JP3685232B2 - 記録媒体補助シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体が画像形成装置内を通過するときに使用する記録媒体補助シートに関し、更に詳しくは、画像形成装置において搬送し難い記録媒体を良好に搬送し、また、該記録媒体にステッカー機能を付与できる新規な記録媒体補助シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、供給されたシート状の記録媒体を搬送手段で搬送し、記録媒体に画像を形成して排出するプリンタ、ファクシミリ、その他の画像形成装置が広く知られている。
【0003】
この種の画像形成装置は、通常、装置内に記録媒体を給送するためのフィードローラ、このフィードローラにより給送された記録媒体を、所定の搬送経路に沿って搬送する搬送ローラや搬送ベルト等の搬送手段、画像形成領域での記録媒体を保持する保持手段、画像が形成された記録媒体を装置外に排出するための排出ローラ等を備えている。
【0004】
一方、記録媒体としても種々のものが知られており、普通紙の他、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等が知られている。
特に近年においては、画像形成装置の機能向上に伴って、業務用に限らず一般家庭においても高品質なカラープリントが平易に行えるようになって来ていることから、使用される記録媒体の使用形態も前掲のものに限らず多様化してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置では、ある大きさ以下のサイズの用紙に画像を形成することはできなかった。
これは、上述のフィードローラやその他の搬送系の搬送手段は、所定以上(一般には、B5サイズやはがきサイズ以上)の大きさの用紙を搬送できるように設定(搬送ローラ等の配置間隔などの設定)されており、一定以下の大きさの用紙ではフィード不良や頭出し不良や搬送ピッチずれ等が生じるめに、小さい記録媒体に対しては正確な搬送ができなかった。また、搬送ができたとしても、正確な位置決め搬送ができないことにより、記録媒体の所定の位置に画像を形成することはできなかった。
【0006】
また、従来においては、前掲の画像形成装置に適応する記録媒体としては、一定以上の剛性が必要である。すなわち、前掲の搬送経路を通過できる程度の剛性(こし)のないもの、例えば、極めて薄いものや材質的に剛性のないものは、当然のことながら、記録媒体として使用することはできない。
【0007】
さらに又、従来の画像形成装置は、記録媒体の形状が矩形(正方形も含む)以外のものは、正確に搬送することができず、画像を形成することができない。
【0008】
従来より、所定の文字表示や図柄などを物品に貼り付けるステッカーやシールが玩具用から業務用まで様々な形態で利用されている。このステッカーやシールは、通常、予め粘着層を形成しておき、この粘着層を覆う剥離紙を剥がすことにより、貼り付けが可能に構成されている。
【0009】
しかしながら、従来のステッカーやシールはそのほとんどが予め図柄等が形成さた既製品であることから、その図柄等には制約がある。そこで、近年その性能(画像品質等)が向上して来ている画像形成装置を用いてステッカー等を作製することが考えられる。
【0010】
しかし、ユーザーの独自の図柄のステッカー(シール)を作製しようとする場合、粘着層を有するステッカー(シール)本体と該本体から剥離可能な剥離紙とからなる特殊用紙を必要とするだけでなく、用紙サイズにも限りがあり、ステッカー使用形態に制限を加える結果、ユーザーの多種多様な要望を満足することができない。また、この特殊用紙のステッカー(シール)本体には、カラープリントなどの高品質な画像には不向きな場合がほとんどである。
【0011】
このように、従来においては、高品質な画像を有するステッカーやシールをユーザーがその図柄や形状さらには大きさまで自由にできて、平易に作製することはできないのが現状であった。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、どんなに小さい記録媒体であっても画像形成装置に供給可能な記録媒体補助シートを提供することにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、記録媒体の剛性が低くて搬送性能が悪いものでも画像形成装置への供給を可能とし画像形成が容易な記録媒体補助シートを提供することにある。
【0014】
本発明の第3の目的は、記録媒体の形状が矩形以外のどのような形状であっても画像形成装置に供給可能であって画像形成が容易な記録媒体補助シートを提供することにある。
【0015】
本発明の第4の目的は、高品質な画像を有するステッカーやシールを自在に作製することのできる記録媒体補助シートを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る記録媒体補助シートは、
・水の付与により粘着力を発生する粘着層を表面に有すると共に、該粘着層上を剥離可能なカバーシートで覆い、使用時に前記カバーシートを剥がして前記粘着層表面に記録媒体を粘着した状態で画像形成装置内を搬送可能に構成された記録媒体補助シートであって、前記粘着層は、該粘着層上に貼着された前記記録媒体の接触面に、該粘着層の一部を転写するようになされたこと(請求項1)、
・表面に粘着力を生じる部分と、該表面と同じ面に粘着力の生じない非粘着部分とを有すること(請求項2)、
・前記非粘着部分は、シート縁の少なくとも一辺に沿って形成されたこと(請求項3)、
・記録媒体の粘着位置を決定するための位置決め手段が設けられたこと(請求項4)、
シート状基材を備えており、前記粘着層は、前記シート状基材の少なくとも片面形成されてなること(請求項5)、
前記位置決め手段は、前記シート状基材に形成されてなること(請求項6)、
・前記粘着層は、前記シート状基材の表裏両面に形成されてなること(請求項7)、
・前記粘着層の繰り返し使用による肉薄化により、粘着層側から見たときに、少なくとも前記シート状基材による粘着力低下の表示を目視可能とすること(請求項8)、
・前記粘着力低下の表示は、前記粘着層と前記シート状基材との合成色が前記肉薄化により変化することを用いるように構成されたこと(請求項9)、
を特徴とし、これにより上記目的を達成することができる。
【0017】
(作用)
本発明に係る記録媒体補助シートによれば、表面に水を付与することにより粘着力を生じることで、該表面に記録媒体を粘着した状態で保持することができる。したがって、この記録媒体補助シートが画像記録装置内に給紙可能な大きさであれば、従来においては給紙できない小さい記録媒体であっても画像形成装置に供給することができる。
【0018】
また、本発明に係る記録媒体補助シートによれば、表面に水を付与することにより粘着性を生じて記録媒体を粘着した状態で保持できるので、該記録媒体の剛性を高めたのと実質的に同じ状態にでき、該記録媒体の剛性が低くて搬送性が悪いものの場合でも画像形成装置への供給・搬送が確実にできる。
【0019】
さらにまた、本発明に係る記録媒体補助シートによれば、表面に水を付与することにより粘着性を生じて記録媒体を粘着した状態とすることにより、どのような形状の記録媒体であっても、擬似的に搬送し易い形状[記録媒体補助シートの形状(矩形)]とすることができるので、画像形成装置に供給し搬送することが可能である。
【0020】
本発明に係る記録媒体補助シートによると、前記粘着層上に貼着された記録媒体の接触面に、該粘着層の一部を転写できることで、画像の形成された記録媒体を他の物に貼り付けることが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る記録媒体補助シートによれば、表面に水の付与により粘着力を有する部分と、水を付与しない粘着力のない部分とを有するようにできるので、記録媒体の大きさや形状に対応した粘着面を有するようにでき、粘着性が不要な領域での粘着力の発生を回避することができる。
【0022】
本発明に係る記録媒体補助シートによれば、水を付与しても粘着力を生じない非粘着部分がシート縁の少なくとも一辺に沿って形成されている場合、例えば、この非粘着部分に誤って水が付与されても、画像形成装置のフィードローラにより、給紙トレイに対してシート上方から押さえつける様にして給紙するときに、この押させつけ力が作用する部分に 粘着性が発生することがなく、不要な貼り付き ( シート同士あるいはシートと給紙トレイ間の貼り付き ) を回避することができる。
【0023】
本発明に係る記録媒体補助シートによれば、前記記録媒体の粘着する位置を決定するための位置決め手段が設けられたことにより、記録媒体補助シートに対する記録媒体の貼り付け位置を正確にできる。このように記録媒体補助シートに対する記録媒体の固定位置を正確にできる結果、該記録媒体への画像形成位置の設定を容易かつ正確に行うことができる。
【0024】
本発明に係る記録媒体補助シートによれば、合成樹脂製のシート状基材の少なくとも片面に水の付与により粘着力を生じる粘着層が形成されてなることにより、シート状基材には水の浸透がなく、繰り返し使用に耐えうる強度ならびに剛性を長期にわたり維持することができる。
【0025】
本発明に係る記録媒体補助シートによれば、水の付与により粘着力を生じる粘着層が、表裏両面に設けられたことにより、片面の粘着力が無くなったときには、他面を利用することができ、記録媒体補助シートの寿命を片面の場合よりも長くすることができる。
【0026】
本発明に係る記録媒体補助シートによると、前記粘着層に記録媒体を貼着する使用を繰り返し行うことによる粘着力の低下の検出を、粘着層側から見たときに、シート状基材による特定の表示(例えば、粘着層とシート状基材との合成色が該粘着層の転写に伴う薄肉化による変化)を目視できるようにすることにより行うことで、記録媒体補助シートの使用限界を容易に知ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る記録媒体補助シートの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る記録媒体補助シートの第1の実施形態を示す模式的な部分断面図である。
同図に示すように、この実施形態の記録媒体補助シート20は、シート状基材1と、このシート状基材1の片面には、水の付与により粘着力を生じる粘着層2が設けられている。
また、必要に応じてカバーシート4が粘着層2を覆うように剥離可能に設けられていても良い。
【0029】
シート状基材1は合成樹脂製のシート、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)あるいは白PET、さらには他の色に着色されたPETのシートで構成されている。その厚さT1は、50〜200μmとするのが好ましい。また、シート状基材1としては紙を用いることもできる。
【0030】
粘着層2は、シート状基材1に粘着剤をコーティングすることにより形成されている。粘着層2の厚さT2は1〜30μmとするのが好ましい。
【0031】
粘着層2に用いる接着剤は、水分の付与によって粘着力が生じる接着剤であれば、その種類を問わないが、接着剤の好ましい例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、大豆タンパク等の蛋白質系、でんぷん、デキストリン等の含水炭素系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビスロース等のセルロース系、アラビアゴム、トラガントゴム、アルギン酸ソーダ等の水溶性接着剤が用いられ、これらは単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、接着性向上・塗工性・安定性等の目的でポリビニルエチルエーテル、グリセリン、カセイカリや多価アルコール等を適宜配合してもよい。
【0032】
粘着剤の塗布量(乾燥重量)は、5〜50g/m2の範囲であればよく、好ま しくは10〜30g/m2である。10〜30g/m2であると、粘着効果と通紙特性のバランスを良好にとることができる。
【0033】
粘着層2の表面は、記録媒体補助シート20を使用しないときは、カバーシート4で覆っておくことができる。このカバーシート4は、薄い紙やフィルム等で構成することができる。
【0034】
また、本実施形態の記録媒体補助シート20は、図2に示すように、粘着層2が設けられた領域には、記録媒体30の位置決め手段として機能する罫線3が形成されている。この罫線3は粘着層2に形成してもよいが、シート状基材1の表面側(粘着層が形成される側)や裏面側、さらにはシート状基材1の内部に形成することもできる。
【0035】
本実施形態の記録媒体補助シート20は、粘着層2が形成されていない非粘着部分1Cがシート縁の一辺に沿って形成された構成である。
【0036】
なお、非粘着部分は、図示しないが、シート縁の全周にわたって形成する形態であってもよい。この非粘着部分が、シート縁の全周にわたって形成される形態の一例としては、例えば、特定の小サイズの記録媒体を対象として粘着層を、該記録媒体に対応した大きさ形状にした場合がある。このような場合、記録媒体を貼着するべく水を付与した際に、誤って大きすぎる面積で付与してしまった時でも、粘着層が形成されていないので、不要部分における粘着力の発生を回避することができる。
【0037】
上述のように構成された記録媒体補助シート20を使用するときは、先ず、例えば名刺程度の大きさの記録媒体30を貼着する領域に、該記録媒体30の大きさよりも若干大きい面積にて水を適量塗布する。この水塗布に際しては、記録媒体補助シート20に予め形成された罫線3を利用して、所定の位置ならびに所定の面積に塗布する。その後、水を塗布した部分に記録媒体補助シート20を貼り付ける。
この貼り付けに際しても、記録媒体補助シート20に予め形成された罫線3を利用して位置合わせを行って固定する。
なお、記録媒体補助シート20への水塗布は、記録媒体30の裏面に水を塗布し、その水分を記録媒体補助シート20へ塗布する方法でもよい。
【0038】
このように記録媒体30を保持した記録媒体補助シート20を、図3に示すように、プリンタの給紙トレイ11上に裏返しにセットし、プリンタに給紙動作、印字動作を行なわせる。なお、記録媒体30の固定位置(記録媒体補助シート上の固定位置)は、例えば、記録媒体補助シート20の大きさやプリンタのモード設定等に応じて適宜設定する。
そして、記録媒体補助シート20を、非粘着部分1Cを前方にしてセットする。
【0039】
このようにセットされると、プリンタのフィードローラ12が記録媒体補助シート20を、その裏面1a側から給紙トレイ11に対してシート上方から押さえつけるようにして、摩擦力により引き込む。この引き込む際に、この押さえつけ力が作用する部分に粘着力が発生しない非粘着部分1Cが位置していることで、誤って水を塗布しても、給紙トレイとの間の貼り付きを回避できる。
【0040】
フィードローラ12の駆動によりプリンタ内に供給された記録媒体補助シート20は、記録媒体30を粘着した状態でプリンタ内部に搬送される。そして、記録媒体補助シート20は、搬送路に配置された搬送ローラ13等により、記録媒体30とプリンターヘッド16とが所定の位置にて対応する位置まで搬送されて、印字(画像形成)され、画像形成後、図示しない適当な排出ローラにより排出される。
【0041】
本実施形態の記録媒体補助シート20は、粘着層2上に貼着された記録媒体30の接触面(裏面)に、該粘着層2の一部を転写できる。この転写により、画像の形成された記録媒体30は、その裏面が粘着力を発生するので、画像を形成したのちに、他の物に貼り付けるステッカーやシールとして使用することが可能となる。
【0042】
本実施形態においては、粘着力を容易に認識できるような構成とすることができる。
これは、例えば粘着層2を光透過性の赤色とし、一方、シート状基材1を青色とすることにより、その合成色を紫色とする。(この紫色を、図4に示すように、濃淡の比較的濃い状態(図5の状態との比較において)として示す。)
使用当初においては、図4に示すような濃い状態(実際には赤色の多い紫色)とし、記録媒体の貼着を繰り返し使用することにより、粘着層2の一部が記録媒体側に転写されて赤色の強調が弱まる。この結果、赤色が少なくなった紫色、すなわち、シート状基材1の青色が強調された紫色(図5に示す薄い状態)に変化する。このような色調の変化により、粘着層2の粘着力を検出できる。
【0043】
また、記録媒体補助シート20は使用限界が近くなってきた場合に、図5に示すように、シート状基材1上に、例えば"使用限界"といった限界表示5が浮き出るようにすることもできる。この限界表示5は、例えば当初は発色せず、水と接触して発色(変色)するインクを使用することにより"使用限界"という文字をシート状基材1上に形成しておくことで可能となる。すなわち、粘着層2の厚みが薄くなってきた結果、水がインクにまで到達することで、限界表示5が現れてくる。
また、基材に“使用限界”と印刷し、その上の粘着層を着色された透明度の低い層にすることでも同様の効果が得られる。
【0044】
<第2の実施形態>
図6は本発明に係る記録媒体補助シートの第2の実施形態を示す平面図である。
本実施形態の記録媒体補助シート20Aは、図6に示すように、水によって粘着力を生じる粘着層2が設けられた領域には、記録媒体30の位置決め手段として機能する、規則的に特定の間隔にて形成された位置決めマーク(斑点模様)3Aが設けられている。この位置決めマーク3Aは、シート状基材に形成した黒白の濃淡やその他適当な色彩にて適宜形成されている。この位置決めマーク3Aを表すのに、粘着層2とシート状基材1との色分けにより行うことができる。したがって、使用限界の表示は、粘着層2の色が薄くなることで、位置決めマーク3Aが見にくくなるか見え無くなるように色調配分をすることで可能である。
【0045】
又、本実施形態における記録媒体補助シート20Aにも、第1の実施形態と同様に貼着層2が形成されていない非粘着部分1Cがシート縁の一辺に沿って形成されている。
【0046】
<第3の実施形態>
図7は本発明に係る記録媒体補助シートの第3の実施形態を示す平面図である。
本実施形態の記録媒体補助シート20Bは、図7に示すように、粘着層2が設けられた領域には、記録媒体30の位置決め手段として機能する、寸法目盛り6ならびにカギ括弧マーク7が形成されている。
【0047】
寸法目盛り6は、図示においては、粘着層2が形成された領域のほぼ中央を縦横に通過するような位置に形成され、また、カギ括弧マーク7は、粘着層2が形成された領域のほぼ中央を中心にして、記録媒体の複数のサイズに対応する位置に適宜間隔に形成されている。
また、カギ括弧マーク7の脇には、該カギ括弧マーク7が対応する用紙サイズを表示した表示部8が設けられている。記録媒体のサイズが判っているときには、表示部8により極めて迅速に、水の塗布領域を確認でき、また記録媒体の位置決めすることができる。
【0048】
さらに、本実施形態の記録媒体補助シート20Bには、第1および第2の実施形態と同様に貼着層2が形成されていない非粘着部分1Cがシート縁の一辺に沿って形成されている。また、この非粘着部分1Cには、記録媒体補助シート20Bの挿入方向を示す挿入方向指示手段9(図示の場合は矢印)が形成されている。
【0049】
<第4の実施形態>
図8は本発明に係る記録媒体補助シートの第4の実施形態を示す模式的な部分断面図である。
この実施形態の記録媒体補助シート20Dが上記第1の実施形態の記録媒体補助シート20と異なる点は、水の付与により粘着力を生じる粘着層2がシート状基材1の両面に形成されている点にあり、その他の点に関しては第1の実施形態と変わりはない。
【0050】
このような記録媒体補助シート20Dは、シート状基材1の両面に粘着層2が形成されているので、先ず、片面を使用し、この使用した片面の貼着力が無くなったときには、必要に応じて設けた反対側のカバーシート(図示せず)を剥がして、他方の面を利用することができ、第1の実施形態の記録媒体補助シート20の二倍の寿命を有するものとして使用できる。
なお、シート状基材1、粘着層2の材質や厚み等に関しては、第1の実施形態にて記載したものを適用することができる。
【0051】
以上、本発明に係る記録媒体補助シートの各実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、第2の実施形態における位置決めマーク3Aの模様、第3の実施形態における寸法目盛り6の位置やカギ括弧マーク7の数、また、限界表示5の形態等は図示の形態に限らず適宜変更可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る記録媒体補助シートは、表面に水を付与することにより粘着力を発生する粘着層を有しているので、該表面に記録媒体を粘着した状態で保持することができ、従来においては画像記録装置内にできない小さい記録媒体でも、該画像形成装置に供給することができる。
【0053】
また、本発明に係る記録媒体補助シートは、表面に水を付与することにより粘着力を発生する粘着層を有し、該表面に記録媒体を粘着した状態で取り扱うことができることから、該記録媒体の剛性を高めたの実質的に同じ状態にできるので、従来においては記録媒体の剛性が低くてジャミングを生ずるような搬送性能が悪いものでも、画像形成装置への供給ができる。
【0054】
また、本発明に係る記録媒体補助シートは、表面に水を付与することにより粘着力を発生する粘着層を有し、該表面に記録媒体を粘着した状態とすることにより、該記録媒体の実質的な形状(画像形成装置内を通過するときの形状)を記録媒体補助シートの形状(矩形)として供給することができるので、矩形以外のどのような形状であっても画像形成が可能である。
【0055】
さらにまた、本発明に係る記録媒体補助シートは、水の付与によって粘着力を生じた粘着層上に貼着した記録媒体の裏面に、該粘着層の一部が転写されて、記録媒体の裏面が粘着力を発生するので、画像を形成した記録媒体にステッカーやシール機能を極めて簡単に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る記録媒体補助シートの第1の実施形態を示す模式的な部分断面図である。
【図2】 図1に示した記録媒体補助シートの斜視図である。
【図3】 図2に示した記録媒体補助シートの使用形態を示す概略図である。
【図4】 図1に示した記録媒体補助シートの使用開始当初の状態を示すための概略平面図である。
【図5】 図4に示した記録媒体補助シートの使用限界を示すための概略平面図である。
【図6】 本発明に係る記録媒体補助シートの第2の実施形態における位置決め手段を示す平面図である。
【図7】 本発明に係る記録媒体補助シートの第3の実施形態における位置決め手段を示す平面図である。
【図8】 本発明に係る記録媒体補助シートの第4の実施形態を示す模式的な部分断面図である。
【符号の説明】
1 シート状基材
1C 非粘着部分
2 粘着層
3 罫線(位置決め手段)
3A 位置決めマーク(位置決め手段)
5 限界表示
6 寸法目盛り(位置決め手段)
7 カギ括弧(位置決め手段)
8 サイズ表示部
9 挿入方向指示手段
20,20A,20B,20D 記録媒体補助手段
30 記録媒体

Claims (9)

  1. 水の付与により粘着力を発生する粘着層を表面に有すると共に、該粘着層上を剥離可能なカバーシートで覆い、使用時に前記カバーシートを剥がして前記粘着層表面に記録媒体を粘着した状態で画像形成装置内を搬送可能に構成された記録媒体補助シートであって、前記粘着層は、該粘着層上に貼着された前記記録媒体の接触面に、該粘着層の一部を転写するようになされたことを特徴とする記録媒体補助シート。
  2. 表面に粘着力を生じる部分と、該表面と同じ面に粘着力の生じない非粘着部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体補助シート。
  3. 前記非粘着部分は、シート縁の少なくとも一辺に沿って形成されたことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体補助シート。
  4. 記録媒体の粘着位置を決定するための位置決め手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体補助シート。
  5. シート状基材を備えており、前記粘着層は、前記シート状基材の少なくとも片面形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体補助シート。
  6. 前記位置決め手段は、前記シート状基材に形成されてなることを特徴とする請求項5記載の記録媒体補助シート。
  7. 前記粘着層は、前記シート状基材の表裏両面に形成されてなることを特徴とする請求項〜6のいずれかに記載の記録媒体補助シート。
  8. 前記粘着層の繰り返し使用による肉薄化により、粘着層側から見たときに、少なくとも前記シート状基材による粘着力低下の表示を目視可能とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の記録媒体補助シート。
  9. 前記粘着力低下の表示は、前記粘着層と前記シート状基材との合成色が前記肉薄化により変化することを用いるように構成されたことを特徴とする請求項に記載の記録媒体補助シート。
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