JP3592532B2 - カップホルダー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両室内の任意個所に取り付けて使用されるカップホルダーの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種カップホルダーとして、例えば、実開昭64−51540号公報に示すものが存する。
該従来のカップホルダーは、具体的には図示しないが、車両のインストルメントパネル側に組み込まれるハウジングと、該ハウジング内に出し入れ可能に支承される受入孔を有するホルダー体とを備え、ホルダー体の受入孔の下縁側にフラップを回動可能に軸支して、当該フラップをばね圧で水平状態に弾発付勢することにより、その円弧状先端縁が受入孔の中心方向に突出するように構成されている。
【0003】
依って、実際の使用に際して、今仮に、カップとしての小缶を保持する場合には、ハウジングからホルダー体を引き出して、フラップの水平状態を維持したまま、受入孔内に小缶を差し込めば、これにより、小缶が突出するフラップの先端縁と受入孔の内周縁とで確実に保持され、逆に、大缶を保持する場合には、当該大缶の底部で水平状態にあるフラップをその付勢ばね圧に抗して下方に回動させながら、大缶を受入孔内に差し込めば、これにより、大缶が下方に回動したフラップの先端縁と受入孔の内周縁とで確実に保持されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来のカップホルダーの下では、回動可能なフラップの存在により、径の異なる二種類の缶を保持できる利点を有するものではあるが、特に、大缶を保持した状態において、当該大缶を受入孔から斜め方向に引き抜こうとすると、フラップが下方になかり後退しながら回動している関係で、当該フラップの基端部と受入孔の下縁との間に大きな空間が発生してしまうので、大缶の下側凸縁が当該空間に挟まりながら、受入孔の下縁に引っ掛かって、容易に引き抜くことができなくなってしまう恐れを十分に有していた。
【0005】
又、小缶を同様に斜め方向に引き抜こうとすると、今度は、小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの円弧状先端縁に引っ掛かって、やはり、小缶をも容易に引き抜くことができなくなってしまう恐れを有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯かる従来のカップホルダーが抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、車両の室内側に固定される取付基板と、該取付基板に支承される受入孔を有する側部支持枠とを備え、当該側部支持枠の受入孔の下縁側にフラップを回動可能に軸支して、フラップを水平状態に弾発付勢する構成のカップホルダーであって、上記フラップの基端縁中央にその軸支中心軸から側部支持枠方向に延びる舌片を連続して形成すると共に、フラップの軸支中心軸をフラップ表面よりも偏位させて設けて、当該軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径とを等しくなるように設定する構成を採用した。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、フラップの先端縁に内側に傾斜するテーパー形状を付与する構成を採用した。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間は、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっている構成を採用した。
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、側部支持枠にフラップを軸支した状態では、その軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径を同一寸法に設定した関係で、フラップの表面側は、受入孔の内周縁から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶を斜めから引き抜くような場合でも、当該大缶の下側凸縁は側部支持枠の受入孔の下縁側に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなる。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、これに加えて、小缶を斜めから引き抜くような場合でも、テーパー形状の存在によって、当該小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの先端縁に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜ける。請求項3記載の発明にあっては、これに加えて、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間が、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっているので、フラップを側部支持枠側に組み付ける作業が容易となると共に、フラップが水平状態にある時は、缶の出し入れによっても、フラップが側部支持枠から不用意に脱落する心配がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係るカップホルダーは、折畳式として開発されたもので、その基本構造は、図1に示す如く、車両の室内側に固定される取付基板1と、該取付基板1の上部に支承されて水平な展開位置と垂直な折畳位置間を回動する側部支持枠2と、取付基板1の下部に支承されて同じく水平な展開位置と垂直な折畳位置間を回動するリッド兼用のトレイ3と、側部支持枠2側に軸支されて小缶の支持位置と大缶の支持位置間を回動するフラップ4の4部品を備えるものである。
【0012】
これを具体的に説明すると、取付基板1は、全体が矩形板状に成形されて、その上部両側に対しては、上記側部支持枠2を回動可能に支承するための一対の軸受孔部5を形成し、下部両側に対しては、トレイ3を回動可能に支承するための一対の軸部6を形成する一方、上部中央に後述する側部支持枠2の姿勢維持片を係止する凹面7aを有する係止壁7と、トレイ3を垂直な折畳位置にロックするロック片8を形成する構成となっている。
【0013】
側部支持枠2は、中央部に缶の受入孔9を有するリング状に成形されて、その基端部両側に上記軸受孔部5に嵌合する一対の軸部10を形成すると共に、同基端部中央に上記凹面7aを案内として係止壁7に係止する姿勢維持片11を垂設し、且つ、当該姿勢維持片11の内面側、換言すれば、受入孔9の下縁側に一定の間隔をおいて後述するフラップ4の軸部を嵌合する一対の軸受孔部12を形成する構成となっている。
【0014】
トレイ3は、内側に側部支持枠2を収めたまま取付基板1を完全に隠蔽できる大きさの箱形状に成形されて、その両側壁の基端部寄りに上記取付基板1側の軸部6を嵌合する一対の軸受孔部13を形成する構成となっている。
【0015】
フラップ4は、その先端縁4a側が円弧状となるように成形されて、基端部両側に上記側部支持枠2の軸受孔部12に嵌合する一対の軸部14a・14bを互いに内側に向かって形成するものであるが、当該各軸部14a・14bに関しては、フラップ4表面よりも若干下方に偏位させて設けると共に、各々の寸法も長短相違させて、長寸軸部14aに捻じりコイルばね16を装着することにより、フラップ4を常に小缶の支持位置、即ち、水平状態に弾発付勢される構成となっている。又、フラップ4の基端縁中央部には、長短の軸部14a・14bの中間から側部支持枠2方向へ延びる舌片15を連続して形成する構成を併せて採用している。
【0016】
そして、本実施の形態にあっては、斯かる構成を前提として、図2に示す如く、側部支持枠2の軸受孔部12にフラップ4の長短軸部14a・14bを嵌合軸支した状態では、その軸支中心軸Pからフラップ4表面までの距離L1と、軸支中心軸Pから舌片15の先端縁までの半径Rを同一寸法となるように設定したことを特徴とするものである。これに加えて、フラップ4の円弧状先端縁4aに内側に傾斜するテーパー形状17を連続して付与するものとする。
【0017】
尚、フラップ4を側部支持枠2に軸支する場合には、その長寸軸部14aに捻じりコイルばね16を装着する状態を得て、当該長寸軸部14aを対応する軸受孔部12に臨ませながら、短寸軸部14bを対応する軸受孔部12に強制的に嵌合すれば、これにより、フラップ4が水平方向に弾発付勢された状態をもって回動可能に軸支されることとなる。
【0018】
又、特に、短寸軸部14b側におけるフラップ4の外側面と側部支持枠2の対応する内側面間に画成される隙間に関しては、図3に示す如く、軸支中心軸P側σ1では比較的に広く、軸支中心軸Pから離れた側σ2では比較的狭くなるように設定しているので、これにより、フラップ4の側部支持枠2に対する組み付け作業は容易となるが、一旦、水平状態に付勢された場合には、缶の出し入れ等によって、フラップ4が側部支持枠2から不用意に脱落する心配がない。
【0019】
そして、実際の使用に際しては、上記フラップ4を軸支する側部支持枠2とトレイ3とを回動可能に支承した取付基板1を車両室内の任意個所(図示せず)に固定して、後は、側部支持枠2とトレイ3とを夫々各自の水平な展開位置まで回動すれば、これにより、その使用状態が得られることとなるが、この時には、側部支持枠2は、その姿勢維持片11が取付基板1の係止壁7に係止して、その水平な展開位置が確実に維持され、フラップ4も、側部支持枠2の下面に当接するまで、その捻じりコイルばね16のばね圧で小缶を支持する水平状態が維持されることとなる。
【0020】
そこで、斯かる状態の下で、小缶C1を保持する場合には、従来と同様に、そのまま、受入孔9内に小缶C1を差し込めば、図4に示す如く、小缶C1の底部はトレイ3上に載置されながら、水平状態にあるフラップ4の先端縁4aと受入孔9の内周縁とで確実に保持され、逆に、大缶C2を保持する場合には、フラップ4を大缶C2の底部でその付勢ばね圧に抗して下方へ回動すれば、図5に示す如く、同様に、大缶C2の底部はトレイ3上に載置されながら、今度は、下方に回動したフラップ4の先端縁4aと受入孔9の内周縁とで確実に保持されることとなる。
【0021】
そして、この大缶C2を受入孔9から引き抜く時には、基本的には、そのまま、真っ直ぐに引き上げれば何ら問題はない訳であるが、通常は、どちらかと言うと、大缶C2の底部をフラップ4側に持ち上げた斜め方向へ引く抜く傾向にあるので、このような場合に、フラップ4の基端部と側部支持枠2の下縁との間に不要な空間が生じると、従来のように、当該不要な空間に大缶C2の下側凸縁18が挟まれて、受入孔9の下縁に引っ掛かってしまうので、スムーズな引き抜きができなくなってしまう。
【0022】
しかし、本実施の形態にあっては、既述した如く、側部支持枠2の軸受孔部12にフラップ4の長短軸部14a・14bを嵌合軸支した状態では、その軸支中心軸Pからフラップ4表面までの距離L1と、軸支中心軸Pから舌片15の先端縁までの半径Rを同一寸法に設定した関係で、フラップ4の表面側は、受入孔9の内縁側から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片15の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶C2を斜めから引き抜いたような場合でも、図6に示す如く、大缶C2の下側凸縁18は受入孔9の下縁に引っ掛かることなく、恰も、フラップ4の付勢ばね圧で押し出されるように、スムーズに引き抜けることとなるので、使い勝手が大いに向上する。
【0023】
これに加えて、軸支中心軸Pから受入孔9の上記舌片15の形成位置に対応する中央内縁までの距離L2を、以下のようにすることが好ましい。即ち、図6のAに示すように、大缶C2の下側凸縁18の高さをa、大缶C2の引き抜き角度をθとした時に、L2はL1(=R)との間に、
【数1】
を満たすようにすると、大缶C2を引く抜く際の上記不要な空間をより有効に防止できると共に、種々の大きさの大缶への対応も可能となる。
【0024】
又、小缶C1を斜めから引き抜く場合でも、図7に示す如く、フラップ4の円弧状先端縁4aに付与されたテーパー形状17の存在によって、小缶C1の下側凸縁18もフラップ4の先端縁4aに引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなるので、同様に、使い勝手が大いに向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、請求項1の下では、側部支持枠にフラップを軸支した状態では、その軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径を同一寸法に設定した関係で、フラップの表面側は、受入孔の内周縁から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶を斜めから引き抜くような場合でも、当該大缶の下側凸縁は側部支持枠の受入孔の下縁側に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなる。
【0026】
請求項2の下では、これに加えて、小缶を斜めから引き抜くような場合でも、テーパー形状の存在によって、当該小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの先端縁に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜ける。請求項3の下では、これに加えて、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間が、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっているので、フラップを側部支持枠側に組み付ける作業が容易となると共に、フラップが水平状態にある時は、缶の出し入れによっても、フラップが側部支持枠から不用意に脱落する心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカップホルダーを分解して示す斜視図である。
【図2】フラップを側部支持枠に軸支した状態を示す断面図である。
【図3】フラップの外側面と側部支持枠の内側面の関係を示す底面図である。
【図4】小缶を保持した状態を示す断面図である。
【図5】大缶を保持した状態を示す断面図である。
【図6】(A)(B)(C)は大缶が斜め方向に引き抜かれていく状態を順に説明する説明図である。
【図7】小缶が斜め方向に引き抜かれていく状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 取付基板
2 側部支持枠
3 トレイ
4 フラップ
4a フラップの先端縁
5 軸受孔部
6 軸部
9 受入孔
10 軸部
12 軸受孔部
13 軸受孔部
14a 長寸軸部
14b 短寸軸部
15 舌片
16 捻じりコイルばね
17 テーパー形状
18 下側凸縁
P 軸支中心軸
L1 軸支中心軸からフラップ表面までの距離
L2 軸支中心軸から受入孔の中央内縁までの距離
R 軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径
C1 小缶
C2 大缶
σ1 軸支中心軸側の隙間
σ2 軸支中心軸から離れた側の隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両室内の任意個所に取り付けて使用されるカップホルダーの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種カップホルダーとして、例えば、実開昭64−51540号公報に示すものが存する。
該従来のカップホルダーは、具体的には図示しないが、車両のインストルメントパネル側に組み込まれるハウジングと、該ハウジング内に出し入れ可能に支承される受入孔を有するホルダー体とを備え、ホルダー体の受入孔の下縁側にフラップを回動可能に軸支して、当該フラップをばね圧で水平状態に弾発付勢することにより、その円弧状先端縁が受入孔の中心方向に突出するように構成されている。
【0003】
依って、実際の使用に際して、今仮に、カップとしての小缶を保持する場合には、ハウジングからホルダー体を引き出して、フラップの水平状態を維持したまま、受入孔内に小缶を差し込めば、これにより、小缶が突出するフラップの先端縁と受入孔の内周縁とで確実に保持され、逆に、大缶を保持する場合には、当該大缶の底部で水平状態にあるフラップをその付勢ばね圧に抗して下方に回動させながら、大缶を受入孔内に差し込めば、これにより、大缶が下方に回動したフラップの先端縁と受入孔の内周縁とで確実に保持されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来のカップホルダーの下では、回動可能なフラップの存在により、径の異なる二種類の缶を保持できる利点を有するものではあるが、特に、大缶を保持した状態において、当該大缶を受入孔から斜め方向に引き抜こうとすると、フラップが下方になかり後退しながら回動している関係で、当該フラップの基端部と受入孔の下縁との間に大きな空間が発生してしまうので、大缶の下側凸縁が当該空間に挟まりながら、受入孔の下縁に引っ掛かって、容易に引き抜くことができなくなってしまう恐れを十分に有していた。
【0005】
又、小缶を同様に斜め方向に引き抜こうとすると、今度は、小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの円弧状先端縁に引っ掛かって、やはり、小缶をも容易に引き抜くことができなくなってしまう恐れを有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯かる従来のカップホルダーが抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、車両の室内側に固定される取付基板と、該取付基板に支承される受入孔を有する側部支持枠とを備え、当該側部支持枠の受入孔の下縁側にフラップを回動可能に軸支して、フラップを水平状態に弾発付勢する構成のカップホルダーであって、上記フラップの基端縁中央にその軸支中心軸から側部支持枠方向に延びる舌片を連続して形成すると共に、フラップの軸支中心軸をフラップ表面よりも偏位させて設けて、当該軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径とを等しくなるように設定する構成を採用した。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、フラップの先端縁に内側に傾斜するテーパー形状を付与する構成を採用した。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間は、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっている構成を採用した。
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、側部支持枠にフラップを軸支した状態では、その軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径を同一寸法に設定した関係で、フラップの表面側は、受入孔の内周縁から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶を斜めから引き抜くような場合でも、当該大缶の下側凸縁は側部支持枠の受入孔の下縁側に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなる。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、これに加えて、小缶を斜めから引き抜くような場合でも、テーパー形状の存在によって、当該小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの先端縁に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜ける。請求項3記載の発明にあっては、これに加えて、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間が、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっているので、フラップを側部支持枠側に組み付ける作業が容易となると共に、フラップが水平状態にある時は、缶の出し入れによっても、フラップが側部支持枠から不用意に脱落する心配がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係るカップホルダーは、折畳式として開発されたもので、その基本構造は、図1に示す如く、車両の室内側に固定される取付基板1と、該取付基板1の上部に支承されて水平な展開位置と垂直な折畳位置間を回動する側部支持枠2と、取付基板1の下部に支承されて同じく水平な展開位置と垂直な折畳位置間を回動するリッド兼用のトレイ3と、側部支持枠2側に軸支されて小缶の支持位置と大缶の支持位置間を回動するフラップ4の4部品を備えるものである。
【0012】
これを具体的に説明すると、取付基板1は、全体が矩形板状に成形されて、その上部両側に対しては、上記側部支持枠2を回動可能に支承するための一対の軸受孔部5を形成し、下部両側に対しては、トレイ3を回動可能に支承するための一対の軸部6を形成する一方、上部中央に後述する側部支持枠2の姿勢維持片を係止する凹面7aを有する係止壁7と、トレイ3を垂直な折畳位置にロックするロック片8を形成する構成となっている。
【0013】
側部支持枠2は、中央部に缶の受入孔9を有するリング状に成形されて、その基端部両側に上記軸受孔部5に嵌合する一対の軸部10を形成すると共に、同基端部中央に上記凹面7aを案内として係止壁7に係止する姿勢維持片11を垂設し、且つ、当該姿勢維持片11の内面側、換言すれば、受入孔9の下縁側に一定の間隔をおいて後述するフラップ4の軸部を嵌合する一対の軸受孔部12を形成する構成となっている。
【0014】
トレイ3は、内側に側部支持枠2を収めたまま取付基板1を完全に隠蔽できる大きさの箱形状に成形されて、その両側壁の基端部寄りに上記取付基板1側の軸部6を嵌合する一対の軸受孔部13を形成する構成となっている。
【0015】
フラップ4は、その先端縁4a側が円弧状となるように成形されて、基端部両側に上記側部支持枠2の軸受孔部12に嵌合する一対の軸部14a・14bを互いに内側に向かって形成するものであるが、当該各軸部14a・14bに関しては、フラップ4表面よりも若干下方に偏位させて設けると共に、各々の寸法も長短相違させて、長寸軸部14aに捻じりコイルばね16を装着することにより、フラップ4を常に小缶の支持位置、即ち、水平状態に弾発付勢される構成となっている。又、フラップ4の基端縁中央部には、長短の軸部14a・14bの中間から側部支持枠2方向へ延びる舌片15を連続して形成する構成を併せて採用している。
【0016】
そして、本実施の形態にあっては、斯かる構成を前提として、図2に示す如く、側部支持枠2の軸受孔部12にフラップ4の長短軸部14a・14bを嵌合軸支した状態では、その軸支中心軸Pからフラップ4表面までの距離L1と、軸支中心軸Pから舌片15の先端縁までの半径Rを同一寸法となるように設定したことを特徴とするものである。これに加えて、フラップ4の円弧状先端縁4aに内側に傾斜するテーパー形状17を連続して付与するものとする。
【0017】
尚、フラップ4を側部支持枠2に軸支する場合には、その長寸軸部14aに捻じりコイルばね16を装着する状態を得て、当該長寸軸部14aを対応する軸受孔部12に臨ませながら、短寸軸部14bを対応する軸受孔部12に強制的に嵌合すれば、これにより、フラップ4が水平方向に弾発付勢された状態をもって回動可能に軸支されることとなる。
【0018】
又、特に、短寸軸部14b側におけるフラップ4の外側面と側部支持枠2の対応する内側面間に画成される隙間に関しては、図3に示す如く、軸支中心軸P側σ1では比較的に広く、軸支中心軸Pから離れた側σ2では比較的狭くなるように設定しているので、これにより、フラップ4の側部支持枠2に対する組み付け作業は容易となるが、一旦、水平状態に付勢された場合には、缶の出し入れ等によって、フラップ4が側部支持枠2から不用意に脱落する心配がない。
【0019】
そして、実際の使用に際しては、上記フラップ4を軸支する側部支持枠2とトレイ3とを回動可能に支承した取付基板1を車両室内の任意個所(図示せず)に固定して、後は、側部支持枠2とトレイ3とを夫々各自の水平な展開位置まで回動すれば、これにより、その使用状態が得られることとなるが、この時には、側部支持枠2は、その姿勢維持片11が取付基板1の係止壁7に係止して、その水平な展開位置が確実に維持され、フラップ4も、側部支持枠2の下面に当接するまで、その捻じりコイルばね16のばね圧で小缶を支持する水平状態が維持されることとなる。
【0020】
そこで、斯かる状態の下で、小缶C1を保持する場合には、従来と同様に、そのまま、受入孔9内に小缶C1を差し込めば、図4に示す如く、小缶C1の底部はトレイ3上に載置されながら、水平状態にあるフラップ4の先端縁4aと受入孔9の内周縁とで確実に保持され、逆に、大缶C2を保持する場合には、フラップ4を大缶C2の底部でその付勢ばね圧に抗して下方へ回動すれば、図5に示す如く、同様に、大缶C2の底部はトレイ3上に載置されながら、今度は、下方に回動したフラップ4の先端縁4aと受入孔9の内周縁とで確実に保持されることとなる。
【0021】
そして、この大缶C2を受入孔9から引き抜く時には、基本的には、そのまま、真っ直ぐに引き上げれば何ら問題はない訳であるが、通常は、どちらかと言うと、大缶C2の底部をフラップ4側に持ち上げた斜め方向へ引く抜く傾向にあるので、このような場合に、フラップ4の基端部と側部支持枠2の下縁との間に不要な空間が生じると、従来のように、当該不要な空間に大缶C2の下側凸縁18が挟まれて、受入孔9の下縁に引っ掛かってしまうので、スムーズな引き抜きができなくなってしまう。
【0022】
しかし、本実施の形態にあっては、既述した如く、側部支持枠2の軸受孔部12にフラップ4の長短軸部14a・14bを嵌合軸支した状態では、その軸支中心軸Pからフラップ4表面までの距離L1と、軸支中心軸Pから舌片15の先端縁までの半径Rを同一寸法に設定した関係で、フラップ4の表面側は、受入孔9の内縁側から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片15の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶C2を斜めから引き抜いたような場合でも、図6に示す如く、大缶C2の下側凸縁18は受入孔9の下縁に引っ掛かることなく、恰も、フラップ4の付勢ばね圧で押し出されるように、スムーズに引き抜けることとなるので、使い勝手が大いに向上する。
【0023】
これに加えて、軸支中心軸Pから受入孔9の上記舌片15の形成位置に対応する中央内縁までの距離L2を、以下のようにすることが好ましい。即ち、図6のAに示すように、大缶C2の下側凸縁18の高さをa、大缶C2の引き抜き角度をθとした時に、L2はL1(=R)との間に、
【数1】
を満たすようにすると、大缶C2を引く抜く際の上記不要な空間をより有効に防止できると共に、種々の大きさの大缶への対応も可能となる。
【0024】
又、小缶C1を斜めから引き抜く場合でも、図7に示す如く、フラップ4の円弧状先端縁4aに付与されたテーパー形状17の存在によって、小缶C1の下側凸縁18もフラップ4の先端縁4aに引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなるので、同様に、使い勝手が大いに向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、請求項1の下では、側部支持枠にフラップを軸支した状態では、その軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径を同一寸法に設定した関係で、フラップの表面側は、受入孔の内周縁から出っ張ったり引っ込んだりすることなく、その舌片の存在によって、不要な空間の発生を有効に防止できるので、例え、大缶を斜めから引き抜くような場合でも、当該大缶の下側凸縁は側部支持枠の受入孔の下縁側に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜けることとなる。
【0026】
請求項2の下では、これに加えて、小缶を斜めから引き抜くような場合でも、テーパー形状の存在によって、当該小缶の下側凸縁が水平状態にあるフラップの先端縁に引っ掛かることなく、スムーズに引き抜ける。請求項3の下では、これに加えて、フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間が、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっているので、フラップを側部支持枠側に組み付ける作業が容易となると共に、フラップが水平状態にある時は、缶の出し入れによっても、フラップが側部支持枠から不用意に脱落する心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカップホルダーを分解して示す斜視図である。
【図2】フラップを側部支持枠に軸支した状態を示す断面図である。
【図3】フラップの外側面と側部支持枠の内側面の関係を示す底面図である。
【図4】小缶を保持した状態を示す断面図である。
【図5】大缶を保持した状態を示す断面図である。
【図6】(A)(B)(C)は大缶が斜め方向に引き抜かれていく状態を順に説明する説明図である。
【図7】小缶が斜め方向に引き抜かれていく状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 取付基板
2 側部支持枠
3 トレイ
4 フラップ
4a フラップの先端縁
5 軸受孔部
6 軸部
9 受入孔
10 軸部
12 軸受孔部
13 軸受孔部
14a 長寸軸部
14b 短寸軸部
15 舌片
16 捻じりコイルばね
17 テーパー形状
18 下側凸縁
P 軸支中心軸
L1 軸支中心軸からフラップ表面までの距離
L2 軸支中心軸から受入孔の中央内縁までの距離
R 軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径
C1 小缶
C2 大缶
σ1 軸支中心軸側の隙間
σ2 軸支中心軸から離れた側の隙間
Claims (3)
- 車両の室内側に固定される取付基板と、該取付基板に支承される受入孔を有する側部支持枠とを備え、当該側部支持枠の受入孔の下縁側にフラップを回動可能に軸支して、フラップを水平状態に弾発付勢する構成のカップホルダーであって、上記フラップの基端縁中央にその軸支中心軸から側部支持枠方向に延びる舌片を連続して形成すると共に、フラップの軸支中心軸をフラップ表面よりも偏位させて設けて、当該軸支中心軸からフラップ表面までの距離と、軸支中心軸から舌片の先端縁までの半径とを等しくなるように設定したことを特徴とするカップホルダー。
- フラップの先端縁に内側に傾斜するテーパー形状を付与したことを特徴とする請求項1記載のカップホルダー。
- フラップの外側面と側部支持枠の対応する内側面との間に画成される隙間は、軸支中心軸側では広く、軸支中心軸から離れた側では狭くなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載のカップホルダー。
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