JP3594496B2 - 電磁調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁調理器に関し、詳しくは、制御手段の温度が上昇しすぎないように制御することが可能な電磁調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁調理器には、鍋内の食用油の温度(以下、「油温」という)を検出するための油温測定手段を備えるものがあった。図8に、従来の電磁調理器における加熱調理時の油温,天板の温度および加熱の状態(火力)の時間変化を示す。従来の電磁調理器では、図8に示すように、まず、油温が調理のための所定の温度(図8では200℃)に達するまで連続的に加熱が行なわれ、当該所定の温度に達した後には、油温を当該所定の温度で一定にすべく、断続的な加熱が行なわれていた。なお、電磁調理器においては、一般に、鍋は電磁調理器を構成する筐体の天板上に載置され、また、加熱状態を制御する制御手段は当該筐体の中に収められる。そして、一般的な鍋が用いられた場合、図8に示すように、筐体の天板の温度は、油温よりもかなり低い温度で保たれるため、その近辺にある制御手段が熱によって破損するおそれはなかった。
【0003】
ところで、電磁調理器において、収容する食用油に熱を伝えにくい鍋、すなわち、電磁調理器によって加熱された際にその熱を食用油に伝える速度が遅い鍋が使用される場合があった。このような鍋としては、たとえば、底面積の比較的小さい鍋が挙げられる。そして、このような鍋が使用される場合、油温の低い加熱開始時に、油温が所定の温度に達する前に、天板が、筐体内の制御手段に悪影響が生ずるまでの高温に加熱されるおそれがあった。これは、検出された油温に応じて高出力で加熱された鍋が、食用油に熱を伝えにくい分、天板に多くの熱を伝えることによると考えられる。
【0004】
そこで、従来の電磁調理器には、制御手段が置かれる環境の温度を間接的に測定するために、天板の温度を測定するセンサをさらに備えるものがあった。図9に、食用油に熱を伝えにくい鍋が用いられた場合の、従来の電磁調理器における油温,天板の温度および加熱の状態の時間変化を示す。図9を参照して、従来の電磁調理器では、加熱開始時から油温が最初に所定の温度に達するまでの期間であっても、天板の温度が特定の温度(図9では200℃)に達すると、天板の温度が特定の温度を越えないように、断続的に加熱を行なうように制御が行なわれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電磁調理器において、図9に示したように、油温が最初に所定の温度に達するまでの期間であっても断続的に加熱が行なわれると、加熱を開始してから油温が所定の温度に達するまでの時間が、図8に示した通常の鍋が使用された場合と比較して、大幅に長くなるという問題が生じた(図8の例では約7分であるのに対し、図9の例では約20分)。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、食用油に熱を伝えにくい鍋が使用された場合に、制御手段の温度を上昇させすぎることなく、かつ、より早く、鍋内の食用油の温度を上昇させる電磁調理器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる電磁調理器は、調理鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱動作を制御する制御手段と、前記制御手段の温度を検出する制御部測温手段と、前記調理鍋内の食用油の温度を検出する油温測定手段とを含み、前記制御手段は、前記制御部測温手段の検出する温度が特定の温度に達したときから前記油温検出手段の検出する温度が調理を行なうための所定の温度に初めて達するまで、前記加熱手段に出力を低下した状態で加熱させる出力低下制御を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の本発明によると、制御手段の働きにより、制御手段の温度が特定の温度に達した場合には、加熱手段の加熱出力が低下する。
【0009】
これにより、制御手段の温度が特定の温度に達した場合、鍋の加熱が停止されることはなく、かつ、加熱出力が低下することにより鍋が高出力で加熱され続けることは回避される。したがって、電磁調理器において、制御手段の温度を上昇させすぎることなく、かつ、より早く、鍋内の食用油の温度を上昇させることができる。
【0010】
また請求項1に記載の発明による作用に加えて、制御手段の温度が特定の温度に達した際に加熱手段の出力が低下する制御が、食用油の温度が最初に所定の温度に達するまでの期間のみ、つまり、たとえば、食用油の温度が比較的低い加熱開始時にのみ実行される。
【0011】
食用油の温度が比較的低い加熱開始時には、食用油の温度を大きく上昇させる必要があるため、鍋が高出力で加熱される場合が多い。しかし、加熱の出力が高すぎると、食用油に熱を伝えにくい鍋が使用されている場合には、制御手段の温度を上昇させすぎる場合がある。そして、請求項2に記載の発明によると、食用油の温度が最初に所定の温度に達するまでの期間だけ、加熱手段の出力を低下させる制御が行なわれる。これにより、電磁調理器において、鍋が食用油に熱を伝えにくい場合に、効果的に、制御手段の温度を上昇させすぎることなく、かつ、より早く、鍋内の食用油の温度を上昇させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態の一例を説明する。なお、本実施の形態では、調理鍋内の食品の温度制御として、特に、食用油の温度制御について説明する。
【0013】
1.電磁調理器の構成の概要
図1は、本発明の実施の形態の一例の電磁調理器の外観を示す図である。電磁調理器1は、筐体6により、外郭を覆われている。そして、筐体6に前面には、ユーザが操作する情報を入力するための操作パネル2が備えられている。また、筐体6の上面には、鍋5を載置するための天板3が備えられている。そして、筐体6の後面には、家庭用電源から電磁調理器1に電力を導く電源コード4が接続される。
【0014】
図2は、操作パネル2の構成を示す図である。操作パネル2は、煮物調理等の通常の加熱を行なう際に操作される火かげんキー16と、あげもの調理等において鍋5内の食品油(以下、単に「油」という)等の食品を一定の高温に維持する際に操作されるあげものキー18を備えている。また、操作パネル2は、さらに、タイマの設定を行なうタイマキー13と、タイマキー13によって設定された時間等を表示する表示部14と、火かげんキー16またはあげものキー18による加熱の状態を表示する火力・温度ランプ15と、火かげんキー16が押されたことを示す火かげん状態指示ランプ17と、あげものキー18が押されたことを示すあげもの状態指示ランプ19と、加熱を終了させるための切キー20と、加熱動作を行なっていることを示す加熱ランプ21とを備えている。
【0015】
図3は、電磁調理器1の電気回路を模式的に示す図である。なお、当該電気回路を構成する部品は、筐体6内の天板3の下方に設置されている。
【0016】
図3を参照して、電磁調理器1を構成する回路には、外部の交流電源に接続される電源コード(電源プラグ)4と、外部の交流電源から電磁調理器1に過電流が流されることを防ぐヒューズ41と、回路全体を開閉するスイッチ42と、トランス43と、電源コード4から投入される交流を直流に変換する整流回路44と、平滑コイル45と、平滑コンデンサ46と、整流回路44に接続され鍋5等の被加熱物の加熱に用いられる加熱コイル47と、共振コンデンサ48と、トランジスタ49と、トランジスタ49のオン/オフを制御する駆動回路50と、駆動回路50に接続されるマイクロコンピュータ51とが主に含まれる。
【0017】
トランジスタ49には、ダンパーダイオード49aが並列接続されている。天板3の下面には、天板3の温度を検知するサーミスタ3aが備えられている。サーミスタ3aは、温度検出回路52と接続されている。温度検出回路52は、マイクロコンピュータ51に接続され、マイクロコンピュータ51からサーミスタ3aの温度を検出するよう指示を受けると、A/D変換回路53を介して、サーミスタ3aの温度情報をマイクロコンピュータ51に送る。
【0018】
また、電磁調理器1では、後述するように、天板3の上限温度であるTaが記憶されている。マイクロコンピュータ51に接続されたメモリ59は、このTaと、後述する設定温度とを記憶するためのものである。また、電磁調理器1は、油の温度等を測定するために鍋5内に挿入される温度プローブ57をさらに含む。温度検出回路58は、温度プローブ57とマイクロコンピュータ51とA/D変換回路53に接続され、マイクロコンピュータ51から温度プローブ57の温度を検出するよう指示を受けると、A/D変換回路58を介して、温度プローブ57の温度情報をマイクロコンピュータ51に送る。なお、温度プローブ57は、電磁調理器1に対して着脱可能となっている。
【0019】
また、マイクロコンピュータ51には、操作パネル2と、マイクロコンピュータ51に一定電圧の電力を供給するための電源回路54と、操作パネル2の各種ランプの点灯の制御を行なう表示制御部56とが接続されている。また、マイクロコンピュータ51は、図示せぬタイマ回路および音声回路を含んでいる。タイマ回路は、時間の計時を行ない、音声回路は、タイマ回路による計時が完了した場合やサーミスタ3aまたは温度プローブ57の検知温度が後述する設定温度に達した場合等に音声による報知を行なう。なお、55は、電流値を検知するカレントトランスであり、駆動回路50に接続されている。
【0020】
電磁調理器1では、火かげんキー16またはあげものキー18を押圧されると、まず、マイクロコンピュータ51が、リレー42をオンし、また、駆動回路50を介してトランジスタ49を断続的にオンして、加熱コイル47に断続的に通電する。このとき、マイクロコンピュータ51は、表示制御部56を介して、加熱ランプ21と、火かげん状態指示ランプ17またはあげもの状態指示ランプ19を点灯させる。
【0021】
電磁調理器1では、加熱コイル47に通電することにより、磁力線が生じる。そして、生じた磁力線が天板3上の鉄等からなる鍋5を通るときの、渦電流による鍋5の金属抵抗により生じるジュール熱により、鍋5が加熱される。
【0022】
マイクロコンピュータ51は、天板3上に鍋5等の適切な被加熱物が載置されているか否かを判断し、載置されていると判断したときにのみ、上記のように加熱コイル47に通電する。天板3上に鉄製の鍋5等の適切な被加熱物が載置されているか否かは、以下のように判断する。
【0023】
マイクロコンピュータ51は、電磁調理器1によって加熱するのに適した鍋が天板3上に載置された際にカレントトランス55が検知すると期待される電流値を、適正値として記憶している。そして、カレントトランス55の検知した電流値がその適正値以上か否かを判断する。判断した結果、カレントトランス55の検知結果が、その適正値よりも小さいと判断した場合には、天板3上に鉄製の鍋等の適切な被加熱物が載置されていないと判断する。そして、当該検知結果が、その適正値以上であると判断した場合には、天板3上に適切な被加熱物が載置されていると判断する。
【0024】
2.電磁調理器の一般動作
次に、図4を参照して、電磁調理器1の動作について説明する。図4は、マイクロコンピュータ51のメインルーチンのフローチャートである。
【0025】
まず、マイクロコンピュータ51は、S1で、内蔵されるRAM等の初期化を行なう。次に、S2で、操作パネル2上のキーのいずれかが押圧されたか否かを判断する。キーのいずれかが押圧されたと判断すると、S3で、押圧されたのが火かげんキー16であるか否かを判断する。火かげんキー16である場合は、S4に進み、所定の出力で鍋5を加熱して煮物調理等を行なう火かげん運転処理を行なう。電磁調理器1では、火かげんキー16の押圧回数により、電磁調理器1での「強」、「中」または「弱」という加熱の程度を設定することができる。そして、設定された加熱の程度によって、火かげん運転処理における加熱出力が異なる。
【0026】
一方、S3で、押圧されたのが火かげんキー16でないと判断した場合、マイクロコンピュータ51は、S5に進み、あげものキー18が押圧されたか否かを判断する。あげものキー18が押圧されたと判断した場合には、S6に進み、あげもの運転処理を行なう。電磁調理器1では、あげものキー18の押圧回数により、電磁調理器1で鍋5内の油が維持されるべき温度を「160℃」、「170℃」、「180℃」、「190℃」または「200℃」に設定することができる。なお、鍋5内の油が維持されるべき温度であって、あげものキー18の押圧回数によって決定される温度を、以下、「設定温度」という。あげもの運転処理において、鍋5内の油の温度は、設定温度にまで上昇され、かつ当該設定温度で維持される。以下に、このあげもの運転処理について説明する。
【0027】
3.あげもの運転処理
図5に、あげもの運転処理のサブルーチンを示す。図5を参照して、まず、S61で、マイクロコンピュータ51は、タイマをスタートさせる。そして、S62で、操作パネル2上のキーのいずれかが押圧されたか否かを判断する。S62において、いずれのキーも押圧されなかったと判断すると、S66に進む。
【0028】
一方、キーのいずれかが押圧されたと判断すると、S63で、押圧されたのが切キー20であるか否かを判断する。切キー20であると判断すると、あげもの運転処理を終了する。S63で、押圧されたのが切キー20ではないと判断した場合には、S64に進み、押圧されたのがあげものキー18であるか否かを判断する。あげものキー18であると判断すると、S65に進み、あげものキー18でないと判断すると、S66に進む。
【0029】
S65では、あげものキー18の押圧回数に応じて設定温度を変更し、メモリ59に記憶させる処理を行ない、S66に進む。これにより、電磁調理器1は、調理の途中でも、ユーザにより、あげものキー18が押圧されると、押圧回数に応じて設定温度を変更することできるように構成されている。
【0030】
次に、S66では、S61または後述するS67でタイマをスタートしてから1秒が経過したか否かを判断する。そして、1秒が経過したと判断するとS67に進み、未だ経過していないと判断するとS62に戻る。
【0031】
S67では、前述のように、タイマを一旦リセットした後再びスタートさせる処理を行ない、S68に進む。S68では、鍋5内の油の温度(油温)を前述の設定温度に維持する油温制御処理を行ない、S62に戻る。
【0032】
以下に、S68の油温制御処理について、図6を参照しつつ、詳細に説明する。図6は、油温制御処理のサブルーチンのフローチャートである。なお、本実施の形態の油温制御処理は、特に、鍋5として、例えば底面積が小さく比較的高さのある鍋のような、収容する油に熱を伝えにくい鍋が用いられた場合に、有効である。
【0033】
油温制御処理において、マイクロコンピュータ51は、まず、S661で、設定温度をメモリ59から読込む処理を行なう。
【0034】
次に、S662で、温度プローブ57によって測定される油温が設定温度よりも低いか否かが判断される。油温が設定温度以上であれば、S663に進み、油温が設定温度に少なくとも一度は達している旨を記憶する処理を行ない、S664に進む。なお、S65の処理によって設定温度が変更された場合には、S663における記憶内容は消去される。そして、S664では、加熱を停止する処理を行ない、処理を終了する。
【0035】
一方、S662で、油温が設定温度に達していないと判断すると、S665に進み、油温が少なくとも一度は設定温度に達しているか否か、すなわち、S663において設定温度に達した旨が記憶されているか否かを判断する。
【0036】
未だ一度も設定温度に達していないと判断すると、S666に進み、サーミスタ3aにより測定される天板3の温度が、前述のTa(天板3の上限温度:たとえば200℃)以下であるか否かを判断する。天板3の温度が、Ta未満であればS668に進み、Ta以上であればS667に進む。S667では、鍋5を、弱い火力(たとえば400W)で加熱する処理を行ない処理を終了する。
【0037】
一方、S665で、S663において設定温度に達した旨が記憶されていると判断すると、S668に進む。S668では、鍋5を、最大火力(たとえば1000W)で加熱する処理を行ない、処理を終了する。
【0038】
なお、本実施の形態では、S666で天板3の温度がTaに達したと判断された場合、一律に、加熱出力が400Wとされたが、必ずしもこのように制御される必要はない。すなわち、さらに、天板3の実際の温度を検出し、当該検出温度に応じて、加熱出力のW数を決定するように構成することもできる。
【0039】
また、本実施の形態では、油温が設定温度未満であって、油温が一度は設定温度に達したことがあると判断されると(S665でYes判断時)、天板3の温度がTa以上であっても加熱の出力が最大火力とされる。これは、一度油温が設定温度に達したような状態では、すでに、鍋5から鍋5内の油に熱が伝わりやすくなっており、油温と鍋5の温度と天板3の温度とが大差ない状態であると考えられるためである。もちろん、油温が設定温度未満であって、油温が一度は設定温度に達していると判断されても、天板3の温度がTa以上であれば、加熱の出力を弱い火力(たとえば400W)としてもよい。
【0040】
以上説明した油温制御処理に従って鍋5内の加熱が行なわれた場合の、油温,天板3の温度および加熱の状態の時間に対する変化を図7に示す。
【0041】
図7に示すように、本実施の形態では、電磁調理器1において、鍋5内の油を加熱する際に、加熱開始時のように油温が設定温度に達していない場合、すなわち、S663における記憶処理が未だ行なわれていない場合(または記憶内容が消去された場合)には、天板3の温度が上限温度(図7の例では200℃)になると、鍋5を加熱する火力が、最大火力ではなく、弱い火力とされる。このように火力を制御されることにより、天板3の温度が上限温度を越えて極端に高くなることを回避できる。なお、天板3についての上限温度とは、それ以上高温となると、筐体6内の電気回路を構成する部品が破損する恐れがある温度である。そして、本実施の形態のように、天板3の温度が上限温度を越えて極端に高くなることが回避されることにより、筐体6内の電気回路を構成する部品の高熱による破損を回避することができる。
【0042】
また、本実施の形態では、天板3の温度が上限温度となった場合に、加熱を停止せず、弱い火力で加熱しつづけている。これにより、本実施の形態に従うと、油温を、より早く、設定温度(図7においては200℃)にすることができる。このことは、図7と図9を比較することによっても、理解することができる。すなわち、従来では、加熱開始時から油温が200℃に達するまでに約20分を要していたにもかかわらず、本実施の形態に従うと、加熱開始から約16分で、油温が200℃に達している。
【0043】
4.本実施の形態の電磁調理器の特徴
以上説明した本実施の形態では、加熱コイル47により、調理鍋を加熱する加熱手段が構成されている。また、電磁調理器1において加熱動作を制御するマイクロコンピュータ51により、加熱手段の加熱動作を制御する制御手段が構成されている。電磁調理器1において、マイクロコンピュータ51を含めた電気回路の構成部品は、筐体6内の天板3の近くに備えられ、天板3の温度上昇の影響を受ける。このことから、天板3の温度を測定するサーミスタ3aにより、制御手段の温度を検出する制御部測温手段が構成されている。そして、図6を用いて説明した油温制御処理により、制御部測温手段の検出する温度が特定の温度に達した場合に加熱手段に出力を低下した状態で加熱させる出力低下制御の制御内容が開示されている。なお、この場合の特定の温度とは、天板3の温度がTaとなる場合のマイクロコンピュータ51の温度であるが、電磁調理器1においては、これらの温度はほぼ同じであると考えられる。
【0044】
また、温度プローブ57により、調理鍋内の食用油の温度を検出する油温測定手段が構成されている。そして、油温制御処理において、S665で油温が設定温度に達したことが記憶されていないと判断され、かつ、S666で天板3の温度がTa以上であると判断された場合にS667の処理が実行されることにより、制御手段による出力低下制御は、食用油が、油温検出手段の検出する温度が調理を行なうための所定の温度に初めて達するまでの期間にのみ実行される旨が開示されている。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電磁調理器の外観を示す図である。
【図2】図1の電磁調理器の操作パネルの構成を示す図である。
【図3】図1の電磁調理器の電気回路を模式的に示す図である。
【図4】図1の電磁調理器のマイクロコンピュータのメインルーチンのフローチャートである。
【図5】図4のあげもの運転処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図5の油温制御処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】本実施の形態の油温制御処理に従った場合の、油温,天板の温度および加熱の状態の時間変化を示す図である。
【図8】従来の電磁調理器における、油温,天板の温度および加熱の状態の時間変化の一例を示す図である。
【図9】従来の電磁調理器における、油温,天板の温度および加熱の状態の時間変化の別の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 電磁調理器
2 操作パネル
3 天板
3a サーミスタ
5 鍋
6 筐体
51 マイクロコンピュータ
57 温度プローブ
59 メモリ
Claims (1)
- 調理鍋を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段の加熱動作を制御する制御手段と、
前記制御手段の温度を検出する制御部測温手段と、
前記調理鍋内の食用油の温度を検出する油温測定手段とを含み、
前記制御手段は、前記制御部測温手段の検出する温度が特定の温度に達したときから前記油温検出手段の検出する温度が調理を行なうための所定の温度に初めて達するまで、前記加熱手段に出力を低下した状態で加熱させる出力低下制御を実行することを特徴とする電磁調理器。
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