JP3181690B2 - グラフト共重合体の製造法 - Google Patents

グラフト共重合体の製造法

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JP3181690B2 JP16135792A JP16135792A JP3181690B2 JP 3181690 B2 JP3181690 B2 JP 3181690B2 JP 16135792 A JP16135792 A JP 16135792A JP 16135792 A JP16135792 A JP 16135792A JP 3181690 B2 JP3181690 B2 JP 3181690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、グラフト共重合体の製
造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、乳化重合
により製造した共役ジエン系ゴムラテックスとアクリル
酸エステル系ゴムラテックスを混合し、粒径肥大した
後、高割合のシアン化ビニル単量体及び少割合の芳香族
ビニル単量体よりなる単量体混合物をグラフト反応させ
て、優れた物性バランス及び優れた耐薬品性を有する成
形品が得られる、グラフト共重合体を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、典型的にはアクリロニトリル
とブタジエンとスチレンとの共重合体(具体的には、た
とえば、ポリブタジエンラテックス中でアクリロニトリ
ルとスチレンとを乳化重合させたもの)であるABS樹
脂に代表されるゴム強化スチレン系共重合体は、良好な
成形性と優れた物性をもつ熱可塑性樹脂として知られて
おり、電気器具、自動車その他の部品、筐体等の材料と
して広く使用されている。しかしながら、例えばABS
樹脂では、通常アクリロニトリル成分の含有率がスチレ
ン成分の含有率に比べて少ないので、耐薬品性及びガス
遮断性等の性質が劣るものであった。これらの性質が優
れた樹脂を得るため、ABS樹脂中のアクリロニトリル
成分の配合割合を増加させたグラフト共重合体の製造方
法が知られている(例えば、特開昭47−5594号公
報参照)。
【0003】
〔発明の概要〕
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の点に解決
を与えることを目的とし、特定の条件を満たすグラフト
共重合樹脂組成物を特定の製造法によって、すなわち乳
化重合により製造した共役ジエン系ゴムラテックスとア
クリル酸エステル系ゴムラテックスを混合し、粒径肥大
した後、高割合のシアン化ビニル単量体及び少割合の芳
香族ビニル単量体よりなる単量体混合物を乳化重合させ
ること、によって得ることによって、この目的を達成し
ようとするものである。
【0005】<要旨>すなわち、本発明によるグラフト
共重合体の製造法は、下記の工程(I)、(II)および
(III)よりなること、を特徴とするものである。 工程(I):下記の成分(A)のラテックスと成分
(B)のラテックスの混合物(ただし、両ゴムの重量
は、両者の合計を100重量部とする)を得る、混合ゴ
ムラテックス調製工程、(A) 共役ジエン単量体50
重量%以上とこれと共重合可能なエチレン性不飽和単量
体50重量%以下との混合物を乳化重合してなる共役ジ
エン系ゴムラテックスを固形分換算として20〜95重
量部、(B) 炭素数2〜12の一価アルコールとアク
リル酸とのエステル化合物70〜100重量%、該アク
リル酸エステルと共重合可能なビニル単量体0〜27重
量%、及び多官能性ビニル単量体0〜3重量%の単量体
混合物を乳化重合してなるアクリル酸エステル系ゴムラ
テックスを固形分換算として5〜80重量部、 工程(II):上記混合ゴムラテックスの平均粒子径を
0.10〜0.50μmとなるように調整する、粒径肥
大工程、 工程(III):上記粒径肥大した混合ゴムラテックスの固
形分換算で10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニ
ル単量体50〜85重量%及び芳香族ビニル単量体15
〜50重量%より主としてなる単量体混合物90〜30
重量部(ただし、混合ゴムラテックス固形分と単量体混
合物の重量は、両者の合計を100重量部とする)を乳
化重合させる、重合工程。
【0006】<効果>本発明によるグラフト共重合樹脂
製造方法によって得られるグラフト共重合樹脂組成物
は、耐薬品性が良好である。また、耐衝撃性および流動
性も良好で物性バランスが優れている。
【0007】〔発明の具体的説明〕本発明によるグラフ
ト共重合体の製造法は、工程(I)〜(III)よりなる。
ここで「よりなる」ということは、挙示の工程のみから
なることの外に、本発明の趣旨を損なわない範囲で補助
的な工程、たとえばラテックスの濃度調整工程、を含ん
でもよいことを意味する。また、本発明による方法によ
って製造されるべき「グラフト共重合体」は、幹となり
うる重合体の存在下に「枝」を与えるべき単量体を重合
させることによって得られる重合体を指称するものであ
って、幹重合体とそれと接木された枝重合体のみからな
る理想的なグラフト共重合体と、幹重合体とそれと接木
されない枝用重合体とからなる非グラフト共重合体、の
間のあらゆる組成の重合体を包含するものである。
【0008】<工程(I)>工程(I)は、2種類のゴ
ムのラテックスの混合物を調製する工程である。 (1) 共役ジエン系ゴムラテックス 本発明において共役ジエン系ゴムとは、共役ジエン単量
体50重量%以上と共単量体50重量%以下とを乳化重
合法により重合して得られる合成ゴムラテックスであ
る。共役ジエン系ゴムを与えるべき共役ジエン単量体と
しては、1,3‐ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン等があげられる。入手の容易さ及び重合性の観点から
は、1,3‐ブタジエン及びイソプレンが好ましい。こ
れらは単独で用いても併用してもよい。
【0009】共単量体としては、例えば、不飽和ニトリ
ル、不飽和カルボン酸エステル、芳香族ビニル、ビニル
ピリジン類、等があげられる。これらは単独で用いて
も、群内または群間において併用してもよい。具体例と
しては、(イ)不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α‐クロロアクリロニトル
等、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、就中アクリロニトリル、(ロ)不飽和カルボン酸エ
ステル、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルエステ
ル、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(ハ)芳香
族ビニル、例えば核および(または)側鎖置換スチレン
(置換基は低級アルキル、ハロゲン原子等)または非置
換スチレン、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビ
ニルトルエン類、ビニルキシレン類等、好ましくはスチ
レン、(ニ)ビニリピリジン、例えば4‐ビニルピリジ
ン、がある。本発明で共役ジエン系ゴムとして好ましい
のは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、ポリ(ブタジエン‐スチレン)およびポリ(ブタ
ジエン‐アクリロニトリル)である。ラテックス中のゴ
ム含有量は、10〜60重量%程度である。
【0010】(2) アクリル酸エステル系ゴムラテックス 本発明においてアクリル酸エステル系ゴムとは、炭素数
2〜12の一価アルコールとアクリル酸とのエステル化
合物70〜100重量%、該アクリル酸エステルと共重
合可能なビニル単量体0〜27重量%及び多官能性ビニ
ル単量体0〜3重量%の単量体混合物を乳化重合して得
られるラテックスをいう。このアクリル酸エステル系ゴ
ムは、乳化重合法により得られる合成ゴムラテックスで
ある。上記アクリル酸エステル系ゴムの製造に使用され
るアクリル酸エステルとしては、アクリル酸と炭素数2
〜12、好ましくは4〜8、の一価のアルコールとのエ
ステルが適当である。具体的には、アクリル酸ブチル、
アクリル酸2‐エチルヘキシル等が好ましい。炭素数が
上記範囲外であると、十分なゴム弾性が得られないので
好ましくない。これらのエステルは一種でもよく、二種
以上混合して用いてもよい。
【0011】アクリル酸エステル類と共重合可能なビニ
ル単量体は、共重合して得られるアクリルラバーの補強
ゴムとしての性質及びグラフト重合反応性等を改善向上
させる機能をもつものが好ましい。具体的には、共役ジ
エンゴムの共単量体として前記したもの、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α‐メチ
ルスチレン、p‐ビニルトルエンその他のビニルトルエ
ン類、アルキルメタクリレート、2‐クロロエチルビニ
ルエーテル、モノクロル酢酸ビニル、メチルアクリレー
ト、メトキシエチルアクリレート等が挙げられる。多官
能の、すなわちエチレン性不飽和結合を複数個有する、
ビニル単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレート、ジアリルマレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジア
リルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、メタクリル酸アリルなどが挙げられる。
【0012】これらの多官能性ビニル単量体を用いるこ
とによりアクリル酸エステル共重合体の分子間の架橋、
マトリックスとのグラフト結合等が容易となって、本反
応に係わる組成物の耐衝撃性が向上する。本発明でアク
リル酸エステル系ゴムとして好ましいのは、例えばアク
リル酸ブチルとアクリロニトリルとメタクリル酸アリル
との混合物を、70〜99.92:0〜27:0.08
〜3(重量比、すなわち重量%)の割合の範囲で乳化重
合してなる共重合体である。ラテックス中のゴム含有量
は、10〜60重量%程度である。
【0013】(3) ラテックスの混合 工程(I)は、上記二種類のゴムのラテックスを混合し
て、混合ゴムラテックスを得る工程である。両ラテック
スの混合物は、常法によって行なうことができる。混合
ゴムラテックスのゴム量は、共役ジエン系ゴム20〜9
5重量部、好ましくは20〜80重量部、アクリル酸エ
ステル系ゴム80〜5重量部、好ましくは80〜20重
量部(ただし、両者の合計量を100重量部とする)、
である。共役ジエン系ゴムの量が20重量部未満では、
後続のグラフト共重合工程での「枝」重合体の接木が不
十分となって生成組成物の物性が低下する傾向が大きく
なり、一方アクリル酸エステル系ゴムの量が5重量部未
満となると、それを使用する意味が薄れて、たとえば生
成グラフト共重合体の耐薬品性が低下する。混合ゴムラ
テックス中のゴム含有量も、10〜60重量%、好まし
くは20〜50重量%、程度である。
【0014】<工程(II)>工程(II)は、工程(I)
で得られた混合ゴムラテックスのゴム粒子の粒径肥大を
行なう工程である。なお、この工程はゴムの平均粒子径
を特定の値に「調整」する工程であり、工程(I)での
両ゴムラテックスの一方または双方が既にこの特定の範
囲の粒径を持つものである場合は、粒径肥大操作は事実
上不要である。この工程を「粒径肥大工程」と呼んで
も、その操作上の要件を「粒径肥大」とせずに粒径の
「調整」と規定する所以である。しかし、その場合に
も、共役ジエン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴムとが
混合された粒子にすべく粒径肥大操作を行なうことが好
ましい。
【0015】本発明では、両ゴムの混合物のラテックス
について粒径肥大操作を行なうことが必要である(「必
要」の意味は、上記した通りである)。ゴムラテックス
の粒径肥大は、個々の単一粒子が粒径の大きな単一粒子
となるというよりも、小粒径の粒子が集塊化して見掛け
上粒径の大きな粒子となることを意味するから、そのよ
うな肥大粒子が両ゴムの単位粒子の集塊体からなってい
れば、生成グラフト共重合体より一層の均質性が実現さ
れ易いからである。すなわち、共役ジエン系ゴムとアク
リル酸エステル系ゴムを混合して粒径肥大させることに
より、それぞれのゴムが均一に混じり合い、より優れた
耐薬品性及び優れた物性バランスを持つグラフト共重合
体を得ることができる。
【0016】さて、本発明方法においては、上記共役ジ
エン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴムの混合物を粒子
径0.10〜0.50μm、好ましくは0.15〜0.
40μm、に粒径肥大させる。ゴム粒子径が、例えば
0.10μm未満の小粒子径である場合は、その最終製
品である成形品を成形する場合の成形性(流動性)が低
下するとともに、より重要な耐衝撃性が低下し、このた
めゴム添加効率の悪化をもたらす。一方、ゴム粒子径が
例えば0.50μmを越える大粒子径である場合は、乳
化グラフト重合の際、ラテックスの不安定化を招き、重
合中のスケール量が増大する等の問題が生じるので好ま
しくない。
【0017】粒径肥大は、公知の方法、例えば、ラテッ
クスを一度凍結させてから再溶解する方法、ラテックス
に鉱酸、有機酸等を添加して、ラテックスのpHを一時
的に低下させる方法、ラテックスにせん断力を加える方
法等(特開昭54−133588号、特開昭59−20
2211号公報)によって、行なうことができる。特
に、ラテックスに、燐酸または無水酢酸を添加する方法
が、粒子径の調整が容易であるので、好ましい。
【0018】粒子径は上記の範囲に入ることが必要であ
るが、ゴム粒子径分布は、粒子径分布曲線が単一な山を
持ついわゆるモノモーダルである必要はなく、複数の
山、例えば2つの山、を持つバイモーダルであってもよ
い。バイモーダルの粒子径分布の場合は、その両者のラ
テックスの重量平均したゴム粒子径が0.10〜0.5
0μmの範囲に入ればよい。なお、ラテックス中のゴム
粒子の平均粒径とは、希釈したラテックス水溶液のレー
ザー光による光散乱を測定して得られる重量平均粒子径
である。
【0019】<工程(III)>工程(III)は、上記のよう
にして得られた粒径肥大混合ゴムのラテックス中で、
「枝」重合体を与るべき単量体、すなわちシアン化ビニ
ル単量体および芳香族ビニル単量体より主としてなる単
量体混合物、を乳化重合させる、重合工程である。
【0020】(イ)単量体混合物 本発明においてシアン化ビニル単量体の具体例として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α‐クロ
ロアクリロニトリル等があげられる。これらは、一種ま
たは二種以上の混合物であってもよい。シアン化ビニル
単量体の単量体混合物中に占める比率は、50〜85重
量%でなければならない。50重量%未満であると、目
的とする耐薬品性等の物性をグラフト共重合体に付与す
ることができないので好ましくない。特に好ましくは、
55重量%以上にするのがよい。また、85重量%を超
えると、グラフト共重合体の成形加工性、加熱時着色性
等の性質が低下するので好ましくない。
【0021】本発明において芳香族ビニル単量体の具体
例としては、スチレン、α‐メチルスチレン等のα‐ア
ルキル(低級が好ましい)スチレン、p‐メチルスチレ
ン等の核置換アルキル(低級が好ましい)スチレン、ハ
ロゲン化スチレン、ビニルナフタリン等があげられる。
これらは、一種まはた二種以上の混合物であってもよ
い。一方、芳香族ビニル単量体の単量体混合物中に占め
る比率は、15〜50重量%でなければならない。この
比率が上記の範囲を外れると、得られるグラフト共重合
体の性質が、目的の耐薬品性、ガス遮断性、成形加工
性、加熱時着色性等の性質において低下するので好まし
くない。
【0022】工程(III)での単量体混合物は、上記の二
必須単量体の特定量より主としてなる、従って、この単
量体混合物は、上記二成分の外に、これらの共重合可能
な、ビニル単量体、好ましくは樹脂質重合体を与える単
量体、を少量たとえば二必須単量体の合計量の10重量
%まで含んでいてもよいことを意味する。このような第
三の単量体としては、たとえば、メタクリル酸低級アル
キルエステルが例示される。なお、工程(III)では単量
体を「単量体混合物」と呼んでいるが、これは少なくと
も2種の単量体が併用されることを言い換えているに均
しく、両単量体が常に混合物の形でグラフト共重合工程
に導入されることを意味する訳でも、グラフト共重合工
程に導入する際の両単量体の量比が常に上記の範囲の一
定値に固定される訳でもない。
【0023】(ロ)乳化重合/グラフト共重合 乳化重合時の「幹」重合体と「枝」重合体用単量体の比
率は、前者が10〜70重量部、好ましくは20〜60
重量部、後者が90〜30重量部、好ましくは80〜4
0重量部、である(両者の合計を100重量部とす
る)。共役ジエン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴム混
合物の割合が、10重量部より少ないと、得られるグラ
フト共重合体の耐衝撃性が低下して、目的とする物性を
持つ成形品が得られず、耐衝撃性付与剤としての用途に
おいては、効果が少なくなるので好ましくない。70重
量部を超えると、得られるグラフト共重合体のグラフト
率が小さくなり、ゴム粒子の分散性及びゴム効率すなわ
ち耐衝撃性等が低下するので好ましくない。乳化重合操
作そのものは、常法と変らない。
【0024】本発明で好ましい方法は、酸素を除去した
状態で約0〜100℃程度の温度で、単量体を別々にま
たは混合して、必要に応じて単量体以外の成分たとえば
乳化剤、分散剤、重合開始剤、分子量調節剤ないし連鎖
移動剤、pH調節剤、その他をもそのままあるいは乳化
状態で、一時に、あるいは回分式に、あるいは連続的
に、重合系に供給して、重合させることである。使用し
得る重合開始剤(または触媒)としては、過硫酸、過酢
酸、過フタル酸等の過酸触媒、過硫酸カリウム等の過酸
塩触媒、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化クロル
ベンゾイル、過酸化ナフチル、過酸化アセチル、過酸化
ベンゾイルアセチル、過酸化ラウリル、過酸化ジ‐t‐
ブチル、過酸化ジクミル、過酸化t‐ブチル、過酸化ナ
トリウム等の過酸化物触媒、ヒドロ過酸化t‐ブチル等
のヒドロ過酸化アルキル、アゾビスブチロニトリル等の
アゾ触媒があり、これらは単独であるいは2種以上の混
合で使用できる。これらは、還元剤と組み合わせてレド
ックス触媒として使用することもできる。
【0025】本発明で使用し得る乳化剤としては、脂肪
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸塩、アルキルリン酸塩等がある。本発明で使用し
得る連鎖移動剤としては特に制限はないが、例えばn‐
オクチルメルカプタン、n‐ドデシルメルカプタン、t
‐ドデシルメルカプタン、等あるいはテルピノレン、α
‐メチルスチレンリニアダイマー等が用いられる。重合
生成物はラテックスの形で得られ、従来公知の方法、例
えば電解質または溶媒による凝集法あるいは凍結法等、
により重合体を凝固し、更にこれを水洗、乾燥して重合
体を得た後、混合、混練、脱揮、ペレット化等の工程
を、適宜組み合わせて行なうことにより、成形用材料を
得ることができる。可塑剤、安定剤、潤滑剤、染料およ
び顔料、充填剤等を必要に応じて重合中にあるいは重合
後に添加することも可能である。
【0026】<グラフト共重合体の利用>本発明により
製造されるグラフト共重合体は、それ自身で前記のよう
に耐衝撃性等のすぐれた樹脂素材として有用であるが、
それと混和性の硬質樹脂に対して耐衝撃性付与剤として
も有用である。後者の場合の硬質樹脂の代表例は、工程
(III )で使用する単量体混合物から形成される樹脂で
ある。両者の混合物/ブレンドは、工程(III )で実現
されるゴム含有量のものであるものが一つの典型例であ
る。
【0027】
【実施例】下記の実施例及び比較例は、本発明をさらに
具体的に説明するためのものであるが、本発明はその要
旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではな
い。以下の各実施例及び比較例において、耐衝撃性スチ
レン系樹脂の物性は、次の方法によって測定した。 (1) アイゾット衝撃強度 JIS K7110に従って測定した。 (2) メルトフローレート JIS K7210に従って220℃、10Kgの条件で
測定し、10分間の流出g数で表示した。 (3) ラテックスの平均粒子径 ラテックスの平均粒子径は、米国コールター社製「ナノ
サイザー」によって、測定した。 (4) 耐薬品性 最終生成物をダンベル形に圧縮成形し、フロン123
(1,1‐ジクロロ‐2,2,2‐トリフロロエタン)
を用いてin‐situ発泡法で硬質ポリウレタンフォ
ームを接着させて、試験片とした。試験片を、23℃に
て引張り歪みをかけたまま治具に固定し、ただちに治具
ごと−20℃に冷却して17時間放置し、冷却放置後の
クレイズあるいはクラックの発生した歪み値を測定し
た。なおダンベルの形状は、JIS−K6734に規定
されている引張り試験用の厚さ1mmのものとし、硬質ポ
リウタレンフォームは、その平行部分に、幅10mm、長
さ40mm、厚さ10mで接着させた。 (臨界)歪み値が0.6%以上を、耐薬品性が良好であ
ると判定する。
【0028】実施例1 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 5LSUS製オートクレーブに脱イオン水(以後、単に
水と表記)2400g、高級脂肪酸石鹸(炭素数18を
主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)64.0g、水酸
化ナトリウム1.2gを仕込み、窒素置換後68℃に昇
温した。1,3‐ブタジエン(BD)1440g、スチ
レン(St)160g及びt‐ドデシルメルカプタン
4.8gより成る単量体混合物のうち321gを仕込ん
だ後、過硫酸カリウム2.16gを添加した。数分で発
熱が起こり、重合の開始が確認された。過硫酸カリウム
を添加後、1時間後から単量体混合物1284gの連続
仕込みを開始、6時間の時点で終了した。単量体混合物
添加終了後、温度を80℃まで上げ、さらに1時間重合
を進めた。固形分濃度(ラテックス中のゴム含有量)3
9.5%、平均粒径0.08μmであった。
【0029】(2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製
造 5Lガラス製フラスコに水2420g、高級脂肪酸石鹸
(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)3
2g、炭酸水素ナトリウム16gを仕込み、窒素気流下
75℃に昇温した。過硫酸カリウム2.16gを添加し
た後、5分して、アクリル酸ブチルエステル(BA)1
520g、アクリロニトリル(AN)80g、及びメタ
クリル酸アリルエステル(AMA)8gより成る単量体
混合物のうち64gを仕込んだ。数分で発熱が起こり、
重合の開始が確認された。最初の単量体混合物の仕込後
20分で、残りの単量体混合物の連続添加を開始、3時
間20分の時点でその添加を終了したが、途中2時間の
時点で脂肪酸石鹸16gを加え、2時間30分の時点で
過硫酸カリウム0.24gを加えた。単量体混合物添加
終了後、80℃へ昇温し、さらに1時間同一温度にて重
合を進めた。固形分濃度(ラテックス中のゴム含有量)
39.0%、平均粒径0.075μmであった。
【0030】(3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステ
ル系ゴム混合物の粒径肥大 攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに、上記(1)のラテックス82
2.8g(固形分325g)、上記(2)のラテックス
833.3g(固形分325g)、ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物0.33g、水201gを仕込み、
攪拌しながら内温を55℃に昇温した。続いて無水酢酸
6.5gを水130gに加え、ホモジナイザーで30秒
攪拌し、それをこのフラスコに同温度で添加した。添加
してから2分後、ナフタレンスルホン酸縮合物3.3
g、水酸化カリウム4.23gを水67.3gに溶解さ
せたものを添加して、粒径肥大を終了した。固形分濃度
(ラテックス中のゴム含有量)32.1%、平均粒径
0.25μmであった。
【0031】(4) グラフト共重合体の製造 上記(3)のラテックス2025g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0g、水(水分合計量として)741gを、
攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに仕込み、窒素気流下、攪拌しな
がら内温を65℃に昇温した。続いて、このフラスコに
過硫酸カリウム(I)水溶液(0.98gの過硫酸カリ
ウムを含む。)を100g添加し、同温度でアクリロニ
トリル(AN)357.5g、スチレン292.5g、
及びn‐ドデシルメルカプタン3.3gを混合した単量
体混合物の連続添加を始め、グラフト反応を開始した。
反応直後から4時間後まで、単量体混合物を一定添加速
度で、重合系に加えた。また、反応を開始してから、3
0分後から4時間30分後までの間、過硫酸カリウム
(II)水溶液(2.28gの過硫酸カリウムを含む。)
230gを一定添加速度で、重合系に連続して加えた。
反応を開始してから、4時間後に、単量体混合物の添加
を終了した後、さらに同一温度で1時間反応を続けて、
グラフト反応を完結終了した。得られたラテックスの固
形分濃度は、34重量%であった。
【0032】得られたグラフト重合体ラテックスを、老
化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネ
シウム水溶液中に攪拌しながら加えて、凝固させた。凝
固物を水洗、乾燥して、白色粉末状のゴム含有樹脂組成
物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を、ゴム
を除いた同じ組成のスチレン‐アクリロニトル共重合体
(AN/St重量比60/40、メルトフローレート1
0g/10分(220℃、10Kg))と、全組成物中の
ゴム質重合体の含有率が20重量%となるように押出機
を用いて配合し、ペレット化したのち、射出成形により
各テストピースを作成して、各物性を以下の方法で評価
した。結果は、表1に示す通りであった。
【0033】実施例2 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載の例において、単量体混合物の組
成を、次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の
手順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 520 g スチレン 130 g n‐ドデシルメルカプタン 19.5g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
【0034】実施例3 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 1234.2g(固形
分487.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 416.7g(固形
分162.5g) 平均粒径0.15μmであった。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果を第1表に示す。
【0035】実施例4 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 411.4g(固
形分487.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 1250.0g(固
形分487.5g) 平均粒径0.30μmであった。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果を第1表に示す。
【0036】実施例5 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。 (4) グラフト共重合体の製造 上記(3)のラテックスを2025g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0g、水(水分合計量として)741gを、
攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに仕込み、窒素気流下、攪拌しな
がら内温を65℃に昇温した。
【0037】昇温しながら、水200gに溶解したピロ
リン酸ナトリウム6.5g、デキストロース13.0g
及び硫酸第一鉄0.065gを添加する。65℃に達し
た時点で、このフラスコにクメンハイドロパーオキサイ
ド0.49g、アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム3.9g、水95gを添加した。15分後
よりアクリロニトリル390g、スチレン260g、n
‐ドデシルメルカプタン9.8gを混合した単量体混合
物の連続添加を始め、グラフト反応を開始した。反応直
後から4時間後まで、単量体混合物を一定添加速度で、
重合系に加えた。また、反応を開始してから、30分後
から4時間30分後までの間、クメンハイドロパーオキ
サイド2.28g、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウム9.1g、水222gを4時間かけて
添加した。添加終了後、さらに1時間反応を続け、冷却
して、反応を終了した。
【0038】得られたグラフト重合体ラテックスを、化
防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネシ
ウム水溶液中に攪拌しながら加えて、凝固させた。凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状のゴム含有樹脂組成物
を得た。このようにして得られた樹脂組成物を、スチレ
ン‐アクリロニトリル共重合体(AN/St重量比60
/40、メルトフローレート10g/10分(220
℃、10Kg))と、全組成物中のゴム質重合体の含有率
が20重量%となるように押出機を用いて配合し、ペレ
ット化したのち、射出成形により各テストピースを作成
して、各物性を評価した。結果は、表1に示す通りであ
った。
【0039】実施例6 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。 (4) グラフト共重合体の製造 上記(3)のラテックスを2025g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0g、水(水分合計量として)741gを、
攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに仕込み、窒素気流下、攪拌しな
がら内温を65℃に昇温した。
【0040】昇温しながら、水200gに溶解したピロ
リン酸ナトリウム6.5g、デキストロース6.5g及
び硫酸第一鉄0.065gを添加する。65℃に達した
時点で、このフラスコにクメンハイドロパーオキサイド
0.49g、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
ナトリウム3.9g、水95gを添加した。15分後よ
りアクリロニトリル455g、スチレン151.7g、
n‐ドデシルメルカプタン29.3gを混合した単量体
混合物の連続添加を初め、グラフト反応を開始した。反
応直後から4時間後まで、単量体混合物を一定添加速度
で、重合系に加えた。次に上記単量体混合物の連続添加
が終了した後、即座に、スチレン43.3gを1時間か
けて、重合系に連続添加した。また、反応を開始してか
ら、30分後から4時間30分後までの間、クメンハイ
ドロパーオキサイド2.28g、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム9.1g、水222gを
4時間かけて添加した。スチレン添加終了後、さらに1
時間反応を続け、冷却して、反応を終了した。
【0041】得られたグラフト重合体ラテックスを、老
化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネ
シウム水溶液中に攪拌しながら加えて、凝固させた。凝
固物を水洗、乾燥して、白色粉末状のゴム含有樹脂組成
物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を、スチ
レン‐アクリロニトリル共重合体(AN/St重量比6
0/40、メルトフローレイト10g/10分(220
℃、10Kg))と、全組成物中のゴム質重合体の含有率
が20重量%となるように押出機を用いて配合し、ペレ
ット化したのち、射出成形により各テストピースを作成
して、各物性を評価した。結果は、表1に示す通りであ
った。
【0042】実施例7 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、無水酢酸に代え
て、燐酸を5.2gを用いた他は、同例(3)と同様の
手順とした。平均粒径0.24μmであった。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。
【0043】実施例8 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、平均粒径が0.4
0μmとなるように、無水酢酸の量を変更した他は、同
例(3)と同様の手順とした。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。
【0044】比較例1 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 1645.6g(固
形分650.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 0.0g(固
形分0.0g) 平均粒径0.14μmであった。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果を第1表に示す。
【0045】比較例2 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 0.0g(固
形分0.0g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 1666.7g(固
形分650.0g) 平均粒径0.20μmであった。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果を第1表に示す。
【0046】比較例3 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載の例において、単量体混合物の組
成を、次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の
手順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 585 g スチレン 65 g n‐ドデシルメルカプタン 19.5g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
【0047】比較例4 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載の例において、単量体混合物の組
成を次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の手
順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 195 g スチレン 455 g n‐ドデシルメルカプタン 3.3g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
【0048】比較例5 (1) 共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2) アクリル酸エステル系ゴム(B)の製造。 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3) 共役ジエン系ゴム/アクリル酸エステル系ゴム混合
物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、平均粒径が0.6
5μmとなるように、無水酢酸の量を変更した他は、同
例(3)と同様の手順とした。 (4) グラフト共重合体の製造 実施例1(4)に記載したのと同じ。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示すように、本発明で規定する諸条
件を充足しないグラフト共重合樹脂組成物はいずれかの
物性、特に成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃性
および(または)樹脂の流動性、において不満足である
こと、換言すれば、本発明によるグラフト共重合樹脂組
成物は、特に成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃
性および(または)樹脂の流動性において優れているこ
と、物性バランスにおいて優れていることが、明らかで
ある。
【0051】
【発明の効果】本発明によるグラフト共重合樹脂製造方
法によって得られるグラフト共重合樹脂組成物が、耐薬
品性、耐衝撃性および流動性が良好で物性バランスが優
れていることは、〔発明の概要〕の項において前記した
ところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−34911(JP,A) 特開 平5−345812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 291/00 C08F 6/18 C08F 265/06 C08F 279/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程(I)、(II)および(III)よ
    りなることを特徴とする、グラフト共重合体の製造法。 工程(I):下記の成分(A)のラテックスと成分
    (B)のラテックスの混合物(ただし、両ゴムの重量
    は、両者の合計を100重量部とする)を得る、混合ゴ
    ムラテックス調製工程、 (A) 共役ジエン単量体50重量%以上とこれと共重
    合可能なエチレン性不飽和単量体50重量%以下との混
    合物を乳化重合してなる共役ジエン系ゴムラテックスを
    固形分換算として20〜95重量部、 (B) 炭素数2〜12の一価アルコールとアクリル酸
    とのエステル化合物70〜100重量%、該アクリル酸
    エステルと共重合可能なビニル単量体0〜27重量%、
    及び多官能性ビニル単量体0〜3重量%の単量体混合物
    を乳化重合してなるアクリル酸エステル系ゴムラテック
    スを固形分換算として5〜80重量部、 工程(II):上記混合ゴムラテックスの平均粒子径を
    0.10〜0.50μmとなるように調整する、粒径肥
    大工程、 工程(III):上記粒径肥大した混合ゴムラテックスの固
    形分換算で10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニ
    ル単量体50〜85重量%及び芳香族ビニル単量体15
    〜50重量%より主としてなる単量体混合物90〜30
    重量部(ただし、混合ゴムラテックス固形分と単量体混
    合物の重量は、両者の合計を100重量部とする)を乳
    化重合させる、重合工程。
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