JP2023548025A - 赤外線放射器及び赤外線放射構成要素 - Google Patents

赤外線放射器及び赤外線放射構成要素 Download PDF

Info

Publication number
JP2023548025A
JP2023548025A JP2023523200A JP2023523200A JP2023548025A JP 2023548025 A JP2023548025 A JP 2023548025A JP 2023523200 A JP2023523200 A JP 2023523200A JP 2023523200 A JP2023523200 A JP 2023523200A JP 2023548025 A JP2023548025 A JP 2023548025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
infrared
layer
heating
quartz glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023523200A
Other languages
English (en)
Inventor
ジッシング、ホルガー
ヴァイス、オリバー
アンブス、ダニエル
ガンツ、シモーネ
ピエラ、トーマス
ディール、フランク
ウェーバー、ユルゲン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Heraeus Noblelight GmbH
Original Assignee
Heraeus Noblelight GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Heraeus Noblelight GmbH filed Critical Heraeus Noblelight GmbH
Publication of JP2023548025A publication Critical patent/JP2023548025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/40Heating elements having the shape of rods or tubes
    • H05B3/42Heating elements having the shape of rods or tubes non-flexible
    • H05B3/44Heating elements having the shape of rods or tubes non-flexible heating conductor arranged within rods or tubes of insulating material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/032Heaters specially adapted for heating by radiation heating

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

公知の赤外線放射器は成形体を有しており、この成形体は、第1のピーク放射波長を有する短波又は中波の赤外線を放射する放射面を有している。そこから出発して、最大で約2750nmを備える吸収特性に十分に一致させられた放射スペクトルを備え、更に、高い電力密度で動作させることができ、それにより、例えば、インクの乾燥、プラスチックの接合又はガラスの曲げなどの工業用途におけるウォーミングアップ時間を短縮することができる赤外線放射器を提供するために、本発明によれば、放射変換材料が、放射面の少なくとも一部に適用されており、第1のピーク放射波長の赤外線による加熱の結果、第1のピーク放射波長よりも長い波長の第2のピーク放射波長を有する赤外線を放射する。【選択図】図5

Description

本発明は第1のピーク放射波長を有する短波又は中波の赤外線を放射する放射面を有する成形体を備えた赤外線放射器に関する。
本発明は更に、第1のピーク放射波長を有する短波又は中波の一次赤外線を吸収するための吸収面と、第1のピーク放射波長よりも長い波長である第2のピーク放射波長を有する二次赤外線を放射するための放射面とを有する、基体材料から成る基体を備えた、赤外線を放射する構成要素に関する。
短波、中波及び長波の赤外線放射器は、加熱材料を加熱するために多種多様な工業的製造プロセスにおいて使用されている。IEC 62798:2014(p.11、表1)によれば、波長範囲は、IR-A=780~1,400nm(1,800~3,450℃の温度に対応する)、IR-B=1,400~3,000nm(690℃~1,800℃の温度に対応する)、IR-C=3,000nm~1mm(690℃未満の温度に対応する)に区別される。
長波赤外線放射器の作動放射は、一般に、加熱材料によって特に良好かつ迅速に吸収され、その結果、加熱が高い効率で行われる。しかしながら、加熱及び冷却挙動は遅く、その結果、急速な温度変化は達成され得ない。
中波赤外線放射器(略してMWIR放射器)は、約1,400nm~3,000nmの波長範囲の広帯域赤外線スペクトルを示し、典型的には1,100℃までの温度範囲で動作する。中波放射線は、加熱材料の上層で既に吸収され、主にその表面を加熱する。中波赤外線放射器は、典型的には、温度安定性のガラス、金属又はセラミックから成る開放された被覆管を有しており、この被覆管は、酸化安定性の抵抗材料から成る加熱フィラメントを取り囲んでいる。中波放射器の1つの欠点は、約15W/cmのそれらの制限された電力密度、並びにそれらの熱慣性及び関連する遅い反応である。
780nm~1,400nmの放射波長を有する短波放射線は、固体材料中に深く浸透し、均一な加熱を保証する。短波赤外線放射器(略してSWIR放射器)では、炭素又はタングステン製の加熱フィラメントが、不活性ガスで満たされた放射器管内に螺旋状又は帯状に埋め込まれており、この放射器管は、通常、石英ガラス製である。加熱フィラメントは、放射器管の一方の端部又は両方の端部を介して挿入される電気接続部に接続されている。加熱フィラメント自体は、低い熱質量を有し、したがって1~2秒の範囲の速い反応時間を有する。SWIR放射器の1つの特徴は、加熱フィラメント1センチメートル当たり最大120ワットの高い光学パワー密度である(以下、W/cmと略す)。SWIR放射器は、特に、粉末コーティング、接着剤を加熱するために、又は急速予熱のために使用される。
例えば、米国特許第102013104577(B3)号は、金属含有インクを乾燥及び焼結するための短波赤外線放射器の使用を開示している。
独国実用新案第29905385(U1)号には、半透明及び/又は透明なガラス及び/又はガラスセラミックを赤外線によって均一に加熱するための装置が記載されている。1,500°Kより高い色温度を有する加熱材料によって吸収されない短波一次赤外線の50%を超える部分は、反射体又は拡散体によって反射又は散乱され、間接加熱に寄与する。
独国特許第4202944(C2)号には、加熱材料を急速に加熱するための複数の赤外線放射器から成る面放射器が記載されており、これは2,500nmよりも上で高い吸収を示す。セラミックファイバから成るいわゆる放射変換器は、面放射器によって放射される一次放射線の主伝搬方向に配置される。放射変換器は、二次放射器として機能し、面放射器の中波又は短波IR放射線によって励起されて、加熱材料の光吸収とより強く重なるより長い波長範囲の二次放射線を放射する。これは、良好な効率で迅速な温度変化を可能にする。
独国特許出願公開第102015119763(A1)号は、抵抗材料から成る導電路と基板が接触しているタイル状の赤外線面放射器を開示している。基板材料は好ましくは石英ガラスであり、その中に赤外線を吸収する追加構成要素が微細に分散された形で埋め込まれている。追加構成要素は、好ましくは元素状シリコンである。
技術的目的
2,700nm付近の中波ピーク放射波長に対応する約700℃の温度を有する熱放射は、多くのプラスチック、ガラス、とりわけ水によって特に良好に吸収され、熱に直接変換される。この波長範囲の中波赤外線は、印刷産業における乾燥用途に特によく適しており、なぜなら、他の方法の場合では慣習的である様々な印刷インクの乾燥における色選択性が回避されるからである。
最近になって、この波長範囲のIR放射線はまた、異なるプラスチックの約2,700nmの波長範囲での溶接時又は加熱、接合時における色選択性も回避することが実証された。特に、異なる色のプラスチックの加熱速度は実質的に同一である。
更に、熱的に支持された接合又は成形の場合を例とするガラスの加熱は、高い放射率を有する赤外線放射器を用いて迅速かつ均一に行うことができる。
原理的には、SWIR及びMWIR放射器の両方がこれらの用途に適している。赤外線放射器の電気的接続電力が高いほど、赤外線放射器は目標温度により速く到達する。電気接続電力を増大させることは、赤外線放射器によって放射される光学パワー密度を増大させるが、これはまた、放射された放射線のピーク放射波長の短波スペクトル範囲の方向へのシフトをもたらし得る。
しかしながら、ピーク放射波長は、加熱材料、例えば、印刷インク、プラスチック、又はガラスの吸収特性に一致することが、すなわち、例えば、約2,750nmであることが望ましい。従来の市販の赤外線放射器は、それに一致した放射スペクトルを有するものの(MWIR放射器)、低い電気接続容量を有し、比較的大きな放射面を必要とし、したがって、十分に大きな光学放射パワーのために高い熱容量を必要とし、この高い熱容量自体は、赤外線放射器のための比較的長い加熱及び冷却時間をもたらし、したがって、乾燥システムの緩慢さ(inertness)をもたらす。又は、赤外線放射器は、高い電気接続容量及び低い緩慢さを有するものの(SWIR放射器)、その放射スペクトルは、加熱材料の吸収特性に最適に一致してはいない。
本発明の目的は、中間波長範囲に吸収特性を有する加熱材料に良好に一致した放射スペクトルを有し、高い電力密度(例えば、50W/cmを超える)で動作させることもでき、それによって、例えば、インクの乾燥、プラスチックの接合、又はガラスの曲げなどの工業用途におけるウォーミングアップ時間を短縮することができる赤外線放射器を提供することである。
また、本発明の目的は、赤外線を放射する受動構成要素を明示することであり、その構成要素の放射スペクトルは、中間波長範囲の吸収特性を有する加熱材料に良好に一致している。
赤外線放射器に関して、この目的は、放射変換材料が放射面の少なくとも一部に適用され、第1のピーク放射波長の赤外線による加熱の結果として、第1のピーク放射波長よりも長い波長である第2のピーク放射波長を有する赤外線を放射するという、冒頭で述べたタイプの赤外線放射器から出発する本発明によって達成される。
典型的な赤外線放射器本体は、円筒形状、例えば管状、又はタイル形状を有する。管状赤外線放射器は、例えば、U字形状又はリング形状に伸張又は湾曲されていてよい。プレート形状本体は、互いに反対側に配置された2つのプレート面を有し、これらは、平坦であっても湾曲していてもよい。
放射面は、加熱材料に面する面であり、赤外線放射器本体の一体部分である。
赤外線放射器は、電気的接続を有し、例えば、石英ガラスマトリックスに埋め込まれた、加熱コイル、加熱テープ、又は元素状シリコンなどの、赤外線を放射するエミッタの熱励起によって、第1のピーク放射波長を有する中波又は好ましくは短波赤外線を発生させる。短波エミッタは、中波エミッタよりもいくらか速い反応時間を有するが、中波エミッタはより安価である。
第1のピーク放射波長の短波又は中波の赤外線(以下では「一次放射線」とも呼ばれる)は、赤外線放射器の放射面から出射され、そこに堆積された放射変換材料によって吸収され、次いで放射変換材料が加熱され、より長い波長の赤外線を放射する。そのピーク放射波長(以下、「二次放射線」とも呼ばれる)は、好ましくは2,200~3,100nmの範囲、特に好ましくは2,400~3,000nmの範囲、非常に特に好ましくは2,600~2,800nmの範囲である。以下、2,700nm付近の波長範囲を「関連」波長範囲ともいう。放射変換材料によって拡散透過又は直接透過される一次放射線の部分は、可能な限り小さく、好ましくは放射される一次放射線の20%未満、特に好ましくは10%未満である。
第1の好ましい実施形態では、放射変換材料は、着色顔料又はその前駆物質を含有するコーティング材料である。コーティング材料は、例えば、ペースト又はラッカーである。着色顔料は熱的に安定であり、例えば堆積表面上に焼き付けることによって、固定される。着色顔料は、焼成中又は焼成前に、前駆物質の熱分解又は化学反応によって形成することもできる。
着色顔料は、少なくとも約2,750nmの関連波長範囲において、0.8以上、好ましくは少なくとも0.9の放射率で赤外線を放射する。この放射率は、この波長範囲において高い吸収を有する加熱材料に特に一致している。用途及び加熱材料に応じて、例えば2,000~8,000nm、特に2,000~4,700nmのより広い波長範囲においてさえ、放射比が例えば0.75以上、好ましくは少なくとも0.8の高い放射率を有する着色顔料も有利であり得る。
可視波長範囲において黒色に見える着色顔料は、一般に、関連する赤外波長範囲の光も吸収(及び放射)する。着色顔料が、例えば銅クロマイト黒色スピネル又はマンガンフェライト黒色顔料などの黒色鉱物粒子を含有し、かつアルカリを含まない場合に有効であることが判明した。コーティング材料中にアルカリ性が存在しないことは、ガラス、特に石英ガラスから成る放射面が、加熱されたときにコーティング材料と接触しても失透しない、すなわち結晶化せず、その光学的品質を失わないという利点を有する。
第2の好ましい実施形態では、放射変換材料は、少なくとも部分的に不透明な石英ガラスを含む。
このような少なくとも部分的に不透明な石英ガラスは、独国特許出願公開第102004051846(A1)号に記載されており、「QRC」(石英反射コーティング)という名称で知られるようになった。これまでは、主として拡散反射性反射体層を製造するための材料として使用されてきた。QRC反射体層は、スリップ法によって製造され、スリップ法では、非晶質SiO粒子を含有する、高充填の、注入可能な、水性SiOスラリーが製造される。これは、スラリー層として基板上に適用され、次いでスラリー層は乾燥され、ガラス質にされて、およそ不透明な石英ガラス層を形成する。
本発明の好ましい実施形態では、成形体は、石英ガラス製の被覆管として形成され、被覆管は、加熱コイル又は加熱テープの形態の、電力接続部を備えた放射線エミッタを取り囲み、放射面は、管の側面の少なくとも一部を形成している。
被覆管は、例えば円形、楕円形又は多角形の断面を有している、又はいわゆるツイン管放射器として設計されて、横向きの8の字形の断面を有している。被覆管の外壁は、例えば平滑である、又は粗面化されている。特に、短波赤外線放射器は、両側が閉じられたピストン形状の被覆管を有し、電源は、一端又は両端において引き出されている。
被覆管は、一般に管の側面に配置された放射面を有する。被覆管材料は、例えば石英ガラスであり、赤外線、特に2,200~3,100nmの波長範囲の赤外線に対して比較的低い固有放射率を有する。放射変換材料でコーティングすることによって、放射面は、この波長範囲において、例えば80%を超える、好ましくは90%を超えるより高い放射率に関して変更される。
放射面によって放射された赤外線は、少なくとも部分的に放射変換材料に到達し、そこから直接又は間接的に(反射体を介して)加熱材料に到達する。放射面は、例えば、管の側面の20~360度、好ましくは60~200度、特に好ましくは90~180度の円周角にわたって延びている。
放射変換材料が適用される放射面の部分は、最大100%であってよいが、特に好ましくは、放射変換材料が適用される表面は、被覆管の側面の20~360度、好ましくは60~200度、特に好ましくは90~180度の円周角にわたって延びている。
石英ガラスから成る被覆管の形状の本体を有する赤外線放射器の実施形態の特に好ましい第1の変形例では、放射変換材料は、不透明石英ガラスから成る下層と、着色顔料含有コーティング材料から成りかつ下層に適用された上層とを備え、被覆管の側面の少なくとも一部、好ましくは被覆管の側面全体が下層によって覆われ、上層が下層の少なくとも第1の円周部分に適用されている。
不透明な石英ガラスから成る下層は、一方では、それ自体が放射変換材料として機能し、他方では、コーティング材料から成る上層の接着性の改善に寄与する。
石英ガラス被覆管及びその上に適用された不透明石英ガラスから成る下層は、短波又は中波の一次放射線の一部を吸収するが、赤外線放射器を動作温度にするのにある程度の時間がかかる。コーティング材料から成る追加の上層は、関連する波長範囲における放射率の増大を引き起こす。更に、それはまた、短波又は中波の一次放射線のより高い吸収を引き起こし、それによって赤外線放射器のより速い加熱(したがってより早い動作準備)を可能にする。更に、供給された電気エネルギーのより大きな部分が関連する波長範囲の赤外線に変換されるので、赤外線放射器のエネルギー効率が向上する。
この目的のために、コーティング材料による上層が、1,000~2,500nmの波長範囲の一次放射線の少なくとも80%を吸収するのに適していると有利である。上層の厚さは0.1mm未満であり、好ましくは、30~50μmの範囲である。
不透明な石英ガラスから成る下層は、一方では、短波又は中波の一次放射線に対して一定の透過性を示し、他方では、一次放射線に対して拡散反射体として作用することもできる。透過される部分を減少させるために、不透明石英ガラスから成る下層は、有利には、鏡面反射体層によって、好ましくは金含有反射体層によって、第2の円周部分においてコーティングされている。
鏡面反射体層の品質を改善するために、不透明石英ガラスから成る下層が、少なくとも鏡面反射体層の接触領域において、そこでの開放多孔性を低減又は回避するために、事前に熱的に高密度化される場合、効果的であることが証明されている。
有利には、第1の円周部分と第2の円周部分とは重なり合わず、好ましくは互いに補完し合って360度の円周角を形成している。
この実施形態では、上層によって残され着色顔料含有コーティング材料を含まない管の側面の非合同(non-congruent)表面部分は、鏡面反射体層でコーティングされている。
石英ガラスから成る被覆管の形状の本体を有する赤外線放射器の実施形態の特に好ましい第2の変形例では、被覆管の側面の少なくとも一部は、算術平均粗さRとして定義される表面粗さを有し、Rは0.5~5μmの範囲内、好ましくは0.8~3.2μmの範囲内であり、その第1の円周部分は、放射変換材料が適用された放射面を形成している。
0.8μmのR値を有する粗さは、粗さクラス6に対応し、典型的には粗削り中に生じ、3.2μmのR値は、粗面を規定する粗さクラス8に対応する。被覆管の側面は、好ましくは、コーティング材料が適用される所だけ、すなわち放射面の領域だけが粗面化されている。放射変換材料は、管の側面の粗面化された部分に適用される。粗面化は、特に、例えばラッカー又はペーストなどの着色顔料含有コーティング材料の形態の放射変換材料の場合に、放射変換材料の付着を改善する。表面の粗面化は、例えば、機械的又は化学的に、特に研削、サンドブラスト、又はエッチングによって行われる。5μmを超える高い表面粗さRの場合、放射面の光学的品質は、接着促進効果が著しく増大することなく、損なわれる。0.5μm未満の低い表面粗さRは、接着促進効果に大きく寄与しない。
この実施形態では、反射体層が被覆管の側面の第2の円周部分に適用される場合、特に有利であり、管の側面の第1の円周部分と第2の円周部分とが重なり合わず、好ましくは互いに補完し合って360度の円周角を形成している。
この実施形態においても、放射変換材料、特に着色顔料含有コーティング材料を含まないままである第2の円周部分が、反射体層でコーティングされる。反射体層は、好ましくは、不透明石英ガラスから成る層及び/又は鏡面反射性の金属系反射体層、好ましくは金含有層を含む。
不透明石英ガラス層及び金属系層から成る反射体層では、不透明石英ガラスから成る層が下層を形成し、その上に金属系層が上層として適用される。鏡面反射体層から成る上層の品質を改善するために、不透明石英ガラスから成る下層は、少なくとも鏡面反射体層の接触領域において、そこでの開放多孔性を低減又は回避するために、予め熱的に高密度化される。
赤外線放射器の別の特に好ましい変形例では、成形体は、タイルの形態で、加熱中に赤外線を放射する材料から成り、タイルは、互いに反対側に配置された平坦面を有し、平坦面のうちの一方は、放射変換材料が少なくとも部分的に適用された放射面を含み、抵抗材料から成りかつ加熱電流の供給のための電気接点に接続された加熱導体トラックが、他方の平坦面に適用される。
タイル形状の赤外線放射器は、一般的に大部分が二次元放射特性を有する面放射器である。以下では、主に放射する平坦面を前側とも呼び、反対側の平坦面を後側とも呼ぶ。本発明による赤外線放射器では、放射変換材料は、少なくとも前側に完全に又は部分的に、例えば少なくとも80%、少なくとも60%又は少なくとも40%だけ適用されている。放射変換材料は、例えば、不透明石英ガラス若しくは着色顔料含有コーティング材料、又は2つの放射変換材料の組み合わせであり、不透明石英ガラスが下層を形成し、コーティング材料が上層を形成する。
タイル材料は、好ましくはセラミック、特にAl又はZrOである、又は元素状シリコン又は炭素が埋め込まれた複合材料、特に石英ガラスから成るマトリックスを含む。
タイル表面の可能なサイズは、材料の特性及び必要とされる寸法安定性に依存する。
いくつかのタイル材料は、温度が上昇するとその色を変化させる。これは、それらの放射率、したがって一次放射線のピーク放射波長がより短くなることを意味する。放射変換材料でコーティングすることにより、放射率は温度上昇後にあまり変化しない、又は変化しない。特に、着色顔料含有コーティング材料及び不透明石英ガラスは、例えば最大1,100℃の高温においてさえも、それらの放射率を失わない、又はほんのわずかしか失わない。
赤外線を放射する構成要素に関して、上述したタイプの構成要素から出発して、上述した技術的目的は、着色顔料含有コーティング材料を含む放射変換材料が放射面の少なくとも一部に適用されるという本発明によって達成される。
赤外線を放射する構成要素は、放射変換器として作用する。それは、能動的な電気的に動作する加熱素子ではなく、代わりに、基体は、能動ヒータの短波又は中波赤外線の吸収によって加熱される。短波又は中波の一次放射線は、比較的急速な温度変化を可能にする。他方では、基体の加熱の結果として、構成要素は、より長い波長範囲の二次赤外線を放射し、これは、加熱材料の吸収特性により良く一致している。
基体は、例えば、管、ピストン、チャンバ、ハーフシェル、球形又は楕円形セグメント、プレートなどの形態で存在する。
短波又は中波の一次赤外線を吸収するための吸収面は、二次赤外線を放射するための放射面と異なっていてもよいし、これらの面が完全に又は部分的に一致していてもよい。
可視波長範囲で黒色に見える着色顔料は、一般に、関連する赤外波長範囲の光も吸収(及び放射)するので、放射変換材料の着色顔料含有コーティング材料は、好ましくは、例えば銅クロマイト黒色スピネル又はマンガンフェライト黒色顔料などの黒色鉱物粒子を有する着色顔料を含有し、アルカリを含まない。
アルカリを含まないことは、ガラス又は石英ガラスから成る基体の場合に特に有利であり、なぜなら、これにより、失透による基体の表面積の変化及び損傷が防止されるからである。
着色顔料含有コーティング材料に加えて、放射変換材料が不透明石英ガラスを含む構成要素が特に有利である。
2つの放射変換材料は、それらの放射率において互いに補完し合い、不透明な石英ガラスは、特に石英ガラスから成る基体の場合、コーティング材料のための接着促進剤として作用することができる。ここで、放射変換材料は、2つの放射変換材料の組み合わせであり、不透明石英ガラスが下層を形成し、コーティング材料が上層を形成する。
基体及びその上に適用された不透明な石英ガラスから成る下層は、短波又は中波の一次放射線の一部を吸収するが、構成要素を動作温度にするのにある程度の時間がかかる。コーティング材料から成る追加の上層は、関連する赤外線波長範囲における放射率の増大を引き起こす。更に、それはまた、短波又は中波の一次放射線のより高い吸収を引き起こし、それによって構成要素のより速い加熱(したがってより早い動作準備)を可能にする。
この目的のために、コーティング材料による上層が、1,000~2,500nmの波長範囲の一次放射線の少なくとも80%を吸収するのに適していると有利である。上層の厚さは、0.1mm未満であり、好ましくは30~50μmの範囲である。
定義
平均粗さR
算術平均粗さRは、EN ISO 25178に従って決定される。これがラインラフネスパラメータである。測定値Rを決定するために、規定された測定距離の表面領域が(細い針で)走査され、表面領域の高さ及び深さのすべての差が記録される。測定距離に対するこの粗さプロファイルの特定の積分を計算した後、結果を測定距離の長さで割る。
放射面
放射面から、有効放射は、直接又は反射体を介して間接的に加熱材料に到達する。
ピーク放射波長
それは、放射された放射線のスペクトル分布の最大値を規定する。
以下の実施例及び図面を参照して本発明をより詳細に説明する。以下に詳細に示す。
被覆管の外側に放射変換材料が適用されている、短波石英管放射器の実施形態の概略断面図である。 図1に示す基本形態に基づく短波石英管放射器の更なる実施形態の概略図である。 図2aによる短波石英管放射器の実施形態の写真である。 図1に示される基本形態に基づく短波石英管放射器の更なる実施形態である。 図1に示される基本形態に基づく短波石英管放射器の更なる実施形態である。 図1に示される基本形態に基づく短波石英管放射器の更なる実施形態である。 被覆管の外側に放射変換材料が適用されている、短波石英管放射器の更なる実施形態の概略断面図である。 被覆管の外側に放射変換材料が適用されている、短波石英管放射器の更なる実施形態の概略断面図である。 放射変換材料が放射面に適用されているタイル状赤外線放射器の実施形態の概略断面図である。 図7による短波石英管放射器の半径方向放射の図である。 図1による短波石英管放射器の拡散透過及び直接透過の図である。 図4による短波石英管放射器と比較した、図1による短波石英管放射器の場合の放射照度の経時的な測定結果を示す図である。
図1は、本発明による赤外線放射器の第1の基本的な変形例を概略的に示す。これは石英ガラスから成るランプ管1を備えた短波赤外線放射器である。ランプ管1は、両側が閉じられており、タングステン加熱ワイヤ(図示せず)を取り囲んでおり、タングステン加熱ワイヤは、電気接続部を備えており、2,300℃までの温度に加熱することができる。
ランプ管の側面は、放射変換材料として作用する不透明石英ガラスから成るQRC層2で完全に(360度)コーティングされている。
ランプ管1の外部側面上のQRC層2は、独国特許出願公開第102004051846(A1)号に記載された公知のスリップ法に従って製造される。ここで、注入可能な水性SiOスラリーが、ランプ管1上にスラリー層として適用され、次いで、スラリー層は乾燥され、ガラス化されてQRC層2を形成する。それは多孔質不透明石英ガラスから成る。それは約2.15g/cmの密度及び0.5~2mmの範囲の平均層厚さを有する。その表面領域は、色浸透試験によって示されるように、開放孔が存在する状態である。
QRC層2は、赤外線放射器の短波一次放射線を、約2,750nmのピーク放射波長を有するより長波の二次放射線に変換する。
その結果、700~800℃での加熱用途に良好に適合する放射スペクトルを有する短波赤外線放射器を動作させ、急速な温度変化を可能にし、それにもかかわらず50W/cmを超える、例えば少なくとも120W/cmの高い電力密度を達成することが可能である。
「加熱された長さ当たりの電力」(W/cm)の単位の電力密度は、光学パワー(W/m)にほぼ100%変換される。例えば120W/cmの短波赤外線放射器の電力密度は、第1のピーク放射波長を有する一次放射線に変換され、例えばQRC層2などの放射変換材料を使用することによって、より長い波長のピーク放射波長を有する中波赤外線に変換され、例えば、(加熱フィラメントから)200mmの距離では、合計で約1.2kW/mが検出器に到達する。
被覆管の全側面は放射面として作用し、すなわち赤外線放射器は3次元放射特性を有する。
図2~5は、追加の層を有する図1の基本的な変形例の改変を示す。図は縮尺通りではなく、特に、追加の層の厚さは、認識性を改善するためにより厚く示され得る。
図2aに示される基本的な変形例の改変において、QRC層2の(前側)半分(180度)は、温度安定性黒色ラッカーから成るラッカー層3でコーティングされることによって黒色化されている。放射面は、ここでは、黒色化ラッカー層3でコーティングされたランプ管の側面に対応する。ラッカー層は、800℃以上に加熱する間でさえ、その黒色を保持し、したがって、その放射スペクトルも維持する。
ラッカー層3は、耐熱塗料をスプレー又はブラッシングすることによって形成される。耐熱塗料はアルカリを含まない。耐熱塗料は、アルミノケイ酸塩溶液(10~20質量%)、鉱物着色顔料としての銅クロマイト黒色スピネル(25~35質量%)、及び水(40~60質量%)を含有する。適切な耐熱塗料は、例えば、ULFALUX Lackfabrikation GmbH社及びAremco Products,Inc.社によってオーブン塗料として提供されており、更なる有機成分として、キシレン、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルベンゼンが示される。
多重塗装は、完全に閉じた層を確実にする。噴霧後、耐熱塗料は250℃で乾燥させられ、その時点で耐タッチ性である。最終状態は、ラッカー層3を1,200℃に加熱することによって達成される。このような加熱は、赤外線放射器を作動させるときに行うことができる。セラミック成分がランプ管の表面又はQRC層の表面に焼結されて固体物質間結合を形成するので、ラッカー層3は十分に耐スクラッチ性である。ラッカー層3の厚さは約40μmである。製造業者は、ラッカー層3の放射率が800℃で90%を超えると明記している。
ラッカー層3の下にあるQRC層2は、一般的に開放多孔性を示し、接着促進剤として作用する。QRC層2の表面を火炎研磨することによって、ラッカーが多孔質表面構造に浸透することを防止することができ、その結果、視覚的により魅力的な表面構造化が達成される。火炎研磨は、酸水素バーナーでQRC層2を加熱することによって行われる。結果として、約1,800℃の非常に高い温度が局所的に生成され、これは、数秒以内に可能な限り薄いガラス膜の生成を可能にし、それは多孔質表面を封止する。
動作中、薄い黒色ラッカー層3は、数秒以内に700~750℃まで加熱され、したがって中波範囲(好ましくは2,500~3,500nmの波長範囲)の赤外線を放射する。「吸収=放射」が当てはまり、すなわち、ランプ管1によって放射され、ラッカー層3に急速に吸収される短波放射線は、同じように急速であるが、より低い温度で(すなわち、中波範囲で)、高い強度を有する実質的に同一のエネルギーを放出する。黒色ラッカー層3は、高エネルギー短波放射線を高強度の中波放射線に変換するという点で放射変換器として作用する。短波タングステン加熱フィラメントの結果として、秒範囲の迅速なエネルギー供給応答時間が可能である。
図2bの写真は、立体的に見た図2aの赤外線放射器の実施形態を示す。更に、ここでは、ランプ管1の一端から引き出された電気接続部1aを見ることができる。
図3に示される基本的な変形例の改変において、QRC層2の半分(180度)は、金層4の形態の後側反射体層でコーティングされている。
金層4は、ブラシを用いて金含有エマルジョン(金レジネート)をQRC層2の表面上に適用することによって製造され、QRC層2は、開放孔が存在する状態である、又は熱処理によって封止されている。続いて、エマルジョンが加熱により焼成される。焼成中に、金レジネートは金属金及び樹脂酸に分解し、樹脂酸はペーストの他の成分と同様に、高い焼成温度によって揮発させられる。残っているのは、反射体として作用する閉じた鏡面金層4であり、その厚さは、反射率要件に応じて、好ましくは50~300nmの範囲である。層が厚いほど、反射率は高くなる。ここで、放射面は、QRC層2によってコーティングされているが金層4によってはコーティングされていないランプ管の側面の半分(180度)に対応する。
金層4は、ランプ管の後側の領域における放射率を減少させ、放射の非常に良好な反射をもたらし、放射はラッカー層3に向かって前方に反射され、そこで吸収される。この放射量は、黒色ラッカー層3の急速な加熱にかなり寄与する。
図4に示される基本的な変形例の改変において、QRC層2の全体(360度)は、耐熱塗料から成る0.04mm厚のラッカー層3でコーティングされる(製造及び特性は図2を参照して説明される)。被覆管の全側面は放射面として作用し、すなわち赤外線放射器は3次元放射特性を有する。
図5に示される基本的な変形例の改変において、QRC層2の表面の半分(180度)は、耐熱塗料から成る0.04mm厚のラッカー層3でコーティングされ(製造及び特性は図2を参照して説明される)、表面の非合同半分(180度)は、0.1mm厚の金層4でコーティングされる(製造及び特性は図3を参照して説明される)。ここで、放射面は、ラッカー層3によってコーティングされているが金層4によってコーティングされていないランプ管の側面の半分(180度)に対応する。
図6は、本発明による赤外線放射器の第1の基本的な変形例を概略的に示す。これも石英ガラスから成るランプ管1を有する短波赤外線放射器である。ランプ管1は、両側が閉じられており、タングステン加熱ワイヤ(図示せず)を取り囲んでおり、タングステン加熱ワイヤは、電気接続部を備えており、2,300℃までの温度に加熱することができ(ハロゲン放射器の場合には最大3,000℃)、主に短波範囲で放射する。
石英管を備えた典型的な赤外線放射器は、放射エネルギーを透明な石英ガラスランプ管1の放射面を介して加熱材料内へ送るために、後側において、金反射体、又はQRC若しくはセラミックから成る拡散反射体を有する。
赤外線放射器のこの実施形態では、ランプ管1の側面の半分(180度)が、温度安定性黒色ラッカーから成るラッカー層3でコーティングされることによって黒色化されている(製造及び特性は、図2を参照して説明される)。放射面は、ここでは、黒色化ラッカー層3でコーティングされたランプ管の側面に対応する。赤外線放射器の別の実施形態(図示せず)では、ランプ管1の側面全体(360度)が黒色化されている。
ランプ管の滑らかな側面上で、黒色ラッカー層3は、ある環境下では、数百時間にわたる高温で剥がれ落ちることがある。ラッカー層3の接着を改善するために、ランプ管の表面は粗面化される。粗面化の領域6は破線で示されている。
粗面化は、サンドブラスト又は研削によって機械的に、又はエッチング溶液による処理によって化学的に行われる。石英ガラス表面を粗面化するための適切なエッチング溶液(NH+HF+酢酸)及びその適用は、独国特許第19713014(C2)号に記載されている。平均粗さ深さRは、好ましくは0.8~3.2μmの範囲であり、例示的な実施形態では、3μmである。
粗面化6は、ラッカー層3とランプ管の表面との間のより良好な結合をもたらすだけでなく、粗面化された表面において放射線を散乱させることによって中波放射線の更により均一な分布ももたらす。変換された放射線の半径方向分布は、石英管の前面及び周囲の半分にわたって非常に均一に分布させられている(図9による半径方向分布を参照)。
黒色ラッカー層3は、放射変換器として作用し、700~750℃の範囲の温度において中波範囲で放射する。耐久性試験は、ラッカー層又は赤外線放射器が、視覚的又は機能的な障害を起こすことなく、最大10,000時間の耐用年数を達成することができることを示した。
ラッカー層3の約700℃への加熱、すなわち、約3μmでの中波放射までの加熱は、約10秒かかる。比較すると、標準的な中波赤外線放射器は、熱平衡に達するのに約5分を要する。
図6による第2の基本的な変形例の図7に示された改変では、ラッカー層3によってコーティングされていないランプ管の表面の半分(180度)は、0.1mm厚の金層4を有する(製造及び特性は、図3を参照して説明される)。ここで、放射面は、ラッカー層3によってコーティングされているが金層4によってコーティングされていないランプ管の側面の半分(180度)に対応する。
図8は、独国特許出願公開第102015119763(A1)号に記載されているように、石英ガラスとその中に埋め込まれた元素状シリコンとの複合材料から成る平面タイル状赤外線放射器8を概略的に示す。赤外線面放射器8のタイル状の基体9には、加熱導体トラック(図示せず)が適用されており、この加熱導体トラックは、通電時に基体を加熱するので、基体は赤外線を放射する。このような赤外線放射器8は、1,000℃の温度において2.75μmの波長で約0.82の放射率に達する。この波長は、この温度におけるピーク波長を表す。複合材料は、温度が低下するにつれてその高い放射率を失う。これに対抗するために、放射変換材料から成る層10が放射面に適用されている。
一実施形態では、これはQRC層2である。その製造及び特性は、図1を参照して説明される。別の実施形態はラッカー層3である。その製造及び特性は、図3を参照して説明される。あるいは、第3の実施形態では、QRC層2である下層と、ラッカー層3である上層との組み合わせである。図8において、これらの可能な組み合わせは、組み合わされた参照番号2/3によって表されている。
放射面を放射変換材料から成る層でコーティングすることにより、基体9の温度に関係なく高い放射率を維持することができる。このようにして、タイル状赤外線放射器の既に高い効率が更に高められる。なぜなら、放射率は、より低い温度においても高く、したがって、エネルギー伝送を可能な限り最良の方法で実行することができるからである。
タイル9は、最大400×400mmのプレートサイズを有し、最大2mmの厚さを有する。
あるいは、タイル9は、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムなどのセラミック材料から成る。セラミックの熱励起は、抵抗加熱器によって可能になる。ラッカー層3は、タイル9の放射面に適用される(製造及び特性は、図3を参照して説明される)。ラッカー層3は、吸収されたエネルギーの大部分を放射線によって放射する。セラミックタイル8の温度は、ピーク放射波長を決定する。最大1,100℃の温度に達することができる。セラミックタイルでは、上述したものよりも更に大きな寸法、並びに湾曲した幾何学形状を実現することが特に容易である。
放射変換材料が放射された光学パワー密度(放射照度)の半径方向分布に対して有する効果を決定するために、半径方向測定が行われた。半径方向測定は、5度の増分で360度回転する回転可能な支持体上に取り付けられた赤外線放射器を用いて通常の方法で行われる。25cmの距離に取り付けられたサーモパイルセンサは、赤外線放射器によって放射された放射線を検出する。図9の図では、円半径上に、正規化された放射照度(相対単位)が、測定点の円周方向角度位置(度単位)に対してプロットされている。測定曲線は、前側(放射面)にラッカー層3を有し、後側に鏡面金層4を有する図7による赤外線放射器についての半径方向測定の結果を示す。
後方放射器チャンバ90では、測定曲線Aは、照射強度の小さな割合を示す。これは、透過された一次放射線と、金層4の加熱に起因する二次放射線とから成る。しかしながら、実際の照射野91では、測定曲線は、中波放射線の高い放射照度及び均一な分布を示す。変換された放射線の半径方向分布は、石英管の前面及び周囲の半分にわたって均一に分布される。
図1による短波石英管放射器の透過率に関する図10では、ウルブリヒト球当たりで決定された全透過率T(%単位)が波長λ(nm単位)に対してプロットされている。ウルブリヒト球は、拡散透過及び直接透過を含む直接半球分光透過率の測定を可能にする。
赤外線放射器が起動された後、著しい量の一次放射線が、多重反射に起因してQRC層2を透過することによって放射されることが分かる。透過されない放射線は、QRC層2と共に石英ガラスケーシング管1を時間の経過と共に加熱し、それによって付加的に中波範囲の二次放射線を発生させる。数分後に熱平衡に達し、赤外線放射器は短波一次放射線と中波二次放射線とから成る広帯域スペクトルを放射する。
図11の図は、図4による赤外線放射器と比較した、図1による赤外線放射器の経時的な測定を示す。x軸上にプロットされたパワーオン時間t(秒単位)に対して、光学パワーP(W/m単位)がy軸上にプロットされている。
放射照度の経時的な測定は、QRC層2のみでコーティングされた赤外線放射器(図1)が、起動された直後に最大放射照度の約50%を発生させることを示す。次いで、全光学パワーに達するまで約4分かかる。ラッカー層3によって更に完全に黒色化された赤外線放射器(図4)の場合、放射照度はよりゆっくりと上昇するが、より高い吸収に起因して、より早く、約3分後に最大パワーに達する。とりわけ、全光学パワーの一部の迅速な利用可能性は、印刷産業における用途にとって有利であり、なぜならば、オフにされているにもかかわらず依然として高温の赤外線放射器に対して紙ウェブを保護するためのシャッターシステムの使用を省くことができるからである。
図8を参照して説明される本発明のタイル状赤外線放射器の場合、加熱導体トラックがタイルのプレート側のうちの1つに設けられており、この加熱導体トラックは、電流が流れた場合に熱を発生し、熱伝導によってこの熱をタイルに送達し、それによってタイルを加熱する。タイルが、加熱導体トラックの代わりに、中波又は短波赤外線を放射する外部加熱源によって加熱される場合、加熱導体トラックのない記載のタイルは、受動的(電流フリー)加熱素子として使用することができる。放射変換材料を有するコーティングは、例えば図8を参照して上述したのと同じ効果を有することができる。

Claims (18)

  1. 第1のピーク放射波長を有する短波又は中波の赤外線を放射する放射面を有する成形体を備えた赤外線放射器であって、放射変換材料(2;3)が、前記放射面の少なくとも一部に適用されており、前記第1のピーク放射波長の前記赤外線による加熱の結果として、前記第1のピーク放射波長よりも長い波長である第2のピーク放射波長を有する赤外線を放射することを特徴とする、赤外線放射器。
  2. 前記放射変換材料(3)が、着色顔料含有コーティング材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の赤外線放射器。
  3. 前記着色顔料が、黒色鉱物粒子を含有し、アルカリを含まないことを特徴とする、請求項2に記載の赤外線放射器。
  4. 前記放射変換材料(2)が、不透明石英ガラスを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外線放射器。
  5. 前記成形体が、石英ガラスから成る被覆管(1)として形成されており、前記被覆管は、加熱コイル又は加熱テープの形態の、電力接続部を備えた放射線エミッタを取り囲んでおり、前記放射面が、前記管の側面の少なくとも一部を形成することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線放射器。
  6. 前記放射面が、前記管の側面の20~360度、好ましく60~200度、特に好ましくは90~180度の円周角にわたって延びていることを特徴とする、請求項5に記載の赤外線放射器。
  7. 前記放射変換材料(2;3)が、前記不透明石英ガラスから成る下層(2)と、前記着色顔料含有コーティング材料から成りかつ前記下層(2)に適用された上層(3)とを含むこと、及び前記被覆管(1)の前記側面の少なくとも一部が、前記下層(2)によって覆われており、前記下層(2)の少なくとも1つの第1の円周部分が、前記上層(3)によってコーティングされていることを特徴とする、請求項2又は3及び4のうちのいずれか一項、並びに請求項5又は6に記載の赤外線放射器。
  8. 鏡面反射体層(4)、好ましくは金含有反射体層(4)が、第2の円周部分において、前記不透明石英ガラスから成る前記下層(2)に適用されていることを特徴とする、請求項7に記載の赤外線放射器。
  9. 前記第1の円周部分と前記第2の円周部分とが重なり合わず、好ましくは互いに補完し合って360度の円周角を形成していることを特徴とする、請求項8に記載の赤外線放射器。
  10. 前記被覆管(1)の前記側面の少なくとも一部が、算術平均粗さRとして定義される表面粗さを有し、Rが、0.5~5μmの範囲内、好ましくは0.8~3.2μmの範囲内であり、前記側面の第1の円周部分が、前記放射変換材料が適用された前記放射面を形成していることを特徴とする、請求項5又は6に記載の赤外線放射器。
  11. 前記被覆管(1)の前記側面の第2の円周部分に反射体層(4)が適用されており、前記管の側面の前記第1の円周部分と前記第2の円周部分とが重なり合わず、好ましくは互いに補完し合って360度の円周角を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の赤外線放射器。
  12. 前記反射体層(4)が、不透明石英ガラスから成る層及び/又は金属含有層、好ましくは金含有層によって形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の赤外線放射器。
  13. 前記成形体が、タイル(9)の形態で、加熱中に赤外線を放射する材料から成り、前記タイル(9)は、互いに反対側に配置された平坦面を有し、前記平坦面のうちの一方は、前記放射変換材料(2;3)が少なくとも部分的に適用された前記放射面を含み、抵抗材料から成りかつ加熱電流の供給のための電気接点に接続された加熱導体トラックが、前記他方の平坦面に適用されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線放射器。
  14. 前記タイル材料が、セラミック、特にAl又はZrOを含むこと、又は前記タイル材料が、元素状シリコン又は炭素が埋め込まれた複合材料、特に石英ガラスから成るマトリックスを含むことを特徴とする、請求項13に記載の赤外線放射器。
  15. 第1のピーク放射波長を有する短波又は中波の一次赤外線を吸収するための吸収面と、前記第1のピーク放射波長よりも長い波長である第2のピーク放射波長を有する二次赤外線を放射するための放射面とを有する、基体材料から成る基体(1;9)を備える、赤外線を放射する構成要素であって、着色顔料含有コーティング材料を含む放射変換材料(2;3)が、前記放射面の少なくとも一部に適用されていることを特徴とする、構成要素。
  16. 前記着色顔料が、黒色鉱物粒子を含有し、アルカリを含まないことを特徴とする、請求項15に記載の構成要素。
  17. 前記放射変換材料が、不透明石英ガラスを含むことを特徴とする、請求項15又は16に記載の構成要素。
  18. 前記基体材料が、石英ガラスであることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の構成要素。
JP2023523200A 2020-11-26 2021-11-24 赤外線放射器及び赤外線放射構成要素 Pending JP2023548025A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102020131324.1A DE102020131324A1 (de) 2020-11-26 2020-11-26 Infrarotstrahler und Infrarotstrahlung emittierendes Bauelement
DE102020131324.1 2020-11-26
PCT/EP2021/082788 WO2022112306A1 (de) 2020-11-26 2021-11-24 Infrarotstrahler und infrarotstrahlung emittierendes bauelement

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023548025A true JP2023548025A (ja) 2023-11-15

Family

ID=78821877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023523200A Pending JP2023548025A (ja) 2020-11-26 2021-11-24 赤外線放射器及び赤外線放射構成要素

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230413391A1 (ja)
EP (1) EP4252487A1 (ja)
JP (1) JP2023548025A (ja)
CN (1) CN116438924A (ja)
DE (1) DE102020131324A1 (ja)
WO (1) WO2022112306A1 (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1599452A (en) * 1978-02-02 1981-10-07 Thorn Emi Ltd Infra-red heating device
US4377618A (en) * 1980-07-23 1983-03-22 Matsushita Electric Industrial Company, Limited Infrared radiator
JP2624291B2 (ja) * 1988-04-08 1997-06-25 松下電器産業株式会社 遠赤外線ヒータ
DE4022100C1 (ja) * 1990-07-11 1991-10-24 Heraeus Quarzglas Gmbh, 6450 Hanau, De
DE4202944C2 (de) 1992-02-01 1994-07-14 Heraeus Quarzglas Verfahren und Vorrichtung zum Erwärmen eines Materials
DE19713014C2 (de) 1997-03-27 1999-01-21 Heraeus Quarzglas Bauteil aus Quarzglas für die Verwendung bei der Halbleiterherstellung
US5905269A (en) * 1997-05-23 1999-05-18 General Electric Company Enhanced infrared energy reflecting composition and method of manufacture
DE19822829A1 (de) * 1998-05-20 1999-11-25 Heraeus Noblelight Gmbh Kurzwelliger Infrarot-Flächenstrahler
DE29905385U1 (de) 1999-03-23 2000-08-03 Schott Glas Vorrichtung zum homogenen Erwärmen von Gläsern und/oder Glaskeramiken mit Hilfe von Infrarot-Strahlung
DE102004051846B4 (de) 2004-08-23 2009-11-05 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Bauteil mit einer Reflektorschicht sowie Verfahren für seine Herstellung
US7563512B2 (en) * 2004-08-23 2009-07-21 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Component with a reflector layer and method for producing the same
DE102013104577B3 (de) 2013-05-03 2014-07-24 Heraeus Noblelight Gmbh Vorrichtung zum Trocknen und Sintern metallhaltiger Tinte auf einem Substrat
DE102015119763A1 (de) 2015-11-16 2017-05-18 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Infrarotstrahler
DE102017004264A1 (de) * 2017-05-03 2018-07-19 Daimler Ag Flächige Heizvorrichtung für ein Kraftfahrzeug
JP7162491B2 (ja) * 2018-10-17 2022-10-28 信越石英株式会社 多層構造シリカガラス体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN116438924A (zh) 2023-07-14
EP4252487A1 (de) 2023-10-04
WO2022112306A1 (de) 2022-06-02
DE102020131324A1 (de) 2022-06-02
US20230413391A1 (en) 2023-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108353468B (zh) 红外线发射器
JP5450331B2 (ja) 赤外線を用いたガラス及び/又はガラスセラミックを均一に加熱するための方法及び装置
JPH06347618A (ja) 光散乱性被膜を有する物品、ランプおよび反射器、並びに該被膜の形成方法
CN109716858A (zh) 红外面板辐射器
CN109479345A (zh) 红外面板辐射器及制造红外面板辐射器的方法
EP0489834B1 (en) Infra-red radiation emission arrangement
JPS5941276B2 (ja) 発熱体
JP2023548025A (ja) 赤外線放射器及び赤外線放射構成要素
JP5824689B1 (ja) 輻射ヒーター
CN117643173A (zh) 具有施加至由金属制成的反射器层的发射层的红外线辐射器以及该发射层的用途
TW201441562A (zh) 電熱元件
JPS5836821B2 (ja) 遠赤外線放射装置
JP2020083679A (ja) ガラス物品の製造方法、及び薄板ガラスの加熱方法
JPH0321031Y2 (ja)
CN116323508A (zh) 具有反射层的发射器部件及其生产方法
JP2003012329A (ja) 指向性赤外線放射体
JP2978716B2 (ja) 遠赤外線ヒータ
US6993253B2 (en) Heating apparatus with special selective radiant material partially coated thereon
JPH0625913Y2 (ja) 熱線放射体
JPS6188481A (ja) 赤外線放射体
JP2530163Y2 (ja) 遠赤外線放射管球
JP2001006851A (ja) 遠赤外線ヒータ
JPH0151463B2 (ja)
JPH0330277A (ja) 遠赤外線放射ヒータ
JPS62291881A (ja) 赤外線放射体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230417

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230417

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20230419

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20230825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240409