JP3380877B2 - X線・シンクロトロン放射光の平行放射素子及び収束素子 - Google Patents

X線・シンクロトロン放射光の平行放射素子及び収束素子

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JP3380877B2
JP3380877B2 JP24630197A JP24630197A JP3380877B2 JP 3380877 B2 JP3380877 B2 JP 3380877B2 JP 24630197 A JP24630197 A JP 24630197A JP 24630197 A JP24630197 A JP 24630197A JP 3380877 B2 JP3380877 B2 JP 3380877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線又はシンク
ロトロン放射光を放射する線源の光軸に対してそれらを
平行方向に放射可能なX線・シンクロトロン放射光の平
行放射素子、及びそれらを収束可能な収束素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、X線は、健康管理、非破
壊検査、各種材料のキャラクタリゼーション、基礎科学
・技術等の多くの分野で利用されている。しかし、X線
は波長が短く、屈折率が1に近いため、通常のガラスレ
ンズによる収束は物理的に不可能である。
【0003】そこで、X線を収束するための収束素子と
して、例えば、回転双曲面鏡と回転楕円面鏡とからなる
ウォルター型の全反射ミラーと、該全反射ミラーの回転
双曲面鏡に配置されたX線発生装置とを備えたものが提
案されている。
【0004】なお、このような収束素子における全反射
ミラーの全反射効率については、この出願の発明者らが
下記(1) 〜(3) の学術論文において、X線のエネルギ
ー、全反射ミラーの形状、材質、及び内壁面の粗さに依
存することを明らかにしている。 (1)"Intensity of x-ray microbeam formed by a hollo
w glass pipe": K.Furuta, Y.Nakayama, M.Shoji, H.Na
kano and Y.Hosokawa, REVIEW OF SCIENTIFICINSTRUMEN
TS, Vol.62, 1991, pp.828-829 (2)"Theoretical consideration of intensity of x-ra
y microbeam formed by a hollow glass pipe": K.Furu
ta, Y.Nakayama, M.Shoji, H.Nakano and Y.Hosokawa,
REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS, Vol.64, 1993, p
p.135-142 (3)"An XGT and a Desk-Top Scanning X-Ray Analytica
l Microscope": Y.Hosokawa, S.Ozawa, H.Nakazawa, Y.
Nakayama, X-RAY SPECTROMETRY(special issueon micro
-XRF), 印刷中
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のX線の収束素子においては、収束に寄与し
ない一次ビームを阻止するためにビームストッパーを挿
入しており、利用利得が十分でないと共に、収束ビーム
径が20μm程度と比較的大きいという問題点がある。
【0006】また、X線発生装置の光軸に対してX線を
平行方向に放射可能な平行放射素子や、更には、シンク
ロトロン放射光の平行放射素子及び収束素子において
も、利用利得が十分なものは得られていない。
【0007】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、高効率化を図ることができるX線
・シンクロトロン放射光の平行放射素子及び収束素子、
並びに収束ビーム径の微小化を図ることができるX線・
シンクロトロン放射光の収束素子を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、X線・シンクロトロン放射光の平行放射素子におけ
る請求項1の手段とするところは、回転放物面鏡の底部
側を回転双曲面鏡に形成してなる平行放射用全反射ミラ
ーと、該平行放射用全反射ミラーの回転双曲面鏡にこの
平行放射用全反射ミラーの中心軸と光軸が一致するよう
に配置されたX線又はシンクロトロン放射光を放射可能
な線源と、前記平行放射用全反射ミラーの内部に前記線
源の光軸と中心軸が一致するようにして少なくとも一端
が挿入され、この一端に入射される前記平行放射用全反
射ミラーで多重全反射されないX線又はシンクロトロン
放射光を、他端から前記線源の光軸に対して平行方向に
出射可能な平行放射用屈折素子とを備えたX線・シン
クロトロン放射光の平行放射素子であって、前記平行放
射用屈折素子が、複数の凹レンズを前記線源の光軸に対
してそれぞれ直角な姿勢で前記線源の光軸に沿って配列
してなると共に、前記凹レンズの直径が、前記平行放射
用屈折素子の一端から他端に向かって徐々に拡大してい
ことにある。
【0009】
【0010】請求項の手段とするところは、前記凹レ
ンズの外周面をテーパー加工したことにある。
【0011】請求項の手段とするところは、前記凹レ
ンズが、ベリリウム、ホウ素、炭素、マグネシウム、ア
ルミニウム、及びケイ素からなる群から選択される元素
を含む化合物で構成されていることにある。
【0012】請求項の手段とするところは、前記平行
放射用全反射ミラーの内壁面が、溶融ガラスの自然冷却
による自由表面であることにある。
【0013】また、X線・シンクロトロン放射光の収束
素子における請求項の手段とするところは、回転放物
面鏡の底部側を回転双曲面鏡に形成してなる平行放射用
全反射ミラーと、該平行放射用全反射ミラーの回転双曲
面鏡にこの平行放射用全反射ミラーの中心軸と光軸が一
致するように配置されたX線又はシンクロトロン放射光
を放射可能な線源と、底部側に開口部を形成した回転放
物面鏡から構成されて、前記開口部側を外側に向けた状
態で前記線源の光軸と中心軸が一致するようにして前記
平行放射用全反射ミラーと相対向して配置され、前記平
行放射用全反射ミラーで多重全反射されて前記線源の光
軸に対して平行方向に放射される平行光線を多重全反射
させて前記開口部の外側で収束可能な収束用全反射ミラ
ーと、前記平行放射用全反射ミラーと収束用全反射ミラ
ーの内部に前記線源の光軸と中心軸が一致するようにし
両端がそれぞれ挿入され、一端に入射される前記平行
放射用全反射ミラーで多重全反射されないX線又はシン
クロトロン放射光を、他端から焦点が前記収束される平
行光線の焦点と一致するように収束可能な収束用屈折素
子とを備えたX線・シンクロトロン放射光の収束素子
であって、前記収束用屈折素子が、複数の凹レンズを前
記線源の光軸に対してそれぞれ直角な姿勢で前記線源の
光軸に沿って配列してなると共に、前記凹レンズの直径
が、前記収束用屈折素子の両端から中央部に向かって徐
々に拡大していることにある。
【0014】
【0015】請求項の手段とするところは、前記凹レ
ンズの外周面をテーパー加工したことにある。
【0016】請求項の手段とするところは、前記凹レ
ンズが、ベリリウム、ホウ素、炭素、マグネシウム、ア
ルミニウム、及びケイ素からなる群から選択される元素
を含む化合物で構成されていることにある。
【0017】請求項の手段とするところは、前記平行
放射用全反射ミラー及び収束用全反射ミラーの内壁面
が、溶融ガラスの自然冷却による自由表面であることに
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、第1実施形態
に係るX線・シンクロトロン放射光の平行放射素子1
は、平行放射用全反射ミラー2と、例えばX線XA,X
Bを放射可能なX線発生装置(線源)3と、平行放射用
屈折素子4とを備え、この平行放射用屈折素子4が、複
数の凹レンズ5を前記X線発生装置3の光軸Aに対して
直角方向に配列してなるものである。
【0019】前記平行放射用全反射ミラー2は、回転放
物面鏡6の底部側6aを回転双曲面鏡7に形成してなる
ものである。即ち、前記回転放物面鏡6の底部側6aに
回転双曲面鏡7が隣接していると共に、先端側6bに開
口部8を有している。この平行放射用全反射ミラー2の
大きさとしては、特に限定されるものではないが、例え
ば外径が数cm程度、長さが数十cm程度の大きさに形
成することができる。
【0020】前記X線発生装置3は、平行放射用全反射
ミラー2の回転双曲面鏡7に、この平行放射用全反射ミ
ラー2の中心軸とその光軸Aが一致するように配置さ
れ、平行放射用全反射ミラー2の内部へエネルギー範囲
が10〜30keV程度のX線(強発散光)XA,XB
を放射可能となっている。なお、線源としては、この実
施形態のようなX線発生装置3に限定されるものではな
く、エネルギー範囲が1〜10keV程度のシンクロト
ロン放射光(微発散光)を放射可能なシンクロトロン放
射光装置を使用してもよい。
【0021】前記平行放射用屈折素子4は、複数の凹レ
ンズ5を前記X線発生装置3の光軸Aに対して直角方向
に配列し、例えば接着剤等により一体化してなるもので
ある。そして、前記平行放射用全反射ミラー2の内部
に、前記光軸Aとその中心軸が一致するようにしてその
一端4aが挿入され、図示しない所定の固定手段で固定
されている。また、この平行放射用屈折素子4の一端4
aには、前記X線発生装置3から放射されて前記平行放
射用全反射ミラー2で多重全反射されない前記光軸A近
傍のX線XAが入射されるようになっている。
【0022】なお、この実施形態においては、平行放射
用屈折素子4の他端4bが前記平行放射用全反射ミラー
2の開口部8から突出するように挿入されているが、こ
れに限定されるものではなく、必要に応じて平行放射用
屈折素子4の全体が平行放射用全反射ミラー2の内部に
挿入されていてもよい。また、前記複数の凹レンズ5
を、例えば円筒状の合成樹脂フィルムで外装等すること
により一体化してもよい。
【0023】前記凹レンズ5は、ディスク状固体の両面
に、例えばNC式3次元加工装置等を用いて非球面形状
の凹面5aをそれぞれ形成したものである。
【0024】次に、上記のように構成される平行放射素
子1の動作について説明する。既述したように、前記X
線発生装置3から放射されるX線XA,XBのうち、前
記平行放射用全反射ミラー2の内壁面2aに放射されな
い光軸A近傍のX線XAは、前記平行放射用屈折素子4
の一端4aの凹レンズ5に入射される。その他のX線X
Bは、前記平行放射用全反射ミラー2の内壁面2aで多
重全反射される。
【0025】ここで、前記平行放射用全反射ミラー2は
回転放物面鏡6の底部側6aを回転双曲面鏡7に形成し
てなるので、その内壁面2aで多重全反射されたX線X
Bは、全て前記光軸Aに対して平行方向の平行光線とし
て前記開口部8から出射される。
【0026】また、前記平行放射用屈折素子4は、複数
の凹レンズ5を所定のX線光学の条件を満たすように配
列してなるので、その一端4aに入射されたX線XA
は、屈折を繰り返してその他端4bから前記光軸Aに対
して平行方向に出射される。
【0027】なお、前記X線発生装置3に代えて、線源
としてシンクロトロン放射光装置を使用した場合でも同
様に、前記平行放射用全反射ミラー2の開口部8からシ
ンクロトロン放射光の平行光線が出射されると共に、前
記平行放射用屈折素子4の他端4bからも光軸Aに対し
て平行方向にシンクロトロン放射光が出射される。
【0028】このように、前記X線発生装置3等の線源
から放射されるX線XA,XB又はシンクロトロン放射
光をその光軸Aに対して平行方向に放射できるので、こ
の平行放射素子1をレントゲン写真等に好適に利用でき
るという利点がある。また、前記平行放射用屈折素子4
によっても平行放射が可能であるので、利用利得も高い
という利点がある。
【0029】図2及び図3に示すように、第2実施形態
に係るX線・シンクロトロン放射光の収束素子11は、
上記第1実施形態と同様の平行放射用全反射ミラー2及
びX線発生装置(線源)3と、収束用全反射ミラー12
と、収束用屈折素子14とを備え、この収束用屈折素子
14が、複数の凹レンズ5を前記X線発生装置3の光軸
Aに対して直角方向に配列してなるものである。
【0030】前記収束用全反射ミラー12は、底部側1
6aに開口部17を形成した回転放物面鏡16から構成
され、その先端側16bにも開口部18を有している。
そして、前記開口部17側を外側に向けた状態で前記光
軸Aとその中心軸が一致するようにして前記平行放射用
全反射ミラー2と例えば所定間隔を開けて相対向して配
置されている。
【0031】前記収束用屈折素子14は、第1実施形態
の平行放射用屈折素子4とほぼ同様に構成され、前記平
行放射用全反射ミラー2と収束用全反射ミラー12の内
部に、前記光軸Aとその中心軸が一致するようにしてそ
の両端14a,14bがそれぞれ挿入されて図示しない
所定の固定手段で固定されている。
【0032】なお、この実施形態においては、前記平行
放射用全反射ミラー2と収束用全反射ミラー12とを所
定間隔を開けて配置しているが、これに限定されるもの
ではなく、必要に応じて間隔を開けずに当接させてもよ
いし、更にはこれら平行放射用全反射ミラー2と収束用
全反射ミラー12とを一体化しておいてもよい。
【0033】次に、上記のように構成される収束素子1
1の動作について説明する。第1実施形態と同様、前記
平行放射用全反射ミラー2の内壁面2aに放射されない
光軸A近傍のX線XAは、前記収束用屈折素子14の一
端14aの凹レンズ5に入射される。その他のX線XB
は、前記平行放射用全反射ミラー2の内壁面2aで多重
全反射される。
【0034】この平行放射用全反射ミラー2で多重全反
射されたX線XBは、全て前記光軸Aに対して平行方向
の平行光線として前記開口部8から出射され、前記収束
用全反射ミラー12の先端側16bの開口部18内へ入
射する。ここで、前記収束用全反射ミラー12は底部側
16aに開口部17を形成した回転放物面鏡16から構
成されているので、上記のように入射した平行光線は、
この収束用全反射ミラー12の内壁面12aで多重全反
射されて前記開口部17の外側で収束される。
【0035】また、前記収束用屈折素子14は、複数の
凹レンズ5を所定のX線光学の条件を満たすように配列
してなるので、その一端14aに入射されたX線XA
は、屈折を繰り返してその他端14bから収束し、且
つ、その焦点FAと前記収束される平行光線の焦点FB
とが一致するように出射される。
【0036】このように、前記収束用全反射ミラー12
によるX線XBの収束に加え、前記収束用屈折素子14
によるX線XAの収束も可能であるので、利用利得が高
いと共に、上記のような収束によれば、収束ビーム径も
従来より小さくできるという利点がある。
【0037】なお、前記X線発生装置3に代えて、線源
としてシンクロトロン放射光装置を使用した場合でも上
記と同様の動作となるので、この場合も利用利得が高
く、収束ビーム径を従来より小さくできると共に、シン
クロトロン放射光の輝度をより高くできるという利点が
ある。
【0038】更に、上記のように高効率化が可能である
ので、前記X線発生装置3等の線源に対する印加電力等
を低減化して省エネルギーを図ることができると共に、
当該収束素子11を例えば物質のキャラクタリゼーショ
ンやプロセス等の用途に使用した場合には、それらを極
めて正確且つ短時間に行えるという利点がある。
【0039】ここで、上記第1及び第2実施形態におい
て、前記凹レンズ5を、ベリリウム、ホウ素、炭素、マ
グネシウム、アルミニウム、及びケイ素からなる群から
選択される元素を含む化合物で構成しておけば、X線X
Aやシンクロトロン放射光が透過し易いので、その入射
率をより高くできるという利点がある。このような化合
物としては、上記の群から選択される元素を含む単体又
は複合体を使用することができる。
【0040】また、第1実施形態において、前記凹レン
ズ5の直径を、図1のように前記平行放射用屈折素子4
の一端4aから他端4bに向かって徐々に拡大しておけ
ば、入射されるX線XAやシンクロトロン放射光の当該
平行放射用屈折素子4からの散逸を防止できるという利
点がある。第2実施形態において、前記凹レンズ5の直
径を、図2のように前記収束用屈折素子14の両端14
a,14bから中央部に向かって徐々に拡大しておけ
ば、第1実施形態と同様、前記X線XA等の当該収束用
屈折素子14からの散逸を防止できると共に、この収束
用屈折素子14の他端14bからの収束をより容易に行
えるという利点がある。この場合、いずれの実施形態に
おいても、前記凹レンズ5の外周面5bをテーパー加工
しておけば、前記X線XA等の散逸をより効果的に防止
できると共に、凹レンズ5を互いに一体化し易いという
利点がある。
【0041】なお、凹レンズ5の厚さや数等は、前記平
行放射用全反射ミラー2や収束用全反射ミラー12の大
きさ等に応じて適宜変更可能であり、第1実施形態にお
いては、前記平行放射用屈折素子4の他端4bからの平
行放射が可能となるX線光学の条件を満たすようにして
おけばよい。第2実施形態においては、前記収束用屈折
素子14の他端14bからの収束が可能で、且つ、その
焦点FAが前記収束用全反射ミラー12によって収束さ
れる平行光線の焦点FBと一致するX線光学の条件を満
たすようにしておけばよい。また、これら平行放射用屈
折素子4や収束用屈折素子14においては、上記のよう
な条件をそれぞれ満たすように、必要に応じて所定位置
の凹レンズ5の例えば中央部等に透孔等を設けておいて
もよい。
【0042】また、前記平行放射用全反射ミラー2や収
束用全反射ミラー12の内壁面2a,12aが、溶融ガ
ラスの自然冷却による自由表面である、即ち、これら平
行放射用全反射ミラー2や収束用全反射ミラー12が溶
融ガラスを自然冷却して製造される場合には、その内壁
面2a,12aの粗さが数十Åとなって極めて滑らかに
なるので、全反射効率をより高くできるという利点があ
る。
【0043】このような平行放射用全反射ミラー2を製
造するには、例えば、あらかじめ雌金型の表面を、NC
3次元加工機等を用いて回転放物面の底部側を回転双曲
面に形成したような形状に加工しておく。そして、この
雌金型を電気炉に入れ、その表面に一端を封じたガラス
管を配置した後、加熱・溶融させた状態でこのガラス管
の他端から不活性ガスで均等加圧して賦形し、次いで自
然冷却させればよい。同様に、このような収束用全反射
ミラー12を製造するには、例えば、前記雌金型の表面
を回転放物面形状にしておき、上記と同様にして回転放
物面鏡16を作製した後、その底部側16aの所定範囲
を切除して開口部17を形成等すればよい。なお、上記
のようにガラスから構成される平行放射用全反射ミラー
2や収束用全反射ミラー12の外部には、必要に応じて
所定形状の補強部材を取付ける等して補強しておいても
よい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1のX線・シンク
ロトロン放射光の平行放射素子の発明によれば、前記平
行放射用全反射ミラーと、線源と、平行放射用屈折素子
とを備え、この平行放射用屈折素子が、複数の凹レンズ
を前記線源の光軸に対してそれぞれ直角な姿勢で前記線
源の光軸に沿って配列してなるので、前記X線発生装置
等の線源から放射されるX線又はシンクロトロン放射光
をその光軸に対して平行方向に放射することができる。
そのため、当該平行放射素子をレントゲン写真等に好適
に利用できるという利点がある。また、前記平行放射用
屈折素子によっても平行放射が可能であるので、利用利
得も高いという利点がある。
【0045】更に、前記凹レンズの直径が、前記平行放
射用屈折素子の一端から他端に向かって徐々に拡大して
いるので、入射されるX線やシンクロトロン放射光の当
該平行放射用屈折素子からの散逸を防止できるという利
点がある。
【0046】請求項の発明によれば、前記凹レンズの
外周面をテーパー加工しているので、前記X線等の散逸
をより効果的に防止できると共に、これら凹レンズを互
いに一体化し易いという利点がある。
【0047】請求項の発明によれば、前記凹レンズ
が、ベリリウム、ホウ素、炭素、マグネシウム、アルミ
ニウム、及びケイ素からなる群から選択される元素を含
む化合物で構成されているので、X線やシンクロトロン
放射光が透過し易く、そのため、その入射率をより高く
できるという利点がある。
【0048】請求項の発明によれば、前記平行放射用
全反射ミラーの内壁面が、溶融ガラスの自然冷却による
自由表面であるので、前記内壁面の粗さが数十Åとなっ
て極めて滑らかになり、そのため、全反射効率をより高
くできるという利点がある。
【0049】また、請求項のX線・シンクロトロン放
射光の収束素子の発明によれば、前記平行放射用全反射
ミラーと、線源と、収束用全反射ミラーと、収束用屈折
素子とを備え、この収束用屈折素子が、複数の凹レンズ
を前記線源の光軸に対してそれぞれ直角な姿勢で前記線
源の光軸に沿って配列してなるので、前記収束用全反射
ミラーによるX線又はシンクロトロン放射光の収束に加
え、前記収束用屈折素子によるX線等の収束も可能であ
る。そのため、利用利得が高いと共に、このような収束
によれば、収束ビーム径も従来より小さくできるという
利点がある。また、シンクロトロン放射光を収束する場
合には、その輝度をより高くできるという利点がある。
更に、上記のように高効率化が可能であるので、前記X
線発生装置等の線源に対する印加電力等を低減化して省
エネルギーを図ることができると共に、当該収束素子を
例えば物質のキャラクタリゼーションやプロセス等の用
途に使用した場合には、それらを極めて正確且つ短時間
に行えるという利点がある。
【0050】更に、前記凹レンズの直径が、前記収束用
屈折素子の両端から中央部に向かって徐々に拡大してい
るので、請求項の効果と同様、入射されるX線やシン
クロトロン放射光の当該収束用屈折素子からの散逸を防
止できると共に、この収束用屈折素子の他端からの収束
をより容易に行えるという利点がある。
【0051】請求項の発明によれば、前記凹レンズの
外周面をテーパー加工しているので、請求項の効果と
同様、前記X線等の散逸をより効果的に防止できると共
に、これら凹レンズを互いに一体化し易いという利点が
ある。
【0052】請求項の発明によれば、前記凹レンズ
が、ベリリウム、ホウ素、炭素、マグネシウム、アルミ
ニウム、及びケイ素からなる群から選択される元素を含
む化合物で構成されているので、請求項の効果と同
様、X線やシンクロトロン放射光の入射率をより高くで
きるという利点がある。
【0053】請求項の発明によれば、前記平行放射用
全反射ミラー及び収束用全反射ミラーの内壁面が、溶融
ガラスの自然冷却による自由表面であるので、請求項
の効果と同様、それらの全反射効率をより高くできると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るX線・シンクロトロン放射
光の平行放射素子の断面図。
【図2】第2実施形態に係るX線・シンクロトロン放射
光の収束素子の断面図。
【図3】図2の収束用全反射ミラーと収束用屈折素子と
でX線を収束する様子を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
1 平行放射素子 2 平行放射用全反射ミラー 2a 内壁面 3 X線発生装置(線源) A 光軸 XA,XB X線(又はシンクロトロン放射光) 4 平行放射用屈折素子 4a 一端 4b 他端 5 凹レンズ 6,16 回転放物面鏡 6a,16a 底部側 7 回転双曲面鏡 11 収束素子 12 収束用全反射ミラー 12a 内壁面 14 収束用屈折素子 14a 一端 14b 他端 17 開口部 FA,FB 焦点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/06 H05H 13/04 G02B 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転放物面鏡の底部側を回転双曲面鏡に
    形成してなる平行放射用全反射ミラーと、 該平行放射用全反射ミラーの回転双曲面鏡にこの平行放
    射用全反射ミラーの中心軸と光軸が一致するように配置
    されたX線又はシンクロトロン放射光を放射可能な線源
    と、 前記平行放射用全反射ミラーの内部に前記線源の光軸と
    中心軸が一致するようにして少なくとも一端が挿入さ
    れ、この一端に入射される前記平行放射用全反射ミラー
    で多重全反射されないX線又はシンクロトロン放射光
    を、他端から前記線源の光軸に対して平行方向に出射可
    能な平行放射用屈折素子と を備えたX線・シンクロトロン放射光の平行放射素子で
    あって、 前記平行放射用屈折素子が、複数の凹レンズを前記線源
    の光軸に対してそれぞれ直角な姿勢で前記線源の光軸に
    沿って配列してなると共に、前記凹レンズの直径が、前
    記平行放射用屈折素子の一端から他端に向かって徐々に
    拡大していることを特徴とするX線・シンクロトロン放
    射光の平行放射素子。
  2. 【請求項2】 前記凹レンズの外周面をテーパー加工し
    ことを特徴とする請求項1記載のX線・シンクロトロ
    ン放射光の平行放射素子。
  3. 【請求項3】 前記凹レンズが、ベリリウム、ホウ素、
    炭素、マグネシウム、アルミニウム、及びケイ素からな
    る群から選択される元素を含む化合物で構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のX線・シンクロ
    トロン放射光の平行放射素子。
  4. 【請求項4】 前記平行放射用全反射ミラーの内壁面
    が、溶融ガラスの自然冷却による自由表面であることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のX線・シン
    クロトロン放射光の平行放射素子。
  5. 【請求項5】 回転放物面鏡の底部側を回転双曲面鏡に
    形成してなる平行放射用全反射ミラーと、 該平行放射用全反射ミラーの回転双曲面鏡にこの平行放
    射用全反射ミラーの中心軸と光軸が一致するように配置
    されたX線又はシンクロトロン放射光を放射可能な線源
    と、 底部側に開口部を形成した回転放物面鏡から構成され
    て、前記開口部側を外側に向けた状態で前記線源の光軸
    と中心軸が一致するようにして前記平行放射用全反射ミ
    ラーと相対向して配置され、前記平行放射用全反射ミラ
    ーで多重全反射されて前記線源の光軸に対して平行方向
    に放射される平行光線を多重全反射させて前記開口部の
    外側で収束可能な収束用全反射ミラーと、 前記平行放射用全反射ミラーと収束用全反射ミラーの内
    部に前記線源の光軸と中心軸が一致するようにして両端
    がそれぞれ挿入され、一端に入射される前記平行放射用
    全反射ミラーで多重全反射されないX線又はシンクロト
    ロン放射光を、他端から焦点が前記収束される平行光線
    の焦点と一致するように収束可能な収束用屈折素子と、 を備えたX線・シンクロトロン放射光の収束素子であっ
    て、 前記収束用屈折素子が、複数の凹レンズを前記線源の光
    軸に対してそれぞれ直角な姿勢で前記線源の光軸に沿っ
    て配列してなると共に、前記凹レンズの直径が、前記収
    束用屈折素子の両端から中央部に向かって徐々に拡大し
    ていることを特徴とする X線・シンクロトロン放射光の
    収束素子。
  6. 【請求項6】 前記凹レンズの外周面をテーパー加工し
    ことを特徴とする請求項5記載のX線・シンクロトロ
    ン放射光の収束素子。
  7. 【請求項7】 前記凹レンズが、ベリリウム、ホウ素、
    炭素、マグネシウム、アルミニウム、及びケイ素からな
    る群から選択される元素を含む化合物で構成されている
    ことを特徴とする請求項5又は6記載のX線・シンクロ
    トロン放射光の収束素子。
  8. 【請求項8】 前記平行放射用全反射ミラー及び収束用
    全反射ミラーの内壁面が、溶融ガラスの自然冷却による
    自由表面であることを特徴とする請求項5乃至7のいず
    れか記載のX線・シンクロトロン放射光の収束素子。
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