JP2526409B2 - X線レンズ - Google Patents

X線レンズ

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JP2526409B2
JP2526409B2 JP6045288A JP4528894A JP2526409B2 JP 2526409 B2 JP2526409 B2 JP 2526409B2 JP 6045288 A JP6045288 A JP 6045288A JP 4528894 A JP4528894 A JP 4528894A JP 2526409 B2 JP2526409 B2 JP 2526409B2
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ray lens
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光に比べ、短い焦
点距離で集束させるのが難しいX線用のレンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】良く知られているように、物質の屈折率
nは、 n=1−δ−iβ ・・・・・・・・ (1) で表され、また、 2π(δ+iβ)=Na ・ re ・ λ2 ・(f1+if2) ・・・・・・・・・・ (2) なる関係がある。ただし、iは虚数を表す記号、δは位
相遅延係数、βは減衰係数、Na は原子密度、re は電
子の古典半径、λはX線の波長、f1,f2は原子散乱因子
である。
【0003】しかるに、可視光領域ならば、屈折率nが
1から大きく離れ、かつ吸収の小さい(|β/δ|≪
1)物質が多く存在するので、反射鏡や屈折を利用する
レンズの作製は容易である。ところが、X線のような短
波長領域では位相遅延係数δの絶対値は1よりもずっと
小さくなる(|δ|≪1)ため、全ての物質の屈折率n
が1に近くなってしまい、また吸収も大きくなるので、
反射や屈折を利用した光学素子の作製がそもそも困難で
ある。
【0004】例えば、δが小さい場合、中心軸に対し当
該中心軸から直交する方向に離れる距離rにおける厚み
がd(r)、中心軸の通る最も薄い部分の厚みがdo で、 r2 =2δf(d(r) −do) ・・・・・・・・ (3) なる放物線回転面形状を持つ凹面形状物質は、中心軸に
平行に入射する平面電磁波を距離fの点に集光するレン
ズとして機能し、また特に、d(r) −do がrに比して
十分小さい場合には、上記 (3)式は下記 (4)式に示すよ
うに、半径Rの凹面で近似できる。 R=δf ・・・・・・・・ (4)
【0005】しかし、X線領域では、δの絶対値は一般
に10-5程度と極めて小さいので、上記 (4)式に従うレン
ズを作製しても、X線領域における焦点距離fは異常に
長くなってしまう。例えばベリリウムで曲率半径R= 1
cmの凹面を持つレンズを作製したとすると、波長λ=0.
1nm のX線(以下、このようなX線は「0.1nmX線」 と簡
略表記する)に対する焦点距離fは、何と 4.5Kmにもな
る。原子散乱因子f1は物質の原子番号Zにほぼ比例する
ので、原子番号Zの大きな物質を用いれば焦点距離fは
短くなるが、例えばZ=79の金を用いたとしても、ベリ
リウムのそれの約1/20、220m程度にしかならない。
【0006】そこで従来からも、何らかの工夫により、
実用的な焦点距離範囲のX線レンズを作製しようとする
試みが種々なされて来た。例えば屈折を利用した比較的
古い実験例として、P.Kirkpatrick の報告(J.Opt.Soc.A
m.39(1949)746)がある。これによると、光学凹レンズの
凹面側に数μrad という極めて浅い角度で波長0.07nmの
X線を斜入射させることにより、線状の集光パタンが得
られたとされている。しかし、極めて浅い角度での斜入
射によるため、収差が大きく、集光特性は極めて不満足
であって、以後、このような考えに即しての屈折を利用
したX線レンズの報告はない。
【0007】一方、透過型レンズではなく、反射により
集光を図った試みもある。一般的に言えば電磁波は屈折
率の不連続な界面で反射され、当該界面における屈折率
差が大きい程、反射強度も大きくなるが、全ての物質の
屈折率nが1に近くなるX線領域では、単一界面での垂
直入射反射率は極めて小さくなる。そこで、こうした反
射光学系を用いた場合にも、やはり浅い角度でX線を斜
入射させることで全反射条件を満たし、大きな反射率を
得ようとする考えがあった。例えば 1nmX線を金等の金
属に対し、20mrad程度の極めて浅い角度で斜入射させる
と、反射率は数十%程度にはなる。しかし、球面を斜入
射で用いるとやはり収差が大きくなり、良好な集光特性
を得ることができない。
【0008】この欠点を緩和するため、回転楕円面を用
いるWolter型とか、二つの楕円筒面を直交させて用いる
Kirkpatrick-Baez型等が提案された。これらの斜入射光
学系によれば、一応、0.08nm程度の短波長X線までの集
光が可能ではある。
【0009】しかし、非球面形状は作製が容易でなく、
加工精度を高く取ることが難しいので、高精度で比較的
容易に作製可能な球面形状の反射鏡を用い、かつ斜入射
ではなく、収差特性上有利な垂直入射にこだわった研究
もある。つまり、単一の界面での垂直反射率は極めて小
さくても、一定の周期で多数の界面を積層的に形成すれ
ば、極めて微弱な各界面からのX線反射波も干渉により
強くなり、実効的には大きな反射率が得られるとの発想
から、集束対象とするX線波長と同じ程度の厚さの薄膜
を多数枚積層した多層膜X線反射鏡が提案された。特
に、この考えに即し、T.Barbee et al.(Appl.Opt.24(19
85)883) が17nmX線に対し65%という画期的に高い反射
率の多層膜X線反射鏡の作製に成功して以来、この種の
研究が富みに盛んになり、現在では多層膜を施した球面
反射光学系で数十nmの結像分解能が実現されている。こ
うした光学系は直径が数十mmと大きくできること、0.2r
ad程度の比較的大きな集光角度も許容できること等で利
点がある。
【0010】これとは別に、A.V.Baez(J.Opt.Soc.Am.42
(1952)756)は、回折を利用するフレネルゾーンプレート
を用いてのX線集光を提案した。すなわち、外側に行く
程幅が狭くなるリング状開口をある一定の間隔で同心円
状に多数配列して成るフレネル型のゾーンプレートを用
いると、各リングからの回折X線が互いに干渉するの
で、X線の集光ができる。集光点の大きさは最も外側の
リング幅で制限され、回折効率は10%以下である。現在
では、直径 1mm、最外側リング幅 0.3μm、焦点距離10cm
程度のコンデンサゾーンプレートや、直径20数μm、最外
側リング幅50nm、焦点距離0.6mm 程度のマイクロゾーン
プレートが作られている。しかし、集光角は数十mrad程
度と小さい。
【0011】これに対し、1nm以下の短波長X線を数μ
m 以下の径に絞りたいとき等は、現在でもなお、未だ満
足なX線光学系が提供されてはおらず、相変わらず微小
径のピンホールが用いられている。ただ、このピンホー
ルでは、確かに0.04nmX線のマイクロビーム化等は可能
になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来か
らもX線の集光には種々の技術が提案されてきたが、い
ずれも完全に満足の行くものはなかった。注目すべき利
点を持つものが中にはあるにしても、それらはまた、同
時に多くの欠点も持っていた。斜入射によるものは、い
ずれも収差がかなり多く、実用には適さない。この欠点
を補うべく提案された既述のWolter型とかKirkpatrick-
Baez型等、非球面形状ないし非円形断面形状の光学部材
を要するものでは、その作製自体が難しく、高精度は出
し難い。
【0013】そうかといって、球面形状で良く、かつ垂
直入射で良い多層膜反射鏡を用いる方式でも、界面周期
が対象とするX線波長と等しく、かつ正確に一定であっ
て、界面が明瞭でなければならない等、困難な条件が加
味されるため、やはり作製は必ずしも容易ではなく、精
度も出し難い。実際、明瞭な界面を持つ短い周期の多層
膜を作製するのは難しく、界面の表面粗さも小さくはで
きないことから、垂直入射によってある程度以上の反射
率の得られる波長は 4.4nm以上と長い。斜入射にすれば
かなり短波長のX線でも集光できるが、既述のように、
斜入射による手法は本質的に望ましくない。換言すれ
ば、現在提供されている多層膜X線反射鏡は、数十nm以
上の比較的長波長のX線を集光する分には高分解能で良
いが、短波長X線の集光には向いていない。
【0014】一方、既述したフレネル型のゾーンプレー
トによれば、多層膜光学系に比べる限り、比較的短波長
のX線まで集光可能であるが、それでもX線の透過力が
増すことに起因して、波長の短か過ぎるX線に対しては
良好な性能を呈し得ず、実用的レベルではせいぜい 2〜
3nm程度の波長までが適用限界である。また、すでに述
べたように、回折効率は10%程度と低いし、作製も決し
て容易ではない。
【0015】さらに、光学系を使わず、ピンホールを用
いる方式では、透過力の高い波長領域のX線に対しては
ピンホールを穿つ部材の厚みを厚くしなければならない
が、アスペクト比、すなわち厚さとピンホール径との比
の大きなピンホールを精度良く作製するのは容易ではな
い等の理由で、実際にもサブμm 径のピンホールは作り
得ていない。第一、この方式では、照射されるX線のエ
ネルギは殆ど無駄に遮断され、透過X線強度は極めて小
さくなってしまう。
【0016】本発明はこのような従来例の実情に鑑み、
製作が比較的容易で高精度が出し易く、かつ、原理的に
収差の発生し難い垂直入射で用いることができ、適用波
長範囲も広く取ることができて(特に短波長側に向かっ
て)、集束性能も高く取り得る、実用的なX線レンズの
提供を目的として成されたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明者はまず、次のような知見を得た。すなわち、X線
用のレンズであっても、理想的には既掲の (3)式に示さ
れるように回転放物面形状のレンズが良いが、半径Rの
凹面形状物質は、既掲の (4)式にて与えられる焦点距離
fのX線レンズとして近似的に、ないし十分なる実用範
囲において用いることができる。しかし、同じく既掲の
(4)式から導かれるように、単体の凹面レンズだけで
は、その半径Rを小さくすることだけで焦点距離fの短
縮化を図ってもそれには限度があり、実際には焦点距離
fは相当長くなってしまう。
【0018】そこで、本発明者は、凹面形状を背中合わ
せに二つ重ねた半径Rの中空円筒か中空半球を用い、こ
れを、 fU =R/2δ ・・・・・・・・ (5) にて表される焦点距離fU のX線用“単位レンズ”とす
る考え方を導入し、この単位レンズをN個、直線状の配
列軸に沿って並設配列した構造のX線レンズに思い至っ
た。先掲の (4)式により表される焦点距離fに比し、上
記 (5)により表される焦点距離fU が実質的に半分とな
っているのは、中空円筒や中空半球では上記のように、
凹面形状を二つ、背中合わせにしたことになるからであ
るが、いずれにしてもこのような構造であれば、単位レ
ンズの配列軸と平行にX線を入射させることで、実効的
な焦点距離fT は fT =fU /N ・・・・・・・・ (6) にまで縮めることができる。したがって、Nを任意必要
数に取れば、実効的に十分短い焦点距離fT のX線レン
ズが得られることになる。
【0019】一方でまた、レンズ作製上の加工性を考慮
しても、一定半径の中空円筒か、もしくは一定半径の中
空半球であるならば、既存の加工技術によっても極めて
高精度な加工が可能である。また、このような形状のレ
ンズで良好な集光特性を得るのには、その加工に際し、
対象とするX線波長λをレンズ構成物質の位相遅延係数
δで除した値(=λ/δ)の数分の一以下の形状精度が
要求されることがあるが、そうであったにしても、その
程度の要求は、既述した従来の斜入射光学系や多層膜反
射光学系、あるいはまたゾーンプレート等の作製時に要
求される精度に比せば遥かに緩くて済む。さらに、複数
N個の中空円筒か中空半球を一直線状に配列するのも、
既存の技術で十分高精度に行なえる。
【0020】こうした知見に基づき、本発明者はまず、
基本的な第一の発明として、集束対象のX線を透過し得
る物質から成るレンズ材部材に対し、中空円筒により構
成された単位レンズを複数N個、それぞれの中空円筒が
直線状に伸びる配列軸に沿って互いに平行に並ぶように
配列されたX線レンズを提案する。
【0021】この場合、全部でN個の各中空円筒のそれ
ぞれの半径Rj(1≦j≦N) を全て等しくし、すなわち
Rj(1≦j≦N) =Rとするのが設計製作上も簡単であ
り、最も普通の構成であるが、これは必須ではない。N
個の中の幾つかまたは全ての中空円筒の半径Rj(1≦j
≦N) が他とは異なっていても良く、その場合には、一
番目の中空円筒の半径をR1,二番目のをR2 等として、
以下順にN番目の中空円筒の半径をRN と表せば、これ
らと既述の数値Rとの間には、 (1/R)={(1/R1)+(1/R2)+ ・・・・・ +(1/RN)}/N ・・・・ (7) なる関係がある。すなわち、幾つかまたは全ての中空円
筒の半径が他とは異なるX線レンズにおいても、そのよ
うなX線レンズは上記 (7)式により求められる半径Rの
中空円筒をN個配列したものとして取扱うことができ
る。したがって、例えば設計段階において最終的に得ら
れる焦点距離の試算や、後述する各補正部材の形状決定
等のときにパラメータとして必要になれば、このように
して求めた数値Rを用いることができる。上記 (7)式は
Rの逆数であるので、これをRに関して解き、さらに文
章的に言い直すならば、N個の上記中空円筒のそれぞれ
の半径Rj(1≦j≦N)の逆数の総和{(1/R1)+(1/
R2)+ ・・・・・ +(1/RN)}により数値Nを除した値をR
として取扱えば良いということになる。もちろん、ここ
において、Rj(1≦j≦N)が全て等しいときには、上
記 (7)式右辺は明らかに左辺と同じ(1/R)になる。
【0022】このような本発明X線レンズの実際の作製
に鑑みると、上記の基本的構成はむしろ、単一共通のレ
ンズ材部材に対し、配列軸に沿ってそれぞれが単位レン
ズを構成する複数N個の中空円筒を互いに平行に穿った
X線レンズに改変できる。つまり、単位レンズの各レン
ズ部材を互いに共通の単一部材とするのである。
【0023】以上に加えて、中空円筒は中空半球に代え
ることもできるし(この場合にも上記の半径Rj(1≦j
≦N)に関する議論はそのまま適用できる)、さらに、
完全な中空半球ではなく、球状空間の一部を成す凹みに
することもできる。したがって本発明は、このようなX
線レンズをも提案する。
【0024】さらに、本発明では、単位レンズが中空円
筒から構成されている場合には、上記したX線レンズを
二つ用い、その一方を第一部分レンズ、他方を第二部分
レンズとして、これら第一、第二部分レンズを配列軸を
共通にしながら配列軸方向で前後に設け、かつ、第一部
分レンズのN個の単位レンズを構成する中空円筒群と第
二部分レンズのN個の単位レンズを構成する中空円筒群
とを互いに直交させるように配して成るX線レンズも提
案する。ただし、第一、第二部分レンズの中、いずれか
一方の単位レンズの数は、焦点距離調整のため、上記N
と異なる数Mにしても良いし、幾つかまたは全ての中空
円筒の半径を他とは異ならせても良い。また、第一、第
二部分レンズのレンズ材部材は互いに独立なものではな
く、それらに共通の単一部材とすることもできる。第
一、第二部分レンズの一方をさらに二つに分けて(つま
りは全部で三つの部分レンズを用いて)、その一方に設
ける単位レンズの数を(N−X)個、他方に設ける単位
レンズの数をX個として、これら二つの部分レンズによ
り残り一つの部分レンズを配列軸方向に沿って挟み込む
ようにしても良い。Xは1以上N未満の数で、一般には
X=N/2とする。
【0025】一方、単位レンズが中空半球で構成されて
いる場合には、本発明におけるさらなる態様の一つとし
て、上記のX線レンズを二つ用い、一方を第一部分レン
ズ、他方を第二部分レンズとして、一方をひっくり返し
ながら配列軸と直交する方向に互いに重ね合わせたX線
レンズも提案する。この場合、第一、第二部分レンズの
それぞれの単位レンズの一つづつが配列軸方向で互いに
位置的に整合している結果、重ね合わされた一対の単位
レンズにより構成された中空球状の空間が配列軸方向に
沿いN個形成されている構造が寸法的には小型になる
が、これは限定的ではなく、機能的には第一、第二部分
レンズは配列軸が一致している限り、前後にずれていて
も構わない。
【0026】その外にも本発明では、N個の単位レンズ
の実質的な直列構成(カスケード構成)によって生ずる
球面収差を補正するための球面収差補正部材や、N個の
単位レンズ群を透過するX線の強度分布を均一化するた
めの強度補正部材の使用、あるいはまた、配列軸方向に
隣接する単位レンズ間のレンズ材部材による透過X線強
度の減衰を抑えるための間隙構成等も提案する。
【0027】
【実施例】図1には、本発明に従って構成された一実施
例として、集束対象である波長λのX線XRを集束するた
めのX線レンズ10が示されている。この実施例の場合、
直方体形状ないしは平板形状の中実なレンズ材部材11を
有し、これにはその厚み方向に穿たれた中空円筒12が複
数N個(N≧2)、設けられている。各中空円筒12の各
半径Rj(1≦j≦N)はこの実施例では全て等しくRと
しているが、この場合、集束対象X線XRの波長λに対応
するレンズ材部材11の位相遅延係数をδとした時、各中
空円筒12は既掲の (5)式に従い、焦点距離fU の単位X
線レンズ12として機能する。換言すれば、このような中
空円筒型単位レンズ12は、X線用としてかなり微小径に
作製される場合、既掲の (3)式により得られる理想形状
の放物線回転面に対する極めて良い近似であり、実用
上、遜色ないレンズ効果が得られる。
【0028】しかし、単体の単位レンズ12のみでは、こ
れもすでに述べたように、X線集束用とするには途方も
なく長い焦点距離となる。ところが本発明では、N個の
中空円筒12を継続接続して(カスケード構成にして)用
い、これらを互いに平行に、かつそれらの中心軸が全
て、一本の直線である配列軸と直交するように配列して
いるので、これらN個の中空円筒12ないしN個の単位レ
ンズ12の群から成る全体としての本発明X線レンズ10
は、焦点距離fT が実効的にfU /Nに縮められたX線
レンズ10となり、単位レンズ12の配列軸に沿って照射さ
れるX線XRは、十分実用的な長さ範囲に留められた実効
焦点距離fT に対応する焦点位置FPにて集束され、線状
集光XPとなる。
【0029】こうした構成の本発明X線レンズ10におい
ては、単位レンズ12の並設数Nを増すことで焦点距離f
T は任意に縮めることができる。しかし、実用的な焦点
距離で実用的なレンズ口径を得るには、X線を透過させ
るレンズ材部材11の位相遅延係数δもなるべく大きい方
が良い。位相遅延係数δはほぼ材料密度に比例するの
で、その意味からは比重の大きな材料が適当であると言
える。その一方で、X線の吸収をなるべく少なくしたい
場合には、当該レンズ材部材11はまた、X線吸収係数
(減衰係数)βの小さなことも要求される。対象とする
X線の波長λが相対的に長い時には吸収の問題が大きく
なり、相対的に短波長の場合には、むしろ上述の位相遅
延係数δが大きいことが求められる。
【0030】したがって、1〜 0.3nmX線の集束用に適し
たレンズ材部材11としては例えばリチウム(原子番号Z
=3)を挙げることができ、同様に波長0.2nm 近傍のX
線に対してはベリリウム(Z=4)を、 0.1nm近傍のX
線に対しては炭素(Z=6)を、0.06nm近傍のX線に対
してはクロム(Z=24)を、それぞれ挙げることがで
きる。ただし、加工の容易さを優先する等、その他の理
由から、他の材料を用いることは差し支えない。また、
例えば 0.8nmX線用にアルミニウムを、 0.7nmX線用に
シリコンを用いる場合等は、波長に対する素材の適正と
当該素材の加工性の良さとが両立した場合となる。これ
らの点は、後述する本発明の他の実施例に関しても同様
に適用できる。
【0031】ここで一、二の具体例を挙げると、レンズ
材部材11として選んだ長さ8mm のベリリウム板11に、半
径R= 400μm の中空円筒12を当該長さ方向に沿って直
線状に10個穿つ。それら10個の中空円筒12の円筒中心軸
に直交し、これら円筒中心軸を結ぶ直線が単位レンズの
配列軸となるが、この配列軸に沿い、隣接する中空円筒
12,12同志はできるだけ密接するように図る。その結
果、X線XRの波長λの自乗に逆比例する焦点距離fT
この具体例におけるX線レンズ10の場合、0.8nmX線に対
して約50cmとなり、半径RX = 150μm、すなわち幅 300
μm のX線ビームが十分良く集光される(図1中、X線
XRの照射パタンは利用可能な最大面積領域である矩形パ
タンとなっているが、もちろんこの領域内であれば任意
パタンでの照射が可能である)。また、θ=2RX /fT
で与えられる集光角度θは0.6mradであり、Δx=λ/
θで与えられる集光径Δxは 1.3μm である。
【0032】さらに、第二の具体例として、レンズ材部
材11として選んだ長さ50mmの炭素板11に対し、半径R=
500μm の中空円筒12を当該長さ方向に沿って直線状に
50個穿つ。その結果、0.1nmX線に対し焦点距離fT が 1
65cmのX線レンズ10が得られる。集光角度θは0.14mrad
となり、集光径Δxは 0.7μm となる。ただし、有効レ
ンズ径は中空円筒の直径2Rに等しくはなく、それより
小さい 230μm と見積もれた。
【0033】以上のように、本発明によると十分実用的
なX線レンズが提供できるが、その作製も容易であり、
上記のような径範囲からさらに一桁程度小さい径でも、
中空円筒12はマイクロドリルによる機械加工で十分高精
度に開けることができる。他にも利用可能な加工技術は
現状でも種々あり、例えばレーザビーム加工法とか、半
導体集積回路の作製等に用いられているリソグラフィ技
術を援用することもできる。このように、本発明では非
円形断面形状ではなく、円形断面形状のレンズを用いる
ことの効果は、現実的にレンズ作製の上でも大きな利点
がある。
【0034】図1に示される本発明X線レンズ10は、一
つのレンズ材部材11に対し、複数N個の中空円筒12を穿
っている。しかし、本発明の原理に従う限り、これは限
定的なことではなく、一つの中空円筒12のみを有するレ
ンズ材部材11を単位のレンズと考え、こうして構成され
た単位レンズのレンズ材部材同志を物理的に密接ないし
隣接配置することで、実質的に図1に示されているのと
同じ複数の中空円筒群から成る本発明X線レンズ10を構
成することもできる。この点もやはり、後に示す他の実
施例においても同様である。
【0035】また、上述の構成の本発明X線レンズ10で
は、焦点位置FPにて線状集光XPを得るものであるが、図
2に示すような工夫を施すと、点状集光XPを得ることも
できる。図2(B) は図2(A) 中、2B−2B線に沿う断面端
面図であるが、この実施例では、先に説明した本発明X
線レンズ10を二つ用いている。図2(A),(B) 中、左側に
示されているX線レンズ10を便宜上第一の部分レンズ10
a、他方を第二の部分レンズ10b とすると、この実施例で
は、第一、第二の部分レンズ10a,10b をそれらの中空円
筒12の配列軸を共通にしながら当該配列軸方向で前後に
配し、かつ、互いには直交するようにしている。その結
果、焦点位置FPにて得られる集光パタンXPは点状集光XP
となる。
【0036】しかし、この場合、第一部分レンズ10a の
X線入射位置から焦点位置FPに至るまでの距離と、第二
部分レンズ10b のX線入射位置から焦点位置FPに至るま
での距離とは異なるので、必要に応じ、第一部分レンズ
10a に穿つ中空円筒12の数Nと第二部分レンズ10b に穿
つ中空円筒の数Mとを互いに異ならせたり、第二部分レ
ンズ10b に穿つ中空円筒12の半径Rを第一部分レンズ10
a に穿つ中空円筒12のそれとは異ならせることで、各部
分レンズ10a,10b の単体の焦点距離を調整することもで
きる。もちろん、極端に離間させない限り、第一、第二
部分レンズ10a,10b は密接させず、その間に空隙を置く
ようにしても良く、また、その間の距離の調整により、
各々の焦点距離の差の調整を行なうこともできる。な
お、本書で言う上記のような「空隙」とか、後述する
「間隙」とは、文字通りその中には何も実体のあるもの
は入っておらず、大気もしくは何らかのガス成分が入っ
ているか、あるいは真空状態に近い状態になっているに
過ぎない場合を始め、対象とするX線波長に対しては問
題とならない吸収係数の物質が充填されている場合も含
む。換言すれば、対象とするX線波長にとって空隙ない
し間隙と看做せる状態にある部分は、それらを空隙ない
し間隙と呼ぶ。
【0037】さらに、図2(A),(B) に示される場合は、
第一、第二部分レンズ10a,10b はそれぞれ部品としては
個別の部品であるが、図2(C) に示されるように、それ
らのレンズ材部材11を共通部材とすれば、光学部品とし
て見ても単一部品のX線レンズ10とすることができる。
図示の場合、矩形断面の棒状レンズ材部材11の左半分に
は第一部分レンズ10a に相当する中空円筒12の群を、右
半分にはこれと直交する関係で第二部分レンズ10b に相
当する中空円筒12の群をそれぞれまとめて穿ってある
が、場合によっては一つ置きに中空円筒12を直交させな
がら穿つか、あるいは幾つかづつをまとめて交互に直交
させながら穿つことで、図2(A),(B) に示されるX線レ
ンズ10と同様の機能を満たすX線レンズを得ることもで
きる。これと同様の考えからすれば、上記した第一、第
二部分レンズ10a,10b の一方、例えば第一部分レンズ10
a をさらに二つに分け、その一方に(N−X)個の単位
レンズないし中空円筒12を設け、他方にはX個の中空円
筒12を設けるようにして、これらの間に第二部分レンズ
を配列軸方向に挟み込むようにすることもできる。ここ
でXは1以上N未満の数とするが、一般的には半分づ
つ、すなわちX=N/2とするのが良い。もちろん、こ
のようにする場合にも、各部分レンズのレンズ材部材は
共通とすることもできるし、さらに4つ以上もっと多く
の数の本発明X線レンズを必要に応じて組合せて用いる
ことも妨げない。
【0038】このように、本発明のX線レンズ10を単体
として用いるか、あるいは上記のように複数個をそれぞ
れ部分レンズとして組合せて用いるかにしても、複数N
個の中空円筒の半径Rj(1≦j≦N) は、いずれの場合
にも、上記のように全ての半径Rj を等しくRとするの
に代えて、その中の幾つかまたは全てを他とは異なる半
径にすることも可能である。この場合には先の (7)式に
従って求められる等価半径Rの中空円筒をN個配列した
場合に等しくなり、それに応じた焦点距離fTとなるの
で、換言すれば、そのような中空円筒間での半径Rj の
相違により、本発明X線レンズ10としての実効的な焦点
距離fT を意図的に調整することもできる。この点は、
以下に述べる中空半球を用いた実施例においても同様で
ある。
【0039】図3は、本発明のまた別な実施例を示して
おり、符号20,21,22は、それぞれ先の実施例における
符号10,11,12により指示される部材に相当する。異な
るのは、単位レンズ22が中空半球22に代えられているこ
とである。すなわち、この図3に示されるX線レンズ20
は、直方体形状ないしは平板形状の中実なレンズ材部材
21に対し、半径Rの中空半球22をN個(N≧2)、それ
らの中心軸が一次元方向に直線的に伸びる配列軸上に載
るようにして構成されている。しかし、この場合にも、
各中空半球22は半径Rが小さいとき、既掲の (3)式の良
い近似である既掲の (5)式に従い、焦点距離fU の単位
X線レンズ22として機能する。そして、配列数Nを必要
な程度に大きく取れば、全体的なX線レンズ20としての
実効的な焦点距離fT =fU /Nは十分短くすることが
でき、実用的な範囲内に収めることができる。そのた
め、これに断面半円形状パタンのX線XRを配列軸に沿っ
て入射させれば、焦点位置FPにてミクロには半円断面形
状の、一般には十分点状と看做せる半円状集光XPが得ら
れる。
【0040】しかし、円形ビームX線の集光を図りたい
時には、図4に示される構成を採用すると良い。すなわ
ち、上述した構成のX線レンズ20を二つ用い、一方を第
一部分レンズ20a,他方を第二部分レンズ20b として、そ
の一方を上下ひっくり返し、配列軸に対し直交する方向
で他方に重ね合わせ、円形断面パタンのX線XRを入射さ
せれば、焦点位置FPにて点状集光XPを得ることができ
る。
【0041】ここで、図4の場合には特に、重ね合わせ
る第一、第二部分レンズ20a,20b のそれぞれに設けられ
ているN個の中空半球22,22の一つづつがそれぞれ配列
軸方向に沿って位置的にも整合し、各々一つの中空球状
空間を構成している。これは本発明X線レンズを寸法的
に小型にするのには良いが、機能的に必須のことではな
い。第一、第二部分レンズ20a,20b が互いに配列軸方向
に沿って前後にずれていても構わない。
【0042】このような中空半球22も、放電加工や等方
性エッチング、あるいはまた真球を一直線上に配した鋳
型等を用いることで、既存の加工技術水準でも十分高精
度に形成することができる。それでなくても中空半球22
や、既述した中空円筒12を形成するのに要求される加工
精度は、従来の斜入射光学系や多層膜光学系、ゾーンプ
レート等の作製に要求される精度に比せば遥かに緩くて
済む。本発明X線レンズ10,20で良好な集光特性を得る
には、X線波長λをレンズ材部材11,21の位相遅延係数
δで除した値(λ/δ)の数分の一以下の形状精度が各
単位レンズに求められることもあるが、それもせいぜい
数μm 程度であり、これはクリアするに容易な値であ
る。
【0043】以上、単位レンズを中空円筒12で構成する
場合と中空半球22で構成する場合の各実施例につき説明
したが、両者に言える基本的な特徴として、本発明のX
線レンズ10,20は、集光対象のX線XRを透過させて用い
るので、集光効率がそもそも高い。集光性能や集光効率
は一般的に言ってもレンズ材料による吸収で制限される
ので、逆に言えば本発明のX線レンズは、望ましいこと
に、特に 1nm以下の短波長X線に対して有効に機能す
る。短波長側の限界は、既掲の (1),(2)式から理解され
るように、レンズ材部材11,21の位相遅延係数δがX線
波長λの短縮化と共に急激に小さくなり、それに反比例
してX線レンズの焦点距離が急激に長くなることで制限
されるので、本発明X線レンズ10,20の場合、実用的な
範囲では概ね0.05nm程度となるが、それでもこの値は、
先に述べたいずれの従来例と比してもかなり短く、本発
明の優位性がその点でも実証される。
【0044】ただ、先掲の実施例に認められるように、
(4)式で近似した球面が (3)式による理想的な放物線回
転面形状から離れる程、つまりはレンズ口径が大きくな
る程、球面収差も大きくなるので、有効レンズ径は低下
する。これを防ぐか、緩和するには、例えば図5(A),
(B),(C) に示されるような実施例構造を採用することが
一つの良い方策である。
【0045】図5(A) に示すX線レンズ10は、図1に示
したX線レンズ10と同様であって、単位レンズ12として
中空円筒12を用いるものであるが、集束対象のX線XR
入射部に光学特性に関する補正部30を有しており、この
補正部30にはまず、配列軸Xcと共通の光学軸で球面収差
補正部材32が設けられている。
【0046】球面収差補正部材32は、望ましくは図5
(B) に示されているように、中空円筒12の円筒軸と直交
する平面(中空円筒12の開口を見る面)において配列軸
Xcの通る中心位置Xoにおける厚み(肉厚)が一番厚くな
っている直柱状の部材で、当該配列軸Xcから直交する方
向に離れる距離rに応じ、その肉厚t(r) が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2 /2} ・・・・・・・・ (8) に基づいて決定されているのが良い。ここで、Nはこれ
まで述べて来た通り、用いられている単位レンズないし
中空円筒12の総数であり、Rは中空円筒12の実際の半径
であるか、または上記 (7)式により求められる等価半径
である。
【0047】しかし、このような形状を厳密に満たす必
要のないことも多いので、例えば上記 (8)式の次数を落
として、当該 (8)式の代わりに t(r) = (NR/4)(r/R)4 ・・・・・・・・ (9) なる式を用いても十分なこともあるし、さらには作製
上、多面柱で近似したほうが楽なこともあるので、その
ような場合には、上記 (8)式ないし (9)式に従う図5
(B) に示した形状の球面収差補正部材32は、図5(C) に
示すように、輪郭形状34が折れ線近似のように多面形状
となっている中実部材に変更可能であり、それで十分な
ことも多い。
【0048】一方で、また別な観点からすると、短焦点
のX線レンズを得るには、中空円筒12の数Nを増すか、
各中空円筒12の半径を小さくするかの二通りの方法があ
る。ところが、上記 (8)式ないし (9)式を見ると分かる
ように、半径を小さくすると大きな口径のX線レンズを
得るに必要となる球面収差補正部材32の肉厚が厚くな
る。したがって、なるべく薄い(小さな)球面収差補正
部材32でなるべく大きな口径のX線レンズを得るには、
半径は大きな方が良いと言える。
【0049】レンズ口径について考えるなら、図1ない
し図5(A) に示される本発明X線レンズ10は、単位レン
ズ12ごとに見てもレンズ周辺部程、レンズ材部材11の厚
みが厚くなっているので、周辺部程、透過X線の強度が
減衰する。したがって、場合によってはこれが問題にな
り、良好な干渉を阻止する結果、これによってもレンズ
口径が制限されることもあり得る。そこで、図5に示さ
れる実施例では、この対策も含んでおり、光学的特性部
30にはさらに、透過X線に関する強度補正部材31も設け
られている。
【0050】強度補正部材31は、レンズ中心部の透過強
度を意図的に減衰させることで透過強度の均一な分布を
図るもので、一つの形状としては、図5(D) に示される
ような、横断面が長半径をRとする楕円形状となってい
る中実直柱部材がある。材質としてはβ/δの大きな材
料を用いる。小型に収めるには、吸収係数βの大きな
(原子番号の小さくはない)材料を用いた方が良い。
【0051】しかし、現実的には厳密な楕円形状を必要
とする程のこともなく、図5(E) に示される半径rf、最
大厚みtf の横断面の円弧形状や、あるいは図5(A) に
併示のように、もっと簡単化して、配列軸Xcに沿う方向
の厚みがtf,配列軸直交方向の幅がwf の矩形横断面形
状の中実角柱部材で足りることが多い。
【0052】例えば、先に挙げた二番目の具体例では、
各単位レンズを構成する中空円筒12の半径Rは 500μm
としたのに、有効レンズ径2rは 230μm に留まってい
た。そこでまず、同じX線レンズに対し、材質はレンズ
材部材11を構成しているのと同じ炭素であって、 r= 0でt(r) = 375μm, r= 150μm でt(r) = 325μm, r= 200μm でt(r) = 225μm, r= 250μm でt(r) = 0μm の中実多面柱形状(配列軸Xcに直交する方向の幅は 2r
= 500μm)の球面収差補正部材32を設け、これを介して
X線XRを入射させると、これにより確かに球面収差は改
善される。しかし、このままではr= 250μm 近傍にお
けるX線透過率は中心部に比して10%程度にしかならな
い。そこでさらに、幅wf = 250μm,厚さtf = 120μ
m のタングステン製角柱形状の強度補正部材31を追加す
ると、X線透過強度分布の不均一性は三分の一以下にま
で低減させることができる。より均一にするには、例え
ばタングステンで図5(E) に示される円弧横断面形状の
中実直柱部材を形成し、その半径rf を 1mm,最大厚み
f を 240μm 等とする。
【0053】このような考え方は、単位レンズとして中
空半球22を用いた実施例においても適用できる。例えば
図6(A) に示されるように、中空半球22による単位レン
ズをN個用いたX線レンズ20でも、平面的に見た形状は
図5(B) のようであって上記した (8)式または (9)式に
従うか、図5(C) と同様であって (8)式または (9)式を
近似的に満たした上で、さらに図6(B) に示すように、
配列軸Xcに直交し、かつ中空半球22の開口部を含む平面
にも直交する方向に沿っても、当該配列軸Xcから離れる
距離Xc に応じ、その肉厚h(Xc)が、 h(Xc)= (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2 /2} ・・・・・・・・ (10) に従って形成されるか当該(10)式を近似的に満たし、あ
るいは少し簡単化した h(Xc)= (NR/4)(r/R)4 ・・・・・・・・ (11) に従って形成されるか当該(11)式を近似的に満たす形状
の中実球面収差補正部材32を設けることができる。
【0054】強度補正部材31についても、図6(D) に示
されるように、中空半球である単位レンズ22のN個の集
合を形状的に相補するように、回転楕円体形状の中実部
材が望ましいが、図6(E) に示すように、作製のより容
易な円錐形状等に従った形状や、図6(A) に示されてい
るように、平面的に見てもっと簡単に、矩形横断面形状
の柱状部材とすることもできる。
【0055】なお、図5,6にそれぞれ示された実施例
では、いずれも球面収差補正部材32や強度補正部材31
は、補正部基板33の上に形成され、かつ当該基板33はレ
ンズ材部材11,21の一部として一体的に構成されている
が、これら基板33は任意適当なる材質により、レンズ材
部材11,21とは別個な部材として構成されていても良い
し、球面収差補正部材32用と強度補正部材31用とに各専
用の基板が備えられていても良い。また、こうした補正
部30の設置位置も、必ずしもX線レンズ10,20の入射部
である必要はなく、透過対象X線XRの透過経路途中であ
れば良い。換言すれば、特殊な場合、全部でN個設ける
単位レンズ12,22を、K+L=Nとして単位レンズがK
個連続する第一集合部分とL個連続する第二集合部分と
に分割し、それらの間に補正部30を設けること等も考え
られる。
【0056】さらに、透過X線の吸収という観点からす
ると、N個の単位レンズにあって配列軸Xc方向で隣接す
る一対の単位レンズ(中空円筒12,12間または中空半球
22,22間)のレンズ材部材の厚みないし肉厚は薄い程、
X線の吸収は少なくなる。したがって、配列軸Xcと交わ
る部分にてレンズ材部材11または21の厚みが零またはほ
ぼ零となるように中空円筒12または中空半球22を密接に
配列すれば、透過X線の吸収は当然、少なくなる。場合
によっては、隣接する一対の中空円筒12,12または一対
の中空半球22,22が互いに配列軸方向に重なり合う部分
を有するように形成することもできる。
【0057】さらに、図7(A) に示されるように、配列
軸Xc方向で隣接する一対の単位レンズ、特に中空円筒型
の単位レンズ12,12間のレンズ材部材11の厚み部分に
は、周辺部から配列軸Xcに向かって幅tsの間隙を配列軸
Xcに直交するように設けると、X線の吸収がかなり良く
低減されるので、このような場合には、併用を妨げない
が、既述した強度補正部材31が不要になることもある。
特に、図7(A) に示すように、溝を形成している一対の
臨向内壁面が互いに平行な直溝状の間隙41であると、レ
ンズ効果に悪影響を及ぼすことなく、効果的にX線吸収
の程度を低減することができる。
【0058】例えば、半径R= 500μm の中空円筒12を
配列軸Xc方向に沿ってほぼ密接配置するときに、当該配
列軸Xcの通るレンズ中心部から配列軸直交方向にそれぞ
れ距離ws = 200μm 離れた所から周辺部に向かい、直
溝状の間隙41を幅ts=60μmで形成すれば、先に述べた
第二の具体例でのr= 250μm におけるX線透過率は30
%にまで増大する。
【0059】また、こうした間隙は、周辺部から配列軸
Xcに向かって配列軸と平行な方向に幅の狭くなって行く
形状の間隙であると、さらにX線吸収の分布は均一にな
るので、例えば図7(B) に示されるように、周辺部から
配列軸Xcに向かって配列軸Xcと平行な方向に漸次階段状
に幅の狭くなるステップ形状の間隙42であるとより望ま
しい。
【0060】このような方策は、原理的に単位レンズと
して中空半球22を用いる場合にも適用できる。そのた
め、図7には括弧書きで符号20,21,22も併記してあ
る。しかし、中空半球22を用いる場合には、図7に示さ
れている平面と直交する断面方向でも、隣接する単位レ
ンズ22,22間のレンズ材部材21に対し、図7(B) と同様
なステップ状の間隙等、中心から離れる程に幅の広くな
る断面形状の間隙を形成することが望ましい。その分、
作製は面倒になるので、図7の方策は、どちらかといえ
ば単位レンズとして中空円筒12を用いる場合に適当であ
る。
【0061】以上、本発明の幾つかの実施例に関し詳記
したが、本発明の要旨構成に即する改変は自由である。
また、単位レンズとして中空半球22を用いる場合、製作
公差上の問題として完全なる中空半球にならない場合等
はもとより本発明で言う中空半球として取扱えるが、そ
うでなく、意図的に中空半球としない場合でも、本発明
の思想に従うX線レンズは構築可能である。例えば、中
空球面(球状空間)の一部ではあるが、当該中空球面の
緯度 180度の所で開口している中空半球ではなく、緯度
180度未満の任意の緯度で開口しているような形状の部
分球面を有する凹みでも、これらを配列軸に沿ってN
個、隣接配置すれば、それらによる焦点距離の短縮効果
が得られる。
【0062】
【発明の効果】本発明によると、X線を集光するX線レ
ンズをN個の単位レンズの集合で構成しているが、個々
の単位レンズは球面ないし円形断面で作製できるので、
従来のX線光学素子に比し、遥かに容易かつ高精度に作
製することができる。また、従来例の一部に認められた
ような斜入射ではなく、本質的に有利な垂直入射で用い
ることができ、かつ、上記のように微小径の単位レンズ
を高精度に作製できることもあって、X線の適用波長範
囲も広く取ることができる。特に短波長側に拡大するこ
とが容易であって、集束性能も高く取れる。さらに、X
線透過型であるので、集光効率も高い。実際、本発明に
よれば、従来は不可能であった、1nm以下の短波長X線を
高い効率で微小径に集束し得るX線レンズが提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された第一の実施例として
のX線レンズの概略構成図である。
【図2】図1に示される本発明実施例の改変例として、
線状集光を点状集光に変更するための実施例の概略構成
図である。
【図3】本発明第一の実施例における中空円筒に代え
て、中空半球を単位レンズとして用いる実施例の概略構
成図である。
【図4】図3に示された実施例を改変し、点状集光を得
るようにした実施例の概略構成図である。
【図5】図1に示された本発明X線レンズにおいて球面
収差やX線透過強度の不均一性が問題になった場合にこ
れらを補正するための補正部に関する説明図である。
【図6】図3に示された本発明X線レンズにおいて球面
収差やX線透過強度の不均一性が問題になった場合にこ
れらを補正するための補正部に関する説明図である。
【図7】本発明の各実施例において単位レンズ間のレン
ズ材部材の厚みに起因するX線吸収の問題が生じた場合
にこれを解決するための方策例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,20 本発明X線レンズ, 11,21 レンズ材部材, 12 中空円筒型単位レンズ, 22 中空半球型単位レンズ, 30 光学特性補正部, 31 強度補正部材, 32 球面収差補正部材, 33 補正部基板, 41 直溝状間隙, 42 ステップ状間隙, XR 集束対象のX線, FP 焦点位置, XP 集束されたX線パタン, Xc 配列軸, R 単位レンズ半径.

Claims (72)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を集束するためのX線レンズであっ
    て;上記集束対象X線を透過し得る物質から成るレンズ
    材部材に対し、中空円筒により構成された単位レンズを
    複数N個有し;該N個の単位レンズのそれぞれの上記中
    空円筒が、直線的に伸びる配列軸方向に沿って互いに平
    行に並んでいること;を特徴とするX線レンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線レンズであって;上
    記単位レンズの上記レンズ材部材は、全ての単位レンズ
    に共通の単一の部材であること;を特徴とするX線レン
    ズ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のX線レンズであ
    って;上記N個の中空円筒のそれぞれの半径Rj(1≦j
    ≦N)は、全て等しい半径であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のX線レンズであ
    って;上記N個の中空円筒の幾つかまたは全ての半径R
    j(1≦j≦N)は、それぞれ全て異なるか、またはその
    中の一つ以上が他の中空円筒の半径とは異なっているこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のX線レ
    ンズであって;上記配列軸に沿って照射される上記X線
    の経路途中には、上記N個の単位レンズ群の球面収差を
    補正する球面収差補正部材が設けられていること;を特
    徴とするX線レンズ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のX線レンズであって;上
    記球面収差補正部材は基板上に形成され;該基板は上記
    レンズ材部材と共通の部材により構成されていること;
    を特徴とするX線レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のX線レンズであ
    って;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径Rj(1
    ≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した値をR
    としたとき;上記球面収差補正部材は、上記配列軸と上
    記中空円筒の中心軸の双方に対し直交する方向に沿い、
    該配列軸から離れる距離rに応じ、その肉厚t(r) が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} に基づいて決定される直柱形状の中実部材であること;
    を特徴とするX線レンズ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載のX線レンズであ
    って;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径Rj(1
    ≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した値をR
    としたとき;上記球面収差補正部材は、上記配列軸と上
    記中空円筒の中心軸の双方に対し直交する方向に沿い、
    該配列軸から離れる距離rに応じ、その肉厚t(r) が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4 に基づいて決定される直柱形状の中実部材であること;
    を特徴とするX線レンズ。
  9. 【請求項9】 請求項5または6記載のX線レンズであ
    って;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径Rj(1
    ≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した値をR
    としたとき;上記球面収差補正部材は、上記配列軸と上
    記中空円筒の中心軸の双方に対し直交する方向に沿い、
    該配列軸から離れる距離rに応じ、その肉厚t(r) が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} を近似的に満たす直柱形状の中実部材であること;を特
    徴とするX線レンズ。
  10. 【請求項10】 請求項5または6記載のX線レンズで
    あって;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径Rj
    (1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した値
    をRとしたとき;上記球面収差補正部材は、上記配列軸
    と上記中空円筒の中心軸の双方に対し直交する方向に沿
    い、該配列軸から離れる距離rに応じ、その肉厚t(r)
    が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4 を近似的に満たす直柱形状の中実部材であること;を特
    徴とするX線レンズ。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または10記載のX線レンズであって;上記配列
    軸に沿って照射される上記X線の経路途中には、上記N
    個の単位レンズ群を上記配列軸方向に沿って透過する上
    記X線の透過強度分布を均一化する強度補正部材が設け
    られていること;を特徴とするX線レンズ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のX線レンズであっ
    て;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径Rj(1≦
    j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した値をRと
    したとき;該強度補正部材は、上記N個の単位レンズ群
    の周辺部から中心部に向かう程、該N個の単位レンズ群
    を透過する上記X線の強度を減衰させる、上記N個の単
    位レンズ群の上記配列軸上に短半径軸を持ち長半径が上
    記Rの楕円形状または該楕円形状を近似する円弧形状の
    横断面の中実部材であること;を特徴とするX線レン
    ズ。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のX線レンズであっ
    て;該強度補正部材は、上記N個の単位レンズ群の中心
    部近傍においてのみ、該N個の単位レンズ群を透過する
    上記X線の強度を減衰させる角柱形状の中実部材である
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  14. 【請求項14】 請求項11,12または13記載のX
    線レンズであって;上記強度補正部材は基板上に形成さ
    れ;該基板は上記レンズ材部材と共通の部材により構成
    されていること;を特徴とするX線レンズ。
  15. 【請求項15】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材はリチウムであるこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  16. 【請求項16】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材はベリリウムである
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  17. 【請求項17】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材は炭素であること;
    を特徴とするX線レンズ。
  18. 【請求項18】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材はクロムであるこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  19. 【請求項19】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材はアルミニウムであ
    ること;を特徴とするX線レンズ。
  20. 【請求項20】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13または14記載のX線
    レンズであって;上記レンズ材部材はシリコンであるこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  21. 【請求項21】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19または20記載のX線レンズであっ
    て;上記N個の上記単位レンズを構成する上記中空円筒
    群にあって上記配列軸方向で隣接する一対の中空円筒間
    の上記レンズ材部材の厚み部分には、周辺部から該配列
    軸に向かって透過X線強度の減衰を抑える間隙が設けら
    れていること;を特徴とするX線レンズ。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は上記配列軸に直交する方向に伸びる直溝
    状の間隙であること;を特徴とするX線レンズ。
  23. 【請求項23】 請求項21記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は上記配列軸に直交する方向に伸び、上記
    周辺部から上記配列軸に向かって該配列軸と平行な方向
    に幅の狭くなる形状の間隙であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  24. 【請求項24】 請求項21記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は上記配列軸に直交する方向に伸び、上記
    周辺部から上記配列軸に向かって該配列軸と平行な方向
    に漸次階段状に幅の狭くなるステップ形状の間隙である
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  25. 【請求項25】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,20,21,22,23または24
    記載のX線レンズであって;上記N個の上記単位レンズ
    を構成する上記中空円筒群にあって上記配列軸方向で隣
    接する一対の中空円筒間の上記レンズ材部材の厚みは、
    該配列軸と交わる部分にて零またはほぼ零であること;
    を特徴とするX線レンズ。
  26. 【請求項26】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,20,21,22,23または24
    記載のX線レンズであって;上記N個の上記単位レンズ
    を構成する上記中空円筒群にあって上記配列軸方向で隣
    接する一対の中空円筒間の上記レンズ材部材の厚みは、
    該配列軸と交わる部分にて零であり;該隣接する一対の
    中空円筒は、互いに上記配列軸に沿って重なり合う部分
    を有するように穿たれていること;を特徴とするX線レ
    ンズ。
  27. 【請求項27】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,20,21,22,23,24,2
    5または26記載のX線レンズを二つ用い、その一方を
    第一の部分レンズ、他方を第二の部分レンズとして、該
    第一、第二の部分レンズを上記配列軸を共通にしながら
    該配列軸方向に沿って並べ;該第一部分レンズの上記N
    個の単位レンズを構成する中空円筒群と該第二部分レン
    ズの上記N個の単位レンズを構成する中空円筒群とを直
    交させたこと;を特徴とするX線レンズ。
  28. 【請求項28】 請求項27記載のX線レンズであっ
    て;上記第一部分レンズの上記中空円筒の全てまたは幾
    つかの半径と、上記第二部分レンズの上記中空円筒の全
    てまたは幾つかの半径とは、互いに異なっていること;
    を特徴とするX線レンズ。
  29. 【請求項29】 請求項27または28記載のX線レン
    ズであって;上記第一、第二部分レンズの一方に配され
    る上記複数の単位レンズの数は、上記Nではなく、該N
    とは異なる数Mであること;を特徴とするX線レンズ。
  30. 【請求項30】 請求項27,28または29記載のX
    線レンズであって;上記第一、第二部分レンズの各々の
    上記レンズ材部材は、該第一、第二部分レンズに共通の
    単一部材であること;を特徴とするX線レンズ。
  31. 【請求項31】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,20,21,22,23,24,2
    5または26記載のX線レンズを三つ用い、それぞれを
    部分レンズとして、該三つの部分レンズの中の二つの部
    分レンズの一方に設ける上記中空円筒群の数は、Xを1
    以上N未満の数として上記N個に代えて(N−X)個と
    し、他方の上記中空円筒群の数は上記X個とすると共
    に;これら二つの部分レンズの間に残りの一つの部分レ
    ンズを挟み込むようにしてそれら三つの部分レンズを上
    記配列軸方向に沿って並べ;かつ、該残りの一つの部分
    レンズの有する中空円筒群と上記他の二つの部分レンズ
    の中空円筒群とを互いに直交させたこと;を特徴とする
    X線レンズ。
  32. 【請求項32】 請求項31記載のX線レンズであっ
    て;上記Xは(N/2)であること;を特徴とするX線
    レンズ。
  33. 【請求項33】 請求項31または32記載のX線レン
    ズであって;上記三つの部分レンズの上記中空円筒の全
    てまたは幾つかの半径は、残りの二つの部分レンズの一
    方または双方の上記中空円筒の全てまたは幾つかの半径
    と異なっていること;を特徴とするX線レンズ。
  34. 【請求項34】 請求項31,32または33記載のX
    線レンズであって;上記配列軸方向に沿って上記二つの
    部分レンズの間に挟まれた部分レンズに設けられる中空
    円筒の数は、上記Nではなく、該Nとは異なる数Mであ
    ること;を特徴とするX線レンズ。
  35. 【請求項35】 請求項31,32,33または34記
    載のX線レンズであって;上記三つの部分レンズの各々
    の上記レンズ材部材は、それら全てに共通の単一部材で
    あること;を特徴とするX線レンズ。
  36. 【請求項36】 X線を集束するためのX線レンズであ
    って;上記集束対象X線を透過し得る物質から成るレン
    ズ材部材に対し、中空半球により構成された単位レンズ
    を複数N個有し;該N個の単位レンズの全ての該中空半
    球は、それら全ての中心が直線的に伸びる配列軸上に載
    るように配列されていること;を特徴とするX線レン
    ズ。
  37. 【請求項37】 請求項36記載のX線レンズであっ
    て;上記単位レンズの上記レンズ材部材は、全ての単位
    レンズに共通の単一の部材であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  38. 【請求項38】 請求項36または37記載のX線レン
    ズであって;上記N個の中空半球のそれぞれの半径Rj
    (1≦j≦N)は、全て等しい半径であること;を特徴
    とするX線レンズ。
  39. 【請求項39】 請求項36または37記載のX線レン
    ズであって;上記N個の中空半球の幾つかまたは全ての
    半径Rj(1≦j≦N)は、それぞれ全て異なるか、また
    はその中の一つ以上が他の中空半球の半径とは異なって
    いること;を特徴とするX線レンズ。
  40. 【請求項40】 請求項36,37,38または39記
    載のX線レンズであって;上記配列軸に沿って照射され
    る上記X線の経路途中には、上記N個の単位レンズ群の
    球面収差を補正する球面収差補正部材が設けられている
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  41. 【請求項41】 請求項40記載のX線レンズであっ
    て;上記球面収差補正部材は基板上に形成され;該基板
    は上記レンズ材部材と共通の部材により構成されている
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  42. 【請求項42】 請求項40または41記載のX線レン
    ズであって;上記N個の上記中空半球のそれぞれの半径
    Rj(1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した
    値をRとしたとき;上記球面収差補正部材は、上記中空
    半球の開口部を含む平面に平行で上記配列軸に直交する
    方向に沿い、上記配列軸から離れる距離rに応じ、その
    肉厚t(r)が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} に基づいて決定される中実部材であること;を特徴とす
    るX線レンズ。
  43. 【請求項43】 請求項40または41記載のX線レン
    ズであって;上記N個の上記中空半球のそれぞれの半径
    Rj(1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した
    値をRとしたとき;上記球面収差補正部材は、上記中空
    半球の開口部を含む平面に平行で上記配列軸に直交する
    方向に沿い、上記配列軸から離れる距離rに応じ、その
    肉厚t(r)が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4 に基づいて決定される中実部材であること;を特徴とす
    るX線レンズ。
  44. 【請求項44】 請求項40または41記載のX線レン
    ズであって;上記N個の上記中空半球のそれぞれの半径
    Rj(1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した
    値をRとしたとき;上記球面収差補正部材は、上記中空
    半球の開口部を含む平面に平行で上記配列軸に直交する
    方向に沿い、上記配列軸から離れる距離rに応じ、その
    肉厚t(r)が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} を近似的に満たす中実部材であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  45. 【請求項45】 請求項40または41記載のX線レン
    ズであって;上記N個の上記中空半球のそれぞれの半径
    Rj(1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した
    値をRとしたとき;上記球面収差補正部材は、上記中空
    半球の開口部を含む平面に平行で上記配列軸に直交する
    方向に沿い、上記配列軸から離れる距離rに応じ、その
    肉厚t(r)が、 t(r) = (NR/4)(r/R)4 を近似的に満たす中実部材であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  46. 【請求項46】 請求項42,43,44または45記
    載のX線レンズであって;上記球面収差補正部材は、該
    配列軸を含む断面形状において、上記配列軸に直交し、
    かつ該中空半球の開口部を含む平面にも直交する方向に
    沿い、該配列軸から離れる距離Xc に応じ、その肉厚h
    (Xc)が、 h(Xc)= (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} に基づいて決定される中実部材であること;を特徴とす
    るX線レンズ。
  47. 【請求項47】 請求項42,43,44または45記
    載のX線レンズであって;上記球面収差補正部材は、該
    配列軸を含む断面形状において、上記配列軸に直交し、
    かつ該中空半球の開口部を含む平面にも直交する方向に
    沿い、該配列軸から離れる距離Xc に応じ、その肉厚h
    (Xc)が、 h(Xc)= (NR/4)(Xc /R)4 に基づいて決定される中実部材であること;を特徴とす
    るX線レンズ。
  48. 【請求項48】 請求項42,43,44または45記
    載のX線レンズであって;上記球面収差補正部材は、該
    配列軸を含む断面形状において、上記配列軸に直交し、
    かつ該中空半球の開口部を含む平面にも直交する方向に
    沿い、該配列軸から離れる距離Xc に応じ、その肉厚h
    (Xc)が、 h(Xc)= (NR/4)(r/R)4{1+(r/R)2
    2} を近似的に満たす中実部材であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  49. 【請求項49】 請求項42,43,44または45記
    載のX線レンズであって;上記球面収差補正部材は、該
    配列軸を含む断面形状において、上記配列軸に直交し、
    かつ該中空半球の開口部を含む平面にも直交する方向に
    沿い、該配列軸から離れる距離Xc に応じ、その肉厚h
    (Xc)が、 h(Xc)= (NR/4)(Xc /R)4 を近似的に満たす中実部材であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  50. 【請求項50】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,48
    または49記載のX線レンズであって;上記配列軸に沿
    って照射される上記X線の経路途中には、上記N個の単
    位レンズ群を上記配列軸方向に沿って透過する上記X線
    の透過強度分布を均一化する強度補正部材が設けられて
    いること;を特徴とするX線レンズ。
  51. 【請求項51】 請求項50記載のX線レンズであっ
    て;上記強度補正部材は基板上に形成され;該基板は上
    記レンズ材部材と共通の部材により構成されているこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  52. 【請求項52】 請求項50または51記載のX線レン
    ズであって;上記N個の上記中空円筒のそれぞれの半径
    Rj(1≦j≦N)の逆数の総和により該数値Nを除した
    値をRとしたとき;該強度補正部材は、上記N個の単位
    レンズ群にあって周辺部に比し中心部に向かう程、透過
    X線強度を減衰させる、上記N個の単位レンズ群の上記
    配列軸上に短半径軸を持ち長半径が上記Rの回転楕円体
    形状の中実部材であること;を特徴とするX線レンズ。
  53. 【請求項53】 請求項52記載のX線レンズであっ
    て;該強度補正部材は、上記回転楕円体形状に代えて、
    該回転楕円体形状を近似した円錐形状の中実部材である
    こと;を特徴とするX線レンズ。
  54. 【請求項54】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材はリチウムであること;
    を特徴とするX線レンズ。
  55. 【請求項55】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材はベリリウムであるこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  56. 【請求項56】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材は炭素であること;を特
    徴とするX線レンズ。
  57. 【請求項57】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材はクロムであること;を
    特徴とするX線レンズ。
  58. 【請求項58】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材はアルミニウムであるこ
    と;を特徴とするX線レンズ。
  59. 【請求項59】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52または53記載のX線レン
    ズであって;上記レンズ材部材はシリコンであること;
    を特徴とするX線レンズ。
  60. 【請求項60】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52,53,54,55,5
    6,57,58または59記載のX線レンズであって;
    上記N個の上記単位レンズ群にあって上記配列軸方向で
    隣接する一対の単位レンズの間の上記レンズ材部材に
    は、周辺部から該配列軸に向かって透過X線強度の減衰
    を抑える間隙が設けられていること;を特徴とするX線
    レンズ。
  61. 【請求項61】 請求項60記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は、上記中空半球の開口部を含む平面と平
    行な平面において上記配列軸と直交する方向に伸びる直
    溝状の間隙であること;を特徴とするX線レンズ。
  62. 【請求項62】 請求項60記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は、上記中空半球の開口部を含む平面と平
    行な平面において上記配列軸と直交する方向に伸び、上
    記周辺部から上記配列軸に向かって該配列軸と平行な方
    向に幅の狭くなる形状の間隙であること;を特徴とする
    X線レンズ。
  63. 【請求項63】 請求項60記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は、上記配列軸と直交する方向に伸び、上
    記中空半球の開口部を含む平面と垂直で上記配列軸を含
    む平面に平行な平面おいて上記周辺部から上記配列軸に
    向かって該配列軸と平行な方向に幅の狭くなる形状の間
    隙であること;を特徴とするX線レンズ。
  64. 【請求項64】 請求項60記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は、上記中空半球の開口部を含む平面と平
    行な平面において上記配列軸と直交する方向に伸び、上
    記周辺部から上記配列軸に向かって該配列軸と平行な方
    向に漸次階段状に幅の狭くなるステップ形状の間隙であ
    ること;を特徴とするX線レンズ。
  65. 【請求項65】 請求項60記載のX線レンズであっ
    て;上記間隙は、上記中空半球の開口部を含む平面と垂
    直で上記配列軸を含む平面に平行な平面において上記配
    列軸と直交する方向に伸び、上記周辺部から上記配列軸
    に向かって該配列軸と平行な方向に漸次階段状に幅の狭
    くなるステップ形状の間隙であること;を特徴とするX
    線レンズ。
  66. 【請求項66】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52,53,54,55,5
    6,57,58,59,60,61,62,63,64
    または65記載のX線レンズであって;上記N個の上記
    単位レンズを構成する上記中空半球群にあって上記配列
    軸方向で隣接する一対の中空半球間の上記レンズ材部材
    の厚みは、該中空半球の開口部を含む平面で該配列軸と
    交わる部分にて零またはほぼ零であること;を特徴とす
    るX線レンズ。
  67. 【請求項67】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52,53,54,55,5
    6,57,58,59,60,61,62,63,64
    または65記載のX線レンズであって;上記N個の上記
    単位レンズを構成する上記中空半球群にあって上記配列
    軸方向で隣接する一対の中空半球間の上記レンズ材部材
    の厚みは、該中空半球の開口部を含む平面で該配列軸と
    交わる部分にて零であり;該隣接する一対の中空半球
    は、互いに上記配列軸に沿って重なり合う部分を有する
    ように形成されていること;を特徴とするX線レンズ。
  68. 【請求項68】 請求項36,37,38,39,4
    0,41,42,43,44,45,46,47,4
    8,49,50,51,52,53,54,55,5
    6,57,58,59,60,61,62,63,6
    4,65,66または67記載のX線レンズを二つ用い
    てその一方を第一部分レンズ、他方を第二部分レンズと
    し;該第一、第二部分レンズを上記配列軸を共通にしな
    がら該配列軸に直交する方向に一方をひっくり返しなが
    ら上下に重ねて成ること;を特徴とするX線レンズ。
  69. 【請求項69】 請求項36または37記載のX線レン
    ズであって;上記単位レンズは、上記中空半球に代え
    て、球状空間の一部を成す凹みを有して成ること;を特
    徴とするX線レンズ。
  70. 【請求項70】 請求項69記載のX線レンズであっ
    て;上記配列軸に沿って照射される上記X線の経路途中
    には、上記N個の単位レンズ群の球面収差を補正する球
    面収差補正部材が設けられていること;を特徴とするX
    線レンズ。
  71. 【請求項71】 請求項69または70記載のX線レン
    ズであって;上記配列軸に沿って照射される上記X線の
    経路途中には、上記N個の単位レンズ群を上記配列軸方
    向に沿って透過する上記X線の透過強度分布を均一化す
    る強度補正部材が設けられていること;を特徴とするX
    線レンズ。
  72. 【請求項72】 請求項69,70または71記載のX
    線レンズであって;上記N個の上記単位レンズ群にあっ
    て上記配列軸方向で隣接する一対の単位レンズの間の上
    記レンズ材部材には、周辺部から該配列軸に向かって透
    過X線強度の減衰を抑える間隙が設けられていること;
    を特徴とするX線レンズ。
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