JP3594188B2 - 被記録材搬送用トレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、記録ヘッドを有し主走査方向に往復動するキャリッジと、被記録材を副走査方向に搬送する被記録材搬送手段と、薄板状の被記録材を装着した被記録材搬送用トレイを被記録材として搬送し、被記録材の一面に記録ヘッドにて印刷を行う手段とを備えた記録装置の被記録材搬送用トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
薄板状の被記録材として、例えば、CD−R等の記録メディアは、記録面と反対側のラベル面の所定の領域に、そのメディアに記録されている情報等の書き込みが可能になっている。そして、この領域に印刷を行う記録装置としては、国際出願番号PCT/JP96/02833号公報にて、前記被記録材を被記録材搬送用トレイに装着し、その被記録材搬送用トレイを搬送し、印刷を行う記録装置が開示されている。これは、薄い矩形板からなる被記録材搬送用トレイ表面の中央に形成した浅い円形溝からなる装着部にCD−R等の記録メディアを装着し、記録メディアを装着した被記録材搬送用トレイを搬送ローラにて搬送し、記録ヘッドにて記録メディア表面に印刷を行うものである。
【0003】
そして、CD−R等の記録メディアを装着した被記録材搬送用トレイを、厚紙等の柔軟性の少ない被記録材と同様に手差しで給紙路に挿入して、記録メディアのラベル面に記録を行うことが可能なインクジェット式記録装置が、すでに公知のものとして知られている。このインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを有し主走査方向に往復動するキャリッジと、被記録材を副走査方向に搬送する被記録材搬送手段とを備えており、自動給紙装置から給紙された記録紙に対して記録を実行するものである。また、通常の自動給紙装置による給紙経路とは別に、厚紙等を手差しで給紙可能な手差しの給紙路を備えている。そして、記録メディアを装着した被記録材搬送用トレイに対して、厚紙と同様に記録が実行可能な構成を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインクジェット式記録装置の被記録材搬送用トレイは、手差しで搬送路に挿入する際に、正確な位置決めが難しく、そのために記録メディア上への印刷位置がわずかにずれたりして、なかなかユーザの思い通りに印刷できないといったことが少なくない。これは、インクジェット式記録装置、あるいは被記録材搬送用トレイに、被記録材搬送用トレイを正確なセット位置にセットする際の目標となる目印が設けられていないためである。そのため、ユーザが被記録材搬送用トレイを正確な位置にセットするには、ある程度の試行錯誤を繰り返して正確なセット位置を探り、感覚的に記憶するか、あるいは、ユーザ自身で何らかの目印を付する等の必要があった。
【0005】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、被記録材搬送トレイをインクジェット式記録装置にセットする際に、容易に正確なセット位置にセットすることが可能な被記録材搬送用トレイを提供することにある。
【0006】
上記課題を解決するため、本願請求項1に記載の発明は、記録ヘッドを有し主走査方向に往復動するキャリッジと、被記録材を副走査方向に搬送する搬送駆動ローラと搬送従動ローラの対から成る被記録材搬送手段と、薄板状の被記録材を装着した被記録材搬送用トレイを前記被記録材として搬送し、前記薄板状の被記録材の一面に前記記録ヘッドにて印刷を行う手段とを備えた記録装置であって、前記被記録材搬送用トレイは、その表面に前記搬送従動ローラの略実寸大の外形図を備え、前記被記録材搬送用トレイを、前記被記録材搬送手段の被記録材搬送路の所定の位置に手動でセットする際は、当該記録装置の構成要素である前記搬送従動ローラ自体を当該被記録材搬送用トレイのセット位置への位置決めの際の目標とし、前記搬送従動ローラ及び被記録材搬送路にセットされた前記被記録材搬送用トレイの両方を見える位置を位置合わせ操作における操作者の視点にして、当該被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図が前記搬送従動ローラと一緒に前記操作者に見えている状態から前記外形図が前記搬送従動ローラと重なり合って隠れて前記操作者に見えなくなる状態に移動することで当該被記録材搬送用トレイのセット位置を合わせるように構成されていることを特徴とした記録装置である。
【0007】
このように、被記録材搬送用トレイに記録装置の構成要素の外形図が表示されており、外形図の示す構成要素をセット位置の目標として、その構成要素の外形図に基づいて、被記録材搬送用トレイのセット位置を合わせるので、被記録材搬送用トレイの正確なセット位置が視覚的に認識しやすくなる。つまり、記録装置の構成要素と、その外形図による絵合わせによって、容易に正確なセット位置にセットすることが可能になるものである。
【0008】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係る被記録材搬送用トレイによれば、被記録材搬送用トレイに表示されている記録装置の構成要素の外形図に基づいた絵合わせによって、被記録材搬送用トレイのセット位置を合わせるので、被記録材搬送トレイをインクジェット式記録装置にセットする際に、容易に正確なセット位置にセットすることが可能になるという作用効果が得られる。
【0010】
被記録材搬送用トレイに表示されている記録装置の構成要素の略実寸大の外形図と、外形図が示している構成要素とを重ね合わせて、外形図が見えない状態となるセット位置が、被記録材搬送用トレイの正確なセット位置となる如く外形図を表示する。そしてそれによって、被記録材搬送用トレイの正確なセット位置が、視覚的に認識しやすくなり、正確なセット位置にセットすることが容易になるものである。
【0011】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係る記録装置によれば、記録装置の構成要素と、被記録材搬送用トレイに表示されている構成要素の略実寸大の外形図とを重ね合わせることによって、さらに、正確かつ容易な被記録材搬送用トレイの位置決めが可能になるという作用効果が得られる。
【0013】
一般的なインクジェット式記録装置の被記録材搬送手段は、回転駆動源によって回転する搬送駆動ローラと、その搬送駆動ローラに付勢され、被記録材の搬送に従動して回転する搬送従動ローラとで構成されている。この被記録材搬送手段は、記録実行領域の副走査方向上流側に配設されており、被記録材は、搬送駆動ローラと搬送従動ローラとの間に挟まれた状態で、搬送駆動ローラの回転によって副走査方向に搬送される。このようなインクジェット式記録装置において、被記録材搬送用トレイのセット位置は、被記録材搬送用トレイの先端部分近傍が、搬送駆動ローラと搬送従動ローラとの間に位置することになる。また、搬送従動ローラは、被記録材搬送用トレイの表面のすぐ近くに位置することになる。
【0014】
したがって、被記録材搬送用トレイに表示されている外形図が、被記録材搬送用トレイに接している搬送従動ローラの外形図なので、被記録材搬送用トレイのセット位置への位置決めの際の目標となる記録装置の構成要素と、その構成要素との外形図との距離が近くなる。そして、被記録材搬送用トレイの位置決めを正確かつ容易に行うことが可能になる。
【0015】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係る記録装置によれば、被記録材搬送用トレイに接している搬送従動ローラの外形図を、被記録材搬送用トレイに表示し、その外形図に基づいて位置決めするので、被記録材搬送用トレイの位置決めを正確かつ容易に行うことが可能になるという作用効果が得られる。
【0016】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図は、該外形図で示している前記搬送従動ローラと略同色にて表示されていることを特徴とする
【0017】
本願請求項2に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1に記載の発明による作用効果に加えて、被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図を、その構成要素である搬送従動ローラと略同色にて表示することによって、被記録材搬送用トレイのセット位置への位置決めの際に、より視覚的に認識しやすくなるという作用効果が得られる。
【0018】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材搬送用トレイに表示されている前記記録装置の構成要素の外形図とともに、該被記録材搬送用トレイを前記記録装置にセットする際の挿入方向を示す矢印が表示されていることを特徴とする
【0019】
本願請求項3に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1または2に記載の発明による作用効果に加えて、被記録材搬送用トレイを記録装置にセットする際の挿入方向を示す矢印が表示されているので、誤って逆向きに被記録材搬送用トレイを挿入してしまう虞を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0020】
本願請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記被記録材搬送手段により搬送される前記被記録材を検知する被記録材検知手段を備え、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材検知手段により検知されない素材で形成されているとともに、前記被記録材検知手段により検知可能な被検知部を片面側に有していることを特徴とする
【0021】
被記録材搬送用トレイの素材が被記録材検知手段により検知されない素材であり、被記録材検知手段により検知可能な被検知部が、被記録材搬送用トレイの片面側に設けられているので、被記録材検知手段により被記録材搬送用トレイの表面と裏面の識別が可能となる。そして、被記録材搬送用トレイの面を逆にして搬送しても被記録材搬送用トレイに印刷されてしまうことを防止することが可能となる。
【0022】
また、被記録材搬送用トレイの素材が被記録材検知手段により検知されない素材であることにより、被記録材搬送用トレイにおける被検知部の位置は、被記録材搬送用トレイの端部に限定される必要が無い。したがって、被記録材搬送用トレイにおける被検知部の位置、及び記録装置における被記録材検知手段の位置の自由度が増すという作用効果も得られるものである。
【0023】
これにより、本願請求項4に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、被記録材搬送用トレイの面を逆にして搬送しても被記録材搬送用トレイに印刷されてしまうことを防止することができるという作用効果が得られる。
【0024】
本願請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記薄板状の被記録材を装着した際に、該薄板状の被記録材の表面が、該薄板状の被記録材装着側の平面と略同一の平面に配置される如く、前記薄板状の被記録材を装着可能な装着溝を有しており、該装着溝には、該装着溝より小さい大きさの前記薄板状の被記録材の取り外し孔を有する形状であることを特徴とする
【0025】
本願請求項5に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、装着溝に、装着溝より小さい大きさの取り外し孔を設けることで、被記録材搬送用トレイから薄板状の被記録材を取り外す作業が容易になるという作用効果が得られる。
【0026】
本願請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記記録ヘッドのヘッド面と、所定のセット位置にセットされた前記被記録材搬送用トレイの表面との間隔が既定の間隔未満となる時に、前記キャリッジの一部と当接することによって、前記記録ヘッドが前記被記録材搬送用トレイの上を走査することを防止可能な第1のストッパー部を有していることを特徴とする
【0027】
このように、記録ヘッドのヘッド面と、所定のセット位置にセットされた被記録材搬送用トレイの表面との間隔が既定の間隔未満となる時には、キャリッジに当接してキャリッジの主走査方向の往復動を防止可能な形状を成す第1のストッパー部を被記録材搬送用トレイが有しているので、被記録材の記録面と記録ヘッドのヘッド面との間隔(ペーパーギャップ、以下PGとする)が適正でない状態において、記録ヘッドが被記録材搬送用トレイ上を走査することを防止することが可能になる。
【0028】
これにより、本願請求項6に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、上述した第1のストッパー部を有することで、被記録材搬送用トレイに装着した薄板状の被記録材に印刷を実行する際に、適正なPGに設定しないまま記録を実行してしまうことを防止可能な被記録材搬送用トレイによって、PGが既定の間隔未満であることによる記録品質の低下や、ヘッド面と被記録材搬送用トレイの表面とが接触して、被記録材搬送用トレイにインクが付着して汚れたり、記録ヘッドのヘッド面を傷つけたりしてしまうといった虞が少なくなるという作用効果が得られる。
【0029】
本願請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材搬送用トレイを前記被記録材搬送手段の搬送路に、既定の向きと異なる向きで挿入した際に、前記記録ヘッドのヘッド面と前記被記録材搬送用トレイの表面との間隔に関係なく、前記キャリッジの一部と当接することによって、前記記録ヘッドが前記被記録材搬送用トレイの上を走査することを防止可能な第2のストッパー部が、前記被記録材搬送トレイを既定の向きで挿入し、前記薄板状の被記録材のラベル面に記録を実行する際に、前記キャリッジに当接しない領域に形成されていることを特徴とする
【0030】
このように、被記録材搬送用トレイを既定の向きと異なる向きで挿入した際、つまり誤挿入してしまった場合には、PGに関係なく記録ヘッドが被記録材搬送用トレイの上を走査することを防止可能な第2のストッパー部を有することで、被記録材搬送用トレイを誤挿入してしまったまま記録が実行されることを防止することができる。また、第2のストッパー部は、被記録材搬送トレイを既定の向きで挿入し、前記薄板状の被記録材のラベル面に記録を実行する際に、前記キャリッジに当接しない領域に形成されているので、被記録材搬送用トレイを正しい向きで給紙路に挿入して印刷を実行する際に記録ヘッドの走査を妨げる虞がない。
【0031】
これにより、本願請求項7に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、被記録材搬送用トレイの誤挿入時において、記録動作を強制的に中断させることが可能になるという作用効果が得られる。
【0032】
本願請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項において、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ前記副走査方向にのみ回動し得る如く前記搬送路内に突出する状態で枢支されたレバーを有する前記被記録材の始端を検出可能な被記録材始端検出手段を備え、前記被記録材搬送用トレイは、該被記録材搬送用トレイを前記被記録材搬送手段の搬送路に、前記被記録材装着面と反対側の面が前記記録ヘッドと対向する如く挿入した後、該被記録材搬送用トレイを前記搬送路から、前記レバーを回動可能方向と逆方向に回動することなく引き抜くことが可能な形状を成す被記録材始端検出手段保護部を有することを特徴とする
【0033】
このように、被記録材搬送用トレイは、被記録材搬送用トレイを前記被記録材搬送手段の搬送路に、前記薄板状の被記録材装着面と反対側の面が前記記録ヘッドと対向する如く挿入した後、つまり表面と裏面を逆にして挿入した後、被記録材搬送用トレイを引き抜く際に、レバーを回動可能方向と逆方向に回動することなく引き抜くことが可能な形状を成す被記録材始端検出手段保護部を有しているので、被記録材搬送用トレイを引き抜く際に、紙検出装置のレバーを破損することを防止することができる。
【0034】
これにより、本願請求項8に記載の発明に係る記録装置によれば、本願請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、レバーを回動可能方向と逆方向に回動することなく引き抜くことが可能な形状を成す被記録材始端検出手段保護部によって、誤って表面と裏面が逆の状態で給紙路に挿入してしまった被記録材搬送用トレイを給紙路から引き抜く際に、紙検出装置のレバーが破損してしまう虞を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイを被記録材として搬送可能な構成を有するインクジェット式記録装置の要部を示した側面図である。
【0037】
インクジェット式記録装置50には、被記録材に記録を実行する記録手段として、2本のキャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向に移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と被記録材とのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61を主走査方向に搬送し、キャリッジ61とプラテン52の間に被記録材を副走査方向Yに間欠的に搬送しながら、記録ヘッド62が被記録材にインクを吐出することで被記録材に記録が行われる。
【0038】
給紙トレイ58は、例えば普通紙やフォト紙等の被記録材を給紙可能な構成となっており、被記録材を自動給紙するためのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ58に設けられた給紙ローラ57及び図示してない分離パッドを有する自動給紙機構である。給紙ローラ57は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、略D形の横断面形状を有している。そして、給紙ローラ57の回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ58に置かれた複数の被記録材を給紙する際に、複数の被記録材が一度に給紙されることなく、1枚ずつ正確に自動給紙される。
【0039】
そして、ASFにより符号Aの矢印で示した経路で自動給紙された被記録材は、給紙ローラ57より副走査方向Yの下流側に配設された記録紙搬送手段により、記録実行領域側となる副走査方向Yの下流側に向けて、所定の紙送り量で間欠的に搬送される。
【0040】
被記録材を副走査方向Yに間欠的に搬送する記録紙搬送手段として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、被記録材は副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数の搬送従動ローラホルダ541に軸支されて設けられており、搬送従動ローラホルダ541は、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、被記録材が搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、搬送従動ローラ54が被記録材に接しながら被記録材の搬送に従動して回転する。
【0041】
また、給紙ローラ57と搬送駆動ローラ53との間には、従来技術において公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙搬送方向にのみ回動し得るよう被記録材の搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバー631を有し、このレバー631の先端が被記録材に押されることでレバー631が回動し、それによって被記録材が検出される構成を成す検出器である。紙検出器63は、給紙ローラ57より給紙された被記録材の始端位置、及び終端位置を検出し、その検出位置に合わせて記録領域が決定され、記録が実行される。
【0042】
一方、記録された被記録材を排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、被記録材は副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が被記録材の記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、被記録材が排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に、被記録材に接して被記録材の排紙に従動して回転する。
【0043】
さらに、インクジェット式記録装置50には、上述したASFによる給紙経路(符号Aの矢印で示した経路)とは別に、厚紙等の柔軟性の少ない被記録材や本願発明に係る被記録材搬送用トレイを給紙する符号Bの矢印で示した給紙路が設けられている。そして、インクジェット式記録装置50は、この符号Bの矢印で示した給紙路から給紙された被記録材に対しても、上述のASFから給紙された被記録材と同様に記録が実行可能な構成となっている。
【0044】
そして、さらに、インクジェット式記録装置50は、被記録材搬送用トレイ1をセット位置にセットする際に、搬送従動ローラ54を搬送駆動ローラ53から離間させた状態(レリース状態)で、被記録材搬送用トレイ1を給紙路に挿入してセット位置にセットし、セット位置への位置合わせ完了後に、そのレリース状態を解除し、搬送従動ローラ54が搬送駆動ローラ53への付勢状態に復帰する搬送従動ローラレリース機構(図示せず)を備えている。
【0045】
図2は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイを示したものである。図2(a)は、表面の平面図であり、図2(b)は、側面図であり、図2(c)は、正面図である。
【0046】
被記録材搬送用トレイ1は、矩形形状の薄板であり、射出成形によるプラスチック等の樹脂部材にて形成されている。当該実施の形態においては、インクジェット式記録装置に搭載されている光センサによる被記録材搬送用トレイ検出用センサ(図示せず)には、検出されない黒色の樹脂部材にて形成されている。被検知部11は、光反射率の高い部材にて構成されており、上述の被記録材搬送用トレイ検出用センサにて検出可能になっている。そして、この被検知部11を被記録材搬送用トレイ検出用センサにて検出することで、被記録材搬送用トレイに装着された薄板状の被記録材の位置を認識することが可能な構成となっている。
【0047】
被記録材搬送用トレイ1の表面には、円形溝12が形成されており、円形溝12の略中央部分には凸部13が形成されている。そして、この円形溝12にCD−R等の薄板状の被記録材を装着する。また、円形溝12には、図示の如く取り外し孔14が形成されており、円形溝12に装着した被記録材を取り外す際には、被記録材搬送用トレイ1の裏面から、取り外し孔14を介してCD−Rを押し上げるようにすることで、容易に取り外すことができる。
【0048】
また、被記録材搬送用トレイ1表面には、第1のストッパー部15と第2のストパー部16が、それぞれ図示の如く形成されている。尚、第1のストッパー部15及び第2のストッパー部16については、後述で説明する。
【0049】
さらに、被記録材搬送用トレイ1の表面には、ラベル2が貼り付けられている。ラベル2には、外形図21とガイド線22と矢印23とが表示されている。外形図21は、略実寸大の搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541の外形を模式的に表示したものであり、被記録材搬送用トレイ1を給紙路に挿入してセット位置にセットする際の目印となる。被記録材搬送用トレイ1を給紙路に挿入し、この外形図21と、搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541とを重ね合わせることによって、セット位置に正確かつ容易にセットできる。また、ガイド線22に搬送従動ローラ54のローラ面を合わせるようにすることで、外形図21と、搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541とを重ね合わせる作業が、より容易になる。そして、矢印23は、被記録材搬送用トレイ1の給紙路への挿入方向を示すものであり、このように給紙路への挿入方向が示してあるので、記録紙搬送用トレイ1の向きを間違えて給紙路に挿入してしまう虞が少なくなる。
【0050】
尚、外形図21、ガイド線22及び矢印23は、当該実施の形態のようにラベル2を貼り付けることによって表示するのではなく、被記録材搬送用トレイ1に直接印刷しても良い。また、ガイド線22は、なくても良く、外形図21は、搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541に限定されるものではなく、インクジェット式記録装置50の構成要素ならどんなものであっても良い。さらに、外形図21は、その外形図21が示すインクジェット式記録装置50の構成要素と略同色に着色されていれば、より視覚的に認識しやすくなる。
【0051】
図3は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1を示したものである。図3(a)は、裏面の平面図であり、図3(b)は、C−C線断面図であり、図3(c)は、D−D線断面図である。
【0052】
被記録材搬送用トレイ1の裏面には、図示の如く、縦方向及び横方向にそれぞれ複数のリブが形成されている。このリブによって、被記録材搬送用トレイ1の反りやたわみを少なくすることができ、十分な強度と精度を得ることができるものである。
【0053】
また、被記録材搬送用トレイ1の裏面には、被記録材始端検出手段保護部17が形成されている。被記録材始端検出手段保護部17は、図示の如く、複数のリブによって斜面を形成している。この斜面は、被記録材搬送用トレイ1を表面と裏面を逆にして挿入した後、被記録材搬送用トレイ1を引き抜く際に、紙検出装置63のレバー631が摺接する領域の段差部分に形成されている。当該実施の形態においては、被記録材搬送用トレイ1の端部に形成されているリブの段差部分に形成されている。
【0054】
そして、この斜面によって、被記録材搬送用トレイ1を表面と裏面を逆にして挿入した後、被記録材搬送用トレイ1を引き抜く際に、被記録材搬送用トレイ1の端部に形成されているリブの段差に、紙検出装置63のレバー631が引っかかって、レバー631に回動可能方向と逆方向に回動させる力が作用するの防止し、それによって、レバー631が破損する虞を少なくすることができる。また、被記録材始端検出手段保護部17は、被記録材搬送用トレイ1の略中心点を対称の中心として、点対称となる位置に形成されているので、被記録材搬送用トレイ1の挿入向きに関係なく、レバー631が段差部分に引っかかるのを防止することができる。
【0055】
図4は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1を、インクジェット式記録装置50の後方に設けられている給紙路から挿入した状態を示した斜視図である。
被記録材搬送用トレイ1には、薄板状の被記録材としてのCD−R(符号M)が装着された状態で、符号Bで示した矢印の方向に給紙路に挿入し、所定のセット位置にセットされる。
【0056】
図5は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1をインクジェット式記録装置50の後方に設けられている給紙路から挿入した状態の要部を示した側面図である。
【0057】
被記録材搬送用トレイ1は、符号Bで示した矢印の方向の給紙路に挿入され、その先端部分が搬送路に突出している紙検出装置63のレバー631を回動させる。つづいて、被記録材搬送用トレイ1は、搬送従動ローラ54に作用している付勢力によって搬送駆動ローラ53に押しつけられた状態で、搬送駆動ローラ53が副走査方向Yに回転することによって、普通紙等の記録紙と同様に副走査方向Yに間欠的に搬送される。そして、被記録材搬送用トレイ1に装着されたCD−Rは、副走査方向Yに間欠的に搬送されながら、主走査方向に往復動するキャリッジ61に搭載された記録ヘッド62からインクを吐出されて、その表面に印刷が実行される。
【0058】
また、CD−Rへの印刷を実行する際には、2本のキャリッジガイド軸51を上下動させて、記録ヘッド62のヘッド面と被記録材の記録面との間隔であるPGを調節する機構(図示せず)によって、CD−Rの表面とヘッド面との間隔が、適正なPGとなるように、被記録材搬送用トレイ1の厚みの分だけ、キャリッジ51を上昇させる。さらに、排紙従動ローラ56の尖った歯によって、CD−Rの表面に傷が付くのを防止するために、排紙従動ローラ56を上昇させる排紙従動ローラレリース機構(図示せず)によって、排紙従動ローラ56が被記録材に接しない状態にする。
【0059】
図6は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1をインクジェット式記録装置50の給紙路に挿入し、所定のセット位置に合わせる前の状態を示した平面図である。また、図7は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1をインクジェット式記録装置50の給紙路に挿入し、所定のセット位置に合わせた後の状態を示した平面図である。
【0060】
まず、図6に示したように、矢印23に示されている方向に、被記録材搬送用トレイ1を給紙路に挿入する。そして、外形図21と、搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541との位置を、それぞれ確認する。つづいて、図7に示したように、外形図21と、搬送従動ローラ54及び搬送従動ローラホルダ541とを重ね合わせる。そして、ガイド線22と、搬送従動ローラ54のローラ面とが一致するようにすることで、被記録材搬送用トレイ1を正確なセット位置に容易にセットすることができる。
【0061】
図8は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1の第1のストッパー部15に、記録ヘッド62が当接した状態を示した要部の側面図である。
【0062】
前述したように、CD−Rへの印刷を実行する際には、2本のキャリッジガイド軸51を上下動させる機構(図示せず)によって、CD−Rの表面とヘッド面との間隔が、適正なPGとなるように、被記録材搬送用トレイ1の厚みの分だけ、キャリッジ51を上昇させる。しかし、所定のPG未満であるにもかかわらず、CD−Rへの印刷を実行してしまった場合、それによって、記録品質が低下するだけでなく記録ヘッド62のヘッド面にインクが付着して汚れてしまったり、場合によっては、ヘッド面と被記録材搬送用トレイ1の表面とが接触して、被記録材搬送用トレイ1を汚してしまったり、ヘッド面を傷つけてしまうといった虞がある。
【0063】
このキャリッジ51を上昇させずに、印刷を実行してしまうことを防止するために、被記録材搬送用トレイ1には第1のストッパー部15が形成されている。そして、CD−Rの表面とヘッド面との間隔が所定のPG未満の時には、図示の如く、この第1のストッパー部15に、記録ヘッド62の側面が当接して、被記録材搬送用トレイ1の上を記録ヘッド62が走査するのを防止する。尚、記録ヘッド62に第1のストッパー部が直接当接すると記録ヘッド62を傷めてしまう虞があるので、記録ヘッド62を保護する壁をキャリッジ61に形成して、その壁が第1のストッパー部に当接するようにするのが好ましい態様であると言える。
【0064】
さらに、排紙従動ローラ56の尖った歯によって、CD−Rの表面に傷が付くのを防止するために、排紙従動ローラ56を上昇させる排紙従動ローラレリース機構を、2本のキャリッジガイド軸51を上下動させる機構とが連携して動作するように構成することによって、排紙従動ローラ56が接してCD−Rの印刷面に傷がつくことを、第1のストッパー部15によって防止することも可能である。
【0065】
また、第2のストッパー部16は、被記録材搬送用トレイ1を既定の向きと異なる向きで挿入した際、つまり誤挿入してしまった場合には、PGに関係なく記録ヘッド62が被記録材搬送用トレイ1の上を走査することを防止するものである。第1のストッパー部と同様に、第2のストッパー部16に、記録ヘッド62の側面が当接して、被記録材搬送用トレイ1の上を記録ヘッド62が走査するのを防止する。したがって、第2のストッパー部16は、第1のストッパー部15よりも高い高さを有する如く形成されている。
【0066】
図9は、本願発明に係る被記録材搬送用トレイ1の被記録材始端検出手段保護部17に、レバー631が当接した状態を示した要部の側面図である。
【0067】
前述した通り、被記録材始端検出手段保護部17は、被記録材搬送用トレイ1の端部に形成されているリブの段差部分に斜面を形成している。そして、被記録材搬送用トレイ1を表面と裏面を逆にして挿入した後、符号Eの矢印で示した方向に被記録材搬送用トレイ1を引き抜く際に、図示の如く、この斜面によって被記録材搬送用トレイ1の端部に形成されているリブの段差に、紙検出装置63のレバー631が引っかかるのを防止することができる。そして、それによって、レバー631に回動可能方向と逆方向に回動させる力が作用するの防止し、レバー631が破損する虞を少なくすることができる。
【0068】
他の実施の形態としては、被記録材搬送用トレイ1の装着溝12を、例えばICカードが装着可能な形状とすることによって、ICカードの表面に印刷することも可能である。また、上述したCD−RやICカードに限らず、装着溝12の形状を、印刷しようとする薄板状の被記録材が装着可能な如く変形することによって、様々な被記録材への印刷が可能になるものである。
【0069】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
本願発明によれば、被記録材搬送トレイをインクジェット式記録装置にセットする際に、容易に正確なセット位置にセットすることが可能な被記録材搬送用トレイを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る被記録材搬送用トレイを被記録材として搬送可能な構成を有するインクジェット式記録装置の要部を示した側面図である。
【図2】本願発明に係る被記録材搬送用トレイを示したものであり、図2(a)は、表面視の平面図であり、図2(b)は、側面図であり、図3(c)は、正面図である。
【図3】本願発明に係る被記録材搬送用トレイを示したものである。図2(a)は、裏面の平面図であり、図2(b)は、C−C線断面図であり、図3(c)は、D−D線断面図である。
【図4】本願発明に係る被記録材搬送用トレイを、インクジェット式記録装置の後方に設けられている給紙路から挿入した状態を示した斜視図である。
【図5】本願発明に係る被記録材搬送用トレイをインクジェット式記録装置の後方に設けられている給紙路から挿入した状態の要部を示した側面図である。
【図6】本願発明に係る被記録材搬送用トレイをインクジェット式記録装置の給紙路に挿入し、所定のセット位置に合わせる前の状態を示した平面図である。
【図7】本願発明に係る被記録材搬送用トレイをインクジェット式記録装置の給紙路に挿入し、所定のセット位置に合わせた後の状態を示した平面図である。
【図8】本願発明に係る被記録材搬送用トレイの第1のストッパー部に、記録ヘッドが当接した状態を示した要部の側面図である。
【図9】本願発明に係る被記録材搬送用トレイの被記録材始端検出手段保護部に、レバーが当接した状態を示した要部の側面図である。
【符号の説明】
1 被記録材搬送用トレイ
2 ラベル
11 被検知部
12 装着溝
13 凸部
14 取り外し孔
15 第1のストッパー部
16 第2のストッパー部
17 被記録材始端検出手段保護部
21 外形図
22 ガイド線
23 矢印
50 インクジェット式記録装置
51 キャリッジガイド軸
52 プラテン
53 搬送駆動ローラ
54 搬送従動ローラ
55 排紙駆動ローラ
56 排紙従動ローラ
57 給紙ローラ
58 給紙トレイ
61 キャリッジ
62 記録ヘッド
63 紙検出装置
541 搬送従動ローラホルダ
631 レバー

Claims (8)

  1. 記録ヘッドを有し主走査方向に往復動するキャリッジと、被記録材を副走査方向に搬送する搬送駆動ローラと搬送従動ローラの対から成る被記録材搬送手段と、薄板状の被記録材を装着した被記録材搬送用トレイを前記被記録材として搬送し、前記薄板状の被記録材の一面に前記記録ヘッドにて印刷を行う手段とを備えた記録装置であって、
    前記被記録材搬送用トレイは、その表面に前記搬送従動ローラの略実寸大の外形図を備え、
    前記被記録材搬送用トレイを、前記被記録材搬送手段の被記録材搬送路の所定の位置に手動でセットする際は、当該記録装置の構成要素である前記搬送従動ローラ自体を当該被記録材搬送用トレイのセット位置への位置決めの際の目標とし、前記搬送従動ローラ及び被記録材搬送路にセットされた前記被記録材搬送用トレイの両方を見える位置を位置合わせ操作における操作者の視点にして、当該被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図が前記搬送従動ローラと一緒に前記操作者に見えている状態から前記外形図が前記搬送従動ローラと重なり合って隠れて前記操作者に見えなくなる状態に移動することで当該被記録材搬送用トレイのセット位置を合わせるように構成されていることを特徴とした記録装置。
  2. 請求項1において、前記被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図は、該外形図で示している前記搬送従動ローラと略同色にて表示されている、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項1または2において、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材搬送用トレイに表示されている前記外形図とともに、該被記録材搬送用トレイを前記記録装置にセットする際の挿入方向を示す矢印が表示されている、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記被記録材搬送手段により搬送される前記被記録材を検知する被記録材検知手段を備え、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材検知手段により検知されない素材で形成されているとともに、前記被記録材検知手段により検知可能な被検知部を片面側に有している、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記薄板状の被記録材を装着した際に、該薄板状の被記録材の表面が、該薄板状の被記録材装着側の平面と略同一の平面に配置される如く、前記薄板状の被記録材を装着可能な装着溝を有しており、該装着溝には、該装着溝より小さい大きさの前記薄板状の被記録材の取り外し孔を有する形状である、ことを特徴とした記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記記録ヘッドのヘッド面と、所定のセット位置にセットされた前記被記録材搬送用トレイの表面との間隔が既定の間隔未満となる時に、前記キャリッジの一部と当接することによって、前記記録ヘッドが前記被記録材搬送用トレイの上を走査することを防止可能な第1のストッパー部を有している、ことを特徴とした記録装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、前記被記録材搬送用トレイは、前記被記録材搬送用トレイを前記被記録材搬送手段の搬送路に、既定の向きと異なる向きで挿入した際に、前記記録ヘッドのヘッド面と前記被記録材搬送用トレイの表面との間隔に関係なく、前記キャリッジの一部と当接することによって、前記記録ヘッドが前記被記録材搬送用トレイの上を走査することを防止可能な第2のストッパー部が、前記被記録材搬送トレイを既定の向きで挿入し、前記薄板状の被記録材のラベル面に記録を実行する際に、前記キャリッジに当接しない領域に形成されている、ことを特徴とした記録装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ前記副走査方向にのみ回動し得る如く前記搬送路内に突出する状態で枢支されたレバーを有する前記被記録材の始端を検出可能な被記録材始端検出手段を備え、前記被記録材搬送用トレイは、該被記録材搬送用トレイを前記被記録材搬送手段の搬送路に、前記被記録材装着面と反対側の面が前記記録ヘッドと対向する如く挿入した後、該被記録材搬送用トレイを前記搬送路から、前記レバーを回動可能方向と逆方向に回動することなく引き抜くことが可能な形状を成す被記録材始端検出手段保護部を有する、ことを特徴とした記録装置。
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