JP3590317B2 - X線レンズ及びその製造方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線レンズ及びその製造方法に関し、特に焦点距離を短くするのに適したX線レンズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、ネイチャ第384巻(1996年11月7日)の第49〜51頁に開示されているX線レンズの側面図を示す。ボロンまたはアルミニウム等からなる基材100に、図4の紙面に垂直な中心軸を有する円柱状の複数の貫通孔101が形成されている。各貫通孔101の半径は100〜1100μmであり、相互に隣接する2つの貫通孔101の間隔dは、約25μmである。
【0003】
基材100の図の左端から、X線102が入射する。入射したX線は、各貫通孔101の内周面で屈折を繰り返す。X線に対するボロンやアルミニウムの屈折率は1よりもやや小さいため、基材100の図の右端から出射するX線103は、収束光線束となる。
【0004】
種々の材料のX線領域における屈折率は非常に1に近いため、焦点距離の短いX線レンズを作製することは困難である。図4のように、複数の貫通孔101を形成し複合レンズとすることにより、焦点距離の比較的短いレンズを得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
焦点距離を短くするためにレンズの枚数(図4では貫通孔101の個数に相当)を多くすると、レンズ材料によるX線の吸収が大きくなってしまう。例えば、貫通孔101の個数を50、相互に隣接する2つの貫通孔101の間隔dを0.02mmとすると、レンズの吸収体の合計の厚さは1mmになる。
【0006】
また、複合レンズの有効口径Aは、
【0007】
【数1】
=2R(2/μRN)1/2
と表される。ここで、Rは貫通孔101の半径、μはX線吸収係数、Nはレンズ枚数である。例えば、アルミニウムのX線吸収係数μは約20cm−1である。R=0.2mm、N=50、とすると、有効口径Aは0.12mmになってしまう。
【0008】
本発明の目的は、X線吸収が少なく、かつ焦点距離を短くすることが可能なX線レンズ及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されたX線レンズであって、入射するX線の進行方向をZ軸とするXYZ直交座標系を考えたとき、Y軸に平行な直線を母線とする柱面からなる第1の表面を有し、該第1の表面がYZ面に関して面対称であり、該第1の表面と、ZX面との交線が第1の曲線であり、該第1の曲線の、YZ面との交点における曲率半径が20μm以下であり、該第1の表面は、X線を収束させる作用を奏するX線レンズが提供される。
【0010】
第1の曲線の曲率半径が20μm以下であるため、第1の表面を屈折面とする焦点距離の短いX線レンズが得られる。
【0011】
本発明の他の観点によると、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されたX線レンズであって、XYZ直交座標係を考えたとき、Y軸に平行な直線を母線とする柱面からなる第1の表面を有し、該第1の表面がYZ面に関して面対称な凹面であり、該第1の表面とZX面との交線が放物線になるX線レンズが提供される。
【0012】
第1の表面とZX面との交線が放物線になるような第1の表面を屈折面とすることにより、円柱面を屈折面とする場合に比べて、有効口径が大きく、かつ焦点距離の短いレンズを得ることが可能になる。
【0013】
本発明のさらに他の観点によると、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成された部材を準備する工程と、縁の一部に、凹状の放物線部分を含み、シンクロトロン放射光を透過させないマスクを、前記部材の表面に密着させ、または該表面からある間隔を隔てて配置する工程と、前記マスクを介して前記部材にシンクロトロン放射光を照射し、該部材をシンクロトロン放射光によりエッチングする工程とを含むX線レンズの製造方法が提供される。
【0014】
本発明のさらに他の観点によると、支持基板と、該支持基板に密着した高分子膜であって、該高分子膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されている積層基板を準備する工程と、縁の一部に、凸状の放物線部分を含み、シンクロトロン放射光を透過させないマスクを、前記部材の表面に密着させ、または該表面からある間隔を隔てて配置する工程と、前記マスクを介して前記高分子膜にシンクロトロン放射光を照射し、該高分子膜をシンクロトロン放射光によりエッチングする工程と、前記高分子膜のエッチングされた部分に、金属部材を埋め込む工程と、前記支持基板上に残っている高分子膜を除去する工程とを有し、前記マスクの縁のうち前記放物線部分の、曲率半径が最小となる位置における曲率半径が20μm以下であり、エッチングされて形成された面のうち前記放物線部分に対応する面が、X線を収束させる作用を奏するX線レンズの製造方法が提供される。
【0015】
SR光を用いて高分子材料を加工するため、機械的に加工する場合に比べて、曲率半径の小さな曲面を容易に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1(A)は、本発明の実施例によるX線レンズの斜視図を示す。XYZ直交座標系を考える。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる直方体形状の基材50が、各面をXY面、YZ面、及びZX面に平行にするように配置されている。XY面に平行な2つの面に、それぞれ溝51A及び51Bが形成されている。溝51Aの内面(第1の表面52A)及び溝51Bの内面(第2の表面52B)は、共にY軸に平行な直線を母線とする柱面であり、YZ面(本明細書において、YZ面を主平面と呼ぶ)に関して面対称である。
【0017】
第1の表面52AはZ軸の負の方向を向き、第2の表面52BはZ軸の正の方向を向いている。すなわち、両者は相互に反対方向を向いている。また、第1及び第2の表面52A及び52Bは、共に凹面である。第1の表面52AとZX面との交線、及び第2の表面52BとZX面との交線は、共に放物線である。
【0018】
PTFEの屈折率をnとすると、
【0019】
【数2】
n=1−δ
と表すことができる。ここで、δは、屈折率低下分(refractive index decrement)である。波長0.7nmのX線に対するPTFEのδは7.25×10−7であり、吸収係数μは6cm−1である。
【0020】
図1(A)のZ軸の正の向きに進行するX線60が、第1の表面52Aに入射する。第1の表面52Aに入射したX線は、第1の表面52Aで屈折し、さらに第2の表面52Bで屈折し、ZX面内に関して収束するX線61が得られる。すなわち、第1及び第2の表面52A及び52Bを有する基材50は、X線に対して集光レンズとして作用する。
【0021】
図1(B)は、図1(A)のX線レンズのZX面における断面形状を示す。第1の表面52AとZX面との交線は、
【0022】
【数3】
=2R(−Z−d/2)
と表され、第2の表面52BとZX面との交線は、
【0023】
【数4】
=2R(Z−d/2)
と表される。ここで、R=2μm、d=10μmである。すなわち、この放物線の、YZ面との交点における曲率半径は2μmであり、YZ面上において、第1の表面52Aと第2の表面52Bとの間の厚さは10μmである。このレンズの焦点距離Fは、R/(2δ)で与えられるため、F=1.4mとなる。
【0024】
基材50のZ軸方向の厚さを1200μmとすると、Z=±600μmの位置における第1及び第2の表面52A及び52BのX座標は約±49μmになる。すなわち、このX線レンズのX軸方向の有効口径は約98μmになる。このとき、分解能σ=1μmになる。焦点距離F=1.4m、有効口径98μmの収束レンズを、1枚の円柱面のレンズで実現することは不可能である。上記特性の収束レンズを得るためには、図4に示すように、円柱面レンズを複数用いた複合レンズとしなければならない。本実施例の場合には、屈折面を放物面にしているため、1枚のレンズで焦点距離が短く、かつ有効口径の大きな収束レンズを実現することができる。
【0025】
実効的にX線を集光させることができ、かつ大きな有効口径を確保するためには、第1または第2の表面52Aまたは52BとZX面との交線の、YZ面との交点における曲率半径を20μm以下とすることが好ましい。
【0026】
また、上記実施例では、基材50としてPTFEを用いた場合を説明したが、PTFEの外に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例えばデュポン社の登録商標「テフロンFEP」)やテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体(例えばデュポン社の登録商標「テフロンPFA)を用いてもよい。
【0027】
また、X線の光軸近傍(YZ面近傍)におけるレンズの厚さが10μm程度であるため、X線吸収量を低減することができる。X線吸収量を十分少なくするためには、第1の表面52Aと第2の表面52Bとに挟まれた部分の最小厚さを50μm以下とすることが好ましい。
【0028】
また、上記実施例では、X線の入射側と出射側の2つの屈折面を、共に放物面とした場合を説明したが、一方の面のみを放物面としてもよい。また、X線を収束させる作用を奏する曲面であれば、放物面以外の滑らかな曲面としてもよい。ただし、この場合にも、この曲面とZX面との交線の、YZ面(主平面)との交点における曲率半径を20μm以下とすることが好ましい。
【0029】
次に、図1(A)に示す実施例によるX線レンズの製造方法について説明する。
【0030】
図2(A)は、実施例によるX線レンズの加工装置の概略図である。シンクロトロンに蓄積された電子の軌道1から光軸5に沿ってシンクロトロン放射光(SR光)2が放射される。光軸5に沿った光源からの距離Lの位置にPTFE基材4が配置されている。加工対象物4の前方には、間隔Gだけ離れてマスク3が配置されている。電子軌道1、基材4及びマスク3は同一の真空容器内に配置されている。
【0031】
マスク3には、SR光を実質的に透過させる領域と透過させない領域とが画定されている。なお、実質的に透過させる領域とは、PTFE基材4を加工するのに十分な強さのSR光を透過させる領域を意味し、実質的に透過させない領域とは、その領域をSR光が透過しないか、または透過したとしても透過光がPTFE基材を加工しない程度の強さまで弱められるような領域を意味する。
【0032】
本実施例で使用したマスクは、図2(B)に示すパターンを有する厚さ10〜100μmの銅板である。すなわち、マスクの縁は、凹状の放物線部分を含む。なお、銅以外の金属を用いてもよい。なお、マスクは、2〜10μm程度の厚さのものでもよい。
【0033】
SR光2は、マスク3を介してPTFE基材4の表面に照射される。SR光の照射される面は、図1(A)のZX面に平行な面である。PTFE基材4の表面でSR光によるエッチングが生じ、SR光が照射された部分が剥離される。SR光2は高い平行度を有するため、加工されたPTFE基材4は、光軸5に沿って見たときマスク3とほぼ同一形状になる。このため、図1(A)に示すようなX線レンズが得られる。
【0034】
図2(B)は、加工部の断面図を示す。真空容器20内に試料保持台14が配置されている。試料保持台14の試料保持面にPTFE基材4が保持されている。マスク3が、マスク保持手段17によりPTFE基材4の前面に配置されている。マスク3をPTFE基材4の表面に密着させてもよいし、ある間隔を隔てて配置してもよい。加工時には、図の左方からマスク3を通してPTFE基材4の表面にSR光2を照射する。
【0035】
試料保持台14は、例えばセラミックで形成され、内部にヒータ8が埋め込まれている。ヒータ8のリード線が、真空容器20の壁に取り付けられたコネクタ21の容器内側の端子に接続されている。コネクタ21の容器外側の端子が、電源7に接続されており、電源7からヒータ8に電流が供給される。ヒータ8に電流を流すことにより、PTFE基材4を加熱することができる。
【0036】
試料保持台14の試料保持面に熱電対23が取り付けられている。熱電対23のリード線は、リード線取出口22を通して真空容器20の外部に導出され、温度制御装置9に接続されている。リード線取出口22は、例えばハンダ付けにより気密性が保たれている。温度制御装置9は、試料保持面の温度が所望の温度になるように、電源7を制御しヒータ8を流れる電流を調節する。
【0037】
図2(C)は、試料保持台の他の構成例を示す。試料保持台15の内部にガス流路16が形成されている。ガス流路16に所望の温度のガスを流してガスとPTFE基材4との熱交換を行わせ、PTFE基材4を所望の温度に維持することができる。
【0038】
最小曲率半径20μm以下の滑らかな曲面、及び最小の間隔が50μm以下となるような2つの屈折面を、機械的な加工によって作製することは困難である。図2(A)に示すSR光を利用した加工装置を用いることにより、最小曲率半径20μm以下の放物面を容易に形成することができる。また、2つの放物面の最小間隔が50μm以下となるX線レンズを再現性よく作製することができる。
【0039】
SR光は高い平行度を有するため、図1(A)のX線レンズのY軸方向の厚さをTとしたとき、T/Rが5以上のレンズを容易に作製することができる。T/Rが5以上となるようにすることにより、レンズをY軸方向に大きくしても、焦点距離を短く維持することができる。
【0040】
上記実施例では、基材として、PTFE等の高分子材料を用いた場合を説明したが、X線吸収の少ない金属を用いてもよい。X線吸収の少ない金属として、例えばAlが挙げられる。以下、Alを用いたX線レンズの作製方法について説明する。
【0041】
図3(A)に示すように、金属膜31とそれに密着したPTFE膜32とが積層された基板30を準備する。基板30は、例えばPTFE膜にNi膜とCu膜をメッキにより堆積して作製することができる。または、Cu板の上にPTFE膜を載せ、加熱しながら加圧して融着させることによっても作製することができる。
【0042】
PTFE膜32の表面上に一定の間隔を隔ててマスク33を配置する。マスク33は、図1(B)に示す断面図を反転させたパターンが形成されたステンレス製の膜である。すなわち、マスク33の縁は、凸状の放物線部分を含む。
【0043】
マスク33を介してPTFE膜32にSR光34を照射する。照射された部分のPTFE膜32がエッチング除去される。金属膜31はエッチングされないため、金属膜31の表面が露出した時点でエッチングが停止する。
【0044】
基板温度を200℃とし、光子密度約6×1015フォトン/s・mmのSR光を照射したところ、約10分で300μmの厚さのPTFE膜32の全厚さ部分をエッチングすることができた。
【0045】
図3(B)は、金属膜31の表面の一部が露出した状態を示す。PTFE膜32に、マスク33のパターンに対応した除去部35が形成される。
【0046】
図3(C)に示すように、除去部35の底面に露出した金属膜31の表面上に、電鋳により、Alを堆積する。除去部35内が、Alからなる金属部材36で埋め込まれる。
【0047】
残ったPTFE膜32に、SR光または電子線を照射する。SR光を照射すると、PTFE膜32がエッチングされる。電子線を照射すると、PTFEが劣化して粉末状になり、PTFE膜32を容易に除去することが可能になる。
【0048】
図3(D)は、PTFE膜32を除去した後の状態の断面図を示す。金属膜31の表面上に金属部材36が残る。このようにして、AlからなるX線レンズを作製することができる。
【0049】
波長9nmのX線に対するAlの屈折率低下分δは約2.8×10−6であり、吸収係数μは約20cm−1である。従って、例えば焦点距離1.4mのレンズを得るためには、図1(A)の第1及び第2の表面52A及び52BとZX面との交線の、YZ面との交点における曲率半径を8μmとすればよい。例えば、分解能σを1μm程度とするためには、図1(A)のX軸方向の有効口径を126μmとすればよい。
【0050】
図3(A)〜(D)に示した方法の他に、放電加工によっても金属製のX線レンズを作製することができる。図1に示した実施例によるX線レンズを作製するためには、曲率半径の小さな局面を精度よく成形しなければならない。放電加工でこのような曲面を成形するためには、微細な工具電極を準備する必要がある。微細な工具電極は、例えばワイヤ放電研削法(ワイヤ・エレクトロディスチャージ・グリンディング)により作製することができる。ワイヤ放電研削法は、ワイヤガイドに沿ってゆっくり移動する金属細線を電極として、放電により細い棒を成形する手法である(例えば、増沢隆久「マイクロマシニングの研究と手法」精密工学会誌第60巻No.1,1994年)。
【0051】
ワイヤ放電研削法によって成形した微細な工具電極を用いて、金属材料を放電加工することにより、曲率半径の小さな曲面を有するX線レンズを作製することができる。
【0052】
また、X線レンズの材料として、PTFEや金属の他に、シリコン等の半導体材料を用いてもよい。シリコンの微細加工は、例えば、SFガスを用いた極低温反応性イオンエッチングにより行うことができる(Masayoshi Esashi et al., High−rate directional deep dry etching for bulk silicon micromachining, J. Micromech. Microeng. 5 (1995) pp.5−10)。
【0053】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、曲率半径の小さい曲面で屈折面を構成することにより、焦点距離の短いX線レンズを得ることができる。また、SR光によるエッチングを利用してX線レンズを作製することにより、曲率半径の小さな屈折面を容易に形成し、薄いレンズを再現性よく作製することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるX線レンズの斜視図、及び断面図である。
【図2】実施例で用いる加工装置の概略図、及び基材保持部の断面図である。
【図3】Alを用いたX線レンズを作製する方法を説明するための断面図である。
【図4】従来例によるX線レンズの側面図である。
【符号の説明】
1 電子軌道
2 SR光
3 マスク
4 PTFE基材
5 光軸
7 電源
8 ヒータ
9 温度制御装置
14、15 試料保持台
16 ガス流路
17 マスク保持手段
20 真空容器
21 コネクタ
22 リード線取出口
23 熱電対
30 積層基板
31 金属膜
32 PTFE膜
33 マスク
34 SR光
35 除去部
36 金属部材
50 基材
51A、51B 溝
52A 第1の表面
52B 第2の表面
60、61 X線

Claims (9)

  1. ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されたX線レンズであって、入射するX線の進行方向をZ軸とするXYZ直交座標系を考えたとき、Y軸に平行な直線を母線とする柱面からなる第1の表面を有し、該第1の表面がYZ面に関して面対称であり、該第1の表面と、ZX面との交線が第1の曲線であり、該第1の曲線の、YZ面との交点における曲率半径が20μm以下であり、該第1の表面は、X線を収束させる作用を奏するX線レンズ。
  2. 前記第1の表面が凹面である請求項1に記載のX線レンズ。
  3. 前記第1の曲線が放物線である請求項1または2に記載のX線レンズ。
  4. さらに、前記第1の表面の母線に平行な直線を母線とする柱面からなり、該第1の表面とは反対方向を向く第2の表面を有し、該第2の表面が前記YZ面に関して面対称な凹面であり、該第2の表面と、ZX面との交線が第2の曲線であり、前記第1の表面と第2の表面とに挟まれた部分の、厚さが最小となる位置における厚さが50μm以下であり、該第1の表面及び第2の表面が、X線を収束させる作用を奏する請求項1〜3のいずれかに記載のX線レンズ。
  5. ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されたX線レンズであって、XYZ直交座標係を考えたとき、Y軸に平行な直線を母線とする柱面からなる第1の表面を有し、該第1の表面がYZ面に関して面対称な凹面であり、該第1の表面とZX面との交線が放物線になるX線レンズ。
  6. さらに、前記第1の表面とZX面との交線の、YZ面との交点における曲率半径をR、X線レンズのY軸方向の厚さをTとしたとき、T/Rが5以上である請求項5に記載のX線レンズ。
  7. ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成された部材を準備する工程と、
    縁の一部に、凹状の放物線部分を含み、シンクロトロン放射光を透過させないマスクを、前記部材の表面に密着させ、または該表面からある間隔を隔てて配置する工程と、
    前記マスクを介して前記部材にシンクロトロン放射光を照射し、該部材をシンクロトロン放射光によりエッチングする工程と
    を含むX線レンズの製造方法。
  8. 前記マスクの縁のうち前記放物線部分の、曲率半径が最小となる位置における曲率半径が20μm以下であり、エッチングされて形成された面のうち前記放物線部分に対応する面が、X線を収束させる作用を奏する請求項7に記載のX線レンズの製造方法。
  9. 支持基板と、該支持基板に密着した高分子膜であって、該高分子膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体からなる群より選択された高分子材料により形成されている積層基板を準備する工程と、
    縁の一部に、凸状の放物線部分を含み、シンクロトロン放射光を透過させないマスクを、前記部材の表面に密着させ、または該表面からある間隔を隔てて配置する工程と、
    前記マスクを介して前記高分子膜にシンクロトロン放射光を照射し、該高分子膜をシンクロトロン放射光によりエッチングする工程と、
    前記高分子膜のエッチングされた部分に、金属部材を埋め込む工程と、
    前記支持基板上に残っている高分子膜を除去する工程と
    を有し、
    前記マスクの縁のうち前記放物線部分の、曲率半径が最小となる位置における曲率半径が20μm以下であり、エッチングされて形成された面のうち前記放物線部分に対応する面が、X線を収束させる作用を奏するX線レンズの製造方法。
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