JP5465438B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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一方、チャンバを設けずに外気導入する場合、外気を送風機が空気を吸い込む吸込口へ送る外気導入路を形成する必要がある。従来、筐体の内側に嵌められる発泡スチロール製の断熱材に外気導入路を形成する構造が提案されており、より具体的には、断熱材には、4方向天井カセット形の場合、化粧パネルに設けられた4つの吹出口に連通する吹出風路があり、この隣接する吹出風路の間の領域、つまり、角部に外気導入路を形成していた。
しかしながら、この構成の場合、外気導入路を通る外気が吹出風路に漏れないようにするためにシール材を断熱材と筐体との間に配置する必要があり、部品点数の増加や組み立ての複雑化を招いてしまう。また、ドレンパンと断熱材との間に僅かに隙間ができる場合があり、その場合は、ドレンパン上の乾燥した塵等が外気導入路に入ってしまう場合があった。
また、外気導入のオプションを付けるか否かで断熱材を別々に用意するのは煩雑であり、一方、断熱材を外気導入路を備えたタイプで共用化したとすると、外気導入しない場合にもシール部材が必要となってしまう。
この発明によれば、外気導入部品が吹出通路に差し込まれて吹出通路に密着し、シール材を使用しなくても外気導入部品を通る外気の漏れを防止できる。このため、シール材を使用しない分、部品点数を低減でき、かつ、外気導入タイプに容易に変更することができる。
また、上記構成において、前記ボックス本体は、前記外気導入用の開口部を前記化粧パネル側から覆って前記ドレンパンの下面に嵌るひさし部を有するようにしてもよい。この構成によれば、ひさし部によって外気導入部品を位置決めできると共に外気の導入方向を適切な方向に案内することができる。
また、上記構成において、前記ドレンパンの下面には、前記化粧パネルの吸込口と吹出口との間の領域に当接する当接部を有し、この当接部には、前記ひさし部が嵌る切欠部が形成され、この切欠部には、発泡スチロール製の埋め材が着脱自在に嵌められるようにしてもよい。この構成によれば、ドレンパンを外気導入タイプにするか否かに関係なく共用化することができる。
図1は本実施の形態に係る天井埋込型空気調和装置の室内機の設置状態を示す図である。なお、以下の説明において、上下左右等の方向は設置状態に対応する方向である。
この室内機10は、装置本体20(筐体21)が天井裏に設置され、化粧パネル100が天井から露出したいわゆる天井カセット形に構成され、より正確には、4つの吹出口120を有する4方向天井カセット形に構成されている。
装置本体20は、その外ケースを構成する金属製の筐体21を備え、この筐体21の内部には、送風機33や熱交換器(室内熱交換器)35等の空調部品が収容される。筐体21は、金属板の板金加工で形成され、天板部(天板)21bと、天板部21bの外縁に沿って下方へ延出する側板部(側板)21cとを備えて下側全面が開口する箱型形状に形成されている。
この化粧パネル100の吸込口110には、吸込グリル111が着脱自在に取り付けられ、この吸込グリル111には、図示せぬエアフィルタが装着され、このエアフィルタにより吸込口110に吸い込まれる室内空気を清浄化する。また、化粧パネル100の吹出口120には、風向き変更用のルーバ122が配置されており、このルーバ122は図示せぬモーターの駆動により回動する。
まず、外気導入用の部品(50、55、60)以外について説明する。
筐体21の内側には、発泡スチロール製の断熱材30が配設される。この断熱材30は、筐体21の天板部(天板)21bの略全面に配置される天板断熱部30b(図4参照)と、筐体21の側板部21cの略全面に配置される側板断熱部30c(図4参照)とを一体に備えて下方が開口する箱型形状に形成されている。すなわち、この断熱材30は、筐体21の内面全体を覆って筐体21内部と外部との間を断熱した断熱構造にし、この断熱された内部空間に送風機33や熱交換器35等の空調部品が収容される。
図3に示すように、熱交換器35は、フィン・チューブ型の熱交換器が適用され、熱交換面積を多く確保すべく、送風機33の周囲を囲うように多角形状に曲げられて配置され、この熱交換器35の一端35aと他端35bが管板36で連結される。これによって、熱交換器35と管板36とによって、筐体21の内部が、図4に示すように、調和前空気の1次側空間R1(平面視において、筐体21の中央部)と、調和後の空気(調和空気)の2次側空間R2(平面視において、筐体21の側板部21cの周辺部)とに画成される。
また、このドレンパン40は、化粧パネル100の吸込口110に対応する部分に吸込用開口部40a(図4参照)を有し、この吸込用開口部40aにはベルマウス42が取り付けられると共に、この吸込用開口部40aの周囲が下方に突出して化粧パネル100に当接する当接部40b(図2参照)が形成されている。
すなわち、この2次側空間R2は、送風機33が遠心方向に吹き出して熱交換器35を通過した空気、つまり、調和空気が入る空間であるため、この2次側空間R2内の調和空気を、吹出用開口部40cを介して化粧パネル100の吹出口120から吹き出させることができる。つまり、断熱材30とドレンパン40の吹出用開口部40cとによって、化粧パネル100の吹出口120に各々連通する発泡スチロール製の吹出通路βが形成される。
図5乃至図7は、外気導入ボックス60を異なる方向から見た外観図であり、図8は、外気導入ボックス60を装置本体20と共に示す図である。
外気導入ボックス60は、発泡スチロース製のボックス本体70を備え、このボックス本体70は、前壁71、左右の側壁72、72、後壁73、底部74及び蓋部75を一体的に有して内部が空洞の略直方体の箱型形状に形成されている。ここで、底部74は、この外気導入ボックス60を室内機10の吹出通路βに差し込む場合に、奥側(天板部21b側)に位置し、蓋部75は手前側(ドレンパン40側)に位置する。
また、このボックス本体70には、第2開口部78の上方を覆うように前方へひさし状に延出するひさし部80が取り付けられている。このひさし部80は、ボックス本体70の幅と略同じ幅に形成されたコ字状断面の板部材81と、この板部材81とボックス本体70との間に架橋される架橋部材83と、ひさし部80の外観(板部材の外観)を覆う発泡スチロール製の断熱シート85とを備えて構成される。
上記板部材81は、金属板をコ字状に屈曲して形成され、ボックス本体70の前壁71に一体に形成された、第2開口部78の左右を上下方向に延びる左右一対の延出部71a、71aと、第2開口部78の中央部に配置される架橋部材83とを介してボックス本体70に連結される。これによって、板部材81は、第2開口部78の蓋部75側と左右の側壁72、72側とを各々覆い、第2開口部78を前壁71側にだけ開口させるようになっている。
なお、本実施形態では、図4に示すように、架橋部材83をボックス本体70にねじ86で固定し、この架橋部材83に板部材81を図示せぬねじで固定することによって、板部材81とボックス本体70とが連結されるが、これに限らず、この板部材81、架橋部材83及びボックス本体70の間の相互の連結方法は、ねじ等の機械的連結方法、或いは、両面テープ等の接着方法等を適宜に用いて行えばよい。また、本実施形態では、板部材81と架橋部材83とを金属材で形成しているが、樹脂板等の他の剛性を有する板材で形成してもよい。
この場合、外気導入ボックス60は、ひさし部80がドレンパン40の下面に嵌まるまで差し込まれる(図4参照)。すなわち、ドレンパン40には、図8に示すように、化粧パネル100が当接する部分(当接部40b)に、上記ひさし部80を嵌め込み可能な切欠部91が予め設けられており、ひさし部80が切欠部91に嵌ることによって外気導入ボックス60の第2開口部78を、化粧パネル100の吸込口110と送風機33との間の吸込通路αに連通させる。
この場合、このひさし部80は、ドレンパン40の切欠部91に嵌められた後、ねじ92(図4参照)でドレンパン40に固定され、このねじ92により外部振動を受けた場合でも外気導入ボックス60が装置本体20から外れてしまうことがない。
一方、外気導入ボックス60のボックス本体70は、図4に示すように、発泡スチロール製の吹出通路βの間に嵌る奥行き寸法に形成されている。本構成では、吹出通路βを構成する部材(ドレンパン40と側板断熱部30c)と、このボックス本体70とが弾性を有する発泡スチロール材で共通のため、互いの弾性変形によりボックス本体70が吹出通路βに密着する。
より具体的には、ボックス本体70は、図4及び図6に示すように、後壁73の外面が側板断熱部30cに沿う平坦面(設置状態では垂直面)に形成されると共に、前壁71の外面が底部74から蓋部75に向かってその奥行き寸法を徐々に大きくする傾斜面に形成されている。このため、このボックス本体70を、吹出通路βに差し込む程に強く嵌っていく形状にすると共に、ボックス本体70を奥まで差し込めば、ボックス本体70をドレンパン40と側板断熱部30cとにしっかり密着させることができる。この場合、ボックス本体70の後壁73全体が側板断熱部30cに面で密着するので、ボックス本体70と側板断熱部30cとの間の隙間を閉塞することができる。
ダクト口96を形成した場合、図4に示すように、このダクト口96にあわせて内部の断熱材30(側板断熱部30c)の一部を除去することにより、装置本体20に差し込まれた外気導入ボックス60の第1開口部77がダクト口96を介して筐体21外に連通する。筐体21の外側には、上述したダクト連結部品55がねじで固定され、このダクト連結部品55を介して外気導入用の通風ダクト50が連結される。
しかも、外気導入ボックス60を発泡スチロール製の吹出通路βに差し込んで外気導入路を形成するので、断熱材30に外気導入路を形成する場合に比して、簡易に外気導入路を設けることができ、また、ドレンパン40と断熱材30との間に僅かに隙間があったとしても、その隙間は外気導入路に連通しないので、ドレンパン40上の乾燥した塵等が外気導入路に入ることがない。
また、本実施形態では、外気導入ボックス60のドレンパン40に嵌め込まれる部分(ひさし部80)を金属材で形成して断熱シート85で覆う構成としたので、これらを金属に比して剛性の低い発泡スチロール製とした場合に比して薄く形成することができる。これによって、第2開口部78を大きく確保でき、つまり、外気導入通路を広く確保することができ、また、ひさし部80の剛性も十分に高くすることができる。
また、本構成では、外気導入ボックス60が、外気導入用の第2開口部78を化粧パネル100側から覆ってドレンパン40の下面に嵌るひさし部80を有するので、このひさし部80によって外気導入ボックス60を位置決めできると共に外気の導入方向を適切な方向に案内することができる。
また、ドレンパン40の下面には、化粧パネル100の吸込口110と吹出口120との間の領域に当接する当接部40bを有し、この当接部40bには、外気導入ボックス60のひさし部80が嵌る切欠部91が形成され、この切欠部91に発泡スチロール製の埋め材93が着脱自在に嵌められるので、ドレンパン40を外気導入タイプにするか否かに関係なく共用化することができる。
仮に管板36から離れた吹出風路βに外気導入ボックス60を配置した場合には、外気導入ボックス60の流れへの影響が大きいため、この室内機10の吹出特性(吹出量の配分等)が大きく変わってしまうことになる。
このように、外気導入ボックス60を熱交換器35の管板36に近接する吹出通路βに差し込むことによって、管板36から離れた位置にある吹出口120への影響を低減することができ、全体としての吹出特性の変動を抑えることができる。
また、上述したように、管板36の近くは、配管作業者が筐体21外から作業を行う位置でもあるため、この管板36の近くに外気導入ボックス60を差し込む構成にすることによって、配管やダクトの確認或いは着脱等の各種作業をほぼ同じ位置から行うことができる、という効果も奏することができる。
20 装置本体
21 筐体
30 断熱材
33 送風機
35 熱交換器
36 管板
40 ドレンパン
50 通風ダクト
55 ダクト連結部品
60 外気導入ボックス(外気導入部品)
70 ボックス本体
77 第1開口部(外気取り入れ用の開口部)
78 第2開口部(外気導入用の開口部)
79 通路
80 ひさし部
83 架橋部材
91 切欠部
93 埋め材
100 化粧パネル
110 吸込口
111 吸込グリル
120 吹出口
α 吸込通路
β 吹出通路
Claims (4)
- 箱型の筐体内に送風機と熱交換器とを備え、この熱交換器の下方にドレンパンを配置し、このドレンパンの下方に、吸込口と吹出口とを有する化粧パネルを配置すると共に、筐体内に、吹出口に連なる発泡スチロール製の吹出通路を備えた空気調和装置において、
前記吹出通路に差し込まれるオプションの発泡スチロール製の外気導入部品を備え、この外気導入部品は、前記化粧パネルを外した場合に露出する側から前記吹出通路内に挿入されるとともに、挿入される程に前記吹出通路に強く嵌るように奥行き寸法が徐々に大きくなる形状に形成されて発泡スチロール同士の弾性変形により前記吹出通路との間の隙間が閉塞される発泡スチロール製のボックス本体を有し、このボックス本体が、前記筐体外に連通する外気取り入れ用の開口部と、前記ドレンパンの下面に嵌って前記送風機の吸込通路に連通する外気導入用の開口部と、これら開口部をつなぐ通路とを一体に有することを特徴とする空気調和装置。 - 前記熱交換器は、前記送風機を囲うように延在してその両端が管板で連結され、この管板に近接する位置に前記ボックス本体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記ボックス本体は、前記外気導入用の開口部を前記化粧パネル側から覆って前記ドレンパンの下面に嵌るひさし部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和装置。
- 前記ドレンパンの下面には、前記化粧パネルの吸込口と吹出口との間の領域に当接する当接部を有し、この当接部には、前記ひさし部が嵌る切欠部が形成され、この切欠部には、発泡スチロール製の埋め材が着脱自在に嵌められることを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
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