JP3595712B2 - 加圧調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力式炊飯器、電気圧力鍋等の加圧調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の加圧調理器には、調理鍋の内部と器外を連通する蒸気通路上に設けられたすり鉢状の弁座と、この弁座に配置された球状の弁体とからなる圧力調節手段を備え、この圧力調節手段と調理鍋の加熱手段に対する通電制御により調理鍋内を一定の内圧に維持する調圧工程を行うものがある。
【0003】
この調圧工程では、調理鍋の内圧が所定値以上となれば加熱手段に対する通電を停止し、内圧が所定値を下回ると加熱手段に対する通電を行う。また、加熱手段の通電制御にかかわらず調理鍋の内圧がさらに上昇した場合には、内圧により押し上げられた弁体が弁座から離脱し、調理鍋内の蒸気が蒸気通路を介して器外に排出される。
【0004】
調圧工程の終了後は、器外への自然放熱で調理鍋内の温度が低下することにより、大気圧まで内圧が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように蒸気通路を開閉することにより内圧を調節するのでは、器外への蒸気の排出を防止することができず、加圧調理器が配置された室内で結露が生じる等の問題がある。また、調理鍋内が高温高圧であるときに弁体が移動して蒸気通路が開放されると、急激な減圧のために調理鍋内で突沸が生じたり、調理鍋内の内容物が器外に飛散するおそれがある。さらに、上記のように調圧工程の終了後に、自然放熱により内圧が大気圧まで低下するには長時間を要する
【0006】
かかる従来の加圧調理器における問題に鑑み、第1の発明は、器外に蒸気を排出させることなく、調理鍋の内圧を調節することができる加圧調理器を提供することを課題としている。
【0007】
また、第2の発明は、上記保圧工程の継続時間を設定することができる加圧調理器を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、調理鍋と、該調理鍋を収容する内胴と、上記調理鍋及び内胴を収容する本体と、上記調理鍋を加熱する加熱手段と、上記本体に開閉可能に取り付けられ上記調理鍋の開口部を閉塞する蓋体とを備える加圧調理器において、上記調理鍋を冷却するために上記調理鍋と内胴の隙間内の空気を換気するファンと、上記調理鍋の内圧を検出する内圧検出手段と、上記内圧検出手段が検出する調理鍋の内圧に基づいて上記調理鍋内の内圧を第1内圧設定値に維持するように上記加熱手段及び上記ファンを制御する調圧工程を実行する制御手段とを備えることを特徴とする加圧調理器を提供するものである。
【0009】
具体的には、上記ファンは、上記調理鍋と内胴の隙間に器外の空気を冷却風として送るものである。あるいは、上記ファンは、上記調理鍋と内胴の隙間の空気を吸気して器外に排出するものであってもよい。
【0011】
本発明の加圧調理器では、上記ファンから送られる冷却風により又は隙間内の空気をファンで排気することにより、調理鍋を直接冷却して調理鍋の内圧を減圧することができる。よって、調圧工程中に減圧のために調理鍋内の蒸気を器外に排出する必要がない
【0012】
上記内胴の一側部に上記ファンと対向する冷却風入口を設け、上記内胴の冷却風入口と内鍋を挟んで対向する側部に冷却風出口を設けることが好ましい。
【0013】
冷却風入口と冷却風出口をかかる位置に設ければ、隙間内で冷却風が一様に流れ、調理鍋を効率良く冷却することができる。
【0014】
上記加熱手段が調理鍋の下部側に位置し、上記調理鍋と内胴の隙間には、上記ファンからの冷却風が上記内胴の下部側に流入するのを規制する冷却風規制手段を設けてもよい。
【0015】
かかる構成とすれば、調理鍋の加熱手段により加熱される部分は冷却風により冷却されないため、加熱効率を必要以上に低下させることなく調理鍋を冷却することができる。
【0016】
上記内胴の冷却風入口に、隙間側へ下向きに傾斜するルーバーを設けることが好ましい。
【0017】
この場合、調理鍋と内胴の隙間に誤って水が浸入しても、水分が冷却風入口からファン側へ浸入するのをルーバーにより防止することができる。
【0018】
上記ファンを内胴の底部側に配置し、内胴の底部側に冷却風入口を設け、内胴の側部に冷却風出口を設けてもよい。
【0019】
この場合、ファンから冷却風入口を介して隙間に流入した冷却風は、調理鍋に沿って下方から上方へ流れる。この冷却風の流れの向きは、加熱手段により調理鍋の加熱時に隙間内に生じる空気の対流と同方向であるため、効率良く調理鍋を冷却することができる。
【0020】
上記冷却風入口は、平面視でファンに対して変位した位置に設けることが好ましい。
【0021】
かかる構成とすることにより、隙間内に誤って浸入した水が冷却風入口からファン側へ流れるのを防止することができる。
【0022】
内胴の底部に調理鍋と内胴の隙間に浸入した水を器外に排出するための排水口を設けることが好ましい。
【0023】
かかる排水口を設ければ誤って浸入した水が内胴内に残留するのを防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示す本発明の加圧調理器であるスチームレス方式の炊飯器は、蓋体1により開閉される本体2内に導電性材料からなる内鍋3(本発明における調理鍋に相当する。)を取出し自在に配設したものである。
【0027】
上記蓋体1は、ヒンジ4により本体2に回転自在に取り付けられた非導電性材料からなる蓋本体5と放熱板6とを備えている。
【0028】
放熱板6には内鍋3の内部と蓋本体5の内部を連通する放熱板蒸気孔6aが設けられており、この放熱板蒸気孔6aと保持部材7の間に調圧ボール8が収容されている。また、放熱板6上には調圧ボール8の駆動手段であるソレノイド9が取付けられている。ソレノイド9の非通電時には、調圧ボール8は図1において実線で示すように放熱板蒸気孔6aを閉鎖する位置にある。調圧ボール8の重量は、ソレノイド9の非通電時に内鍋3の内圧が異常値まで上昇したときに一点鎖線で示すように、放熱板蒸気孔6aから退避した位置に移動するように設定されている。一方、ソレノイド9の通電時には、調圧ボール8は、ソレノイド9のプランジャにより押され、放熱板蒸気孔6aから退避した位置に移動する。また、放熱板6には、内鍋3の内圧を検出する圧力センサ10(本発明における内圧検出手段に相当する。)が取付けられている
【0029】
蓋本体5には蓋本体蒸気孔5aが設けられており、上記放熱板蒸気孔6aの開放時には、この蓋本体蒸気孔5aを介して内鍋3内の蒸気が器外に排出されるようになっている。
【0030】
上記本体2は、非導電性材料からなり有底筒形状である。本体2の正面上部に設けられた操作パネル部12には、炊飯開始スイッチ13a、圧力設定スイッチ13b、調圧時間設定スイッチ13c及び保圧時間設定スイッチ13dが設けられている。
【0031】
本体2の内部には、内鍋3を収容するための内胴15が設けられている。
内胴15は非導電性材料からなり有底筒形状である。内胴15の内寸は内鍋3の側壁3aと内胴15の側壁15aの間に隙間(側部隙間16)が形成され、かつ、内鍋3の底壁3bと内胴15の底壁15bの間に隙間(底部隙間17)が形成されるように設定されている。
【0032】
内胴15の側壁15aの図において左側部には、冷却風入口19が設けられている。この冷却風入口19には、水平方向に延びる冷却風導入管20の一端が連結されている。一方、この冷却風導入管20の他端と対向して冷却ファン21が配置されている。
【0033】
内胴15の側壁15aの図において右側部には、図2に示すように平面視で内鍋3を挟んで冷却風入口19と対向する位置に、冷却風出口22が設けられている。冷却風出口22には、水平方向に延びる冷却風排出管23が連結されている。一方、この冷却風排出管23の他端は本体2に設けられた本体側冷却風出口2aと対向している。冷却風排出管23の他端は、本体2の壁部内面と当接していてもよい。本体側冷却風出口2aの反対側には冷却ファン21が空気を吸い込むことができるように吸気口2bが設けられている。
【0034】
内胴15と本体2の間には、誘導加熱コイルからなる加熱手段25および制御手段26が配設されている。また、内胴15には内鍋3の温度を検出する温度センサ27が取付けられている。
【0035】
上記制御手段26は、マイクロコンピュータ26a、読み出し専用メモリ(ROM)26b、読み書き可能メモリ(RAM)26c及びタイマ26dを備えている。
【0036】
上記マイクロコンピュータ26aは、圧力センサ10、温度センサ27及びスイッチ13a〜13dより入力された信号を、RAM26c及びタイマ26dと協働してROM26bに記憶されたプログラムに従って処理し、加熱手段25及び冷却ファン21を制御して炊飯工程を行う。
【0037】
次に、上記炊飯器による炊飯工程について説明する。
【0038】
まず、炊飯工程の前に、内鍋3内に所要量の米及びこの米が吸収するのに適した量の水を収容する。
【0039】
次に、使用者は上記圧力設定スイッチ13bにより後述する調圧工程での内鍋3の内圧(第1内圧設定値P1)を設定し、調圧時間設定スイッチ13cにより調圧工程の継続時間(調圧時間TM1)を設定する。また、使用者は保圧時間設定スイッチ13dにより保圧工程の継続時間(保圧時間TM2)を設定する。以上の設定終了後、使用者が炊飯開始スイッチ13aをオンすると、炊飯工程が開始される。炊飯工程中のソレノイド9は非通電であり、調圧ボール8が放熱板蒸気孔6aを封鎖しているため、内鍋3は密閉状態で保持される。
【0040】
この炊飯工程では、まず、図3のステップS1で予熱工程が実行される。この予熱工程では、一定時間、一定周波数の高周波電流を加熱手段25に通電する。
【0041】
次に、ステップS2の加熱工程が実行される。
【0042】
この加熱工程では、図4のステップS2−1で加熱手段25に高周波電流が通電される。この通電はステップS2−2で圧力センサ10の検出する内鍋3の内圧(検出内圧P)が第1内圧設定値P1以上であることが検出されるまで継続する。
【0043】
ステップS2−2で検出内圧Pが第1内圧設定値P1以上であることが検出されると、図3のステップS3で上記設定された調圧時間TM1の間、内鍋3の内圧を第1内圧設定値P1に維持する調圧工程が実行される。
【0044】
まず、図5のステップS3−1で検出内圧Pが第1内圧設定値P1以上であればステップS3−2に移行し、第1内圧設定値P1以上でなければ後述するステップS3−5に移行する。
【0045】
上記ステップS3−2では、加熱手段25への通電を停止する。次に、ステップS3−3で検出内圧Pが第1内圧設定値P1よりも所定値だけ高圧の第2内圧設定値P2以上であればステップS3−4に移行し、第2内圧設定値P2以上でなければステップS3−5に移行する。
【0046】
上記ステップS3−4では、冷却ファン21が駆動される。冷却ファン21は、吸気口2bから吸入した器外の空気を冷却風として冷却風入口19へ送る。この冷却風は図1及び図2に点線で示すように、冷却風入口19から側部隙間16内に流入し、内鍋3の側壁3aの外周面に沿って側部隙間16内を冷却風出口22に向けて流れる。冷却風出口22から流出した冷却風は、冷却風排出管23及び本体側冷却風出口2aを介して器外へ排出される。この冷却風により内鍋3が冷却され、その結果、内鍋3の内圧が低下する。
【0047】
上記のように冷却風入口19と冷却風出口22は内鍋3を挟んで対向するように設けられているため、側部隙間16内での冷却風の流れが一様であり、その結果、内鍋3は効率良く冷却される。
【0048】
ステップS3−5で検出内圧Pが上記第1内圧設定値P1よりも所定値だけ低圧の第3内圧設定値P3以下であればステップS3−6に移行し、第3内圧設定値P3以下でなければステップS3−8に移行する。上記ステップS3−6では加熱手段25への通電が開始される。次に、ステップS3−7で冷却ファン21が停止される。
【0049】
ステップS3−8でタイマ26dが計測した調圧工程開始からの経過時間TMが調圧時間TM1以上であればステップS3−9に移行し、調圧時間TM1以上でなければステップS3−1からステップS3−8を繰り返す。
【0050】
上記ステップS3−9では加熱手段25への通電が停止される。次に、ステップS3−10で冷却ファン21が停止され、調圧工程が終了する。
【0051】
このように本実施形態における調圧工程では、冷却ファン21からの冷却風により内鍋3を冷却することにより内圧を低下させており、減圧のために内鍋3内の蒸気を器外に排出しない。よって、内鍋3内から排出された蒸気の結露、内鍋3内が急激に減圧されることによる突沸、内鍋3の内容物の器外への飛散等の問題が生じない。
【0052】
調圧工程終了後は、図3のステップS4の保圧工程が実行される。
【0053】
この保圧工程は内鍋3を密閉状態で保持する工程であり、加熱手段25に対する通電は停止された状態で維持され、冷却ファン21も停止状態で維持される。この状態は、図6のステップS4−1において、タイマ26dの計測する保圧工程開始からの経過時間TMが、使用者が保圧時間設定スイッチ13dで設定した保圧時間TM2以上となるまで維持される。保圧工程中は、上記のように加熱手段25による加熱及び冷却ファン21による冷却の両方が行われないため、内鍋3内の温度は自然放熱により低下し、それに伴って内鍋3の内圧も漸次低下する。
【0054】
このように第1実施形態の炊飯器は、使用者が保圧工程の継続時間を設定することができるため、種々の調理を行う上での使用性に優れている。
【0055】
保圧工程終了後は図3のステップS5の減圧工程が実行される。
【0056】
この減圧工程では、図7のステップS5−1で冷却ファン21が駆動される。そして、ステップS5−2で検出内圧Pが大気圧Pair以下であることが検出されると、ステップS5−3で冷却ファン21が停止される。次に、蓋体1の開放を容易にするためにソレノイド9に通電され、内鍋3内部は放熱板蒸気孔6aと蓋本体蒸気孔5aを介して器外と連通する。このように本実施形態における減圧工程では、冷却ファン21から送られる冷却風により内鍋3を強制冷却するため、内鍋3の内圧が大気圧まで低下するのに要する時間を短縮することができる。
【0057】
(第2実施形態)
【0058】
図8に示す本発明の第2実施形態の炊飯器では、内鍋3が加熱手段25と対向している下側部における内胴15と内鍋3の側部隙間16の幅t1を、上側部の隙間の幅t2よりも小さく設定している。例えば、上記上側部では幅t2が5〜8mm程度であるのに対して、上記下側部での隙間t2の幅t1は2〜4mm程度に設定される。この側部隙間16の上側部と下側部での幅の差が本発明における冷却風規制手段を構成している。
【0059】
側部隙間16の幅t1,t2を上記のように設定すれば、冷却ファン21から側部隙間16内に流入する冷却風の大部分が側部隙間16の上側部を流れて冷却風出口22から排出される。そのため、冷却ファン21の駆動時には、主として内鍋3の上側部が冷却され、下側部は上側部程は冷却されない。
【0060】
加熱手段25の通電時には主として内鍋3の下側部で渦電流による発熱が生じる。よって、上記調圧工程中に、冷却ファン21からの冷却風により内鍋3の下側部が過度に冷却されると、内圧を上昇させるために加熱手段25に通電する際には、いったん冷却された部分を発熱させることになるため、加熱効率が大幅に低下する。しかし、第2実施形態では、側部隙間16の幅t1,t2を上記のように設定して下側部への冷却風の流入を防止しているため、加熱効率を必要以上に低下させることなく内鍋3を冷却することができる。
【0061】
冷却風入口19には側部隙間16側へ下向きに傾斜する複数のルーバー28が設けてあり、各ルーバー28の間に通風用のスリットが形成されている。同様に、冷却風出口22にも側部隙間16側へ下向きに傾斜する複数のルーバー28が設けられている。
【0062】
内鍋3を内胴15に収容する際等に、誤って側部隙間16に水が浸入する場合があるが、上記冷却風入口19では、浸入した水は下向きのルーバー28上を流れて内胴15の底部へ落下するため、冷却風入口19を介して冷却ファン21側へ水分が浸入するのを防止することができる。同様に、冷却風出口22の部分でも浸入した水分はルーバー28を流れて内胴15の底部へ落下するため、冷却風出口22から本体2内へ水分が浸入するのを防止することができる。
【0063】
第2実施形態のその他の構成及び動作は第1実施形態と同様である。
【0064】
図9は第2実施形態の変形例であり、側部隙間16の幅は上側部と下側部でほぼ同一に設定しているが、内胴15の内周面に環状のリブ30を設けて部分的に側部隙間16の幅を狭くすることにより、内鍋3の下部側への冷却風の流れを規制している。かかる構造とした場合も、加熱効率を必要以上に低下させることなく内鍋3の冷却を行うことができる。
【0065】
(第3実施形態)
【0066】
図10に示す本発明の第3実施形態では、本体2の底部に内胴15の底壁15bと対向して冷却ファン21が収容されている。本体2の底部の冷却ファン21を配置した部分にスリット状の吸気口2bが設けられている。
【0067】
内胴15の底壁15bの中央部には排水管32が下向きに突設されている。この排水管32の上端側開口は底部隙間17に連通し、下端側開口は器外と連通している。排水管32には冷却ファン21と近接する位置に冷却風入口19が設けられている。また、内胴15の側壁15aには第2実施形態と同様にルーバー28を備える冷却風出口22が設けられている。
【0068】
この第3実施形態では、冷却ファン21からの冷却風は、点線で示すように、冷却風入口19から底部隙間17に流入する。そして、冷却風はこの底部隙間17から側部隙間16へ流入し、冷却風出口22を介して器外へ排出される。この下方から上方への冷却風の流れは、加熱手段25により内鍋3が加熱された場合に側部隙間15内に生じる空気の対流と同方向であるため、効率良く内鍋3を冷却することができる。
【0069】
内鍋3を内胴15に収容する際等に、誤って側部隙間16に浸入した水は、内胴15の内周面を流れ、排水管32を通って器外に排出される。
【0070】
また、上記のように冷却風入口19は、上下方向に延びる排水管32の一部に設けてあり、冷却ファン21とは非対向位置、すなわち平面視で冷却ファン21に対して変位した位置にある。よって、側部隙間16に誤って水が浸入した場合でも、冷却ファン21側に水が流れるのを防止することができる。
【0071】
さらに、冷却風出口22にもルーバー28を設けているため、側部隙間16に浸入した水が本体2内に流出するのを防止することができる。
【0072】
本発明の加圧調理器は上記構成に限定されるものではない。
例えば、上記第1実施形態から第3実施形態では、内鍋3と内胴15の隙間16,17に冷却ファン21により冷却風を送ることにより内鍋3を強制冷却しているが、この冷却ファンに代えて隙間16,17の空気を吸気して器外に排出するファンを設けても良い。この場合、隙間16,17の空気が上記各実施形態における冷却風入口19を介してファンにより吸い出される一方、上記各実施形態における冷却風出口22を介して器外の空気が隙間16,17に流入する。このように本発明におけるファンは隙間の空気を換気するものであれば、隙間に冷却風を送るものであっても、隙間の空気を吸気して器外に排出するものであってもよい。
【0073】
また、上記加熱手段は抵抗熱を利用するヒータであってもよい。さらに、上記実施形態では、加圧調理器として炊飯器を例に説明したが、電気圧力鍋等の他の加圧調理器に本発明を適用しても同様の作用、効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、発明の加圧調理器は、調理鍋を冷却するために調理鍋と内胴の隙間内の空気を換気するファンを備えるため、調理鍋を直接冷却して調理鍋の内圧を減圧することができる。よって、調圧工程中に減圧のために調理鍋内の蒸気を器外に排出する必要がなく、排出された蒸気の結露等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定圧調理器である炊飯器を示す概略構成図である。
【図2】内鍋と内胴を示す横断面図である。
【図3】炊飯工程を示すフローチャートである。
【図4】加熱工程を示すフローチャートである。
【図5】調圧工程を示すフローチャートである。
【図6】保圧工程を示すフローチャートである。
【図7】減圧工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態の炊飯器を示す概略構成図である。
【図9】第2実施形態の変形例を示す概略構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態の炊飯器を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 蓋体
2 本体
3 内鍋(調理鍋)
10 圧力センサ(内圧検出手段)
13a 炊飯開始スイッチ
13b 圧力設定スイッチ
13c 調圧時間設定スイッチ
13d 保圧時間設定スイッチ
15 内胴
19 冷却風入口
21 冷却ファン
22 冷却風出口
25 加熱手段
26 制御手段
28 ルーバー
30 リブ(冷却風規制手段)
32 排水管(排水口)

Claims (10)

  1. 調理鍋と、該調理鍋を収容する内胴と、上記調理鍋及び内胴を収容する本体と、上記調理鍋を加熱する加熱手段と、上記本体に開閉可能に取り付けられ上記調理鍋の開口部を閉塞する蓋体とを備える加圧調理器において、
    上記調理鍋を冷却するために上記調理鍋と内胴の隙間内の空気を換気するファンと、
    上記調理鍋の内圧を検出する内圧検出手段と、
    上記内圧検出手段が検出する調理鍋の内圧に基づいて上記調理鍋内の内圧を第1内圧設定値に維持するように上記加熱手段及び上記ファンを制御する調圧工程を実行する制御手段と
    を備えることを特徴とする加圧調理器。
  2. 上記調圧工程における上記制御手段は、
    上記内圧検出手段が検出する内圧が上記第1内圧設定値以上であれば、上記加熱手段への通電を停止し、
    上記内圧検出手段が検出する内圧が上記第1内圧設定値よりも高圧の第2内圧設定値以上であれば、上記ファンを駆動し、
    上記内圧検出手段が検出する内圧が上記第1内圧設定値よも低圧の第3内圧設定値以下であれば、上記加熱手段への通電を行い、かつ冷却ファンを停止させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の加圧調理器。
  3. 上記ファンは、上記調理鍋と内胴の隙間に器外の空気を冷却風として送るものである請求項1又は請求項2に記載の加圧調理器。
  4. 上記ファンは、上記調理鍋と内胴の隙間の空気を吸気して器外に排出するものである請求項1又は請求項2に記載の加圧調理器。
  5. 上記内胴の一側部に上記ファンと対向する冷却風入口を設け、上記内胴の冷却風入口と調理鍋を挟んで対向する側部に冷却風出口を設けたことを特徴とする請求項に記載の加圧調理器。
  6. 上記加熱手段が調理鍋の下部側に位置し、
    上記調理鍋と内胴の隙間には、上記ファンからの冷却風が上記内胴の下部側に流入するのを規制する冷却風規制手段を設けたことを特徴とする請求項に記載の加圧調理器。
  7. 上記内胴の冷却風入口に、隙間側へ下向きに傾斜するルーバーを設けたことを特徴とする請求項に記載の加圧調理器。
  8. 上記ファンを内胴の底部側に配置し、
    内胴の底部側に冷却風入口を設け、内胴の側部に冷却風出口を設けたことを特徴とする請求項に記載の加圧調理器。
  9. 上記冷却風入口は、平面視でファンに対して変位した位置に設けていることを特徴とする請求項に記載の加圧調理器。
  10. 内胴の底部に調理鍋と内胴の隙間に浸入した水を器外に排出するための排水口を設けたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の加圧調理器。
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