JP2007177185A - 乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション - Google Patents

乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション Download PDF

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賀之 橋本
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康伸 羽田
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豊治 松原
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Abstract

【課題】ポリマー及びポリマーフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性が改善された反応性乳化重合用乳化剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるポリグルコシド化合物を含有する乳化重合用乳化剤。
Figure 2007177185

(式中、Rは炭化水素基、Rは水素原子またはメチル基、Aは酸素原子またはNH。)
【選択図】なし

Description

本発明は、乳化重合する際に用いられる乳化重合用乳化剤、その乳化重合用乳化剤を使用したポリマーエマルションの製造方法、及びその製造方法により得られうるポリマーエマルションに関する。
従来、乳化重合用乳化剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン性界面活性剤が単独あるいは併用で使用されているが、ポリマーエマルションの安定性、また該エマルションから得られたポリマーフィルムの性質等は、必ずしも充分に満足し得るものではなく、多くの解決すべき問題点が残されている。
例えば、エマルションの重合安定性、得られたエマルションの機械安定性、化学安定性、凍結融解安定性、顔料混和性、貯蔵安定性等の問題が挙げられる。特に、機械的安定性については、改善すべき問題点が残されている。さらに、エマルションからポリマーフィルムを作成した際、使用した乳化剤が遊離の状態でポリマーフィルム中に残留するため、フィルムの耐水性、接着性が劣る等の問題を生じている。また、エマルションを塩析または酸析等の手段によって破壊し、ポリマーを取り出す際、排水中に多くの乳化剤が含有され、河川汚濁の原因となるため、乳化剤の除去処理に多大の労力が必要となる。
このような観点から従来の乳化重合用乳化剤の問題点を改善するため、反応基として共重合性の不飽和基を有し、親水基にポリオキシアルキレン鎖及びイオン性基を導入した反応性乳化剤が数多く提案されている。
例えば、特許文献1〜3等にはアニオン性の反応性界面活性剤、そして特許文献4〜6等にはノニオン性の反応性界面活性剤がそれぞれ記載されており、各種モノマーについて乳化重合が試みられている。これらの反応性乳化剤を乳化剤として使用したエマルションは重合時の安定性が良く、また、該エマルションから得られたポリマーフィルムは耐水性、接着性、耐熱性、耐候性において優れた性能を示すものである。
しかしながら、このようなアルキレンオキサイドから誘導される反応性乳化剤の問題点として、未反応のアルキレンオキサイドが製品中に残存すること、副生成物として発がん性や刺激性の高い物質が発生することが挙げられる。例えば、合成時の有害なジオキサンの生成や、アルキレンオキサイド鎖の酸化分解により有害性のアルデヒド類を生成することが知られており、シックハウス症候群やVOC問題が騒がれる近年、アルデヒド等を含む乳化重合用乳化剤をエマルションの製造に用いるのは好ましくない。
特開平8−41112号公報 特開平1−99638号公報 特開昭58−203960号公報 特開2003−268021号公報 特開平4−50204号公報 特開昭63−54927号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は親水基としてポリオキシアルキレン鎖を持たず、乳化重合時の安定性を良好なものとし、しかも、ポリマー及びポリマーフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性が著しく改善された反応性乳化重合用乳化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、共重合性の不飽和基を有し、親水基部分としてポリグルコシドまたはポリグルコシド部分に種々のアニオン性親水基を導入したポリグルコシド化合物を乳化重合用乳化剤として用いることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリグルコシド化合物を含有してなることを特徴とする乳化重合用乳化剤である。
Figure 2007177185
(式中、Rは炭化水素基、Rは水素原子またはメチル基、Aは酸素原子またはNHである。Gは単糖類の残基を表す。nは1〜30である。また、(G)nに含まれる水酸基の内、少なくとも一つの水酸基がアニオン性親水基に置換されていても良い。)
本発明のポリマーエマルションの製造方法は、モノマーに対して前記の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させる、または前記モノマー重合後のポリマーに添加することを特徴とするものである。
さらに、本発明のポリマーエマルションは、前記のポリマーエマルションの製造方法により得られるポリマーエマルションである。
本発明の乳化重合用乳化剤によれば、その分子中の疎水基部分に共重合性の不飽和基を有し、重合性のモノマーとの共重合性に優れ、ポリマー組成に取り込まれやすい。そのため、共重合性の反応性乳化重合用乳化剤として有用であり、本発明の乳化重合用乳化剤を使用し重合されたポリマーエマルションから得られたポリマーフィルム中に遊離した状態で存在する乳化剤量が減少しフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性向上に極めて優れた効果を発揮する。かつポリマーエマルションの泡立ち、機械安定性等が著しく改善される。更に、ジオキサンやアルデヒド類などの有害物質を大幅に低減したポリマーエマルションを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の乳化重合用乳化剤は、下記一般式(1)で表されるポリグルコシド化合物を含有してなる。
Figure 2007177185
上記一般式(1)の化合物において、式中Rは炭化水素基を表す。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、クミルフェニル、スチレン化クレシル、ベンジルキシリル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
また、Rは上記に記載の炭化水素基を2種類以上含んでいても良い。
一般式(1)において、Rは炭素数6から30のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。
通常、Rはα−オレフィンエポキシドからエポキシド部分を除いた残基である。工業的に製造されるα−オレフィンエポキシドとしては、ダイセル化学工業(株)製のAOEシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のエポサイザーシリーズ、ARKEMA社製のVikoloxシリーズなどがある。これらは商業生産上好適に使用できる原料の一例である。また、これらを2種類以上配合して使用することも可能である。
上記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基である。
一般式(1)において、nは1〜30で、好ましくは1〜10である。
また、(G)nに含まれる水酸基の少なくとも一つはアニオン性親水基に置換されていても良い。
前記アニオン性親水基としては、下記一般式(2)〜(6)で表されるサルフェート基(一般式2)、ホスホネート基(一般式3)、カルボキシレート基(一般式4又は5)、サクシネート基(一般式6)が挙げられる。
Figure 2007177185
式中、Rは二塩基酸からカルボキシル基を除いた残基を表す。M及びM’は水素原子、金属原子、アンモニウム、アルカノールアミンまたは炭化水素基を表し、MとM’は異なるものでも同一のものでも良い。
上記Rは、二塩基酸からカルボキシル基を除いた残基である。このような二塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の飽和脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジック酸、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチルペンテニルテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
M及びM’は水素原子、金属原子、アンモニウム、または炭化水素基を表す。金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられる。アンモニウムとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアンモニウムが挙げられる。炭化水素基としては上記に記載のものが挙げられる。また、M及びM’は異なるものでも同一のものでも良く、上記記載のものを2種類以上含んでいても良い。
(G)nに含まれるアニオン性親水基としては上記に記載の2種類を以上含んでいても良い。
[合成方法]
本発明の乳化重合用乳化剤を得るための反応条件は特に限定されるものではなく、例えば、α−オレフィンエポキシとアクリル酸またはアクリルアミドを触媒存在下反応させた後、得られた反応組成物にポリグリセリン部分を導入して、本発明の乳化重合用乳化剤を得ることができる。また、必要に応じ公知の方法で精製を行っても良い。
反応性基を持った疎水基部分へのポリグルコシドの導入は、アルキルポリグルコシドの公知の製造方法を適用することにより可能である。アルキルポリグルコシドの製造方法は、例えば、特開2001−278891号公報、特開平11−209391号公報、特開平8−269103号公報、特開昭64−47796号公報、特開昭62−292789号公報等において開示されている方法によることができる。
一般的に用いられるアルキルポリグルコシドの製造方法としては、糖と脂肪アルコールを酸触媒下で反応させアルキルポリグルコシドを得る方法、または糖とブタノールを酸触媒下で反応させブチルポリグルコシドにした後、脂肪アルコールと交換反応させて二段階でアルキルポリグルコシドを得る方法がある。
ポリグルコシド化合物の製造に使用される糖としては、単糖、単糖誘導体、またはオリゴ糖がある。単糖ではヘキソース類として、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、ガラクトース、タロース、グロース、イドース、フルクトース、プシコース、タガトース、ソルボース等がある。ペントース類として、リボース、アラビノース、キシルロース、リキソース、リブロース等がある。
単糖誘導体では、デオキシ糖として、ラムノース、フコース等がある。ウロン酸として、グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸等がある。また、アミノ糖としてグルコサミン、コンドロサミン等がある。
オリゴ糖としては、重合度が2〜10のマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖、マンノオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。
また、上記に記載の単糖、単糖誘導体またはオリゴ糖を2種類以上配合して使用することもできる。
ポリグルコシド部分へのアニオン性親水基の導入は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、一般式(2)のアニオン性親水基を導入するには、スルファミン酸、クロロスルホン酸、無水硫酸、または硫酸を用い硫酸エステル化することにより得ることができる。一般式(3)のアニオン性親水基を導入するには、五酸化二リンまたはポリリン酸を用いリン酸エステル化することにより得ることができる。一般式(4)のアニオン性親水基を導入するには、モノハロゲン低級カルボン酸(モノクロル酢酸、モノブロムプロピオン酸等)を用いエーテルカルボキシル化することにより得ることができる。一般式(5)のアニオン性親水基を導入するには、二塩基酸(無水物である方が好ましい)を用いてエステルカルボキシル化することにより得ることができる。また、一般式(6)のアニオン性親水基を導入するには、無水マレイン酸でエステルカルボキシル化した後、亜硫酸ナトリウムでスルホン化することにより得ることができる。
[乳化重合用モノマー]
本発明の乳化重合用乳化剤を用いた乳化重合に適用されうるモノマーとしては各種のものを挙げることができ、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエステル等のアクリル系モノマー、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役系ジオレフィン系モノマー等の他、エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸メチル等がある。本発明の乳化重合用乳化剤は、上記モノマーの1種または2種以上の乳化重合または懸濁重合に利用できる。
[重合条件]
本発明の乳化重合用乳化剤を用いた乳化重合反応に使用される重合開始剤は従来公知のものでよく、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等が利用できる。重合促進剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム等が使用できる。また、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素などを用いても良い。
本発明の乳化重合用乳化剤の使用量は、通常、全モノマーに対して0.1〜20.0%が適当である。なお、より好ましくは、0.2〜10.0%が適当である。
本発明の乳化重合用乳化剤は、それ単独でも乳化重合は良好に完結しうるが、さらにアニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤または/及びノニオン界面活性剤を併用してもよく、これにより乳化重合時の重合安定性が向上し、また後工程における処理特性を向上させることができる。
かかるアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアリール硫酸塩などが挙げられ、カチオン界面活性剤としてはステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これら他の界面活性剤の使用量としては、本発明の乳化重合用乳化剤100部に対して、0.5〜100重量部含まれることが好ましく、より好ましくは5〜60重量部である。さらに好ましくは10〜30重量部である。
また、乳化重合時の重合安定性を向上させる目的で公知の保護コロイド剤を併用することができる。併用できる保護コロイド剤としては、完全けん化ポリビニルアルコール(PVA)、部分けん化PVA、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、アラビアゴムなどがある。
本発明の乳化重合用乳化剤の他の使用方法としては、ポリマーエマルションの安定性を改善するために、重合終了後のポリマーに添加し使用することができる。
[作用、その他]
本発明の乳化重合用乳化剤は、その分子中の疎水基部分に共重合性の二重結合であるアリル基或いはメタリル基を有し、重合性モノマー、殊にビニル系モノマー等との共重合性に優れ、ポリマー組成に組み込まれやすい。そのため、共重合性の反応性乳化剤として、ポリマーエマルションから得られたポリマーフィルム中に遊離した状態で存在する乳化剤量が著しく減少し、フィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性の向上に極めて優れた効果を発揮する。かつポリマーエマルションの泡立ち、機械安定性等が著しく改善される。
さらに、ジオキサンやアルデヒド類などの有害物質を大幅に低減したポリマーエマルションを得ることができる。
本発明の乳化剤を添加して得られるポリマーエマルションは、例えば接着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、その他コンクリートなどに適用することができる。また、エマルションあるいはラテックスから取り出したポリマーは樹脂、ゴム、ポリマーの改質剤等に使用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をより詳しく説明するが、これらの例により本発明は限定されるものではない。なお、文中「部」は特に記載がない限り質量基準である。
〈製造例1〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にアクリル酸108部、触媒として三フッ化ホウ素エーテル錯体、重合禁止剤としてハイドロキノンを加えて仕込み、50℃までの温度で炭素数12、14のα−オレフィンエポキシド(AOE X24、ダイセル化学工業(株)製)196部を滴下し、60℃にて6時間撹拌反応を行った。精製により過剰のアクリル酸を除去して中間体Aを得た。
中間体Aに触媒としてp−トルエンスルホン酸、重合禁止剤としてハイドロキノン、そしてブチルグルコシド35部を加えた後、少量の空気を導入しながら110℃に昇温して4時間反応を行った。そのとき、反応器内を10ミリバールに減圧して副生物であるブタノールを留去した。次に、水酸化ナトリウムを用いて中和を行った後、過剰の中間体Aを除去して中間体Aのポリグルコシド化合物を得た。これを精製して本発明品の乳化重合用乳化剤Aとした。
〈製造例2〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にメタクリル酸129部、触媒として四塩化スズ、重合禁止剤としてハイドロキノンを加えて仕込み、50℃までの温度で炭素数12、14のα−オレフィンエポキシド(エポサイザーM−24、大日本インキ化学工業(株)製)196部を滴下し、60℃にて6時間撹拌反応を行った。精製により過剰のメタクリル酸を除去して中間体Bを得た。
中間体Bに触媒としてp−トルエンスルホン酸、重合禁止剤としてハイドロキノン、そしてグルコース60部を加えた後、少量の空気を導入しながら110℃に昇温して4時間反応を行った。そのとき、反応器内を10ミリバールに減圧して副生物である水を留去した。次に、水酸化ナトリウムを用いて中和を行った後、過剰の中間体Bを除去して中間体Bのポリグルコシド化合物を得た。これを精製して本発明品の乳化重合用乳化剤Bとした。
〈製造例3〉
製造例2の方法に準じて、アクリル酸及び炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりにアクリルアミドを107部、炭素数14のα−オレフィンエポキシド(Vikolox14、ARKEMA社製)212部、またグルコースを30部とした以外は同様の条件で反応して本発明品の乳化重合用乳化剤Cを得た。
〈製造例4〉
製造例1の方法に準じて、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに炭素数12〜14の分岐型α−オレフィンエポキシドを198部、またブチルグルコシドを75部とした以外は同様の条件で反応して本発明品の乳化重合用乳化剤Dを得た。
〈製造例5〉
製造例1の方法に準じて、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに炭素数16の分岐型α−オレフィンエポキシドを240部、またブチルグルコシドを45部とした以外は同様の条件で反応して本発明品の乳化重合用乳化剤Eを得た。
〈製造例6〉
製造例2の方法に準じて、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに炭素数16、18のα−オレフィンエポキシド(エポサイザーM−68、大日本インキ化学工業(株)製)を252部、またグルコースの代わりにマルトースとマルトトリオースの混合物を100部とした以外は同様の条件で反応して本発明品の乳化重合用乳化剤Fを得た。
〈製造例7〉
中間体を得るまでの工程を製造例1の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに、炭素数12のα−オレフィンエポキシド(Vikolox12、ARKEMA社製)を184部として中間体G、ブチルグルコシドを35部として中間体Gのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Gのポリグルコシド化合物100部にスルファミン酸24部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Gを得た。
〈製造例8〉
中間体を得るまでの工程を製造例2の方法に準じて反応を行い、メタクリル酸の代わりに、メタクリルアミドを127部として中間体H、グルコースを45部として中間体Hのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Hのポリグルコシド化合物100部にスルファミン酸15部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、モノエタノールアミンで中和して本発明品の乳化重合用乳化剤Hを得た。
〈製造例9〉
中間体を得るまでの工程を製造例1の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに、炭素数14のα−オレフィンエポキシド(Vikolox14、ARKEMA社製)を212部として中間体I、ブチルグルコシドを35部として中間体Iのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Iのポリグルコシド化合物100部にスルファミン酸21部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、イソプロピルアルコールに溶解して中和等量の水酸化ナトリウムを加えた後、減圧トッピングして本発明品の乳化重合用乳化剤Iを得た。
〈製造例10〉
中間体を得るまでの工程を製造例1の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに、炭素数14のの分岐型α−オレフィンエポキシドを212部として中間体J、ブチルグルコシドを55部として中間体Jのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Jのポリグルコシド化合物100部に無水リン酸8部を仕込み80℃で3時間反応させて、リン酸エステル化して本発明品の乳化重合用乳化剤Jを得た。
〈製造例11〉
中間体を得るまでの工程を製造例1の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに、炭素数16の分岐型α−オレフィンエポキシドを240部として中間体K、そしてブチルグルコシドを60部として中間体Kのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Kのポリグルコシド化合物100部に無水マレイン酸17部を仕込み80℃で2時間反応させた後、無水亜硫酸ナトリウムによりスルホン化して本発明品の乳化重合用乳化剤Kとした。
〈製造例12〉
中間体を得るまでの工程を製造例2の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに炭素数16、18のα−オレフィンエポキシド(エポサイザーM−68、大日本インキ化学工業(株)製)を252部として中間体L、グルコースを25部として中間体Lのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Lのポリグルコシド化合物100部にスルファミン酸18部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Lを得た。
〈製造例13〉
中間体を得るまでの工程を製造例1の方法に準じて反応を行い、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに、炭素数12、14のα−オレフィンエポキシドの代わりに炭素数16、18のα−オレフィンエポキシド(AOE X68、ダイセル化学工業(株)製)を252部として中間体M、またブチルグルコシドを80部として中間体Mのポリグルコシド化合物を得た。
中間体Mのポリグルコシド化合物100部にモノクロル酢酸ナトリウム14部と触媒として水酸化ナトリウムを仕込み50℃で15時間反応させてエーテルカルボキシル化した後、中和、精製して本発明品の乳化重合用乳化剤Mを得た。
〈実施例及び比較例〉
実施例及び比較例に用いた乳化重合用乳化剤は表1の通りである。
Figure 2007177185
〈使用例1〉
アクリル酸ブチル100部、スチレン100部、イオン交換水290部および乳化重合用乳化剤10部を混合して混合モノマー乳濁液を調製し、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。次に攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、上記混合モノマー乳濁液を100部仕込み、80℃に昇温し、過硫酸カリウム0.5部を加えて先行重合させた。次いで、重合開始10分後より3時間かけて、残りの混合モノマー乳濁液400部を滴下して重合させた。さらに、続けて重合温度にて2時間熟成した後、冷却してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表2に示す通りである。また、本発明品のA〜F及び比較品C、D、Fについては併用アニオン性乳化剤としてラウリル硫酸エステルナトリウム塩を乳化重合用乳化剤の内10重量%使用した。
使用した乳化重合用乳化剤のジオキサン及びホルムアルデヒドの含有量、及び得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、機械安定性、粒子径、起泡性、フィルムの光沢性をそれぞれ評価した。評価方法は以下の通りである。結果は表2に示す。
[ジオキサン及びホルムアルデヒドの含有量]
乳化重合用乳化剤に含まれるジオキサンをGC、ホルムアルデヒドをアセチルアセトン法を用い吸光光度法で定量を行った。その結果を、ジオキサン量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、ホルムアルデヒド量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、として示す。
[重合安定性]
重合後のポリマーエマルションを80メッシュのろ布を用いてろ過し、ろ布上の残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
[機械安定性]
ポリマーエマルション50gをマーロン型試験器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間撹拌し、生成した凝集物を80メッシュの金網でろ過し、残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
[粒子径]
動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製 MICROTRAC UPA9340)にて測定し、μmで示す。
[起泡性]
エマルションを水で2倍希釈し、100mlネスラー管に30cc入れ、30回倒立させてから静置5分後における泡の量(ml)を測定した。
[フィルムの光沢性]
ガラスプレート上に0.5mm(wet)のエマルション膜を作り、室温で24時間放置してフィルムを作成した。このフィルムの光沢性を目視にて観察し3段階で評価した。その結果を、優れる:○、可:△、不可:×、として示す。
Figure 2007177185
〈使用例2〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水135部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別にメタクリル酸メチル75部、アクリル酸エチル171部、アクリル酸4部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表3に示す通りである。また、本発明品のA〜F及び比較品C、D、Fについては併用アニオン性乳化剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を乳化重合用乳化剤の内10重量%使用した。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、粒子径、VOC量、未反応乳化剤量、耐水性をそれぞれ評価した。重合安定性、粒子径の評価方法は上記と同様である。VOC量、未反応乳化剤量、耐水性評価方法は以下の通りである。結果は表3に示す。
[VOC量]
ポリマーエマルションに含まれるVOC量をヘッドスペースGCにより測定を行った。その結果を、10ppm未満:○、10〜50ppm:△、50ppm以上:×、として示す。
[未反応乳化剤量]
ポリマーエマルションにメタノールを加えて、ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上澄みを用い、HPLC−MS法にて未反応乳化剤量を測定し、%で示す。
[耐水性試験]
ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルムを作製し、これを水に浸漬し、前記ポリマーフィルムを透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時間を測定した。その結果を、300時間以上:○、300〜200時間:△、200時間未満:×、として示す。
Figure 2007177185
〈使用例3〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水250部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。次にアクリル酸ブチル125部とアクリル酸2−エチルヘキシル125部に乳化重合用乳化剤5部を溶解させた混合モノマー液のうち50部を反応器に仕込み、次いで過硫酸アンモニウム0.5部を加えて先行重合させ、重合開始10分後より3時間かけて残りの混合モノマー液205部を滴下して重合させた。続けて重合温度にてさらに2時間熟成した後、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表4に示す通りである。また、本発明品のH、I、J及び比較品のA、B、Eについては併用ノニオン性乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO30モル付加体)を乳化重合用乳化剤の内10重量%使用した。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、機械安定性、未反応乳化剤量、耐熱着色性、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、機械安定性、未反応乳化剤量の評価方法は上記と同様である。耐熱着色性、接着性の評価方法は以下の通りである。結果は表4に示す。
[耐熱着色性]
ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルムを作製し、200℃に調整した熱風乾燥器内で30分間熱処理して、ポリマーフィルムの着色を目視で観察した。その結果を、全く着色が認められない:○、淡い黄色に着色している:△、濃い褐色に着色している:×、として示す。
[接着性]
5cm幅に切ったPETフィルム上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後SUS板に貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるようにフィルムを剥がし、フィルムの端に200gの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間(秒)を測定した。
Figure 2007177185
〈使用例4〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、70℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別に酢酸ビニル250部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。使用した乳化重合用乳化剤は表5に示す通りである。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、粒子径、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、粒子径評価方法は上記の評価方法と同様である。接着性の評価方法は以下の通りである。結果を表5に示す。
[接着性]
5cm幅に切った合板上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後5cm幅の綿製の布を貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるように布を剥がし、はがした布の端に1Kgの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間(秒)を測定した。
Figure 2007177185
表2〜表5から、本発明にかかる乳化重合用乳化剤は、エマルションの重合安定性、機械安定性が良好で、乳化剤に含まれるアルデヒドやジオキサンの生成量が極めて少量であり、エマルション中のVOC量を大幅に低減できる。また、未反応の乳化剤量が少なく得られたポリマーエマルションのフィルム光沢性、耐水性、接着性、耐熱性などの諸特性が従来の乳化重合用乳化剤を用いたものより優れることが明らかである。
本発明の乳化重合用乳化剤を添加して得られるポリマーエマルションは、例えば接着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、その他コンクリートなどに適用することができる。また、エマルションあるいはラテックスから取り出したポリマーは樹脂、ゴム、ポリマーの改質剤等に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリグルコシド化合物を含有してなることを特徴とする乳化重合用乳化剤。
    Figure 2007177185
    (式中、Rは炭化水素基、Rは水素原子またはメチル基、Aは酸素原子またはNHである。Gは単糖類の残基を表す。nは1〜30である。また、(G)nに含まれる水酸基の内、少なくとも一つの水酸基がアニオン性親水基に置換されていても良い。)
  2. モノマーに対して前記の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させる、または前記モノマー重合後のポリマーに添加することを特徴とするポリマーエマルションの製造方法。
  3. 請求項2に記載のポリマーエマルションの製造方法により得られることを特徴とするポリマーエマルション。
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