JP4181160B2 - 乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション - Google Patents
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(式中、Rは炭素数6から30のアルキル基またはアルケニル基を表す。Gは、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、ガラクトース、タロース、グロース、イドース、フルクトース、プシコース、タガトース、ソルボース、リボース、アラビノース、キシルロース、リキソース、リブロース、ラムノース、フコース、グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、コンドロサミン、重合度が2〜10のマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖、マンノオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖から選択された1種又は2種以上の残基を表し、(G)nに含まれる少なくとも一つの水酸基の水素原子が下記一般式(2)〜(6)のいずれかで表されるアニオン性親水基に置換されている。nは1〜30である。)
本発明の乳化重合用乳化剤を得るための反応条件は特に限定されるものではない。例えば、本発明の乳化重合用乳化剤の前駆体であるアルキルポリグルコシドの製造には公知の製造方法を適用することにより可能である。アルキルポリグルコシドの製造方法は、例えば、特開2001−278891、特開平11−209391、特開平8−269103、特開昭64−47796、特開昭62−292789等において開示されている方法によることができる。
本発明の乳化重合用乳化剤を用いた乳化重合に適用されうるモノマーとしては各種のものを挙げることができ、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエステル等のアクリル系モノマー、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役系ジオレフィン系モノマー等の他、エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸メチル等がある。本発明の乳化剤は、上記モノマーの1種または2種以上の乳化重合または懸濁重合に利用できる。
本発明の乳化重合用乳化剤を使用した乳化重合反応に使用される重合開始剤は従来公知のものでよく、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等が利用できる。重合促進剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム等が使用できる。また、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素などを用いても良い。
を改善するために、重合終了後のポリマーに添加することができる。
本発明の乳化重合用乳化剤を用いた乳化重合では、重合時の乳化安定性、得られたポリマーエマルションの機械安定性や化学安定性が優れると共に、実際に使用したフィルムの接着性、耐熱性、耐候性向上に極めて優れた効果を発揮する。さらに、ジオキサンやアルデヒド類などの有害物質を大幅に低減したポリマーエマルションを得ることができる。
撹拌機、窒素導入管、蒸留装置、及び温度計を備えた反応器にイソトリデシルアルコールを200部とブチルグルコシドを35部、そして触媒としてp−トルエンスルホン酸を加え、130℃に昇温して3時間反応を行った。そのとき、反応器内を10ミリバールに減圧して副生物であるブタノールを留去した。水酸化ナトリウムを用いて中和を行った後、過剰のイソデシルアルコールを除去した。生成物に水を加え陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を通過させ精製した後、減圧脱水した中間体Aを得た。中間体A100部にスルファミン酸22部を仕込み120℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Aを得た。
製造例1の方法に準じて、イソトリデシルアルコールを200部とブチルグルコシドを65部とした以外は同様の条件で反応、精製して中間体Bを得た。中間体B100部にスルファミン酸16部を仕込み120℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、モノエタノールアミンで中和して本発明品の乳化重合用乳化剤Bを得た。
撹拌機、窒素導入管、蒸留装置、及び温度計を備えた反応器にラウリルアルコールを185部とグルコースを25部、そして触媒としてアルキルベンゼンスルホン酸を加えて撹拌した後、110℃に昇温して5時間反応を行った。そのとき、反応器内を10ミリバールに減圧して副生物である水を留去した。水酸化ナトリウムを用いて中和を行った後、過剰のラウリルアルコールを除去した。生成物から析出物をろ別して中間体Cを得た。中間体C100部にスルファミン酸26部を仕込み120℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、イソプロピルアルコールに溶解して中和等量の水酸化ナトリウムを加えてナトリウム塩とした。最後に、減圧トッピングを行い本発明品の乳化重合用乳化剤Cを得た。
製造例1の方法に準じて、ネオドール23を192部とブチルグルコシドを70部とした以外は同様の条件で反応、精製して中間体Dを得た。中間体D100部に五酸化二リン8部を仕込み80℃で3時間反応させて、リン酸エステル化して本発明品の乳化重合用乳化剤Dを得た。
製造例3の方法に準じて、Exxal 11を172部とグルコースを20部とした以外は同様の条件で反応、ろ過して中間体Eを得た。中間体E100部に無水マレイン酸28部を仕込み80℃で2時間反応させた後、無水亜硫酸ナトリウムによりスルホン化して本発明品の乳化重合用乳化剤Eを得た。
製造例3の方法に準じて、2−プロピル1−1ヘプタノールを158部とグルコースを70部とした以外は同様の条件で反応、ろ過して中間体Fを得た。中間体F100部にスルファミン酸19部を仕込み120℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Fを得た。
製造例1の方法に準じて、スチレン化フェノール(モノ体、ジ体、トリ体混合物)305部、またブチルグルコシドを80部とした以外は同様の条件で反応、精製して中間体Gを得た。中間体G100部にスルファミン酸13部を仕込み120℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、イソプロピルアルコールに溶解して中和等量の水酸化ナトリウムを加えてナトリウム塩とした。最後に、減圧トッピングして本発明品の乳化重合用乳化剤Gを得た。
製造例3の方法に準じて、デシルアルコールを158部と、またグルコースの代わりにマルトースとマルトトリオースの混合物を90部とした以外は同様の条件で反応、ろ過して中間体Hを得た。中間体H100部にモノクロル酢酸ナトリウム13部と触媒として水酸化ナトリウムを仕込み80℃で3時間反応させてエーテルカルボキシル化した後、精製して本発明品の乳化重合用乳化剤Hを得た。
実施例及び比較例に用いた乳化重合用乳化剤は表1の通りである。
R’−(EO)m−X ・・・(7)
ここでの、R’は疎水基、EOはエチレンオキサイド、mはその付加モル数、またXはアニオン性親水基を表す。
アクリル酸ブチル100部、スチレン100部、イオン交換水290部および乳化剤10部を混合して混合モノマー乳濁液を調製し、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。次に攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、上記混合モノマー乳濁液を100部仕込み、80℃に昇温し、過硫酸カリウム0.5部を加えて先行重合させた。次いで、重合開始10分後より3時間かけて、残りの混合モノマー乳濁液400部を3時間かけて滴下して重合させた。さらに、続けて重合温度にて2時間熟成した後、冷却してポリマーエマルションを得た。使用した乳化重合用乳化剤は表2に示す通りである。
乳化重合用乳化剤に含まれるジオキサンをGC、ホルムアルデヒドをアセチルアセトン法を用い吸光光度法で定量を行った。その結果を、ジオキサン量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、ホルムアルデヒド量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、として示す。
重合後のポリマーエマルションを80メッシュのろ布を用いてろ過し、ろ布上の残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
ポリマーエマルション50gをマーロン型試験器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間撹拌し、生成した凝集物を80メッシュの金網でろ過し、残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製 MICROTRAC UPA 9340)にて測定し、μmで示す。
ガラスプレート上に0.5mm(wet)のエマルション膜を作り、室温で24時間放置してフィルムを作成した。このフィルムの光沢性を目視にて観察し3段階で評価した。その結果を、優れる:○、可:△、不可:×、として示す。
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水135部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別にメタクリル酸メチル75部、アクリル酸エチル171部、アクリル酸4部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。使用した乳化重合用乳化剤は表3に示す通りである。
ポリマーエマルションに含まれるVOC量をヘッドスペースGCにより測定を行った。その結果を、10ppm未満:○、10〜50ppm:△、50ppm以上:×、として示す。
ポリマーエマルション10gに各濃度の水酸化カルシウム水溶液10mlを撹拌しつつ加え、ポリマーが凝析する水酸化カルシウム濃度(モル/L)を0.1、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、として示す。
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水250部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。次にアクリル酸ブチル125部とアクリル酸2−エチルヘキシル125部に乳化剤5部を溶解させた混合モノマー液のうち50部を反応器に仕込み、次いで過硫酸アンモニウム0.5部を加えて先行重合させ、重合開始10分後より3時間かけて残りの混合モノマー液205部を滴下して重合させた。続けて重合温度にてさらに2時間熟成した後、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。使用した乳化重合用乳化剤は表4に示す通りである。
ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルムを作製し、200℃に調整した熱風乾燥器内で30分間熱処理して、ポリマーフィルムの着色を目視で観察した。その結果を、全く着色が認められない:○、淡い黄色に着色している:△、濃い褐色に着色している:×、として示す。
5cm幅に切ったPETフィルム上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後SUS板に貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるようにフィルムを剥がし、フィルムの端に200gの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間(秒)を測定した。
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、70℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別に酢酸ビニル250部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。使用した乳化重合用乳化剤は表5に示す通りである。
5cm幅に切った合板上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後5cm幅の綿製の布を貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるように布を剥がし、はがした布の端に1Kgの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間を測定した。
Claims (4)
- 下記の一般式(1)で表わされるポリグルコシド化合物を含有してなる乳化重合用乳化剤。
R−O−(G)n ……(1)
(式中、Rは炭素数6から30のアルキル基またはアルケニル基を表す。Gは、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、ガラクトース、タロース、グロース、イドース、フルクトース、プシコース、タガトース、ソルボース、リボース、アラビノース、キシルロース、リキソース、リブロース、ラムノース、フコース、グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、コンドロサミン、重合度が2〜10のマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖、マンノオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖から選択された1種又は2種以上の残基を表し、(G)nに含まれる少なくとも一つの水酸基の水素原子が下記一般式(2)〜(6)のいずれかで表されるアニオン性親水基に置換されている。nは1〜30である。)
- 前記ポリグルコシド化合物と、該ポリグルコシド化合物以外の他のノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤の群から選ばれた少なくとも1種類の界面活性剤との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の乳化重合用乳化剤。
- モノマーに対して、請求項1又は2に記載の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合する、または前記モノマー重合後のポリマーに添加することを特徴とするポリマーエマルションの製造方法。
- 請求項3に記載のポリマーエマルションの製造方法により製造されたことを特徴とするポリマーエマルション。
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