JP3592301B2 - 簡易建造物の床パネルと側面パネルの接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡易建造物における床パネルと側面パネルの接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易建造物である組立物置において床パネルと側面パネルの接続は、床パネルの左右側端の縁上面に側面パネルを載せて内側で側面パネルの下端を床パネルの縁上面にビス止めするか、または、床パネルの左右側端に左右方向から側面パネルの下端を当接させて左右外側から内向きにビス止めする方法が用いられている。
【0003】
通常、簡易建造物は、特に箱型形状の比較的小型の物置の組立は、消費者自身で組み立てる場合が多くある。それ以外では組立業者が組立てるがその場合でもほとんど一人で組立てるのが一般的である。
【0004】
組立て方の概要は、▲1▼組立てる場所に床パネルを置き、▲2▼その床パネルに左右の側面パネルを取り付け、▲3▼その左右側面パネル間に背面パネルを取り付け、▲4▼次に側面パネルと背面パネルの上に屋根パネルをかぶせて取り付け、▲5▼最後に正面に扉を取り付けて組立が完了する。
【0005】
以上の組立て方において▲2▼床パネルに左右の側面パネルを取り付ける段階(図8参照)で側面パネルの下方部にビス止めする際に側面パネルが不安定であるため、片手で側面パネルが倒れないように支えてもう一方の手でビス止めをしなければならないという難しい組立作業を必要とし、特に素人にとっては困難な問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、組立作業に慣れていないような人でも一人で容易に組み立てることが出来る簡易建造物の構造とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、ビス止めをする前に側面パネルは床パネルに対して自立した状態が維持できる接続構造とする。そのため請求項1の発明は、床パネルの左右両側端に側面パネルを支持する前後一対の支持金具を固定し、左右側面パネル下端に前記支持金具に対応した前後の係合部を形成する。
【0008】
前記前支持金具は、断面略コ字形で上面および下面の先端部同位置に開口部を形成し、前記開口部を床パネル側端から露出させた状態で床パネルのレール取付面下側の左右両端に固定し、その前支持金具に対応した前係合部は左右側面パネルの前端の戸当り部の下端に形成された切欠きとその切欠きの上方から下端部を突き出した状態で固定された断面クランク形の差込み具からなり、前記前支持金具の先端部を前記前係合部の切欠き内に挿入し差込み具を開口部に挿入するよう構成した。
【0009】
また請求項2の発明は、後支持金具は断面コ字形の固定部と上面および側面背面で形成された支持部からなり、前記支持部を床パネルの左右両側端から突き出した状態で床パネルの床面後端下に固定し、その後支持金具に対応した後係合部は左右側面パネルの後端の後補強の下端を切欠き、その後係合部に前記支持部上面の後方向きに形成した突片を挿入して後補強を支持すると共に支持部で左右側面パネルの下方で前後にわたる下補強を支持するよう構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、簡易建造物である組立物置Aの全体を示した斜視図である。組立物置Aは床パネル1と右側面パネル2、左側面パネル3、背面パネル4、屋根パネル5、扉6で構成されている。
【0011】
図2は、床パネル1に前支持金具7と後支持金具8を取り付けた状態を示す側面図である。前支持金具7は、床パネル1の前端上面に取付けられているレール11の下の床パネル下に溶接して取り付けている。後支持金具8は、床パネル1の床面12の後端部下に溶接して取り付けている。
【0012】
図3は、床パネル1に前支持金具7と後支持金具8を取り付けた状態を示す平面図である。前支持金具7は、床パネル1の側端から開口部73を露出した状態で床パネル下に取付けられ、取り付け位置を決めるための位置決め突部74を有している。また後支持金具8は、床パネル1の側端から支持部85を露出した状態で固定部81で床面後端に取付けられている。支持部85の上面後部には側面パネル2の荷重を受ける突片86が形成されている。
【0013】
図4は、床パネル1と右側面パネル2の前部分の接続を示した部分分解図である。前支持金具7は、断面略コ字形で上面71の先端部には開口部73を形成しまた床パネル下に溶接固定する時の位置決め突部74を有し、下面72にも上面と同じ位置に開口部73を形成し、側面75は右側面パネル2の外側からビス止めするためのネジ穴h1を有している。
【0014】
前係合部21は、右側面パネル2の前端で上下にわたる戸当り部22の下端部に切欠き23を形成し、断面クランク形の差込み具24の下方を前記切欠き23に露出した状態で固定したものである。
前記切欠き23に前記前支持金具7の側面75および上面71下面72の先端を差込みさらに前支持金具7の開口部73、73に前係合部21の差込み具24を挿入することにより、床パネル1と右側面パネル2を接続する。
【0015】
図5は、床パネル1と右側面パネル2の後部分の接続を示した部分分解図である。後支持金具8は、断面コ字形の固定部81と上面82、側面83、背面84で形成した支持部85からなり、床パネル1の床面12の後端下側に前記支持部85を側端から突き出して固定部81で固定している。前記上面82には右側面パネル2の荷重を支える突片86を後方向きに形成し、また右側面パネル2の下補強27とビス止めするためのネジ穴h2を形成している。
【0016】
一方、後係合部26は、右側面パネル2の後端で上下にわたる後補強25の下端部を切り欠いたものであり、後支持金具8の突片86を後係合部26に挿入し、右側面パネル2の下方で前後にわたる下補強27を後支持金具8の上面82に重ね合わせてビス止めする。
【0017】
図6は、床パネル1と右側面パネル2を接続した状態を示した横断面図であり、右側面パネル2の戸当り部22に固定した差込み具24が前支持金具7の開口部73に挿入され、また右側面パネル2の下補強27の下側に後支持金具8の支持部85が当接すると共に突片86が後補強25の下方に差し込まれている。
【0018】
図7は、床パネル1と右側面パネル2を接続した状態を一部を破断して示した部分斜視図である。
図8は、床パネル1に対して右側面パネル2と左側面パネル3が接続されて自立した状態を示した斜視図である。上記説明は床パネル1と右側面パネル2との接続構造について説明したが、床パネル1と左側面パネル3との接続構造も左右対称で同構造である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、上述のように簡易建造物を組立てる際に、側面パネルを床パネルにビス止めする前に側面パネルが床パネルに対して自立した状態で維持できるので、従来のように片手で側面パネルが倒れないように支えながら、もう片方の手だけでビスをネジ穴に入れて工具で締め付けるという組立てに慣れている者でも難しい作業をする必要がなく、一般の消費者が一人で容易に組立てを行うことが出来る構造となっている。
【0020】
組立て作業は床パネルと左右両側面パネルが係合することで、従来の床パネルと左右両側面パネルを止めていたビスの本数を少なく出来て、その分だけ組立時間を短縮することが出来る。
【0021】
また前後の支持金具と、その前後の支持金具に対応した前後の係合部との接合により床パネルと左右両側面パネルが結合し、さらにそれぞれの支持金具に対して側面パネルをビス止めするので、さらにその接合部が強固に結合され簡易建造物全体の剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】組立物置の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の接続構造を示す側面図である。
【図3】本発明の接続構造を示す平面図である。
【図4】本発明の前部分の接続構造を示す部分分解図である。
【図5】本発明の後部分の接続構造を示す部分分解図である。
【図6】本発明の接続構造を示す横断面図である。
【図7】本発明の接続構造の一部を破断して示す部分斜視図である。
【図8】自立した状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
A…組立物置
1…床パネル
2…右側面パネル
3…左側面パネル
4…背面パネル
5…屋根パネル
6…扉
7…前支持金具
8…後支持金具

Claims (2)

  1. 床パネルと、床パネルの左右両側に立設する側面パネルと、左右側面パネル後端間に立設する背面パネルと、左右側面パネルと背面パネルの上端に被せるように載せて取り付ける屋根パネルと、正面に取り付ける扉とで構成される簡易建造物において、ビスで固定する前に側面パネルが床パネルに対して自立状態で維持できるよう、床パネルの左右両側端に前後一対の支持金具を固定し、左右側面パネル下端に前記支持金具に対応した前後の係合部を形成した構造とし、前支持金具は、断面略コ字形で上面および下面の先端部同位置に開口部を形成し、前記開口部を床パネル側端から露出させた状態で床パネルのレール取付面下側の左右両端に固定し、その前支持金具に対応した前係合部は、左右側面パネルの前端の戸当り部の下端に形成された切欠きとその切欠きの上方から下端部を突き出した状態で固定された断面クランク形の差込み具からなり、前記前支持金具の先端部を前記前係合部の切欠き内に挿入し差込み具を開口部に挿入するよう構成したことを特徴とする簡易建造物の床パネルと側面パネルの接続構造。
  2. 後支持金具は、断面コ字形の固定部と上面および側面背面で形成された支持部からなり、前記支持部を床パネルの左右両側端から突き出した状態で床パネルの床面後端下に固定し、その後支持金具に対応した後係合部は、左右側面パネルの後端の後補強の下端を切欠き、その後係合部に前記支持部上面から後方向きに形成した突片を挿入して後補強を支持すると共に支持部で左右側面パネルの下方で前後にわたる下補強を支持するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の簡易建造物の床パネルと側面パネルの接続構造。
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