JP3216466B2 - ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物 - Google Patents

ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物

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JP3216466B2 JP02093495A JP2093495A JP3216466B2 JP 3216466 B2 JP3216466 B2 JP 3216466B2 JP 02093495 A JP02093495 A JP 02093495A JP 2093495 A JP2093495 A JP 2093495A JP 3216466 B2 JP3216466 B2 JP 3216466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、他の樹脂に配合して、
優れた性能を付与されるのに好適なゴム変性熱可塑性樹
脂、ならびに該ゴム変性熱可塑性樹脂と他の熱可塑性樹
脂とからなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性熱可塑性樹脂として、ABS樹
脂、AES樹脂が広く知られ、工業的に大量に使用され
ている。ABS樹脂の製造法としては、下記の2つの方
法が一般に知られている。ゴム状重合体5〜25重量
%の存在下に、スチレンとアクリロニトリルからなる単
量体75〜95重量%を重合して得る方法。ゴム状重
合体40〜45重量%の存在下にスチレンとアクリロニ
トリルからなる単量体55〜60重量%を重合して得ら
れる高ゴム含有率のABS樹脂(以下「ゴムリッチAB
S樹脂」という)を、別途重合して得られたスチレン−
アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)に配合し、配合
物中のゴム状重合体の含有率を5〜25重量%に調節す
ることでABS樹脂を得る方法(この方法で得られたA
BS樹脂を、以下「ブレンドタイプABS樹脂」とい
う)。上記のの方法は、ゴムリッチABS樹脂の配合
量を適宜選択すること、AS樹脂の種類を適宜選択する
ことで、各種の品質の異なる多種類のABS樹脂を生産
性良く製造することができる。
【0003】しかし、ABS樹脂業界では、さらなるコ
ストダウンが要求されている。このコストダウンの対応
策としては、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率をさら
に高め、それに、生産性に優れ低コストのAS樹脂の配
合量を高めることで、ブレンドタイプABS樹脂の生産
性を高める方法が考えられる。しかし、我々の検討で
は、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を従来品に比べ
て高めると、それを用いたブレンドタイプABS樹脂
は、フィッシュアイが発生するという不良現象が目立
ち、それに、成形品の外観性・耐衝撃性が従来のゴムリ
ッチタイプABS(樹脂)を用いたブレンドタイプAB
S樹脂に比べ劣る。また、ゴムリッチABS樹脂は、A
S樹脂以外にも他の熱可塑性樹脂にも配合されて使用さ
れるが、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を高める
と、上記に示した同様の問題点がみられた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム含有率
を高めたゴムリッチABS樹脂の有している上記の課題
を解決した高ゴム含率のゴムリッチABS樹脂ならび
に、該ゴムリッチABS樹脂と他の熱可塑性樹脂とから
なる熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゴムリッ
チABS樹脂で生じる上記課題の解決について鋭意検討
した結果、ゴム含有率52〜75重量%のゴムリッチA
BS樹脂のQ値が120×10-4〜500×10-4ml
/秒になるように、改質することで、上記の課題が解決
されることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、
本発明はゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳香族ビ
ニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物(c)を
重合して得られ、(a)成分の含有率が52〜75重量
%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、(c)成分
の含有率が2〜43重量%、下記Q値が120×10-4
〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5重量%以上
であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂を提供す
る。 Q値:島津フローテスター(CAPILLARY RH
EOMETER CFT−500)を使用し、下記測定
条件下でサンプルを溶融押し出しして得られる1秒当た
りの容量(ml/秒) 測定条件; サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷重 :60kg/cm2 (ただし、測定に供するサンプルは、110℃×60分
の条件における揮発物質含有率を0.1重量%以下に調
整する。)また、本発明は、上記ゴム変性熱可塑性樹脂
(A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
ある熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体
(a)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物(b)およ
びシアン化ビニル化合物(c)を重合して得られ、ゴム
変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成分の含有率が52
〜75重量%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、
(c)成分の含有率が2〜43重量%、上記Q値が12
0×10-4〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5
重量%以上のゴム変性熱可塑性樹脂である。
【0007】本発明に使用される(a)成分のゴム状重
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜
60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパ
ー型、ラジアルテレブロック型の構造を有するものなど
が含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上
記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロ
ックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロッ
ク体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結
合含量が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結
合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロックか
らなる重合体の水素化物などが含まれる。これらのゴム
状重合体は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
好ましい(a)成分としては、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)共重合体から選ばれた少なくとも1種の共役ジエン
系ゴムであり、さらに好ましくは、ポリブタジエン/ス
チレン−ブタジエン共重合体:50〜99/1〜50
(重量%)の割合からなる混合物である。
【0008】(b)成分の芳香族ビニル化合物として
は、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
メチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチ
レン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種
単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0009】(c)成分のシアン化ビニル化合物として
は、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙
げられる。
【0010】本発明の目的に対しては、支障のない範囲
で他の単量体を使用することができる。他の単量体とし
て、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水
物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−
またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイ
ミド系単量体ともいう);グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;アク
リルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸
アミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、
メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの
単量体は1種または2種以上で使用される。他の単量体
の含有率は、(a)成分を除いた成分中好ましくは20
重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0011】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成
分の含有率は52〜75重量%、好ましくは56〜74
重量%である。(a)成分の含有率が52重量%未満で
は、生産性の改良効果が十分でなく、一方、75重量%
を超えると、フィッシュアイの発生が多くなり、外観性
・耐衝撃性が大巾に低下する。また、ゴム変性熱可塑性
樹脂(A)中の(b)成分の含有率は5〜46重量%、
好ましくは13〜41重量%である。(c)成分の含有
率は2〜43重量%、好ましくは3〜31重量%であ
る。(b)成分が5重量%未満の場合、(b)成分が
重量%を超える場合、(c)成分が2重量%未満の場
合、(c)成分が43重量%を超える場合のいずれの場
合にも、フィッシュアイ発生の不良現象の改良効果、外
観性の改良効果、耐衝撃性の改良効果のいずれか少なく
とも1つが十分でなく、三者をともに目的のレベルに維
持することができない。
【0012】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のQ値は、1
20×10-4〜500×10-4ml/秒である。Q値が
120×10-4ml/秒未満であっても、500×10
-4ml/秒を超えても、ともにフィッシュアイの発生が
多くなり、外観性が劣り、耐衝撃性も十分でない。Q値
の測定条件は、上記のとおりである。
【0013】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のグラフト率
は、5重量%以上、好ましくは10重量%以上である。
グラフト率が5重量%未満であると、フィッシュアイの
発生が多く、外観性・耐衝撃性が劣る。グラフト率は、
下記の方法で測定される。ここでグラフト率とは、ゴム
変性熱可塑性樹脂中のゴム量に対し、ゴム状重合体に直
接グラフト結合している共重合体成分の割合をいう。こ
のグラフト率は、重合開始剤量、重合温度などによって
制御することができる。このグラフト率の具体的な求め
方は、まず本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)2gを
室温のアセトンに投入し、十分撹拌し、不溶解分(w)
を求める。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量
は、重合処方をもとに算出することができる。この算出
されたゴム状重合体総量をRとし、次式よりグラフト率
を求める。 グラフト率(重量%)=[(w−R)/R]×100
【0014】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成
分、(b)成分、(c)成分の含有率の調整は、重合時
にそれら成分の仕込み量により適宜調整することができ
る。また、それらの含有率は、公知の定量分析法で求め
ることができる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のQ値の
調整は、重合時に使用する連鎖移動剤、開始剤などの種
類・量を適宜選択する方法、重合温度を適宜選択する方
法、(a)成分のゴム状重合体のゲル含率、分子量を適
宜選択することで行える。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)
の製造方法としては、溶液重合法、バルク重合法、サス
ペンション重合法、乳化重合法あるいは、それらの方法
を組み合わせた方法を挙げることができる。好ましい重
合法としては、乳化重合法であり、乳化重合法で用いら
れる重合助剤としては、一般に公知のものを使用するこ
とができる。
【0015】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)の製
造時に使用する重合開始剤として、各種のハイドロパー
オキサイド、アルキルパーエステル、パーカーボネート
などの有機過酸化物があり、好ましくはキュメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートである。特にt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートを用いると一段と優れた本発明の効果が
得られる。上記の開始剤の好ましい量としては、ゴム成
分と単量体成分の合計100重量部に対して、0.1〜
2重量部である。
【0016】連鎖移動剤としては、例えばハロゲン化炭
化水素類(例えば、クロロホルム、ブロモホルムな
ど)、メルカプタン類(例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ヘキサデシルメルカプタンなど)、テルペン
類(例えばジペンテン、ターピノーレンなど)、α−メ
チルスチレンダイマーが挙げられる。
【0017】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と混合される
請求項2の他の熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、
ゴム状重合体含有率が50重量%未満のABS樹脂・A
ES樹脂・AAS樹脂、AS樹脂、HIPS、PSなど
のスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系樹脂;PA6、PA66、PA46、P
A12などポリアミド樹脂;ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートなど
のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテルまたはポリフェニレンエーテル/スチレ
ン系樹脂などのポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリア
セタール、塩化ビニル樹脂、ポリスルフォン、PPS、
ポリエーテルスルフォン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、EVOHなどがあり、これらは1種または2種以上
併用して使用することができる。
【0018】好ましい他の熱可塑性樹脂(B)として
は、下記のa.、b.それぞれ単独あるいはa.とb.
の併用が挙げられる。 a.;ゴム状重合体の存在下に、芳香族化合物、シアン
化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド系単量体の群から選ばれた少なくとも2種の群から
なる単量体を重合して得られ、かつゴム状重合体含有率
が50重量%未満のゴム変性熱可塑性樹脂。なお、ここ
でのゴム状重合体、単量体は上記に示したものが挙げら
れる。また、ゴム変性熱可塑性樹脂のメチルエチルケト
ン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン中30℃)が
0.2〜1dl/gのものが好ましく、さらに好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。 b.;芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド系単量体の群
から選ばれた少なくとも2種の群からなる単量体を重合
して得られ、かつ固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒
として、30℃で測定)が好ましくは0.2〜1.3d
l/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/g、特
に好ましくは0.35〜0.7dl/gである共重合
体。
【0019】上記のa.としては、例えばABS樹脂、
AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂などが挙げられ、
その中で好ましくはABS樹脂、AES樹脂である。上
記のb.としては、下記の共重合体が挙げられる。 イ.芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の共重
合体。好ましい組成割合は、前者の単量体が50〜99
重合%、後者が1〜50重量%である。 ロ.芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体。 ハ.芳香族ビニル化合物とマレイミド系単量体と必要に
応じて、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)
アクリル酸エステルからなる共重合体。なお、上記のマ
レイミド系単量体にかえて、不飽和酸無水物単量体を用
い、得られた共重合体をイミド化して、得られる後イミ
ドタイプの共重合体もここに含まれる。ここでの芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイミド系単量体は、上記に示したそ
れらのものと同じである。
【0020】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と他の熱可塑
性樹脂(B)とからなる請求項2の熱可塑性樹脂組成物
中の各成分の組成比率に関しては、ゴム変性熱可塑性樹
脂(A)の(a)成分であるゴム状重合体が該組成物中
に好ましくは3〜35重量%含有されるように、それぞ
れの成分を適宜配合される。(a)成分のさらに好まし
い該含有率は5〜25重量%である。(a)成分の含有
率が3重量%未満であると、充分な耐衝撃強度が得られ
ない。一方35重量%を超えると成形品が柔らかくな
り、好ましくない。他の熱可塑性樹脂(B)として、本
発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)以外のゴム変性熱可
塑性樹脂(C)を用いた場合、該ゴム変性熱可塑性樹脂
(C)に含有されているゴム状重合体(以下「a′成
分」という)の扱いを下記の通りとする。a′成分もa
成分とみなし、下記の条件を満たすものとする。すなわ
ち、(a+a′)含有率が3〜35重量%、かつaの含
有率が3〜35重量%とする。好ましくは、(a+
a′)含有率が5〜25重量%、かつaの含有率が5〜
25重量%である。
【0021】本発明の請求項2の熱可塑性樹脂組成物
は、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
と、必要に応じて、各種の添加剤を混練りして製造され
る。混練方法としては、押出機、ロール、バンバリーミ
キサー、ニーダーなどを用いる方法がある。好ましい方
法としては、押出機を用いる方法であり、押出機として
は単軸押出機、二軸押出機などがある。
【0022】上記、混練方法を用いて各種成分を混練り
するに際し、全成分を一括して混練りしてもよく、一部
の成分を先に混練りし、残りの成分を一括または分割し
て添加混練りしてもよい。また、ゴム変性熱可塑性樹脂
(A)にも、必要に応じて、各種の添加剤を添加するこ
とができる。また、混練りを必要とするときは、上記に
示した方法で混練りすることができる。各種の添加剤と
しては、公知の着色剤、顔料、滑剤、耐候剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、難燃剤、熱老化防止剤、可塑剤、抗菌
・防カビ剤などが挙げられる。
【0023】本発明の請求項2の熱可塑性樹脂組成物
は、射出成形、シート押出し、真空成形、異形押出し、
インジェクションプレス、発泡成形、ブロー成形、中空
成形などによって各種成形品を成形することができる。
【0024】
〔評価方法〕
(1)Q値の測定 上記本文中に記載した。 (2)ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)の混合方法 ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)と添
加剤を表2に示した割合でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、その混合物をシリンダーセット温度200℃の
押出機によりペレットを得た。 (3)テストピースの成形方法 上記(2)の方法で得たペレットを成形材料として、下
記の成形条件で光沢測定用テストピースならびに、アイ
ゾット衝撃強度測定用テストピースを成形した。 成形機 :5オンス インラインスクリュータイプ成
形機 金型温度:50℃±5℃ 成形機設定条件; シリンダーセット温度:200℃ 射出圧力:一次圧75〜95kg/cm2G、2次圧5
0kg/cm2G 背圧 5kg/cm2G 成形サイクル:インジェクション15秒、ローディング
10秒、キュアリング40秒、サイクルスタート2秒 (4)光沢度の測定 デジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 DIGIT
AL VARIABLE GLOSS METER U
GV−5D)を用い、入射角および受光角を45℃で測
定した。 (5)アイゾット衝撃強度の測定 ASTM D256(1/4″、ノッチ付、単位=kg
f・cm/cm)に準じて測定した。 (6)フィッシュアイの測定 下記の方法で、フィッシュアイ測定用シートサンプルを
作成し、フィッシュアイを測定した。220℃の加温
した50トンプレス機を用意する。上記(2)の方法
で得たペレットを、SUS製モールド板(30cm×3
0cm×0.5mm)にはさむ(10〜15g)。そ
のままプレス機にはさみ、0〜0.5kg/cm2Gの
圧力をかけ、5分間加温する。圧力をゆっくりかけて
いき(10kg/cm2Gまで)、モールド板の間より
はみ出して来たペレットサンプル(溶融)をゆっくりと
引き出す。サンプルをフィルム状に引き出し、厚さ約
10〜30μmの薄さで1m以上引き出す。フィルム
サンプル上に、直径3.57cmの円(面積10c
2)を描き、円内のフィッシュアイを数える(直径
0.2mm以上のもの)。上記を3点行い、合計を
面積で割って1cm2あたりの個数を求め、フィッシュ
アイの評価とする。
【0025】[参考例1.ゴム変性熱可塑性樹脂(A)
の製造方法] フラスコ内に、ポリブタジエンゴムラテックスを固形分
換算で60部、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム
ラテックスを固形分換算で10部との混合ゴム状重合体
ラテックスを固形分換算で60部加え、イオン交換水1
50部、スチレン7部、アクリロニトリル3部、t−ド
デシルメルカプタン0.2部をさらに加えてフラスコ内
温度を60℃に昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム
0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖
0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加え、
クメンハイドロパーオキサイド0.1部をさらに加えて
重合を開始し、温浴温度を70℃に保った。1時間重合
させたのち、スチレン21部、アクリロニトリル9部、
t−ドデシルメルカプタン0.5部、クメンハイドロパ
ーオキサイド0.2部を2時間かけて連続的に添加し、
さらに1時間重合させて反応を完結させた。得られた共
重合体ラテックスを硫酸を用いて凝固し、水洗、乾燥し
た。表に示すABS−1を得た。
【0026】
【表1】
【0027】表1のABS−2およびABS−4は、A
BS−1およびABS−3のクメンハイドロパーオキサ
イドにかえて、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートを用い、他はABS−1およびABS−3と同
様の条件で重合を行なった。表1のABS−3、5、
6、7、8はABS−1の処方で、ゴム量、t−ドデシ
ルメルカプタン量を適宜変量し、他はABS−1と同様
の条件で行なった。
【0028】(熱可塑性樹脂) AS−1;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η](メチルエチルケトン可浴分の
固有粘度)は0.4dl/g AS−2;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η]は0.6dl/g AS−3;スチレン70%とアクリロニトリル30%の
共重合体であり、[η]は0.7dl/g
【0029】実施例1〜5 実施例1〜5はQ値が本発明の範囲内のゴム変成熱可塑
性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合処方お
よび評価結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1〜7 比較例1〜7は、Q値が本発明の範囲外のゴム変性熱可
塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合処方
および評価結果を表2に示す。
【0032】実施例1〜5は、比較例1〜7との比較か
ら明らかな通り成形品の光沢、耐衝撃性に優れ、フィッ
シュアイ発生の不良現象も改良されている。
【0033】
【発明の効果】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)
は、高ゴム成分含有率であっても、他の熱可塑性樹脂
(B)に配合して得られた成形品は、光沢、耐衝撃性に
優れ、かつフィッシュアイ発生の不良現象が大巾に改良
されている。そして、高ゴム成分含有率であるために、
少量で耐衝撃性改良効果が得られるので、展開性に対応
しやすい。その上、AS樹脂などの熱可塑性樹脂は、生
産性に優れ、かつ低コストであるので、それに配合する
ことにより、生産性に優れ、低コストのABS樹脂を大
量に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 博雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−177405(JP,A) 特開 平8−319327(JP,A) 特公 昭46−37415(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/04 C08L 55/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳
    香族ビニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物
    (c)を重合して得られ、(a)成分の含有率が52〜
    75重量%、(b)成分の含有率が5〜46重量%、
    (c)成分の含有率が2〜43重量%、下記Q値が12
    0×10-4〜500×10-4ml/秒、グラフト率が5
    重量%以上であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹
    脂。 Q値:島津フローテスター(CAPILLARY RH
    EOMETER CFT−500)を使用し、下記測定
    条件下でサンプルを溶融押し出しして得られる1秒当た
    りの容量(ml/秒) 測定条件; サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷重 :60kg/cm2 (ただし、測定に供するサンプルは、110℃×60分
    の条件における揮発物質含有率を0.1重量%以下に調
    整する。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹脂
    (A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
    り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
    ある熱可塑性樹脂組成物。
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