JP2007224163A - 乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション - Google Patents

乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション Download PDF

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賀之 橋本
Yasunobu Haneda
康伸 羽田
Toyoji Matsubara
豊治 松原
Tetsuya Mukai
徹也 向
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Abstract

【課題】親水基としてポリオキシアルキレン鎖を持たず、乳化重合時の安定性を良好なものとし、しかも、ポリマー及びポリマーフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性が著しく改善された反応性乳化重合用乳化剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されることを特徴とする乳化重合用乳化剤である。
Figure 2007224163

(式中、Rは炭化水素基である。R及びRはアルケニル基または水素原子であり、R及びRは一方又は両方がアルケニル基である。また、R及びRは異なるアルケニル基でも良い。X及びXのうち少なくとも一つはアニオン性親水基であり、残りのX及びXは水素原子又は炭化水素基である。nは1〜200である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、乳化重合する際に用いられる乳化重合用乳化剤に関し、さらにその乳化重合用乳化剤を用いたポリマーエマルションの製造方法、及びその製造方法により得られるポリマーエマルションに関する。
従来、乳化重合用乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン性界面活性剤が単独あるいは併用で使用されているが、ポリマーエマルションの安定性、また該エマルションから得られたポリマーフィルムの性質等は、必ずしも充分に満足し得るものではなく、多くの解決すべき問題点が残されている。
例えば、エマルションの重合安定性、得られたエマルションの機械安定性、化学安定性、凍結融解安定性、顔料混和性、貯蔵安定性等の問題が挙げられる。特に、機械的安定性については、改善すべき問題点が残されている。さらに、エマルションからポリマーフィルムを作成した際、使用した乳化剤が遊離の状態でポリマーフィルム中に残留するため、フィルムの耐水性、接着性が劣る等の問題を生じている。また、エマルションを塩析または酸析等の手段によって破壊し、ポリマーを取り出す際、排水中に多くの乳化剤が含有され、河川汚濁の原因となるため、乳化剤の除去処理に多大の労力が必要となる。
このような観点から従来の乳化重合用乳化剤の問題点を改善するため、反応基として共重合性の不飽和基を有し、親水基にポリオキシアルキレン鎖及びイオン性基を導入した反応性乳化剤が数多く提案されている。
例えば、下記特許文献1〜3にはアニオン性の反応性界面活性剤が、また特許文献4〜6にはノニオン性の反応性界面活性剤がそれぞれ記載されており、各種モノマーについて乳化重合が試みられている。これらの反応性乳化剤を乳化剤として使用したエマルションは重合時の安定性が良く、また、該エマルションから得られたポリマーフィルムは耐水性、接着性、耐熱性、耐候性において優れた性能を示すものである。
しかしながら、このようなアルキレンオキサイドから誘導される反応性乳化重合用乳化剤の問題点として、未反応のアルキレンオキサイドが製品中に残存すること、副生成物として発がん性や刺激性の高い物質が発生することが挙げられる。例えば、合成時の有害なジオキサンの生成や、アルキレンオキサイド鎖の酸化分解により有害性のアルデヒド類を生成することが知られており、シックハウス症候群やVOC問題が騒がれる近年、アルデヒド等を含む乳化剤をエマルションの製造に用いるのは好ましくない。
特開平8−41112号公報 特開平1−99638号公報 特開昭58−203960号公報 特開2003−268021号公報 特開平4−50204号公報 特開昭63−54927号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は親水基としてポリオキシアルキレン鎖を持たず、乳化重合時の安定性を良好なものとし、しかも、ポリマー及びポリマーフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性が著しく改善された反応性乳化重合用乳化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、共重合性の不飽和基を有し、親水基部分がポリグリセリンである乳化重合用乳化剤が適していることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする乳化重合用乳化剤である。
Figure 2007224163
(式中、Rは炭化水素基である。R及びRはアルケニル基または水素原子であり、R及びRは一方又は両方がアルケニル基である。また、R及びRは異なるアルケニル基でも良い。X及びXのうち少なくとも一つはアニオン性親水基であり、残りのX及びXは水素原子又は炭化水素基である。nは1〜200である。)
本発明の乳化重合用乳化剤は、上記一般式(1)において、前記アルケニル基が下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるアルケニル基であることが好ましい。
Figure 2007224163
また、本発明のポリマーエマルションの製造方法は、モノマーに対して上記の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させる、または前記モノマー重合後のポリマーに添加することにある。
そして、本発明のポリマーエマルションは、上記ポリマーエマルションの製造方法により得られるものである。
本発明の乳化重合用乳化剤によれば、その分子中の疎水基部分に共重合性の不飽和基を有し、重合性モノマーとの共重合性に優れ、ポリマー組成に取り込まれやすい。そのため、共重合性の反応性乳化重合用乳化剤として有用であり、本発明の乳化重合用乳化剤を使用し重合されたポリマーエマルションから得られたポリマーフィルム中に遊離した状態で存在する乳化剤量が減少しフィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性向上に極めて優れた効果を発揮する。かつポリマーエマルションの泡立ち、機械安定性等が著しく改善される。更に、ジオキサンやアルデヒド類などの有害物質を大幅に低減したポリマーエマルションを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の乳化重合用乳化剤は、上記一般式(1)の化合物において、式中Rは炭化水素基を表す。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2ーエチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、クミルフェニル、スチレン化クレシル、ベンジルキシリル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
また、Rは上記に記載の炭化水素基を2種類以上含んでいても良い。
一般式(1)において、Rは炭素数6から20のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。
通常、Rはアルコールから水酸基を除いた残基である。これらのアルコールは、天然由来のアルコール、または工業的に製造されるアルコールである。
天然由来のアルコールとしてはオクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどがある。
工業的に製造されるアルコールとしては、プロピレン或いはブテンまたはその混合物から誘導される高級オレフィンを経て、オキソ法により製造される分岐型飽和一級アルコールで、例えばイソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノールなどがあり、市販品としてはエクソン・モービル社製のExxalシリーズがある。
n−パラフィンやエチレンオリゴマーから誘導されるオレフィンを経て、オキソ法により製造される直鎖型と分岐型のアルコールの混合物として、Shell社製のネオドール(Neodol)シリーズ、三菱化学(株)製のダイヤドール(Diadol)シリーズ、Sasol社製のサフォール(Safol)シリーズやリアル(Lial)シリーズが使用できる。
また、ゲルベ反応によるアルコールの2量化によって得られるゲルベアルコールには2−エチル−1−ヘキサノール、2−ブチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘプタノール、2−プロピル−1−オクタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、4−メチル−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−プロピル−5−メチル−1−ヘキサノールなどがあり、またはパラフィンを空気酸化して製造され、水酸基が炭素鎖の末端以外へランダムに結合しているセカンダリーアルコールなどがある。
また、これらのアルコールを2種類以上配合して使用することも可能である。
一般式(1)において、アルケニル基は上記に記載のアルケニル基である。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。
上記のアルケニル基は、下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるアルケニル基であることが好ましい。
Figure 2007224163
また、一般式(1)において、X及びXのうち少なくとも一つはアニオン性親水基であり、残りのX及びXは水素原子又は上記に記載の炭化水素基である。
上記アニオン性親水基としては、下記の一般式(5)〜(9)で表される、サルフェート基(式5)、ホスフェート基(式6)、カルボキシレート基(式7、8)、スルホサクシネート基(式9)が挙げられる。
Figure 2007224163
式中、Rは二塩基酸からカルボキシル基を除いた残基を表す。M及びM’は水素原子、金属原子、アンモニウムまたは炭化水素基を表し、MとM’は異なるものでも同一のものでも良い。
は、二塩基酸からカルボキシル基を除いた残基である。このような二塩基酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の飽和脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジック酸、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチルペンテニルテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
M及びM’は水素原子、金属原子、アンモニウムまたは炭化水素基を表す。金属原子としては例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられ、アンモニウムとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアンモニウムが挙げられる。炭化水素基としては上記に記載のものが挙げられる。また、M及びM’は異なるものでも同一のものでも良く、上記記載のものを2種類以上含んでいても良い。
及びXは上記に記載のアニオン性親水基を2種類以上含んでいても良い。
一般式(1)において、nは1〜200で、好ましくは2〜50である。
また、一般式(1)のポリグリセリン部分は直鎖状に繋がっていても良く、図1に示すように樹状に繋がっているものでも良い。
本発明の乳化重合用乳化剤は、炭化水素基部分とポリグリセリン部分のモル比が、1:1〜5:1で含まれていることが有利である。
[合成方法]
本発明の乳化重合用乳化剤を得るための反応条件は特に限定されるものではなく、例えば、高級アルコールとアルケニルフェニルグリシジルエーテル、もしくは高級アルコールとエピクロルヒドリンから誘導されるアルキルグリシジルエーテルとアルケニルフェノールを触媒存在下反応させた後、得られた反応組成物にポリグリセリン部分を導入する。そして、得られた反応組成物のポリグリセリン部分に種々のアニオン性基を導入して本発明の乳化重合用乳化剤を得ることができる。また、必要に応じ公知の方法で精製を行っても良い。
反応性基を持った疎水基部分へのポリグリセリンの導入は、ポリグリセリンアルキルエーテルの公知の製造方法を適用することにより可能である。ポリグリセリンアルキルエーテルの製造方法は、例えば、特開2001−114720号公報、特開2000−38365号公報、特開平9−188755号公報、特開平6−293688号公報、特公昭63−66295号公報、特開昭58−180406号公報等において開示されている方法によることができる。
ポリグリセリン部分へのアニオン性基の導入は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、一般式(5)のアニオン性親水基を導入するには、スルファミン酸、クロロスルホン酸、無水硫酸、または硫酸を用い硫酸エステル化することにより得ることができる。一般式(6)のアニオン性親水基を導入するには、五酸化二リンまたはポリリン酸を用いリン酸エステル化することにより得ることができる。一般式(7)のアニオン性親水基を導入するには、モノハロゲン低級カルボン酸(モノクロル酢酸、モノブロムプロピオン酸等)を用いエーテルカルボキシル化することにより得ることができる。一般式(8)のアニオン性親水基を導入するには、二塩基酸(無水物である方が好ましい)を用いてエステルカルボキシル化することにより得ることができる。また、一般式(9)のアニオン性親水基を導入するには、無水マレイン酸でエステルカルボキシル化した後、亜硫酸ナトリウムでスルホン化することにより得ることができる。
[乳化重合用モノマー]
本発明の乳化重合用乳化剤を用いた乳化重合に適用されうるモノマーとしては各種のものを挙げることができ、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエステル等のアクリル系モノマー、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役系ジオレフィン系モノマー等の他、エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸メチル等がある。本発明の乳化重合用乳化剤は、上記モノマーの1種または2種以上の乳化重合または懸濁重合に利用できる。
[重合条件]
本発明の乳化重合用乳化剤を使用した乳化重合反応に使用される重合開始剤は従来公知のものでよく、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等が利用できる。重合促進剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム等が使用できる。また、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素などを用いてもよい。
本発明の乳化重合用乳化剤の使用量は、通常、全モノマーに対して0.1〜20.0%が適当である。なお、より好ましくは、0.2〜10.0%が適当である。
本発明の乳化重合用乳化剤は、それ単独でも乳化重合は良好に完結しうるが、さらにアニオン界面活性剤または/及び他のノニオン界面活性剤を併用してもよく、これにより乳化重合時の重合安定性が向上し、また後工程における処理特性を向上させることができる。かかるアニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアリール硫酸塩などが挙げられ、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの界面活性剤の使用量としては、本発明の乳化重合用乳化剤100部に対して、0.5〜100重量部含まれることが好ましく、より好ましくは5〜60重量部である。さらに好ましくは10〜30重量部である。
また、乳化重合時の重合安定性を向上させる目的で公知の保護コロイド剤を併用することができる。併用できる保護コロイド剤としては、完全けん化ポリビニルアルコール(PVA)、部分けん化PVA、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、アラビアゴムなどがある。
本発明の乳化重合用乳化剤の他の使用方法としては、ポリマーエマルションの安定性を改善するために、重合終了後のポリマーに添加し使用することができる。
[作用、その他]
本発明の乳化重合用乳化剤はその分子中の疎水基部分に共重合性の不飽和基を有し、重合性モノマー、殊にビニル系モノマー等との共重合性に優れ、ポリマー組成に組み込まれやすい。そのため、共重合性の反応性乳化剤として、ポリマーエマルションから得られたポリマーフィルム中に遊離した状態で存在する乳化剤量が著しく減少し、フィルムの耐水性、接着性、耐熱性、耐候性等の諸特性の向上に極めて優れた効果を発揮する。かつポリマーエマルションの泡立ち、機械安定性等が著しく改善される。
さらに、ジオキサンやアルデヒド類などの有害物質を大幅に低減したポリマーエマルションを得ることができる。
本発明の乳化剤を添加して得られるポリマーエマルションは、例えば接着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、その他コンクリートなどに適用することができる。また、エマルションあるいはラテックスから取り出したポリマーは樹脂、ゴム、ポリマーの改質剤等に使用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例により限定されることはない。なお、文中「部」は特に記載がない限り質量基準である。
〈製造例1〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にイソトリデシルアルコール200部、触媒として三フッ化ホウ素エーテル錯体を仕込み、90℃に昇温して1−プロペニルフェニルグリシジルエーテル191部を滴下し、90℃で5時間熟成して中間体Aを得た。
次に、三フッ化ホウ素エーテル錯体を触媒として中間体Aを120℃に昇温させグリシドール296部を1時間かけて滴下し、さらに6時間撹拌した後、精製して中間体Aのグリセリン4モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み120℃で2時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Aを得た
〈製造例2〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にイソトリデシルアルコール200部、触媒として水酸化ナトリウムを仕込み、90℃に昇温して2−プロペニルフェニルグリシジルエーテル191部を滴下し、90℃で5時間熟成して中間体Bを得た。
次に、水酸化ナトリウムを触媒として中間体Bを120℃に昇温させグリシドール740部を1時間かけて滴下し、さらに6時間撹拌した後、精製して中間体Bのグリセリン10モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み120℃で2時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、モノエタノールアミンで中和を行い本発明品の乳化重合用乳化剤Bを得た。
〈製造例3〉
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にラウリルアルコール185部、触媒として四塩化スズ、重合禁止剤としてハイドロキノンを加え、50℃までの温度でビニルフェニルグリシジルエーテル177部を滴下し、60℃で5時間熟成した後、精製して中間体Cを得た。
中間体Cに触媒として水酸化カリウム、重合禁止剤としてハイドロキノンを加え80℃まで昇温させグリシドール148部を1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した後、精製して中間体Cのグリセリン2モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行い、未反応スルファミン酸を除去した後、イソプロピルアルコールに溶解して中和当量の水酸化ナトリウムを加えナトリウム塩とした。最後に、減圧トッピングを行い本発明品の乳化重合用乳化剤Cを得た。
〈製造例4〉
撹拌機、窒素導入管、蒸留装置及び温度計を備えた反応器に1−プロペニルフェノール200部、触媒として水酸化カリウムを仕込み、ラウリルグリシジルエーテル242部を滴下し、80℃にて5時間撹拌反応を行った後、精製により過剰の1−プロペニルフェノールを除去して中間体Dを得た。
中間体Dに触媒として水酸化カリウムを加え、120℃まで昇温させグリシドール296部を1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した。最後に硫酸を加え中和、脱水後、精製して中間体Dのグリセリン4モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み120℃で2時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Dを得た
〈製造例5〉
製造例1の方法に準じて、イソトリデシルアルコール及び1−プロペニルフェニルグリシジルエーテルの代わりに、ラウリルアルコールを185部及び2−プロペニルフェニルグリシジルエーテル191部として中間体Eを得た。また、グリシドールを740部として中間体Eのグリセリン10モル付加体を得た。
これに五酸化二リン45部を仕込み80℃で3時間反応させて、リン酸エステル化して本発明品の乳化重合用乳化剤Eを得た。
〈製造例6〉
製造例1の方法に準じて、イソトリデシルアルコール及び1−プロペニルフェニルグリシジルエーテルの代わりに、ラウリルアルコールを185部及び2−メチル−2−プロペニルフェニルグリシジルエーテル205部として中間体Fを得た。また、グリシドールを2220部として中間体Fのグリセリン30モル付加体を得た。
これに無水マレイン酸100部を仕込み80℃で2時間反応させた後、無水亜硫酸ナトリウムによりスルホン化して本発明品の乳化重合用乳化剤Fを得た。
〈製造例7〉
製造例3の方法に準じて、ラウリルアルコール及びビニルフェニルグリシジルエーテルの代わりに、ネオドール23を192部部及び1−メチルビニルグリシジルエーテルを191部として中間体Gを得た。また、グリシドールを370部として中間体Gのグリセリン5モル付加体を得た。
これに五酸化二リン45部を仕込み80℃で3時間反応させて、リン酸エステル化して本発明品の乳化重合用乳化剤Gを得た。
〈製造例8〉
製造例4の方法に準じて、ラウリルグリシジルエーテル及び1−プロペニルフェノールの代わりに、デシルグリシジルエーテルを214部及び2−メチル−2−プロペニルフェノール220部として中間体Hを得た。また、グリシドールを4440部として中間体Hのグリセリン60モル付加物得た。
これにモノクロル酢酸ナトリウム116部と触媒として水酸化ナトリウムを仕込み80℃で3時間反応させてエーテルカルボキシル化した後、中和、精製して本発明品Hを得た。
〈製造例9〉
製造例1の方法に準じて、イソトリデシルアルコールの代わりに、2−プロピル−1−ヘプタノールを158部として中間体Iを得た。また、グリシドールを222部として中本発明品の乳化重合用乳化剤Iを得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行い、未反応スルファミン酸を除去した後、イソプロピルアルコールに溶解して中和当量の水酸化ナトリウムを加えナトリウム塩とした。最後に、減圧トッピングを行い本発明品の乳化重合用乳化剤Iを得た。
〈製造例10〉
製造例2の方法に準じて、イソトリデシルアルコール代わりに、2−プロピル−1−ヘプタノールを158部として中間体Jを得た。また、グリシドールを740部として中間体Jのグリセリン10モル付加体を得た。
これに五酸化二リン45部を仕込み80℃で3時間反応させて、リン酸エステル化して本発明品の乳化重合用乳化剤Jを得た。
〈製造例11〉
製造例3の方法に準じて、ラウリルアルコールの代わりに、Exxal 11を172部として中間体Kを得た。また、グリシドールを518部として中間体Kのグリセリン7モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み100℃で3時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去して、本発明品の乳化重合用乳化剤Kを得た。
〈製造例12〉
製造例2の方法に準じて、イソトリデシルアルコールの代わりに、スチレン化フェノール(モノ体、ジ体、トリ体混合物)305部として中間体Lを得た。また、グリシドールを518部として中間体Lのグリセリン7モル付加体を得た。
これにスルファミン酸100部を仕込み120℃で2時間反応させて、硫酸エステル化を行った。未反応スルファミン酸を除去した後、モノエタノールアミンで中和を行い本発明品の乳化重合用乳化剤Lを得た。
〈実施例及び比較例〉
実施例及び比較例に用いた乳化重合用乳化剤は表1の通りである。
Figure 2007224163
〈使用例1〉
アクリル酸ブチル100部、スチレン100部、イオン交換水290部および乳化重合用乳化剤10部を混合して混合モノマー乳濁液を調製し、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。次に攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、上記混合モノマー乳濁液を100部仕込み、80℃に昇温し、過硫酸カリウム0.5部を加えて先行重合させた。次いで、重合開始10分後より3時間かけて、残りの混合モノマー乳濁液400部を滴下して重合させた。さらに、続けて重合温度にて2時間熟成した後、冷却してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表2に示す通りである。
使用した乳化重合用乳化剤のジオキサン及びホルムアルデヒドの含有量、及び得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、機械安定性、粒子径、起泡性、フィルムの光沢性をそれぞれ評価した。評価方法は以下の通りである。結果は表2に示す。
[ジオキサン及びホルムアルデヒドの含有量]
乳化重合用乳化剤に含まれるジオキサンをGC、ホルムアルデヒドをアセチルアセトン法を用い吸光光度法で定量を行った。その結果を、ジオキサン量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、ホルムアルデヒド量が1ppm未満:○、1〜10ppm:△、10ppm以上:×、として示す。
[重合安定性]
重合後のポリマーエマルションを80メッシュのろ布を用いてろ過し、ろ布上の残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
[機械安定性]
ポリマーエマルション50gをマーロン型試験器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間撹拌し、生成した凝集物を80メッシュの金網でろ過し、残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分に対し%で示す。
[粒子径]
動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製 MICROTRAC UPA9340)にて測定し、μmで示す。
[起泡性]
エマルションを水で2倍希釈し、100mlネスラー管に30cc入れ、30回倒立させてから静置5分後における泡の量(ml)を測定した。
[フィルムの光沢性]
ガラスプレート上に0.5mm(wet)のエマルション膜を作り、室温で24時間放置してフィルムを作成した。このフィルムの光沢性を目視にて観察し3段階で評価した。その結果を、優れる:○、可:△、不可:×、として示す。
Figure 2007224163
〈使用例2〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水135部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別にメタクリル酸メチル75部、アクリル酸エチル171部、アクリル酸4部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表3に示す通りである。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、粒子径、VOC量、未反応乳化剤量、耐水性をそれぞれ評価した。重合安定性、粒子径の評価方法は上記の評価方法と同様である。VOC量、未反応乳化剤量、耐水性評価方法は以下の通りである。結果は表3に示す。
[VOC量]
ポリマーエマルションに含まれるVOC量をヘッドスペースGCにより測定を行った。その結果を、10ppm未満:○、10〜50ppm:△、50ppm以上:×、として示す。
[未反応乳化剤量]
ポリマーエマルションにメタノールを加えて、ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上澄みを用い、HPLC−MS法にて未反応乳化剤量を測定し、%で示す。
[耐水性試験]
ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルムを作製し、これを水に浸漬し、前記ポリマーフィルムを透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時間を測定した。その結果を、300時間以上:○、300〜200時間:△、200時間未満:×、として示す。
Figure 2007224163
〈使用例3〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水250部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。次にアクリル酸ブチル125部とアクリル酸2−エチルヘキシル125部に乳化重合用乳化剤5部を溶解させた混合モノマー液のうち50部を反応器に仕込み、次いで過硫酸アンモニウム0.5部を加えて先行重合させ、重合開始10分後より3時間かけて残りの混合モノマー液205部を滴下して重合させた。続けて重合温度にてさらに2時間熟成した後、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表4に示す通りである。また、本発明品A〜D及び比較品B、C、E、Fについては併用ノニオン性乳化剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO30モル付加体)、本発明品E、G、Iについては併用アニオン性乳化剤としてラウリル硫酸エステルナトリウム塩を乳化重合用乳化剤の内10重量%使用した。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、機械安定性、未反応乳化剤量、耐熱着色性、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、機械安定性、未反応乳化剤量の評価方法は上記と同様である。耐熱着色性、接着性の評価方法は以下の通りである。結果は表4に示す。
[耐熱着色性]
ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルムを作製し、200℃に調整した熱風乾燥器内で30分間熱処理して、ポリマーフィルムの着色を目視で観察した。その結果を、全く着色が認められない:○、淡い黄色に着色している:△、濃い褐色に着色している:×、として示す。
[接着性]
5cm幅に切ったPETフィルム上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後SUS板に貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるようにフィルムを剥がし、フィルムの端に200gの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間(秒)を測定した。
Figure 2007224163
〈使用例4〉
攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、イオン交換水131部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、70℃まで昇温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。これとは別に酢酸ビニル250部、乳化重合用乳化剤8部、イオン交換水110部とを混合して、モノマーエマルションを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルション40部を一括して上記反応器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルションを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルションを得た。
使用した乳化重合用乳化剤は表5に示す通りである。
得られたポリマーエマルションについて、重合安定性、粒子径、接着性をそれぞれ評価した。重合安定性、粒子径評価方法は上記の評価方法と同様である。接着性の評価方法は以下の通りである。結果を表5に示す。
[接着性]
5cm幅に切った合板上にエマルションを25μm(dry)の厚さに塗工し、熱処理した後5cm幅の綿製の布を貼り付け、ローラ圧着する。接着面が5cm×5cmとなるように布を剥がし、はがした布の端に1Kgの重りを吊り下げて剥がれるまでの時間(秒)を測定した。
Figure 2007224163
表2〜表5から、本発明にかかる乳化重合用乳化剤は、エマルションの重合安定性、機械安定性が良好で、乳化剤に含まれるアルデヒドやジオキサンの生成量が極めて少量であり、エマルション中のVOC量を大幅に低減できる。また、未反応の乳化剤量が少なく得られたポリマーエマルションのフィルム光沢性、耐水性、接着性、耐熱性などの諸特性が従来の乳化重合用乳化剤を用いたものより優れることが明らかである。
本発明の乳化重合用乳化剤を添加して得られるポリマーエマルションは、例えば接着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、その他コンクリートなどに適用することができる。また、エマルションあるいはラテックスから取り出したポリマーは樹脂、ゴム、ポリマーの改質剤等に使用することができる。
ポリグリセリン部分が樹状に繋がった1例を示す模式構造図である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする乳化重合用乳化剤。
    Figure 2007224163
    (式中、Rは炭化水素基である。R及びRはアルケニル基または水素原子であり、R及びRは一方又は両方がアルケニル基である。また、R及びRは異なるアルケニル基でも良い。X及びXのうち少なくとも一つはアニオン性親水基であり、残りのX及びXは水素原子又は炭化水素基である。nは1〜200である。)
  2. 一般式(1)において、前記アルケニル基が下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるアルケニル基であることを特徴とする請求項1に記載の乳化重合用乳化剤。
    Figure 2007224163
  3. モノマーに対して請求項1又は2に記載の乳化重合用乳化剤を0.1〜20重量%の量で使用し、水性媒体中で前記モノマーを重合させる、または前記モノマー重合後のポリマーに添加することを特徴とするポリマーエマルションの製造方法。
  4. 請求項3に記載のポリマーエマルションの製造方法により得られることを特徴とするポリマーエマルション。
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