JP3216466B2 - ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物 - Google Patents
ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物Info
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Description
優れた性能を付与されるのに好適なゴム変性熱可塑性樹
脂、ならびに該ゴム変性熱可塑性樹脂と他の熱可塑性樹
脂とからなる組成物に関する。
脂、AES樹脂が広く知られ、工業的に大量に使用され
ている。ABS樹脂の製造法としては、下記の2つの方
法が一般に知られている。ゴム状重合体5〜25重量
%の存在下に、スチレンとアクリロニトリルからなる単
量体75〜95重量%を重合して得る方法。ゴム状重
合体40〜45重量%の存在下にスチレンとアクリロニ
トリルからなる単量体55〜60重量%を重合して得ら
れる高ゴム含有率のABS樹脂(以下「ゴムリッチAB
S樹脂」という)を、別途重合して得られたスチレン−
アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)に配合し、配合
物中のゴム状重合体の含有率を5〜25重量%に調節す
ることでABS樹脂を得る方法(この方法で得られたA
BS樹脂を、以下「ブレンドタイプABS樹脂」とい
う)。上記のの方法は、ゴムリッチABS樹脂の配合
量を適宜選択すること、AS樹脂の種類を適宜選択する
ことで、各種の品質の異なる多種類のABS樹脂を生産
性良く製造することができる。
ストダウンが要求されている。このコストダウンの対応
策としては、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率をさら
に高め、それに、生産性に優れ低コストのAS樹脂の配
合量を高めることで、ブレンドタイプABS樹脂の生産
性を高める方法が考えられる。しかし、我々の検討で
は、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を従来品に比べ
て高めると、それを用いたブレンドタイプABS樹脂
は、フィッシュアイが発生するという不良現象が目立
ち、それに、成形品の外観性・耐衝撃性が従来のゴムリ
ッチタイプABS(樹脂)を用いたブレンドタイプAB
S樹脂に比べ劣る。また、ゴムリッチABS樹脂は、A
S樹脂以外にも他の熱可塑性樹脂にも配合されて使用さ
れるが、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を高める
と、上記に示した同様の問題点がみられた。
を高めたゴムリッチABS樹脂の有している上記の課題
を解決した高ゴム含率のゴムリッチABS樹脂ならび
に、該ゴムリッチABS樹脂と他の熱可塑性樹脂とから
なる熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。
チABS樹脂で生じる上記課題の解決について鋭意検討
した結果、ゴム含有率52〜75重量%のゴムリッチA
BS樹脂のQ値が120×10-4〜500×10-4ml
/秒になるように、改質することで、上記の課題が解決
されることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、
本発明はゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳香族ビ
ニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物(c)を
重合して得られ、(a)成分の含有率が52〜75重量
%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、(c)成分
の含有率が2〜43重量%、下記Q値が120×10-4
〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5重量%以上
であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂を提供す
る。 Q値:島津フローテスター(CAPILLARY RH
EOMETER CFT−500)を使用し、下記測定
条件下でサンプルを溶融押し出しして得られる1秒当た
りの容量(ml/秒) 測定条件; サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷重 :60kg/cm2 (ただし、測定に供するサンプルは、110℃×60分
の条件における揮発物質含有率を0.1重量%以下に調
整する。)また、本発明は、上記ゴム変性熱可塑性樹脂
(A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
ある熱可塑性樹脂組成物を提供する。
発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体
(a)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物(b)およ
びシアン化ビニル化合物(c)を重合して得られ、ゴム
変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成分の含有率が52
〜75重量%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、
(c)成分の含有率が2〜43重量%、上記Q値が12
0×10-4〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5
重量%以上のゴム変性熱可塑性樹脂である。
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜
60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパ
ー型、ラジアルテレブロック型の構造を有するものなど
が含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上
記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロ
ックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロッ
ク体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結
合含量が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結
合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロックか
らなる重合体の水素化物などが含まれる。これらのゴム
状重合体は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
好ましい(a)成分としては、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)共重合体から選ばれた少なくとも1種の共役ジエン
系ゴムであり、さらに好ましくは、ポリブタジエン/ス
チレン−ブタジエン共重合体:50〜99/1〜50
(重量%)の割合からなる混合物である。
は、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
メチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチ
レン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種
単独であるいは2種以上混合して用いられる。
は、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙
げられる。
で他の単量体を使用することができる。他の単量体とし
て、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水
物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−
またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイ
ミド系単量体ともいう);グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;アク
リルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸
アミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、
メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの
単量体は1種または2種以上で使用される。他の単量体
の含有率は、(a)成分を除いた成分中好ましくは20
重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
分の含有率は52〜75重量%、好ましくは56〜74
重量%である。(a)成分の含有率が52重量%未満で
は、生産性の改良効果が十分でなく、一方、75重量%
を超えると、フィッシュアイの発生が多くなり、外観性
・耐衝撃性が大巾に低下する。また、ゴム変性熱可塑性
樹脂(A)中の(b)成分の含有率は5〜46重量%、
好ましくは13〜41重量%である。(c)成分の含有
率は2〜43重量%、好ましくは3〜31重量%であ
る。(b)成分が5重量%未満の場合、(b)成分が4
6重量%を超える場合、(c)成分が2重量%未満の場
合、(c)成分が43重量%を超える場合のいずれの場
合にも、フィッシュアイ発生の不良現象の改良効果、外
観性の改良効果、耐衝撃性の改良効果のいずれか少なく
とも1つが十分でなく、三者をともに目的のレベルに維
持することができない。
20×10-4〜500×10-4ml/秒である。Q値が
120×10-4ml/秒未満であっても、500×10
-4ml/秒を超えても、ともにフィッシュアイの発生が
多くなり、外観性が劣り、耐衝撃性も十分でない。Q値
の測定条件は、上記のとおりである。
は、5重量%以上、好ましくは10重量%以上である。
グラフト率が5重量%未満であると、フィッシュアイの
発生が多く、外観性・耐衝撃性が劣る。グラフト率は、
下記の方法で測定される。ここでグラフト率とは、ゴム
変性熱可塑性樹脂中のゴム量に対し、ゴム状重合体に直
接グラフト結合している共重合体成分の割合をいう。こ
のグラフト率は、重合開始剤量、重合温度などによって
制御することができる。このグラフト率の具体的な求め
方は、まず本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)2gを
室温のアセトンに投入し、十分撹拌し、不溶解分(w)
を求める。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量
は、重合処方をもとに算出することができる。この算出
されたゴム状重合体総量をRとし、次式よりグラフト率
を求める。 グラフト率(重量%)=[(w−R)/R]×100
分、(b)成分、(c)成分の含有率の調整は、重合時
にそれら成分の仕込み量により適宜調整することができ
る。また、それらの含有率は、公知の定量分析法で求め
ることができる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のQ値の
調整は、重合時に使用する連鎖移動剤、開始剤などの種
類・量を適宜選択する方法、重合温度を適宜選択する方
法、(a)成分のゴム状重合体のゲル含率、分子量を適
宜選択することで行える。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)
の製造方法としては、溶液重合法、バルク重合法、サス
ペンション重合法、乳化重合法あるいは、それらの方法
を組み合わせた方法を挙げることができる。好ましい重
合法としては、乳化重合法であり、乳化重合法で用いら
れる重合助剤としては、一般に公知のものを使用するこ
とができる。
造時に使用する重合開始剤として、各種のハイドロパー
オキサイド、アルキルパーエステル、パーカーボネート
などの有機過酸化物があり、好ましくはキュメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートである。特にt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートを用いると一段と優れた本発明の効果が
得られる。上記の開始剤の好ましい量としては、ゴム成
分と単量体成分の合計100重量部に対して、0.1〜
2重量部である。
化水素類(例えば、クロロホルム、ブロモホルムな
ど)、メルカプタン類(例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ヘキサデシルメルカプタンなど)、テルペン
類(例えばジペンテン、ターピノーレンなど)、α−メ
チルスチレンダイマーが挙げられる。
請求項2の他の熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、
ゴム状重合体含有率が50重量%未満のABS樹脂・A
ES樹脂・AAS樹脂、AS樹脂、HIPS、PSなど
のスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系樹脂;PA6、PA66、PA46、P
A12などポリアミド樹脂;ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートなど
のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテルまたはポリフェニレンエーテル/スチレ
ン系樹脂などのポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリア
セタール、塩化ビニル樹脂、ポリスルフォン、PPS、
ポリエーテルスルフォン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、EVOHなどがあり、これらは1種または2種以上
併用して使用することができる。
は、下記のa.、b.それぞれ単独あるいはa.とb.
の併用が挙げられる。 a.;ゴム状重合体の存在下に、芳香族化合物、シアン
化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド系単量体の群から選ばれた少なくとも2種の群から
なる単量体を重合して得られ、かつゴム状重合体含有率
が50重量%未満のゴム変性熱可塑性樹脂。なお、ここ
でのゴム状重合体、単量体は上記に示したものが挙げら
れる。また、ゴム変性熱可塑性樹脂のメチルエチルケト
ン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン中30℃)が
0.2〜1dl/gのものが好ましく、さらに好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。 b.;芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド系単量体の群
から選ばれた少なくとも2種の群からなる単量体を重合
して得られ、かつ固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒
として、30℃で測定)が好ましくは0.2〜1.3d
l/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/g、特
に好ましくは0.35〜0.7dl/gである共重合
体。
AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂などが挙げられ、
その中で好ましくはABS樹脂、AES樹脂である。上
記のb.としては、下記の共重合体が挙げられる。 イ.芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の共重
合体。好ましい組成割合は、前者の単量体が50〜99
重合%、後者が1〜50重量%である。 ロ.芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体。 ハ.芳香族ビニル化合物とマレイミド系単量体と必要に
応じて、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)
アクリル酸エステルからなる共重合体。なお、上記のマ
レイミド系単量体にかえて、不飽和酸無水物単量体を用
い、得られた共重合体をイミド化して、得られる後イミ
ドタイプの共重合体もここに含まれる。ここでの芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイミド系単量体は、上記に示したそ
れらのものと同じである。
性樹脂(B)とからなる請求項2の熱可塑性樹脂組成物
中の各成分の組成比率に関しては、ゴム変性熱可塑性樹
脂(A)の(a)成分であるゴム状重合体が該組成物中
に好ましくは3〜35重量%含有されるように、それぞ
れの成分を適宜配合される。(a)成分のさらに好まし
い該含有率は5〜25重量%である。(a)成分の含有
率が3重量%未満であると、充分な耐衝撃強度が得られ
ない。一方35重量%を超えると成形品が柔らかくな
り、好ましくない。他の熱可塑性樹脂(B)として、本
発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)以外のゴム変性熱可
塑性樹脂(C)を用いた場合、該ゴム変性熱可塑性樹脂
(C)に含有されているゴム状重合体(以下「a′成
分」という)の扱いを下記の通りとする。a′成分もa
成分とみなし、下記の条件を満たすものとする。すなわ
ち、(a+a′)含有率が3〜35重量%、かつaの含
有率が3〜35重量%とする。好ましくは、(a+
a′)含有率が5〜25重量%、かつaの含有率が5〜
25重量%である。
は、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
と、必要に応じて、各種の添加剤を混練りして製造され
る。混練方法としては、押出機、ロール、バンバリーミ
キサー、ニーダーなどを用いる方法がある。好ましい方
法としては、押出機を用いる方法であり、押出機として
は単軸押出機、二軸押出機などがある。
するに際し、全成分を一括して混練りしてもよく、一部
の成分を先に混練りし、残りの成分を一括または分割し
て添加混練りしてもよい。また、ゴム変性熱可塑性樹脂
(A)にも、必要に応じて、各種の添加剤を添加するこ
とができる。また、混練りを必要とするときは、上記に
示した方法で混練りすることができる。各種の添加剤と
しては、公知の着色剤、顔料、滑剤、耐候剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、難燃剤、熱老化防止剤、可塑剤、抗菌
・防カビ剤などが挙げられる。
は、射出成形、シート押出し、真空成形、異形押出し、
インジェクションプレス、発泡成形、ブロー成形、中空
成形などによって各種成形品を成形することができる。
(B)の混合方法 ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)と添
加剤を表2に示した割合でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、その混合物をシリンダーセット温度200℃の
押出機によりペレットを得た。 (3)テストピースの成形方法 上記(2)の方法で得たペレットを成形材料として、下
記の成形条件で光沢測定用テストピースならびに、アイ
ゾット衝撃強度測定用テストピースを成形した。 成形機 :5オンス インラインスクリュータイプ成
形機 金型温度:50℃±5℃ 成形機設定条件; シリンダーセット温度:200℃ 射出圧力:一次圧75〜95kg/cm2G、2次圧5
0kg/cm2G 背圧 5kg/cm2G 成形サイクル:インジェクション15秒、ローディング
10秒、キュアリング40秒、サイクルスタート2秒 (4)光沢度の測定 デジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 DIGIT
AL VARIABLE GLOSS METER U
GV−5D)を用い、入射角および受光角を45℃で測
定した。 (5)アイゾット衝撃強度の測定 ASTM D256(1/4″、ノッチ付、単位=kg
f・cm/cm)に準じて測定した。 (6)フィッシュアイの測定 下記の方法で、フィッシュアイ測定用シートサンプルを
作成し、フィッシュアイを測定した。220℃の加温
した50トンプレス機を用意する。上記(2)の方法
で得たペレットを、SUS製モールド板(30cm×3
0cm×0.5mm)にはさむ(10〜15g)。そ
のままプレス機にはさみ、0〜0.5kg/cm2Gの
圧力をかけ、5分間加温する。圧力をゆっくりかけて
いき(10kg/cm2Gまで)、モールド板の間より
はみ出して来たペレットサンプル(溶融)をゆっくりと
引き出す。サンプルをフィルム状に引き出し、厚さ約
10〜30μmの薄さで1m以上引き出す。フィルム
サンプル上に、直径3.57cmの円(面積10c
m2)を描き、円内のフィッシュアイを数える(直径
0.2mm以上のもの)。上記を3点行い、合計を
面積で割って1cm2あたりの個数を求め、フィッシュ
アイの評価とする。
の製造方法] フラスコ内に、ポリブタジエンゴムラテックスを固形分
換算で60部と、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム
ラテックスを固形分換算で10部との混合ゴム状重合体
ラテックスを固形分換算で60部加え、イオン交換水1
50部、スチレン7部、アクリロニトリル3部、t−ド
デシルメルカプタン0.2部をさらに加えてフラスコ内
温度を60℃に昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム
0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖
0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加え、
クメンハイドロパーオキサイド0.1部をさらに加えて
重合を開始し、温浴温度を70℃に保った。1時間重合
させたのち、スチレン21部、アクリロニトリル9部、
t−ドデシルメルカプタン0.5部、クメンハイドロパ
ーオキサイド0.2部を2時間かけて連続的に添加し、
さらに1時間重合させて反応を完結させた。得られた共
重合体ラテックスを硫酸を用いて凝固し、水洗、乾燥し
た。表に示すABS−1を得た。
BS−1およびABS−3のクメンハイドロパーオキサ
イドにかえて、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートを用い、他はABS−1およびABS−3と同
様の条件で重合を行なった。表1のABS−3、5、
6、7、8はABS−1の処方で、ゴム量、t−ドデシ
ルメルカプタン量を適宜変量し、他はABS−1と同様
の条件で行なった。
共重合体であり、[η](メチルエチルケトン可浴分の
固有粘度)は0.4dl/g AS−2;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η]は0.6dl/g AS−3;スチレン70%とアクリロニトリル30%の
共重合体であり、[η]は0.7dl/g
性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合処方お
よび評価結果を表2に示す。
塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合処方
および評価結果を表2に示す。
ら明らかな通り成形品の光沢、耐衝撃性に優れ、フィッ
シュアイ発生の不良現象も改良されている。
は、高ゴム成分含有率であっても、他の熱可塑性樹脂
(B)に配合して得られた成形品は、光沢、耐衝撃性に
優れ、かつフィッシュアイ発生の不良現象が大巾に改良
されている。そして、高ゴム成分含有率であるために、
少量で耐衝撃性改良効果が得られるので、展開性に対応
しやすい。その上、AS樹脂などの熱可塑性樹脂は、生
産性に優れ、かつ低コストであるので、それに配合する
ことにより、生産性に優れ、低コストのABS樹脂を大
量に製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳
香族ビニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物
(c)を重合して得られ、(a)成分の含有率が52〜
75重量%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、
(c)成分の含有率が2〜43重量%、下記Q値が12
0×10-4〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5
重量%以上であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹
脂。 Q値:島津フローテスター(CAPILLARY RH
EOMETER CFT−500)を使用し、下記測定
条件下でサンプルを溶融押し出しして得られる1秒当た
りの容量(ml/秒) 測定条件; サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷重 :60kg/cm2 (ただし、測定に供するサンプルは、110℃×60分
の条件における揮発物質含有率を0.1重量%以下に調
整する。) - 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹脂
(A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
ある熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP02093495A JP3216466B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物 |
US08/574,166 US5635565A (en) | 1995-01-13 | 1995-12-18 | Polymerized aromatic vinyl and vinyl cyanide onto rubber |
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