JP3158901B2 - 耐衝撃性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性樹脂組成物の製造方法

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JP3158901B2
JP3158901B2 JP27324594A JP27324594A JP3158901B2 JP 3158901 B2 JP3158901 B2 JP 3158901B2 JP 27324594 A JP27324594 A JP 27324594A JP 27324594 A JP27324594 A JP 27324594A JP 3158901 B2 JP3158901 B2 JP 3158901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性樹脂組成物の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、色調お
よび耐衝撃性と剛性との物性バランスなどに優れた耐衝
撃性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABSおよびハイインパクトポリスチレ
ンに代表されるゴム成分を配合した耐衝撃性樹脂は、各
種物性と成形加工性とのバランスに優れた樹脂であり、
自動車部品、電気機器部品および事務機器部品などの広
範囲な用途で使用されている。これらのゴム成分配合耐
衝撃性樹脂は、十分な機械的物性を発現させるためには
ゴム成分にグラフト重合をさせる必要があり、製造方法
としては従来乳化グラフト重合でおこなわれていた。し
かし、乳化重合法は工程が多く、かつ副原料が多いため
コスト高になり、しかも排水処理が必要になるなどの問
題を有する。したがって、かかる乳化重合の問題点を少
なくすために、乳化グラフト重合した高ゴム含有重合体
とゴムを含まない懸濁重合により得られた重合体を溶融
ブレンドする方法が開発されてきた(高分子学会編「A
BS樹脂」)。さらには、近年直接ゴムを含んだ耐衝撃
性樹脂を連続塊状重合するプロセスも実用化されている
(例えば、特公昭47−14136号公報、特公昭49
−26711号公報、化学工学53(6)423〜42
6(1989)など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、乳化グラフト
重合した高ゴム含有重合体とゴムを含まない連続塊状重
合法あるいは懸濁重合により得られた重合体を各々単離
重合体として得た後、溶融ブレンドする方法は、比較的
スムーズに物性をコントロールできる利点を有している
が、溶融ブレンド時に熱履歴をさらに受けるため色調が
十分でなく、耐衝撃性と剛性との物性バランスが十分で
ないという欠点がある。一方、直接ゴムを含んだ耐衝撃
性樹脂を連続塊状重合法により製造する方法は、工程お
よび副原料が少なく、また排水処理が不要であるという
点で最も優れるが、塊状重合におけるグラフト重合反応
の制御が難しく、またゴム成分が熱履歴をより多く受け
るため色調がよくないという欠点がある。さらに耐衝撃
性等の物性面で必ずしも満足できるものではない。ま
た、ゴム成分が多くなるとゴムの劣化物が装置内に滞留
したり、またそれが剥離したりする等の製造上・品質上
の問題点が生じるという欠点も有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、色調およ
び耐衝撃性と剛性との物性バランスなどに優れた耐衝撃
性樹脂組成物の製造方法を鋭意検討した結果、本発明に
至った。すなわち本発明は、芳香族ビニル系単量体20
〜100重量%、シアン化ビニル系単量体0〜60重量
%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体0〜80重量
%およびこれらと共重合可能なその他のビニル系単量体
0〜60重量%からなる単量体混合物を連続塊状重合せ
しめ共重合体(A)10〜95重量部、ゴム状重合
体5〜80重量部の存在下に芳香族ビニル系単量体10
〜100重量%、シアン化ビニル系単量体0〜50重量
%および(メタ)アクリル酸エステル系単量体0〜80
重量%およびこれらと共重合可能なその他のビニル系単
量体0〜60重量%からなる単量体混合物95〜20重
量部をグラフト重合したグラフト共重合体(B)90〜
5重量部からなる耐衝撃性樹脂組成物の製造方法におい
て、連続塊状重合せしめるプロセス中の溶融状態の共重
合体(A)に、グラフト重合で得られるラテックスから
得られるスラリーまたは含水ケークを液状物を通過させ
る溝、穴あるいは間隙およびベント孔を有する押出装置
に供給して脱水乾燥させたグラフト共重合体(B)
該共重合体(B)を脱水乾燥させる押出装置のシリンダ
ー先端より、連続的に添加して混合することを特徴とす
る耐衝撃性樹脂組成物の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】本発明で用いる共重合体(A)およびグラ
フト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体と
は重合可能な二重結合を有する芳香族化合物であり、具
体例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、プロピルスチレン、ブチ
ルスチレンおよびシクロヘキシルスチレンなどが挙げら
れる。これらの芳香族ビニル系単量体は、1種または2
種以上の混合物で使用される。これら芳香族ビニル系単
量体のうち、スチレンおよびα−メチルスチレンが特に
好ましく用いられる。本発明で用いられる共重合体
(A)およびグラフト共重合体(B)を構成するシアン
化ビニル系単量体とは、重合可能な二重結合をおよびシ
アノ基を有する化合物であり、具体例として、アクリロ
ニトリルおよびメタクリロニトリルなどが挙げられる。
これらのシアン化ビニル系単量体は、1種または2種以
上の混合物で使用される。これらシアン化ビニル系単量
体のうち、アクリロニトリルが特に好ましく用いられ
る。
【0006】本発明で用いる共重合体(A)およびグラ
フト共重合体(B)を構成する(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体の具体例としては、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどが挙げ
られる。これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体
は、1種または2種以上の混合物で使用される。これら
(メタ)アクリル酸エステル系単量体のうち、メタクリ
ル酸メチルが特に好ましく用いられる。本発明で用いる
共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)を構成す
るその他のビニル系単量体とは、たとえばN−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メチル置
換N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸、アクリル
酸、メタアクリル酸などが挙げられる。なかでもN−フ
ェニルマレイミドが特に好ましく用いられる。
【0007】本発明で用いるグラフト共重合体(B)を
構成するゴム状重合体とは、ジエン系ゴム、アクリル系
ゴム、エチレン系ゴムなどであり、具体例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(ブタジエン−スチレン)、ポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポリイソプレン、
ポリ(ブタジエン−アクリル酸ブチル)、ポリ(ブタジ
エン−アクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−メタク
リル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸エチ
ル)、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プロピ
レンージエンラバー、ポリ(エチレン−イソブチレ
ン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)、ポリ(エ
チレン−アクリル酸メチル)などが挙げられる。これら
のゴム状重合体は、1種または2種以上の混合物で使用
される。これらのゴム状重合体のうち、ポリブタジエ
ン、ポリ(ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン
−アクリロニトリル)、エチレン−プロピレンラバーが
特に好ましく用いられる。
【0008】本発明で用いる共重合体(A)の好ましい
例として、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体が挙
げられ、なかでもスチレン−アクリロニトリル共重合体
が特に好ましく用いられる。
【0009】本発明で用いるグラフト共重合体(B)の
好ましい例として、ポリブタジエンのスチレングラフト
重合体、ポリ(ブタジエン−スチレン)のスチレングラ
フト重合体、ポリブタジエンのスチレン−アクリロニト
リルグラフト共重合体、ポリ(ブタジエン−スチレン)
のスチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体、ポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)のスチレン−アクリ
ロニトリルグラフト共重合体、ポリブタジエンのスチレ
ン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチルグラフト共
重合体、ポリ(エチレン−プロピレン)のスチレン−ア
クリロニトリルグラフト共重合体などが挙げられる。な
かでも特に共重合体(A)の各モノマーの使用割合は、
得られる樹脂組成物の機械的強度、色調および成形性の
観点から、芳香族ビニル系単量体20〜100重量%、
シアン化ビニル系単量体0〜60重量%、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体0〜80重量%およびこれらと
共重合可能なその他のビニル系単量体0〜60重量%と
する必要がある。好ましくは芳香族ビニル系単量体30
〜100重量%、シアン化ビニル系単量体0〜50重量
%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体0〜70重量
%およびこれらと共重合可能なその他のビニル系単量体
0〜50重量%であり、より好ましくは芳香族ビニル系
単量体60〜100重量%、シアン化ビニル系単量体1
0〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
0〜60重量%およびこれらと共重合可能なその他のビ
ニル系単量体0〜40重量%である。
【0010】本発明の前半の工程、すなわち芳香族ビニ
ル系単量体20〜100重量%、シアン化ビニル系単量
体0〜60重量%(メタ)アクリル酸エステル系単量体
0〜80重量%およびこれらと共重合可能なその他のビ
ニル系単量体0〜60重量%からなる単量体混合物を連
続塊状重合させる工程における連続塊状重合方法に制限
はなく、どのような連続塊状重合法も採用可能である。
例えば、重合槽で重合した後、脱モノマー(脱気)する
方法などが知られている。重合槽としては、各種の撹拌
翼、たとえばパドル翼、タービン翼、プロペラ翼、ブル
マージン翼、多段翼、アンカー翼、マックスブレンド
翼、ダブルヘリカル翼、などを有する混合タイプの重合
槽、または各種の塔式の反応器などが使用できる。さら
にまた、多管反応器、ニーダー式反応器、二軸押出機な
どを重合反応器として使用することもできる(例えば、
高分子製造プロセスのアセスメント10「耐衝撃性ポリ
スチレンのアセスメント」:高分子学会、1989年1
月26日など)。これら重合槽類(反応器)は、1基
(槽)または、2基(槽)以上で使用し、また必要に応
じて2種類以上の反応器を組み合わせても使用できる。
【0011】これらの重合槽または反応器で重合した共
重合体(A)の反応混合物は、通常、次に脱モノマー工
程に供され、モノマその他の揮発成分が除去される。脱
モノマーの方法としては、ベントを有する一軸または二
軸の押出機で加熱下常圧または減圧でベント穴より揮発
成分を除去する方法、遠心型などのプレートフィン型加
熱器をドラムに内臓する蒸発器で揮発成分を除去する方
法、遠心型などの薄膜蒸発器で揮発成分を除去する方
法、多管式熱交換器を用いて余熱、発泡して真空槽へフ
ラッシュして揮発成分を除去する方法などがあり、いず
れの方法も使用できるが、特にベントを有する一軸また
は二軸の押出機が好ましく用いられる。
【0012】共重合体(A)の連続塊状重合は、開始剤
を使用せずに熱重合することも、開始剤を用いて開始剤
重合することも、さらに熱重合と開始剤重合を併用する
ことも可能である。開始剤としては、過酸化物またはア
ゾ系化合物などが用いられる。
【0013】過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、ジーt−
ブチルパーオキイド、t−ブチルパーオクテート、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエートなどが挙げられる。なかでもクメン
ハイドロパーオキサイドおよび1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン
が特に好ましく用いられる。アゾ系化合物の具体例とし
て、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4ジ
メチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−2,4−
ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−
2−プロピルアゾホルムアミド、1,1′−アゾビスシ
クロヘキサン−1−カーボニトリル、アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル
2,2′−アゾビスイソブチレート、1−t−ブチルア
ゾ−1−シアノシクロヘキサン、2−t−ブチルアゾ−
2−シアノブタン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−
4−メトキシ−4−メチルペンタンなどが挙げられる。
これらの開始剤を使用する場合、1種または2種以上を
併用して使用される。なかでも1,1′−アゾビスシク
ロヘキサン−1−カーボニトリルが特に好ましく用いら
れる。
【0014】本発明で用いる共重合体(A)の重合度調
節を目的として、メルカプタン、テルペンなどの連鎖移
動剤を使用することも可能であり、その具体例として、
n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメル
カプタン、n−オクタデシルメルカプタン、テルピノレ
ンなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤を使用する場
合、1種または2種以上を併用して使用される。なかで
も特にn−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられ
る。本発明で用いる共重合体(A)は連続塊状重合法で
製造されるのであるが、少量(例えば20%以下)の溶
媒を使用して重合することも可能であり、本発明の範囲
に含まれる。
【0015】本発明で用いられるもう一方の構成成分で
あるグラフト共重合体(B)は、ゴム状重合体5〜80
重量部に、芳香族ビニル系単量体10〜100重量%、
シアン化ビニル系単量体0〜50重量%、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体0〜80重量%およびこれらと
共重合可能なその他のビニル系単量体0〜60重量%か
らなる単量体混合物95〜20重量部をグラフト重合反
応せしめた共重合体であるが、全量がグラフトしている
必要はなく、通常はグラフトしていない共重合体との混
合物として得られたものを使用する。グラフト共重合体
(B)のグラフト率に制限はないが、好ましくは5〜1
50%、より好ましくは10〜100重量%のものが使
用される。ここでいうグラフト率とは、次式で算出され
るものである。 グラフト率(重量%)=(グラフト枝重量/ゴム状重合
体重量)×100
【0016】グラフト共重合体(B)中のゴム状重合体
の割合は、得られる樹脂組成物の機械的強度、色調およ
び成形性の観点から5〜80重量部であり、より好まし
くは20〜70重量部である。グラフト共重合体(B)
のゴム状重合体以外の各単量体の使用割合は、芳香族ビ
ニル系単量体10〜100重量%、シアン化ビニル系単
量体0〜50重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体0〜80重量%およびこれらと共重合可能なその他
のビニル系単量体0〜60重量%であり、より好ましく
は(1)芳香族ビニル系単量体60〜100重量%、シ
アン化ビニル系単量体10〜40重量%および(メタ)
アクリル酸エステル系単量体0重量%、または(2)芳
香族ビニル系単量体20〜60重量%、シアン化ビニル
系単量体0〜30重量%および(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体40〜80重量%である。
【0017】グラフト共重合体(B)の製造方法は乳化
重合を採用する。通常乳化重合はゴム状重合体ラテック
スの存在化に単量体混合物を乳化グラフト重合する。こ
の乳化グラフト重合に用いられる乳化剤に特に制限はな
く、各種の界面活性剤が使用できるが、カルボン酸塩
型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型などのアニオン
系界面活性剤が特に好ましく使用される。このような乳
化剤の具体例としては、カプリル酸塩、カプリン酸塩、
ラウリル酸塩、ミスチリン酸塩、パルミチン酸塩、ステ
アリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸
塩、ロジン酸塩、ベヘン酸塩、ヒマシ油硫酸エステル
塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、その他高級ア
ルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェ
ニールエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸
塩縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエ
チレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸塩などが挙げられる。ここでいう塩とはアル
カリ金属塩、アンモニウム塩などであり、アルカリ金属
塩の具体例としてはカリウム塩、ナトリウム塩、リチウ
ム塩、などが挙げられる。これらの乳化剤は、1種また
は2種以上を併用して使用される。また、これら乳化グ
ラフト重合で使用可能な開始剤および連鎖移動剤として
は、前記共重合体(A)の製造であげた開始剤および連
鎖移動剤が挙げられ、開始剤はレドックス系でも使用さ
れる。
【0018】乳化グラフト重合で製造されたグラフト共
重合体(B)は、次に凝固剤を添加してラテックスを凝
固してグラフト共重合体(B)を回収する。凝固剤とし
ては酸または水溶性塩が用いられ、その具体例として、
硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモ
ニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム
ナトリウムなどが挙げられる。これらの凝固剤は1種ま
たは2種以上の混合物で使用される。凝固したスラリー
または含水ケーク状のグラフト共重合体(B)を液状物
を通過させる溝、穴あるいは間隙およびベント孔を有す
る押出し装置に供給して脱水、乾燥させる。この脱水、
乾燥させる押出し装置は、スクリユー、シリンダー、ス
クリュー駆動部からなり、シリンダーは加熱・冷却能力
を有していることが好ましい。そしてシリンダーは前半
部(供給側)は液状物は通過させるが、大部分の固形分
は通過させない溝、穴あるいは間隙を有し、後半部(吐
出側)に一つ以上のベント孔を有するものであり、単軸
押出し機でも2軸押出し機でもよい。この押出し装置に
スラリーまたは含水ケーク状のグラフト共重合体(B)
を供給し、シリンダーの低温領域(前半部)でスクリュ
ーの回転により圧縮して大部分の水をシリンダー前半部
(供給側)の溝、穴あるいは間隙から排出させた後、シ
リンダー後半部(吐出側)の加熱域で残余の水分および
揮発分をベント孔より除去し、シリンダー先端より連続
的に共重合体(A)に供給する。ベント孔は常圧のまま
でもあるいは減圧にひいても良く、さらには2つ以上の
ベント孔で常圧および減圧を併用しても良い。
【0019】本発明では塊状重合プロセス中の溶融状態
にある共重合体(A)にグラフト共重合体(B)を連続
的に添加した後、混合する必要があり、それによって初
めて色調、耐衝撃性などの優れた樹脂組成物が得られ
る。またその際、溶融状態にある共重合体(A)10〜
95重量部にグラフト共重合体(B)を90〜5重量部
を連続的に添加する必要があり、より好ましくは共重合
体(A)30〜95重量部にグラフト共重合体(B)を
70〜5重量部を連続的に添加した後混合する。この際
のグラフト共重合体(B)の添加は、共重合体(A)の
塊状重合プロセスの脱モノマー工程中もしくは脱モノマ
ー工程以降で残存モノマー量が10%以下、より好まし
くは5%以下になった点で行うと、その後の脱モノマー
操作中にゴム成分が熱履歴により劣化せず、本発明の特
徴である色調、耐衝撃性などがさらに良好となるので好
ましい。また本発明においては、共重合体(A)にグラ
フト共重合体(B)を連続的に添加した後の混合は、溶
融混合することが耐衝撃性などの物性を十分に発現させ
るためにも好ましい。この溶融混合は添加混合時に行っ
てもあるいは混合物単離後、例えば溶融成形時に行って
もよい。
【0020】グラフト共重合体(B)の連続添加方法に
は、単軸押出機および二軸押出機が特に好ましく用いら
れる。これら連続添加装置は定量できるものが好まし
い。また、連続添加装置は加熱装置を有していてグラフ
ト共重合体(B)と半溶融もしくは溶融状態で添加する
と混合状態が良くなり好ましい。この目的には加熱装置
を有している押出機などを使用することができる。
【0021】本発明においては、さらに必要に応じてフ
ェノール系、リン系、イオウ系などの各種の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの耐候剤、帯電防止
剤、エチレンビスステアリルアミド、金属石ケンなどの
滑剤、可塑剤、着色剤、充填剤、ガラス繊維、カーボン
繊維などの補強材、難燃剤などを配合することも可能で
ある。
【0022】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳述する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例で用いた%および部は各々重量%および
重量部を示す。また、ペレットのYI値はスガ試験機
(株)製色差計を用いてイエローインデックス(YI
値)を測定した。また、アイゾット衝撃強度はASTM
D256、引張り強度はASTM 638にしたがって
測定した。
【0023】参考例1(グラフト共重合体の製造法) ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子系0.3μm、ゲ
ル含率85%)50部(固形分換算)、純水200部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4
部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸
第一鉄(0.01部)およびリン酸ナトリウム0.1部
を反応容器に仕込み、窒素置換後65℃に温調し、撹拌
下スチレン35部、アクリロニトリル15部およびn−
ドデシルメルカプタン0.3部の混合物を4時間かけて
連続滴下した。同時に並行してクメンハイドロパーオキ
サイド0.25部、乳化剤であるラウリン酸ナトリウム
2.5部および純水25部の混合物を5時間かけて連続
滴下し、滴下終了後さらに1時間保持して重合を終了さ
せた。重合を終了したラテックスを1.5%硫酸で凝固
し、次いでアルカリで中和、洗浄、遠心分離ケーク
のグラフト共重合体ケーク(B−1)を調整した。得
られたグラフト共重合体ケーク(B−1)を乾燥後、
EKで抽出、グラフト率を測定した結果、45%であ
った。
【0024】参考例2(グラフト共重合体の製造法) 参考例1と同様にしてグラフト共重合体(B−1)ラテ
ックスを製造した。このラテックスを1.5%硫酸で凝
固した後、アルカリで中和してグラフト共重合体スラリ
ー(B−2)を調製した。
【0025】参考例3〜11(グラフト共重合体の製造
法) 参考例1と同様にして、表3に示した各種ゴム状重合体
の存在下にスチレンおよび他のビニルモノマーとの混合
物を重合して表3に示した組成を有するグラフト重合体
ケーク(−3〜11)を製造した。なお、表1中のPB
Dとは参考例1で使用したのと同じポリブタジェンゴ
ム、SBRとはスチレン25%とブタジェン75%から
なるスチレン/ブタジェン共重合体ゴム、NBRとはア
クリロニトリル25%とブタジェン75%とからなるア
クリロニトリル/ブタジェン共重合体ゴム、EPDMと
はヨウ素価23、ムーニー粘度60のエチレン/プロピ
レン/5−エチリデン−2−ノルボネン三元共重合体ゴ
ム(エチレン/プロピレン=68.5/31.5モル
比)を表す。
【0026】実施例1 表1に示した仕様を有する2槽と予熱機、脱モノマー機
および脱モノマー機の先端から1/3長のバレル部にタ
ンデムに接続した、加熱装置を有する2軸押出機型フィ
ーダーからなる連続式塊状重合装置を用い、スチレン7
0部、アクリロニトリル30部およびn−オクチルメル
カプタン0.15部からなる単量体混合物を150kg
/時で第1重合槽に連続的に供給し連続塊状重合させ
た。第1重合槽の重合率は58〜61%の間であり、第
2重合槽出のポリマーは、90〜91%の間で制御して
運転した。重合反応混合物は、単軸押出機型脱モノマー
機により未反応の単量体をベント口より減圧蒸発回収し
脱モノマー機の先端より1/3の所で見掛け上の重合率
が99%以上に上昇したスチレン/アクリロニトリル共
重合体に2軸押出機型フィーダーよりフェノール系の安
定剤であるt−ブチルヒドロキシトルエン0.15kg
/時およびリン系の安定剤であるトリ(ノニルフェニ
ル)ホスファイト0.15kg/時と共に参考例1で製
造したグラフト共重合体(B−1)をベント孔を2つ備
えた単軸押出機により脱水して半溶融状態で65kg/
時の速度で供給し、脱モノマー機でスチレン/アクリロ
ニトリル共重合体と溶融混練した後、ストランド状に吐
出させカッターによりスチレン系樹脂組成物ペレットを
得た。得られたスチレン系樹脂組成物のYI値は表4に
示したとおりであった。また、得られたスチレン系樹脂
組成物の射出成形片を成形し、物性を測定した結果を表
4に示した。表4からわかるとおり、本発明の方法によ
り製造したスチレン系樹脂組成物は色調、物性ともに優
れたものであった。
【0027】実施例2 実施例1のグラフト共重合体ケーク(B−1)にかえ
て、参考例2で製造したグラフト共重合体スラリー(B
−2)を、水を通過させる間隙およびベント孔を2つ備
えた単軸押出機により脱水して半溶融状態で65kg/
時の速度で供給した以外は実施例1と同様に行い、スチ
レン系樹脂組成物ペレットを得た。得られたスチレン系
樹脂組成物のYI値は表4に示したとおりであった。ま
た得られたスチレン系樹脂組成物の射出成形片を成形
し、物性を測定した結果を表4に示した。表4からわか
るように本発明の方法により製造したスチレン系樹脂組
成物は色調、物性ともに優れたものであった。
【0028】実施例3〜11 加熱したベント孔を2つ備えた単軸押出機より参考例3
〜11で製造したグラフト共重合体ケーク(B−3〜1
1)を半溶融状態で表4に示した速度で供給する以外は
実施例1と同様に表4記載の単量体混合物を連続塊状重
合/脱モノマー機により未反応単量体を減圧蒸発回収お
よび脱モノマー機でスチレン系共重合体(A)とグラフ
ト共重合体(B)とを溶融混練した後、ストランド状に
吐出させて、スチレン系樹脂組成物ペレットを得た。得
られたスチレン系樹脂組成物のYI値および樹脂組成物
を射出成形して得られた試験片の物性測定結果を表4に
示した。表4からわかるように本発明の方法により製造
したスチレン系樹脂組成物は色調、物性ともに優れたも
のであった。
【0029】実施例12 実施例1と同様の連続式塊状重合装置を用い、スチレン
100部およびt−ブチルメルカプタン0.15部から
なる単量体混合物を150kg/時の時速で第1重合槽
に連続的に供給し、連続重合させた。第1重合槽出の重
合率は67〜70%であり、第2重合槽出の重合率は9
0〜91%の間で制御して運転した。重合反応混合物は
実施例1と同様に単軸押出機型予熱機で予熱された後、
2軸押出機型脱モノマー機により未反応の単量体をベン
ト口より減圧蒸留回収し、脱モノマー機の先端より1/
3の所で見掛け上の重合率が99%以上に上昇したスチ
レン重合体に、加熱した2軸押出機型フィーダーよりt
−ブチルヒドロキシトルエン0.15kg/時とともに
参考例4で製造したグラフト共重合体ケーク(B−4)
をベント孔を2つ備えた単軸押出機により脱水して、半
溶融状態で65kg/時の速度で供給し、脱モノマー機
でスチレン重合体と溶融混練したあとストランド状に吐
出しカッターによりスチレン系樹脂組成物ペレットを得
た。得られたスチレン系樹脂組成物のYI値および該樹
脂組成物を射出成形して得られた試験片の物性測定結果
を表4に示した。表4からわかるように本発明の方法に
より製造したスチレン系樹脂組成物は色調、物性ともに
優れたものであった。
【0030】実施例13 表2の仕様を有する1槽と予熱機、脱モノマー機および
脱モノマー機の先端から1/3長のバレル部にタンデム
に接続した加熱装置を有する2軸押出型フィーダーから
なる連続式塊状重合装置を用い、スチレン67部、アク
リロニトリル33部、n−オクチルメルカプタン0.1
8部およびt−ブチルパーオキサイド0.01部からな
る単量体混合物を150kg/時の速度で重合槽に連続
的に供給し、連続重合させた。重合槽出の重合率を74
〜76%の間で制御して運転した。重合反応混合物は単
軸押出機型予熱機で予熱された後、2軸押出機型脱モノ
マー機により未反応の単量体をベント口より減圧蒸留回
収し、脱モノマー機の先端より1/3の所で見掛け上の
重合率が99%以上に上昇したスチレン/アクリロニト
リル共重合体に、フエノール系安定剤であるt−ブチル
ヒドロキシトルエン0.15kg/時およびリン系の安
定剤であるトリ(ノニルフェニル)ホスファイト0.1
5kg/時とともに参考例6で製造したグラフト共重合
体ケーク(B−6)をベント孔を2つ備えた単軸押出機
により脱水して、半溶融状態で65kg/時の速度で供
給し、脱モノマー機でスチレン/アクリロニトリル共重
合体と溶融混練した後にペレット化した。得られたスチ
レン系樹脂組成物ペレットのYI値および該樹脂組成物
を射出成形して得られた試験片の物性測定結果を表4に
示した。表4からわかるように、本発明の方法により製
造したスチレン系樹脂組成物は色調、物性とも優れたも
のであった。
【0031】実施例14 実施例11と同様の連続式塊状重合装置を用い、スチレ
ン49部、アクリロニトリル21部、N−フェニルマレ
イミド30部、トルエン10部およびn−オクチルメル
カプタン0.18部およびt−ブチルパーオキサイド
0.01部からなる単量体/溶媒混合物を150kg/
時の速度で重合槽に連続的に供給し、連続重合させた。
重合槽出の重合率を74〜76%の間で制御して運転し
た。重合反応混合物は単軸押出機型予熱機で予熱された
後、2軸押出機型脱モノマー機により未反応モノマーお
よびトルエンをベント口より減圧蒸留回収し、脱モノマ
ー機の先端より1/3の所で見掛け上の重合率が99%
以上に上昇したスチレン/アクリロニトリル/N−フェ
ニルマレイミド共重合体にt−ブチルヒドロキシトルエ
ン0.15kg/時およびトリ(ノニルフェニル)ホス
ファイト0.15kg/時とともに参考例1で製造した
グラフト共重合体ケーク(B−1)をベント孔を2つ備
えた単軸押出機により脱水して、半溶融状態で65kg
/時の速度で供給し、脱モノマー機でスチレン/アクリ
ロニトリル/N−フェニルマレイミド共重合体と溶融混
練した後にペレット化した。得られたイミド系樹脂ペレ
ットのYI値および該樹脂組成物を射出成形して得られ
た試験片の物性測定結果を表4に示した。表4からわか
るように、本発明の方法で製造したスチレン系樹脂組成
物は色調、物性とも優れたものであった。
【0032】比較例1 表1の仕様を有する重合槽2槽と予熱機および脱モノマ
ー機からなる連続式塊状重合装置を用い、スチレン70
部、アクリロニトリル30部およびn−オクチルメルカ
プタン0.18部からなる単量体混合物を150kg/
時の速度で第1重合槽に連続的に供給し、連続重合させ
た。第1重合槽出の重合率は58〜61%の間であり、
第2重合槽出の重合率は90〜91%の間で制御して運
転した。重合反応混合物は2軸押出機型脱モノマー機に
より未反応モノマーをベント口より減圧蒸留回収し、見
掛けの重合率を99%以上にして、ストランド状に吐出
してカッターによりペレット化した。得られたスチレン
/アクリロニトリル共重合体ペレットと参考例1で製造
したグラフト共重合体ケーク(B−1)を乾燥させ、表
4に示した割合でドライブレンドした後、溶融混練/押
出しペレタイズしてスチレン系樹脂組成物ペレットを得
た。得られたスチレン系樹脂組成物ペレットのYI値お
よび該樹脂組成物を射出成形して得られた試験片の特性
測定結果を表4に示した。実施例と比べて明らかに本比
較例で製造したスチレン系樹脂組成物は色調(ペレット
YI)が劣るものであった。
【0033】比較例2 スチレン70部、アクリロニトリル30部およびt−ド
デシルメルカプタン0.18部からなる単量体混合物を
懸濁重合で重合し、脱水・乾燥して得られたスチレン/
アクリロニトリル共重合体ビーズと参考例1で製造した
グラフト重合体ケーク(B−1)を乾燥させ、表4に示
した割合でドライブレンドした後、溶融混練/押出しペ
レタイスしてスチレン系樹脂組成物ペレットを得た。得
られたスチレン系樹脂組成物ペレットのYI値および該
樹脂組成物を射出成形して得られた試験片の物性測定結
果を表4に示した。実施例と比べて明らかに本比較例で
製造したスチレン系樹脂組成物は色調(ペレットI)が
劣るものであった。
【0034】比較例3 実施例1と同様の連続式塊状重合装置を用い、スチレン
49部、アクリロニトリル21部、N−フェニルマレイ
ミド30部、トルエン10部およびn−オクチルメルカ
プタン0.18部およびt−ブチルパーオキサイド0.
01部からなる単量体/溶媒混合物を150kg/時の
速度で重合槽に連続的に供給し、連続重合させた。重合
槽出の重合率を74〜76%の間で制御して運転した。
重合反応混合物は単軸押出機型予熱機で予熱された後、
2軸押出機型脱モノマー機により未反応モノマーおよび
トルエンをベント口より減圧蒸留回収し、見掛けの重合
率を99%以上にして、ストランド状に吐出してカッタ
ーによりペレット化した。得られたスチレン/アクリロ
ニトリル/N−フェニルマレイミド共重合体ペレット
と、参考例1で製造したグラフト共重合体ケーク(B−
1)を乾燥させ、表4で示した割合でドライブレンドし
た後、溶融混練/押出しペレタイズしてイミド系樹脂組
成物ペレットを得た。得られたスチレン系樹脂組成物ペ
レットのYI値および該樹脂組成物を射出成形して得ら
れた試験片の物性測定結果を表4に示した。実施例と比
べて明らかに本比較例で製造したイミド系樹脂組成物は
色調(ペレットYI)が劣るものであった。
【0035】比較例4 実施例1のグラフト共重合体ケーク(B−1)をベント
孔を2つ備えた単軸押出機により脱水して、半溶融状態
で供給量を5kg/時とした以外は実施例1と同様にし
てスチレン系樹脂組成物を得た。得られたスチレン系樹
脂組成物ペレットのYI値および該スチレン系樹脂組成
物を射出成形して得られた試験片の物性測定結果を表4
に示した。実施例と比べて明らかに本比較例で製造した
スチレン系樹脂組成物はアイゾット衝撃強度が劣るもの
であった。
【0036】比較例5 実施例1のスチレンおよびアクリロニトリルの単量体混
合物の供給量を9kg/時、グラフト共重合体ケーク
(B−1)の供給量を92kg/時とした以外は実施例
1と同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。得られた
スチレン系樹脂組成物ペレットのYI値および該スチレ
ン樹脂組成物を射出成形して得られた試験片の物性測定
結果を表4に示した。実施例と比べて明らかに本比較例
で製造したスチレン系樹脂組成物は引張り強度が劣るも
のであった。
【0037】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明は、ゴム成分を含まない樹脂を連
続塊状重合法で製造し、脱モノマー工程の後半、樹脂が
溶融状態にある時点でゴム成分を含有するグラフト共重
合体を添加して混合することが特徴である。そのため、
実施例1〜14で示したように色調と機械的強度に優れ
た樹脂組成物が得られる。また、本発明の製造方法によ
れば、排水処理を減少することが可能となり、さらには
製造工程も少なく製造コストの低減が可能となる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−8754(JP,A) 特開 昭57−49603(JP,A) 特開 平7−292205(JP,A) 佐伯康治,尾見信三編著,「新ポリマ ー製造プロセス」,初版,(株)工業調 査会,1994年6月10日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 - 3/22 C08L 25/00 - 25/18 C08L 51/04 C08L 55/02 C08F 6/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル系単量体20〜100重量
    %、シアン化ビニル系単量体0〜60重量%、(メタ)
    アクリル酸エステル系単量体0〜80重量%およびこれ
    らと共重合可能なその他のビニル系単量体0〜60重量
    %からなる単量体混合物を連続塊状重合せしめた共重合
    体(A)10〜95重量部と、ゴム状重合体5〜80重
    量部の存在下に芳香族ビニル系単量体10〜100重量
    %、シアン化ビニル系単量体0〜50重量%および(メ
    タ)アクリル酸エステル系単量体0〜80重量%および
    これらと共重合可能なその他のビニル系単量体0〜60
    重量%からなる単量体混合物95〜20重量部をグラフ
    ト重合したグラフト共重合体(B)90〜5重量部から
    なる耐衝撃性樹脂組成物の製造方法において、連続塊状
    重合せしめるプロセス中の溶融状態の共重合体(A)
    に、グラフト重合で得られるラテックスから得られるス
    ラリーまたは含水ケークを液状物を通過させる溝、穴あ
    るいは間隙およびベント孔を有する押出装置に供給して
    脱水乾燥させたグラフト共重合体(B)を、該共重合体
    (B)を脱水乾燥させる押出装置のシリンダー先端よ
    り、連続的に添加して混合することを特徴とする耐衝撃
    性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 残存モノマー量が10重量%以下の共重
    合体(A)に、グラフト共重合体(B)を連続的に添加
    する請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 共重合体(A)の連続塊状重合の脱モノ
    マー工程中もしくは脱モノマー工程以降で残存モノマー
    量が10重量%以下になった共重合体(A)に、グラフ
    ト共重合体(B)を添加する請求項1記載の耐衝撃性樹
    脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 グラフト共重合体(B)を半溶融もしく
    は溶融状態で添加する請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合体(B)のゴム状重合体
    がジエン系ゴムである請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 共重合体(A)がスチレン−アクリロニ
    トリル共重合体であり、グラフト共重合体(B)がゴム
    状重合体にスチレン−アクリロニトリルをグラフト共重
    合させたグラフト重合体である請求項1記載の耐衝撃性
    樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 共重合体(A)の連続塊状重合の脱モノ
    マー工程がベント付きの単軸または二軸の押出機であ
    り、グラフト共重合体(B)の連続添加装置が共重合体
    (A)の脱モノマー押出機に接続した単軸または二軸の
    押出機である請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成物の製造
    方法。
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