JP4279813B2 - 乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法、及びポリマーエマルション - Google Patents

乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法、及びポリマーエマルション Download PDF

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Description

本発明は乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法、及びポリマーエマルションに関し、詳しくはポリグリセリンアルキルエーテルを含む乳化重合用乳化剤、該乳化重合用乳化剤を用いたポリマーエマルションの製造方法、及びその方法により得られたポリマーエマルションに関する。
従来、ノニオン性の乳化重合用乳化剤としては、ノニルフェノールやオクチルフェノールにアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルや高級アルコールにアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが広く用いられてきた。これらの乳化剤は、アルキル基の種類、またはアルキル基に付加するアルキレンオキサイドの付加モル数を変えることによりその性能を操作することができる。
しかし、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルは、その生分解生成物の生態毒性が問題視されており、自然環境に排出された場合、生態系に悪影響を及ぼすことが問題となっている。よって、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルといったアルキルフェノールを疎水基に含まない乳化剤への代替が進められてきている。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、乳化重合用乳化剤として性能不足である場合や、水生生物毒性、皮膚刺激性などのため使用できる範囲が限られることがある。
さらに、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの問題点として、未反応のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドが製品中に残存すること、副生成物として発がん性や刺激性の高い物質が発生することが挙げられる。例えば、合成時には有害なジオキサンが生成することや、アルキレンオキサイド鎖の酸化分解により有害性のアルデヒド類を生成することが知られており、シックハウス症候群やVOC(揮発性有機化合物)問題が騒がれる近年、アルデヒド等を含む乳化剤をエマルションの製造に用いるのは好ましくない。
これに対し、アルキレンオキサイドから誘導されないノニオン界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化重合用乳化剤として用いたエマルションの製造方法が特表2004−526851号公報に開示されている。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのように有害なジオキサンやホルムアルデヒドが発生せず、またアルキレンオキサイドを出発原料としていないため高い安全性を持った乳化剤である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルはその性能を変化させる場合、脂肪酸の種類、グリセリンの重合度を変えることにより操作できる。またモノエステル体だけでなく、脂肪酸とポリグリセリンのモル比を任意に変えることによりポリエステル体を作ることが可能であるため、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに比べ幅広い性質を持たすことができる利点がある。
特表2004−526851号公報
しかしながら、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルはアルカリ溶液中では加水分解を起こしやすいため、乳化重合用乳化剤として用いた場合、エマルションの安定性保持といった点で不安を残している。
そこで本発明は、ポリマーエマルションの乳化重合において、重合時の乳化安定性、得られたポリマーエマルションの化学安定性が優れると共に、実際に使用した際のフィルム光沢性や接着性が優れたポリマーエマルションが得られ、さらに重合時の有害な副生成物の発生など従来のアルキレンオキサイドに起因する問題点を解消することができるアルキレンオキサイドから誘導されないノニオン性の乳化重合用乳化剤、その乳化重合用乳化剤を用いたポリマーエマルションの製造方法、及びその方法により得られるポリマーエマルションを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ポリマーエマルションの製造に際して、ポリグリセリンアルキルエーテルを含む乳化重合用乳化剤を用いることにより上記の課題が解決されることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の乳化重合用乳化剤は、ポリグリセリンアルキルエーテルを含むことを特徴とするものである。
前記ポリグリセリンアルキルエーテルは、下記の一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0004279813
(式中、Rは炭化水素基であり、nは1〜200である。また、X及びXは水素原子または炭化水素基である。)
また、本発明の乳化重合用乳化剤は、前記ポリグリセリンアルキルエーテルと、該ポリグリセリンアルキルエーテル以外の他のノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤の群から選ばれた少なくとも1種類の界面活性剤との混合物であってもよい。
本発明のポリマーエマルションの製造方法は、後述の各種モノマーに対して前記乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させる、または前記モノマー重合後にポリマーに添加することにある。
そして、本発明のポリマーエマルションは、上記の製造方法により得られたポリマーエマルションである。
本発明のポリグリセリンアルキルエーテルを含む乳化重合用乳化剤によれば、重合時のエマルションの安定性が良く、化学安定性が良好なポリマーエマルションが得られ、有害な副生成物の発生を低減することができる。また、得られたポリマーエマルションのフィルム光沢性や接着性が良好である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のポリマーエマルションの製造方法は、後述の各種モノマーのうちの少なくとも1種類のモノマーから構成されるポリマーエマルションを乳化重合により製造する際に、ポリグリセリンアルキルエーテルを乳化重合用乳化剤として用いることにある。
本発明に係る乳化重合用乳化剤として用いられるポリグリセリンアルキルエーテルは、下記の一般式(1)で表されるポリグリセリンアルキルエーテルを好適に使用することができる。
Figure 0004279813
(式中、Rは炭化水素基であり、nは1〜200である。また、X及びXは水素原子または炭化水素基である。)
上記式中Rの炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
また、Rとしては上記の炭化水素基の中の2種類以上含んでいてもよい。
一般式(1)において、Rは炭素数6から20のアルキル基またはアルケニル基であることがより好ましい。
通常、上記Rはアルコールから水酸基を除いた残基である。これらのアルコールは、天然由来のアルコール、または工業的に製造されるアルコールが使用できる。
天然由来のアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
工業的に製造されるアルコールとしては、プロピレン或いはブテンまたはその混合物から誘導される高級オレフィンを経て、オキソ法により製造される分岐型飽和一級アルコールで、例えばイソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノールなどが挙げられる。これらアルコールの市販品としては、エクソン・モービル社製のExxalシリーズがある。また、n−パラフィンやエチレンオリゴマーから誘導されるオレフィンを経て、オキソ法により製造される直鎖型と分岐型のアルコールの混合物として、Shell社製のネオドールシリーズ、三菱化学社製のダイヤドールシリーズやSasol社製のサフォール(Safol)シリーズやリアル(Lial)シリーズがある。
また、ゲルベ反応によるアルコールの2量化によって得られるゲルベアルコールには2−ブチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘプタノール、2−プロピル−1−オクタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、4−メチル−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−プロピル−5−メチル−1−ヘキサノールなどがあり、またはパラフィンを空気酸化して製造され、水酸基が炭素鎖の末端以外へランダムに結合しているセカンダリーアルコールなどがある。また、これらのアルコールを2種類以上配合して使用することも可能である。
一般式(1)において、X、Xは水素原子、または上記に記載の炭化水素基である。
また、一般式(1)において、nは1〜200であり、好ましくは2〜50である。
また、一般式(1)のポリグリセリン部分は直鎖状に繋がっていてもよく、図1に示すように樹状に繋がっているものでもよい。
本発明に用いられる乳化重合用乳化剤は、上記ポリグリセリンアルキルエーテルのアルキル基部分とポリグリセリン部分のモル比が、1:1〜5:1で含まれているのが有利である。
これらのポリグリセリンアルキルエーテルは、乳化重合用乳化剤として1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
ポリグリセリンアルキルエーテルの製造方法は、特に限定されることはなく、従来からの公知技術により製造することができる。例えば、特開2001−114720号公報、特開2000−38365号公報、特開平9−188755号公報、特開平6−293688号公報において開示されている方法によることができる。
本発明に係る乳化重合用乳化剤は、各種モノマーに適用することができ、モノマーの種類は特に限定されないが、例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族系モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジオレフィン系モノマー、その他、エチレン、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸メチル等が上げられる。これらのモノマーは1種類または2種類以上を用いることができる。
上記乳化重合用乳化剤を用いる乳化重合には、従来公知の水溶性または油溶性の重合開始剤が特に制限なく使用できる。代表的な開始剤の例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ベンゾイル、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げられる。
また、重合促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、第一硫酸鉄アンモニウム等を用い、レドックス重合を行うこともできる。
また、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素などを用いてもよい。
本発明では、乳化重合用乳化剤はモノマー総量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%で使用する。
本発明においては、上記ポリグリセリンアルキルエーテルの1種類、または2種類以上の混合物を乳化重合用乳化剤として用い乳化重合を良好に完結することができるが、さらに他のノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤の1種類以上とを併用してもよく、これにより乳化重合時の重合安定性が向上し、また後工程における処理特性を向上させることができる。
かかる他のノニオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリール硫酸塩などが挙げられ、カチオン界面活性剤としてはステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。これらの他の界面活性剤の使用量としては、ポリグリセリンアルキルエーテル100重量部に対して、0.5〜100重量部含まれることが好ましく、より好ましくは5〜60重量部である。さらに好ましくは10〜30重量部である。
また、乳化重合時の重合安定性を向上させる目的で、公知の保護コロイド剤を併用することができる。併用できる保護コロイド剤としては、完全けん化ポリビニルアルコール(PVA)、部分けん化PVA、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、アラビアゴムなどがある。
また、本発明においては、乳化重合用乳化剤の他の使用方法として、ポリマーエマルションの安定性を改善するために、重合終了後のポリマーエマルションに乳化重合用乳化剤を添加することができる。
本発明の製造方法により得られるポリマーエマルションは、例えば、印刷インキ、塗料等のバインダー、インクジェット用メディアのバインダー、接着剤、粘着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、プラスチック、セラミック、その他のコンクリート等に適用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。なお、「部」は特に記載がない限り重量基準である。
〈製造例〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器に原料アルコールと、水酸化ナトリウムを仕込み、昇温させ減圧脱水する。次に一定温度を保持したままグリシドールを1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌することによりポリグリセリンアルキルエーテルからなる本発明にかかるノニオン界面活性剤を得ることができる。また、必要に応じ精製を行ってもよい。表1に下記製造例により得られたポリグリセリンアルキルエーテル(本発明品)a〜h、および比較品j〜nを示す。
〈製造例1〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にイソトリデシルアルコール200部と、水酸化ナトリウム9部を仕込み、120℃まで昇温させ減圧脱水した。次に120℃を保持したままグリシドール1110部を1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した。最後に硫酸で中和後、脱水し、析出物を濾別して本発明品aを得た。
〈製造例2〉
イソトリデシルアルコール200部とグリシドール1850部及び水酸化ナトリウム9部を製造例1と同様に反応し本発明品bを得た。
〈製造例3〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にラウリルアルコール186部と、水酸化ナトリウム9部を仕込み、120℃まで昇温させ減圧脱水した。次に120℃を保持したままグリシドール370部を1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した。生成物に水を加え陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を通過させ脱塩し、減圧脱水して本発明品cを得た。
〈製造例4〉
ネオドール23 192部とグリシドール740部及び水酸化ナトリウム9部を製造例3と同様に反応、精製し本発明品dを得た。
〈製造例5〉
ラウリルアルコール186部とグリシドール1850部及び水酸化ナトリウム9部を製造例1と同様に反応し本発明品eを得た。
〈製造例6〉
Exxal11 172部とグリシドール7400部及び水酸化ナトリウム9部を製造例1と同様に反応し本発明品fを得た。
〈製造例7〉
デシルアルコール158部とグリシドール1110部及び水酸化ナトリウム9部を製造例3と同様に反応、精製し本発明品gを得た。
〈製造例8〉
2−プロピル−1−ヘプタノール158部とグリシドール1480部及び水酸化ナトリウム9部を製造例3と同様に反応、精製し本発明品hを得た。
〈比較品J〜nの製造例〉
表1記載の原料アルコールを用いて、エチレンオキサイド(EO)の導入量を変更してEOを付加さし、EO付加モル数を調整した比較品j〜nのノニオン界面活性剤を得た。
Figure 0004279813
〈実施例1〜8及び比較例1〜5〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、蒸留水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別にメタクリル酸メチル75部、アクリル酸エチル171部、アクリル酸4部、乳化重合用乳化剤8部、蒸留水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表1、表2に示す通りであり、また表2に示すアニオン界面活性剤A〜Cを本発明品のノニオン界面活性剤に対して10%で併用した。
使用した乳化剤のジオキサン及びアルデヒド類の含有量及び、得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、化学安定性、粒子径、フィルムの光沢性をそれぞれ評価した。評価方法は以下の通りである。結果は表2に示す。
[ジオキサン及びアルデヒド類の含有量]
乳化重合用乳化剤に含まれるジオキサンをガスクロマトグラフィー(GC)、ホルムアルデヒドをアセチルアセトン法を用い吸光光度法で定量を行った。その結果を、ジオキサン量が、1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、ホルムアルデヒド量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、として表示した。
[重合安定性]
重合後のポリマーエマルションを80メッシュの濾布を用いてろ過し、濾布上の残渣を水洗後、105℃×3時間乾燥した。乾燥後の残渣の重量を測定し、仕込みモノマー重量に対する重量比率(%)で表示した。
[化学安定性]
ポリマーエマルション10gに6モル/Lの水酸化カルシウム水溶液10mlを撹拌しつつ加え、5分間撹拌後に80メッシュの濾布を用いてろ過し、濾布を通過しない凝集ポリマーの乾燥重量を測定して、仕込みモノマー重量に対する重量比率(%)で表示した。
[粒子径]
動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製 MICROTRAC UPA 9340)にて粒子径を測定し、μmで表示した。
[フィルムの光沢性]
ガラスプレート上に0.5mm(wet)のエマルション膜を作り、室温で24時間放置してフィルムを作成した。このフィルムの光沢性を目視にて、○(優)、△(可)、×(不可)の3段階で評価した。
Figure 0004279813
〈実施例9〜14及び比較例6〜10〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、蒸留水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別にアクリル酸2−エチルヘキシル123部、アクリル酸ブチル123部、アクリル酸4部、乳化重合用乳化剤8部、蒸留水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
乳化重合用乳化剤は上記表1に示すものを用い、併用アニオン界面活性剤として全てポリオキシエチレンラウリル硫酸エステルナトリウム塩(5EO)を10重量%用いた。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、化学安定性、VOC量、粒子径、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、化学安定性、粒子径評価方法は上記の評価方法と同様である。VOC量と接着性の評価方法は以下の通りである。結果を表3に示す。
[VOC量]
ポリマーエマルションに含まれるVOC量をヘッドスペースGCにより測定を行った。VOC量が、10ppm未満:○、10~50ppm:△、50ppm以上:×、として表示した。
[接着性]
5cm幅に切ったPETフィルム上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後SUS板に貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるようにフィルムを剥がし、フィルムの端に200gの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間を測定し、秒(s)で表示した。
Figure 0004279813
〈実施例15〜20及び比較例11〜14〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、蒸留水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、70℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別に酢酸ビニル250部、乳化重合用乳化剤8部、蒸留水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
乳化重合用乳化剤は上記表1に示すものを用い、得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、化学安定性、粒子径、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、化学安定性、粒子径評価方法は上記の評価方法と同様である。接着性の評価方法は以下の通りである。結果を表4に示す。
[接着性]
5cm幅に切った合板上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後5cm幅の綿製の布を貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるように布を剥がし、はがした布の端に1Kgの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間を測定し、秒(s)で表示した。
Figure 0004279813
表2〜4の結果から知られるように、本発明に係る乳化重合用乳化剤は、乳化剤に含まれるアルデヒドやジオキサン量が極めて少量であり、エマルションの重合安定性、化学安定性が良好で、VOCなど有害な副生成物の発生を低減することができる。また、得られたポリマーエマルションのフィルム光沢性や接着性が従来のノニオン界面活性剤からなる比較品の乳化剤を用いたものより優れている。
本発明によるポリマーエマルションは、例えば、印刷インキ、塗料等のバインダー、インクジェット用メディアのバインダー、接着剤、粘着剤、被覆剤、含浸補強剤等として好適であり、木材、金属、紙、布、プラスチック、セラミック、その他のコンクリート等に適用することができる。
ポリグリセリン部分が樹状に繋がったポリグリセリンアルキルエーテルの1例を示す模式構造図である。

Claims (3)

  1. 水酸基を除いた残基が炭素数6から20のアルキル基またはアルケニル基であるアルコールに対して、水酸化ナトリウム存在下に、5〜100モルのグリシドールを反応させて得られるポリグリセリンアルキルエーテル100重量部と、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩またはポリオキシエチレン(8モル付加)スチレン化フェニルエーテルリン酸エステル10重量部とからなる乳化重合用乳化剤。
  2. アクリル系モノマー、芳香族系モノマービニルエステル系モノマー、ハロゲン化オレフィンモノマー、共役ジオレフィン系モノマー、エチレン、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸メチルからなる群より選ばれる1種類または2種類以上のモノマーに対して、請求項1に記載の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させることを特徴とするポリマーエマルションの製造方法。
  3. 請求項に記載の製造方法により得られたことを特徴とするポリマーエマルション。
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