JPH04178410A - 耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物

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JPH04178410A
JPH04178410A JP30276690A JP30276690A JPH04178410A JP H04178410 A JPH04178410 A JP H04178410A JP 30276690 A JP30276690 A JP 30276690A JP 30276690 A JP30276690 A JP 30276690A JP H04178410 A JPH04178410 A JP H04178410A
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JP
Japan
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graft
resin composition
rubbery polymer
copolymer
particles
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JP30276690A
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English (en)
Inventor
Atsushi Shichizawa
淳 七澤
Noriaki Umeda
梅田 憲章
Tatsuo Abe
辰夫 阿部
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、薬品類例えばフッ素含有低分子量化合物など
、とりわけトリフルオロジクロロエタン(以下フロン1
23と略記する)に対しても優れた耐性を有する樹脂組
成物に関する。
〔従来の技術〕
ゴム質重合体、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化
合物よりなる樹脂組成物は、−数的にABS樹脂として
知られ、耐薬品性が良好なことから電気冷蔵庫内張り材
料として多く用いられている。
電気冷蔵庫は、外箱と内張りの間を発泡ポリウレタン断
熱層により充填した構造となっており、内張りに用いら
れる樹脂材料にはウレタン発泡用の発泡剤のフロンによ
って冒されない性質か求められる。
ところで、近年フロンガスによる地球環境破壊の問題か
ら、従来発泡に用いられてきたトリクロロフルオロメタ
ン(以下フロン11と略記する)はフロン123により
置きかようとの動きが活発である。
発泡剤としてフロンガスを用いる場合、発泡直後の発泡
体の気孔には、フロンガスか充満しており、これらが徐
々に大気に放出されるため、この発泡体と接触する他の
樹脂材料は長期間にわたって該フロンガスの影響下にお
かれる。
フロン123はフロン11と比較して樹脂に対する溶解
力、拡散力か著しく高いため、このフロン123を用い
て発泡させて得られた樹脂発泡と、例えばポリカーボネ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹
脂等の樹脂成形品とが接触する際、これらの樹脂成形品
はフロンガス123を吸収して強度や剛性などの機械的
物性を著しく低下したり、成形品表面か溶解するという
問題が生じる場合がある。
また、溶解か生じないまでもフロンガスによるストレス
クラックにより樹脂成形品に割れを生しる場合もある。
ABS樹脂の耐薬品性は、一般に(A)成分の含有率に
依存することが知られており(A)成分の含有率を著し
く高めた、いわゆる高ニトリル樹脂を用いて電気冷蔵庫
部材とする提案(特開昭62−228860号公報)が
なされているが、ニトリル化合物含有率が高い樹脂は黄
色味をおび易いこと、熱安定性に劣り樹脂のりワーク再
使用か困難なことなと工業的に利用するには未解決の問
題かあった。
また、これに類する高ニトリル樹脂としては、特開昭5
5−71709、特開昭59−21331、特開平1−
167318号公報が知られているか、いずれも組成物
からゴム質重合体を除く成分に占めるシアン化ビニル化
合物の含有率を主として60%以上としているため、か
かる問題点を解決するに到らなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
かかる観点から、シアン化ビニル化合物含有率を、いわ
ゆる高ニトリル樹脂より低い領域に設定しつつ、かつ、
十分な耐薬品性とくに耐フロン123性を有する工業的
に利用し易い樹脂材料が求められている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、組成物中に分散するゴム質重合体のグラ
フト形状と薬品類とくにフロン123に対する耐性の関
連につき鋭意検討し本発明に到達した。
すなわち、本発明は (1)  シアン化ビニル化合物(A)と芳香族ビニル
化合物(S)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル化
合物(M)よりなるマトリクス共重合体中に、ゴム質重
合体か粒子状に分散した樹脂組成物であって、ゴム質重
合体粒子表面に化学的に結合しグラフト成分を形成する
(A) (S)、(A) (M)又は(A)(S) (
M)共重合体が、前記粒子の表面に不均一に存在し、(
1)式により求められるグラフト率が50%以上である
ことを特徴とする耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物 (グラフト率の定義) (2)  (A)/ ((A)十(S)+(M))が0
.4〜0.6の範囲にある熱安定性の改善された前項(
1)記載の熱可塑性樹脂組成物 (3)前項(1)又は(2)記載の熱可塑性樹脂組成物
を50重量%以上含むABS樹脂組成物を用いてなる電
気冷蔵庫内張りシート である。
前記第(1)項記載の樹脂組成物は、(A)/ ((A
)十(S)+(M))の値が好ましくは0.4〜0.6
、より好ましくは0.43〜0.5の範囲で優れた耐薬
品性とくに耐フロン123性を有し、同値が0.6を超
えるいわゆるハイニトリル樹脂に比べ優れた色相及び熱
安定性を有し、例えばフロン123をウレタン断熱層の
発泡剤として用いる電気冷蔵庫内張り用樹脂材料として
も好適である。
本発明の樹脂組成物は、−数的なABS樹脂に対し強い
ストレスクラック作用を有する薬剤、例えば、メタノー
ル、エタノールといったアルコール類、酢酸、氷酢酸と
いった有機酸、更には、ガソリン等の揮発油に対しても
優れた耐性を有し、工業材料として有用であるばかりか
とくに耐フロン123性に優れるという特徴を有する。
以下、更に詳しく本発明を説明する。
本発明の特徴は、ゴム質重合体表面に於けるグラフト成
分の存在形態にある。
グラフト成分は、ゴム質重合体と、これを取りまくマト
リクスとなる共重合体との接着層をなす成分と言われて
おり、この形態に着目した技術としては、特開昭62−
164707号公報に、グラフト層の平均厚さが100
〜200人のゴム質重合体を用いた樹脂組成物が優れた
耐衝撃性と光沢を与えることが開示されている。
しかしなから、グラフト成分の形状と耐薬品性の関連に
関しては一般に知見が乏しく、グラフト成分の量を溶剤
不溶分を測定測定することによって求めたグラフト率の
値を用い議論される程度てあった。
かかる現状に対し、ABS樹脂の耐薬品性、特にフロン
123に対する耐性とグラフト成分の存在形態との関係
を検討したところ、例えば同一のグラフト率のグラフト
ゴム粒子を用いた場合でも、グラフト成分か均一にまん
べんなく粒子を取りまく形状に比較しグラフト成分か不
均一に粒子表面に存在する形状、例えばグラフト成分か
部分的に局在する形状などの場合、著しく耐フロン性か
向上することが明らかとなった。
本発明におけるグラフト成分かゴム質重合体表面に不均
一に存在する形状とは、ゴム粒子表面にグラフト成分の
粒子が点在する形状、これらのグラフト成分粒子の一部
かゴム粒子内にオクルードされたグラフト成分と一体を
なす形状、ゴム粒子表面の一部がグラフト成分により被
覆されておらず裸のままで存在する形状、ゴム粒子全表
面がグラフト成分により被覆されつつもその厚さにおい
て不均一に被覆された形状などが挙げられる。この不均
一に被覆された場合の厚さにおける不均一性とは、代表
的な例としてゴム質重合体を取りまく最も厚いグラフト
層の厚さが最も薄いグラフト層厚さの10倍以上である
形状であることなどが挙げられる。
以上の様なグラフト形状を必ずしも充分計数化し表現す
ることは容易ではないか、ゴム質重合体の直径の1/l
O以上の径を有する(A) (S)又は(A)(M)又
は(A) (S) (M)よりなる共重合体粒子か、ゴ
ム粒子1ケあたり3ヶ以上ゴム粒子表面にグラフト層に
相当する成分として存在する形状であるこの様なグラフ
ト形態のゴム粒子を用いた樹脂組成物が優れた耐薬品性
を有することは知られておらず、従来の知見からは予期
し得なかった特異な効果である。
本発明に用いるゴム質重合体としては、ポリブタジェン
、ブタジェン−スチレン共重合体、ブタジェン−アクリ
ロニトリル共重合体等のジエン系ゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合ゴム、(メタ)アクリル酸エステ
ルゴムといった飽和ゴムを例示できる。
これらのうちポリブタジェンゴムかグラフト形状制御の
容易さから好ましい。
また、不均一グラフト層を容易に形成させるにはゴム質
重合体の架橋密度が低いものが好ましく、(2)式によ
り求めたゲル含有率か60〜80%、(3)式により求
めたスウェリングインデックスか25〜35のものか好
ましい。またゴム質重合体の粒子径は、2000〜50
00人が好ましい。
本溶媒としてメチルエチルケトン 20voβ%シクロ
ヘキサン   80vo I!%使用・・・・・・ (
2) スウェリングインデックス 溶媒で膨潤したゴム質重合体重量 溶媒不溶分重量 *(2)と同一の溶媒により23°Cにて測定・・・・
・・ (3) 粒子径の小さいゴム粒子、架橋密度の高いゴム粒子を用
いる場合には、グラフト重合に先立って予めゴム質重合
体を反応に用いる単量体により膨潤させた後、グラフト
重合を行なうことによっても同様なグラフト構造体を得
ることか出来る。
また、500〜1500人の微小ゴム−次粒子を用いグ
ラフト重合を施したのち、酸、金属塩、熱等を用いグラ
フトゴム粒子を凝集させた二次粒子とすることによって
も同様なグラフト構造体を得ることかできる。グラフト
重合後のゴム質重合体は粒子内部にグラフト単量体より
なるオフルージョン粒子を含んでもかまわない。
本発明に基くグラフト粒子の代表的な例の電子顕微鏡写
真及び従来の通常のABS樹脂のグラフト粒子の電子顕
微鏡写真をそれぞれ第2,4図に、またその模式図をそ
れぞれ第1図、第3図に示した。倍率はlO万倍である
。これらの写真及び図は、重合によって得られたグラフ
トゴム粒子から化学的にグラフト結合していない成分を
アセトンを用い抽出した後、粒子をエポキシ樹脂に再分
散させ超薄切片を切り出し撮影したものまたはそれを模
式図としたものである。
第1図において、1はゴム粒子表面に存在するアクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、2はゴム質重合体に内包
(オクルード)されたアクリロニトリル−スチレン共重
合体、3はゴム質重合体である。
第1図にみられる大きなオクルード粒子例えは2は、そ
の一部かゴム表面から露出し、グラフト成分に連なって
いるものもあると推定される。
また、第2図において、4はゴム表面をとりかこむアク
リロニトリル−スチレン共重合体、5はゴム質重合体に
内包されたアクリロニトリル−スチレン共重合体、6は
ゴム質重合体である。
第1.3図のような形態のグラフトゴム粒子を用いるこ
とで耐フロン123性が向上する理由の詳細は不明であ
るか、フロン123接触下に発生するゴム粒子を起点と
したクレーズか、通常の ABS樹脂にあってはゴム粒
子の赤道面に限定されクレーズかすみやかにクラックに
まで成長するのに対し、本発明のゴム粒子ではクレーズ
又はゴム粒子表面から多数の方向へ不規則に発生するた
め、クレーズの連結がクラックまで発展しにくく、よっ
てフロン接触下でも樹脂成形品か割れにくいものと考え
られる。
ゴム質重合体へのグラフト率は、通常50%以上、好ま
しくは55〜100%が好適である。しかしなから、原
料に用いるゴム質重合体の粒子径及び架橋度により本発
明のグラフト構造を達成するのに必要なグラフト率は異
なるため、明確には規定できない。しかしかかるグラフ
ト形態を存しても50%未満のグラフト率では、十分な
耐フロン性か得られにくい。
また、アイゾツト強度からみた好適グラフト率範囲は、
55〜120%である。
樹脂組成物に含まれるべきゴム質重合体の量は、製品に
求められる機械的性質に基き決定すれば良く制限は無い
が、ゴム粒子を起点としたクレーズにより耐フロン性を
付与している制約から、樹脂組成物100重量部中に1
0〜30重量部のゴム質重合体か含まれる場合か好適で
ある。
本発明のグラフトゴム粒子を用いると、ゴム質重合体を
除く樹脂成分に占めるシアン化ビニル化合物単位の含有
率を下げても十分な耐フロン123性か得られる。
いわゆるハイニトリル樹脂にあっては、この値は0.6
以上が必要とされるのに対し、本発明のグラフトゴムを
用いる場合は0.4〜0.6、好ましくは0,43〜0
,5で十分である。
なお、フロン123のシアン化ビニル−芳香族ビニル(
メタアクリル酸エステル)共重合体への吸着性は、該共
重合体のシアン化ビニル化合物単位含有率に依存し、同
含有率が0.34以下の樹脂組成物はフロン123に溶
解し、0.4未満ては溶解はしないまでも膨潤する。
従って、同含有率は、0.4以上か好ましく、同含有率
が高い程耐フロン123性は向上する。ところか同時に
熱安定性も損なわれるため、同含有率は0.6以下が好
適となる。
更に同含有率が0.5以下の場合、連続溶液重合法を用
い該共重合体を作成することか可能であり、生産性、色
相、臭気といった点て乳化重合法に勝ることから最も好
ましい。
該共重合体は、ゴム質重合体へグラフト共重合を行なっ
た際に未グラフトのまま併生した成分であっても、グラ
フト重合とは別個に作成し配合したものであっても、ま
た両方の混合物であってもかまわない。
グラフト重合体と別個に作成する場合は、グラフト層を
構成する成分に占めるシアン化ビニル化合物含有率と、
別個に作成する成分のシアン化ビニル化合物含有率は著
しく相異しないことか好ましい。
本発明に用いるシアン化ビニル化合物としてはアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルが、芳香族ビニル化合物
としてはスチレン、αメチルスチレンが例示できる。芳
香族ビニル化合物の一部又は全部を(メタ)アクリル酸
エステル単量体に置き替えても良く、この時好ましい単
量体としてメチルメタアクリレートが例示できる。
本発明の樹脂組成物に対し、公知の熱安定剤、紫外線吸
収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤を加
えることは任意である。
更に、本発明の樹脂組成物は、単独でシート成形し実用
に供される他、異種のABS樹脂との二層シート、溶融
混線による混合物として電気冷蔵庫内張りシート用材料
として使用することかできる。
〔実施例〕
以下、実施例に基き、本発明を説明する。
なお、以下に用いる部数は、重量部を表わす。
A、 グラフト共重合体の作成 (G−1) ポリブタジェンゴムラテックス(重量平均粒子径300
0人単分散、スウェリングインデックス28)固形分4
0部、脱イオン水100部、ロジン酸カリウム1.5部
(原料ゴム由来分を含む)を還流冷却器付き重合槽に入
れ、気相部を窒素置換したのち70°Cに昇温した。ア
クリロニトリル27部、スチレン33部、 tドデシル
メルカプタン0.6部、クメンハイドロパーオキサイド
0.1部よりなる単量体混合液と、脱イオン水50部に
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部
、硫酸第一鉄0.004部、エチレンジアミンテトラ酢
酸二ナトリウム塩0.04部を溶解してなる水溶液を7
時間にわたり連続追添加し反応させた。この間重合糸を
70°Cに制御し、追添加終了後、更に1時間その状態
を保ち反応を完結させた。グラフト率は82%。IRよ
り求めたゴム質重合体を除く成分に占めるアクリロニト
リル単位の含有率は43%であった。
(G−2〜G−7) G−1と同様の反応を使用する単量体組成および連鎖移
動剤量を変えて実施した。
(G−9,10) 使用する原料ゴムラテックスとして、重量平均粒子径3
000人単分散。スウェリングインデックス20のもの
を用い実施した。
(G−8) G−1作成に用いたものと同一のゴムラテックス固形分
40部、脱イオン水300部、ロジン酸カリウム1.5
部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.0部を還
流冷却器付き重合槽に入れ、以下G−1と同様の反応を
スチレンをメチルメタアクリレートに替えて実施した。
以上の結果を第1表に一括して示した。
B、 シアン化ビニル−芳香族ビニル(メタ)アクリル
酸エステルよりなるマトリクス共重合体の作成 (M−1) 160°Cに予め昇温された連続式、完全混合型反応器
に、アクリロニトリル42部、スチレン33部、エチル
ベンゼン25部よりなる単量体混合液を連続的に添加し
、添加量に見合う分の重合体溶液を払い出しながら反応
させた。反応系の固形分量か50重量%に安定した後に
払い出された重合体溶液を脱気し、造粒し、サンプルペ
レットを得た。
(M−2,3,4) 同様の反応を、用いる単量体の組成を変えて実施し、M
−2,M−3,M−4を得た。
(M−5) 還流冷却器付き重合槽に、脱イオン水150部、ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム(商品名うピゾール)2
部をいれ、気相部を窒素置換しなから70°Cに昇温し
た。70°Cに到達後、アクリロニトリル60部、スチ
レン40部、 tドデシルメルカプタン1.0部、クメ
ンハイドロパーオキサイド0.15部からなる混合液及
び脱イオン水100部に、ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシネート0.1部、硫酸第1鉄0.005部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部を溶解
してなる水溶液を8時間にわたって連続追添加しなから
反応させた。この間反応温度を70°Cにボントロール
し、追添終了後さらに後重合を1時間行うことで反応を
完結した。
(M−6) 同様の反応を、アクリロニトリル70部、スチレン30
部で実施し、M−6を得た。
M−1〜5の組成分析値を(IRによる)および溶液粘
度を測定し、第2表に一括して示した。
以下余白 実施例1 グラフト共重合体G−1ラテックスに、硫酸マグネシウ
ムを加え凝固させ、洗浄、脱水した後、90°Cで熱風
乾燥し樹脂粉末を得た。この粉末60部、マトリクス共
重合体M−140部、フェノール系熱安定剤(住友化学
BIT) 0.2部、エチレンヒスステアリルアミド0
.5部を押出機を用い混練造粒し、ペレットとし、射出
成形法及び圧縮成形法により試験片を得た。
また、樹脂粉末1gを25gのアセトンに分散させ振ト
ウ及び超音波乳化器を用いゴム質重合体に化学的に結合
していない成分を完全に抽出し、遠心分離及びデカンテ
ーションにより、グラフト体を得た。グラフト体は再度
゛アセトン分散させ、包埋用エポキシ樹脂「エポック■
812」を用い固定し観察用サンプルとし、オスミウム
酸を用い染色したのち超薄切片の電子顕微鏡写真第3図
を得た。
また第1図はその模式図である。同時に樹脂ペレットを
常法により超薄切片とし、ゴム粒子の分散状態の一例を
示す電子顕微鏡写真(第5図)を得た。
樹脂組成物の性質は、以下の方法により求めた。
第3,5図は、クラフトアクリロニトリル−スチレン共
重合体の存在形態を示す電子顕微鏡写真であるか複数個
観察されるグラフトゴム粒子は、写真撮影に際し重なり
合ったものと推定され必ずしもグラフトゴム粒子か凝集
している必要はない。
樹脂組成物の性質は以下の方法により求めた。
(耐フロン123性ESCR) 圧縮成形しアニールした試験片(12,7X 1. O
mm :厚さ)の中央部をガーゼで覆い、その外側をサ
ランラップ(脂化成製、商品名)で覆って、試験片に2
8kgの荷重をかけた後、フロン123を注射器て注入
してクリープ試験を行い、注入後から試験片の破断まで
の時間を測定した。
試験中、ガーゼか乾燥しないように時々、フロン123
の注入を行った。
(フロン123吸着性) 射出成形により得た試験片を、23°Cにてフロン12
3ガスと24時間接触させ。接触前後の曲げ弾性率(A
STM D−790)を比較した。
(熱安定性) 試料5gを240°C真空乾燥機内に1.5時間放置し
た後取り出し、DMFへの溶解性を観察し熱安定性を次
のように評価した。
○: DMF不溶分生じない X:DMF不溶分生じる (耐衝撃性) ASTM D−256による1/4”アイゾツト衝撃強
度(ノツチ付き23°C) 実施例2.比較例1. 2. 3 実施例1と同様の操作を使用するグラフト共重合体の種
類を変えて実施した。
実施例3.比較例4 グラフト共重合体とマトリクス共重合体を、固形分比率
で60 : 40となる様にラテックス状態で混合し、
混合ラテックスを硫酸マグネシウムを用い塩析し、樹脂
粉末とした。同粉末100部に、熱安定剤0.2部、エ
チレンビスステアリルアミド0.5部を添加し、造粒し
、以下実施例1と同様の評価を行なった。なお、グラフ
ト構造の観察用サンプルは、グラフト共重合体ラテック
スから凍結析出させた樹脂成分を用いた。
結果は第3表に一括して示した。
以下余白 第1,2図に示される不均一グラフト構造を有する樹脂
組成物(実施例1)は第2,4図に示される従来の均一
グラフト構造の樹脂組成物(比較例3)に比較し、耐フ
ロン123性に優れることか明らかである。また、アイ
ゾツト衝撃値及び耐フロン性、好適なグラフト率の範囲
は50/120%であることか明らかである。
実施例4〜6.比較例5〜7 実施例4〜6.比較例5,6は、グラフト共重合体とマ
トリクス共重合体の組合せを変え実施例1と同様の操作
を、比較例7は実施例3と同様の操作を施し第4表を得
た。
第4表よりゴム質重合体を除く樹脂成分に占めるアクリ
ロニトリル単位の含有率か40%未満ては、特にフロン
123吸着後の強度低下か著しいこと、同値が60%を
越えると耐フロン性は良好なものの熱安定性が劣ること
か明らかである。また、スチレンの一部又は全部をメチ
ルメタアクリレートに代えてなる樹脂組成物を用いた場
合でも良好な耐〔発明の効果〕 本発明の樹脂組成物は、例えばアルコール系、炭化水素
系薬剤などに対する耐薬品性か良好なことから、広く工
業材料としての使用が可能である。
とくに、耐フロン123性にも優れ、電気冷蔵庫用内張
りシート材料などに好適である。
【図面の簡単な説明】
第1,3図はそれぞれ、本発明の不均一グラフト層を有
するアクリロニトリル−スチレン共重合ゴム質重合体の
粒子構造及びその存在形態を示す、模式図、及びその電
子顕微鏡写真、第2,4図は、それぞれ従来の均一グラ
フト層を有するアクリロニトリル−スチレン共重合ゴム
質重合体の粒子構造及びその存在形態を示す模式図、及
びその電子顕微鏡写真である。 第5図は、本発明の前記ゴム粒子の粒子構造及び粒子の
分散状態を示す電子顕微鏡写真である。 特許出願人  旭化成工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シアン化ビニル化合物(A)と芳香族ビニル化合物
    (S)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル化合物(
    M)よりなるマトリクス共重合体中にゴム質重合体が粒
    子状に分散した樹脂組成物であって、ゴム質重合体粒子
    表面に化学的に結合しグラフト成分を形成する(A)(
    S)、(A)(M)又は(A)(S)(M)共重合体が
    前記粒子の表面に不均一に存在し、(1)式により求め
    られるグラフト率が50%以上であることを特徴とする
    耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 グラフト率=〔[(ゴム質量合体量+グラフト鎖量)/
    ゴム質量合体量]−1〕×100=〔(アセトン不溶分
    量/ゴム質量合体量)−1〕×100・・・(1) 2 (A)/{(A)+(S)+(M)}が0.4〜0
    .6の範囲にある熱安定性の改良された請求項1記載の
    熱可塑性樹脂組成物。 3 請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物を50重
    量%以上含むABS樹脂組成物を用いてなる電気冷蔵庫
    内張りシート。
JP30276690A 1990-11-09 1990-11-09 耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH04178410A (ja)

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WO1997011127A1 (en) * 1994-03-25 1997-03-27 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Rubber-reinforced thermoplastic resin composition containing particles of graft polymer

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