撃性、高温加工時の流動性、滞留時の耐衝撃性、滞留時の耐着色性及び滞留時の耐ゲル化特性の優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0014】
40≦X≦60のとき 150≦Y≦600 (B)
60≦X≦100のとき 2.5X≦Y≦600 (C)
50≦X≦60のとき 200≦Y≦500 (D)
60≦X≦100のとき 2.5X+50≦Y≦500 (E)
60≦X≦80のとき 2.5X+75≦Y≦450 (F)
また、ゴム状重合体粒子表面にグラフトしているビニル化合物の平均厚みは、表面グラフト被覆率が80%以上の領域で、5〜25nmが好ましく、更に好ましくは7〜15nmである。5nm未満では、高温加工時の表面光沢の低下や滞留時のゲル化が生じる。25nmを超えると、流動性の低下が生じる。
【0015】
次に、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂の組成および製造方法について述べる。
本発明に使用するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などの共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムなどであるが、好ましくは共役ジエン系ゴムのポリブタジエンとブタジエン−スチレン共重合体およびブタジエン−アクリロニトリル共重合体である。また、これらは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
ゴム強化熱可塑性樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量は5〜60重量%で、好ましくは10〜50重量%である。5重量%未満では耐衝撃性が得られず、また60重量%を越えると成形加工時の流動性や光沢が低下し好ましくない。
ゴム強化熱可塑性樹脂組成物中のゴム状重合体の好ましい粒子径については、マトリックスになる熱可塑性樹脂の種類により異なるため特に限定されないが、例えばABS樹脂の場合、粒子径が150〜600nmで、好ましくは200〜500nm、さらに好ましくは250〜450nmである。粒子径が150nmより小さいと耐衝撃性が得られず、また600nmを越えると光沢値が低下する。
【0017】
本発明に用いるゴム状重合体粒子にグラフト重合可能なビニル化合物としては、スチレン、主鎖または側鎖置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルや同様な置換体のメタクリル酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸類やN−フェニルナレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有単量体なども使用可能である。またこれらは併用が可能である。これら単量体のうち好ましくは芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物である。
【0018】
ここで言う熱可塑性樹脂とは、非晶性、結晶性の限定はないが、好ましくは上記芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを少なくとも1種類含むものである。
本発明におけるゴム強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合で製造されたゴム状重合体ラテックスにビニル化合物をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式、ゴム状重合体とビニル化合物を溶剤に溶かしグラフト重合させる溶液重合法などがあり、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれも可能である。また、上記の方法であらかじめ高ゴム含量のグラフト重合体をつくり、後に塊状重合、乳化重合や懸濁重合で製造したグラフト重合時に用いたビニル化合物を主成分とする熱可塑性樹脂を配合して目的のゴム含有量にする方法もとられる。
【0019】
本発明においては、乳化重合で製造されたゴム状重合体にビニル化合物を開始剤、分子量調節剤等とともに連続的に添加する乳化グラフト方式が好ましい。特に、本来ゴム状重合体粒子表面にグラフトしにくい粒子が大粒子径で、かつゴム状重合体のゲル分率が低い領域である場合、表面グラフト被覆率を80%以上とするには、乳化グラフト重合させる際に乳化剤の添加量を極めて少なくすること、乳化剤を用いる場合は連続添加すること、酸化還元系開始剤を用いる際その触媒となる化合物の添加量を増加させること、乳化グラフト重合時の重合時間を長くすることが特に好ましい。
【0020】
更に、ゴム状重合体粒子の粒子径に分布がある場合、粒子径が250nm以上の大粒子径のゴム状重合体粒子の表面グラフト被覆率を高めることが特に難しく、上記の乳化剤量、触媒量、ゴム濃度、重合時間の最適条件を選んでグラフト重合することが必要である。
本発明に使用する、分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する乳化剤(以下、重合性乳化剤と略す)とは、化合物中に親水基および疎水基を有し、気−液、液−液、固−液界面張力を低下させる能力のある化合物のうち、化合物中に二重結合を1つ以上有し、共役ジエン系ゴム、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸エステル化合物とラジカル重合可能なものを言う。重合性乳化剤の親水基はアニオン性、ノニオン性、カチオン性のいずれでも良いが、好ましくはアニオン性、さらに好ましくはノニオン性、アニオン性両方の性質を有するものである。
【0021】
乳化グラフト重合時に重合性乳化剤とともに非重合性乳化剤を用いても良いが、使用量はゴム由来の非重合性乳化剤の合計が共役ジエン系ゴム100重量部に対し4.0重量部以下にすべきである。4.0重量部を越えると、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性の低下、剛性の低下、高温成形時の光沢の低下、成形時の金型汚染や樹脂の着色の原因となり好ましくない。ここで言う非重合性乳化剤とは、一般に乳化重合用として用いられる乳化剤でよく、ロジン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性乳化剤があげられる。
【0022】
本発明に使用する重合性乳化剤の例としては、以下のものがあげられるが、これらにより限定されるものではない。
下記(1)式で表される、重合性乳化剤。
【0023】
【化7】
【0024】
式中、Xは(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基または(α−メチル)ビニル基を示す。
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または下記(1’)式で表されるリン酸モノエステル塩を示す。
【0025】
【化8】
【0026】
(M1 及びM2 は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムであり、M1 、M2 は異なるものでも同一のものでもよい。)
R1は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R2は水素または炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R3は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数を示す。
【0027】
(1)式で表される重合性乳化剤の具体例としては、下記(5)〜(8)式があげられる。
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
下記(2)式で表される(メタ)アリルグリシジルエーテル誘導体および(メタ)アクリルグリシジルエステル誘導体。
【0031】
【化11】
【0032】
式中、Xは(メタ)アリル基または(メタ)アクリロイル基を示す。
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または上記(1’)式で表されるリン酸モノエステル、または、下記(1”)式で表される化合物を示す。
【0033】
【化12】
【0034】
(M1 は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムまたは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基を有してもよい炭素数8〜30のアルキル基であり、M2 は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムである。)
Zは炭素数8〜30のアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキルアリール基、置換アルキルアリール基、アラルキルアリール基、置換アラルキルアリール基、アシル基または置換アシル基を示す。
【0035】
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは0〜100、nは0〜50の整数を示す。
(2)式の例として下記(9)〜(15)式があげられる。
【0036】
【化13】
【0037】
(Y1 は下記(11’)式を示す。)
【0038】
【化14】
【0039】
下記(3)式で表されるコハク酸誘導体。
【0040】
【化15】
【0041】
式中、Xは(メタ)アリル基または(メタ)アクリロイル基を示す。
B1 、B2 は次に表されるYまたはZを示し、B1 、B2 は異なるものである。
Yは、Mまたは−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)を示す。
【0042】
Zは、炭素数8〜30のアルキル基またはアルケニル基を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有するアルキレン基であり、m、nは0〜50の整数である。
(3)式の具体例としては、下記式(16)〜(19)があげられる。
【0043】
【化16】
【0044】
下記(4)式で表される化合物。
【0045】
【化17】
【0046】
式中、Xは(メタ)アリル記または(メタ)アクリロイル基を示す。
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩を示す。
【0047】
R1 、R3 は水素、または炭素数1〜25のアルキル基でそれぞれ同一であっても異なってもよく、R2 、R4 は炭素数1〜25のアルキル基、ベンジル基、またはスチリル基を示し、それぞれ同一であっても異なってもよく、pは0〜2の整数を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有するアルキレン基であり、m、nは0〜50の整数を示す。
【0048】
(4)式の具体例としては、下記式(20)、(21)があげられる。
【0049】
【化18】
【0050】
下記(22)式で表される(メタ)アリルエーテル誘導体および(メタ)アクリルエステル誘導体。
【0051】
【化19】
【0052】
式中、Xは(メタ)アリル基または(メタ)アクリロイル基を示す。
Yは水素、またはメチル基、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または上記式(1’)で表されるリン酸モノエステル塩を示す。
【0053】
Zは、炭素数8〜30のアルキル基を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは0〜20、nは0〜50の整数を示す。
式(22)の具体例としては下記式(23)、(24)があげられる。
【0054】
【化20】
【0055】
下記式(25)で表されるジオール化合物。
【0056】
【化21】
【0057】
式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、R1は炭素数8〜24の炭化水素基であり、R2は水素またはメチル基であり、mおよびnはm+nが0〜100の間の値となるようなそれぞれ0〜100の数であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムである。
【0058】
式(25)の具体例として、下記式(26)があげられる。
【0059】
【化22】
【0060】
下記式(27)で表せる化合物。
【0061】
【化23】
【0062】
式中、Xは(メタ)アリル基、(メタ)アリロキシ基または(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基または下記式(27’)を示す。
【0063】
【化24】
【0064】
(R1 、R2 は水素またはメチル基)
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または式(1’)で表されるリン酸モノエステル、または、式(1”)で表されるスルホコハク酸モノエステル塩を示す。
【0065】
Zは炭素数6〜30の置換基を有してもよいアルキレン基を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n、mは0〜50の整数を示す。
式(27)の具体例として、下記式(28)〜(30)があげられる。
【0066】
【化25】
【0067】
これらの重合性乳化剤のうち、好ましくは(1)式、(2)式、(3)式、(4)式で表される重合性乳化剤であり、特に好ましくは(1)式で表される重合性乳化剤である。
(2)式で表される重合性乳化剤のうち、好ましい構造は(9)式および(11)式で表される重合性乳化剤であり、(9)式の更に好ましい具体例としては(31)〜(34)式が、(11)式の更に好ましい具体例としては(35)式、(36)式が例示できる。
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
また(1)式で表される重合性乳化剤は、特に好ましく、具体例としては下記(37)〜(41)式が特に好ましい。
【0071】
【化28】
【0072】
また、本発明の樹脂組成物に対し、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤を加えることは任意である。
【0073】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は実施例により限定されるものではない。以下に用いる部数は重量部とする。
なお、本発明の実施例における測定方法は以下の通りである。
(表面グラフト被覆率):
ゴム強化熱可塑性樹脂組成物を、そのゾル分が可溶な溶媒(例えば、ABS樹脂ではアセトン)を用いて溶解後、遠心分離し、ゲル分を取り出す。ゲル分をアセトン中に超音波ホモジナイザーを用いて分散させた後、エポキシ樹脂系接着剤主剤中に加え、再度分散させる。アセトンを真空乾燥にて除去した後、エポキシ樹脂系接着剤の硬化剤を加え、混合、加熱し固化させる。これにより、エポキシ樹脂中に分散したグラフト重合体粒子が得られる。
【0074】
得られたグラフト重合体粒子含有のエポキシ樹脂は、例えばABS樹脂の場合、四酸化オスミウムで染色しウルトラミクロトームにて超薄切片作成後、透過型電子顕微鏡にて観察、撮影した。超薄切片の厚さは60nmとした。
グラフト重合体粒子の電子顕微鏡写真の解析には、画像解析装置IP−1000(旭化成工業(株)社製)を用い、表面グラフト被覆率を測定した。具体的には、グラフト重合体粒子中のゴム状重合体とこのゴム状重合体の表面にグラフトしているビニル化合物成分とを分離した画像において、前記のように、図1において、a1 〜an 及びb1 〜bn のそれぞれの長さを測定し、R=(a1 +a2+・・・・+an−1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn−1 +bn )とr=(a1 +a2 +・・・・+an−1 +an )とから下記(A’)式で表面グラフト被覆率を求める。
【0075】
表面グラフト被覆率(%)=(r/R)×100 (A’)
なお、実施例の表面グラフト被覆率の測定にあたり、ゴム状重合体の粒径×0.9以上の粒径をもつグラフト重合体粒子のみを選び測定に供した。測定個数は10とする。
(ビニル化合物の平均厚さ):
ゴム状重合体粒子の表面にグラフトしているビニル化合物の厚さは、上記の表面グラフト被覆率と同様、得られたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を四酸化オスミウムで染色しウルトラミクロトームにて超薄切片作成後、透過型電子顕微鏡にて観察、撮影した。グラフト重合体粒子の電子顕微鏡写真の解析には、画像解析装置IP−1000(旭化成工業(株)社製)を用いた。具体的には、グラフト重合体粒子中のゴム状重合体粒子とこのゴム状重合体粒子表面にグラフトしているビニル化合物とを分離した画像において、図1においてゴム状重合体粒子の表面積に相当する周囲長(R)、すなわちR=(a1 +a2 +・・・・+an−1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn−1 +bn )を測定し、ついでゴム状重合体粒子表面にグラフトしているビニル化合物の体積に相当する面積(t)、すなわちt=(c1 +c2 +・・・・+cn−1 +cn )とから下記(G)式でビニル化合物の平均厚さを求める。
【0076】
ビニル化合物の平均厚さ=(t/R) (G)
なお、測定個数は10とする。
(ゴム状重合体粒子の重量平均粒子径):
ゴム状重合体粒子の希薄液を透過型電子顕微鏡測定用金属メッシュ状に1滴とり、四酸化オスミウムあるいは四酸化ルテニウムの蒸気で染色した。染色されたサンプルを透過型電子顕微鏡にて撮影し、粒子の重量平均粒子径を上記の画像解析装置IP−1000を用いて求めた。測定個数は100とする。
【0077】
(ゴム状重合体のゲル分率):
ゴム状重合体固形分約0.2g(ラテックスにおいてはメタノールを添加し固形分を沈殿させ、常温で24時間乾燥処理したものをサンプルとする)を精秤し(サンプル重量)、それをトルエン溶液50g中に24時間浸析させ膨潤させる。膨潤したサンプルを100メッシュの金網上にあけ溶媒可溶分を除去する。金網上に残った不溶分を130℃、1時間乾燥し精秤する(不溶分重量)。ゲル分率は下記(H)式で表される。
【0078】
ゲル分率(%)={(不溶分重量)/(サンプル重量)}×100 (H)
(ポリブタジエンラテックスの性状):
本研究に使用したポリブタジエンラテックスの性状を表1に示す。
(物性評価方法):
各種物性の評価方法については以下に示す通りである。
【0079】
(1)IZOD衝撃強度
ペレットを成形温度240℃、金型温度45℃で成形し、試験片を得た。試験は、ASTM−D256に基づき、1/2インチ×1/4インチ×5/2インチのノッチ付き試験片にて実施した
(2)高温メルトフローレート
JIS K7210に基づき測定した。測定条件:280℃、5kg荷重
(3)滞留着色度
ペレットを成形温度240℃、金型温度45℃で成形し、参照試験片とした。
続いて、240℃で成形機内に10分滞留させ、同様に成形し試験片を得た。
試験片: 縦216mm×横12.6mm×厚さ3.2mm
試験は、スガ試験機社製SMカラーコンプューター、モデルSM−5を用い、参照試験片に対する該試験片のイエローインデックス(ΔYI)の測定を行った。サンプルの測定位置は中央部とした。
【0080】
(4)滞留IZOD衝撃強度
ペレットを240℃で成形機内に10分滞留させ、その後金型温度45℃で成形し、試験片を得た。試験は、ASTM−D256にもとに、1/2インチ×1/4インチ×5/2インチのノッチ付き試験片にて実施した。
(5)ゲル化時間
実施例および比較例により製造した後述のグラフト共重合体ゴム(C)粉末と共重合体(D)を混合し、ゴム分が30%になるように、30mm押出機を用い、240℃で混練、ペレット化した。得られたペレットを、キャピログラフ(東洋精機社製)にて、280℃、オリフィス径1.0mm、ピストン降下速度1mm/secの条件で押出し、ストランドの表面状態を観察した。ストランド表面にブツ状のものが出始める時間を、ゲル化時間とした。
【0081】
【実施例1】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分30部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期溶液を70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)を反応器に8時間にわたり連続的に添加し、乳化剤が極めて少なく、反応時間の長い処方にて重合した。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
水溶液(A)の組成は次の通りである。
単量体混合液(B)の組成は次のとおりである。
このようにして得られたABSラテックスに、酸化防止剤を添加した後、硫酸アルミニウムをポリマーに対し1.0部加え、凝固させた。更に、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させグラフト重合体粉末(C)を得た(表中の重合時間は単量体Bの添加時間を示す)。
【0082】
これに、スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物を溶液重合して得られた30℃メチルエチルケトン中の極限粘度0.45をもつ共重合体(D)を混合し、ゴム分が20%になるように、30mm押出機を用い、240℃で混練、ペレット化した(表2)。その際、エチレンビスステアリルアミド(EBS)を1.0部添加した。
【0083】
【実施例2】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分30部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期溶液を70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)およびイオン交換水20部に溶解したロジン酸カリウム1.0部溶液を反応器に5時間にわたり連続的に添加し、触媒量が多くかつ乳化剤を連続添加する処方にて重合した。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
【0084】
水溶液(A)の組成は次の通りである。
単量体混合液(B)の組成は次のとおりである。
以下、実施例1と同様にしてペレットを得た(表2)。
【0085】
【実施例3】
硫酸第一鉄0.01部、SFS0.2部、EDTA0.1部、t−DM1.0部、CHP0.2部とした以外は実施例1と同様な方法で重合し、ペレットを得た(表2)。
【0086】
【実施例4〜9】
ゴムを表1に示すJ−2〜J−6を用い、仕込み組成、単量体混合液、重合時間、押し出し条件を表2とした以外は実施例1と同様にしてペレットを得た(表2及び表3)。
【0087】
【実施例10】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分25部、ポリブタジエンラテックス(H−1)5部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、あとは実施例3と同様にしてペレットを得た(表3)。
【0088】
【実施例11】
実施例10でポリブタジエンラテックス(H−1)を(H−2)に変える以外は同様にしてペレットを得た(表3)。
【0089】
【実施例12〜24】
実施例1で乳化剤を変更する以外は同様にしてペレットを得た(表9)。
【0090】
【比較例1】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分30部、ロジン酸カリウム2.0部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、初期溶液を70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)を反応器に3時間にわたり連続的に添加する、乳化剤量、触媒の硫酸第一鉄の量、重合時間ともに一般的な条件にて反応させた。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
水溶液(A)の組成は次の通りである。
単量体混合液(B)の組成は次の通りである。
得られたABSラテックスは実施例1と同様に処理し、ペレットを得た(表4)。
【0091】
【比較例2】
比較例1でSFSを0.2部、CHPを0.2部、重合時間を8時間とした以外は比較例1と同様に処理し、ペレットを得た(表4)。
【0092】
【比較例3】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分30部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期液を70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)を反応器に一括仕込みし、2時間にわたり70℃で重合した。
【0093】
水溶液(A)の組成は次のとおりである。
単量体混合液(B)の組成は次のとおりである。
得られたABSラテックスは実施例1と同様に処理し、ペレットを得た(表4)。
【0094】
【比較例4】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分20部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期液を70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)を反応器に3時間にわたり連続的に添加し、重合時のゴム濃度が低い条件で重合した。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
水溶液(A)の組成は次のとおりである。
単量体混合液(B)の組成は次のとおりである。
このABSラテックスに、酸化防止剤を添加した後、硫酸アルミニウムをポリマーに対し1.0部加え、凝固させた。更に、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させグラフト重合体粉末(C)を得た。
【0095】
さらに、30mm押出機をも用い、240℃で混練、ペレット化した(表4)。その際、エチレンビスステアリルアミド(EBS)を1.0部添加した。
【0096】
【比較例5】
ポリブタジエンラテックス(J−1)固形分60部、ロジン酸カリウム1.0部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、70℃に昇温した。次に、以下に示す組成からなる水溶液(A)と単量体混合液(B)を反応器に8時間にわたり連続的に添加し、重合時のゴム濃度が高い条件で重合した。。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
【0097】
水溶液(A)の組成は次の通りである。
単量体混合液(B)の組成は次のとおりである。
得られたABSラテックスは実施例1と同様に処理し、ペレットを得た(表4)。
【0098】
【比較例6〜9】
仕込み組成、単量体混合液、押し出し条件を表5とした以外は実施例1と同様に製造した(表5)。
実施例および比較例より次のことが明らかである(表6〜表8、表10)。
すなわち、実施例1では表面グラフト被覆率が97%と高いため、グラフト層厚みが8.9nmと低いにもかかわらず、耐衝撃性が高く、かつ高温条件での流動性や滞留条件での耐衝撃性、耐着色性、耐ゲル化性に優れている。同様に本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物(実施例2〜24)は、表面グラフト被覆率およびビニル化合物のグラフト層の厚みが規定値にはいるものはいずれも耐衝撃性が高く、かつ高温加工時の流動性(高温メルトフローレート)や滞留時の耐衝撃性(滞留IZOD)、滞留時の耐着色性(滞留着色度)、滞留時の耐ゲル化性(ゲル化開始時間)に優れている。
【0099】
ところが、ゴム状重合体粒子のビニル化化合物による表面グラフト被覆率が規定値をはずれるものは耐衝撃性、高温加工時の流動性、及び滞留時の耐着色性が劣っている(比較例1〜3、6、7)。また、組成物中のゴム状重合体の粒径が規定をはずれるもの(比較例8、9)は耐衝撃性に劣る。また、ビニル化化合物のグラフト層の厚みが規定値をはずれるものは耐衝撃性(比較例4)や耐ゲル化性(比較例5)に劣ることがわかる。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、また高温加工時の流動性や滞留時の耐衝撃性、滞留時の耐着色性、滞留時の耐ゲル化性に優れるため、押出加工や成形加工時の物性低下がなく、大型の成形品や薄肉の成形品を容易に得ることができる。この効果は、熱可塑性樹脂中に分散しているゴム状重合体粒子にグラフトしているビニル化合物成分の表面グラフト被覆率が80%以上であるときのみ、初めて達成しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面グラフト被覆率およびビニル化合物の被覆厚さを求めるための具体的解析例を示す図であり、図中黒色部はゴム状重合体であり、斜線部はビニル化合物のグラフト成分である。なお、a1 〜an はビニル化合物のグラフト部分のゴム状重合体粒子状での周方向の長さ、b1 〜bn はビニル化合物がグラフトされていない部分のゴム状重合体粒子状での周方向の長さ、c1 〜cn はビニル化合物のグラフト部分の断面積を示す。
【図2】本発明のゲル分率(X)と重量平均粒子径(Y)との関係を示す図。
Claims (8)
- ゴム状重合体粒子に、該ゴム状重合体粒子と共重合可能な1種以上のビニル化合物をグラフト重合して得られるグラフト重合体粒子において、該ゴム状重合体粒子にグラフト重合しているビニル化合物の下記(A)式により定義される表面グラフト被覆率が80%以上であり、上記ゴム状重合体粒子表面にグラフト重合しているビニル化合物の平均厚みが5〜25nmであり、かつ上記ゴム状重合体粒子の重量平均粒子径が150〜600nmであることを特徴とするグラフト重合体粒子。
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (A)
(ここで、Sはゴム状重合体粒子の表面積、sはゴム状重合体粒子表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積) - ゴム状重合体粒子のゲル分率をX%、重量平均粒子径をYnmとしたとき下記(B)及び(C)式により定義された請求項1記載のグラフト重合体粒子。
40≦X≦60のとき 150≦Y≦600 (B)
60≦X≦100のとき 2.5X≦Y≦600 (C) - 請求項1記載のグラフト重合体粒子と熱可塑性樹脂からなるゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
- ゴム状重合体粒子にグラフト重合する該ビニル化合物のうち、少なくとも1種類が分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する乳化剤である請求項3記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
- 該乳化剤が下記(1)式である、請求項3記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または下記(1’)式で表されるリン酸モノエステル塩を示す。
R1 は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R2 は水素または炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R3 は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは1〜200の整数を示す。 - 該乳化剤が下記(2)式である、請求項3記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
で表される化合物を示す。
Zは炭素数8〜30のアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキルアリール基、置換アルキルアリール基、アラルキルアリール基、置換アラルキルアリール基、アシル基または置換アシル基を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは0〜100、nは0〜50の整数を示す。 - 該乳化剤が下記(4)式である、請求項3記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩を示す。
R1 、R3 は水素、または炭素数1〜25のアルキル基でそれぞれ同一であっても異なってもよく、R2 、R4 は炭素数1〜25のアルキル基、ベンジル基、またはスチリル基を示し、それぞれ同一であっても異なってもよく、pは0〜2の整数を示す。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有するアルキレン基であり、m、nは0〜50の整数を示す。
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