JP3592408B2 - 界面活性剤、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤及び樹脂改質剤 - Google Patents

界面活性剤、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤及び樹脂改質剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩基カルボン酸型構造を有する界面活性剤に関し、また、本発明は該構造を有する乳化重合用乳化剤に関し、また、本発明は該構造を有する懸濁重合用分散剤に関し、また、本発明は該構造を有する樹脂改質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、界面活性剤としては乳化、分散、洗浄、湿潤、起泡等の幅広い性能を有しており、それらの諸性能を利用して、繊維をはじめとし、紙、ゴム、プラスチック、金属、塗料、顔料、土木建築等あらゆる分野に利用されている。特に、最近は界面活性剤を使用した末端商品の高性能化への動きが活発化してきており、それに伴って、界面活性剤が有する副次的な欠点も指摘されている。
例えば、塗料、印刷インキ、接着剤などはその製品の製造時、あるいは製品の安定化、更には作業性などの点で欠かすことができないものである。それらの製品が、塗布、印刷あるいは接着、粘着等の作業で使用された場合は、界面活性剤は不要であり、むしろ存在している界面活性剤によって、塗膜、印刷面、接着皮膜等の耐水性、耐油性等の性能を悪化させる場合が多い。
これらの対策として界面活性剤の配合量の削減、界面活性剤の高分子化等の方向で検討されているが、製品の安定性、作業性等の点で未だ十分に解決されるまでに至っていない。
【0003】
又、従来乳化重合用乳化剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、プルロニック型界面活性剤等の非イオン性界面活性剤が使用されている。
乳化重合用乳化剤は、重合の開始反応や生成反応に関与するだけでなく、生成したエマルジョンの機械安定性、化学的安定性、凍結安定性及び貯蔵安定性にも関与し、更に、エマルジョンの粒子径、粘性及び起泡性等のエマルジョン物性、フィルム化した時の耐水性、耐候性、接着性、耐熱性等のフィルム物性にも大きな影響を及ぼすことが知られている。
しかし、通常の乳化剤を使用して乳化重合したエマルジョンには乳化剤に起因するエマルジョンの泡立ちが高くなること、またエマルジョンからフィルムにした場合に乳化剤が遊離の状態でフィルム中に残るため、接着性、耐水性、耐候性耐熱性等のフィルム物性の低下などの問題点が指摘されている。
【0004】
この様な欠点を解消するため、近年分子中に界面活性能を有する基と重合性基を有する基を有し、乳化剤として作用するだけでなく、重合中徐々に重合体に、化学的な結合で取り込まれていく反応性界面活性剤に関する提案がされている。例えば特開平7−10909号公報、特開平7−18009号公報などがあるが、これらにはクロル酢酸もしくはその塩等を用いてカルボン酸化反応を行うことが記載されているが、この反応では反応率が低く、また、副生成物が多量に生成するため、製造する上で非常に困難である等の問題点が有る。従って、充分な性能が得られず、いずれも上記問題点を充分解決するまでには至っていない。
【0005】
又、従来懸濁重合用分散剤としては、工業的にビニル系樹脂を製造する場合、水性媒体中で分散安定剤の存在下に塩化ビニル系モノマ−を分散させ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合法が広く実施されている。
このような樹脂の品質を支配する因子としては重合率、水/モノマ−比、重合温度、触媒の種類及び量、重合層の型式、攪拌速度あるいは分散安定剤の種類、量等が挙げられるが、中でも分散安定剤の種類による影響が非常に大きい事がしられている。
従来のビニル系樹脂の懸濁重合用分散剤としては、メチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ゼラチンあるいはポリビニルアルコ−ル等の水溶性高分子などが挙げられる。
しかしこの様な分散剤は重合後のビニル樹脂中にフリ−で残存してしまい、それに起因してビニル樹脂の耐水性、耐候性、耐久性等の樹脂の物性を下げてしまうという問題があった。
【0006】
又、ビニル系樹脂改質剤としては、従来、ビニル重合体の改質剤として特開平1−174511号公報があるが、この改質剤を用いた場合、単量体との相溶性が悪いために均一な共重合体が得られなかった。
相溶性を改良する試みとして、特開平1−174512号公報があるが、尚充分な相溶性を得るには至らず、また重合体に対する改質効果も不充分であるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、構造中に2塩基酸のカルボキシル基を有する化合物を用いることにより、上記問題点を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の目的は上記欠点のない2塩基カルボン酸型構造を有する新規な界面活性剤を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は上記欠点のない2塩基カルボン酸型構造を有する新規な乳化重合用乳化剤を提供することにある。
【0010】
また、本発明の更に他の目的は上記欠点のない2塩基カルボン酸型構造を有する新規な懸濁重合用分散剤を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は上記欠点のない2塩基カルボン酸型構造を有する新規なビニル系樹脂改質剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式
[X−O−(R−O)−OC−R−COO]M (1)
式中、Mは、水素原子あるいは金属原子、または4級窒素を有する基を表し、yは、Mの価数と同数であり、Rは1種または2種以上の炭化水素基を表し、Rは二塩基酸またはその無水物の残基を表し、mは、0〜1000の数であり、Xは、以下の一般式(A)
【化3】
Figure 0003592408
(式中、R は、水素原子またはメチル基を表し、R は、CH を表し、R は、1種または2種以上の炭化水素基を表し、nは0〜1000の数であり、R は、水素原子、またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基を表す)で表される基、または以下の一般式(B)
【化4】
Figure 0003592408
(式中、R は、水素原子またはメチル基を表し、R は、CH またはC=Oを表し、R は、水素原子またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基を表す)で表される基である]
で表わされる化合物からなる界面活性剤、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤及び樹脂改質剤である。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記一般式(1)において、Mは水素原子あるいは金属原子、または4級窒素を有する基、すなわちカチオン性原子または基である。金属原子としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属等が挙げられ、4級窒素を有する基では、アンモニアの4級アンモニウム、モノエタノ−ルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンの4級アンモニウム、モノメチルアミン、ジプロピルアミン等のアルキルアミンの4級アンモニウムが挙げられる。
【0014】
一般式(1)及び(A)中のR及びRは、1種または2種以上の炭化水素基であって、直鎖、分岐鎖、環式、飽和、不飽和にかかわらないが、好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基またはスチレンオキサイド残基(フェニルエチレン基)である。例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、スチレンオキサイド残基等である。R及びRは同一であっても異なってもよい。
【0015】
一般式(1)および(A)中の(R−O) 、(R−O) 部は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等により、R及びRが決定され、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。また、重合度m、nは0〜1000の数であり、m、nは好ましくは0〜500の範囲、更に好ましくは0〜100の範囲がよい。m、nは同一であっても異なってもよい。
【0016】
は、二塩基酸またはその無水物の残基である。二塩基酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の飽和脂環族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジック酸、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチルペンテニルテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは無水物の形で用いられてもよい。
【0017】
また、これら塩基酸の中でも、重合性炭素−炭素2重結合を有するものは、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂改質剤として用いた場合に、ポリマー成分に組み込まれやすい。すなわち、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジック酸等の不飽和脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0018】
は、以下一般式(A)、(B)で表わされる基である。すなわち、一般式(A)は、【化5】
Figure 0003592408
但し、式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、RはCH 表し、R 、nは前述と同意義であり、Rは水素原子、またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基である。かかる一般式(A)で表わされる基は、(メタ)アリルグリシジルエーテル等の開環反応により得ることができる。
【0019】
また、一般式(B)は、
【化6】
Figure 0003592408
但し、式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Rは、CHまたはC=Oを表し、Rは水素原子、またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基である。かかる一般式(B)で表わされる基は、RがCHの場合は、末端エポキシドと(メタ)アリルアルコール等の開環反応により、また、RがC=Oの場合は、末端エポキシドと(メタ)アクリル酸等の開環反応により得ることができる。
【0020】
及び 、水素原子がふっ素原子で置換されてもよい炭化水素であって、炭素原子数1〜36のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基であるのが好ましい。
【0021】
ふっ素原子で置換されてもよいアルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル、トリデカフルオロオクチル、ヘプタデカフルオロドデシル、ヘンエイコサフルオロドデシル、ペンタコサフルオロドデシル、ノナコサフルオロドデシル、トリトリアコンタフルオロオクタデシル、2−ペンタフルオロエチルペンタフルオロヘキシル、2−トリデカフルオロヘキイルトリデカフルオロデシル、2−ヘンエイコサフルオロデシルヘンエイコサフルオロテトラデシル、2−ペンタコサフウルオロドデシルペンタコサフルオロヘキサデシル、2−ノナコサフルオロテトラデシルノナコサフルオロオクタデシル基等が挙げられる。
【0022】
ふっ素原子で置換されてもよいアルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0023】
ふっ素原子で置換されてもよいアラルキル基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0024】
ふっ素原子で置換されてもよいアシル基としては、前記のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基の結合末端にカルボニル基が結合した基が挙げられる。例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクロイル、クロトノイル、オレイロイル、ベンゾイル、フタロイル、スクシニル等が挙げられる。
【0025】
更に、前記条件に加えて、R及びRは水素でもよい。
【0026】
本発明の化合物は界面活性剤として使用することができ、また、特にビニル基等のラジカル重合系と反応性を有する界面活性剤として乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂用改質(親水性調節、相溶性向上、帯電防止性向上、防曇性向上、耐水性向上、接着性向上、染色性向上、造膜性向上、耐候性向上、耐ブロッキング性向上等)剤に使用することができる。
【0027】
また、本発明の化合物は、構造中にカルボキシル基またはその塩を有するため、洗浄剤、湿潤剤として用いる場合は両親媒性を向上させる。
【0028】
乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤として使用する場合は重合可能な二重結合基を有するため、従来、非反応型乳化剤を使用した場合に問題となっていたエマルションまたはサスペンジョンの泡立ち、エマルションまたはサスペンジョンから得られるポリマーの諸物性(耐水性・耐候性・接着性等)の低下、製造工程において出てくる排水中に乳化剤を含有するために起こる排水負荷、環境破壊等の種々の問題点を解決出来る。また、末端にカルボキシル基またはその塩を有するため、樹脂をエマルションまたはサスペンジョンから析出させる塩析・酸析等による析出操作が容易にできる。また、析出操作時に出る排水に該乳化剤、該分散剤が含まれないため、排水負荷・環境破壊に繋がらないという利点を有する。この点については特にABS樹脂の製造時に有用である。
【0029】
更に、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、ビニル系樹脂用改質剤として使用する場合は例えば金属酸化剤の存在によって樹脂ポリマーを架橋させることも可能である。
【0030】
本発明の界面活性剤を洗浄剤として使用する場合は、Rの炭素原子数は8〜24、mは1〜100の数である化合物が好ましい。使用量としては0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0031】
本発明の界面活性剤は湿潤剤として使用する場合は、Rの炭素原子数は8〜24、mは1〜100の数である化合物が好ましい。使用量としては0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0032】
本発明の乳化重合用乳化剤は、Rの炭素原子数は1〜24、mは1〜100の数である化合物が好ましい。
【0033】
本発明の乳化重合用乳化剤を使用するのに適している重合系は、ラジカル重合系である。好ましくは、以下に例示するモノマーからなるホモポリマーあるいはコポリマーである。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン等のビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等のα−オレフィン化合物、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等の共役ジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン化合物、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンラテックス(ABSラテックス)、スチレン−ブタジエンラテックス(SBRラテックス)、アクリル系エマルション、アクリル−スチレン系エマルション等が挙げられる。
【0034】
本発明の乳化重合用乳化剤の使用量は、従来公知の乳化重合用乳化剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね、原料モノマーに対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%が良い。また、該化合物と他の乳化剤との併用も可能である。
【0035】
本発明の懸濁重合用分散剤は、Rは炭素原子数1〜24、mは1〜100の数である化合物が好ましい。
【0036】
本発明のカルボン酸型新規懸濁重合用分散剤を使用するのに適している重合系は、塩化ビニル系モノマーの懸濁重合である。当該分散剤を使用して製造するのに適しているポリマーは、以下に例示するモノマーからなるホモポリマーあるいはコポリマーである。すなわち、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン等のビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル化合物、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等のα−オレフィン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン化合物、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類等である。
【0037】
本発明の懸濁重合用分散剤の使用量は、従来公知の懸濁重合用分散剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね、原料モノマーに対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%が良い。また、本発明の懸濁重合用分散剤と他の懸濁重合用分散剤の併用は該化合物の性能が低下しない範囲で可能である。
【0038】
本発明の樹脂改質剤は、Rは炭素原子数1〜24、mは1〜10の数である化合物が好ましい。
【0039】
本発明の樹脂改質剤を適用するのに適している樹脂は、ビニル系モノマーからなるホモポリマーあるいはコポリマーである樹脂である。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン等のビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル化合物、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等のα−オレフィン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン化合物、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類等が挙げられる。本発明の樹脂改質剤は上記のホモポリマーあるいはコポリマーである樹脂の製造時に添加することができる。また、上記のホモポリマーあるいはコポリマーである樹脂を加工する際に添加することも可能である。
【0040】
本発明の樹脂改質剤は、構造中にエーテル鎖を含有する化合物を用いることにより、優れた相溶性を示す。また、(R−O) 、(R−O) を有する場合は、必要に応じて該アルキレンオキサイド鎖の鎖長及び構成するアルキレンオキサイドの種類を改質の目的及び単量体との相溶性に応じて選択することにより親水性を容易に調節することができる。
【0041】
このため本発明の樹脂改質剤は単量体との相溶性と改質効果を同時に向上させることができるものである。
【0042】
また、本発明の樹脂改質剤を使用することにより、使用された樹脂に永久帯電防止、防曇性を付与することが可能である。
【0043】
本発明の樹脂改質剤の使用量は、単量体の種類、改質の目的、要求される性能などにより、種々変えることができるが、例えば単量体に対して0.1〜80重量%使用することができ、とくに親水性の不充分な水溶性樹脂を親水性の高い重合体にしようとする場合等では、単量体に対して1〜80重量%使用することが好ましい。
【0044】
その他の用途、例えば耐水性、接着性、帯電防止性、防曇性、染色性、造膜性、耐候性、耐ブロッキング性等の向上のため、あるいはポリマ−アロイのための重合体に相溶化性を付与しようとする場合等には単量体に対して0.1〜60重量%使用することが好ましい。
【0045】
本発明の樹脂改質剤を使用する場合にはポリマー物性の改善のためにジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド等の架橋性ジビニル化合物等を通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。
【0046】
本発明の化合物の製法としては、置換基Xの結合末端に水酸基が付いた化合物、すなわちX−OHと二塩基酸あるいはその無水物を攪拌下、35℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃で2〜6時間反応させることにより容易に得られる。必要に応じて触媒も使用できる。ここで得られた化合物のMは水素であり、その後に中和してMをアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムもしくはアルカノ−ルアンモニウム等としてもよい。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、モノメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン等のアルキルアミン等が挙げられる。
【0047】
なお、本発明の一般式(1)で示される化合物の合成法は上記に限定されるものではないことを理解されたい。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明する。
なお、以下の記載において、EO、BO及びSOはそれぞれ下記の意味を有する:
【表1】
Figure 0003592408
【0049】
(製造例A)
1モルの
【化7】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、50℃に昇温後、1モルの無水マレイン酸を仕込んだ。50℃で2時間撹拌し、更に、70℃で1時間撹拌し、酸価が64.8mgKOH/gの化合物を得た。この化合物をNaOHで中和して、化合物Aを得た。
【0050】
(製造例B)
1モルの
【化8】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、50℃に昇温後、1モルの無水マレイン酸を仕込んだ。50℃で2時間撹拌し、更に、70℃で1時間撹拌した。この時の反応物の酸価は27.5mgKOH/gである化合物を得た。その後、KOHで中和して、化合物Bを得た。
【0051】
(製造例C)
1モルの
【化9】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、60℃に昇温後、1モルの無水フタル酸を仕込んだ。60℃で2時間撹拌し、更に、80℃で2時間撹拌した。この時の反応物の酸価は17.3mgKOH/gである化合物を得た。その後、アンモニアで中和して、化合物Cを得た。
【0052】
(製造例D)
1モルの
【化10】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、60℃に昇温後、1モルの無水コハク酸を仕込んだ。60℃で2時間撹拌し、更に、80℃で2時間撹拌した。この時の反応物の酸価は32.6mgKOH/gである化合物を得た。その後、NaOHで中和して、化合物Dを得た。
【0053】
(製造例E)
1モルの
【化11】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、50℃に昇温後、1モルのシトラコン酸を仕込んだ。50℃で2時間撹拌し、更に70℃で3時間撹拌した。この時の反応物の酸価は21.1mgKOH/gである化合物を得た。その後、モノエタノールアミンで中和して、化合物Eを得た(なお、PO/EOは、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドのランダム重合物)。
【0054】
(製造例F)
1モルの
【化12】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、60℃に昇温後、1モルのヘキサヒドロ無水フタル酸を仕込んだ。60℃で2時間撹拌し、更に、90℃で4時間撹拌した。この時の反応物の酸価は17.5mgKOH/gである化合物を得た。その後、ジメチルアミンで中和して、化合物Fを得た。
【0055】
(製造例G)
1モルの
【化13】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、40℃に昇温後、1モルのテトラヒドロ無水フタル酸を仕込んだ。40℃で3時間撹拌し、更に60℃で2時間撹拌した。この時の反応物の酸価は76.5mgKOH/gである化合物を得た。その後、ジメチルアミンで中和して、化合物Gを得た。
【0056】
(製造例
1モルの
【化14】
Figure 0003592408
を撹拌機付き4ツ口フラスコに仕込み、50℃に昇温後、1モルの無水マレイン酸を仕込んだ。50℃で2時間撹拌し、更に、70℃で1時間撹拌し、酸価が72.1mgKOH/gの化合物を得た。
【0057】
得られた化合物(A)〜()の化学式を以下の表2−1及び表2−2に記載する:
【表2】
Figure 0003592408
【0058】
【表3】
Figure 0003592408
【0059】
また、比較品として、カルボキシル基を有しない公知の界面活性剤、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂改質剤を以下に挙げる:
比較品(1)
1モルの
【化15】
Figure 0003592408
を用いて、特開平7−18009号及び特開平7−10909号公報等に記載されている方法に準じてカルボン酸化反応を行い、副生成物として食塩が生成し、濾過処理により除去した。得られた化合物はカルボン酸化された化合物が73%、未反応の(D)が27%残存していた。
【0060】
比較品(2)
【化16】
Figure 0003592408
【0061】
比較品(3)
1735COONa
【0062】
比較品(4)
【化17】
Figure 0003592408
特開平7−18011号公報記載の方法に準じて製造した。
【0063】
比較品(5)
【化18】
Figure 0003592408
特開平7−18009号公報記載の方法に準じて製造した。
【0064】
比較品(6)
【化19】
Figure 0003592408
特開平7−10909号公報記載の方法に準じて製造した。
【0065】
比較品(7)
【化20】
Figure 0003592408
特開平7−248005号公報記載の方法に準じて製造した。
【0066】
実施例1
本発明の界面活性剤(A)〜()、および比較品(1)〜(7)について、カ−ボンブラックの分散性能を測定した。その結果を表3に示した。
なお、試験方法は以下の通りである:
(1)分散性能試験方法
容量100mlの共栓付メスシリンダ−に界面活性剤1g、カ−ボンブラック10gを入れ、水にて溶解分散させ100mlに調整した。
次に、そのメスシリンダ−を1分間に100回振倒した後、1時間25℃にて静置した。その後、液上面から30cc抜き取りグラスフィルタ−にて濾過した後、105℃にて、乾燥させ、グラスフィルタ−上の残査の重量より分散性を次式により測定した。
分散性能(%)=[グラスフィルタ−の残査重量(g)]/3(g)×100
【0067】
【表4】
Figure 0003592408
【0068】
実施例2
本発明の乳化重合用乳化剤(A)〜()、および比較品(1)〜(7)を用いて、スチレンとブタジエンおよびアクリロニトリルをモノマ−として乳化重合を行った。得られた重合体エマルジョンについて、その機械安定性、発泡性及び重合体エマルジョンから得られるポリマ−フィルムについて耐水性を測定した。
<重合方法>
系内を窒素ガスで置換した高圧反応容器に水110gを仕込み、本発明の乳化重合用乳化剤(A)〜()、および比較品(1)〜(7)を4.0g溶解した。その後、過硫酸カリウム1gを添加後ブタジエン90gを5時間かけてフィードした。その後、熟成を行いポリブタジエンラッテクスを得た。
このポリブタジエンラテックスに水150gを添加し、本発明の乳化重合用乳化剤(A)〜()および比較品(1)〜(7)を2.0g溶解した。系内を窒素ガスで置換した後、過硫酸カリウムを0.5gを反応容器に加え、スチレンモノマ−40g、アクリロニトリルモノマ−10gの混合モノマーを2時間にわたってフィードした。フィード終了後4時間熟成しABS樹脂のラッテクスを得た。
【0069】
実施例3
本発明の乳化重合用乳化剤(A)〜()、および比較品(1)〜(7)を用いて、アクリル酸メチルをモノマ−として乳化重合を行った。得られた重合体エマルジョンについて、その機械安定性、発泡性及び重合体エマルジョンから得られるポリマ−フィルムについて耐水性を測定した。
<重合方法>
還流冷却器、撹拌機、滴下ロ−ト及び温度計を備えた反応容器に水120gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にアクリル酸メチルを80gに本発明の乳化重合用乳化剤(A)〜()、および比較品(1)〜(7)を4g溶解し、この内の8.4gと過流酸カリウム0.08g、亜硫酸水素ナトリウム0.04gを反応容器に加え、50℃で重合を開始した。そして残りのモノマ−・乳化重合用乳化剤を2時間にわたって反応器内に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しエマルジョンを得た。
【0070】
以上の実施例2及び3で得られた樹脂に対して以下の試験法により試験を行った。
<試験方法>
(1)機械安定性
エマルジョン50gをマロン法安定度試験器で10kg、1000rpmの条件で5分間回転させ、生成した凝塊物を100メッシュの金網で濾過し、濾過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥し、この重量を固型分に対する重量%で表した。
(2)発泡性
エマルジョンを水で2倍に希釈し、この希釈エマルジョン20mlを100mlの目盛り付き試験管に入れ、10秒間上下に強振した時の泡高を測定してmlで表示した。
(3)フィルムの耐水性
0.2mmのポリマ−フィルムの水浸漬法による白化に要する時間により、
◎:1日以上、○:1時間以上、×:1時間未満という基準で評価した。
(4)酸析性試験
ABSエマション100gに1N塩酸を10ml添加し50℃で5分間撹拌後、静置した。その後、ABS樹脂の凝集性を観察した。
◎:完全に樹脂が凝集し、上澄み液が透明。
○:一部の樹脂が凝集し、上澄み液は白濁。
×:凝集がない。
実施例2の結果を表4に、実施例3の結果を表5にそれぞれ示す。
【0071】
【表5】
Figure 0003592408
【0072】
【表6】
Figure 0003592408
【0073】
実施例4
150リットルのグラスライニングオ−トクレ−ブに脱イオン水150gに懸濁重合用分散剤(A)〜()、及び比較品(1)〜(7)を2g及びジ−2−エチルヘキシルパ−オキジカ−ボネ−ト0.2重量部を仕込み、オ−トクレ−ブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモノマ−を100重量部仕込み、回転数500rpmで撹拌下に57℃に昇温して重合を行った。
重合開始時、オ−トグレ−ブ内の圧力は8.0kg/cmGであったが、重合開始7時間後、4.0kg/cmGとなったので、この時点で重合を停止し、未反応塩化ビニルモノマ−をパ−ジし、内容物を取り出し脱水乾燥した。
【0074】
実施例4で得られた樹脂に対して以下の試験法により試験を行った。
(1)粒径分布
タイラーメッシュ基準の金網を使用して乾式篩い分析により行った。
(2)耐水性
0.5mm厚の塩化ビニル樹脂のフィルムを作成し、50℃の温水に浸漬させ、フィルムが白化するまでに要する時間を測定した。
【0075】
【表7】
Figure 0003592408
【0076】
実施例5
還流冷却器、撹拌器、滴下ロ−ト及び温度計を備えた反応容器にキシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。
別にスチレン150g、本発明の樹脂改質剤(A)〜()、及び比較品(1)、(4)、(5)、(6)、(7)7.5g、過酸化ベンゾイル2g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサイド1gの混合溶液を調整し、反応温度130℃で上記混合溶液を2時間にわたり反応器内に連続的に滴下した。更に、キシレン10g、過酸化ベンゾイル0.5g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサイド0.5gの混合溶液を滴下し、2時間反応させた。その後冷却し、キシレンを90g添加し、重合体溶液を得た。
【0077】
実施例6
還流冷却器、撹拌器、滴下ロ−ト及び温度計を備えた反応容器にキシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。
別にアクリル酸2−エチルヘキシル75g、メタクリル酸75g、本発明の樹脂改質剤(A)、(C)、(E)、(G)、及び比較品(1)、(4)、(5)、(6)、(7)15g、過酸化ベンゾイル2g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサイド0.5gの混合溶液を調整し、反応温度130℃で上記混合溶液を2時間にわたり反応器内に連続的に滴下した。更に、キシレン10g、過酸化ベンゾイル0.5g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサイド0.5gの混合溶液を滴下し、2時間反応させた。その後冷却し、キシレンを90g添加し、重合体溶液を得た。
【0078】
以上の実施例5及び6で得られた各重合体溶液で0.2mm厚のポリマ−フィルムを常法により作製し、それぞれ以下の方法で防曇性、帯電防止性を評価した。得られた結果を表7に示す。
<測定・評価方法>
(1)フィルムの防曇性
上記ポリマ−フィルムに対する水の接触角を測定した。
(2)フィルムの帯電防止性
上記ポリマ−フィルムを温度20℃、湿度35%の雰囲気中に24時間放置後、表面固有抵抗を測定した。
【0079】
【表8】
Figure 0003592408
【0080】
実施例7
ポリプロピレンの樹脂ペレット100gと、本発明の樹脂改質剤(A)〜()、及び比較品(1)、(4)、(5)、(6)、(7)5gを混練機に仕込み、210℃で30分間混練した。その後、10cm×10cm×5mmの型に流し込み、試験片を作成した。
【0081】
実施例8
ポリスチレンの樹脂ペレット100gと、本発明の樹脂改質剤(A)〜()、及び比較品(1)、(4)、(5)、(6)、(7)10gを混練機に仕込み、210℃で30分間混練した。その後、10cm×10cm×5mmの型に流し込み、試験片を作成した。
以上の試験片を、実施例5及び6と同様の試験方法により、防曇性、帯電防止性を測定した。結果を表8に示す。
【0082】
【表9】
Figure 0003592408
【0083】
【発明の効果】
本発明の効果は、新規な界面活性剤を提供したことにある。
また、本発明の他の効果は新規な乳化重合用乳化剤を提供したことにある。
更に、本発明の他の効果は新規な懸濁重合用分散剤を提供したことにある。
また、本発明の他の効果は新規な樹脂改質剤を提供したことにある。

Claims (7)

  1. 一般式
    [X−O−(R−O)−OC−R−COO]M (1)
    式中、Mは、水素原子あるいは金属原子、または4級窒素を有する基を表し、yは、Mの価数と同数であり、Rは1種または2種以上の炭化水素基を表し、Rは二塩基酸またはその無水物の残基を表し、mは、0〜1000の数であり、Xは、以下の一般式(A)
    Figure 0003592408
    (式中、R は、水素原子またはメチル基を表し、R は、CH を表し、R は、1種または2種以上の炭化水素基を表し、nは0〜1000の数であり、R は、水素原子、またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基を表す)で表される基、または以下の一般式(B)
    Figure 0003592408
    (式中、R は、水素原子またはメチル基を表し、R は、CH またはC=Oを表し、R は、水素原子またはふっ素原子を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アシル基のうちのいずれかの基を表す)で表される基である]
    で表わされる化合物からなる界面活性剤。
  2. 一般式(1)で表わされる化合物において、Mが、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、4級アンモニウム、アルカノールアミンの4級アンモニウム、アルキルアミンの4級アンモニウムのいずれかである請求項1記載の界面活性剤。
  3. 一般式(1)で表わされる化合物において、R及びRが、互いに同一であっても異なってもよい1種または2種以上の炭素原子数2〜4のアルキレン基、フェニルエチレン基のいずれかである化合物からなる請求項1または2記載の界面活性剤。
  4. 一般式(1)で表わされる化合物において、Rが、塩基酸またはその無水物の残基であって、重合性炭素−炭素2重結合を1つ以上有する請求項1ないしのいずれか1項記載の界面活性剤。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項記載の化合物からなる乳化重合用乳化剤。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項記載の化合物からなる懸濁重合用分散剤。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項記載の化合物からなる樹脂改質剤。
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