JP5498206B2 - 電磁波集光シート - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波の集光が可能な集光シートに関し、さらに詳しくは熱放射スペクトルの特定領域の電磁波(特に赤外線)を選択的に取り出すと同時に集光することのできる集光シートに関する。本発明はまた、上記集光シートを用いた赤外光源に関する。
これまでに、固体表面に波長サイズの表面周期構造を賦形することにより放射特性を制御できることが見出されている。この現象を応用することで、熱源から放射されるスペクトルの中から選択的に特定波長の電磁波を取り出すことができる。そこで、数値シミュレーションによる周期構造の設計、熱光起電力発電用エミッター、赤外線光源等への応用研究が近年行われている。特に赤外線は、センサー、加熱、分析及び加工等の領域で、光源として利用されている。しかしながら、波長制御された高強度かつ高指向性の高品位な赤外光源は未だ提供されていない(例えば、非特許文献1)。
従来の一般的な集光技術としては、例えば、ガラス溶融炉で使用される赤外線放射装置において、溶解槽上部の壁をアーチ状に形成し、その壁表面に多数の凹状の表面構造を有する赤外線放射体を設置する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、正の誘電体部と負の誘電体部とを一定周期で交互に並べたグリッド構造により特定波長域の赤外光源を取り出し、さらに光学レンズを組み合わせることにより一定の方向に集光出来る赤外光源も開示されている(例えば、特許文献2)。また、例えば暖房用ヒーター等の反射板の用途において金属等の凹面状の反射板を赤外線発生源の背面に設置する方法も知られている。
特開2003−12329号公報 特開2007−324126号公報
Nature,Vol.324(1986)pp549−551
特許文献1の方法によれば赤外線を集光することが可能であるが、アーチ状のレイアウトが必要であり小型化が困難であるという課題がある。また、特許文献2の方法で得られる赤外光源は、特定波長域の赤外線を取り出し、集光することはできるが、光学レンズを使用するためレンズ吸収による効率低下、装置の大型化、部品点数増加によるコストアップ、集光のための光学系の調整の必要性等の課題がある。さらに、反射板による集光方法では、反射板の熱損失による効率低下という問題、及び、反射板の設置が必要であるために装置全体が大きくなるという問題があり、小型かつ高品位の赤外線発生源が得られないという課題がある。
本発明の目的は、熱放射スペクトルにおける特定波長の電磁波、特に赤外線を選択的に取り出し、同時に集光することのできる電磁波集光シートを提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、複数(すなわち2個以上)の空洞部を特定の配置で設けることによって、特定波長の電磁波、特に赤外線を選択的に取り出し、同時に集光できる電磁波集光シートが得られることを発見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 第1の表面から熱エネルギーを入射させた場合に、目的波長の電磁波成分を第2の表面から出射させ、かつ出射波を所定の集光方向で進行させて焦点で収束させる、電磁波集光シートであって、
シート厚み方向に貫通するか又は貫通しない空洞部が複数設けられ、
シート厚み方向に対して垂直の面内断面における空洞部形状の外心をシート厚み方向に亘って結んだ線として規定される仮想中心線が該焦点を通るように該空洞部が形成されることによって、該集光方向が規定されており、
内径が該目的波長の略1/2倍であり、かつ深さが該内径の0.7〜3倍であるように該空洞部が形成されることによって、該目的波長の電磁波成分が第2の表面から出射する、電磁波集光シート。
[2] 該空洞部の形状が、角柱状及び円柱状からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]に記載の電磁波集光シート。
[3] 該空洞部の内壁が電磁波反射材料で被覆されている、上記[1]又は[2]に記載の電磁波集光シート。
[4] 該目的波長の電磁波成分が赤外線であり、該空洞部の内径が0.5〜10μmの範囲であり、該空洞部の深さが該内径の0.7〜3倍の範囲である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の電磁波集光シート。
[5] フレキシブルシートである、上記[4]に記載の電磁波集光シート。
[6] 上記[5]に記載の電磁波集光シートと熱源とからなる、電磁波集光型赤外光源。
本発明の電磁波集光シートは、熱放射スペクトルにおける特定波長の電磁波、特に赤外線を選択的に取り出し、同時に集光できるため、例えば赤外光源において有用である。
本発明の一態様に係る電磁波集光シートを示す模式図である。 本発明の一態様に係る電磁波集光シートの断面形状について説明する模式図である。 本発明において空洞部の内壁を電磁波反射材料で被覆する態様について説明する断面模式図である。 本発明の一態様に係る電磁波集光型赤外光源について説明する模式図である。 本発明の一態様に係る電磁波集光型赤外光源の適用例としてのガスセンサーについて説明する模式図である。
[電磁波集光シート]
本発明は、第1の表面から熱エネルギーを入射させた場合に、目的波長の電磁波成分を第2の表面から出射させ、かつ出射波を所定の集光方向で進行させて焦点で収束させる、電磁波集光シートであって、シート厚み方向に貫通するか又は貫通しない空洞部が複数設けられ、シート厚み方向に対して垂直の面内断面における空洞部形状の外心をシート厚み方向に亘って結んだ線として規定される仮想中心線が該焦点を通るように該空洞部が形成されることによって、該集光方向が規定されており、内径が該目的波長の略1/2倍であり、かつ深さが該内径の0.7〜3倍であるように該空洞部が形成されることによって、該目的波長の電磁波成分が第2の表面から出射する、電磁波集光シートを提供する。本発明の「電磁波集光シート」について、以下にさらに説明する。
図1は、本発明の一態様に係る電磁波集光シートを示す模式図である。電磁波集光シート1には、複数の空洞部2が設けられている。図2は、本発明の一態様に係る電磁波集光シートの断面形状について説明する模式図である。なお図2に示す電磁波集光シート1の形状は図1のA−A’断面の形状である。図2に示すように、本発明の一態様においては、シート厚み方向に対して垂直の面内断面における空洞部形状の外心(すなわち、空洞部形状の仮想外接円の中心)をシート厚み方向に亘って結んだ線として規定される、空洞部2の仮想中心線8(以下、単に中心線ということもある)が、焦点6を通る。これにより、仮想中心線8が集光方向を規定する。熱源5から出た電磁波は、必要に応じて蓄熱材(図示せず)を通った後、第1の表面S1から熱エネルギーとして電磁波集光シート1に入射し、このうち目的波長の電磁波成分が選択的に第2の表面S2から出射する。出射波は、仮想中心線8が規定する集光方向に沿って進み、焦点6に収束する。従って、電磁波集光シート1を焦点距離7の集光シートとして使用できる。
図1及び図2では、空洞部2が斜角柱状(但し、焦点を通る法線を与える部位では直角柱状となる)である場合の例を示している。この場合の空洞部2の形状は、仮想中心線8が焦点6に向いている歪んだ角柱状であり、面内断面の空洞部形状は、平行四辺形、ひし形又は台形となる。
本発明の電磁波集光シートを用いて、集光された、熱又は赤外線等の電磁波を得ることができる。本発明は、特に、集光された赤外線を得るために好適に適用される。
空洞部は、シート厚み方向に貫通するか又は貫通しない形状で設けられる。空洞部の形状としては、角柱状及び円柱状等が挙げられ、特に、角柱状及び円柱状からなる群から選ばれる少なくとも1種の形状が好ましい。角柱としては、四角柱(例えば立方体及び直方体)、六角柱等が挙げられる。六角柱がハニカム状に密に配列されることも好ましい。例えば角柱状の場合、典型的には、電磁波集光シートの中央(すなわち、シート表面が、焦点6を通る法線を与える部位)の空洞部を直角柱とし、該直角柱の周囲に斜角柱の空洞部を設けることができる。さらに、空洞部の形状としては、上記のような柱体以外に、例えば、正角錘、斜角錐、正円錐、斜円錐、正角錘台、斜角錐台、正円錐台、斜円錐台等も挙げられる。空洞部は、電磁波集光シートの厚み方向に貫通する形状(すなわち1つの空洞部が第1の表面及び第2の表面に開口部を有する形状)であってもよいし、底を有しかつ第1の表面又は第2の表面に開口部を有するキャビティ形状であってもよい。
空洞部2の内径3及び深さ4は、所望する電磁波特性(すなわち目的波長)に応じて設定する。本発明において、空洞部の内径は、出射波の目的波長の略1/2倍であり、空洞部の深さは、該内径の0.7〜3倍である。ここで、「略1/2倍」とは、設定内径が目的波長の1/2倍であるが、空洞部の形成方法及び内径の測定誤差等に起因する不可避的なばらつきを含んでもよいことを意図する。ここで、空洞部の内径(例えば図2中の内径3)は、面内断面における空洞部形状の最大径(すなわち最大差し渡し長さ)から求める。該最大径は、例えば、面内断面における空洞部形状が平行四辺形又はひし形の場合には2本のうち長い方の対角線の長さとなり、該空洞部形状が楕円の場合には長径となる。空洞部は、通常、シート厚み方向に亘って面内断面の最大径が略一定となるように形成する。この場合、上記内径は上記最大径である。しかし、厚み方向に亘って該最大径を変える場合には、上記内径は、面内断面の最大径のうち厚み方向に亘っての最大値を意味するものとする。また、空洞部の深さ(例えば図2中の深さ4)は、空洞部のシート厚み方向のサイズである。空洞部のサイズを上記範囲内に制御することにより、目的波長の電磁波成分が選択的に第2の表面S2から焦点6に向かって放射される。
好ましい態様において、目的波長の電磁波成分は赤外線である。この場合、空洞部の内径は、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。また、空洞部の深さは、好ましくは該内径の0.7〜3倍の範囲である。なお空洞部が電磁波集光シートの厚み方向に貫通している場合には、上記深さはシート厚みと等しい。
空洞部は一定周期(すなわち一定のピッチ)で配列されていることが好ましい。好ましい配列の例としては、格子配列、千鳥配列、ハニカム状配列等が挙げられる。
本発明においては、出射波が焦点に収束するように集光方向を規定する。すなわち、個々の空洞部の仮想中心線が焦点方向に向いているため、シート表面の法線方向からの仮想中心線の傾斜角度は、シートの中央部から周縁部に向かって連続的に異なって(連続的に大きくなって)いる。集光方向は、個々の空洞部の仮想中心線が個々に規定してもよいが、複数の空洞部の集合体をブロック単位とし、該ブロック単位の中心部分の空洞部の仮想中心線が焦点に向いていることによって、空洞部の仮想中心線が集光方向を規定することもできる。ブロック単位を構成する空洞部の個数は限定されず、所望する集光効率が得られる個数を任意に設定すればよい。
尚、従来の、表面周期構造を応用した選択波長放射体は、周期構造を形成する構造体の中心線が放射面に対して垂直であり、放射される電磁波も放射面と垂直方向になっていた。これに対して、本発明の電磁波集光シートでは、空洞部の仮想中心線が、出射波を所定の集光方向で収束させるように方向制御されているため、出射波として放射される電磁波を集光することが出来る。すなわち、本発明の電磁波集光シートによれば、光学レンズ又は反射板の使用が必要ないため、構造が極めてシンプルな光源を提供でき、高効率での電磁波の放射が可能になる。
電磁波集光シートの材質としては、金属材料、有機材料、セラミックス材料、又は、これらを主材料とし、その上に金属材料、有機材料、及びセラミックス材料のうち少なくともいずれかをメッキ、蒸着、若しくはスパッタした材料が挙げられる。使用する熱源の温度が高い場合、又は、電磁波集光シートに高い熱伝導性が要求される場合は、金属材料、セラミックス材料等が好適に使用できる。
図3は、本発明において空洞部の内壁を電磁波反射材料で被覆する態様について説明する断面模式図である。波長制御された電磁波の空洞部の伝送時には、空洞部の内壁部でのエネルギー吸収によりエネルギーが減衰する場合がある。本発明においては、このようなエネルギーの減衰を防止する目的で、空洞部の内壁が電磁波反射材料9で被覆されていることが好ましい。これによりエネルギーの減衰なく高強度及び高効率の電磁波放射が可能になる。被覆する電磁波反射材料は特に限定されず、電磁波(赤外線等)を反射させるために通常用いられる材料を好適に使用できる。具体的には、金属材料、セラミックス材料、金属材料及び/又はセラミック材料のナノ粒子、有機材料等が利用できる。また、図3に示すように、電磁波反射材料9が、電磁波反射材料9a及び9bからなる多層構造を有する場合、極めて高い反射率を得ることができ、高効率な電磁波放射が可能になるため好ましい。電磁波反射材料9a及び9bの材質は互いに同じでも異なってもよい。
本発明の電磁波集光シートは、フレキシブルシートであることが好ましい。集光シートがフレキシブル性(可撓性)を有していると、デバイス組立て時の作業性、R2Rプロセスへの適応性等の点で取り扱いに優れ、デバイスコストの低減が可能となる。
[電磁波集光型赤外光源]
本発明はまた、上述した本発明の電磁波集光シートと熱源とからなる電磁波集光型赤外光源を提供する。図4は、本発明の一態様に係る電磁波集光型赤外光源について説明する模式図である。本発明の電磁波集光型赤外光源は、図4に示すように、例えば図2に示す電磁波集光シート1のような本発明に係る電磁波集光シートと、熱源5とからなる。電磁波集光シート1の裏面(入射面である第1の表面)側に設置された熱源5から、必要に応じて蓄熱材(図示せず)を通じて、電磁波集光シート1に電磁波(例えば熱又は赤外線等)が伝達され、電磁波集光シート1に配置された空洞部2により特定波長の赤外線が電磁波集光シートの前面(出射面である第2の表面)からターゲット10に集光放射される。
図5は、本発明の一態様に係る電磁波集光型赤外光源の適用例としてのガスセンサーについて説明する模式図である。熱源5により放射された電磁波(例えば熱又は赤外線)は電磁波集光シート1に伝達され、電磁波集光シート1の出射面より、試料ガスの吸収波長に相当する波長の赤外線が、試料ガスの導入された測定セル12内へ照射される。電磁波集光シート1に関しては、この際放射される赤外線が、測定セル12の反対面に設置された受光素子11へ集光するように放射されるよう、光軸が設定される。このようなガスセンサーを用い、試料ガスの赤外線吸収量を測定することにより対象物質を定量することができる。本発明の電磁波集光型赤外光源を用いる場合、従来の赤外線ガスセンサーに比べて試料ガスを通過する赤外線量が増大するため、高感度での検出が可能になる。
[電磁波集光シートの製造方法]
次に、本発明の電磁波集光シートの製造方法について述べる。電磁波集光シートは、本発明の電磁波集光シートのために好適な材質として前述した材質のシートに、例えば斜角柱状、斜円柱状等の傾斜形状等、所望の形状の空洞部を形成することによって製造できる。空洞部の形成方法としては、フォトリソグラフィーによる形成、インプリント法による型からの複製、レーザー又は電子ビーム等による形成、精密機械加工による形成、等が挙げられるが、コスト、生産性、及び大面積化の点でフォトリソグラフィー又はインプリント等の一括作製が好ましい。
フォトリソグラフィーによるパターン形成では、感光性樹脂に対して、必要なパターンに対応したフォトマスクを介してレーザー光源又は平行光光源の斜め露光を施すことにより、例えば斜角柱状、斜円柱状等の傾斜形状の空洞部を作製できる。なお空洞部の中心線角度を制御するためには、ステージと光源との相対的な角度を適宜調整しながらの露光が必要である。また、高圧水銀灯等の点光源による露光、特に高圧水銀灯の裏面に楕円ミラーを設置して集光することによる点光源での露光も可能である。この場合、空洞部の中心線は点光源の方向に揃う。例えば、上記のようにして得られた樹脂パターンに対して必要に応じて表面の金属コーティングを行ったり、また得られた樹脂パターンを型としてメッキ、蒸着、スパッタ等を施すにより、金属製の電磁波集光シートを作製できる。
一方、インプリント法では、傾斜構造の空洞部が形成されたシートを型から剥離することになるため、使用する型は弾性体であることが好ましい。型材料の制限は特にないが、弾性特性、剥離性等からPDMS等のシリコーン樹脂が一般的に用いられる。型からの電磁波集光シートの成型は、電磁波集光シートが樹脂製シートである場合は熱可塑性樹脂、感光性樹脂等従来のインプリント用樹脂が使用でき、また電磁波集光シートが金属製シートである場合は、メッキ法、蒸着、スパッタ等の気相法により作製できる。マスター型の種類は、採用する加工方法及び解像度により公知のものから選択すればよく、金属金型、Si型、石英型、SiC型、Ni電鋳型、樹脂型等が使用可能である。
レーザーによるパターン形成は、加工精度及び再現性に優れ、また加工する材料に対する制限が少ない。必要とするパターンの形状及び精度に応じてレーザーを選択でき、炭酸ガス、YAG、エキシマレーザー等を使用することができる。近年、三次元レーザー彫刻技術が進み、高精度のステージ制御、及びレーザー強度の増大により、短時間に精細な三次元形状を作製できるようになった。電子ビーム加工では超精密な加工精度が得られるが、加工面積及び加工時間に若干の制約がある。また、機械加工では精密切削加工の進展によりミクロンオーダーで再現性のよい形状作製ができ、空洞部内面の表面平坦性が良好であるため、機械加工は特に金属材料の加工に適している。
このように、本発明に係る電磁波集光シートは、極めてシンプルな構造で、熱源の放射スペクトルのうち所望する波長の電磁波を選択的に取り出し、かつ特定の方向に集光させることができる。本発明に係る電磁波集光シートは、複雑な光学調整が不要であるとともに取扱い方法が簡単であるため、電磁波を応用するデバイス部材、例えば、赤外線センサー、ガスセンサー、熱光起電力発電用エミッター、赤外光源、暖房、加熱・乾燥用の機器、さらには医療用機器への応用が可能である。さらに該電磁波集光シートはシート状での製造が可能であるため、デバイス製造において安価なR2Rプロセスへの適用も想定される。
なお、本発明の電磁波集光シートの別の使用態様として、電磁波集光シートの第1の表面を出射面、第2の表面を入射面とすることにより、空洞部の仮想中心線が集光方向ではなく発散方向を規定し、目的波長の出射電磁波を均一に発散させることも可能である。
[シートの作製例]
以下、本発明に係る電磁波集光シートを実際に作製した例について更に説明する。
日本製箔社製厚み50μmのアルミシートに、上村工業社製ジンケート処理液を用いてシート表面に亜鉛置換メッキ皮膜を形成した後、旭化成社製厚み5μmメッキ用DFR(ネガ型)をラミネートした基板を作製した。次に、オーク社製平行光露光装置に白ガラス製凸レンズ(レンズ径10cm、焦点距離10cm)を取り付け、基板がレンズから12cmの高さになるように調整した後、上記基板に密着したフォトマスクを介して基板を露光した。フォトマスクは遮光部が5μm角、遮光部間隔が2.5μmの格子状であり、露光エリア径は2cmである。0.4wt%水酸化ナトリウム溶液で現像した後、アルミシート上に一辺5μm、厚み5μmの立方体状DFRが2.5μmの間隔でレイアウトされ、かつ、それぞれのDRFは上記凸レンズの焦点方向に傾斜した構造であった。次に、上村工業社製硫酸銅メッキ液を用いて、アルミシートを電極として電解銅メッキにより、厚み20μmの銅皮膜を形成した後、1%水酸化ナトリウム溶液によりDFRを、また15%塩酸溶液によりアルミシートをそれぞれ溶解除去した。得られた銅シートを菱化システム社製光干渉顕微鏡で観察した結果、開口部が一辺5μm、深さ5μmである立方体形状のキャビティが開口部間隔2.5μmで配列した空洞部を有する厚さ20μmの銅シートが得られたことが確認された。
本発明は、熱放射スペクトルの波長選択放射及び電磁波の集光を利用するデバイス部材、例えば、赤外線センサー、熱光起電力発電、赤外線光源、医療用機器等への応用が可能である。さらに本発明の電磁波集光シートは、シート状での製造が可能であるためR2Rプロセスでのデバイス製造への適用も可能である。
1 電磁波集光シート
2 空洞部
3 内径
4 深さ
5 熱源
6 焦点
7 焦点距離
8 仮想中心線
9,9a,9b 電磁波反射材料
10 ターゲット
11 受光素子
12 測定セル
S1 第1の表面
S2 第2の表面

Claims (6)

  1. 第1の表面から熱エネルギーを入射させた場合に、目的波長の電磁波成分を第2の表面から出射させ、かつ出射波を所定の集光方向で進行させて焦点で収束させる、電磁波集光シートであって、
    シート厚み方向に貫通するか又は貫通しない空洞部が複数設けられ、
    シート厚み方向に対して垂直の面内断面における空洞部形状の外心をシート厚み方向に亘って結んだ線として規定される仮想中心線が該焦点を通るように該空洞部が形成されることによって、該集光方向が規定されており、
    内径が該目的波長の略1/2倍であり、かつ深さが該内径の0.7〜3倍であるように該空洞部が形成されることによって、該目的波長の電磁波成分が第2の表面から出射し、
    且つ、該空洞部の内壁が金属材料、セラミックス材料、金属材料及び/又はセラミック材料のナノ粒子、並びに有機材料からなる群から選択される1つ以上で被覆されている、電磁波集光シート。
  2. 該空洞部の内壁が銅で被覆されている、請求項1に記載の電磁波集光シート。
  3. 該空洞部の形状が、角柱状及び円柱状からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の電磁波集光シート。
  4. 該目的波長の電磁波成分が赤外線であり、該空洞部の内径が0.5〜10μmの範囲であり、該空洞部の深さが該内径の0.7〜3倍の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁波集光シート。
  5. フレキシブルシートである、請求項4に記載の電磁波集光シート。
  6. 請求項5に記載の電磁波集光シートと熱源とからなる、電磁波集光型赤外光源。
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