JP3594995B2 - エステル誘導体およびそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

エステル誘導体およびそれを含有する液晶組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液晶材料として有用なエステル誘導体に関し、さらにこのエステル誘導体を含有する液晶組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、時計、電卓をはじめワープロ、テレビ等に広く利用されている。これらの液晶表示装置の中で特に多く使用されているのは、液晶材料の光学的異方性および誘電率異方性を利用したTN型(ねじれネマティック型)液晶表示装置である。
【0003】
現在TN型などの液晶表示装置に用いられる液晶材料に要求される特性としては、液晶温度範囲が広いこと、電気光学的に速い応答速度を得るために粘度が小さいこと、広い視野角範囲、高いコントラストを得るために適切な複屈折(△n)をもつこと、低い駆動電圧を得るために誘電率異方性(△ε)が大きいこと、化学的および光学的に安定であることなどが挙げられる。
【0004】
実用されている液晶組成物は通常、室温付近に液晶相を有する化合物と、室温より高い温度領域に液晶相を有する化合物とを混合して調整される。液晶表示装置が屋外で使用し得る為には−40℃〜90℃の温度範囲で安定に存在しなければならないし、また誘電率異方性、屈折率異方性の温度依存性、つまりN−I点(ネマティック−等方相転移温度)付近では急激な変化が起こるので、N−I点の高い液晶材料が必要となる。
【0005】
また、広視野角、高コントラストを得るためには、液晶層のリターデーション△n・d(△nは液晶材料の複屈折、dは液晶層の厚み)を最適化する必要がある。しかし、実用に使用される液晶表示装置では液晶層の厚みdが、ある限定された範囲で設定されており、かつ応答速度を速くすることが要求されているために、液晶層の厚みdは薄くなる傾向が強まっている。よって、複屈折△nが大きな液晶材料が必要とされている。
【0006】
駆動電圧はしきい値電圧Vthの値に依存し、しきい値電圧Vthは誘電率の異方性△εの平方根に反比例する。そのため誘電率の異方性△εが正の液晶材料を用いるとしきい値電圧Vthを低い値に抑えることができる。
【0007】
これまで、種々の液晶化合物が開発され、使用されているが、以上のような特性を全て満足する単一の液晶化合物は未だに見い出されていない。そのためにいろいろな特性をもった数種の液晶化合物を混合したり、あるいは非液晶化合物を混合したりして実用に供しているのが現状であるが、やはり、充分満足できるものではない。
【0008】
また、この様な液晶化合物に、エステル誘導体を混合して用いる例もある。エステル誘導体には種々のものがあるが、液晶の添加物として用いられるものには、2−ブテン酸−(4−フルオロフェニル)エステル、2−ブテン酸−(4−シアノフェニル)エステル等がある。しかし、4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸のフェニルエステル化合物は知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上示したように、これまで、液晶組成物については種々検討されているが、未だ完全と言われるものは見いだされていない。また、液晶組成物に用いられる化合物は、いずれもその特性に一長一短があり、さらに液晶表示装置によって、前記要求される特性の度合いも異なるため、目的に応じた特性を与える新たな液晶化合物および、液晶添加物の出現が待ち望まれている。そこで本発明の目的は、液晶組成物に混合することによって、液晶組成物のN−I点を高くし、複屈折△nを大きくし、かつしきい値電圧Vthを小さくすることのできる新規なエステル誘導体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のエステル誘導体は一般式(I)で表されるものである。
【0011】
【化2】
Figure 0003594995
【0012】
(ただし、Xはフッ素原子またはシアノ基またはメチル基を示し、Yはフッ素原子または水素原子であるものとする。)
【0013】
また、本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表されるエステル誘導体を少なくとも一種含有するものである。
【0014】
本発明のエステル誘導体において置換基として与えられているフッ素原子の代わりに、塩素原子、あるいは臭素原子を用いたものでもよいが、粘度及び比抵抗の観点からフッ素原子のものが好ましい。
【0015】
本発明のエステル誘導体の製造方法について、化3に例をあげて説明する。なお式中X、Yは前記した意味を示す。まず、カルボン酸に塩化チオニル、五酸化リン等のハロゲン化剤を作用させて酸塩化物(b)を製造する。次に酸塩化物(b)と4−ヒドロキシ安息香酸(c)とをピリジン等の不活性有機溶媒中で反応させた後、反応混合物を水洗、乾燥、再結晶させ、4−置換安息香酸(d)を作製する。さらにこの4−置換安息香酸(d)に塩化チオニル、五酸化リン等のハロゲン化剤を作用させて酸塩化物(e)を製造する。そして、酸塩化物(e)と置換フェノール(f)とをピリジン等の不活性有機溶媒中で反応させた後、反応混合物を水洗、乾燥、再結晶することにより一般式(I)で表されるエステル誘導体を得ることができる。
【0016】
【化3】
Figure 0003594995
【0017】
本発明のエステル誘導体は、液晶組成物に混合することによって、液晶組成物のN−I点を高くし、複屈折△nを大きくし、かつしきい値電圧Vthを小さくすることのできる優れた化合物である。
【0018】
本発明のエステル誘導体は多くの液晶化合物と混合し、液晶組成物を製造することができる。本発明のエステル誘導体と混合可能な液晶化合物としてはエステル系、シクロヘキシルフェニル系、ビフェニル系、ピリミジン系、ジオキサン系、トラン系などが挙げられる。更に、これらの液晶化合物を複数混合したものに本発明のエステル誘導体を混合して用いることもできる。
【0019】
【作用】
本発明のエステル誘導体は、通常の液晶化合物と比べて、分子の棒状性があるため液晶性が優れており、そのため液晶化合物に混合することにより、液晶組成物のN−I点を高くすることができる。また、末端基に二重結合とエステル結合を持つために共役系が存在し、なおかつその存在領域が分子長軸方向に長いので、液晶化合物に混合することによって、液晶組成物の複屈折を大きくすることができ、同時に誘電率の異方性も大きくするので、Vthを低くすることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、本実施例におけるしきい値電圧Vthは、液晶組成物をセル厚9μmのTN型液晶表示装置に搭載して測定した値である。
【0021】
(実施例1)
2,4−ヘキサジエン酸11.2gに塩化チオニル11.8gを加え、還流下で2時間反応させ、反応終了後減圧下で塩化チオニルを留去し、その後20mmHgで減圧蒸留し、2,4−ヘキサジエン酸塩化物10.4gを得た。これをトルエン50mlに溶解させ、4−ヒドロキシ安息香酸11.0gとピリジン100gを加え、40℃で3時間反応させた。反応終了後100mlの水を加えて有機層を分離し、希塩酸、次いで希アルカリ水溶液の順で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。次にこの有機層を濾過し、濾液から溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をエタノールから再結晶し、4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸13.9gを得た。さらに塩化チオニル7.1gを加え、還流下で2時間反応させ、反応終了後減圧下で塩化チオニルを留去し、4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸塩化物10.0gを得た。これをトルエン50mlに溶解させ、4−シアノフェノール4.8gとピリジン100gを加え40℃で3時間反応させた。反応終了後100mlの水を加えて有機層を分離し、希塩酸、次いで希アルカリ水溶液の順で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。次にこの有機層を濾過し、濾液から溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をエタノールから再結晶し、化4記載の化合物である4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸−(4−シアノフェニル)エステル6.7gを得た。この化合物はネマティック液晶で、C−N点(結晶−ネマティック相転移温度)が141.0℃、N−I点が227.5℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
【0022】
【化4】
Figure 0003594995
【0023】
(実施例2)
4−シアノフェノール4.8gの代わりに4−メチルフェノール4.3gを使用する以外は実施例1と同様の方法で化5記載の化合物である4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸−(4−メチルフェニル)エステル6.4gを得た。この化合物はネマティック液晶で、C−N点が108.9℃、N−I点が199.2℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
【0024】
【化5】
Figure 0003594995
【0025】
(実施例3)
4−シアノフェノール4.8gの代わりに4−フルオロフェノール4.5gを使用する以外は実施例1と同様の方法で化6記載の化合物である4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸−(4−フルオロフェニル)エステル6.5gを得た。この化合物はネマティック液晶で、C−N点が115.6℃、N−I点が162.7℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクトルを図3に示す。
【0026】
【化6】
Figure 0003594995
【0027】
(実施例4)
4−シアノフェノール4.8gの代わりに3,4−ジフルオロフェノール5.2gを使用する以外は実施例1と同様の方法で化7記載の化合物である4−(2,4−ヘキサジエン酸)安息香酸−(3,4−ジフルオロフェニル)エステル6.9gを得た。この化合物はネマティック液晶で、C−N点が105.9℃、N−I点が143.2℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクトルを図4に示す。
【0028】
【化7】
Figure 0003594995
【0029】
(実施例5)
市販のネマティック液晶組成物ZLI−1132(メルク社製)95重量部に、実施例1で製造した本発明のエステル誘導体を5重量部加え、液晶組成物を作製した。その液晶組成物の特性を表1に示す。
【0030】
ここで、ZLI−1132のみからなる液晶組成物の特性は、N−I点72℃、Δn0.138、粘度27.9cP(センチポアズ)、Vth1.73Vであった。
【0031】
【表1】
Figure 0003594995
【0032】
(実施例6〜8)
前記ZLI−1132を90重量部に、実施例2〜4で製造した本発明のエステル誘導体をそれぞれ別々に10重量部ずつ加え、3種類の液晶組成物を作製した。その液晶組成物の特性を表1に併せて示す。
【0033】
表1から明らかなように、本発明のエステル誘導体は、それを含有する液晶組成物のN−I点を高くするとともに、複屈折△nを大きくし、かつしきい値電圧Vthを低くするものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明のエステル誘導体は、液晶組成物に混合することによって、液晶組成物のN−I点を高くし、また複屈折を大きくし、しきい値電圧を低くすることができる。そのため、本発明のエステル誘導体を含有する液晶組成物は液晶材料として優れた特性を有し、またこの液晶組成物を搭載した液晶表示装置は、温度範囲が広く、広い視野角を持ち、低い駆動電圧で動作させることができる。さらに、本発明のエステル誘導体は種々の化合物との充分な相互溶解性が得られ、液晶組成物の構成物質として多くの液晶材料と組み合わせて使用することができ、液晶組成物の特性改良に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエステル誘導体の赤外線吸収スペクトルを表す図である。
【図2】本発明のエステル誘導体の赤外線吸収スペクトルを表す図である。
【図3】本発明のエステル誘導体の赤外線吸収スペクトルを表す図である。
【図4】本発明のエステル誘導体の赤外線吸収スペクトルを表す図である。

Claims (2)

  1. 一般式(I)で表されるエステル誘導体。
    Figure 0003594995
    (ただし、Xはフッ素原子またはシアノ基またはメチル基を示し、Yはフッ素原子または水素原子であるものとする。)
  2. 請求項1記載のエステル誘導体を少なくとも一種含有する液晶組成物。
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