JP3181691B2 - グラフト共重合体の製造法 - Google Patents
グラフト共重合体の製造法Info
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Description
造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、乳化重合
により製造した共役ジエン系ゴムラテックスとアクリル
酸エステル系ゴムラテックスを混合し、粒径肥大した
後、少割合のシアン化ビニル単量体及び高割合の芳香族
ビニル単量体よりなる単量体混合物をグラフト反応させ
て、優れた物性バランス及び優れた耐薬品性を有する成
形品が得られる、グラフト共重合体を製造する方法に関
する。
ラフト共重合は周知のものであって、例えば、スチレン
‐アクリロニトリル共重合体等からなるマトリックス中
にゴム弾性体粒子が分散した組成物を有するゴム変性樹
脂は優れた耐衝撃性を示し、かつ、成形が容易であるの
で、電気器具、自動車その他の部品、筐体等の材料とし
て広く使用されている。この場合、ゴム弾性体として、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン‐ブタジエ
ン共重合体(SBR)等の共役ジエン系重合体が広く採
用されている。
典型的にはアクリロニトリルとブタジエンとスチレンと
の共重合体(具体的には、たとえば、ポリブタジエンラ
テックス中でアクリロニトリルとスチレンとを乳化重合
させたもの)であるABS樹脂は、アクリロニトリルを
マトリックス成分に含有することから耐薬品性に優れて
いるが、近年、その用途、応用の拡大とともに、尚一層
の耐薬品性の向上が要求されるようになった。
リロニトリル含有量を増したいわゆるハイニトリル樹脂
が開発されるに至った(例えば、特公昭46−2500
5号、特開昭47−5594号各公報等参照)。
ロニトリルの含有量の増大にともない、ハイニトリル樹
脂では、成形条件が限定され、生産性が悪くなったり、
黄味が強くなって、着色等に問題が生じている。
を与えることを目的とし、特定の条件を満たすグラフト
共重合樹脂組成物を特定の製造法によって、すなわち乳
化重合により製造した共役ジエン系ゴムラテックスとア
クリル酸エステル系ゴムラテックスを混合し、粒径肥大
した後、少割合のシアン化ビニル単量体及び高割合の芳
香族ビニル単量体よりなる単量体混合物を乳化重合させ
ること、によって得ることによって、この目的を達成し
ようとするものである。
共重合体の製造法は、下記の工程(I)、(II)および
(III)よりなること、を特徴とするものである。
スと成分(B)のラテックスの混合物(ただし、両ゴム
の重量は、両者の合計を100重量部とする)を得る、
混合ゴムラテックス調製工程、(A) 共役ジエン単量
体50重量%以上とこれと共重合可能なエチレン性不飽
和単量体50重量%以下との混合物を乳化重合してなる
共役ジエン系ゴムラテックスを固形分換算として20〜
95重量部、(B) 炭素数2〜12の一価アルコール
とアクリル酸とのエステル化合物70〜100重量%、
該アクリル酸エステルと共重合可能なビニル単量体0〜
27重量%、及び多官能性ビニル単量体0〜3重量%の
単量体混合物を乳化重合してなるアクリル酸エステル系
ゴムラテックスを固形分換算として5〜80重量部、 工程(II):上記混合ゴムラテックスの平均粒子径を
0.15〜0.65μmとなるように調整する、粒径肥
大工程、 工程(III):上記粒径肥大した混合ゴムラテックスの固
形分換算で10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニ
ル単量体10〜50未満重量%及び芳香族ビニル単量体
90〜50超過重量%より主としてなる単量体混合物9
0〜30重量部(ただし、混合ゴムラテックス固形分と
単量体混合物の重量は、両者の合計を100重量部とす
る)を乳化重合させる、重合工程。
製造方法によって得られるグラフト共重合樹脂組成物
は、耐薬品性が良好である。また、耐衝撃性および流動
性も良好で物性バランスが優れている。
ト共重合体の製造法は、工程(I)〜(III)よりなる。
ここで「よりなる」ということは、挙示の工程のみから
なることの外に、本発明の趣旨を損なわない範囲で補助
的な工程、たとえばラテックスの濃度調整工程、を含ん
でもよいことを意味する。
るべき「グラフト共重合体」は、幹となりうる重合体の
存在下に「枝」を与えるべき単量体を重合させることに
よって得られる重合体を指称するものであって、幹重合
体とそれと接木された枝重合体のみからなる理想的なグ
ラフト共重合体と、幹重合体とそれと接木されない枝用
重合体とからなる非グラフト共重合体、の間のあらゆる
組成の重合体を包含するものである。
ムのラテックスの混合物を調製する工程である。
体50重量%以上と共単量体50重量%以下とを乳化重
合法により重合して得られる合成ゴムラテックスであ
る。
単量体としては、1,3‐ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン等があげられる。入手の容易さ及び重合性の
観点からは、1,3‐ブタジエン及びイソプレンが好ま
しい。これらは単独で用いても併用してもよい。
ル、不飽和カルボン酸エステル、芳香族ビニル、ビニル
ピリジン類、等があげられる。これらは単独で用いて
も、群内または群間において併用してもよい。具体例と
しては、(イ)不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α‐クロロアクリロニトル
等、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、就中アクリロニトリル、(ロ)不飽和カルボン酸エ
ステル、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルエステ
ル、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(ハ)芳香
族ビニル、例えば核および(または)側鎖置換スチレン
(置換基は低級アルキル、ハロゲン原子等)または非置
換スチレン、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビ
ニルトルエン類、ビニルキシレン類等、好ましくはスチ
レン、(ニ)ビニリピリジン、例えば4‐ビニルピリジ
ン、がある。
のは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、ポリ(ブタジエン‐スチレン)およびポリ(ブタ
ジエン‐アクリロニトリル)である。
重量%程度である。
2〜12の一価アルコールとアクリル酸とのエステル化
合物70〜100重量%、該アクリル酸エステルと共重
合可能なビニル単量体0〜27重量%及び多官能性ビニ
ル単量体0〜3重量%の単量体混合物を乳化重合して得
られるラテックスをいう。このアクリル酸エステル系ゴ
ムは、乳化重合法により得られる合成ゴムラテックスで
ある。
用されるアクリル酸エステルとしては、アクリル酸と炭
素数2〜12、好ましくは4〜8、の一価のアルコール
とのエステルが適当である。具体的には、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸2‐エチルヘキシル等が好ましい。炭
素数が上記範囲外であると、十分なゴム弾性が得られな
いので好ましくない。これらのエステルは一種でもよ
く、二種以上混合して用いてもよい。
ル単量体は、共重合して得られるアクリルラバーの補強
ゴムとしての性質及びグラフト重合反応性等を改善向上
させる機能をもつものが好ましい。具体的には、共役ジ
エンゴムの共単量体として前記したもの、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α‐メチ
ルスチレン、p‐ビニルトルエンその他のビニルトルエ
ン類、アルキルメタクリレート、2‐クロロエチルビニ
ルエーテル、モノクロル酢酸ビニル、メチルアクリレー
ト、メトキシエチルアクリレート等が挙げられる。
を複数個有する、ビニル単量体としては、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリル
マレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、メタクリル酸アリルなどが挙げ
られる。
とによりアクリル酸エステル共重合体の分子間の架橋、
マトリックスとのグラフト結合等が容易となって、本反
応に係わる組成物の耐衝撃性が向上する。
好ましいのは、例えばアクリル酸ブチルとアクリロニト
リルとメタクリル酸アリルとの混合物を70〜99.9
2:0〜27:0.08〜3(重量比、すなわち重量
%)の割合の範囲で乳化重合してなる共重合体である。
重量%程度である。
て、混合ゴムラテックスを得る工程である。
なうことができる。
ン系ゴム20〜95重量部、好ましくは20〜80重量
部、アクリル酸エステル系ゴム80〜5重量部、好まし
くは80〜20重量部(ただし、両者の合計量を100
重量部とする)、である。共役ジエン系ゴムの量が20
重量部未満では、後続のグラフト共重合工程での「枝」
重合体の接木が不十分となって生成組成物の物性が低下
する傾向が大きくなり、一方アクリル酸エステル系ゴム
の量が5重量部未満となると、それを使用する意味が薄
れて、たとえば生成グラフト共重合体の耐薬品性が低下
する。
0〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、程度で
ある。
で得られた混合ゴムラテックスのゴム粒子の粒径肥大を
行なう工程である。
の値に「調整」する工程であり、工程(I)での両ゴム
ラテックスの一方または双方が既にこの特定の範囲の粒
径を持つものである場合は、粒径肥大操作は事実上不要
である。この工程を「粒径肥大工程」と呼んでも、その
操作上の要件を「粒径肥大」とせずに粒径の「調整」と
規定する所以である。しかし、その場合にも、共役ジエ
ン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴムとが混合された粒
子にすべく粒径肥大操作を行なうことが好ましい。
について粒径肥大操作を行なうことが必要である(「必
要」の意味は、上記した通りである)。ゴムラテックス
の粒径肥大は、個々の単一粒子が粒径の大きな単一粒子
となるというよりも、小粒径の粒子が集塊化して見掛け
上粒径の大きな粒子となることを意味するから、そのよ
うな肥大粒子が両ゴムの単位粒子の集塊体からなってい
れば、生成グラフト共重合体より一層の均質性が実現さ
れ易いからである。すなわち、共役ジエン系ゴムとアク
リル酸エステル系ゴムを混合して粒径肥大させることに
より、それぞれのゴムが均一に混じり合い、より優れた
耐薬品性及び優れた物性バランスを持つグラフト共重合
体を得ることができる。
エン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴムの混合物を粒子
径0.15〜0.65μm、好ましくは0.20〜0.
50μm、に粒径肥大させる。ゴム粒子径が、例えば
0.15μm未満の小粒子径である場合は、その最終製
品である成形品を成形する場合の成形性(流動性)が低
下するとともに、より重要な耐衝撃性が低下し、このた
めゴム添加効率の悪化をもたらす。一方、ゴム粒子径が
例えば0.65μmを越える大粒子径である場合は、乳
化グラフト重合の際、ラテックスの不安定化を招き、重
合中のスケール量が増大する等の問題が生じるので好ま
しくない。
クスを一度凍結させてから再溶解する方法、ラテックス
に鉱酸、有機酸等を添加して、ラテックスのpHを一時
的に低下させる方法、ラテックスにせん断力を加える方
法等(特開昭54−133588号、特開昭59−20
2211号公報)によって、行なうことができる。特
に、ラテックスに、燐酸または無水酢酸を添加する方法
が、粒子径の調整が容易であるので、好ましい。
るが、ゴム粒子径分布は、粒子径分布曲線が単一な山を
持ついわゆるモノモーダルである必要はなく、複数の
山、例えば2つの山、を持つバイモーダルであってもよ
い。バイモーダルの粒子径分布の場合は、その両者のラ
テックスの重量平均したゴム粒子径が0.15〜0.6
5μmの範囲に入ればよい。
とは、希釈したラテックス水溶液のレーザー光による光
散乱を測定して得られる重量平均粒子径である。
にして得られた粒径肥大混合ゴムのラテックス中で、
「枝」重合体を与るべき単量体、すなわちシアン化ビニ
ル単量体および芳香族ビニル単量体より主としてなる単
量体混合物、を乳化重合させる、重合工程である。
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α‐クロ
ロアクリロニトリル等があげられる。これらは、一種ま
たは二種以上の混合物であってもよい。
占める比率は、10〜50未満重量%でなければならな
い。10重量%未満であると、目的とする耐薬品性等の
物性をグラフト共重合体に付与することができないので
好ましくない。特に好ましくは、20〜45重量%以上
にするのがよい。また、50未満重量%を超えると、グ
ラフト共重合体の成形加工性、加熱時着色性等の性質が
低下するので好ましくない。
例としては、スチレン、α‐メチルスチレン等のα‐ア
ルキル(低級が好ましい)スチレン、p‐メチルスチレ
ン等の核置換アルキル(低級が好ましい)スチレン、ハ
ロゲン化スチレン、ビニルナフタリン等があげられる。
これらは、一種まはた二種以上の混合物であってもよ
い。
中に占める比率は、90〜50超過重量%でなければな
らない。この比率が上記の範囲を外れると、得られるグ
ラフト共重合体の性質が、目的の耐薬品性、ガス遮断
性、成形加工性、加熱時着色性等の性質において低下す
るので好ましくない。
必須単量体の特定量より主としてなる、従って、この単
量体混合物は、上記二成分の外に、これらの共重合可能
な、ビニル単量体、好ましくは樹脂質重合体を与える単
量体、を少量たとえば二必須単量体の合計量の10重量
%まで含んでいてもよいことを意味する。このような第
三の単量体としては、たとえば、メタクリル酸低級アル
キルエステルが例示される。
合物」と呼んでいるが、これは少なくとも2種の単量体
が併用されることを言い換えているに均しく、両単量体
が常に混合物の形でグラフト共重合工程に導入されるこ
とを意味する訳でも、グラフト共重合工程に導入する際
の両単量体の量比が常に上記の範囲の一定値に固定され
る訳でもない。
率は、前者が10〜70重量部、好ましくは20〜60
重量部、後者が90〜30重量部、好ましくは80〜4
0重量部、である(両者の合計を100重量部とす
る)。
ゴム混合物の割合が、10重量部より少ないと、得られ
るグラフト共重合体の耐衝撃性が低下して、目的とする
物性を持つ成形品が得られず、耐衝撃性付与剤としての
用途においては、効果が少なくなるので好ましくない。
70重量部を超えると、得られるグラフト共重合体のグ
ラフト率が小さくなり、ゴム粒子の分散性及びゴム効率
すなわち耐衝撃性等が低下するので好ましくない。
い。
状態で約0〜100℃程度の温度で、単量体を別々にま
たは混合して、必要に応じて単量体以外の成分たとえば
乳化剤、分散剤、重合開始剤、分子量調節剤ないし連鎖
移動剤、pH調節剤、その他をもそのままあるいは乳化
状態で、一時に、あるいは回分式に、あるいは連続的
に、重合系に供給して、重合させることである。使用し
得る重合開始剤(または触媒)としては、過硫酸、過酢
酸、過フタル酸等の過酸触媒、過硫酸カリウム等の過酸
塩触媒、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化クロル
ベンゾイル、過酸化ナフチル、過酸化アセチル、過酸化
ベンゾイルアセチル、過酸化ラウリル、過酸化ジ‐t‐
ブチル、過酸化ジクミル、過酸化t‐ブチル、過酸化ナ
トリウム等の過酸化物触媒、ヒドロ過酸化t‐ブチル等
のヒドロ過酸化アルキル、アゾビスブチロニトリル等の
アゾ触媒があり、これらは単独であるいは2種以上の混
合で使用できる。これらは、還元剤と組み合わせてレド
ックス触媒として使用することもできる。
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸塩、アルキルリン酸塩等がある。
に制限はないが、例えばn‐オクチルメルカプタン、n
‐ドデシルメルカプタン、t‐ドデシルメルカプタン、
等あるいはテルピノレン、α‐メチルスチレンリニアダ
イマー等が用いられる。
来公知の方法、例えば電解質または溶媒による凝集法あ
るいは凍結法等、により重合体を凝固し、更にこれを水
洗、乾燥して重合体を得た後、混合、混練、脱揮、ペレ
ット化等の工程を、適宜組み合わせて行なうことによ
り、成形用材料を得ることができる。
料、充填剤等を必要に応じて重合中にあるいは重合後に
添加することも可能である。
製造されるグラフト共重合体は、それ自身で前記のよう
に耐衝撃性等のすぐれた樹脂素材として有用であるが、
それと混和性の硬質樹脂に対して耐衝撃性付与剤として
も有用である。後者の場合の硬質樹脂の代表例は、工程
(III )で使用する単量体混合物から形成される樹脂で
ある。両者の混合物/ブレンドは、工程(III )で実現
されるゴム含有量のものであるものが一つの典型例であ
る。
具体的に説明するためのものであるが、本発明はその要
旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではな
い。
撃性スチレン系樹脂の物性は、次の方法によって測定し
た。
測定し、10分間の流出g数で表示した。
サイザー」によって、測定した。
成形した試験片をベンディングフォーム(1/4楕円治
具に類似した曲げ歪治具(最大歪値1.0%))にセッ
トした。23℃の温度でメタノールを塗布し、ベンディ
ングフォームの所定の位置における17時間後のクレイ
ズあるいはクラックの有無を目視判定し、臨界歪値を算
定した。
好であると判定する。
水と表記)2400g、高級脂肪酸石鹸(炭素数18を
主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)64.0g、水酸
化ナトリウム1.2gを仕込み、窒素置換後68℃に昇
温した。1,3‐ブタジエン(BD)1440g、スチ
レン(St)160g及びt‐ドデシルメルカプタン
4.8gより成る単量体混合物のうち321gを仕込ん
だ後、過硫酸カリウム2.16gを添加した。数分で発
熱が起こり、重合の開始が確認された。過硫酸カリウム
を添加後、1時間後から単量体混合物1284gの連続
仕込みを開始、6時間の時点で終了した。単量体混合物
添加終了後、温度を80℃まで上げ、さらに1時間重合
を進めた。固形分濃度(ラテックス中のゴム含有量)3
9.5%、平均粒径0.08μmであった。
造 5Lガラス製フラスコに水2420g、高級脂肪酸石鹸
(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)3
2g、炭酸水素ナトリウム16gを仕込み、窒素気流下
75℃に昇温した。過硫酸カリウム2.16gを添加し
た後、5分して、アクリル酸ブチルエステル(BA)1
520g、アクリロニトリル(AN)80g、及びメタ
クリル酸アリルエステル(AMA)8gより成る単量体
混合物のうち64gを仕込んだ。数分で発熱が起こり、
重合の開始が確認された。最初の単量体混合物の仕込後
20分で、残りの単量体混合物の連続添加を開始、3時
間20分の時点でその添加を終了したが、途中2時間の
時点で脂肪酸石鹸16gを加え、2時間30分の時点で
過硫酸カリウム0.24gを加えた。単量体混合物添加
終了後、80℃へ昇温し、さらに1時間同一温度にて重
合を進めた。固形分濃度(ラテックス中のゴム含有量)
39.0%、平均粒径0.075μmであった。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 攪拌装置、還流冷却器、温度計、助剤添加装置を備えた
5Lガラス製フラスコに、上記(1)のラテックス82
2.8g(固形分325g)、上記(2)のラテックス
833.3g(固形分325g)、ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物0.33g、水201gを仕込み、
攪拌しながら内温を55℃に昇温した。
え、ホモジナイザーで30秒攪拌し、それをこのフラス
コに同温度で添加した。
酸縮合物3.3g、水酸化カリウム5.07gを水6
7.3gに溶解させたものを添加して、粒径肥大を終了
した。固形分濃度(ラテックス中のゴム含有量)32.
1%、平均粒径0.30μmであった。
g)、水840gを、攪拌装置、還流冷却器、温度計、
助剤添加装置を備えた5Lガラス製フラスコに仕込み、
窒素気流下、攪拌しながら内温を80℃に昇温した。
(I)水溶液(1.56gの過硫酸カリウムを含む。)
を100g添加し、同温度でアクリロニトリル(AN)
195g、スチレン455g、及びn‐ドデシルメルカ
プタン7.2gを混合した単量体混合物の連続添加を始
め、グラフト反応を開始した。反応直後から2時間45
分後まで、単量体混合物を一定添加速度で、重合系に加
えた。
2時間45分後までの間、過硫酸カリウム(II)水溶液
(3.64gの過硫酸カリウムを含む。)230gを一
定添加速度で、重合系に連続して加えた。
単量体混合物の添加を終了した後、さらに同一温度で1
5分反応を続けて、グラフト反応を完結終了した。
重量%であった。
化防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネ
シウム水溶液中に攪拌しながら加えて、凝固させた。凝
固物を水洗、乾燥して、白色粉末状のゴム含有樹脂組成
物を得た。
ムを除いた同じ組成のスチレン‐アクリロニトル共重合
体(AN/St重量比30/70、メルトフローレイト
25g/10分(220℃、10Kg))と、全組成物中
のゴム質重合体の含有率が20重量%となるように押出
機を用いて配合し、ペレット化したのち、射出成形によ
り各テストピースを作成して、各物性を以下の方法で評
価した。結果は、表1に示す通りであった。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。
成を、次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の
手順とした。
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。
分487.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 416.7g(固形
分162.5g) 平均粒径0.22μmであった。
第1表に示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。
形分487.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 1250.0g(固
形分487.5g) 平均粒径0.35μmであった。
第1表に示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。
g)、水260gを、攪拌装置、還流冷却器、温度計、
助剤添加装置を備えた5Lガラス製フラスコに仕込み、
窒素気流下、攪拌しながら内温を70℃に昇温した。
リン酸ナトリウム6.5g、デキストロース3.3g及
び硫酸第一鉄0.065gを添加する。70℃に達した
時点で、このフラスコにクメンハイドロパーオキサイド
0.49g、ロジン酸石鹸4.9g、水酸化カリウム
1.3g、水104gを添加した。15分後よりアクリ
ロニトリル195g、スチレン455g、n‐ドデシル
メルカプタン7.2gを混合した単量体混合物の連続添
加を始め、グラフト反応を開始した。反応直後から2時
間45分後まで、単量体混合物を一定添加速度で、重合
系に加えた。
2時間45分後までの間、クメンハイドロパーオキサイ
ド2.28g、ロジン酸石鹸11.4g、水256gを
添加した。添加終了後、さらに15分反応を続け、冷却
して、反応を終了した。
防止剤15gの添加後、95℃に加熱した硫酸マグネシ
ウム水溶液中に攪拌しながら加えて、凝固させた。凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状のゴム含有樹脂組成物
を得た。
チレン‐アクリロニトリル共重合体(AN/St重量比
30/70、メルトフローレート20g/10分(22
0℃、10Kg))と、全組成物中のゴム質重合体の含有
率が20重量%となるように押出機を用いて配合し、ペ
レット化したのち、射出成形により各テストピースを作
成して、各物性を評価した。結果は、表1に示す通りで
あった。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、無水酢酸に代えて
燐酸5.2gを用いた他は、同例(3)と同様の手順と
した。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、平均粒径が0.5
0μmとなるように、無水酢酸の量を変更した他は、同
例(3)と同様の手順とした。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。
形分650.5g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 0.0g(固
形分0.0g) 平均粒径0.20μmであった。
第1表に示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、共役ジエン系ゴム
(A)とアクリル酸エステル系ゴム(B)の量を次に示
すよう変更した他は、同例(3)と同様の手順とした。
形分0.0g) アクリル酸エステル系ゴム(B) 1666.7g(固
形分650.0g) 平均粒径0.38μmであった。
第1表に示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。
成を、次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の
手順とした。
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載したのと同じ。
成を次に示すよう変更した他は、同例(4)と同様の手
順とした。
た。グラフト共重合体の物性を測定した結果を第1表に
示す。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、平均粒径が0.6
5μmとなるように、無水酢酸の量を変更した他は、同
例(3)と同様の手順とした。
造。
ル系ゴム混合物の粒径肥大 実施例1(3)に記載の例において、平均粒径が0.1
0μmとなるように、無水酢酸の量を変更した他は、同
例(3)と同様の手順とした。
件を充足しないグラフト共重合樹脂組成物はいずれかの
物性、特に成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃性
および(または)樹脂の流動性、において不満足である
こと、換言すれば、本発明によるグラフト共重合樹脂組
成物は、特に成形品の耐薬品性および(または)耐衝撃
性および(または)樹脂の流動性において優れているこ
と、物性バランスにおいて優れていること、が明らかで
ある。
法によって得られるグラフト共重合樹脂組成物が、耐薬
品性、耐衝撃性および流動性が良好で物性バランスが優
れていることは、〔発明の概要〕の項において前記した
ところである。
Claims (1)
- 【請求項1】下記の工程(I)、(II)および(III)よ
りなることを特徴とする、グラフト共重合体の製造法。 工程(I):下記の成分(A)のラテックスと成分
(B)のラテックスの混合物(ただし、両ゴムの重量
は、両者の合計を100重量部とする)を得る、混合ゴ
ムラテックス調製工程、 (A) 共役ジエン単量体50重量%以上とこれと共重
合可能なエチレン性不飽和単量体50重量%以下との混
合物を乳化重合してなる共役ジエン系ゴムラテックスを
固形分換算として20〜95重量部、 (B) 炭素数2〜12の一価アルコールとアクリル酸
とのエステル化合物70〜100重量%、該アクリル酸
エステルと共重合可能なビニル単量体0〜27重量%、
及び多官能性ビニル単量体0〜3重量%の単量体混合物
を乳化重合してなるアクリル酸エステル系ゴムラテック
スを固形分換算として5〜80重量部、 工程(II):上記混合ゴムラテックスの平均粒子径を
0.15〜0.65μmとなるように調整する、粒径肥
大工程、 工程(III):上記粒径肥大した混合ゴムラテックスの固
形分換算で10〜70重量部の存在下に、シアン化ビニ
ル単量体10〜50未満重量%及び芳香族ビニル単量体
90〜50超過重量%より主としてなる単量体混合物9
0〜30重量部(ただし、混合ゴムラテックス固形分と
単量体混合物の重量は、両者の合計を100重量部とす
る)を乳化重合させる、重合工程。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16136592A JP3181691B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | グラフト共重合体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16136592A JP3181691B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | グラフト共重合体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061815A JPH061815A (ja) | 1994-01-11 |
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Family
ID=15733707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16136592A Expired - Fee Related JP3181691B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | グラフト共重合体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3181691B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3916030A4 (en) * | 2019-09-24 | 2022-10-05 | Lg Chem, Ltd. | PROCESS FOR MAKING A GRAFT POLYMER |
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WO1997002295A1 (fr) * | 1995-07-04 | 1997-01-23 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Processus de floculation de latex d'elastomere-caoutchouc de polymere de diene permettant d'augmenter la taille des particules, polymere greffe et composition de resine thermoplastique |
JP2002293845A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ゴムラテックス粒子の肥大化方法及びそのグラフト重合体の製造方法 |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP16136592A patent/JP3181691B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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