JP3593418B2 - 天井カセット形空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井カセット形空気調和機に係り、特にベルマウスと電気部品箱および筺体構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10および図11に、従来より用いられる天井カセット形空気調和機を示す。図中1は筺体であり、ここでは平面視で矩形状の四隅を落とした八角状をなし、下面側のみ開口している。
【0003】
上記筺体1内のほぼ中央部に送風機2が配置され、この送風機の吸込み口である下面部には、ベルマウス3が連結される。
上記送風機2の外周部に沿う空間に、平面視で一部が欠落した矩形環状の熱交換器4が配置される。換言すれば、送風機2は、この熱交換器4によって囲繞される。
【0004】
上記熱交換器4は、筺体1の下面開口部に嵌め込まれるドレン皿5によって支持される。このドレン皿5には、上記筺体1の縦横各辺内側に沿って複数の吹出し口6…が開口される。
【0005】
上記ドレン皿5内周面と、上記ベルマウス3外周面との間の空間部に、ベルマウス取付け板7が嵌め込まれている。上記ベルマウス3は、ベルマウス取付け板7に適宜な手段で取付け固定される。
【0006】
さらに、ベルマウス取付け板7には、電気部品箱8が適宜な手段で取付けられる。この電気部品箱8内には、上記送風機2の駆動制御に必要な電気部品類および、図示しない室温センサの検知信号を制御部へ送信するための電気部品などが収容される。
【0007】
このような構成であるから、上記ベルマウス取付け板7と上記ドレン皿5によって、熱交換器4の空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とが区画されることになる。
【0008】
一方、筺体1内部には、暖房時に補助熱源として用いられる電気ヒータ9が配置される。この電気ヒータ9の位置は、上記電気部品箱8のほぼ直上部位に設定される。
【0009】
筺体1の下面開口部には、化粧パネル10が嵌め込まれ、天井板Sから被空調室R内へ露出する。この化粧パネル10には、上記吹出し口6と対向する位置に、同一形状面積のパネル吹出し口10aが開口される。
【0010】
そして、上記ドレンパン5の内周面と対向する位置に、同一形状面積のパネル吸込み口10bが開口される。このパネル吸込み口10bには、フィルタ11が嵌め込まれ、かつグリル12で覆われる。
【0011】
また、この種の空気調和機において、必要に応じて新鮮外気を被空調室Rへ取入れ可能とするタイプのものがある。
具体的には、筺体1と天井パネルSとの間にチャンバを取付け、このチャンバに外気ダクトを接続するチャンバ取付けタイプ、もしくは、筺体1に直接外気ダクトを取付ける直接外気取入れタイプである。この直接外気取入れタイプは、外気取入れ用風路が専用部品によつて構成される。(いずれも図示しない)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天井カセット形空気調和機は以上のようにして構成されており、空調機能的には何らの支障もなく、快適空調がなされている。しかしながら構造上は、つぎのごとき問題点がある。
【0013】
すなわち、吹出し空気を整流するために、ベルマウス3の他にベルマウス取付け板7が必要であり、部品費コストがかさむ。上記送風機2の吸込み面積を確保するため、電気部品箱8の容積が規制される。
【0014】
上記筺体1内に配置される電気ヒータ9のメンテナンスをなす場合、化粧パネル10を外したあと、電気部品箱8と、ベルマウス3およびベルマウス取付け板7との3部品を取り外す必要があり、手間が掛かる。
【0015】
外気取入れ可能な空気調和機で、チャンバ取付けタイプのものは、チャンバを取付けることにより筺体の高さ寸法が高くなってしまい、天井懐スペース(天井板と天井裏との間)が小さい条件では据付けができない。
【0016】
上記チャンバが別売品になっているところから、チャンバのコストが高くなってしまう。空気調和機の据付け時に、筺体とチャンバとをねじ止めする作業が必要で手間が掛かる。
【0017】
直接外気取入れタイプのものは、外気取入れ用風路に専用部品を取付けなければならない。外気取入れ用風路の壁によって送風気流が乱流となるのを防ぐため、整流専用部品を取付けなければならない。熱交換器の空気吸込み側通路と空気吹出し側通路のシールに、専用部品が必要不可欠であるなどの不具合がある。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、筺体内部に収容する構成部品、たとえば電気ヒータなどに対するメンテナンスの容易化を図り、かつ吸込み空気の通風抵抗を低減し、電気部品箱に充分な容積を確保した天井カセット形空気調和機を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため、本発明の天井カセット形空気調和機は、下面側が開口する筺体と、この筺体内のほぼ中央部に配置される送風機と、この送風機の周囲に沿って配置される熱交換器と、この熱交換器の下方部位に設けられるドレン皿と、上記送風機の下方部位に送風機の吸込み口を形成し、かつ上記ドレン皿とともに熱交換器の空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とを区画するベルマウスと、上記ドレン皿の外周部に形成される吹出し口とを具備し、
上記ベルマウスは、上部から下部方向に内方から外方に向かって漸次拡開される形状であり、この一側方下面側に一体に設けられ平面凹字状に屈曲形成される収納スペース部を有し、この収納スペース部に平面凹字状をなす電気部品箱が配置され、この電気部品箱はベルマウスの吸込み口側面を上部から下部方向に、内方から外方に向かって漸次拡開するよう傾斜する傾斜面を備えたことを特徴とする。
【0026】
以上のような課題を解決するための手段を備えることにより、筺体内部に収容する構成部品、たとえば電気ヒータなどに対するメンテナンスの容易化を図り、かつ吸込み空気の通風抵抗を低減するとともに電気部品箱に充分な容積を確保する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1ないし図5は、天井カセット形空気調和機を示す。そして、図1ないし図3は第1の実施の形態であり、図4および図5は第2の実施の形態である。
【0029】
はじめに、図1ないし図3で示す、第1の実施の形態から説明する。
図中20は、筺体である。この筺体20は、平面視が矩形状の四隅を落として八角状としており、その各辺部に沿って側壁が一体に設けられる構成となっている。そして、筺体の下面部は開口している。
【0030】
上記筺体20の上面壁20aには送風機21を構成するファンモータ21aが適宜な手段で取付け固定される。このファンモータ21aの軸方向は垂直方向に向けられていて、下方部位に突出する回転軸にファン21bが嵌着される。
【0031】
特に図2(B)および図3(B)で示すように、送風機21の中心位置Ob は、筺体20の中心位置Oa と外れた位置に設定される。
そして、上記筺体20の側壁内周面に対し下部側一部を残して全面的に、かつ上面壁内周面の周端部に亘って、図1のみ示す断熱材22が、たとえば接着などの手段で密に接した状態で取付けられる。
【0032】
この断熱材22の外形寸法と全く同一の外形寸法で形成されるドレン皿23が、断熱材22の下部側に重ねられ、筺体20側壁内周面に密に接した状態で取付けられる。
【0033】
上記ドレン皿23には、縦横長い辺部に沿って、それぞれ吹出し口24が開口される。ドレン皿23のほぼ中心位置には、一部が円形状で、残り部分が直状のベルマウス取付け用孔26が開口される。
【0034】
このようなドレン皿23の吹出し口24とベルマウス取付け用孔26との間は断面凹状に形成されていて、ここで熱交換器25を支持している。
この熱交換器25の上端部は筺体20上面壁内周面に当接しており、熱交換器25は筺体20とドレン皿23との間に介在される。なお説明すれば、上記熱交換器25は、筺体20内の外周部に沿う空間に配置されていて、平面視で、ほぼ矩形状をなし、その一部の角部が欠落している。
【0035】
上記ドレン皿23のベルマウス取付け用孔26には、ベルマウス27が嵌め込まれる。このベルマウス27は、上端部が上記送風機21の吸込み部に連結される円形の部分と、ここから下部側へかつ外方へ傾斜し、先端の周端縁が上記ベルマウス取付け用孔26に掛合する部分とからなるベルマウス本体部27Aと、このベルマウス本体部と一体に連設され後述する電気部品箱28を収納するための収納スペース部27Bとから構成される。
【0036】
すなわち、上記収納スペース部27Bは、ベルマウス27の一側方下面側に設けられ、平面視で両側部が斜めに傾斜するほぼ凹字状に形成される。そして、凹字の内側部分は、送風機ファン21bの外周端を抱持するように、ファン中心軸方向に突出し、かつベルマウス本体部27Aの高さに合わせた垂直な壁面が形成される。
【0037】
上記電気部品箱28は、その平面視が収納スペース部27Bと全く同一の、ほぼ凹字形状をなす。厚さ(高さ寸法)は収納スペース部27Bの垂直壁面と同一であり、ここで位置合わせされる。
【0038】
電気部品箱28は、適宜な手段で収納スペース部27Bに取付け固定される。この内部には、送風機21の駆動制御に必要な電気部品類および、図示しない室温センサの検知信号を制御部へ送信するための電気部品などが収容される。
【0039】
特に図2(B)に示すように、電気部品箱28の位置は、筺体20中心位置Oa に対して、送風機21の中心位置Ob とは反対側の方向に位置がずれるように設定されている。
【0040】
このような構成であるから、上記ベルマウス27の下面側開口部は吸込み口として形成される。そして、ベルマウス27と上記ドレン皿23によって、熱交換器25の熱交換前位置である空気吸込み側通路と、熱交換後位置である空気吹出し側通路とが区画されることになる。
【0041】
一方、筺体20内部には、暖房時に補助熱源として用いられる電気ヒータ29が配置される。この電気ヒータ29の位置は、上記電気部品箱28とほぼ同位置に設定される。
【0042】
図2のみ示すように、上記筺体20の下面開口部には、化粧パネル30が嵌め込まれ、天井板Sから被空調室内へ露出する。この化粧パネル30には、上記吹出し口24と対向する位置に、同一形状面積のパネル吹出し口30aが開口される。
【0043】
そして、上記ドレン皿23の内周面と対向する位置に、同一形状面積のパネル吸込み口30bが開口される。このパネル吸込み口30bにはフィルタ31が嵌め込まれ、このフィルタをグリル32で覆っている。
【0044】
このような構成の天井カセット形空気調和機であり、冷凍サイクル運転とともに送風機21を駆動すると、被空調室R空気が化粧パネル30のパネル吸込み口30bからグリル32とフィルタ31を介して筺体20内に吸込まれる。
【0045】
そして、ベルマウス27で整流され、送風機21を介して熱交換器25を導通し、ここに導かれる冷媒と熱交換する。この熱交換空気は、ドレン皿23の外周部に開口される吹出し口24と化粧パネル30のパネル吹出し口30aから被空調室へ吹出される。
【0046】
上記ベルマウス27は、ドレン皿23に設けられるベルマウス取付け用孔26と送風機21の吸込み部とを連設するベルマウス本体27Aを備えていて、下部外方から上部内方へ傾斜する形状であるから、吸込み空気の整流効率がよい。
【0047】
筺体20中心位置Oa に対して送風機21中心位置Ob がずれた位置にあり、しかもこの送風機中心位置とは反対側の位置に電気部品箱28を取付けるようにしたから、電気部品箱28の容積をより大きく確保できる。
【0048】
また、必要に応じて、筺体20内に収容される電気ヒータ29のメンテナンスを行なう。このときは、化粧パネル30を取り外して、ドレン皿23とベルマウス27および電気部品箱28を露出する。
【0049】
そして、電気部品箱28とベルマウス27を取り外す。図3に示すように、ドレン皿23はそのままの状態でよい。ドレン皿23の内周側開口部に上記電気ヒータ29が露出するので、作業者は送風機21とドレン皿23との間に手を伸ばして電気ヒータ29を取外しできる。
【0050】
すなわち、ベルマウス27に電気部品箱28が取付けられているから、実質的にベルマウス27の取外しのみで電気ヒータ29が露出することになり、メンテナンスが容易に行なえて、作業性がよい。
【0051】
第2の実施の形態として、図4および図5に示すように、ここでの電気部品箱28Aは、凹字状の内側の面のみ傾斜面aとする。この傾斜面aは、上部から下部方向に、内方から外方に向かって漸次傾斜する。
【0052】
一方、上記ベルマウス27のベルマウス本体27aは、先に説明したように、上部から下部方向に、内方から外方に向かって漸次拡開される。したがって、電気部品箱28Aを取付けた図4の状態では、送風機21の作動によって風がベルマウスの吸込み口に効率よく、かつ円滑に導かれることとなり、吸込み空気の通風抵抗がより低減して、整流効果の向上を図れる。
【0053】
図6ないし図8に、第3の実施の形態を示す。ここで示す天井カセット形空気調和機の基本的な構成は、先に説明したものと同一である。
【0054】
すなわち、図6に示すように、天井カセット形空気調和機は、筺体20と、この筺体内に配置される送風機21および熱交換器25と、筺体の下面開口部に嵌め込まれ上記熱交換器を支持するドレン皿23Aと、筺体下面部に取付けられる化粧パネル30および筺体内周面一部に貼着される発泡断熱材22Aとから構成される。(ベルマウスは省略する)
ここでは、上記筺体20Aと、発泡断熱材22Aと、ドレン皿23Aおよび熱交換器25Aのそれぞれ一部に、後述する特徴を有するところから、先に発明のものとは異なる符号を付す。他の構成部品は同一であるので、同番号を付して新たな説明は省略する。
【0055】
すなわち、上記筺体20Aの一部側面壁20bには、外気取入れ用孔35が開口される。この側面壁20bには、上記外気取入れ用孔35に連通する外気ダクト36が取付けられる。
【0056】
この外気ダクト36の図示しない端部は、家屋の壁面に開口される外気取入れ口に接続されていて、外気の取入れ案内ができるようになっている。そして、家屋壁面の外気取入れ口には、シャッタ機構が設けられていて、開閉は被空調室から遠隔操作ができるようになっている。
【0057】
上記発泡断熱材22Aは、筺体20側面壁の外気取入れ用孔35と連通する案内用孔36が側面壁22aに開口している。また、この案内用孔36が設けられる側面壁22aの内面側には、膨出補助壁37が一体に突設される。
【0058】
この膨出補助壁37は、発泡断熱材22Aの下面部において開放され、上面部は発泡断熱材上面壁22bによって閉成される。上記案内用孔36から膨出補助壁37のなす空間部を、外気取入れ用風路38と呼ぶ。
【0059】
上記ドレン皿23Aには、発泡断熱材22Aに形成される外気取入れ用風路38と同一位置に、同一形状の外気取入れ用風路39が設けられる。この風路39は、ドレン皿23Aの上面部と下面部において開口される。
【0060】
したがって、発泡断熱材22Aの外気取入れ風路38と、ドレン皿23Aの外気取入れ風路39は互いに連通する。
特に、図6および図8に示すように、ここでは上記熱交換器25Aは平面視でL字状をなす一対の熱交換器体A,Aから構成されていて、互いの端部が離間し対称的に配置される。
【0061】
そして、上記外気取入れ用風路38,39側の熱交換器体A,A端部相互は遮蔽板40によって連結される。すなわち、外気取入れ用風路38,39から出た外気は遮蔽板40によって一対の熱交換器体A,A相互間である空気吹出し側通路への侵入を阻止され、全て空気吸込み側通路に導かれるようになっている。
【0062】
また、遮蔽板40によって連結される端部とは反対側の熱交換器体A,A端部相互は、発泡断熱材22Aの内周壁一部に設けられる一対の突条部b,bにそれぞれ密接しており、ここでも熱交換器体A,A外周面を回ってきた外気の空気吹出し側通路への侵入を阻止する。
【0063】
このようにして構成される天井カセット形空気調和機であり、冷凍サイクル運転とともに送風機21を駆動すると、被空調室R空気が化粧パネル30のパネル吸込み口30bからグリル32とフィルタ31を介して、筺体20A内に吸込まれる。
【0064】
そして、図示しないベルマウスによって整流され、送風機21を介して熱交換器25Aに導通して、ここに導かれる冷媒と熱交換する。この熱交換空気は、ドレン皿23Aの外周部に開口される吹出し口24と化粧パネル30のパネル吹出し口30aから被空調室Rへ吹出される。
【0065】
必要に応じて、外気ダクト36のシャッタを開放すると、外気は外気ダクトを介して外気取入れ用孔35に導かれる。そして、発泡断熱材22Aとドレン皿23Aの外気取入れ用風路38,39に沿って流れる。ドレン皿23Aの外気取入れ用風路39から出たところで、化粧パネル30の吸込み口30bを介して導かれる被空調室の吸込み空気と混合する。
【0066】
この混合吸込み側空気は送風機21を介して熱交換器25Aに導かれ、熱交換して吹出し口24とパネル吹出し口30aから被空調室Rへ吹出される。したがって、新鮮な外気を取入れた熱交換空気が被空調室Rを空気調和する。
【0067】
また、遮蔽板40は外気取入れ用風路38,39を導かれた外気に対する熱交換器25Aの空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とのシールを確実になし、熱交換効率の向上を図れる。
【0068】
外気取入れ用孔35および外気取入れ用風路38,39などは、既存の筺体23Aや発泡断熱材22Aおよびドレン皿23Aの一部の改造のみで得られ、専用のチャンバなど不要である。したがって、取付け手間が不要で作業性の大幅改善化が得られるとともに、部品のコストの削減に寄与する。
【0069】
なお、上記遮蔽板40に代るシール構造として、図9(A)ないし(C)に示す実施の形態を採用してもよい。
はじめに図9(A)のシール構造から説明すると、上記外気取入れ用風路38,39を構成する膨出補助壁37Aは、その内側壁面を内側に突出して、壁厚さを厚くする。この状態で、一対の熱交換器体A,A端部と掛合する切欠部41,41が設けられる。
【0070】
したがって、先に述べた遮蔽板40と同様、膨出補助壁37Aの壁面が熱交換器25Aの空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とのシールをなし、この構成を採用すれば遮蔽板が不要となる。
【0071】
同図(B)では、膨出補助壁37Bの壁面を内側に厚くし、かつ一対の熱交換器体A,A端部と掛合する切欠部41,41を備え、熱交換器25Aの空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とのシールをなすことは変わりがない。ただし、ここでは膨出補助壁37Bの両側部c,cが熱交換器体Aの長手方向と直交する方向に切欠される。
【0072】
したがって、熱交換器25Aを通過した送風気流が膨出補助壁37Bに衝突するようなことがあっても、同図(A)のような鋭角状の凹部d,dが形成されていないので、乱流を生じることがなく、送風騒音の低減を図れる。
【0073】
同図(C)では、膨出補助壁37Cの壁面を両側部のみ厚くする。そして、この内側面に一対の熱交換器体A,A端部と掛合し、熱交換器25Aの空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とのシールをなす。ここでも膨出補助壁37Cの両側部c,cは熱交換器体の長手方向とは直交する方向に設けられる。
【0074】
したがって、熱交換器を通過した送風気流が膨出補助壁37Cに衝突するようなことがあっても、同図(A)のような鋭角状の凹部d,dが形成されていないので、乱流を生じることがなく、送風騒音の低減を図れる。
【0075】
同図(D)では、先に説明した遮蔽板40が一対の熱交換器体A,Aの端部相互間に連結されており、熱交換器25Aの空気吸込み側通路と空気吹出し側通路のシールをなすことには変わりがない。
【0076】
ここでは、膨出補助壁37Dの内側壁面を遮蔽板40と狭小の間隙を存して平行な面と、この両側部e,eは90°よりも大きな山形状に形成される空気吹出し通路となす。
【0077】
したがって、この膨出補助壁37Dの壁面である空気吹出し通路に沿って送風気流が円滑に導かれることになり、乱流とならずにすみ、送風騒音の低減を得られる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、ベルマウスの一側方下面側に一体に、平面凹字状に屈曲形成される収納スペース部を設け、この収納スペース部に平面凹字状をなす電気部品箱を配置したから、筺体内部に収容する構成部品、たとえば電気ヒータなどに対するメンテナンスの容易化を得るとともに、電気部品箱はベルマウスと同一形状の傾斜面を備えたから、吸込み空気の通風抵抗を低減して、送風効率の向上を図れるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態を示す、天井カセット形空気調和機の分解した斜視図。
【図2】(A)は、同実施の形態の、天井カセット形空気調和機の概略の縦断面図。(B)は、化粧パネルを取外した状態での下面図。
【図3】(A)は、同実施の形態の、ベルマウスと電気部品箱を取外した状態での天井カセット形空気調和機の縦断面図。(B)は、その下面図。
【図4】第2の実施の形態を示す、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の縦断面図。
【図5】同実施の形態の、電気部品箱の斜視図。
【図6】第3の実施の形態を示す、天井カセット形空気調和機の分解した斜視図。
【図7】同実施の形態の、天井カセット形空気調和機の概略の縦断面図。
【図8】同実施の形態の、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。
【図9】(A)は、第4の実施の形態を示す、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。(B)は、第5の実施の形態を示す、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。(C)は、第6の実施の形態を示す、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。(D)は、第7の実施の形態を示す、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。
【図10】(A)は、従来の、化粧パネルを取外した天井カセット形空気調和機の概略の下面図。(B)は、同天井カセット形空気調和機の概略の縦断面図。
【図11】従来の、ベルマウス取付け板と、ベルマウスおよび電気部品箱を取外した状態での天井カセット形空気調和機の下面図。
【符号の説明】
20,20A…筺体、21…送風機、25,25A…熱交換器、23,23A…ドレン皿、27…ベルマウス、24…吹出し口、27B…収納スペース部、28,28A…電気部品箱、a…(電気部品箱の)傾斜面、22A…発泡断熱材、35…外気取入れ用孔、38,39…外気取入れ用風路、37C…空気吹出し通路(膨出補助壁)。
Claims (1)
- 下面側が開口する筺体と、この筺体内のほぼ中央部に配置される送風機と、この送風機の周囲に沿って配置される熱交換器と、この熱交換器の下方部位に設けられるドレン皿と、上記送風機の下方部位に送風機の吸込み口を形成し、かつ上記ドレン皿とともに熱交換器の空気吸込み側通路と空気吹出し側通路とを区画するベルマウスと、上記ドレン皿の外周部に形成される吹出し口とを具備した天井カセット形空気調和機において、
上記ベルマウスは、上部から下部方向に、内方から外方に向かって漸次拡開される形状であるとともに、この一側方下面側に一体に設けられ、平面凹字状に屈曲形成される収納スペース部を有し、
この収納スペース部に、平面凹字状をなす電気部品箱が配置され、
この電気部品箱は、上記ベルマウスの吸込み口側面を、上部から下部方向に、内方から外方に向かって漸次拡開するよう傾斜する傾斜面を備えたことを特徴とする天井カセット形空気調和機。
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