JPH1077383A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH1077383A JPH1077383A JP24681296A JP24681296A JPH1077383A JP H1077383 A JPH1077383 A JP H1077383A JP 24681296 A JP24681296 A JP 24681296A JP 24681296 A JP24681296 A JP 24681296A JP H1077383 A JPH1077383 A JP H1077383A
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Abstract
熱可塑性樹脂組成物の開発。 【解決手段】 (A)トルエン可溶分のポリスチレン換
算Mwが100,000以上、ゲル含有率が40重量%
以上、トルエンに対する膨潤度が15〜50倍であるジ
エン系ゴム5〜90重量%と架橋アクリル酸エステル系
重合体95〜10重量%とで構成される複合ゴム状重合
体ラテックス20〜80重量部(固形分)の存在下に、
シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体を必須
成分とする単量体混合物80〜20重量部(合計100
重量部)を重合して得られる樹脂組成物20〜100重
量部と、(B)芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル
系単量体とからなる共重合体0〜80重量部とを合計量
が100重量部となるように配合する。
Description
物に関し、より詳しくは耐衝撃性、耐候性、成形加工性
に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
系からなるABS樹脂やハイインパクトポリスチレン樹
脂が知られている。これらの樹脂は、高い耐衝撃性を付
与するためにゴム成分として用いられているジエン系重
合体が、その主鎖中に化学的に不安定な二重結合を多く
有しているため、紫外線等によって劣化し易く、一般的
に耐候性に劣ることがよく知られている。
して、二重結合を持たないアクリルゴムの存在下にアク
リロニトリル化合物とスチレン化合物とをグラフト共重
合してASA樹脂を得る方法が提案されている。しか
し、ASA樹脂は、ゴムとしてアクリルゴムを用いてお
り、耐候性には優れているものの、その反面、耐衝撃性
に劣るという欠点を有している。
方法としてアクリルゴムの膨潤度を上げる手法が取られ
る場合があるが、このような場合、樹脂成形品の表面光
沢が著しく低下するという問題が発生する。また、樹脂
の分子量を上げて耐衝撃性を改良した場合には、ASA
樹脂の特徴である優れた成形加工性は損なわれてしま
う。
高い次元でバランスさせるためには、例えば特公平3−
66329号公報に記載されているような、劣位量の共
役ジエンゴムと優位量のアクリル酸エステル系ゴムとを
複合化させたゴムを使用した特殊ASA樹脂が提案され
ている。しかし、この特殊ASA樹脂においても耐衝撃
性がまだ不十分であり、そのため良好な耐衝撃性を発現
させるためには多くのジエン系ゴムが必要となり、その
結果耐候性が低下するという欠点がある。
目的は、耐衝撃性、耐候性および成形加工性に優れた熱
可塑性組成物を提供することにある。
状に鑑み鋭意検討した結果、特定された物性およびポリ
マー構成からなる複合ゴム状重合体の存在下に、芳香族
ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含む単
量体混合物を重合して得られる樹脂組成物と、芳香族ビ
ニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を必須成分とす
る単量体混合物を重合して得られる共重合体とを配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物が上記の目的を達成し得るこ
とを見い出し、本発明に到った。
リスチレン換算重量平均分子量が100,000以上、
ゲル含有率が40重量%以上、トルエンに対する膨潤度
が15〜50倍であるジエン系ゴム(i)5〜90重量
%およびアクリル酸エステルを主成分とする架橋アクリ
ル酸エステル系重合体(ii)95〜10重量%とで構成
される複合ゴム状重合体(I)ラテックス20〜80重
量部(固形分として)の存在下に、芳香族ビニル系単量
体60〜95重量%、シアン化ビニル系単量体5〜40
重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜40
重量%からなる単量体混合物(II)20〜80重量部
(ただし、(I)と(II)の合計量は100重量部)重
合させて得られる樹脂組成物(A)20〜100重量部
と、芳香族ビニル系単量体60〜95重量%、シアン化
ビニル系単量体5〜40重量%およびこれらと共重合可
能な他の単量体0〜40重量%からなる単量体混合物を
重合させて得られる共重合体(B)0〜80重量部とか
らなり、(A)と(B)との合計が100重量部となる
ように配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。
まず、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分に
ついて説明する。
ン系ゴム(i)および架橋アクリル酸エステル系重合体
(ii)とからなる複合ゴム状重合体(I)ラテックスの
存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単
量体およびこれらと共重合可能な他の単量体とからなる
単量体混合物(II)をグラフト共重合して得られるもの
である。
構成するジエン系ゴム(i)は、1,3−ブタジエン5
0〜100重量%、およびこれと共重合可能なビニル系
単量体0〜50重量%(合計100重量%)とから構成
されるものであり、1,3−ブタジエンのホモポリマ
ー、または1,3−ブタジエン単位を50重量%以上含
有する共重合体である。該共重合体の例としては、例え
ばブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−ビニル
トルエン共重合体等のブタジエン−芳香族ビニル共重合
体;ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−メタクリロニトリル共重合体等のブタジエン−シア
ン化ビニル共重合体;ブタジエン−アクリル酸メチル共
重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共重合体、ブタ
ジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等のブ
タジエン−アクリル酸アルキルエステル共重合体;ブタ
ジエン−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−メ
タクリル酸エチル等のブタジエン−メタクリル酸アルキ
ルエステル共重合体などが挙げられ、さらに1,3−ブ
タジエン単位50重量%以上から構成される三元共重合
体をも包括する。ジエン系ゴム(i)において、1,3
−ブタジエン単位の含有量が50重量%未満では得られ
る熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低下するようにな
る。
化重合法によって製造することができるが、本発明にお
いて用いるジエン系ゴム(i)においては、トルエン可
溶分のポリスチレン換算重量平均分子量が100,00
0以上、好ましくは130,000以上であり、ゲル含
有率が40重量%以上、好ましくは60重量%以上であ
り、さらにトルエンに対する膨潤度が15〜50倍、好
ましくは20〜40倍であることが必要である。これ
は、ジエン系ゴム(i)の重量平均分子量が100,0
00未満では得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が
低下し、また、ゲル含有率が40重量%未満では得られ
る熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および表面光沢が低下
するようになり、さらに膨潤度が15倍未満では得られ
る熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、50倍を越
える場合には得られる熱可塑性樹脂組成物の表面光沢が
低下するようになるためである。
トルエン可溶分のポリスチレン換算の重量平均分子量と
は、乾燥したジエン系ゴム0.5gをトルエン60ml
に30℃で48時間浸漬させた後、100メッシュの金
網で不溶分を除去し、トルエン溶液を乾固させた試料を
テトラヒドロフランに溶解し(試料濃度2.4mg/m
l)、GPC((株)島津製作所、LC−6A)のポリ
スチレン換算により求められる値をいう。
分の分子量を調節する方法としては、いかなる方法であ
っても構わないが、例えば重合開始剤の種類および量、
重合温度、メルカプタン等の連鎖移動剤の種類および量
等を目的に応じて変更することにより達成できる。
潤度の調節は、公知の方法が利用でき、例えば、ジビニ
ルベンゼン、メタクリル酸アリル、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジアリルアジペート等の架橋性単量
体の使用、重合温度の調節、開始剤濃度の調節、重合転
化率の調節、メルカプタン類等の連鎖移動剤の種類およ
び量等によって行うことができる。
媒、乳化剤としては特に制限がなく、種々なものが用い
られる。
m〜1μmに調整されることが好ましい。さらに好まし
くは200〜500nmである。さらにこのジエン系ゴ
ム(i)と架橋アクリル酸エステル系重合体(ii)とを
複合させたラテックスの粒子径は、耐衝撃性や成形外観
の点から180〜500nmの範囲であることが好まし
い。なお、ジエン系ゴム(i)の分散粒子径の分布には
特に制限はなく、分散粒子径の異なるものを2種以上併
用してもよい。
知の方法が使用でき、例えばジエン系ゴムの重合中のア
グロメーションによる肥大化、150nm未満の比較的
小さなジエン系ゴムを予め製造し、これに酸基を含有す
る共重合体ラテックスや酸、塩等を添加して肥大化する
方法、撹拌による剪断応力によって肥大化する方法等が
使用できる。
構成する架橋アクリル酸エステル系重合体(ii)は、ア
クリル酸エステルを主成分量(50重量%以上)とする
ものである。このアクリル酸エステルとしては、例えば
エステル部分がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブ
チル、2−エチルヘキシル、n−ラウリル等の炭素数1
〜12のアクリルエステル;アクリル酸クロルエステル
のようなハロアルキルエステル;アクリル酸ベンジルま
たはフェネチル等の芳香族エステルなどが用いられる。
な単量体として、例えばメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル、アクリロニ
トリル、スチレン等が挙げられ、これらは架橋アクリル
酸エステル系重合体(ii)中50重量%以下の範囲で所
望により用いられる。
形成するためには、上記したアクリル酸エステルを主成
分とする単量体または単量体混合物にグラフト交叉剤も
しくは架橋剤を添加して重合することが必要である。さ
らに本発明におけるアクリル酸エステル系重合体に架橋
構造を形成させる際にはグラフト交叉剤と架橋剤とを組
み合わせて併用することが好ましい。
ト交叉剤としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、シアヌル酸、イソシアヌル酸等
のアリルエステル等が挙げられる。また、架橋剤として
はアルキレングリコールのジアクリレートもしくはジメ
タクリレート、ジビニルベンゼン等の不飽和脂肪族基部
分を1分子中に2個以上含有するものが挙げられる。
テル系重合体(ii)とからなる複合ゴム状重合体(I)
は、下記に示すような方法、例えばジエン系ゴム(i)
ラテックス5〜90重量%、好ましくは10〜50重量
%(固形分として)の存在下で、架橋アクリル酸エステ
ル系重合体を構成する単量体混合物95〜10重量%、
好ましくは90〜50重量%を乳化重合させる、いわゆ
るシード重合によって得ることができる。
のようにして得られた複合ゴム状重合体(I)ラテック
スの存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
系単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体からな
る単量体混合物を重合させることにより得られる。
しては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン類、ジメチルスチレン類、エチルスチレン類、t−ブ
チルスチレン類、ハロゲン化スチレン類等が例示され、
1種または2種以上を併用することもできる。これらの
うち、スチレンあるいはα−メチルスチレンを用いるこ
とが好ましい。芳香族ビニル系単量体は、単量体混合物
中において60〜95重量%、好ましくは70〜85重
量%の範囲で使用される。これらの範囲外では得られる
樹脂組成物(A)と共重合体(B)との相溶性が損なわ
れ、得られる熱可塑性樹脂組成物の外観不良を生じるた
めに好ましくない。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニ
トリル、マレオニトリル、フマロニトリル等が例示さ
れ、1種または2種以上を併用することもできる。これ
らのうち、アクリロニトリルが好適である。シアン化ビ
ニル系単量体は、単量体混合物中において5〜40重量
%、好ましくは15〜30重量%の範囲で使用される。
この範囲外では樹脂組成物(A)と共重合体(B)の相
溶性が損なわれ、得られる熱可塑性樹脂組成物の外観不
良を生じる可能性があるので好ましくない。
囲で上記単量体と共重合可能な他の単量体を使用するこ
とも可能である。そのような単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸化合物、メタク
リル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グ
リシジル、酢酸ビニル等の不飽和エステル化合物、無水
マレイン酸等の不飽和酸無水物、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合
物、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和アミ
ド化合物、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の不
飽和窒素塩基化合物等が用いられ、1種または2種以上
使用可能である。
で複合ゴム状重合体(I)ラテックスに、上記の単量体
混合物を添加し重合することによって製造される。単量
体混合物の添加方法については特に制限はなく、全量を
一括または分割して一時に仕込む方法、一部を一時に仕
込み残部を連続添加する方法、全量を連続添加する方法
等が用いられる。また、必要に応じて、重合系を安定化
させる目的で乳化剤の追加、重合度調節剤を使用、およ
び重合系のpHの調節等の処置を施してグラフト共重合
することは、何等差し支えない。
凝固され、洗浄、脱水、乾燥工程を経ることにより、樹
脂組成物(A)として得られる。
ビニル系単量体60〜95重量%、シアン化ビニル系単
量体5〜40重量%およびこれらと共重合可能な他の単
量体0〜40重量%からなる単量体混合物を重合して得
られる共重合体である。共重合体(B)を得るのに用い
られる芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体
およびこれらの共重合可能な他の単量体は、樹脂組成物
(A)を得るのに用いられるものが使用される。
限定されず、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合
等の方法が使用できる。
合割合は、樹脂組成物(A)20〜100重量部に対
し、共重合体(B)が0〜80重量部(合計100重量
部)の範囲であり、共重合体(B)の配合量が80重量
部を超える場合には得られる熱可塑性樹脂組成物中の複
合ゴム状重合体の含有量が少なくなるため、耐衝撃性が
低下するようになる。
重合体(B)からなる熱可塑性樹脂組成物においては、
必要に応じてポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等の
熱可塑性樹脂、公知の各種安定剤や可塑剤、滑剤、金属
石鹸、帯電防止剤、染料、無機または有機の粒状、粉状
または繊維状の充填剤、発泡剤等を添加することができ
る。
押出機、加熱ロール等の装置が用いられ、また、さらに
得られた樹脂組成物は射出成形や押出成形、ブロー成形
等のような成形方法により有用な成形品を得ることがで
きる。
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の例に限定されるものではない。なお、以下
の例中の%および部数は明記しない限りは重量部基準と
する。また、以下の実施例および比較例中での、各種物
性の測定は以下の方法により測定した。
状重合体(I)の重量平均粒子径 透過型電子顕微鏡を用いて、300〜400個のゴム状
重合体粒子のサイズをカウントし、重量平均粒子径を求
めた。
0 )をトルエン60mlに30℃で48時間浸漬させた
後、100メッシュ金網で濾別し、不溶分の重量(W
1 )を測定した後、乾燥後の重量(W2 )を求め、下式
から算出した。
fの条件で測定し、10分間あたりの流出量をg数で表
示した。
フウェザーメーター、WEL−SUN−DCH型を使用
し、63℃、雨ありの条件下で500時間の加速暴露を
行った。そして、村上色彩技術研究所製の高速分光測色
計、CMS−1500を使用し、暴露試片と非暴露試片
との色差(ΔE)を測定した。
いた樹脂組成物(A)ならびに共重合体(B)は以下の
ようにして製造した。
(以下、SUS製オートクレーブと略記)中に、 脱イオン水(以下、単に水と略記) 145部 ロジン酸カリウム 1.0部 オレイン酸カリウム 1.0部 水酸化ナトリウム 0.05部 硫酸ナトリウム 0.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.2部 を仕込み窒素置換した後、1,3−ブタジエン125部
を仕込み、60℃に昇温した。
に溶解した水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は
重合温度を65℃に調節し、12時間後内圧が4.5k
g/cm2 (ゲージ圧)となった時点で未反応の1,3
−ブタジエンを回収した。その後、内温を80℃にして
1時間保持し、重量平均粒子径が80nm、固形分が4
1%、重合転化率が81%、トルエン可溶分のポリスチ
レン換算重量平均分子量が157,000、ゲル含有率
が75%、そして膨潤度が41倍である小粒子ジエン系
ゴム(a−1)ラテックスを得た。
の製造 10リットルのSUS製オートクレーブ中に、 水 145部 オレイン酸カリウム 1.5部 ロジン酸カリウム 1.5部 炭酸水素ナトリウム 0.5部 ナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート 0.2部 t−ドデシルメルカプタン 0.15部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド 0.2部 を仕込み窒素置換後、1,3−ブタジエン80部および
アクリル酸n−ブチル10部を添加し、50℃に昇温し
た。
ナトリウム0.0015部および硫酸第一鉄・七水塩
0.0005部を水5部に溶解した水溶液を圧入して重
合を開始した。重合中は内温を50℃に保ち、4時間後
からアクリル酸n−ブチル10部を1時間かけて滴下し
9時間でほぼ重合は完了し、重量平均粒子径が70n
m、固形分が40%、重合転化率が79%で、トルエン
可溶分のポリスチレン換算重量平均分子量が190,0
00、ゲル含有率が84%、そして膨潤度が30倍であ
る小粒子ジエン系ゴム(a−2)ラテックスを得た。
の製造 10リットルのSUS製オートクレーブ中に、 水 145部 ロジン酸カリウム 1.0部 オレイン酸カリウム 1.0部 水酸化ナトリウム 0.05部 硫酸ナトリウム 0.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.8部 を仕込み窒素置換後、1,3−ブタジエン100部を仕
込み、60℃に昇温した。
に溶解した水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は
重合温度を65℃に調節し、16時間後内圧が1.0k
g/cm2 (ゲージ圧)となった時点で未反応の1,3
−ブタジエンを回収した。その後内温を80℃にして1
時間保持し、重量平均粒子径が80nm、固形分が40
%、重合転化率が98%、トルエン可溶分のポリスチレ
ン換算重量平均分子量が86,000、ゲル含有率が7
0%、そして膨潤度が45倍である小粒子ジエン系ゴム
(a−3)ラテックスを得た。
の製造 10リットルのSUS製オートクレーブ中に、 水 145部 ロジン酸カリウム 1.0部 オレイン酸カリウム 1.0部 水酸化ナトリウム 0.05部 硫酸ナトリウム 0.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.1部 を仕込み窒素置換後、1,3−ブタジエン100部を仕
込み、60℃に昇温した。
に溶解した水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は
重合温度を65℃に調節し、14時間後内圧が1.0k
g/cm2 (ゲージ圧)となった時点で未反応の1,3
−ブタジエンを回収した。その後、内温を80℃にして
1時間保持し、重量平均粒子径が70nm、固形分が4
1%、重合転化率が99%、トルエン可溶分のポリスチ
レン換算重量平均分子量が155,000、ゲル含有率
が93%、そして膨潤度が11倍である小粒子ジエン系
ゴム(a−4)ラテックスを得た。
スの製造 10リットルのガラス製反応器に、 水 145部 N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム 1.0部 オレイン酸カリウム 1.0部 硫酸ナトリウム 0.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.2部 デキストローズ 0.3部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド 0.2部 アクリル酸n−ブチル 95.5部 メタクリル酸アリル 0.5部 を仕込み、窒素置換した後60℃に昇温した。
よび硫酸第一鉄・七水塩0.003部を水5部に溶解し
た水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は重合温度
を50℃に調節し、6時間後内温を65℃にして1時間
保持し、重量平均粒子径が70nm、固形分が41%、
重合転化率が99%、トルエン可溶分のポリスチレン換
算重量平均分子量が201,000、ゲル含有率が70
%、そして膨潤度が37倍である小粒子非ジエン系ゴム
(a−5)ラテックスを得た。
製造 酸基含有共重合体(b−1)ラテックスの製造 5リットルのガラス製反応器中に、 水 200部 オレイン酸カリウム 2.0部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.5部 ナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート 0.3部 を仕込み、60℃に昇温し、その時点から、 アクリル酸n−ブチル 85部 メタクリル酸 15部 クメンハイドロパーオキシド 0.4部 からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。さ
らに2時間熟成を行い、重合転化率が98%、平均粒子
径が80nmである酸基含有共重合体(b−1)ラテッ
クスを得た。
製造 5リットルのガラス製反応器中に、 水 200部 オレイン酸カリウム 2.5部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.5部 ナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート 0.3部 を仕込み、60℃に昇温し、その時点から、 アクリル酸n−ブチル 75部 メタクリル酸 25部 クメンハイドロパーオキシド 0.4部 からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。さ
らに2時間熟成を行い、重合転化率が98%、平均粒子
径が120nmである酸基含有共重合体(b−2)ラテ
ックスを得た。
ス100部(固形分)に、酸基含有共重合体(b−1)
〜(b−2)ラテックスを表1に示す量(固形分)を撹
拌しながら添加し、さらに30分間撹拌してジエン系ゴ
ム(i−a)〜(i−f)ラテックスを得た。得られた
ジエン系ゴム(i−a)〜(i−f)ラテックスについ
ての平均粒子径の測定結果を表1に示した。
に応じて反応温度を上げ、最終的には70℃で、合計7
5時間の重合を行い、最後に未反応の1,3−ブタジエ
ンを除去した後80℃で1時間保持し、重量平均粒子径
が280nm、固形分が38%、トルエン可溶分の重量
平均分子量が218,000、ゲル含有率が82%、膨
潤度が23倍であるジエン系ゴム(i−g)ラテックス
を得た。
エン系ゴム(a−1)ラテックス(固形分)100部、
およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部
を仕込み23℃にて15分間に撹拌した。その後、5%
リン酸水溶液16部を5分間かけて滴下し、滴下終了
後、10%水酸化ナトリウム水溶液8部を添加してジエ
ン系ゴム(i−h)ラテックスを得た。このジエン系ゴ
ム(i−h)ラテックスの重量平均粒子径は260nm
であった。
の製造 上記の肥大化ジエン系ゴム(i−a)〜(i−h)ラテ
ックスを、5リットルのガラス製反応器に表2に示した
量(固形分として)を仕込み、次いで、ロジン酸カリウ
ム1.0部と水150部とを加えて窒素置換を行い、内
温を70℃に昇温した。これに10部の水に過硫酸カリ
ウム0.12部を溶解した水溶液を加え、引き続き予め
窒素置換しておいた表2に示した架橋アクリル酸エステ
ル系重合体(ii)用の単量体混合物を2時間かけて連続
的に滴下した。滴下終了後、内温を80℃に昇温し、1
時間保持して肥大化ジエン系ゴム(i)と架橋アクリル
酸エステル系共重合体(ii)とからなる複合ゴム状重合
体(I−1)〜(I−13)ラテックスを得た。表2に
得られた複合ゴム状重合体(I−1)〜(I−13)ラ
テックスの平均粒子径を示した。
(固形分)をガラス製反応器に仕込み、水140部を加
え70℃に昇温した。次いで、これにアクリロニトリル
25重量%およびスチレン75重量%からなる単量体混
合物50部に、ベンゾイルパーオキシド(BPO)0.
3部を溶解し、窒素置換したグラフト用重合液を3時間
かけて滴下し重合させた。滴下終了後内温を80℃に昇
温し、1時間の熟成を行い、樹脂組成物(A−1)ラテ
ックスを得た。重合率は97%であった。この樹脂組成
物(A−1)ラテックスを、全ラテックスの2倍量の
0.4%硫酸水溶液(70℃)中に撹拌しながら投入
し、投入終了後95℃に昇温し5分間保持して凝固し
た。その後その凝固物を脱水、洗浄、乾燥して乳白色粉
末状の樹脂組成物(A−1)を得た。
造 複合ゴム状重合体(I−1)ラテックスを複合ゴム状重
合体(I−2)〜(I−11)ラテックスに変えて各々
を使用した以外は、上記樹脂組成物(I−1)の製造と
同様にして、樹脂組成物(A−2)〜(A−13)を得
た。
重量%およびスチレン67重量%からなる単量体組成に
変更した以外は、樹脂組成物(A−1)の製造と同様に
して、樹脂組成物(A−14)を得た。
エン系ゴム(i−a)ラテックスを用いた以外は、樹脂
組成物(A−1)の製造と同様にして、樹脂組成物(A
−15)を得た。
後、75℃に昇温し2時間重合を行った。その後、内温
を110℃まで昇温し、20分間保持して反応を完結さ
せた。冷却後、脱水、洗浄、乾燥して白色粒状の共重合
体(B−1)を得た。この共重合体(B−1)単独での
メルトフローレートは5.8g/10分であった。
い、白色粒状の共重合体(B−2)を得た。この共重合
体(B−1)単独でのメルトフローレートは5.2g/
10分であった。
了後、さらに1時間保持して重合を完結させた。得られ
たラテックスを90℃に昇温したラテックスと同重量の
15%硫酸マグネシウム水溶液中に撹拌しながら投入し
て凝析させ、その後100℃で30分撹拌をして凝固し
た。冷却後、脱水、洗浄を繰り返し行い、最後に脱水、
乾燥して白色粉末の共重合体(B−3)を得た。
ようにして製造した樹脂組成物(A−1)〜(A−1
5)と共重合体(B−1)〜(B−3)とを、表3に示
す樹脂組成となるようにヘンシェルミキサーでブレンド
した。この混合物を40mmφの単軸スクリュー押出機
を用い、シリンダー温度200℃にて溶融混練し、押出
してペレット化した。このペレットを2オンスの縦型射
出成形機を用い、シリンダー温度200℃にて種々の試
験片を作成し物性を評価した。表3に得られた物性の評
価結果を示した。
明による樹脂組成物(実施例1〜12)は、耐衝撃性、
成形外観、表面光沢および耐候性にバランスが取れて優
れている。これに対し本発明で規定する要件を充足しな
い樹脂組成物(比較例1〜8)は、いずれかの特性、特
に耐衝撃性および成形品の外観、または耐候性に劣るこ
とが判る。
性、表面光沢および耐候性にバランスが取れ、特に耐衝
撃性に優れているために、車輌の外装部品等の用途に使
用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 トルエン可溶分のポリスチレン換算重量
平均分子量が100,000以上、ゲル含有率が40重
量%以上、トルエンに対する膨潤度が15〜50倍であ
るジエン系ゴム(i)5〜90重量%およびアクリル酸
エステルを主成分とする架橋アクリル酸エステル系重合
体(ii)95〜10重量%とで構成される複合ゴム状重
合体(I)ラテックス20〜80重量部(固形分とし
て)の存在下に、芳香族ビニル系単量体60〜95重量
%、シアン化ビニル系単量体5〜40重量%およびこれ
らと共重合可能な他の単量体0〜40重量%からなる単
量体混合物(II)20〜80重量部(ただし、(I)と
(II)の合計量は100重量部)重合させて得られる樹
脂組成物(A)20〜100重量部と、芳香族ビニル系
単量体60〜95重量%、シアン化ビニル系単量体5〜
40重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜
40重量%からなる単量体混合物を重合させて得られる
共重合体(B)0〜80重量部とからなり、(A)と
(B)との合計が100重量部となるように配合してな
る熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24681296A JP3340631B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JP24681296A JP3340631B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1077383A true JPH1077383A (ja) | 1998-03-24 |
JP3340631B2 JP3340631B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=17154061
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JP24681296A Expired - Fee Related JP3340631B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3340631B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5329702B1 (ja) * | 2012-07-10 | 2013-10-30 | 日本エイアンドエル株式会社 | グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物及びグラフト共重合体の製造方法 |
TWI557144B (zh) * | 2011-12-27 | 2016-11-11 | 日本A&L股份有限公司 | 接枝共聚物、熱塑性樹脂組成物、成形品、及接枝共聚物之製造方法 |
US9556302B2 (en) | 2011-07-12 | 2017-01-31 | Nippon A&L Inc. | Graft copolymer, thermoplastic resin composition, molded article, and method for producing graft copolymer |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP24681296A patent/JP3340631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP5329702B1 (ja) * | 2012-07-10 | 2013-10-30 | 日本エイアンドエル株式会社 | グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物及びグラフト共重合体の製造方法 |
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