JP2000159823A - 乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤 - Google Patents

乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤

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JP2000159823A
JP2000159823A JP10341939A JP34193998A JP2000159823A JP 2000159823 A JP2000159823 A JP 2000159823A JP 10341939 A JP10341939 A JP 10341939A JP 34193998 A JP34193998 A JP 34193998A JP 2000159823 A JP2000159823 A JP 2000159823A
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Japan
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polymerization
emulsion
emulsifier
dispersant
group
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JP10341939A
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English (en)
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Takeaki Mizutari
岳明 水足
Masatoshi Honma
正敏 本間
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents
    • C08F2/30Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents non-ionic

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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散
剤よりも優れた物性の重合体樹脂が得られる乳化重合用
乳化剤又は懸濁重合用分散剤を提供すること。 【解決手段】 下記の一般式(1) 【化1】 [式中、Rは下記の一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素基を表わ
す。)で表わされる炭化水素基を表わし、R3は炭化水
素基を表わし、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基又は親水基を表わし、nは1以上の数を表わす。]で
表わされる乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の疎水基を有
する乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】非イオン系の乳化重合用乳化剤又は懸濁
重合用分散剤、特にアルコールやフェノールにエチレン
オキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したような
エーテル型の非イオン系乳化重合用乳化剤又は懸濁重合
用分散剤は、価格が安い、構造によってHLBを調節す
るのが容易である、樹脂の重合に悪影響を及ぼさない等
の多くの優れた特徴を持っている。このような特徴のた
め、エーテル型の非イオン系乳化重合用乳化剤又は懸濁
重合用分散剤は、アクリル系エマルジョン、ABSラテ
ックス等の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤等と
して広範に使用されている。
【0003】エーテル型の非イオン系乳化重合用乳化剤
又は懸濁重合用分散剤は、通常はアルコールやフェノー
ルにエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付
加させて製造される。ここで、原料として使用されるア
ルコールやフェノールは、当然乳化重合用乳化剤又は懸
濁重合用分散剤の用途によって適宜選択される。広く使
用されるアルコールとしては、ヤシ油由来アルコール、
牛脂由来アルコール、大豆油由来アルコール、パーム油
由来アルコール等の天然由来アルコールや、チーグラー
アルコール、オキソアルコール、ソフタノールと称され
るセカンダリーアルコール等の合成アルコールが使用さ
れており、炭素鎖長としては概ね8〜18程度である。
又、フェノールとしては、オレフィンとフェノールの反
応により得られるノニルフェノール、オクチルフェノー
ル、ドデシルフェノール等のアルキルフェノールがよく
使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非イオン系乳化重合用
乳化剤又は懸濁重合用分散剤の原料として、上記のよう
なアルコールやフェノールが使用されてきた背景には、
価格が安いといった事情があった。しかし、近年アルキ
ルフェノールは生物へ有害な影響を与えるとの指摘がな
されている。そのため、非イオン系の界面活性剤のベー
スとしてはアルキルフェノールからアルコールへ移行し
たいという業界の要請がある。アルコールとしては上記
に挙げた従来型のアルコールを使用すればよいとされて
いるが、従来型アルコールは直鎖アルコールが殆どであ
る。しかし、本発明者等は特定の疎水基を有する界面活
性剤を使用すると、乳化重合や懸濁重合で製造される樹
脂の物性が向上することを発見した。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記の一
般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】[式中、Rは下記の一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化
水素基を表わす。)で表わされる炭化水素基を表わし、
3は炭化水素基を表わし、Xは水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基又は親水基を表わし、nは1以上の数を
表わす。]で表わされる乳化重合用乳化剤又は懸濁重合
用分散剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、Rは一般
式(2)で表わされる1級炭化水素基である。一般式
(2)において、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素
基を表わす。炭化水素基としては例えば、アルキル基、
アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロ
アルケニル基等が挙げられる。
【0011】アルキル基としては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2
級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチ
ル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチ
ル、オクチル、2―エチルヘキシル、2級オクチル、ノ
ニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、
2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシ
ル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、
2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、
ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリ
アコンチル、2―ブチルオクチル、2―ブチルデシル、
2―ヘキシルオクチル、2―ヘキシルデシル、2―オク
チルデシル、2―ヘキシルドデシル、2―オクチルドデ
シル、2―デシルテトラデシル、2―ドデシルヘキサデ
シル、2―ヘキサデシルオクタデシル、2―テトラデシ
ルオクタデシル、モノメチル分枝―イソステアリル等が
挙げられる。
【0012】アルケニル基としては例えば、ビニル、ア
リル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニ
ル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテ
ニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニ
ル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。アリー
ル基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、
クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリ
ル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフ
ェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチル
フェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オク
チルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウン
デシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニ
ル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、p―クミ
ルフェニル、α―ナフチル、β―ナフチル基等が挙げら
れる。シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては
例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、
メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキ
セニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、
メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等
が挙げられる。
【0013】一般式(2)において、R1及びR2は炭素
数4以上の炭化水素基を表わす。R 1及びR2について好
ましい基は炭素数4以上の鎖状炭化水素基であり、より
好ましい基は炭素数4〜24のアルキル基であり、最も
好ましい基は炭素数4〜20の直鎖アルキル基である。
【0014】一般式(2)で表わされる基として好まし
い基は具体的には、例えば、2―ブチルオクチル、2―
ブチルデシル、2―ヘキシルオクチル、2―ヘキシルデ
シル、2―ヘキシルドデシル、2―オクチルデシル、2
―オクチルドデシル、2−オクチルテトラデシル、2−
デシルドデシル、2―デシルテトラデシル、2−デシル
ヘキサデシル、2−ドデシルテトラデシル、2−ドデシ
ルヘキサデシル、2−ドデシルオクタデシル、2−テト
ラデシルオクタデシル、2−テトラデシルイコシル、2
―ヘキサデシルオクタデシル、2−ヘキサデシルイコシ
ル等である。
【0015】R3は炭化水素基を表わし、炭素数2〜4
のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であ
ることがより好ましい。一般式(1)の(R3−O)n
部分は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、スチ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイド等を付加重合
することにより得ることができる。アルキレンオキサイ
ド等を付加することによって(R3−O)nの部分を形成
する場合は、付加させるアルキレンオキサイド等により
3が決定される。付加させるアルキレンオキサイド等
の重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキ
サイド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイ
ド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/
ブロック共重合等であってよい。R3としてはエチレン
基が最も好ましく、R3が2種以上の基である場合は、
そのうちの1種はエチレン基であることが好ましい。
(R3―O)nの部分は、好ましくはオキシエチレン基を
30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル
%含有するポリオキシアルキレン鎖であると良好な洗浄
性及び水溶性が発揮される。重合度nは1以上の数であ
り、好ましくは1〜200、より好ましくは2〜10
0、更に好ましくは2〜50である。
【0016】Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
又は親水基を表わす。親水基としては、−SO3Mで表
わされるサルフェート基、−PO32で表わされるホス
フェート基、−CH2COOMで表わされるカルボキシ
レート基等が挙げられる。
【0017】Mは水素原子、金属原子又はアンモニウム
を表わす。金属原子としては例えば、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、
カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ
土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げ
られ、アンモニウムとしては例えばアンモニア、メチル
アミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミ
ン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノール
アミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールア
ミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,
N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレン
ジアミン等のアンモニウムが挙げられる。
【0018】本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用
分散剤は、他の成分と併用することができる。他の成分
としては例えば、アルコールエトキシレート、アルキル
フェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、
アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤;アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アル
キルエーテルサルフェート、α―オレフィンスルホネー
ト、アシル化イセチオネート、アシル化アミノ酸、アシ
ル化ポリペプチド、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカル
ボキシレート等のアニオン性界面活性剤;ステアリルト
リメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウ
ム、ポリジメチルジアリルアンモニウム等のカチオン性
界面活性剤;アルキルカルボベタイン、アミドプロピル
カルボベタイン、イミダゾリニウムベタイン等の両性界
面活性剤;アルキルアミンオキサイド等の半極性界面活
性剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリアルキレングリコールアル
キルエーテル、エタノール、パラトルエンスルホン酸等
の溶剤;エチレンジアミン4酢酸塩(EDTA)、ヒド
ロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDT
A)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリア
ミンペンタ酢酸(DTPA)、アスパラギン酸−N,N
−ジ酢酸、N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸又はこれ
らの塩等のアミノカルボン酸類、クエン酸、グルコン
酸、グリコール酸、酒石酸又はこれらの塩等のオキシカ
ルボン酸類等の金属イオン封鎖剤;硫酸マグネシウム、
硫酸ナトリウム(芒硝)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム
等の無機塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ;モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノ
ールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノー
ルアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールア
ミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、アミノエチルエタノールアミン等のアルカノール
アミン;ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリ
ウム−オレフィン共重合体等の分散剤;増粘剤等を含有
することができる。
【0019】本発明の乳化重合用乳化剤を使用する場合
は、従来公知の乳化重合用乳化剤の通常の使用量の範囲
で任意に使用することができるが、概ね原料モノマーに
対して、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましく
は0.2〜10重量%使用することができる。又、本発
明の乳化重合用乳化剤と他の反応性又は非反応性乳化剤
との併用も可能である。又、乳化重合する単量体に特に
制限はないが、好ましくはアクリレート系エマルジョ
ン、スチレン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョ
ン、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルジョン、A
BS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマ
ルジョン、BR(ブタジエン)エマルジョン、IR(イ
ソプレン)エマルジョン、NBR(アクリロニトリル/
ブタジエン)エマルジョン等に好適に使用できる。
【0020】アクリレート系エマルジョンとしては例え
ば、(メタ)アクリル酸(エステル)同士、(メタ)ア
クリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル酸
(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エス
テル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エス
テル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステル)
/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステル)/
アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニ
ルピリジン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アルキ
ロールアミド、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,
N―ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル
酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニル
エーテル等が挙げられる。
【0021】スチレン系エマルジョンとしては、スチレ
ン単独の他例えば、スチレン/アクリロニトリル、スチ
レン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリル、スチレ
ン/マレインニトリル、スチレン/シアノアクリル酸エ
ステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、スチレン/ク
ロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロスチレン、ス
チレン/ビニルカルバゾール、スチレン/N,N−ジフ
ェニルアクリルアミド、スチレン/メチルスチレン、ア
クリロニトリル/ブタジエン/スチレン、スチレン/ア
クリロニトリル/メチルスチレン、スチレン/アクリロ
ニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン/マレイン酸
等が挙げられる。
【0022】酢酸ビニル系エマルジョンとしては、酢酸
ビニル単独の他例えば、酢酸ビニル/スチレン、酢酸ビ
ニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニトリル、酢
酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニル/フマル
酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/プ
ロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸ビニル/塩
化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジエン、酢酸
ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレイン、酢酸
ビニル/アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
【0023】本発明の懸濁重合用分散剤を使用する場合
は、従来公知の懸濁重合用分散剤の通常の使用量の範囲
で任意に使用することができるが、概ね原料モノマーに
対して、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましく
は0.2〜10重量%使用することができる。又、本発
明の懸濁重合用分散剤と他の反応性又は非反応性分散
剤、例えばポリビニルアルコール等との併用も可能であ
る。又、懸濁重合する単量体に特に制限はないが、好ま
しくはハロゲン化オレフィン系、酢酸ビニル系等の重合
に好適に使用できる。
【0024】ハロゲン化オレフィン系の重合としては、
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、
塩化ビニル/マレイン酸(エステル)、塩化ビニル/フ
マル酸(エステル)、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニ
ル/塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/酢酸ビニル、塩
化ビニリデン/安息香酸ビニル等が挙げられる。酢酸ビ
ニル系の重合については上記と同様である。
【0025】本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用
分散剤により乳化重合又は懸濁重合を行う際には、一般
的に重合開始剤、重合促進剤、架橋剤、分子量調整剤、
連鎖移動剤等を使用する。使用できる重合開始剤は、例
えば過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アゾビス(2−メチ
ルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソ酪酸
ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスシアノ吉草
酸クロライド、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス−
(4−シアノペンタノール)、2,2’−アゾビス−
(2−シアノプロパノール)、2,2’−アゾビス−
(2−メチル−N−2−ヒドロキシプロピオン酸アミ
ド)等のアゾ化合物類;ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド
等の過酸化物系等が挙げられる。又、亜硫酸塩とパーオ
キサイド化合物、過酸化水素とFe2+塩等のレドックス
開始剤等も使用できる。又、重合促進剤としては例え
ば、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム等
を使用することができる。又、架橋剤として例えばジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート等を使用することができる。重合調節剤としては、
例えばドデシルメルカプタン等を加えることができる。
又、他の添加剤、例えばハルス、コロイダルシリカ、ハ
イブリッドシリカ等の存在下に重合させてもよい。
【0026】又、重合の際に媒体を加えることができ
る。例えば、水、メタノール、2−プロパノール、n−
ブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、塩化亜鉛水溶
液、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸
エチル、ジオキサン等が挙げられる。
【0027】このような特定の分枝構造の疎水基を有す
る本発明の乳化重合用乳化剤は、従来使用されている乳
化重合用乳化剤に比べて重合時の発泡が少なく、得られ
た重合体エマルジョンの機械的安定性が優れ、またこの
重合体のフィルムは水に対する劣化が少なく耐水性に優
れるという特徴を有する。同様に、懸濁重合の分散剤と
して使用した場合には、従来使用されている懸濁重合用
分散剤と比べてより良好な分散状態で重合が行われより
均一な大きさの重合体粒子が得られ、また重合体製品の
耐水性及び高温下での熱安定性が優れるという特徴を有
する。
【0028】本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用
分散剤を使用した乳化重合又は懸濁重合によって得られ
た重合体エマルジョンは、塗料、接着剤、粘着剤、イン
ク、フィルム、コーティング剤、紙塗工剤、サイズ剤、
シーラー等に使用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無
い限り重量基準である。尚、以下の表中、「EO」、
「PO」及び「BO」は、それぞれオキシエチレン基、
オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の略記であ
る。以下の各実施例の各種試験に使用した本発明の乳化
重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤は以下の表1に示す
ものである。
【0030】
【表1】
【0031】*1:R1及びR2が次の表2に示す割合か
らなる混合物である。
【0032】
【表2】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】比較品として、以下のサンプルを乳化重合
用乳化剤又は懸濁重合用分散剤として使用した。 (比較品1) ノニルフェノール(EO)40モル付加
物 (比較品2) C12〜13オキソアルコール(EO)10
モル付加物サルフェートNa (比較品3) ラウリルアルコール(EO)10モル付
加物リン酸エステルNa
【0036】(実施例1)還流冷却器、攪拌機、滴下ロ
ート及び温度計を備えた加圧反応容器に、水100gを
仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別に、スチレン2
5g及びブタジエン75gと本発明の乳化重合用乳化剤
1〜23又は比較品1〜3のそれぞれを2.0g溶解
し、このうちの8.4gとパラメタンヒドロパーオキサ
イドを0.1g、硫酸第一鉄を0.003g、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウムを0.06g及びナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.05gを反応容
器内に加え、10℃で重合を開始した。その後、残りの
モノマー/乳化重合用乳化剤混合物を2時間にわたって
反応容器内に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成し
重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョ
ンに対して以下の方法により評価・測定を行った。
【0037】<機械安定性>重合後の上記重合体エマル
ジョン50gをマロン法安定度試験器で10kg、1,
000rpmの条件で5分間回転させ、生成した凝塊物
を100メッシュの金網で濾過し、濾過残渣を水で洗浄
後、105℃、2時間乾燥させ、この重量を測定し固型
分に対する重量%で表した。
【0038】<発泡性>重合後の上記重合体エマルジョ
ンを水で2倍に希釈し、この希釈エマルジョン20mL
を100mLの目盛り付き試験管に入れ、10秒間上下
に強振した直後、1分後及び5分後の泡高(mm)を測
定した。
【0039】<耐水性>上記重合体エマルジョンから
0.2mm厚のフィルムを作製し、50℃の温水に浸漬
させ、フィルムが白化するまでに要する時間を測定し
た。 ◎:1日以上、○:1時間以上1日以内、×:1時間未
満 これらの評価結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例2)還流冷却器、攪拌機、滴下ロ
ート及び温度計を備えた加圧反応容器に、水100gを
仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別に、ブタジエン
100gと本発明の乳化重合用乳化剤1〜9又は比較品
1〜3のそれぞれを2.0g溶解し、このうちの8.g
と過硫酸カリウム0.3gを反応容器内に加え、50℃
で重合を開始した。その後、残りのモノマー/乳化重合
用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続的
に滴下し、滴下終了後50時間熟成しポリブタジエンラ
テックスを得た。
【0042】次に、上記設備を備えた反応容器に水70
g(ポリブタジエンラテックスからの水を含む)を仕込
み、系内を窒素ガスで置換した。別に上記で製造したポ
リブタジエンラテックス30g、スチレン50g、アク
リロニトリル20gと本発明の乳化重合用乳化剤1〜9
又は比較品1〜3のそれぞれを1.0g溶解し、このう
ちの8.4gと過硫酸カリウム0.5gを反応容器内に
加え、50℃で重合を開始した。その後、残りのモノマ
ー/乳化重合用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容
器内に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しABS
樹脂ラテックスを得た。得られた樹脂ラテックスに対し
て、実施例1と同様の方法により評価・測定を行った。
これらの評価の結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】(実施例3)還流冷却器、攪拌機、滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、水120g、本発
明の乳化重合用乳化剤1〜9又は比較品1〜3のそれぞ
れを4gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にア
クリル酸エチル80gのうちの8.4gと、過硫酸アン
モニウム0.08g、亜硫酸水素ナトリウム0.04g
を反応容器に加えて50℃で重合を開始した。その後、
残りのアクリル酸エチルを2時間にわたって反応容器内
に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しエマルジョ
ンを得た。以上の方法で得られた重合体エマルジョンに
対して実施例1と同様の方法により評価・測定を行っ
た。これらの評価の結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】(実施例4〜8)オートクレーブに水15
0g、本発明の懸濁重合用分散剤1〜23又は比較品1
〜3のそれぞれを1g及びジ−2−エチルヘキシルパー
オキシカーボネート0.2gを仕込み、脱気して系内か
ら酸素を除いた後、下記のモノマーを100g仕込み、
57℃で攪拌下重合を行った。重合開始時、オートクレ
ーブ内の圧力は8.0kg/cm2Gであったが、7時
間後に4.0kg/cm2Gとなったのでこの時点で重
合を停止し、未反応モノマーを除いて、重合体を得た。
尚、モノマーとしては、実施例4では塩化ビニルを、実
施例5ではクロロプレンを、実施例6では酢酸ビニル
を、実施例7ではエチルビニルエーテルを、そして実施
例8では塩化ビニル/アクリル酸エチル=2/1(モル
比)をそれぞれ使用した。得られたそれぞれの重合体に
対して以下の方法により評価・測定を行った。
【0047】<粒径分布>タイラーメッシュ基準の金網
を使用し、乾式篩分析により得られた重合体粒子のうち
250メッシュを通過しない粒子の重量割合を測定し
た。 <スケール付着>重合終了後の槽内のスケール付着状況
を観察した。
【0048】<耐水性>得られた重合体樹脂50部、ジ
オクチルフタレート30部及びバリウム/亜鉛系安定剤
1部を混合してゾルを得、190℃で10分間加熱し、
0.5mm厚のシートを得た。これを23℃の水中で2
4時間浸漬したものについて光透過率を測定した。
【0049】<熱安定性>上記耐水性試験で使用したゾ
ルをアルミニウム製モールドに注入し、190℃の熱風
雰囲気下で30分後の色調の変化をA(変化少)〜E
(変化大)の5段階で評価した。各実施例について、こ
れらの評価の結果を表6〜表10に示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【発明の効果】本発明の効果は、特定の疎水基を有する
新規な乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤を提供し
たことにある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA03 AA05 AA08 AB05 AB06 AB14 AB20 AC05 BA04 BA07 BA13 BA15 CA03 CA04 CA15 DC02Y DC12Y DC19Y DC26Y DC57Y DC63Y DC67Y DD32Y DD33Y DE02Y DE07Y DE08Y DE10Y DE29Y DE32Y 4J011 JA06 JA13 JB26 KA12 KA15 KA18 KA23 KB29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 [式中、Rは下記の一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素基を表わ
    す。)で表わされる炭化水素基を表わし、R3は炭化水
    素基を表わし、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基又は親水基を表わし、nは1以上の数を表わす。]で
    表わされる乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤。
  2. 【請求項2】 R1及びR2が、炭素数4〜24のアルキ
    ル基である請求項1記載の乳化重合用乳化剤又は懸濁重
    合用分散剤。
  3. 【請求項3】 Rが、2―ブチルオクチル、2―ブチル
    デシル、2―ヘキシルオクチル、2―ヘキシルデシル、
    2―ヘキシルドデシル、2―オクチルデシル、2―オク
    チルドデシル、2−オクチルテトラデシル、2−デシル
    ドデシル、2―デシルテトラデシル、2−デシルヘキサ
    デシル、2−ドデシルテトラデシル、2−ドデシルヘキ
    サデシル、2−ドデシルオクタデシル、2−テトラデシ
    ルオクタデシル、2−テトラデシルイコシル、2―ヘキ
    サデシルオクタデシル又は2−ヘキサデシルイコシルで
    ある請求項1又は2記載の乳化重合用乳化剤又は懸濁重
    合用分散剤。
  4. 【請求項4】 (R3―O)nの部分が、オキシエチレン
    基を30〜100モル%含有するポリオキシアルキレン
    鎖である請求項1乃至3の何れか1項に記載の乳化重合
    用乳化剤又は懸濁重合用分散剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の乳
    化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤を使用して製造さ
    れた樹脂エマルジョン。
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