JP2003012329A - 指向性赤外線放射体 - Google Patents

指向性赤外線放射体

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JP2003012329A
JP2003012329A JP2002065947A JP2002065947A JP2003012329A JP 2003012329 A JP2003012329 A JP 2003012329A JP 2002065947 A JP2002065947 A JP 2002065947A JP 2002065947 A JP2002065947 A JP 2002065947A JP 2003012329 A JP2003012329 A JP 2003012329A
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infrared
infrared radiator
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substrate
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JP2002065947A
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Masahiko Matsumura
昌彦 松村
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/235Heating the glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 希望する波長λを有する赤外線だけを、優れ
た指向性で放射する。 【解決手段】 基体3aを加熱し、この基体には、多数
の空胴である凹部7が形成されており、この凹部の内径
D1は、1〜10μm、好ましくは1〜5μmであり、
したがって波長λ=2・D1を有する赤外線が選択的に
放射される。凹部の深さL1は10μm以上であり、そ
の凹部の内面に、半径方向外方がSiO2から成る第1
層と、半径方向内方がTiO2またはGa23から成る
高い屈折率の第2層が積層された赤外線放射層11が、
形成される。指向性赤外線放射体3を、ガラス溶解炉2
1の天井22の内周面に設ける。ガラス溶解に最適な近
赤外領域の波長を有する赤外線を、良好な指向性でガラ
ス溶解槽28内のガラス表面に向けて放射することがで
きる。こうしてガラス溶解炉21の熱効率を向上し、ガ
ラス溶解能力を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線を選択的に
指向性を有して放射する指向性赤外線放射体およびそれ
を用いるガラス溶解炉に関する。
【0002】
【従来の技術】このような指向性赤外線放射体は、たと
えば体育館などの大型空間および台所、便所などの室内
における局所暖房を行うために必要になり、また工場に
おける工業製品の製造における加熱、乾燥などのために
必要になる。典型的な先行技術は、電気ヒータおよび赤
外線ランプであって、人および被加熱物などの暖房、加
熱を、空気などの介在物を必要とせず、直接に輻射加熱
して達成することができるという利点がある。
【0003】この先行技術では、放射される赤外線の輻
射エネルギは、電気ヒータ、赤外線ランプに備えられて
いる熱源から全球状または半球状に広範囲に伝熱される
ので、人および被加熱物の加熱のためには効率的ではな
い。
【0004】従来から、熱源と反射板とを組合せること
によって、赤外線が放射される方向の指向性を制御する
構成は、実用化されている。このような構成では、反射
板によって熱損失が生じ、また構成の全体の構造が大型
化するという問題がある。
【0005】他の先行技術は、特開平8−273808
に開示される。この先行技術では、炭素質、セラミクス
などの基材に、赤外線波長λに対してλ/2の内径を有
する線状孔群を形成し、加熱されたエネルギを、いわゆ
るキャビテイ効果によって波長λの赤外線だけを選択的
に放射する。この先行技術では、選択された波長λを有
する赤外線を、希望する放射方向に指向性を持たせて放
射するための工夫は、存在しない。
【0006】ガラスの製造は、原料調合、溶解、成形、
徐冷の一連の工程によって行われる。このうち溶解工程
は、全体の熱エネルギの約7割近くを消費し、製品原単
位を左右する重要な工程であり、タンク窯と呼ばれるガ
ラス溶解炉が用いられる。ガラス溶解炉の炉内温度は1
500℃程度であり、バーナの火炎からガラスへの直接
的輻射熱に加えて、火炎から壁および天井に伝わった熱
が輻射熱として、ガラス素地に伝わる。先行技術のガラ
ス溶解炉では、天井の内周面は、凹凸を有し、乱射面で
あり、したがって天井からの輻射熱がガラス素地の表面
に効率よく到達しない。したがってガラス溶解炉の熱効
率の向上が望まれている。
【0007】ガラス溶解のために最適な赤外線波長は、
本件発明者によれば、近赤外領域の波長であって、長波
長側ではない。不要な長波長側の赤外線は、ガラス溶解
の役目を果たさず、ガラス溶解炉の天井および壁などの
周囲の環境の温度を上昇させ、悪化させるだけであり、
熱効率が悪い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、希望
する波長域の赤外線の輻射エネルギを、希望する放射方
向に指向性を有して放射する指向性赤外線放射体を提供
することである。
【0009】本発明の他の目的は、熱効率の向上が図ら
れたガラス溶解炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱源によっ
て背面が加熱される基体の加熱面に臨んで多数の凹部が
形成され、この凹部の内径1〜10μm、好ましくは1
〜5μmであり、凹部の深さ10μm以上であり、凹部
の内面に、赤外線を放射する赤外線放射層が形成される
ことを特徴とする指向性赤外線放射体である。
【0011】本発明に従えば、全体の形状がたとえば平
板状であってもよい基体の背面が加熱源によって加熱さ
れ、背面とは反対側の加熱面に臨んで多数の凹部が形成
され、この凹部の内径D1は、1〜10μm、好ましく
は1〜5μmに選ばれる。凹部は、厚み方向に貫通した
貫通孔であってもよいが、底を有する構造であってもよ
い。この凹部は、好ましくは一直線状の軸線を有してい
てもよいけれども、湾曲した軸線を有していてもよい。
したがって加熱されたエネルギはいわゆるキャビテイ効
果によって凹部内には、波長λが2・D1より短波長の
光のみが存在することになる。基体の温度を、たとえば
500℃以下、たとえば400℃程度の比較的低い温度
の範囲では、波長λが、2・D1よりも短い光の加熱エ
ネルギの占める割合は、全体の加熱エネルギに比べて小
さい。これによって波長λ付近の赤外線を選択的に大き
な強度で、選択的に放射することができるようになる。
【0012】本発明に従えば、凹部の深さL1、すなわ
ち軸線に沿う長さは、10μm以上であり、しかもその
凹部の内面には、赤外線放射層が形成される。これによ
って凹部の軸線の延長上に、強い輻射エネルギ強度分布
で指向性を有して、放射される。深さは、たとえば上述
のように10μm以上であり、しかもたとえば0.5〜
5.0cm未満であってもよく、さらにもっと大きな
値、たとえば5cm未満であってもよい。深さが10μ
m未満では、指向性が劣る結果になる。深さが1cm以
上であっても、指向性を有する輻射エネルギの強度分布
に変化はなく、構成の小型化の要請に応じて、その深さ
の上限が定められてもよい。
【0013】基体の加熱面に臨んで、内径1〜10μm
の範囲以外の内径を有する凹部が、さらに追加的に形成
されていてもよい。
【0014】また本発明は、基体は、金属、ガラスまた
はセラミクスであることを特徴とする。
【0015】また本発明は、基体は、タングステンから
成ることを特徴とする。また本発明は、基体は、アルミ
ノホウ珪酸ガラスであることを特徴とする。
【0016】また本発明は、基体は、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素および酸化マグネシウムから成るグループ
から選ばれた1または複数から成ることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、基体の材料は、タングス
テンおよびそのほかの種類の金属製であってもよく、ア
ルミノホウ珪酸ガラスおよびそのほかの種類のガラスで
あってもよく、さらに酸化アルミニウム、酸化珪素およ
び酸化マグネシウムの1または複数およびそのほかの種
類のセラミクスから成ってもよい。さらに基体はそのほ
かの材料から成ってもよい。
【0018】また本発明は、赤外線放射層は、凹部の内
面上に形成された第1層と、この第1層上に第1層より
も高い屈折率を有する第2層とが、積層されて構成され
ることを特徴とする。
【0019】また本発明は、第1層は、SiO2から成
り、第2層は、TiO2またはGaO2から成ることを特
徴とする。
【0020】本発明に従えば、凹部の内周面に形成され
る赤外線放射層は、複数層から成り、半径方向外方の第
1層は、たとえばSiO2から成ってもよく、半径方向
内方の第2層は、たとえばTiO2またはGa23など
から成ってもよく、第2層の屈折率n13は、第1層の
屈折率n12よりも高い値を有する(n12<n1
3)。これによって赤外線放射層の第2層よりも半径方
向内方の赤外線は、第1層よりも第2層の方が高い屈折
率を有することに起因して、全反射され、赤外線が伝搬
されることになる。さらにこの凹部内で赤外線放射層に
よって内面が形成された光通路内の赤外線は、赤外線放
射層に一旦、吸収され、この赤外線放射層から、新たな
赤外線が無指向性で放射され、こうして赤外線放射層か
ら放射された赤外線もまた、赤外線放射層をたとえば全
反射するなどして伝搬されることになる。こうして赤外
線放射層の全反射作用と、この赤外線放射層に赤外線が
一旦吸収され、新たな赤外線が放射される作用とによっ
て、選択された波長λを有する赤外線が、高い輻射エネ
ルギ分布で、選択的に、凹部の軸線に沿って下流側に放
射され、指向性のある赤外線の放射が可能になる。
【0021】また本発明は、(a)加熱源と、(b)加
熱源によって加熱される指向性赤外線放射体であって、
この基体の背面は、加熱源によって加熱され、基体の加
熱面に臨んで多数の凹部形成され、この凹部の内径1〜
10μm、好ましくは1〜5μmであり、凹部の深さ1
0μm以上であり、凹部の内面に、赤外線を放射する赤
外線放射層が形成される指向性赤外線放射体とを含むこ
とを特徴とする指向性赤外線放射装置である。
【0022】本発明に従えば、加熱源の赤外線放射方向
下流側に指向性赤外線放射体を配置することによって、
希望する波長λを有する赤外線を高い輻射エネルギ分布
で希望する輻射方向に指向性を有して放射することがで
きるようになる。加熱源は、たとえば表面燃焼バーナ、
電気ヒータ、赤外線ランプであってもよく、加熱のため
にさらにそのほかの構成を有していてもよい。
【0023】こうして本発明によれば、体育館などの大
型空間ならびに台所および便所などの小さい空間におい
て、局所的に暖房などを行うことができる。あるいはま
た工場における製品の一部分の加熱などを、容易に行う
ことができる。しかも既存の加熱源に関連して、本発明
を容易に実施することができる。さらに本件放射体は、
たとえば平板状であり、デザインの観点から優れたもの
である。
【0024】本発明は、加熱源によって背面が加熱され
る基体の加熱面に臨んで多数の凹部が形成され、この凹
部の内径0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmであ
り、凹部の深さ10μm以上であり、凹部の内面に、赤
外線を放射する赤外線放射層が形成されることを特徴と
する指向性赤外線放射体である。
【0025】本発明に従えば、全体の形状がたとえば平
板状であってもよい基体の背面が加熱源によって加熱さ
れ、背面とは反対側の加熱面に臨んで多数の凹部が形成
され、この凹部の内径D1は、0.5〜10μm、好ま
しくは1〜5μmに選ばれる。凹部は、厚み方向に貫通
した貫通孔であってもよいが、底を有する構造であって
もよい。この凹部は、好ましくは一直線状の軸線を有し
ていてもよいけれども、湾曲した軸線を有していてもよ
い。したがって加熱されたエネルギはいわゆるキャビテ
イ効果によって凹部内には、波長λが2・D1より短波
長の光のみが存在することになる。基体の温度を、たと
えば500℃以下、たとえば400℃程度の比較的低い
温度の範囲では、波長λが、2・D1よりも短い光の加
熱エネルギの占める割合は、全体の加熱エネルギに比べ
て小さい。これによって波長λ付近の赤外線を選択的に
大きな強度で、選択的に放射することができるようにな
る。
【0026】本発明に従えば、凹部の深さL1、すなわ
ち軸線に沿う長さは、10μm以上であり、しかもその
凹部の内面には、赤外線放射層が形成される。これによ
って凹部の軸線の延長上に、強い輻射エネルギ強度分布
で指向性を有して、放射される。深さは、たとえば上述
のように10μm以上であり、しかもたとえば0.5〜
5.0cm未満であってもよく、さらにもっと大きな
値、たとえば5cm未満であってもよい。深さが10μ
m未満では、指向性が劣る結果になる。深さが1cm以
上であっても、指向性を有する輻射エネルギの強度分布
に変化はなく、構成の小型化の要請に応じて、その深さ
の上限が定められてもよい。
【0027】基体の加熱面に臨んで、内径0.5〜10
μmの範囲以外の内径を有する凹部が、さらに追加的に
形成されていてもよい。
【0028】また本発明は、基体は、金属、ガラスまた
はセラミクスであることを特徴とする。
【0029】また本発明は、基体は、タングステンから
成ることを特徴とする。また本発明は、基体は、アルミ
ノホウ珪酸ガラスであることを特徴とする。
【0030】また本発明は、基体は、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素および酸化マグネシウムから成るグループ
から選ばれた1または複数から成ることを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、基体の材料は、タングス
テンおよびそのほかの種類の金属製であってもよく、ア
ルミノホウ珪酸ガラスおよびそのほかの種類のガラスで
あってもよく、さらに酸化アルミニウム、酸化珪素およ
び酸化マグネシウムの1または複数およびそのほかの種
類のセラミクスから成ってもよい。さらに基体はそのほ
かの材料から成ってもよい。
【0032】また本発明は、赤外線放射層は、凹部の内
面上に形成された第1層と、この第1層上に第1層より
も高い屈折率を有する第2層とが、積層されて構成され
ることを特徴とする。
【0033】また本発明は、第1層は、SiO2から成
り、第2層は、TiO2またはGaO2から成ることを特
徴とする。
【0034】本発明に従えば、凹部の内周面に形成され
る赤外線放射層は、複数層から成り、半径方向外方の第
1層は、たとえばSiO2から成ってもよく、半径方向
内方の第2層は、たとえばTiO2またはGa23など
から成ってもよく、第2層の屈折率n13は、第1層の
屈折率n12よりも高い値を有する(n12<n1
3)。これによって赤外線放射層の第2層よりも半径方
向内方の赤外線は、第1層よりも第2層の方が高い屈折
率を有することに起因して、全反射され、赤外線が伝搬
されることになる。さらにこの凹部内で赤外線放射層に
よって内面が形成された光通路内の赤外線は、赤外線放
射層に一旦、吸収され、この赤外線放射層から、新たな
赤外線が無指向性で放射され、こうして赤外線放射層か
ら放射された赤外線もまた、赤外線放射層をたとえば全
反射するなどして伝搬されることになる。こうして赤外
線放射層の全反射作用と、この赤外線放射層に赤外線が
一旦吸収され、新たな赤外線が放射される作用とによっ
て、選択された波長λを有する赤外線が、高い輻射エネ
ルギ分布で、選択的に、凹部の軸線に沿って下流側に放
射され、指向性のある赤外線の放射が可能になる。
【0035】また本発明は、(a)加熱源と、(b)加
熱源によって加熱される指向性赤外線放射体であって、
この基体の背面は、加熱源によって加熱され、基体の加
熱面に臨んで多数の凹部形成され、この凹部の内径0.
5〜10μm、好ましくは1〜5μmであり、凹部の深
さ10μm以上であり、凹部の内面に、赤外線を放射す
る赤外線放射層が形成される指向性赤外線放射体とを含
むことを特徴とする指向性赤外線放射装置である。
【0036】本発明に従えば、加熱源の赤外線放射方向
下流側に指向性赤外線放射体を配置することによって、
希望する波長λを有する赤外線を高い輻射エネルギ分布
で希望する輻射方向に指向性を有して放射することがで
きるようになる。加熱源は、たとえば表面燃焼バーナ、
電気ヒータ、赤外線ランプであってもよく、加熱のため
にさらにそのほかの構成を有していてもよい。
【0037】本発明は、基体の加熱面に臨んで多数の凹
部が形成され、この凹部の内径0.5〜10μmであ
り、凹部の深さ10μm以上であり、凹部の内面に、赤
外線を放射する赤外線放射層が形成されることを特徴と
する指向性赤外線放射体である。
【0038】本発明に従えば、基体がその背面から、ま
たは基体の加熱面から熱が伝わって加熱されることによ
って、前述の波長λ付近の赤外線を、選択的に大きな強
度で、選択的に放射することができる。
【0039】また本発明は、基体は、金属、ガラスまた
はセラミクスであることを特徴とする。
【0040】本発明に従えば、基体の材料は、金属、ガ
ラスまたはセラミクスを用いることができる。なお、金
属としては、たとえばタングステンおよびそのほかの種
類の金属であってもよく、ガラスとしては、たとえばア
ルミノホウ珪酸ガラスおよびそのほかの種類のガラスで
あってもよく、さらにセラミクスとしては、たとえば酸
化アルミニウム、酸化珪素および酸化マグネシウムの1
または複数およびそのほかの種類のセラミクスから成っ
てもよい。さらに基体はそのほかの材料から成ってもよ
い。
【0041】また本発明は、赤外線放射層は、凹部の内
面上に形成された第1層と、この第1層上に第1層より
も高い屈折率を有する第2層とが、積層されて構成され
ることを特徴とする。
【0042】本発明に従えば、凹部の内周面に形成され
る赤外線放射層は、複数層から成り、半径方向外方の第
1層は、たとえばSiO2から成ってもよく、半径方向
内方の第2層は、たとえばTiO2またはGa23など
から成ってもよく、第2層の屈折率n13は、第1層の
屈折率n12よりも高い値を有する(n12<n1
3)。これによって赤外線放射層の第2層よりも半径方
向内方の赤外線は、第1層よりも第2層の方が高い屈折
率を有することに起因して、全反射され、赤外線が伝搬
されることになる。さらにこの凹部内で赤外線放射層に
よって内面が形成された光通路内の赤外線は、赤外線放
射層に一旦、吸収され、この赤外線放射層から、新たな
赤外線が無指向性で放射され、こうして赤外線放射層か
ら放射された赤外線もまた、赤外線放射層をたとえば全
反射するなどして伝搬されることになる。こうして赤外
線放射層の全反射作用と、この赤外線放射層に赤外線が
一旦吸収され、新たな赤外線が放射される作用とによっ
て、選択された波長λを有する赤外線が、高い輻射エネ
ルギ分布で、選択的に、凹部の軸線に沿って下流側に放
射され、指向性のある赤外線の放射が可能になる。
【0043】また本発明は、前述の指向性赤外線放射体
を、ガラス溶解槽の上方の空間の内周面に、設けること
を特徴とするガラス溶解炉である。
【0044】また本発明は、前記内周面は、前記空間の
天井の内周面であることを特徴とする。
【0045】また本発明は、ガラス溶解槽の上方の空間
を、天井と壁とによって形成し、前記壁に設けられるバ
ーナから、火炎を、天井とガラス溶解槽に貯留されるガ
ラス素地の表面との間に、走らせるガラス溶解炉におい
て、天井の内周面に、前述の指向性赤外線放射体が設け
られることを特徴とするガラス溶解炉である。
【0046】本発明に従えば、ガラス溶解炉の溶解槽に
は、溶融ガラスが貯留され、そのガラス溶解炉の炉体を
構成する迫と呼ばれる天井と壁とによって、溶解槽の上
方を、したがって溶融ガラスの表面の上方に空間を形成
し、この空間には、壁などに設けられるバーナから、火
炎を走らせる。バーナが設けられる壁は、たとえば溶解
槽の長手方向の左右の側壁であり、これによってガラス
素地の流れと直角方向に火炎が走る。本発明の実施の他
の形態では、ガラス素地の流れの始まる後壁などの端壁
にバーナが設けられ、火炎は長手方向に走るように構成
されてもよい。
【0047】こうしてガラス素地には、火炎からの直接
的輻射熱が与えられ、また火炎から炉壁および天井の内
周面に伝わった熱が、輻射熱としてガラスへ伝わる。
【0048】ガラス溶解炉の溶解槽の上方の空間の内周
面、たとえば天井の内周面には、前述の指向性赤外線放
射体の構成する基体の前記加熱面とは反対側の背面が取
付られて設けられる。バーナの火炎の輻射熱によって炉
体の天井に設けられた指向性赤外線放射体の前記加熱面
から基体に熱が伝わり、さらにその天井を構成する蓄熱
機能を有する耐火材、たとえば煉瓦が加熱される。天井
は上方に凸の内周面を有するように形成され、これによ
って指向性赤外線放射体から放射される赤外線の方向
を、溶解槽内のガラス表面に正確に指向することができ
る。さらに、この指向性赤外線放射体から放射される赤
外線を、溶解槽内のガラス素地の表面に優れた指向性で
放射することができる。
【0049】ガラスは、波長依存性が高い赤外線吸収透
過特性を有するが、本発明では、ガラス溶解に最適な赤
外線波長を選択して放射することができるので、ガラス
溶解能力を飛躍的に高めることができる。すなわち加熱
された基体および天井の煉瓦のエネルギは、いわゆるキ
ャビテイ効果によって凹部には、前述のように波長λが
2・D1より短波長の光のみが存在し、その波長λ付近
の赤外線が選択的に大きな強度で放射されて溶解槽のガ
ラス素地に放射される。この波長λは、ガラス溶解に最
適な近赤外領域の波長であり、不要な長波長側の赤外線
は遮断される。
【0050】こうしてバーナの火炎から放射され天井を
経由してガラス素地に到達する輻射熱の割合が、大きく
増加され、ガラス溶解炉の熱効率が飛躍的に高まる。
【0051】本発明の指向性赤外線放射体は、天井の内
周面だけでなく、前記壁の内周面にも設けられてもよ
い。
【0052】本発明によれば、ガラス溶解炉の炉体を構
成する天井、さらに壁の内周面に、本発明の指向性赤外
線放射体を構成する基体の前記加熱面と反対側の背面を
取付けるようにしたので、火炎から放射されて天井また
は壁を経由して溶解槽のガラス表面に到達する輻射熱の
割合を増加し、これによってガラス溶解炉の熱効率を大
きく向上することができる。さらにガラス溶解に最適な
近赤外領域の波長を有する赤外線を、放射することによ
って、不要な長波長側の赤外線を遮断し、ガラス溶解能
力を飛躍的に高めることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
一部を拡大して示す簡略化した断面図である。指向性赤
外線放射装置1は、加熱源2と、この加熱源2によって
加熱される指向性赤外線放射体3とを含む。加熱源2
は、たとえば表面燃焼バーナであってもよく、あるいは
また電気ヒータであってもよく、さらに赤外線ランプで
あってもよく、そのほかの構成を有していてもよい。放
射体3からは、選択された波長λを有する赤外線4が、
優れた指向性を有して、放射される。
【0054】図2は、指向性赤外線放射体3の基体3a
の一部を切欠いて示す断面図である。基体3の背面5
は、加熱源2によって加熱され、その温度は、たとえば
400〜500℃であり、したがって放射されるべき波
長λを有する赤外線の輻射エネルギの占める割合が、全
ての輻射エネルギ中、高い。この基体3aは、赤外線4
を放射する加熱面6に臨んで多数の凹部7を有する。各
凹部7は、背面5および加熱面6にわたって厚み方向に
貫通した貫通孔である。
【0055】凹部7の内面には、赤外線を放射する赤外
線放射層11が形成される。凹部7内の赤外線放射層1
1の内径D1は、1〜10μm、好ましくは1〜5μm
である。凹部7の軸線は相互に平行であり、一直線状に
延びる。凹部7の深さL1は、本発明に従えば、10μ
m以上であり、たとえば0.5〜5.0cm未満に選ば
れる。
【0056】基体3aは、金属、ガラスまたはセラミク
スなどの材料から成る。金属は、たとえばタングステン
であってもよい。ガラスは、たとえばアルミノホウ珪酸
ガラスであってもよい。セラミクスは、たとえば酸化ア
ルミニウム、酸化珪素および酸化マグネシウムのうちの
いずれか1つまたはそれらの複数の混合物から成っても
よい。
【0057】図3は、凹部7の一部の拡大断面図であ
る。凹部7は、直円柱状の貫通孔である。凹部7の内面
には、基体3aに、第1層12が形成される。この第1
層12上には、第2層13が形成される。第1層12
は、SiO2から成る。第2層13は、TiO2から成
る。この第2層13の屈折率n13は、第1層12の屈
折率n12よりも高い値を有する(n12<n13)。
こうして凹部7の深さL1が前述のように10μm以上
であり、これによって凹部7内を伝搬する赤外線が指向
性を有することが可能になるとともに、凹部7を伝搬す
る赤外線15は、第1層12と、その第1層12の屈折
率n12よりも高い屈折率n13を有する第2層13と
の間の境界面16で全反射して背面5から加熱面6に向
けて伝搬される。さらにこの赤外線放射層11では、凹
部7を伝搬する赤外線15を一旦吸収し、新たな赤外線
を無指向性で放射し、このような作用によってもまた、
赤外線が凹部7内を伝搬して放射面6から有効な指向性
で放射される。
【0058】赤外線放射層11の製造にあたっては、S
iO2を主成分とするガラスにFなどの軽い、すなわち
原子量の小さい元素をドープすることによって第1層1
2を形成することができる。またTi,Gaなどの重
い、すなわち大きい原子量を有する原子をドープするこ
とによって第2層13を形成することができる。第2層
13は、Ga23であってもよい。
【0059】図4は、本件発明者の実験結果を示す図で
ある。図1〜図3の実施の形態において、また図4
(1)のように基体3aは、タングステンから成り、凹
部7の内径D1は、4μmであり、深さL1が400μ
mである直円筒状の凹部7が形成され、赤外線放射層1
1は、SiO2から成る第1層12と、TiO2から成る
第2層13とから成り、図1の加熱源2は、温度800
Kとしたとき、波長λ=2μmである赤外線のエネルギ
分布のシミュレーション結果を図4(2)のように得
た。この図4(1)に示されるように、基体3aの赤外
線放射方向下流側に、鋭い良好な指向性で赤外線エネル
ギが放射されていることがわかる。図4(2)は、基体
3aの加熱面6の赤外線放射方向下流側の0.9mmの
位置における単一の凹部7による波長λ=2μmの赤外
線の輻射エネルギ分布を示す。輻射エネルギは、凹部7
の軸線17の延長上で最大となる鋭いピークが得られ
た。こうして凹部7および赤外線放射層11が形成され
ていない基体を用いる比較例に比べて、本発明によれ
ば、たとえば20〜50倍の集中的な局所の加熱を行う
ことができることが確認された。
【0060】本発明によれば、省エネルギを達成するこ
とができ、また反射板を用いる先行技術に比べて本発明
の構成を簡略化して小型化を図ることができ、したがっ
て建物の天井または壁などに指向性赤外線放射装置を埋
込むこともまた容易に可能になる。さらに加熱源2から
の赤外線の輻射エネルギの分布は、指向性を有する熱放
射を行う凹部7と、凹部7が形成されていない、たとえ
ば平坦な端面18との組合せによって、全体の指向性の
強弱の分布を変化させることができる。凹部7は、前述
のように直円筒状であってもよいけれども、そのほか、
凹部7の軸線直角の断面は、三角形、正方形、長方形、
楕円形およびそのほかの形状であってもよい。
【0061】なお、凹部7内の赤外線放射層11の内径
D1は、0.5〜1μmであっても上述と同様の効果が
得られることから、内径D1は、0.5〜10μmで形
成すればよい。
【0062】図5は、本発明の実施の一形態のガラス溶
解炉21の天井22とその付近の断面図である。天井2
2は、ガラス溶解炉21の空間23を、左右の側壁2
4,25とともに形成する。これらの天井22および側
壁24,25は、炉体26を構成し、蓄熱機能を有する
耐火材、たとえば煉瓦などから成る。
【0063】図6はガラス溶解炉21を備えるガラス溶
解装置の全体の構成を簡略化して示す斜視図であり、図
7は図6に示されるガラス溶解装置の一部の簡略化した
平面図である。これらの図面を参照して、ガラス溶解槽
28の前記空間23は、前述の天井22および側壁2
4,25のほかにさらに、前後の端壁29,30によっ
て形成される。側壁24,25には、ガスバーナ31,
32が設けられ、さらに排ガスのポート36,37が設
けられる。一方の側壁24のバーナ31によって火炎3
3は、溶解槽28内の溶融ガラス素地の流れ34と直角
方向に火炎33が走る。この空間23内の排ガスは、他
方の側壁25のポート37から排出され、この運転が交
代で繰返される。ポート36,37には、排ガスの通過
による蓄熱を行う蓄熱室38,39が設けられ、これら
の蓄熱室38,39からの排ガスは、煙道41から交換
機42を経て煙突43に流れる。
【0064】再び図5を参照して、天井22の内周面に
は、指向性赤外線放射体3の基体3aの背面5が取付け
られて固定される。天井22の内周面は、図5に明らか
に示されるように上に凸の円弧状のアーチ形に形成さ
れ、指向性赤外線放射体3から放射される波長λの赤外
線は、溶解槽28に貯留されたガラス素地の表面に向け
て指向性を有して放射されることができる。したがって
天井22の内周面が前述のようにアーチ形である構成お
よび指向性赤外線放射体3の指向性が優れている構成に
よって、指向性赤外線放射体3からの波長λの赤外線
は、ガラス素地の表面に正確に向けられて放射されるこ
とになる。こうしてガラス溶解炉21の熱効率を大きく
向上することができる。
【0065】本発明の実施の他の形態では、指向性赤外
線放射体3は、側壁24,25の内周面にも仮想線4
5,46で示されるように設けられてもよく、さらにま
た端壁29,30の内周面にも設けられてもよく、さら
に実施の他の形態では、天井22の内周面には指向性赤
外線放射体3が設けられず、側壁24,25または端壁
29,30のみに設けられてもよい。
【0066】バーナ31の火炎33の直接的な輻射熱に
よって溶解槽28内のガラス素地が直接的輻射熱で加熱
されるとともに、この火炎33の輻射熱によって指向性
赤外線放射体3の基体3aおよび天井22を構成する耐
火材が輻射加熱される。この指向性赤外線放射体3の基
体3aがそれ自体、前述のように加熱され、あるいはま
た天井22を構成する耐火材によって加熱され、そのた
め前述の凹部7の内径D1に対応する波長λ(=2・D
1)を有する赤外線が大きい強度で選択的に放射され
る。
【0067】図8は、本件発明者の実験によるガラスに
放射される赤外線の波長とそのガラスを赤外線が透過す
る透過率との関係を示すグラフである。溶解槽28内の
ガラス素地に放射される赤外線の波長λが、図8に示さ
れるように1.5〜2.8μmの範囲では、その赤外線
がガラス素地内に高い透過率で透過し、輻射熱が高効率
にガラス素地内部または炉床付近で吸収されることが判
る。したがって図5の天井22に設けられる指向性赤外
線放射体3の凹部7の内径D1は、波長λが図8に示さ
れるように1.5〜2.8μm、好ましくは1.5〜
2.5μmの近赤外領域の赤外線を放射するように定め
られる。このことは側壁24,25に設けられる指向性
赤外線放射体45,46に関しても同様であり、また端
壁29,30に設けられる指向性赤外線放射体に関して
も同様である。
【0068】基体3aには、単結晶シリコンのウエット
・エッチング式手法を用いて凹部7を形成することがで
きる。この高精度の微細加工は、シリコン単結晶の結晶
面によってエッチング速度が異なる特性を利用する。こ
の手法は、サブミクロンスケールまで高アスペクト比の
凹部7のための矩形の穴、溝掘り加工性に優れ、またド
ライ・エッチングに比べて加工精度に優れている。
【0069】本発明の実施の他の形態では、基体3aの
凹部7を形成するために、シリコン・メタルのドライ・
エッチング式手法を採ることができる。この手法のドラ
イプロセスは、酸素プラズマ、ハロゲンプラズマでエッ
チングする構成を有し、基体3aは、単結晶シリコンに
限定されず、適用材料の自由度が高い。この手法によれ
ば、基体3aの加工対象材料の選択の範囲が広く、上述
のように単結晶シリコンに限定されず、また矩形、丸穴
などの凹部7の形状に対応することができ、また量産性
に優れる。
【0070】本発明の実施のさらに他の形態では、基体
3aの凹部7を形成するために、サブミクロンレベルま
で絞ったレーザビームを用いる。この手法によれば、基
体3aの加工対象材料は広い範囲の材料を選ぶことがで
き、また凹部7として、高アスペクト比の貫通穴を形成
するのに適しており、各凹部7の加工時間を短くするこ
とができる。
【0071】本発明の実施のさらに他の形態では、前述
の図2〜図4に示される凹部7が第1および第2層1
2,13から成る2層構造は、スパッタ法によるドライ
プロセスを利用して形成することができる。これによっ
て酸化物系薄膜である第1および第2層12,13を容
易に形成することができる。
【0072】本発明の実施のさらに他の形態では、基体
3aの凹部7に第1および第2層12,13を形成する
ために、ウエットプロセス・ゾルゲル手法を採る。ゾル
ゲル法によるウエットプロセスを利用したSiO2の第
1層12とTiO2の第2層を形成するには、テトラエ
トキシシラン、テトラエトキシチタンの有機溶剤溶液に
浸漬することによるディップコートを行い、加熱乾燥す
る。このことによって、空気中の湿気で重合反応が起こ
り、2層構造を容易に形成することができる。これによ
って酸化物系薄膜である2層構造の赤外線放射層11を
容易に得ることができ、また凹部7への赤外線放射層1
1の形成が容易に可能となる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、凹部の内径D1の2倍
の波長λ(=2・D1)を有する赤外線を選択的に高い
輻射エネルギ分布で、指向性を有して放射することがで
きるようになる。
【0074】本発明によれば、赤外線放射層は、たとえ
ばSiO2などから成る第1層の内面に、たとえばTi
2またはGa23などから成る高い屈折率を有する第
2層が積層されて構成され、これによって赤外線の全反
射作用によって、また赤外線が赤外線放射層に一旦吸収
され、新たな赤外線が放射される作用によって、赤外線
を選択的に、優れた指向性を有して、放射することが可
能になる。
【0075】本発明によれば、ガラス溶解炉におけるガ
ラス溶解槽に向けて、ガラスによる透過率が良好な近赤
外領域の短波長λの輻射熱を照射することができるの
で、熱効率の向上を図り、ガラス溶解能力を高めること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の一部を拡大して示す簡
略化した断面図である。
【図2】基体3の一部を切換えて示す断面図である。
【図3】凹部7の一部の拡大断面図である。凹部7は、
直円柱状の貫通孔である。
【図4】本件発明者の実験結果を示す図である。
【図5】本発明の実施の一形態のガラス溶解炉21の天
井22とその付近の断面図である。
【図6】ガラス溶解炉21を備えるガラス溶解装置の全
体の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図7】図6に示されるガラス溶解装置の一部の簡略化
した平面図である。
【図8】本件発明者の実験によるガラスに放射される赤
外線の波長とそのガラスを赤外線が透過する透過率との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 指向性赤外線放射装置 2 加熱源 3 指向性赤外線放射体 3a 基体 4 赤外線 5 背面 6 放射面 7 凹部 11 赤外線放射層 12 第1層 13 第2層 21 ガラス溶解炉 22 天井 23 空間 24,25 側壁 28 ガラス溶解槽 29,30 端壁 31,32 バーナ 33 火炎 34 流れ 45,46 指向性赤外線放射体

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱源によって背面が加熱される基体の
    加熱面に臨んで多数の凹部が形成され、この凹部の内径
    1〜10μmであり、凹部の深さ10μm以上であり、
    凹部の内面に、赤外線を放射する赤外線放射層が形成さ
    れることを特徴とする指向性赤外線放射体。
  2. 【請求項2】 基体は、金属、ガラスまたはセラミクス
    であることを特徴とする請求項1記載の指向性赤外線放
    射体。
  3. 【請求項3】 基体は、タングステンから成ることを特
    徴とする請求項1記載の指向性赤外線放射体。
  4. 【請求項4】 基体は、アルミノホウ珪酸ガラスである
    ことを特徴とする請求項1記載の指向性赤外線放射体。
  5. 【請求項5】 基体は、酸化アルミニウム、酸化珪素お
    よび酸化マグネシウムから成るグループから選ばれた1
    または複数から成ることを特徴とする請求項1記載の指
    向性赤外線放射体。
  6. 【請求項6】 赤外線放射層は、凹部の内面上に形成さ
    れた第1層と、この第1層上に第1層よりも高い屈折率
    を有する第2層とが、積層されて構成されることを特徴
    とする請求項1〜5のうちの1つに記載の指向性赤外線
    放射体。
  7. 【請求項7】 第1層は、SiO2から成り、第2層
    は、TiO2またはGaO2から成ることを特徴とする請
    求項6記載の指 向性赤外線放射体。
  8. 【請求項8】 (a)加熱源と、 (b)加熱源によって加熱される指向性赤外線放射体で
    あって、 この基体の背面は、加熱源によって加熱され、 基体の加熱面に臨んで多数の凹部形成され、この凹部の
    内径1〜10μmであり、凹部の深さ10μm以上であ
    り、凹部の内面に、赤外線を放射する赤外線放射層が形
    成される指向性赤外線放射体とを含むことを特徴とする
    指向性赤外線放射装置。
  9. 【請求項9】 加熱源によって背面が加熱される基体の
    加熱面に臨んで多数の凹部が形成され、この凹部の内径
    0.5〜10μmであり、凹部の深さ10μm以上であ
    り、凹部の内面に、赤外線を放射する赤外線放射層が形
    成されることを特徴とする指向性赤外線放射体。
  10. 【請求項10】 基体は、金属、ガラスまたはセラミク
    スであることを特徴とする請求項9記載の指向性赤外線
    放射体。
  11. 【請求項11】 基体は、タングステンから成ることを
    特徴とする請求項9記載の指向性赤外線放射体。
  12. 【請求項12】 基体は、アルミノホウ珪酸ガラスであ
    ることを特徴とする請求項9記載の指向性赤外線放射
    体。
  13. 【請求項13】 基体は、酸化アルミニウム、酸化珪素
    および酸化マグネシウムから成るグループから選ばれた
    1または複数から成ることを特徴とする請求項9記載の
    指向性赤外線放射体。
  14. 【請求項14】 赤外線放射層は、凹部の内面上に形成
    された第1層と、この第1層上に第1層よりも高い屈折
    率を有する第2層とが、積層されて構成されることを特
    徴とする請求項9〜13のうちの1つに記載の指向性赤
    外線放射体。
  15. 【請求項15】 第1層は、SiO2から成り、 第2層は、TiO2またはGaO2から成ることを特徴と
    する請求項14記載の指向性赤外線放射体。
  16. 【請求項16】 (a)加熱源と、 (b)加熱源によって加熱される指向性赤外線放射体で
    あって、 この基体の背面は、加熱源によって加熱され、 基体の加熱面に臨んで多数の凹部形成され、この凹部の
    内径0.5〜10μmであり、凹部の深さ10μm以上
    であり、凹部の内面に、赤外線を放射する赤外線放射層
    が形成される指向性赤外線放射体とを含むことを特徴と
    する指向性赤外線放射装置。
  17. 【請求項17】 基体の加熱面に臨んで多数の凹部が形
    成され、この凹部の内径0.5〜10μmであり、凹部
    の深さ10μm以上であり、凹部の内面に、赤外線を放
    射する赤外線放射層が形成されることを特徴とする指向
    性赤外線放射体。
  18. 【請求項18】 基体は、金属、ガラスまたはセラミク
    スであることを特徴とする請求項17記載の指向性赤外
    線放射体。
  19. 【請求項19】 赤外線放射層は、凹部の内面上に形成
    された第1層と、この第1層上に第1層よりも高い屈折
    率を有する第2層とが、積層されて構成されることを特
    徴とする請求項17または18記載の指向性赤外線放射
    体。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19のうちの1つに記載
    の指向性赤外線放射体を、ガラス溶解槽の上方の空間の
    内周面に、設けることを特徴とするガラス溶解炉。
  21. 【請求項21】 前記内周面は、前記空間の天井の内周
    面であることを特徴とする請求項20記載のガラス溶解
    炉。
  22. 【請求項22】 ガラス溶解槽の上方の空間を、天井と
    壁とによって形成し、 前記壁に設けられるバーナから、火炎を、天井とガラス
    溶解槽に貯留されるガラス素地の表面との間に、走らせ
    るガラス溶解炉において、 天井の内周面に、請求項17〜19のうちの1つに記載
    の指向性赤外線放射体が設けられることを特徴とするガ
    ラス溶解炉。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100445678C (zh) * 2007-02-14 2008-12-24 哈尔滨工业大学 燃气定向辐射器
JP2011185781A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Asahi Kasei Corp 電磁波集光シート
JP2015198063A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 日本碍子株式会社 赤外線ヒーター
CN109951905A (zh) * 2019-01-09 2019-06-28 江苏华旦科技有限公司 一种红外辐射件以及包括其的红外发生器

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