JP3181718B2 - グラフト共重合体の製造法 - Google Patents

グラフト共重合体の製造法

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JP3181718B2 JP25854292A JP25854292A JP3181718B2 JP 3181718 B2 JP3181718 B2 JP 3181718B2 JP 25854292 A JP25854292 A JP 25854292A JP 25854292 A JP25854292 A JP 25854292A JP 3181718 B2 JP3181718 B2 JP 3181718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、グラフト共重合体の製
造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、乳化重合に
より製造した共役ジエン系ゴムにアクリル酸エステル単
量体混合物をグラフト重合した後、高割合のシアン化ビ
ニル単量体及び少割合の芳香族ビニル単量体よりなる単
量体混合物をグラフト反応させて、優れた物性バランス
及び優れた耐薬品性を有する成形品を与えるグラフト共
重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来より、ゴム強化スチ
レン系共重合体は、良好な成形性と優れた物性をもつ熱
可塑性樹脂として知られており、電気器具、自動車その
他の部品、筐体等の材料として広く使用されている。
【0003】そのようなゴム強化スチレン系共重合体の
代表例は、ABS樹脂と呼ばれるものであって、典型的
には、アクリロニトリル(A)およびスチレン(S)を
ポリブタジエン(B)ラテックス中で乳化重合させてそ
の一部をポリブタジエンにグラフト共重合させたものが
それである。
【0004】しかしながら、例えばABS樹脂では、通
常アクリロニトリル成分の含有率がスチレン成分の含有
率に比べて少ないので、耐薬品性及びガス遮断性等の性
質が劣るものであった。
【0005】これらの性質が優れた樹脂を得るため、A
BS樹脂中のアクリロニトリル成分の配合割合を増加さ
せたグラフト共重合体の製造方法が知られており(例え
ば、特開昭47−5594号公報参照)、耐薬品性等の
向上に高ニトリル化という手段はそれなりに有効であ
る。
【0006】しかしながら、耐薬品性及びガス遮断性を
必要とする用途等の広がりにより、ただ高ニトリルにす
るのみでは、耐薬品性及び耐衝撃性等の不足から使用中
に白化及びクラック等の問題を起こすようなものも現わ
れてきている。
【0007】耐薬品性を向上させるための手段として
は、従来は高ニトリル化することであったが、高ニトリ
ル樹脂の耐薬品性をより改良するような試みは今までな
されていなかったといえる。
【0008】〔発明の概要〕
【課題を解決するための手段】本発明は上記の点に解決
を与えることを目的とし、特定の二段重合法を採ること
によってこの目的を達成しようとするものである。すな
わち、本発明のグラフト共重合体の製造法は、下記の工
程1および工程2を実施すること、を特徴とするもので
ある。
【0009】工程1: 共役ジエン単量体50重量%以
上とこれと共重合可能なエチレン性不飽和単量体50重
量%以下との混合物を乳化重合させて得られる共役ジエ
ン系ゴムラテックス(A)を固形分換算として20〜9
5重量部の存在下に、炭素数が2〜12個である一価ア
ルコールとアクリル酸とのエステル化合物70〜99.
2重量%、該アクリル酸エステルと共重合可能なビニル
単量体0〜27重量%、及び多官能性ビニル単量体0.
08〜3重量%の単量体混合物(B)5〜80重量部
(たゞし、AとBの合計を100重量部とする)を乳化
重合させる工程、 工程2: 工程1終了後、生成ラテックスを固形分換算
として10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニル単
量体50〜85重量%及び芳香族ビニル単量体15〜5
0重量%よりなる単量体混合物30〜90重量部(たゞ
し、ラテックス固形分と単量体の合計を100重量部と
する)を乳化重合させる工程。
【0010】<効果>本発明によるグラフト共重合体の
製造法によって得られるグラフト共重合樹脂組成物は、
耐薬品性が良好である。また、耐衝撃性および流動性も
良好で物性バランスが優れている。
【0011】〔発明の具体的説明〕本発明は、グラフト
共重合を二段に行なうことを主要な特徴とするものであ
る。なお、グラフト共重合が「幹」重合体用の重合体存
在下に「枝」重合体用の単量体を重合させることに相当
して、生成重合体には「接木」されなかった「枝」重合
体用単量体の重合体が共存することが避け難いところか
ら、本発明でいう「グラフト共重合」および「グラフト
共重合体」はそのような混合物およびその製造を包含す
るものである。
【0012】<工程1>工程1は、共役ジエン重合体ラ
テックス中でアクリレート単量体から主としてなる単量
体を乳化重合させる工程である。 (1)共役ジエン系ゴムラテックス(A) 本発明において共役ジエン系ゴムとは、共役ジエン単量
体50重量%以上と共単量体50重量%以下とを乳化重
合法により重合して得られる合成ゴムラテックスであ
る。共役ジエン系ゴムを与えるべき共役ジエン単量体と
しては、1,3‐ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン等があげられる。入手の容易さ及び重合性の観点から
は、1,3‐ブタジエン及びイソプレンが好ましい。こ
れらは単独で用いても併用してもよい。共単量体として
は、例えば、不飽和ニトリル、不飽和カルボン酸エステ
ル、芳香族ビニル、ビニルピリジン類、等があげられ
る。これらは単独で用いても、各群内および(または)
各群間において併用してもよい。具体例としては、
(イ)不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、α‐クロロアクリロニトリル等、好ま
しくはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、就中ア
クリロニトリル、(ロ)不飽和カルボン酸エステル、例
えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のC〜Cアルキルエステ
ル、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(ハ)芳香
族ビニル、核および(または)側鎖置換スチレン(置換
基は、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
基等)、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニル
トルエン類、ビニルキシレン類等、好ましくはスチレ
ン、(ニ)ビニルピリジン、例えば4‐ビニルピリジ
ン、がある。
【0013】ラテックス中の固形分としての共役ジエン
系ゴムの含有量は、10〜60重量%程度、好ましくは
15〜50重量%程度、がふつうである。また、共役ジ
エン系ゴムの粒子径は、米国コールター社のナノサイザ
ー(光散乱法)により測定した重量平均粒子径として
0.05〜0.5μm程度、好ましくは0.1〜0.4
μm程度、がふつうである。なお、重合工程からの共役
ジエン系ゴムラテックスが所望のゴム粒子径のものでな
いときは、それ自身公知の所謂「粒径肥大法」によって
所望粒径に調整すればよい。
【0014】(2)アクリル酸エステル等(B) 工程1のグラフト共重合の「枝」重合体用単量体(B)
は、主としてアクリル酸エステルからなる。本発明にお
いてアクリル酸エステルとしては、アクリル酸と炭素数
が2〜12個、好ましくは4〜8個の一価、のアルコー
ルとのエステルが適当である。具体的には、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル等が好ましい。
炭素数が上記範囲外であると、十分なゴム弾性が得られ
ないので好ましくない。これらのエステルは一種でもよ
く、二種以上混合して用いてもよい。
【0015】アクリル酸エステル類と共重合可能なビニ
ル単量体は、共重合して得られるアクリルゴムの補強ゴ
ムとしての性質及びグラフト重合反応性等を改善向上さ
せる機能をもつものが好ましい。具体的には、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α‐メチル
スチレン、p‐ビニルトルエンその他のビニルトルエン
類、アルキルメタクリレート、2‐クロロエチルビニル
エーテル、モノクロロ酢酸ビニル、メチキシエチルアク
リレート等が挙げられる。多官能のビニル単量体、すな
わちエチレン性不飽和結合を複数個持つ単量体、として
は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジアリルマレート、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸ア
リルなどが挙げられる。これらの多官能性ビニル単量体
を用いることによりアクリル酸エステル共重合体の分子
間の架橋、マトリックスとのグラフト結合等が容易とな
り本反応に係わる組成物の耐衝撃性が向上する。
【0016】(3)グラフト共重合 工程1のグラフト共重合は、それ自身周知の方法によっ
て実施することができる(具体的には、工程2について
の説明を参照されたい)。本発明では、「幹」用重合体
である共役ジエン系ゴムラテックス(A)の固形分が2
0〜95重量部、好ましくは20〜80重量部、であ
り、アクリル酸エステル等の「枝」重合体用の単量体
(B)が5〜80重量部、好ましくは20〜80重量部
(たゞしA+B=100重量部)でなければならない。
Aが20重量部未満では所定の耐衝撃性が実現できず、
一方95重量%超過では所定の耐薬品性が実現できな
い。
【0017】本発明方法においては、工程1のグラフト
重合後の粒子径を0.10〜0.50μm、好ましくは
0.10〜0.40μm、にすることが望ましい。粒子
径が、例えば0.10μm未満の小粒子系である場合
は、その最終製品である成形品を成形する場合の成形性
(流動性)を低下するとともに、より重要な耐衝撃性が
低下し、このためゴム添加効率の悪化をもたらす。一
方、粒子径が例えば0.50μmを越える大粒子系であ
る場合は、乳化グラフト重合の際、ラテックスの不安定
化を招き、重合中のスケール量が増大する等の問題が生
じるので好ましくない。このようなアクリル酸エステル
単量体のグラフト重合後の比較的大粒子径のラテックス
は、アクリル酸エステル単量体のグラフト重合後の小粒
子径のラテックスについて、またはアクリル酸エステル
単量体のグラフト重合前の共役ジエン系ラバーラテック
スについて、目的粒子径を得るために粒径肥大という操
作を行なって得たものでもよい。
【0018】粒径肥大は、公知の方法、例えば、ラテッ
クスを一度凍結させてから再溶解する方法、ラテックス
に鉱酸、有機酸等を添加して、ラテックスのpHを一時
的に低下させる方法、ラテックスにせん断力を加える方
法等(特開昭54−133588号、特開昭59−20
2211号公報)によって、行なうことができる。特
に、ラテックスに、燐酸または無水酢酸を添加する方法
が、粒子径の調整が容易であるので、好ましい。
【0019】粒子径は上記の範囲に入ることが望ましい
が、アクリル酸エステル単量体のグラフト重合後の粒子
径分布は、粒子径分布曲線が単一な山を持ついわゆるモ
ノモーダルである必要はなく、複数の山、例えば2つの
山、を持つバイモーダルであってもよい。バイモーダル
の粒子径分布の場合は、その両者のラテックスの重量平
均した粒子径が0.10〜0.50μmの範囲に入れば
よい。
【0020】<工程2>工程2は、工程1由来のラテッ
クスの存在下に、シアン化ビニル単量体および芳香族ビ
ニル単量体を乳化重合させる工程である。 (1)シアン化ビニル単量体 本発明においてシアン化ビニル単量体の具体例として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α‐クロ
ロアクリロニトリル等があげられる。これらは、一種ま
たは二種以上の混合物であってもよい。
【0021】シアン化ビニル単量体の単量体混合物中に
占める比率は、50〜85重量%でなければならない。
50重量%未満であると、目的とする耐薬品性等の物性
をグラフト共重合体に付与することができないので好ま
しくない。特に好ましくは、50〜70重量%以上にす
るのがよい。また、85重量%を超えると、グラフト共
重合体の成形加工性、加熱時着色性等の性質が低下する
ので好ましくない。
【0022】(2)芳香族ビニル単量体 本発明において芳香族ビニル単量体の具体例としては、
非置換または核および(または)側鎖置換スチレン(置
換基は、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキ
シ基等)、例えば、スチレン、α‐メチルスチレン等の
α‐アルキルスチレン、p‐メチルスチレン等の核置換
アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、あるいはビニ
ルナフタリン等があげられる。これらは、一種または各
群内および(または)各群間で二種以上の混合物であっ
てもよい。芳香族ビニル単量体の単量体混合物中に占め
る比率は、15〜50重量%でなければならない。この
比率が上記の範囲を外れると、得られるグラフト共重合
体の性質が、目的の耐薬品性、ガス遮断性、成形加工
性、加熱時着色性等の性質が低下するので好ましくな
い。
【0023】(3)グラフト共重合 工程2のグラフト共重合も、それ自身周知の方法によっ
て実施することができる。工程2開始時のグラフトラテ
ックスの存在割合は、固形分として、10〜70重量
部、好ましくは20〜60重量部(「枝」重合体用単量
体との合計量基準)、でなければならない。存在割合が
10重量部より少ないと、得られるグラフト共重合体の
耐衝撃性が低下して、目的とする物性を持つ成形品が得
られず、また生成物を耐衝撃性付与剤としての用途にお
いては効果が少なくなるので好ましくない。ゴム固形分
が70重量部を超えると、得られるグラフト共重合体の
グラフト率が小さくなり、ゴム粒子の分散性、及びゴム
効率すなわち同一ゴム濃度での耐衝撃性等が低下するの
で好ましくない。
【0024】工程1および2を通じて、本発明で好まし
いグラフト共重合方法は、酸素を除去した状態で約0〜
100℃程度の温度で、単量体を別々にまたは混合し
て、必要に応じて単量体以外の成分たとえば乳化剤、分
散剤、重合開始剤、分子量調節剤ないし連鎖移動剤、p
H調節剤、その他のものをそのままあるいは乳化状態
で、一時に、あるいは回分式に、あるいは連続的に、重
合系に供給して、乳化重合させることからなる。使用し
得る重合開始剤(または触媒)としては、過硫酸、過酢
酸、過フタル酸等の過酸触媒、過硫酸カリウム等の過酸
塩触媒、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化クロル
ベンゾイル、過酸化ナフチル、過酸化アセチル、過酸化
ベンゾイルアセチル、過酸化ラウリル、過酸化ジ‐t‐
ブチル、過酸化ジクミル、過酸化t‐ブチル、過酸化ナ
トリウム等の過酸化物触媒、ヒドロ過酸化t‐ブチル等
のヒドロ過酸化アルキル、アゾビスブチロニトリル等の
アゾ触媒があり、これらは単独であるいは2種以上の混
合で使用できる。これらは、還元剤と組み合わせてレド
ックス触媒として使用することもできる。
【0025】本発明で使用し得る乳化剤としては、脂肪
酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のカリウム
及びナトリウム塩等が挙げられる。
【0026】本発明で使用し得る連鎖移動剤としては特
に制限はないが、例えばn‐オクチルメルカプタン、n
‐ドデシルメルカプタン、t‐ドデシルメルカプタン、
等あるいはテルピノレン、α‐メチルスチレンリニアダ
イマー等が用いられる。重合生成物はラテックスの形で
得られ、従来公知の方法、例えば電解質または溶媒によ
る凝集法等、により重合体を凝固し、更にこれを水洗、
乾燥、混合、混練、脱揮、ペレット化等の工程を、適宜
組み合わせて行なうことにより、成形用材料として用い
ることができる。可塑剤、安定剤、潤滑剤、染料および
顔料、充填剤等を必要に応じて重合中にあるいは重合後
に添加することも可能である。
【0027】<生成グラフト共重合体>工程1および工
程2の結合によって製造されるグラフト共重合体は、そ
れ自身が所期の物性を有するものとして、成形材料とし
て有用であるが、これを他の熱可塑性樹脂と混合するこ
とにより耐衝撃性付与材として使用することもできる。
【0028】
【実施例】下記の実施例及び比較例は、本発明をさらに
具体的に説明するためのものである。本発明は、その要
旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではな
い。
【0029】以下の各実施例及び比較例において、耐衝
撃性スチレン系樹脂の物性は、次の方法によって測定し
たものである。 (1)アイゾット衝撃強度 JIS K7110に準拠。 (2)メルトフローレート JIS K7210に準拠して220℃/10kgの条件
で測定し、10分間の流出g数で表示した。 (3)ラテックスの平均粒子径 ラテックスの平均重量粒子径は、米国コールター社製
「ナノサイザー」によって、測定した。 (4)耐薬品性 最終生成物をダンベル形に圧縮成形し、フロン123を
用いin-situ 発泡法で硬質ポリウレタンフォームを接着
させて、試験片とした。試験片を、23℃にて引張り歪
をかけたまま治具に固定し、ただちに治具ごと−20℃
に冷却して17時間放置して、冷却放置後のクレイズあ
るいはクラックの発生した歪値を測定した。これらのク
ラックの発生する臨界歪値が大きな値である程、耐薬品
性は良好であると判定する。なおダンベルの形状は、J
IS−K6734に規定されている引張り試験用の厚さ
1mmのものとし、硬質ポリウレタンフォームは、その平
行部分に、幅10mm、長さ40mm、厚さ10mで接着さ
せた。
【0030】実施例1 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 5LSUS製オートクレーブに脱イオン水(以後、単に
水と表記)2400g、高級脂肪酸石鹸(炭素数18を
主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)64.0gおよび
水酸化ナトリウム1.2gを仕込み、窒素置換後68℃
に昇温した。1,3‐ブタジエン(BD)1440g、
スチレン(St)160gおよびt‐ドデシルメルカプ
タン4.8gより成る単量体混合物のうち321gを仕
込んだ後、過硫酸カリウム2.16gを添加した。約数
分で発熱が起こり、重合の開始が確認された。過硫酸カ
リウムを添加後、1時間後から単量体混合物1284g
の連続仕込みを開始し、6時間の時点で終了した。単量
体混合物添加終了後、温度を80℃まで上げ、さらに1
時間重合を進めた。得られたラテックスは、固形分濃度
39.5%、平均粒径0.08μmであった。
【0031】攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加
装置を備えた5Lガラス製フラスコに、上記ラテックス
2278g(固形分900g)、およびナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物0.45g、水290gを仕込
み、攪拌しながら内温を55℃に昇温した。続いて、無
水酢酸6.3gを水120gに加え、ホモジナイザーで
30秒攪拌して、このフラスコに同温度で添加した。添
加してから2分後、ナフタレンスルホン酸縮合物4.5
gおよび10重量%水酸化カリウム41gを添加して、
粒径肥大を終了した。得られた粒径肥大ラテックスは、
固形分濃度32.1%、平均粒径0.12μmであっ
た。
【0032】(2)アクリル酸エステル単量体混合物
(B)のグラフト共重合体の製造 上記(1)のラテックスを2804g(固形分900
g)、水291gおよび炭酸水素ナトリウム7.5g
を、攪拌装置、還流冷却器、温度計および助剤添加装置
を備えた5Lガラス製フラスコに仕込み、窒素気流下、
攪拌しながら75℃に昇温した。続いて、このフラスコ
に過硫酸カリウム(I)水溶液60g(0.6gの過硫
酸カリウムを含む。)を添加した後、5分して同温度で
アクリル酸ブチルエステル(BA)570g、アクリロ
ニトリル(AN)30g、およびメタクリル酸アリル
(AMA)2.1gより成る単量体混合物の連続仕込み
を開始、3時間30分の時点で終了したが、途中1時間
30分の時点と2時間30分の時点でそれぞれ過硫酸カ
リウム(II)水溶液(0.36gの過硫酸カリウムを含
む。)と過硫酸カリウム(III)水溶液(0.24gの過
硫酸カリウムを含む。)を加えた。単量体混合物添加終
了後80℃へ昇温しさらに1時間同一温度にて重合を進
めた。
【0033】得られた工程1ラテックスは、固形分濃度
36.3%、平均粒径0.18μmであった。
【0034】(3)グラフト共重合体の製造 上記(2)のラテックスを1791g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0gおよび水(水分合計量として)900g
を、攪拌装置、還流冷却器、温度計および助剤添加装置
を備えた5Lガラス製フラスコに仕込み、窒素気流下、
攪拌しながら内温を65℃に昇温した。
【0035】続いて、このフラスコに過硫酸カリウム
(I)水溶液(0.98gの過硫酸カリウムを含む。)
を100g添加し、同温度でアクリロニトリル390
g、スチレン260gおよびn‐ドデシルメルカプタン
13.7gを混合した単量体混合物の連続添加を始め
て、グラフト反応を開始した。反応直後から4時間後ま
で、単量体混合物を一定添加速度で、重合系に加えた。
また、反応を開始してから、30分後から4時間30分
後までの間、過硫酸カリウム(II)水溶液(2.28g
の過硫酸カリウムを含む。)を230g一定添加速度
で、重合系に連続して加えた。反応を開始してから、4
時間後に、単量体混合物の添加を終了した後、さらに同
一温度で1時間反応を続け、グラフト反応を完結終了し
た。得られたラテックス(工程2ラテックス)の固形分
濃度は、34重量%であった。
【0036】そして得られたグラフト共重合体ラテック
スを、老化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫
酸マグネシウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させ
た。凝固物を水洗、乾燥して、白色粉末状の高ゴム含量
樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物
を、ゴムを除いた同じ組成のスチレン‐アクリロニトリ
ル共重合体(AN/St重量比60/40、メルトフロ
ーレート10g/10分(220℃、10kg))と、全
組成物中のゴム質重合体の含有率が20重量%となるよ
うに押出機を用いて配合し、ペレット化したのち、射出
成形により各テストピースを作成して、各物性を以下の
方法で評価した。結果は、表1に示す通りであった。
【0037】実施例2 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載の例において、単量体混合物の組
成を、次に示すよう変更した他は、同例(3)と同様の
手順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 520 g スチレン 130 g n‐ドデシルメルカプタン 19.5g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果は、表1に
示す通りであった。
【0038】実施例3 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル単量体混合物(B)の量
を、次に示すよう変更した他は、同例(2)と同様の手
順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 2848.1g(固形分1125g) アクリル酸エステル単量体混合物(B) BA 354.5g AN 18.7g AMA 1.8g(合計 375g) 平均粒径0.15μmであった。
【0039】(3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果は、表1に示す通りであった。
【0040】実施例4 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル単量体混合物(B)の量
を、次に示すよう変更した他は、同例(2)と同様の手
順とした。 共役ジエン系ゴム(A) 949.4g(固形分 375g) アクリル酸エステル単量体混合物(B) BA 1063.4g AN 56.0g AMA 5.6g(合計 1125g) 平均粒径0.20μmであった。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。
【0041】グラフト共重合体の物性を測定した結果
は、表1に示す通りであった。
【0042】実施例5 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3)グラフト共重合体の製造 上記(2)のラテックスを1791g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0gおよび水(水分合計量として)900g
を、攪拌装置、還流冷却器、温度計および助剤添加装置
を備えた5Lガラス製フラスコを仕込み、窒素気流下、
攪拌しながら内温を65℃に昇温した。
【0043】昇温しながら、水200gに溶解したピロ
リン酸ナトリウム6.5g、デキストロース13.0g
および硫酸第一鉄を0.065gを添加した。65℃に
達した時点で、このフラスコにクメンハイドロパーオキ
サイド0.49g、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウム3.9gおよび水95gを添加した。
15分後よりアクリロニトリル390g、スチレン26
0gおよびn‐ドデシルメルカプタン9.8gを混合し
た単量体混合物の連続添加を始めて、グラフト反応を開
始した。反応直後から4時間後まで、単量体混合物を一
定添加速度で、重合系に加えた。
【0044】また、反応を開始してから、30分後から
4時間30分後までの間、クメンハイドロパーオキサイ
ド2.28g、アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム9.1gおよび水222gを4時間かけて
添加した。添加終了後、さらに1時間反応を続け、冷却
して、反応を終了した。
【0045】得られたグラフト重合体ラテックスを、老
化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネ
シウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させた。凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状の高ゴム含量樹脂組成
物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体(AN/St重量比6
0/40、メルトフローレート10g/10分(220
℃、10kg))と、全組成物中のゴム質重合体の含有率
が20重量%となるように押出機を用いて配合し、ペレ
ット化したのち、射出成形により各テストピースを作成
して、各物性を評価した。結果は、表1に示す通りであ
った。
【0046】実施例6 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3)グラフト共重合体の製造 上記(2)のラテックスを1791g(固形分650
g)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム13.0gおよび水(水分合計量として)900g
を、攪拌装置、還流冷却器、温度計および助剤添加装置
を備えた5Lガラス製フラスコを仕込み、窒素気流下、
攪拌しながら内温を65℃に昇温した。昇温しながら、
水200gに溶解したピロリン酸ナトリウム6.5g、
デキストロース6.5gおよび硫酸第一鉄を0.065
gを添加した。65℃に達した時点で、このフラスコに
クメンハイドロパーオキサイド0.49g、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム3.9gおよ
び水95gを添加した。15分後よりアクリロニトリル
455g、スチレン151.7gおよびn‐ドデシルメ
ルカプタン29.3gを混合した単量体混合物の連続添
加を始めて、グラフト反応を開始した。反応直後から4
時間後まで、単量体混合物を一定添加速度で、重合系に
加えた。
【0047】次に、上記単量体混合物の連続添加が終了
した後、即座に、スチレン43.3gを1時間かけて、
重合系に連続添加した。また、反応を開始してから、3
0分後から4時間30分後までの間、クメンハイドロパ
ーオキサイド2.28g、アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム9.1gおよび水222gを4
時間かけて添加した。スチレン添加終了後、さらに1時
間反応を続け、冷却して、反応を終了した。
【0048】得られたグラフト重合体ラテックスを、老
化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネ
シウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させた。凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状の高ゴム含量樹脂組成
物を得た。
【0049】このようにして得られた樹脂組成物を、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体(AN/St重量比
70/30、メルトフローレート10g/10分(22
0℃、10kg))と、全組成物中のゴム質重合体の含有
率が20重量%となるように押出機を用いて配合し、ペ
レット化したのち、射出成形により各テストピースを作
成して、各物性を評価した。結果は、表1に示す通りで
あった。
【0050】実施例7 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 粒径肥大の際、無水酢酸を14.9g、10重量%水酸
化カリウムを96.9gと変更した以外は実施例1
(1)に記載したのと同じ。平均粒径0.35μmであ
った。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに、上記(1)のラテックス22
78g(固形分900g)、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物0.45g、水290gを仕込み、攪拌し
ながら内温を55℃に昇温した。この後、実施例1
(2)に記載したのと同様の方法でアクリル酸エステル
単量体混合物のグラフト重合を行なった。平均粒径0.
40μmであった。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。
【0051】比較例1 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル単量体混合物(B)の量を
次に示すように変更し、アクリル酸エステル単量体混合
物を用いなかった。 共役ジエン系ゴム(A) 1645.6g(固形分1500g) アクリル酸エステル単量体混合物(B) 0.0g(固形分 0g) 平均粒径0.12μmであった。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果は、表1に示す通りであった。
【0052】比較例2 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル単量体混合物(B)の量を
次に示すように変更し、共役ジエン系ゴムを用いないで
以下のように重合を行なった。 共役ジエン系ゴム(A) 0.0g(固形分 0g) アクリル酸エステル単量体混合物(B) BA 1417.9g AN 74.6g AMA 7.5g(合計 1500g) 5Lガラス製フラスコに水2420g、高級脂肪酸石鹸
(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)3
2gおよび炭酸水素ナトリウム16gを仕込み、窒素気
流下75℃に昇温した。過硫酸カリウム2.16gを添
加した後、5分して、アクリル酸ブチルエステル(B
A)1520gとアクリロニトリル(AN)80gおよ
びメタクリル酸アリルエステル(AMA)8gより成る
単量体混合物のうち64gを仕込んだ。数分で発熱が起
こり、重合の開始が確認された。最初の単量体混合物の
仕込後20分で、残りの単量体混合物の連続添加を開
始、3時間20分の時点でその添加を終了したが、途中
2時間の時点で脂肪酸石鹸16gを加え、2時間30分
の時点で過硫酸カリウム0.24gを加えた。単量体混
合物添加終了後80℃へ昇温し、さらに1時間同一温度
にて重合を進めた。得られたラテックスは、固形分濃度
39.0%、平均粒径0.075μmであった。
【0053】続いて、攪拌装置、還流冷却器、温度計、
助剤添加装置を備えた5Lガラス製フラスコに、上記ラ
テックス2368g(固形分900g)、およびナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物0.45gおよび水2
00gを仕込み、攪拌しながら内温を55℃に昇温し
た。
【0054】続いて、無水酢酸6.3gを水120gに
加え、ホモジナイザーで30秒攪拌して、このフラスコ
に同温度で添加した。添加してから2分後、ナフタレン
スルホン酸縮合物4.5gおよび10重量%および水酸
化カリウム41gを添加して、粒径肥大を終了した。得
られた粒径肥大ラテックスは、固形分濃度32.1%、
平均粒径0.18μmであった。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。グラフト共重合体
の物性を測定した結果は、表1に示す通りであった。
【0055】比較例3 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載の例において、単量体混合物の組
成を、次に示すよう変更した他は、同例(3)と同様の
手順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 585 g スチレン 65 g n‐ドデシルメルカプタン 19.5g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果は、表1に
示す通りであった。
【0056】比較例4 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 実施例1(1)に記載したのと同じ。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載の例において、単量体混合物の組
成を、次に示すよう変更した他は、同例(3)と同様の
手順とした。 単量体混合物 アクリロニトリル 195 g スチレン 455 g n‐ドデシルメルカプタン 3.3g 得られたラテックスの固形分濃度は、34重量%であっ
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果は、表1に
示す通りであった。
【0057】比較例5 (1)共役ジエン系ゴム(A)の製造 粒径肥大の際、無水酢酸を22.5g、10重量%水酸
化カリウムを146.3gと変更した以外は実施例1
(1)に記載したのと同じ。平均粒径0.62μmであ
った。 (2)アクリル酸エステル単量体混合物(B)のグラフ
ト共重合体の製造 実施例1(2)に記載したのと同じ。平均粒径は0.6
5μmであった。 (3)グラフト共重合体の製造 実施例1(3)に記載したのと同じ。
【0058】
【表1】 表1に示すように、本発明で規定する諸条件を充足しな
いグラフト共重合樹脂組成物は、いずれかの物性、特に
成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃性および(ま
たは)樹脂の流動性、において不満足であること、換言
すれば、本発明によるグラフト共重合樹脂組成物は、特
に成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃性および
(または)樹脂の流動性において優れていること、物性
バランスにおいて優れていることが、明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば耐薬品性が良好であるう
え、耐衝撃性および流動性も良好で、物性バランスのす
ぐれたグラフト共重合体が得られることは、〔発明の概
要〕の項において前記したところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−34878(JP,A) 特開 平3−7753(JP,A) 特開 平4−325542(JP,A) 特公 昭47−47863(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 285/00 C08F 279/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程1および工程2を実施すること
    を特徴とする、グラフト共重合体の製造法。 工程1: 共役ジエン単量体50重量%以上とこれと共
    重合可能なエチレン性不飽和単量体50重量%以下との
    混合物を乳化重合させて得られる共役ジエン系ゴムラテ
    ックス(A)を固形分換算として20〜95重量部の存
    在下に、炭素数が2〜12個である一価アルコールとア
    クリル酸とのエステル化合物70〜99.2重量%、該
    アクリル酸エステルと共重合可能なビニル単量体0〜2
    7重量%、及び多官能性ビニル単量体0.08〜3重量
    %の単量体混合物(B)5〜80重量部(たゞし、Aと
    Bの合計を100重量部とする)を乳化重合させる工
    程、 工程2: 工程1終了後、生成ラテックスを固形分換算
    として10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニル単
    量体50〜85重量%及び芳香族ビニル単量体15〜5
    0重量%よりなる単量体混合物30〜90重量部(たゞ
    し、ラテックス固形分と単量体の合計を100重量部と
    する)を乳化重合させる工程。
  2. 【請求項2】工程1の乳化重合後の、ラテックスの平均
    粒子径が0.10〜0.50μmである、請求項1記載
    のグラフト共重合体の製造法。
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