JP3587497B2 - ディジタル複合機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機能に関し、特に、画像データの蓄積及び取り出しが可能なディジタル複合機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙文書等をソースとする画像データを光ディスク等に蓄積する、例えば特開昭62−219768号公報に開示されているような電子ファイリングシステムが提案されている。
【0003】
図34は従来の電子ファイリングシステムの構成の一例である。光ディスク記憶装置205に、文書情報や画像情報をあらかじめ登録しておき、検索装置204によって、以下に説明するワークステーション201より与えられた検索条件に一致する文書/画像情報を、上記光ディスク記憶装置205から選択し、出力、転送等の処理ができるようになっている。尚、ここでいう文書情報はいわゆるテキスト情報を指し、本発明が扱うイメージ化された文書画像情報ではない。 ワークステーション201は、文書/画像情報の検索条件を入力し、選択された文書画像情報を表示し、また、編集や印刷等の種々の指示を出すことができる。本発明に関連する処理として上記ワークステーションは登録された特定の文書あるいは画像に対応するアドレス値あるいは文書/画像を特定するIDを、バーコード等のイメージデータに変換し文書/画像と合成して、プリンタ207を用いてプリントすることが可能である。プリントされた文書/画像の例を図35に示す。
【0004】
ユーザは、このバーコードが付加された文書/画像中のバーコード部分を、バーコードリーダ206で読み取らせ、該バーコードリーダ206の出力を受けたワークステーションは,該バーコードをデコードして該当する文書のアドレスあるいはIDを得る。このアドレスあるいはIDを用いて、電子ファイリングシステム204は、光ディスク記憶装置内の対応する文書画像の検索を行うようになっている。
【0005】
これによってユーザは目的とする文書画像データの検索が容易に行うことができることになる。
また、上記バーコードは以下のように利用することもできる。すなわち、画像情報処理装置に蓄積された文書画像(ここではイメージ化された文書を意味している)を遠隔地からファクシミリを使用して取り出すという方法も例えば特開平6−233082号公報に提案されている。
【0006】
すなわち、まず、上記のバーコードを付した文書画像を遠隔地で読み取り手段を用いて読み込ませ、上記バーコードをデコードして文書IDを得る。次いで、該文書IDを該文書IDに対応する文書画像を格納した画像情報処理装置にファクシミリ転送する。そして、該画像情報処理装置より目的とする文書を、最初に文書IDを送信したファクシミリ装置に返送するようになっている。
【0007】
更に、特開平5−328065号公報には、画像情報処理装置に蓄積された複数の画像ファイルを、相互に結合したり、削除したりする、いわゆる編集処理を行うことが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭62−219768号公報に記載された電子ファイリング装置の構成をファイリング機能を持ったディジタル複合機に適用する場合、文書を特定するアドレスあるいはIDに対応するバーコードを文書画像に合成し、このバーコードをバーコードリーダで読み取って、ファイリングされた画像データの取り出しを行うことになる。
【0009】
従って、バーコードリーダが別途必要になり、コスト高になる。さらに、多数のファイリングされた画像データを取り出す場合、取り出したい文書の数だけパーコードリーダで、前記識別コード(バーコード)をバーコードリーダに読み取らせる必要があり、煩わしさを伴う作業となっている。また、画像を蓄積する際には、ユーザは蓄積のためのキーワード付けなどが必要で、パーソナルコンピュータのような、十分なユーザインターフェースを持つことができない複合機では、操作性が悪く使用に耐えない。
【0010】
また、上記特開昭62−219768号公報に記載された電子ファイリング装置では上記バーコードの印刷位置は使用する用紙と関係なく、常時一定の位置に印刷されることになり、使用する用紙が変更されたときにも、用紙サイズを配慮した位置に印刷されないことになる。
【0011】
また、上記特開平6−233082号公報に提案されている、遠隔地のファクシミリより目的とする文書画像を得る方法では、遠隔地のファクシミリ装置が伝送するデータは文書IDであるため、該遠隔地のシステムは上記バーコードをデコードするためにデコーダを必ず備える必要があり、装置価格が高くなる欠点がある。
【0012】
更に、特開平5−328065号公報に記載の画像データの編集方法は、編集対象となる画像を表示装置に読み出して作業をするようになっており、画像データのサイズが大きいときは作業がし難い面があった。
【0013】
本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、文書画像登録と同時に、文書IDマークを付したシート(表紙原稿という)を得ることがきるディジタル複合機を得ることを目的とするものである。
【0014】
また、本発明はより簡単な装置でファクシミリ受信によって得られた文書IDに基づいて、目的とする文書画像をファクシミリ送信できるディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0015】
更に、本発明は印刷用紙サイズに対応した位置に文書IDマークを印刷することができるようにして、文書IDマークのデコードミスを少なくしたディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は文書の結合や削除操作が容易なディジタル複合機を提供することを目的とする。
また、本発明は上記表紙原稿や、それ以外の文書画像の部数の設定が容易にできるディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。まず、本発明は、少なくとも1種の文書画像入力手段1より入力された特定の文書に対応する文書画像データを、少なくとも1種の記憶手段97、100に該文書画像データを特定する文書IDを付して蓄積するとともに、該文書IDを含む属性情報を文書管理手段3で管理し、必要に応じて上記文書IDに基づいて指定された文書画像を出力手段9により出力することができるディジタル複合機を前提としている。
【0018】
上記のディジタル複合機において、まず、文書IDエンコード手段手段4を設けて、上記特定の文書に対応する文書画像データを上記記憶手段97、100に蓄積する際に、上記文書IDに対応する文書IDマークを生成する。ついで、このように生成された上記文書IDマークと上記特定の文書に対応する文書画像とをパターン合成手段8で合成する。この合成画像は文書IDマーク付き文書画像(表紙原稿)として文書画像の蓄積処理とともに、印刷出力されるようになっている。
【0019】
上記文書画像入力手段1としては、スキャナ等の画像読み取り手段13、ファクシミリ受信手段14、コンピュータよりのプリント画像受信手段15等が考えられる。
【0020】
上記文書IDマーク付文書画像(表紙原稿)は、上記特定の文書の特定の頁(例えば1頁目)であってもよいし、あるいは、上記特定の文書の属性情報に対応する文書画像であってもよい。
【0021】
上記文書画像蓄積時の出力手段9による印刷形態としては、上記表紙原稿のみを印刷出力する場合、あるいは、上記表紙原稿を含めた全頁を出力する場合等主事の態様が考えられる。ファクシミリ送信時に文書画像の蓄積を行う場合は、表紙原稿のみの印刷となる。
【0022】
本発明において、上記表紙原稿に付された文書IDマークは、該文書IDマークを文書IDデコード手段でデコードすることによって、対応する文書IDの文書画像を選択することができる。この選択によって、文書画像の取り出し、ファクシミリ送信、複数文書の結合、特定の文書画像の削除等の処理が可能となる。
【0023】
用紙上の一定の位置に印刷されている文書IDマークは文書IDデコード手段でのデコードが容易となり、また、デコードミスが少なくなる。従って、上記表紙原稿に付された文書IDマークは、用紙上の一定の位置に印刷されるのが好ましい。
【0024】
一連の関連ある文書画像が記憶手段97、100に蓄積されるとき、相互に関連があることが判ると、ユーザの取り出し処理等の作業等を容易にする。そこで、蓄積処理において、文書管理手段3で管理される文書IDと、後で入力される文書IDとが同じであるときには、相互にリンクしている旨の記号を両文書画像に属性として持たせるようにする。このように相互にリンクする文書画像は、例えば取り出し処理において、リストで表示されユーザの選択に供される。
【0025】
上記文書IDマークより得られた文書ID、あるいは、対話型操作手段10を用いて入力される文書IDを用いてできる作業には、上記文書取り出しの他、特定種の記憶手段より他の特定種の記憶手段への複写、移動処理あるいは複数の文書画像を相互に結合、更には、特定の文書画像の削除処理がある。
【0026】
これら、処理は対話型操作手段10を構成するコントロールパネルに目的とする文書のリストを表示することによってなされる。
遠隔地のファクシミリ装置より得られた上記文書IDマークによって、対応する文書画像を、上記のファクシミリ装置に返送することも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明が適用されるディジタル複合機の概略構造を示す側断面図である。イメージスキャナ部Aで、オートドキュメントフィーダ(以下、ADFという)30に載置された複数の原稿は、該ADF30によって一枚ずつ原稿台31上に下向きに置かれ、順次走査される。この走査は露光ランプ32より光を照射することによってなされ、原稿からの反射光は各種ミラーとレンズを介してイメージセンサ33上に集束される。
【0028】
レーザプリンタ部Bでは、レーザスキャナユニット41より出射されたレーザ光によって、感光体ドラム34上に静電潜像を形成し、該静電潜像はトナーを吸着して感光体ドラム34上にトナー像を形成する。該トナー像は、記録紙カセット35、36、37等より供給された記録紙に帯電器38が発生する電界により転写され、定着器39によって上記記録紙上のトナーが該記録紙に定着され、ソータ40等に排紙される。
【0029】
図2は本発明が適用されるディジタル複合機の画像信号系統を示すブロック図である。図3に示す上記イメージスキャナ部Aのイメージセンサ8から出力されるアナログ画像信号D1 は、A/Dコンバータ72でディジタル画像信号D2 に変換されて入力画像処理回路74に入力される。該入力画像処理回路74は、ディジタル画像信号D2 に対して、階調補正、MTF補正を含む多値画像信号処理および疑似中間調処理を含む2値化処理を行い、2値画像信号D4 を圧縮回路77に入力する。該圧縮回路77は、上記2値画像信号D4 をMH,MR,MMR,JBIG等の方式によりリアルタイムで圧縮した文書画像データD3 をメモリ79に入力する。また、上記圧縮回路77は、上記2値画像信号D4 を圧縮しない(無符号化信号)文書画像データD3 として出力することも可能である。
【0030】
上記メモリ79は、CPUバス110にも接続され、上記文書画像データおよびCPU91のプログラムを含むワークデータを記憶する。伸長回路81は、メモリ79に記憶された文書画像データD5 を復号し、2値画像データD6 として出力する。マルチプレクサ76は、上記2値画像信号D4 または上記2値画像データD6 のいずれか一方を選択し2値画像信号D7 を出力する。出力画像処理回路84は、2値画像信号D7 の多値画像信号への変換および出力階調特性の補正を行うガンマ補正を行い、多値画像データD8 をパターン合成回路103に入力する。
【0031】
上記パターン合成回路103は、該パターン合成回路103に備えたビットマップメモリに記憶した、以下に説明するようにCPU91により生成された文書IDマーク等のビットマップ画像データを上記多値画像データD8 に合成して、合成画像データD9 を出力する。尚、該パターン合成回路103は、CPU91からの設定によりビットマップメモリ内の画像を合成して出力するか、合成せずに出力するかを選択することが可能である。PWM変調回路87は、多値画像である合成画像データD9 をパルス幅変調しPWM変調信号D10を出力し、該PWM変調信号D10に基づいてレーザドライバ89はレーザプリンタ部B内の半導体レーザを駆動する。
【0032】
上記構成においてマルチプレクサ76が入力画像処理回路の出力である2値画像データD4 を選択し、イメージスキャナ部Aの原稿読みとり処理と、レーザプリンタ部の画像形成処理を同期して行うことにより、リアルタイムで原稿画像のコピー処理が可能となる。
【0033】
CPUバス110に接続されたコントロールパネル92は、タッチパネル付きのLCDディスプレイ、複数の入力キーおよび磁気ガードリーダ(図示せず)を備え、本ディジタル複合機とユーザとのインタフェースとなる。
【0034】
CPUバス110に接続されたコミュニケーションコントロールユニット(CCU)93は、公衆回線95に接続されたFAXモデム94を制御し、CPU91の制御下でファクシミリ通信を行う。また、CPUバス110に接続されたLANコントローラ101は、ローカルエリアネットワーク(LAN)102を介して、該LAN102に接続されたパーソナルコンピュータなどの機器との通信を行う。また、CPUバス110に接続されたIDEコントローラ96は、ハードディスクドライブ(HDD)97を制御し、CPU91の制御下で、HDD97にデータの記憶/アクセスを行う。更に、CPUバス110に接続されたSCSIコントローラ98は、光磁気ディスクドライブ99を制御し、CPU91の制御下で、光磁気ディスク100にデータの記憶/アクセスを行うようになっている。
【0035】
図1は、主として上記CPU91の機能を示す機能ブロック図である。文書画像入力手段1は、上記イメージスキャナAとその制御機構よりなる画像読み取り手段13、ファクシミリ装置(CCU+FAXモデム)とその制御機構よりなるファクシミリ受信手段14、LANコントローラ101とその制御機構よりなるプリント画像受信手段15より構成される。ここで、上記各制御機構はCPU91が受け持つことになる。
【0036】
CPU91は、更に、以下の機能を備える。登録・転送手段Xは、文書画像入力手段1より得られた文書画像データをHDD97に登録(蓄積)したり、HDD97に蓄積された文書画像データを指定された装置(レーザプリンタB、FAXモデム94、光磁気ディスクドライブ99)に転送する。文書IDエンコード手段4は文書画像入力時に文書IDを生成し、文書IDデコード手段5は後に説明する文書IDマークより文書IDを得、また、文書管理手段3はHDD97に登録された各文書画像に対応した属性データの生成管理を行う。また、上記パターン合成回路103の制御機構、レーザプリンタ部Bの制御機構もCPU91が受け持つことになる。更に、表示・入力制御手段92aを備えて、コントロールパネル92に操作上必要な事項を表示するとともに、ユーザより必要事項を入力できる対話型操作手段10を構成するようになっている。
【0037】
〔コピー処理(1部目)〕
次に、上記構成のディジタル複合機において文書画像データのファイリング(蓄積)を原稿のコピー処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。図1は、本発明のディジタル複合機における主要部のブロック図であり、図11は、ADF30に載置された複数組の原稿を1部コピーするときのコピー処理のフロー図である。
【0038】
まず、上記ユーザとCPU91とのインターフェイスとなるコントロールパネル92は、例えば図4に示すように、LCDパネル802上に表示されるテンキーなどの複数のキー803等を用いて所定の事項を入力できるようになっており、上記したように該コントロールパネル92とCPU91の表示入力制御部92aとで、対話型操作手段10を構成するようになっている。
【0039】
ここで、ユーザは図4に示す画面を介して、上記コントロールパネル92を用いて、あらかじめ登録されたユーザIDおよびパスワードを入力することによりユーザ認証を行う。このユーザ認証は、あらかじめ登録された磁気カードを上記コントロールパネル92に接続した磁気カードリーダに読ませることによっても行うことができる。ユーザ認証の具体的な方法は既に公知になっている方法を含めて種々あり、本発明の要旨ではないので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0040】
上記ユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92で“コピー”モードを選択してADF30上にコピーしたい原稿を載置し、続いて図9に示す画面よりコピー枚数、ファイル登録要否選択(HDD97に蓄積するか否か)、ファイル登録されたときの文書画像データのアクセス権、コピー紙サイズ、ズーム率などを設定した後、スタートキーKsを押す。尚、図9における“マーク付き表紙”あるいは“文書ID入力”の欄を使用する場合に付いては後に説明する。また、図1に示す画像読み取り手段13は上記ADF30とその制御手段(CPU91のメカニカル制御部分)より構成される。
【0041】
上記アクセス権は、例えば登録した文書画像ファイルへのアクセスが、文書画像ファイルを登録したユーザのみが許可される“OWNER”、登録された複数のユーザが許可される“GROUP”、任意のユーザに許可される“FREE”の選択が可能である。
【0042】
上記のようにスタートキーKsが押されると、CPU91を構成する上記画像読み取り手段13は上記ADF30に載置された原稿の最後の頁から1枚ずつ原稿台31上にフィードする(図11、ステップS30)。また、上記スタートキーKsが押されたとき、図1に示す上記対話型操作手段10で設定されたアクセス権等の必要なデータが文書管理手段3に通知され、以下に説明する文書管理テーブルを形成することになる。更に、上記スタートキーKsが押されると出力手段9(レーザプリンタBとその制御部を含む)に出力部数が設定されるようになっている。
【0043】
一方、上記原稿が1枚フィードされた時点で、文書管理手段3が起動し、これからファイリングする文書画像データに対応する例えば8桁の数字等からなる装置内IDおよび例えば6桁の数字等からなる装置IDより構成される文書IDを生成する(ステップS31)。この文書IDは、文書IDエンコード手段4に通知され、ここで、例えば2次元の画像パターンである文書IDマークを生成する(ステップS32)。
【0044】
このように生成された文書IDマークは、パターン合成手段8(パターン合成制御部103a+パターン合成回路103)を構成するパターン合成回路103(図2参照)に備えられたビットマップメモリに記憶され、後に説明する文書IDマークを付加した文書を生成する(ステップS33)。
【0045】
上記原稿読み取り処理とともに、画像読み取り手段13を構成する上記イメージスキャナ部Aと出力手段9を構成する上記レーザプリンタ部Bを同期して処理させ、マルチプレクサ76が入力画像処理回路74の出力である2値画像データD4 を選択することで、原稿台31にフィードされた原稿のコピー処理を行い、同時に、圧縮回路77は2値画像データD4 をリアルタイムで符号化しメモリ79に記憶する。
【0046】
このようにメモリ79に一旦記憶された1頁分の符号化された文書画像データは、登録・転送手段XによってIDEコントローラ96を介してHDD97の文書蓄積領域7に順次蓄積される(ステップS36)。ここで、上記HDD97への1頁分の文書画像データの蓄積と、次の符号化文書画像データのメモリ79への記憶は並列処理が可能である。
【0047】
上記画像読み取り手段13は、上記ADF30への原稿のフィードを順次指示し、最後の原稿読み取りまで繰り返す(図11、ステップS34:N、S36,S37.S38の繰り返し)。ただし、ADF30により最後にフィードされた原稿の複写時のみ、パターン合成回路103は、上記ビットマップメモリに記憶された画像、すなわち文書IDマークを読み取り画像に合成する(図11、ステップS34:Y、ステップS35)。
【0048】
これにより、図5に示すように複写文書画像の1頁目(表紙)に、文書IDに対応する文書IDマークが付加された文書画像がレーザプリンタ部Bより出力されることになる(ステップS36)。また、上記ADF30に載置された原稿に対応する文書画像データは、例えばマルチ頁のTIFF(Tagged Image File Format)形式の文書画像ファイルとして、HDD97に蓄積される。このときのファイル名には、例えば上記文書IDを用いることができ、上記文書IDが00000001であれば文書画像ファイルのファイル名は、00000001.tifとなる。尚、上記のように文書IDマークを付した文書を以下表紙原稿という。
【0049】
上記のようにコピー処理が実行されると、該文書を管理するに必要な、上記文書IDを含む属性データが生成され、該属性データはHDD97の属性管理テーブルT10に登録されることになる。この属性管理テーブルT10に関しては後述する。尚、上記において最後の頁よりADF30でフィードするようにしているが、最初の頁よりフィードする構成とすることももちろ可能であり、いずれの場合であっても、1頁目(表紙)に文書IDマークを付加することにはかわりないことになる。
【0050】
〔2部目以降のコピー処理〕
上記コピー処理において、コントロールパネル92より複数部コピーが指示された場合は、上記処理に加えて2部目以降のコピー処理が図12に示すフロー図の如くに処理される。1部目の複写は、上記入力画像処理回路74の出力がマルチプレクサ76を介して直接レーザプリンタBより出力されることになるが、2部目以降はHDD97に蓄積された文書画像データをレーザプリンタBで出力するようにしている。
【0051】
上記画像読み取り手段13が上記、1部目の最後の頁(順番として最後の頁、実際は1頁目)の印刷処理を終えると(すなわち、ADF30に残りの原稿がないことを検出すると)、その旨を登録・転送手段Xに通知する。これによって、登録・転送手段Xは上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データより最終頁から順番に、文書画像データを読み出してメモリ79に記憶する(ステップS41→S42)。次に、伸長回路81で、メモリ79に記憶された1頁分の圧縮画像データが、レーザプリンタ部の記録処理に同期してリアルタイムに復号される。マルチプレクサ76では2値画像データD6 が選択され、メモリ79に記憶された文書画像データの出力手段9によるプリント処理が行われる(ステップS45)。ここで、上記プリント処理と、HDD97から次頁の文書画像データを読み出してメモリ79へ書き込む処理は並列処理が可能である。
【0052】
以上の処理を最後の頁まで必要回数繰り返し(ステップS46:N→S42)、更に、必要部数分繰り返されることになる(ステップS47:N→S41)。ただし、各部毎の最後の頁(1頁目)をプリントするときのみ、パターン合成回路103は、上記ビットマップメモリに記憶された画像を上記のようにHDD79より読み出した画像に合成する(ステップS43→S44)。これにより、複写文書の各部の1頁目(表紙)に、文書IDがエンコードされた文書IDマークが付加されることになる。
【0053】
以上の処理によってユーザは、原稿画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、コピー処理とともに自動的にファイリングすることができる。ファイリングされた文書画像データの取り出しについては、後述する。
【0054】
〔ファクシミリ送信処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データの蓄積を原稿のファクシミリ送信処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0055】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて“FAX送信”モードを選択してADF30上にファクシミリ送信したい原稿を載置し、図10の画面より送信先電話番号、ファイル登録要否選択、ファイル登録する文書画像ファイルのアクセス権などを設定した後、スタートキーKsを押す。
【0056】
上記ADF30は、載置された原稿の最後の頁から1枚ずつ原稿台31上にフィードし、以降、上記文書IDの生成、原稿の読み取り、文書画像データの上記メモリ79への蓄積、上記HDD97への蓄積等の処理は、上記コピー処理の場合と同様の処理がなされる。
【0057】
ただし、最後にフィードされた原稿(原稿の1頁目)を除いてプリントは行わず、この原稿の1頁目だけに、上記文書IDがエンコードされた文書IDマークを付加してプリントする。すなわち図11に示した処理と略同じ処理となるが、プリント処理(図11、ステップS36)は最終頁に対してのみ実行される。すなわち、図11の実線矢印(a) はファクシミリ送信のときは点線矢印(b) となる。
【0058】
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データより1頁ずつ文書画像データを読み出して上記メモリ79に記憶し、該文書画像データをCCU93を用いてファクシミリ送信する。上記メモリ79に記憶された文書画像データのファクシミリ送信と、上記文書画像ファイルからの次頁分の文書画像データの上記メモリ79への記憶は並列処理が可能である。以上の処理を最後の頁の文書画像データをファクシミリ送信するまで繰り返す。
【0059】
尚、ファイリングされた上記文書画像データには上記コピー処理の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3により形成され、HDD97の属性管理テーブルT10に登録される。ここでは上記属性情報テーブル中の「登録方法」にはファクシミリ送信を表す「FAXSEND」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」が登録される。
【0060】
尚、上記1頁目のプリント処理は、上記のように入力画像処理回路74から得られる多値画像データD4 を用いてもよいし、あるいは上記処理によってHDD97に一旦蓄積された画像データを用いてもよい。HDD97に一旦蓄積された画像データを用いる場合は、全頁の読取処理が終わって後、ファクシミリ送信前に、最終頁(1頁目)のみを文書IDマークを付して印刷するか、あるいは、ファクシミリ送信が終わってから最終頁のみを文書IDマークを付して印刷することになる。
【0061】
これにより、ユーザは、特別な操作をすることなくなく、ファクシミリ送信処理とともに、ファクシミリ送信原稿を自動的にHDD97の文書蓄積領域7に蓄積することができる。また、蓄積された文書画像データを取り出すための文書IDマーク付き表紙原稿も得ることができる。
【0062】
〔ファクシミリ受信処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データのファイリングをファクシミリ受信処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0063】
図13の下半分(ステップS121以降)はファクシミリ受信の手順を示すフロー図である。但し、後に説明する遠隔地のファクシミリよりの送信要求に基づくファクシミリ送信と共通の手順があるので、両者を1つのフロー図として現している。
【0064】
公衆回線95を介して、ファクシミリ受信手段14を構成するFAXモデム94、CCU93により受信したファクシミリ受信文書画像データは、1頁ごとに一旦上記メモリ79に記憶される。ここで、文書IDのサーチとデコード処理(ステップS114)がなされるが、通常のファクシミリ受信は文書IDを伴わない文書が送信されるので、ここではデコードができなかっとものとする。
【0065】
次に、上記コピー処理と同様にして文書管理手段3により、上記文書IDが生成され、文書IDエンコード手段5によりパターン合成手段8によりパターン合成回路103に文書IDマークをダウンロードする(ステップS121→S122→S123)。これとともに、上記登録・転送手段Xは、メモリ79に記憶された1頁毎の文書画像データを、IDEコントローラ96を介してHDD97の文書蓄積領域7に蓄積する(ステップS124)。次いで、2頁目以降の文書画像データのHDD97への蓄積を順次実行する(ステップS125:Y→I12:N→ステップS124)。尚、上記HDD97への1頁の文書画像データの蓄積と、次頁の文書画像データのメモリ79への記憶は並列処理が可能である。
【0066】
次にファクシミリ受信の通信終了後に、このように蓄積された文書画像データを記録紙にプリントする(ステップS126)。
このプリント処理は図12に示すコーピー処理時と略同じであるので、詳しい説明を省略するが、ここでは1部のみがプリントされるので部数チェック処理(図12、ステップS47)は不必要である。
【0067】
尚、ファクシミリ受信時に作られた文書画像ファイルには上記コピー処理の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3によりHDD97の属性管理テーブルT10に記憶される。ここでは上記「登録方法」にはファクシミリ受信を表す「FAX RECEIVED」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」、「ユーザID」にはユーザが特定されていないことを意味する「0」がセットされる。また、上記「アクセス権」は利用形態に応じてあらかじめ設定したアクセス権、例えばGROUP等に自動的に設定される。
【0068】
これにより、ユーザはファクシミリ受信画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、ファクシミリ受信とともに自動的にファイリングすることができ、更に、該ファイリングと同時にIDマーク付き文書を得ることが可能となる。
【0069】
〔リモートプリント処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データのファイリングを、LAN102に接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)等から伝送される文書画像データをプリントするリモートプリント処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0070】
LAN102に接続されたパーソナルコンピュータは、文書画像データを転送前に、ユーザID、パスワードおよびアクセス権情報をディジタル複合機に送信する。ディジタル複合機は、LAN102を介してプリント画像受信手段15を構成するLANコントローラ101より受信したユーザIDとパスワードに基づきユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると、ユーザはプリントの指示を行い、上記パーソナルコンピュータより文書画像データが転送され、以降の処理は上記ファクシミリ受信の場合と同様である。
【0071】
なお、ファイリングされた文書画像データには上記ファクシミリ受信の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3によりHDD97の属性管理テーブルT10に記憶される。ここでは上記「登録方法」にはリモートプリントを表す「PRINT」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」、上記「ユーザID」には上記パーソナルコンピュータを操作したユーザのIDがセットされる。但し、上記したようにアクセス権の設定は文書送信前に可能である点ファクシミリ受信と異なっている。
【0072】
上記のように、リモートプリントの要求を出したパーソナルコンピュータのユーザは、プリント画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、リモートプリント処理とともに自動的にファイリングすることができるとともに、文書IDマーク付き文書を同時に得ることが可能となる。
【0073】
〔属性管理テーブル〕
以上のような文書蓄積処理の過程で生成された文書ID等の属性データは、HDD97上の属性領域6に割り当てられた属性管理テーブルT10に登録される。ここで、登録される事項は、図7に示すように文書画像データの「文書ID」、「頁数」、「画像サイズ」、「登録方法」、「登録日時」、「ユーザID」、「アクセス権」、「メディアID」等の他、以下に説明する「リンク先」および「リンク元」等の情報となる。
【0074】
この属性データの上記「画像サイズ」は、ファイリングしたときの文書画像データの定型紙対応サイズ(例えばA3、A4等)を示し、上記「登録方法」は、如何なる入力モード(コピー=COPY、ファクシミリ送信=FAXSEND、ファクシミリ受信=FAXRECEIVE、パソコンのプリント機能=PRINT)によって文書画像ファイルが生成されたのかを示し、上記「ユーザID」は、そのファイルを登録したユーザのユーザIDを示す。
【0075】
上記「メディアID」は、文書画像データが蓄積されるメディアを特定する識別子であって、上記HDD97のメディアIDは“0”であり、後に説明する光磁気ディスク100のメディアIDは“1”である。上記HDD97に蓄積された文書画像ファイルを、光磁気ディスク100に移動する処理、および光磁気ディスク100へのメディアIDの付与については、後述する。
【0076】
後述するように、文書IDマークが合成されてプリントした文書を、原稿として再度登録した場合、新しい文書IDが、文書IDマークにエンコードされて表紙原稿に印刷される。上記、「リンク先」および「リンク元」の欄は、上記新しい文書を特定する文書IDと、元の文書を特定する文書IDとの関係を示す。図7においては、文書ID00000005の文書画像データは、文書ID00000004の文書画像データを再登録(リファイリング)したものであることを示しており、また、「登録方法」には複写を表す「COPY」、「メディアID」にはHDD97に対応する「0」が登録される。
【0077】
〔文書の指定処理〕
上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データを取り出すとき(プリントする)、ファクシミリ送信するとき、あるいは、特定の文書画像データに対して編集処理(削除、結合)を行とき、該特定の文書画像データを指定する必要がある。図14はこの場合の文書画像データ指定処理の手順を示すフロー図である。
【0078】
文書画像データを指定する方法として、上記印刷された文書IDマークを読み取る方法と、直接文書IDを文字列(あるいは数字列)で入力する方法とがある(図14、ステップS131a、S131b)。いずれの場合であっても、例えば図20(文書取り出しのコントロールパネルの表示)に示すように各処理モードの冒頭でマーク付き表紙原稿を読み取るのか、文字列の文書IDを入力するのかについてユーザに問い合わせがあるので、ユーザはコントロールパネル92を介していずれの場合であるか指示する。更に、各処理モードに対応する必要事項を入力してスタートキーKsを押す。
【0079】
文書IDマーク付き表紙を読み取る場合は、ADF30に載置された文書IDマーク付きの表紙原稿を画像読み取り手段13で読み取ってメモリ79に該画像データを一旦蓄積する(図14、ステップS132)。尚、このときの文書IDマーク部分の読取処理については後に詳しく説明する。また、画像読み取り手段13で読み取られた画像データはこの場合圧縮回路77で圧縮されないでメモリ79に蓄積される。
【0080】
文書IDデコード手段5は、上記のようにメモリ79に蓄積された文書IDマークをデコードして文書I Dを得る(図14、ステップS133)。更に、のようにして得られた文書IDに基づいて、文書管理手段3は文書管理テーブルT10を参照して、該文書IDに対応する文書画像データがアクセス権を有するユーザによってアクセスされたか否か、すなわち“OWNER”である場合には属性管理テーブルT10上のユーザIDと入力されたユーザIDとが一致している必要があり、“GROUP”である場合は入力されたユーザIDが属性管理テーブルT10上のユーザと同じグループである必要があり、“FREE”である場合には誰でも使用が許可されることになる(図14、ステップS134)。
【0081】
以下に説明するように、画像文書データはHDD97に蓄積した後、光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアに移動が可能であるので、上記のように文書画像データが文書IDによって特定された後、該文書画像データがHDD97に蓄積されているのか、光磁気ディスク100に蓄積されているのかを判断するようになっている(図14、ステップS140)。
【0082】
光磁気ディスク100に登録されている場合には更に、正規のディスクIDを持つ光磁気ディスク100がディスクドライブに装填されているかを判断して、正規の光磁気ディスク100が装填されていないときにはユーザに正規の光磁気ディスク100の装填を促すように図23に示す警告メッセージを表するようになっている。このときユーザは指示された光磁気デスクを装填するようになっている(図14、ステップS141)。
【0083】
更に、後に説明するように、特定の文書画像データと他の特定の文書画像データが内容的に関連性を持っている場合がある。この時には上記したように、属性管理テーブルT10にリンク情報が登録されている。そこで、上記のように文書管理手段3が特定の文書画像データの文書IDを得た時点で、あるいは、蓄積メディアを特定した時点で、該文書IDに対応する文書画像データとそれにリンクする文書画像データをコントロールパネル92に表示して、改めてどの文書画像データを選択するかをユーザに問うようになっている(図14、ステップS142→S143)。
【0084】
ここでユーザが希望する文書画像データを選択すると該選択された文書画像データがこれから処理される文書画像データとなる。また、リンク情報がないときは最初の文書IDで特定される文書画像データがこれから処理される文書画像データとなる(図14、ステップS142:N)。
【0085】
〔HDDからの文書画像データ取り出し処理〕
次に、上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データを取り出す(プリント)場合について、以下図に基づいて説明する。
【0086】
ユーザは、上記各実施例の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると、図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて文書取り出しモードを選択すれば、図20に示す文書取り出し画面が表示されるので、プリント部数、文書ID入力方法(文書IDマークに基づいて文書ID入力するか、文書IDを文字列で入力するか)、および取り出した文書に文書IDマークを合成するか否かを指定し、スタートキーKsを押す。これによって、部数は出力手段9に設定される。また、文字列で文書IDが入力されたときは該文書IDは文書管理手段3に通知され、文書IDマークが付加された表紙原稿を使用する場合は画像読み取り手段13が起動して上記表紙原稿を読み取り、上記の手順で文書IDを決定する(更に、必要に応じてメディアチェック、リンク情報のチェックがなされる)。
【0087】
上記のようにして文書画像データが特定されると、図15に示すプリント処理に移行する。
すなわち、出力文書に文書IDマークを印刷することが指示されていない場合は、以下のエンコード処理、文書IDマークの設定処理をしないで、プリント処理に移行する(図15、ステップS151N→S160)。文書IDマークを印刷することが指示されている場合は、まず、目的とする文書が読み出される前に、上記のようにして得られた文書IDが文書管理手段3を介して文書IDエンコード手段4に入力されて、ここで、文書IDマークにエンコードされる(図15、ステップS151Y→S152)。この文書IDマークはパターン合成手段8にダウンロードされる(図15、ステップS153)。
【0088】
以下図15のステップS154に示すように、図12で説明したプリント処理(コピー処理における2部目以降のプリント処理)と同様の手順でプリント処理が実行されることになる。
【0089】
プリント対象の頁が最終頁であるときに、文書IDマークと目的の文書画像データとを合成し、プリント処理することになる。尚、出力文書に文書IDマークを印刷することが指示されていない場合は、パターン合成回路103への文書IDマークの設定処理を行わないので、パターン合成処理(図12ステップS44)を実行しても、文書IDマークは印刷されないことになる。
【0090】
ここで、上記マルチプレクサ76は当然のことながら2値画像データD6 を選択し、伸長回路81を介して入力されるメモリ79に記憶された1頁分の画像データをリアルタイムで出力することになる。また、メモリ79に記憶された1頁分の画像データの出力と、HDD97よりメモリ79への書き込みは並列処理が可能となる。
【0091】
以上のように一つの文書画像データの取り出し終了後、上記ADF30上にさらに文書IDマーク付き原稿がある場合は、上記ADF30により原稿台31に次の原稿がフィードされる。以降の処理は、上記の処理と同じである。
【0092】
このように、上記文書IDマーク付きの表紙原稿を、上記イメージスキャナ部Aにより読み取ることにより、蓄積された文書画像データ全頁を容易に取り出す(プリント)ことができる。さらに、取り出したい文書画像データが複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き表紙原稿を上記ADF30に載置することにより、一括処理で取り出すことができる。
【0093】
〔ファイリングされた文書画像データのファクシミリ送信処理〕
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データをファクシミリ送信する場合について、以下図に基づいて説明する。
【0094】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて“蓄積文書FAX”モードを選択し、送信先FAX番号、文書ID入力方法指定する。
【0095】
この場合も文書の指定は、上記文書指定手順をそのまま使用できるので、ここでは説明を省略する。また、上記アクセス権をチェックした後(更に、必要に応じてメディアチェック、リンク情報のチェックがなされる)の文書画像データのファクシミリ送信処理は、メモリ79に1頁分ずつの文書画像データが読み出されると、該画像データを順次ファクシミリ送信するに過ぎないので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0096】
以上のように、上記文書IDマーク付きの表紙原稿を上記イメージスキャナ部Aにより読み取ることにより、または文書IDを直接キーにより指定することにより、蓄積された文書画像データを容易にファクシミリ送信することが可能である。また、ファクシミリ送信したい文書画像データが複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を上記ADF30に載置することにより、複数の蓄積された文書画像データを一括処理でファクシミリ送信することができる。
【0097】
〔リムーバブルメディアへのファイル文書移動/コピー処理〕
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データを例えば光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアに移動またはコピーする場合の処理について、以下図に基づいて説明する。
【0098】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザは“蓄積文書処理”モードを選択すると、図21で示す蓄積文書処理選択画面が表示され、「ファイル移動」または「ファイルコピー」を選択する。次に、「ファイル移動」を選択した場合は図22に示す「ファイル移動指示画面」が、また「ファイルコピー」を選択した場合は図24に示す「ファイルコピー指示画面」が各々表示される。この「ファイル移動指示画面」または「ファイルコピー指示画面」において、処理文書の指定方法と、移動先またはコピー先を選択する。ここで移動先またはコピー先は、リムーバブルメディア(RMD)を指定する。
【0099】
なお、文書IDの入力方法ついては、上記HDDからの文書画像データ取り出し処理における文書取りだし方法と同じであり、ユーザは文書IDを文字列(あるいは数字列)で入力あるいは文書IDマーク付き表紙原稿をADF30上に載置した後、スタートキーKsを押す。
【0100】
これによって、特定の文書IDが得られると、該文書IDで特定される文書画像データがHDD97の文書蓄積領域7より登録・転送手段Xによって読み出されて光磁気ディスク100へ移動される。尚、上記文書ID決定の過程で、ここでも、上記HDD97からの文書画像データ取り出し処理と同様にアクセス権のチェックを行う。
【0101】
ファイル移動時においては、ユーザ認証時のユーザIDと、処理を行う文書画像ファイルの上記属性情報の「ユーザID]とが一致している場合のみ、登録・転送手段Xは上記文書画像データを光磁気ディスク100に移動する。すなわち、移動処理をするとHDD97には元の文書画像データが残らないことを考慮したものである。一方、ファイルコピー時においては、ユーザ認証時のユーザIDに対して、上記処理を行う文書画像データへのアクセスが許可されている場合に、上記登録・転送手段Xは上記文書画像データを光磁気ディスク100にコピーする。
【0102】
次に、ファイル移動時、ファイルコピー時ともに上記文書管理手段3は、上記処理を行う文書画像ファイルの文書IDに基づいて上記HDD97をアクセスして、上記属性管理テーブルT10より属性情報を読み出し、光磁気ディスク100に属性情報を蓄積する。
【0103】
上記光磁気ディスク100には、あらかじめメディアIDがファイル(以下、メディアIDファイルという)として蓄積されており、上記文書管理手段3は該メディアIDを上記光磁気ディスク100から読み出し、上記属性管理テーブルT10の「メディアID」フィールドに上記メディアIDを書き込む。図7に示す上記属性管理テーブルT10の内容の例では、文書ID=00000004の文書画像データは、メディアID=0001の光磁気ディスク100に移動されたことを示している。
【0104】
上記光磁気ディスク100に上記メディアIDファイルが存在しない場合、上記文書管理手段3は新たなメディアIDをファイル内容とするメディアIDファイルを、その光磁気ディスク100に作成する。ここで、上記文書管理手段3は使用済みのメディアIDをユーザID毎に管理しており、すでに最後に生成したメディアIDをインクリメントして新たなメディアIDを生成する。
【0105】
以上の処理を行うことにより、HDD97からリムーバブルメディアである光磁気ディスクへの移動/コピーを簡単に行うことができ、複数の文書画像ファイルの移動/コピーも文書IDマーク付きの画像をスキャナ部で読ませることにより一括して行うことができる。さらに、リムーバブルメディアに移動した文書画像ファイルの管理を行うことができる。
【0106】
〔リムーバブルメディアよりのファイル文書取り出し処理〕
次に、上記光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアにファイリングされた文書画像データを取り出す(プリント)場合について、以下図に基づいて説明する。
【0107】
ユーザは、上記コピー処理の場合などと同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて文書取り出しモードを選択し、プリント部数、文書取り出し方法、および取り出した文書に文書IDマークを合成するか否かを指定し、光磁気ディスク100を光磁気ディスクドライブ99に挿入する。
【0108】
この場合も文書IDマークを使用する場合と文字列(あるいは数字列)の文書IDを使用する場合があるが、いずれの場合の処理も上記図14に説明で記述した通りであるのでここでは詳しい説明を省略する。
【0109】
HDD97からの文書取り出しと異なる点はアクセス権の確認後、メディアIDを確認し、正規の光磁気ディスクをドライブ99に装填する手順を必要とする点である。
【0110】
このようにメディアIDの一致を確認した後、図15に示すように、文書IDマーク付き文書を希望する場合は、対応する文書IDマークを画像合成回路103にダウンロードした後、印刷処理に移行する。この印刷処理は図12に示す印刷処理(HDD97よりの2部目以降の印刷処理)と同じであるのでここでは説明を省略する。
【0111】
以上のように、本発明によればリムーバブルメディア(光磁気ディスク100)に蓄積された文書画像データを容易に取り出すことができる。さらに、その文書ファイルが、どの光磁気ディスクに蓄積されているか不明になった場合でも、そのリムーバブルメディアのメディアIDを特定し、ユーザに知らせることができるので、操作性が向上する。
【0112】
〔文書IDマーク付き原稿のコピー動作〕
次に、本発明のディジタル複合機において、すでに文書IDマークの付いた原稿を登録(あるいはコピーと同時に登録)する場合がある。例えば、ある文書を1度HDD97に登録し、文書IDマークの付いた原稿を得た後、該文書IDマークの付いた原稿に修正を加えて再び登録する場合である。この場合、最初に登録した文書と後から登録した文書に管理上何らかの関連性をもたせておくと、ユーザは該2つ(複数)の文書の該関連性を確認しながら目的の文書を出力(ファクシミリ送信を含む)することができる。
【0113】
以下、図16は1部コピー時のコピー処理フロー図である。また、このときの入力画面は前述の図9を用いるものとする。以下図面を参照して文書IDマークがすでに付加されている原稿の1部コピー動作と同時に読み取り原稿画像を蓄積する場合の、画像信号の流れを説明する。
【0114】
ユーザ認証、コピー条件/アクセス権設定などの手順については、前述した通常のコピー動作と同様であるので、詳しい説明を省略する。入力画面として図9を使用するが、通常のコピー処理では文書IDマークが付加されていない文書を扱うが、この場合は文書IDマーク付き文書(あるいは数字列または文字列で文書IDを入力する場会)を扱うので、文書ID入力方法が指定される。
【0115】
更に、図11に示した文書IDの生成とプリント、記憶処理(図11、ステップS29〜S36)は、図16においても同じであるのでここでは説明を省略する(図16、ステップS49〜S56:参照)。また、ADF30に残りの原稿があるときの処理(図11、ステップS37→S38)も、図16ステップS57→S58に示すように同じであるのでここでは説明を省略する。
【0116】
ADF30が最後の頁をフィードして、その文書画像データが読み込まれると、文書IDデコード手段5は文書IDマークが存在するか否かをサーチして、存在する場合は、該文書IDマークをデコードして文書管理手段3に渡す。これによって、文書管理手段3は図7に示す文書管理テーブルT10に以下の書き込みをする。すなわち、現在読み込んでいる文書IDに対応する“リンク先フィールド”に新しく登録された文書IDを書き込み、新しく登録された文書IDに対応する“リンク元フィールド”に元の文書(現在読み込まれている文書)の文書IDを書き込むことになる(図16,ステップS57〜S60)。
【0117】
上記デコード処理において、文書IDマークをデコードができない(文書IDマークが存在しない場合を含む)場合は、上記に説明した通常のコピー処理と同じ手順となる。従って、説明の都合上、図11に通常のコピー処理を単独で示したが、より一般的には、通常のコピー処理、文書IDマーク付き原稿のコピー処理とも、図16に示す手順で処理することになる。
【0118】
図7の文書属性テーブルT10の内容の例では、プリントされた文書ID=00000004の文書を原稿として、再度コピー動作とともに登録された文書(文書ID=00000005)には、「リンク元」情報が付加され、文書ID=00000004 の文書には「リンク先」情報が付加されている。
【0119】
以上の処理により原稿の1部コピーが完了する。複数部コピーの場合は、前述の[コピー処理]の2部目以降と同じであるので、説明を省略する(図12参照)。また、すでに蓄積された文書(文書IDマークを持つ文書)を、FAX送信する場合も同様に、もとの文書ファイルの「リンク先」属性に、新たにファイリングする文書の文書IDが書き込まれ、新たにファイルされる文書の「リンク元」属性に、すでにファイリングされた文書の文書IDが書き込まれる。
【0120】
以上の構成により、本発明のディジタル複合機では、すでにファイリングされている文書原稿に、手書きでメモやコメントなどを書き加えて、再度その文書をファイリングする場合、その変更履歴を文書属性情報として、記憶することができ、ファイリングされた文書のバージョン管理が可能となる。
【0121】
〔リンク情報のある文書の取り出し動作〕
以上のようにして登録されたリンク情報を持った文書画像データは以下のように利用することが可能となる。
【0122】
図14において説明したように、画像読取手段13より文書IDマークがあるいはコントールパネル92上から文字列で文書IDが入力される。この文書IDは文書管理手段3に渡され、該文書管理手段3は文書属性テーブルをアクセスして、上記文書IDに対応する「アクセス権」「リンク先」および「リンク元」属性情報を抽出する。
【0123】
文書管理手段3は、上記「リンク先」「リンク元」情報を元に、上記入力された文書IDに関連する文書があり、かつ、それらの文書がユーザに取り出し可能な「アクセス権」がある場合は、関連する文書の一覧を、コントロールパネル92に表示する(図14、ステップS142:Y)。コントロールパネル92での関連文書の一覧表示状態を、図19に示す。ユーザは、関連文書を取り出したければ、その番号をテンキーで入力し、スタートキーを押す。また、入力した文書IDの文書を取り出したいときは0をテンキーで入力し、スタートキーKsを押す(図14、S143)。
【0124】
このように取り出したい文書が特定されるとその後の印刷処理、ファクシミリ送信処理は図15、図13で説明した通りであるで、説明は省略する。
以上のように、文書IDマーク付きの画像(すでにファイリングされている文書)が、再登録(リファイリング)された場合のリンク情報を文書属性テーブルT10に記憶しているので,文書取り出し時には、そのリンク情報を参照して、関連する文書を指定して取り出すことができる。
【0125】
〔文書画像データの結合、削除処理〕
まず、図7に示す属性管理テーブルT10は、更に詳しくは各文書を構成する頁毎の繋がり状態を記録するようになっている。その部分のみ抽出して表示すると、図26のようになる。すなわち、文書ID00000001の文書の1頁と2頁がリンクしている旨の文書内リンク記号54a、文書ID00000003の文書の1頁、2頁、3頁がそれぞれリンクしている旨の文書内リンク記号54b、54cが付されている。
【0126】
この状態で、まず、2つの画像データを連結させて1つの画像データとして扱えるようにする画像データの結合処理について図17に基づいて説明する。
まずユーザは、コントロールパネル92の図8に示すモード選択画面より、“蓄積文書処理”を選択しこれによってコントロールパネルに現れる図21の画面より“ファイル結合”を選択する。これによって、画像データの結合処理を行うことを指定する。その後、すでに登録されている画像データの第1の表紙原稿と第2の表紙原稿をADF30上に載置して2次元バーコードを読みとらせて文書IDデコード手段5でデコードして文書IDを得る。このデコードまでの手順は上記図113に記載の手順と同じであるので説明を省略する(図17、ステップS141〜143)。
【0127】
このように2文書に対応する文書IDが得られると、図27に示すように文書管理手段3が上記2文書の第1の文書の最終頁と、第2の文書の最初の頁をリンクする新たな文書内リンク記号54dを生成する(図17、ステップS144)。ここで、上記2つの文書に共通の新たな文書IDとしては上記第1の文書の文書IDを使用するようにすると、該新たな文書IDに対応する文書IDマークが文書IDエンコード手段4で生成され、パターン合成手段8で、該文書IDマークと新たな文書の第1頁に合成されて表紙原稿が印刷されることになる(図17、ステップS145〜S147)。
【0128】
このとき、図27において、文書ID記憶領域に記憶されている第2の文書の文書ID3の情報は残ったままであるので、文書ID00000003で検索されたときには上記第2の文書の1頁から3頁までの画像データが参照される点は、結合処理を行う前と同じであるが、文書ID00000001で検索されたときには、第1の文書(文書ID00000001)の1頁、2頁、第2の文書(文書ID00000003)の1〜3頁の計5ページの画像データが連続して取り出されることになる。
【0129】
以上の処理で、2つの文書に対応する画像データを結合させる処理が完了する。ここでは、2つの文書の画像データを結合するものとして説明したが、3つまたはそれ以上の文書の画像データを結合させることもできる。
【0130】
また、画像データの結合処理を行う他の方法としては、図28に示す方法がある。
すなわち、文書管理手段3は指定された上記の2文書の属性データをそれぞれHDD79の空き領域に指定された順にコピーし、該2つの文書に共通の新たな文書ID(ここでは文書ID00000004)を取得する。それとともに、上記第1の文書の各頁と第2の文書の各頁が連続するように文書内リンク記号54e〜54hを生成する。
【0131】
上記において、結合される複数の文書を特定するための文書IDを得るために、表紙原稿を画像読取手段13に読み取らせる方法を用いたが、上記した他の処理と同様、コントロールパネル92より直接文書IDを入力することでもよいことはもちろんである。
【0132】
次に、表紙原稿を用いた画像データの削除処理について説明する。このときの処理の流れを図18に示す。
まずユーザは、コントロールパネル92のテンキー803を用いて、図8のモード選択画面で“蓄積文書処理”を選択し、次いで、図21の画面で“ファイル削除”を選択する。削除対象となる文書画像が特定されるまでの手順は上記の各モードろお内示であるので説明を省略する。文書管理手段3は文書IDを受け取ると、登録・転送手段Xに該文書IDを渡し、該登録・転送手段Xが文書画像領域7より対象の画像データを読み出し、その縮小図をコントロールパネル92に表示する。あるいは文書管理手段3が抽出した画像データの属性データをコントロールパネル92で表示することになる(図18、ステップS151〜S153)。このように表示された縮小図、あるいは属性情報を確認してユーザが了解キー(図4等のコントロールパネル92には示されていないが、たとえばスタートキーKsを代用することができる)を押すことによって、削除処理が完了する。
【0133】
ここで、削除する画像データが複数あるときには、以上の処理を複数回繰り返す。
以上の処理で、削除対象の画像データの確認が行われた全ての文書IDに対応する画像データの削除処理を行う。
【0134】
ここで、削除した画像データに対応する文書IDは属性テーブルT10から削除されるが、すでに表紙原稿が印刷されているので、同じ文書IDは再利用出来ないようにする。よって、1つの識別コードに対応する画像データは1つだけであることが保証される。
【0135】
〔遠隔地ファクシミリによる取り出し〕
ユーザが出張先で自分の使用するディジタル複合機に格納されている文書画像データが必要になったとき、該出張先のファクシミリを使用して自分の使用するディジタル複合機に指示をして目的とする文書画像データを得ることができる。
【0136】
このとき、文書画像データを特定するために、上記表紙原稿に付された文書IDマークを使用するようになっている。
一般にファクシミリによる解像度は低いことから、表紙原稿に付される文書IDマークが小さいと、解読不能になることが多い。そこで、ユーザは遠隔地のファクシミリよりの伝送要求をする可能性のあるときには、予めサイズの大きな文書IDマークが付された表紙原稿を所持する必要がある。
【0137】
そこでユーザは出張等に先立って、上記図8に示したモード入力画面より“文書取り出し”を選択し、次いで、図25に示すように部数指定画面を表示する(図20は図25を説明に沿って簡略化した図である)。ここでユーザは上記の各例と同様、入力方法(マーク付き表紙を使用するのか文字列の文書IDを使用するのか)を入力するとともに、マーク付加の欄は“する”を選択する。“する”を選択したときはマーク大きさの欄で“大”を選択し、部数の欄は表紙原稿部数の欄に希望する部数を入力する。
【0138】
更に、必要ある場合は、後に説明するアクセス権を制限する例えばパスワードを入力し、この後にスタートキーKsを押す。
この後の印刷処理は図15(図12を含む)に示した処理と全く同じであるが、最終頁以外の頁に関する文書画像データは読み出されないようにすると、表紙原稿のみ印刷することができるとともに、文書IDエンコード手段4はエンコード処理(図15、ステップS152)において大サイズの文書IDマークを生成することになる。
【0139】
図6は上記の手順で作成された大サイズの文書IDマーク付き表紙原稿の一例であり、この例では小サイズの文書IDマークと、大サイズの文書IDマークの両方を持った表紙原稿を示しているが、大サイズの文書IDマークのみを付した表紙原稿としてもよい。
【0140】
図13は文書IDマーク付き画像データをファクシミリを使用して受信して対応する画像データを折り返し送信する際のフロー図である(通常のファクシミリ受信の手順も含まれている)。アクセス権の処理手順を除いて、文書の特定は図14(ステップS131〜133)で示した手順と略同様であるが、通常のファクシミリ受信と本実施例による折り返し送信の場合とを区別する必要がある。
【0141】
すなわち、通常のファクシミリ受信は最初の頁に文書IDマークが付加されていないので、文書IDデコード手段5での文書IDデコード処理(ステップS114)でデコードはできないことになり、通常のファクシミリ受信に移行する。上記文書IDデコード処理でデコードが成功すると、該文書IDに基づいて登録・転送手段Xが対応する文書画像データを読み出してCCU93に転送しファクシミリ送信する。尚、図13に示す例ではすべての頁に文書IDマークが付されているかもしれないことを勘案して、全ての頁に対して文書IDのデコードを試みている(図13、S112)。
【0142】
上記の方法によると、上記コピー処理等の冒頭で処理されるユーザの入力がなされないため、アクセス権を有しない者が、上記表紙原稿を何らかの方法で入手し、遠隔地のファクシミリから伝送した場合であっても、自由に特定の文書を取り出すことが可能となる。そこで、以下のようにアクセク権を制限することができるようにする。
【0143】
すなわち、上記図25の画面でパスワードを入力する。このように入力されたパスワードは文書IDエンコード手段4で文書IDマークにエンコードされるともに、文書管理手段3が属性管理テーブルT10に登録するようにする。これによって、該パスワードも含めた文書IDマークが生成される。
【0144】
このように生成された文書IDマークを付した表紙原稿が遠隔地のファクシミリから伝送されると、上記図13で説明したように文書の特定がなされるが、このとき、パスワードの照合も行い、該パスワードを含む文書IDマークを付した表紙原稿を有する者にのみアクセスを許可するようにする(図13、ステップS115)。
【0145】
尚、上記パスワード付き表紙原稿は、上記のように遠隔地のファクシミリからの取り出し要求だけでなく、ユーザ認証なしで文書取り出しするときにも有効となる。例えば、ユーザIDを入力するための磁気カードが手元にない場合であっても文書取り出しが可能となる。
【0146】
尚、上記の例で使用される原稿は1枚であるとしたがこれに限るものではない。例えば、原稿が3枚から構成されるような場合、画像データとしては3枚の画像を一つのファイルとして記憶装置に記憶し、文書IDマーク付き画像としては1ページ目だけを印刷すればよい(図25の入力画面で部数の欄を0、表紙原稿部数の欄に必要部数セット)。また、3枚の画像を縮小して合成して1枚の画像としこれを文書IDマーク付き画像として印刷してもよい。
【0147】
尚、本実施の形態では図6に示すように大サイズIDマーク付き画像401は通常の文書取出し用として文書IDマーク402を備えているが、遠隔地でファクシミリを使用して文書取出しを行うためだけならばこれは必要ではない。また、通常の文書取出しで大サイズ文書IDマーク403を文書IDデコード手段5がデコードするようなアルゴリズムにしても文書IDマーク402は不要となる。
【0148】
上記の実施の形態では、画像データ記憶領域7に蓄積した画像データをアクセス権管理して画像データの取り出し等のアクセスを特定のユーザーのみに解放して画像データの漏洩を防ぐとともに、文書IDマーク付き画像を所有するユーザーのうちアクセスを許されたユーザーのみが簡単に文書取出しを行うことができる。
【0149】
また、ファクシミリで文書を取り出す際にも、文書IDマーク付き画像を所有するユーザーのうちアクセスを許されたユーザーのみが簡単に文書取出しを行うことができることになる。
【0150】
〔文書IDマークの位置〕
以上説明したように、文書IDマークは文書取り出し等の処理をする際に、対象となる文書を指定するために用いる。従って、文書IDマークの表紙原稿上での位置が判っているのと、該文書IDマークの読取精度と速度を向上させることができる。
【0151】
以下、文書取り出しのモードでの原稿読み取りを例に以下説明する。
まず、HDD97には図29に示すように、印刷用紙サイズ、原稿内容の向き(ポートレイトかランドスケイプか)と文書IDマーク印刷位置との関係をマーク位置テーブルT20に登録しておく。尚、図29の数字は図30(a),(b) に示すように用紙の左上を原点に前半がX(横)方向、後半がY(縦)方向であり単位はmmである。尚、図30(a) はポートレイト原稿601を示し、図30(b) はランドスケイプ原稿602を示している。
【0152】
更に、原稿文書を登録するとき(コピー処理、あるいは単なる登録処理)時に原稿の方向がポートレイトかランドスケープかを図31の画面より設定しておく。次いで、画像読取手段13が作動すると、原稿サイズ検知手段204も同時に作動させて原稿のサイズを検出する。これによって、図30に示すように原稿サイズと原稿内容の方向〔ポートレイトかランドスケープ(ランドスケープにしたときはサイズの後にRを付加している)〕かが、文書管理手段3によって属性管理テーブルT10に登録されるようになっている。
【0153】
この状態で、文書取り出しモード(文書全体、あるいは表紙原稿のみの取り出し)にて、IDマーク付き表紙原稿より、あるいは、コントロールパネル92より直接文字列(あるいは数字列)で文書IDが入力され、更に、印刷用紙のサイズが図20(または図25)の画面より入力され、スタートキーKsが押されると、文書取り出し処理が開始する。
【0154】
このとき、文書IDエンコード手段4に上記マーク位置テーブルT20の内容と用紙サイズが設定されるとともに、出力手段9にも用紙サイズが設定される。
文書取り出し処理におけるエンコード処理において、上記文書IDエンコード手段4は文書IDマークを生成するとともに、用紙サイズに応じた配置位置をマーク位置テーブルT20から取得する。次いで、該文書IDエンコード手段4は上記文書IDマークと位置情報をパターン合成手段8に渡すようになっている。これによって、目的とする文書の各頁が印刷されることになり、表紙原稿の印刷時には、印刷用紙のサイズに応じて上記マーク位置テーブルT20に設定された位置に文書IDマークが印刷されることになる。もちろん、上記図25の画面より、表紙原稿部数のみを指定(部数欄0)表紙原稿のみ出力することもできる。
【0155】
蓄積画像サイズ(従って原稿のサイズ)がA4サイズであり印刷用紙がA4である場合の例は上記図5に示す通りであり、マーク位置テーブルT20に指定された位置に文書IDマークが印刷される。また、図32は蓄積画像402のサイズがA4サイズであり印刷用紙401がB4である場合の印刷例であり、この場合にもマーク位置テーブルT20で指定された位置に文書IDマーク403が印刷される。
【0156】
以上の手順で印刷された文書IDマーク付きの表紙原稿は、文書取り出し等の処理をするときに目的とする文書を指定するときに使用されることは上記した通りである。このとき、文書IDマークの位置が特定されているので、画像読取手段13は不要部分にマスクを掛けてスキャンするとともに、該マスク部分を読み飛ばすことができ、読取速度、文書特定処理を著しく早くすることができることになる。
【0157】
原稿画像を天地逆に登録していることも考えられるが、このときは、上記文書IDマークは印刷用紙の右上に位置することになる。このような場合であっても、文書IDデコード手段5によるデコード位置の順序を左下→右上とすると、読取画像全面をサーチするより遙かに早い速度で文書IDを決定できることになる。
【0158】
上記において、文書内容の方向(ポートレイト、ランドスケイプイ)は属性管理テーブルT10が保持する画像情報データに記録されているものとしたが、画像データ記憶領域7に記憶した画像データとともに記録することもできる。
【0159】
また、上記の説明では識別コードの位置は画像の左下としたがこれに限るものではない。例えば、綴じ代として左側に余白を開けている画像の場合、左上文書IDマークを配置すると、画像情報を損なう確率が少なくなるという効果が得られる。
【0160】
更に、上記の説明ではマーク位置テーブルT20で特定される文書IDマークの位置は一意的に定まるものとしたがこれに限るものではない。例えば原稿の種類によっては識別コードの位置を左上にしたり右下にするような機能を備えた画像情報処理装置では識別コード位置を複数マッピングするようにしてもよい。
【0161】
また、上記の説明では画像データサイズと印刷用紙サイズが異なる場合、印刷用紙の左上基準で画像データを配置したがそれに限るものではない。例えば、右上基準や中央基準でもよい。
【0162】
上記の例では、コントロールパネル92で文書の方向(ポートレイト、ランドスケイプ)の別を入力するようになっているが、以下のように入力することによって、該入力を省略することができる。
【0163】
すなわち、まず、図30(c),(d) に示すようにADF30への原稿の載置方向をポートレイト原稿の場合とランドスケイプ原稿の場合とで90°異ならせるようにする。ついで、原稿読取時に原稿サイズ検知手段204が検知した横方向、縦方向のサイズに基づいて文書内容の方向(ポートレイトかランドスケイプか)の判断をして文書管理手段13に入力する。文書管理手段13は上記原稿サイズ検知手段204が検知した原稿サイズと方向に基づいて文書内容の方向を属性管理テーブルT10に登録することになる。
【0164】
以上に述べた方法により、ユーザーが紙の置き方を変えるだけで原稿向きを文書管理テーブルT10に保存することができるので、当該ディジタル複合機を操作するコントロールパネル92より原稿向きを入力するといった煩雑さを避けるという効果を持つ画像情報処理装置を提供することができる。
【0165】
なお、コントロールパネル92より原稿内容の向きを入力する方法と、上記のように原稿内容の向きに応じてADF30上に載置される原稿の方向を換えるようにする方法とを併用することもできる。すなわち、ADF30に縦置き、横置きどちらでも置けるような紙サイズの場合には後者の方法を、紙サイズが大きく、ADF30に縦置き、横置きどちらかの置き方しか置けないような場合にはコントロールパネル92から原稿内容向きを入力する。これによって、原稿サイズが小さいときは煩わしいパネル操作のない自動認識を行うことができ、原稿サイズが大きいときは操作パネルを使用して確実に原稿内容向きを入力するというユーザーにとって非常に利便性の高いディジタル複合機を提供することができる。
【0166】
〔表紙原稿の種類、部数の設定等〕
上記において表紙原稿は全て文書の第1頁に文書IDマークが付加されたシートを意味した。しかしながら、表紙原稿の態様としては、例えば、図33に示すように、文書属性を表示した用紙に文書IDマークを付加したシートを考えることができる。この場合、例えば図11のフロー図の最後の頁を判断するステップと、文書IDマークをパターン合成回路に設定するステップ(ステップS34、ステップS35)は省略され、ADF30に原稿が搭載されていないことを確認してから、上記表紙原稿が印刷される。すなわち、図11のステップS37の判断がNOのとき、文書管理手段3が属性管理テーブルT10より属性データを読み出すとともに、文書IDマークをパターン合成回路103に設定し、両者の合成画像を印刷する。また、図12においても、ステップS43、S44が省略され、上記合成画像の印刷処理が、ステップS46とS47の間に実行されることになる。
【0167】
また、上記において、図20の本体部数設定欄でM(M:自然数)が設定されると、表紙原稿と表紙原稿以外の組の文書画像がM組印刷される例のみを示した。しかしながら本発明は、印刷部数について以下のような態様を考えることができる。
【0168】
例えばコントロールパネル92の入力画面を図25に示すように、本体(指定された文書の1頁から最終頁)の部数を設定する“本体部数”の欄と、表紙原稿の部数を設定する“表紙原稿部数”の欄を設けるようにする。ここで、表紙原稿の取り出しを目的とする場合は“本体部数”として0、あるいは内容を確認するのであれば1を設定し、“表紙原稿部数”としてMを設定する。
【0169】
文書取り出しのときは、上記したように図14のの手順で文書の特定処理を実行した後、図15の取り出し処理に移行するようになっている。ここで、本体部数が0以外であるときは図15のステップS154(すなわち図12の手順)を実行して必要部数の印刷をする。“本体部数”の設定数の印刷を終えると、改めて1頁のみ、あるいは属性データのみを読み出して、文書IDマークと合成して、所定の部数設定するようにするとよい。本体の第1頁に文書IDマークを印刷しないときは、図25の“マーク付加”の欄で“しない”を選択すればよい。
【0170】
これによって、ユーザは必要部数の文書本体と、表紙原稿を得ることができることになる。
以上の説明において対話型操作手段(コントロールパネル92+入力制御手段92a)10は本ディジタル複合機に備付けとしたが、LANを介して接続されるマイクロコンピュータにその機能を持たせて遠隔操作することも可能である。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、ユーザは、原稿画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、コピー動作、FAX受信、FAX送信およびリモートプリントとともに自動的にファイリングすることができるとともに、文書IDマーク付きの文書画像を得ることができる。この文書IDマークの用紙上の位置は自動的に決定される。
【0172】
また、文書IDがエンコードされた文書IDマーク付きの文書画像を,スキャナ部により読み取ることにより、蓄積された元の文書画像データ全部を容易に取り出すことができる。さらに、取り出したい文書画像が複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を、ADFに載置することにより、一括処理で取り出すことができる。
【0173】
さらに、文書IDがエンコードされた文書IDマーク付きの画像を,スキャナ部により読み取ることにより、蓄積された元の文書画像データを容易にFAX送信することができ、FAX送信したい文書画像が複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を、ADFに載置することにより、複数の蓄積された画像を、一括処理でFAX送信することができる。更に、遠隔地のファクシミリから上記文書IDマーク付き文書画像が伝送されたときであっても、該文書IDに対応する文書画像データを折り返し伝送することができる。
【0174】
上記のように文書画像の登録時や、取り出し時に必要な文書IDマーク付きの文書画像あるいは、それ以外の文書画像の部数の設定は自由に行うことができる。
【0175】
加えて、本ディジタル複合機は、HDDからリムーバブルメディアである光磁気ディスクへの移動/コピーを簡単に行うことができ、複数の文書の移動/コピーも文書IDマーク付きの画像をスキャナ部で読ませることにより一括して行うことができる。さらに、リムーバブルメディアに移動した文書画像データの管理を行うことができる。
【0176】
また、リムーバブルメディアに蓄積された文書画像データ取り出す際、その文書ファイルが、どのメディアに格納されているか不明になった場合でも、そのリムーバブルメディアのメディアIDを特定し、ユーザに知らせることができるので、操作性が向上する。
【0177】
また、本発明のディジタル複合機では、すでにファイリングされている文書原稿に、手書きでメモやコメントなどを書き加えて、再度その文書をファイリングする場合、その変更履歴をリンク情報として、記憶することができ、ファイリングされた文書のバージョン管理が可能となる。
【0178】
前記バージョン管理機能を用いて、文書取り出し時には、そのリンク情報を参照して、関連する文書を指定して取り出すことができる。
また、文書画像データの結合、削除も自由に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル複合機の主要部のブロック図である。
【図2】本発明のディジタル複合機の画像信号系統を示すブロック図である。
【図3】本発明のディジタル複合機の概略構造を示す側面透視図である。
【図4】ユーザ認証時のコントロールパネルの状態図である。
【図5】文書IDマークが合成された複写原稿画像の図である。
【図6】大サイズの文書IDマークが合成された複写原稿画像の図である。
【図7】文書属性テーブルの内容の説明図である。
【図8】モード選択時のコントロールパネルの状態図である。
【図9】コピー時のコントロールパネルの状態図
【図10】ファクシミリ送信時のコントロールパネルの状態図
【図11】1部プリント出力時のコピー処理フロー図である。
【図12】複数部プリント出力時のフロー図である。
【図13】ファクシミリ受信、ファクシミリ返送時のフローチャートである。
【図14】文書IDを決定するときのフローチャートである。
【図15】文書取り出し時のフローチャートである。
【図16】一般的なコピー処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】文書結合の手順を示すフローチャートである。
【図18】文書削除の手順を示すフローチャートである。
【図19】リンク情報がある場合の文書履歴の表示例を示す図である。
【図20】文書取り出し時のコントロールパネルの状態図である。
【図21】蓄積文書処理のモード選択時のコントロールパネルの状態図である。
【図22】ファイル移動処理時のコントロールパネルの状態図である。
【図23】警告メッセージのコントロールパネルでの表示の状態図である。
【図24】ファイルコピー処理時のコントロールパネルの状態図である。
【図25】文書取り出し時のコントロールパネルの表示の状態図でる。
【図26】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図27】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図28】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図29】マーク位置テーブルの内容を示す概念図である。
【図30】用紙サイズ、文書内容方向を示す概念図である。
【図31】文書内容方向を入力するためのコントロールパネルの状態図ある。
【図32】文書IDマーク位置の例を示す概念図でる。
【図33】文書IDマークが付された文書画像の例を示す概念図である。
【図34】従来例を示すブロック図である。
【図35】従来技術によるバーコードを付した文書を示す概念図である。
【符号の説明】
1 文書画像データ入力手段
2 制御手段
3 文書管理手段
4 文書IDエンコード手段
5 文書IDデコード手段
6 属性記憶手段
7 記憶手段
8 パターン合成手段
9 出力手段
10 対話型操作手段
11 属性表示手段
12 検索手段
13 画像読み取り手段
14 ファクシミリ受信手段
15 プリント画像受信手段
30 オートドキュメントフィーダ(ADF)
91 CPU
92 コントロールパネル
94 FAXモデム
95 公衆回線
97 ハードディスクドライブ(HDD)
99 光磁気ディスクドライブ
100 光磁気ディスク
102 LAN
103 パターン合成回路
A イメージスキャナ部
B レーザプリンタ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機能に関し、特に、画像データの蓄積及び取り出しが可能なディジタル複合機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙文書等をソースとする画像データを光ディスク等に蓄積する、例えば特開昭62−219768号公報に開示されているような電子ファイリングシステムが提案されている。
【0003】
図34は従来の電子ファイリングシステムの構成の一例である。光ディスク記憶装置205に、文書情報や画像情報をあらかじめ登録しておき、検索装置204によって、以下に説明するワークステーション201より与えられた検索条件に一致する文書/画像情報を、上記光ディスク記憶装置205から選択し、出力、転送等の処理ができるようになっている。尚、ここでいう文書情報はいわゆるテキスト情報を指し、本発明が扱うイメージ化された文書画像情報ではない。 ワークステーション201は、文書/画像情報の検索条件を入力し、選択された文書画像情報を表示し、また、編集や印刷等の種々の指示を出すことができる。本発明に関連する処理として上記ワークステーションは登録された特定の文書あるいは画像に対応するアドレス値あるいは文書/画像を特定するIDを、バーコード等のイメージデータに変換し文書/画像と合成して、プリンタ207を用いてプリントすることが可能である。プリントされた文書/画像の例を図35に示す。
【0004】
ユーザは、このバーコードが付加された文書/画像中のバーコード部分を、バーコードリーダ206で読み取らせ、該バーコードリーダ206の出力を受けたワークステーションは,該バーコードをデコードして該当する文書のアドレスあるいはIDを得る。このアドレスあるいはIDを用いて、電子ファイリングシステム204は、光ディスク記憶装置内の対応する文書画像の検索を行うようになっている。
【0005】
これによってユーザは目的とする文書画像データの検索が容易に行うことができることになる。
また、上記バーコードは以下のように利用することもできる。すなわち、画像情報処理装置に蓄積された文書画像(ここではイメージ化された文書を意味している)を遠隔地からファクシミリを使用して取り出すという方法も例えば特開平6−233082号公報に提案されている。
【0006】
すなわち、まず、上記のバーコードを付した文書画像を遠隔地で読み取り手段を用いて読み込ませ、上記バーコードをデコードして文書IDを得る。次いで、該文書IDを該文書IDに対応する文書画像を格納した画像情報処理装置にファクシミリ転送する。そして、該画像情報処理装置より目的とする文書を、最初に文書IDを送信したファクシミリ装置に返送するようになっている。
【0007】
更に、特開平5−328065号公報には、画像情報処理装置に蓄積された複数の画像ファイルを、相互に結合したり、削除したりする、いわゆる編集処理を行うことが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭62−219768号公報に記載された電子ファイリング装置の構成をファイリング機能を持ったディジタル複合機に適用する場合、文書を特定するアドレスあるいはIDに対応するバーコードを文書画像に合成し、このバーコードをバーコードリーダで読み取って、ファイリングされた画像データの取り出しを行うことになる。
【0009】
従って、バーコードリーダが別途必要になり、コスト高になる。さらに、多数のファイリングされた画像データを取り出す場合、取り出したい文書の数だけパーコードリーダで、前記識別コード(バーコード)をバーコードリーダに読み取らせる必要があり、煩わしさを伴う作業となっている。また、画像を蓄積する際には、ユーザは蓄積のためのキーワード付けなどが必要で、パーソナルコンピュータのような、十分なユーザインターフェースを持つことができない複合機では、操作性が悪く使用に耐えない。
【0010】
また、上記特開昭62−219768号公報に記載された電子ファイリング装置では上記バーコードの印刷位置は使用する用紙と関係なく、常時一定の位置に印刷されることになり、使用する用紙が変更されたときにも、用紙サイズを配慮した位置に印刷されないことになる。
【0011】
また、上記特開平6−233082号公報に提案されている、遠隔地のファクシミリより目的とする文書画像を得る方法では、遠隔地のファクシミリ装置が伝送するデータは文書IDであるため、該遠隔地のシステムは上記バーコードをデコードするためにデコーダを必ず備える必要があり、装置価格が高くなる欠点がある。
【0012】
更に、特開平5−328065号公報に記載の画像データの編集方法は、編集対象となる画像を表示装置に読み出して作業をするようになっており、画像データのサイズが大きいときは作業がし難い面があった。
【0013】
本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、文書画像登録と同時に、文書IDマークを付したシート(表紙原稿という)を得ることがきるディジタル複合機を得ることを目的とするものである。
【0014】
また、本発明はより簡単な装置でファクシミリ受信によって得られた文書IDに基づいて、目的とする文書画像をファクシミリ送信できるディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0015】
更に、本発明は印刷用紙サイズに対応した位置に文書IDマークを印刷することができるようにして、文書IDマークのデコードミスを少なくしたディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は文書の結合や削除操作が容易なディジタル複合機を提供することを目的とする。
また、本発明は上記表紙原稿や、それ以外の文書画像の部数の設定が容易にできるディジタル複合機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。まず、本発明は、少なくとも1種の文書画像入力手段1より入力された特定の文書に対応する文書画像データを、少なくとも1種の記憶手段97、100に該文書画像データを特定する文書IDを付して蓄積するとともに、該文書IDを含む属性情報を文書管理手段3で管理し、必要に応じて上記文書IDに基づいて指定された文書画像を出力手段9により出力することができるディジタル複合機を前提としている。
【0018】
上記のディジタル複合機において、まず、文書IDエンコード手段手段4を設けて、上記特定の文書に対応する文書画像データを上記記憶手段97、100に蓄積する際に、上記文書IDに対応する文書IDマークを生成する。ついで、このように生成された上記文書IDマークと上記特定の文書に対応する文書画像とをパターン合成手段8で合成する。この合成画像は文書IDマーク付き文書画像(表紙原稿)として文書画像の蓄積処理とともに、印刷出力されるようになっている。
【0019】
上記文書画像入力手段1としては、スキャナ等の画像読み取り手段13、ファクシミリ受信手段14、コンピュータよりのプリント画像受信手段15等が考えられる。
【0020】
上記文書IDマーク付文書画像(表紙原稿)は、上記特定の文書の特定の頁(例えば1頁目)であってもよいし、あるいは、上記特定の文書の属性情報に対応する文書画像であってもよい。
【0021】
上記文書画像蓄積時の出力手段9による印刷形態としては、上記表紙原稿のみを印刷出力する場合、あるいは、上記表紙原稿を含めた全頁を出力する場合等主事の態様が考えられる。ファクシミリ送信時に文書画像の蓄積を行う場合は、表紙原稿のみの印刷となる。
【0022】
本発明において、上記表紙原稿に付された文書IDマークは、該文書IDマークを文書IDデコード手段でデコードすることによって、対応する文書IDの文書画像を選択することができる。この選択によって、文書画像の取り出し、ファクシミリ送信、複数文書の結合、特定の文書画像の削除等の処理が可能となる。
【0023】
用紙上の一定の位置に印刷されている文書IDマークは文書IDデコード手段でのデコードが容易となり、また、デコードミスが少なくなる。従って、上記表紙原稿に付された文書IDマークは、用紙上の一定の位置に印刷されるのが好ましい。
【0024】
一連の関連ある文書画像が記憶手段97、100に蓄積されるとき、相互に関連があることが判ると、ユーザの取り出し処理等の作業等を容易にする。そこで、蓄積処理において、文書管理手段3で管理される文書IDと、後で入力される文書IDとが同じであるときには、相互にリンクしている旨の記号を両文書画像に属性として持たせるようにする。このように相互にリンクする文書画像は、例えば取り出し処理において、リストで表示されユーザの選択に供される。
【0025】
上記文書IDマークより得られた文書ID、あるいは、対話型操作手段10を用いて入力される文書IDを用いてできる作業には、上記文書取り出しの他、特定種の記憶手段より他の特定種の記憶手段への複写、移動処理あるいは複数の文書画像を相互に結合、更には、特定の文書画像の削除処理がある。
【0026】
これら、処理は対話型操作手段10を構成するコントロールパネルに目的とする文書のリストを表示することによってなされる。
遠隔地のファクシミリ装置より得られた上記文書IDマークによって、対応する文書画像を、上記のファクシミリ装置に返送することも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明が適用されるディジタル複合機の概略構造を示す側断面図である。イメージスキャナ部Aで、オートドキュメントフィーダ(以下、ADFという)30に載置された複数の原稿は、該ADF30によって一枚ずつ原稿台31上に下向きに置かれ、順次走査される。この走査は露光ランプ32より光を照射することによってなされ、原稿からの反射光は各種ミラーとレンズを介してイメージセンサ33上に集束される。
【0028】
レーザプリンタ部Bでは、レーザスキャナユニット41より出射されたレーザ光によって、感光体ドラム34上に静電潜像を形成し、該静電潜像はトナーを吸着して感光体ドラム34上にトナー像を形成する。該トナー像は、記録紙カセット35、36、37等より供給された記録紙に帯電器38が発生する電界により転写され、定着器39によって上記記録紙上のトナーが該記録紙に定着され、ソータ40等に排紙される。
【0029】
図2は本発明が適用されるディジタル複合機の画像信号系統を示すブロック図である。図3に示す上記イメージスキャナ部Aのイメージセンサ8から出力されるアナログ画像信号D1 は、A/Dコンバータ72でディジタル画像信号D2 に変換されて入力画像処理回路74に入力される。該入力画像処理回路74は、ディジタル画像信号D2 に対して、階調補正、MTF補正を含む多値画像信号処理および疑似中間調処理を含む2値化処理を行い、2値画像信号D4 を圧縮回路77に入力する。該圧縮回路77は、上記2値画像信号D4 をMH,MR,MMR,JBIG等の方式によりリアルタイムで圧縮した文書画像データD3 をメモリ79に入力する。また、上記圧縮回路77は、上記2値画像信号D4 を圧縮しない(無符号化信号)文書画像データD3 として出力することも可能である。
【0030】
上記メモリ79は、CPUバス110にも接続され、上記文書画像データおよびCPU91のプログラムを含むワークデータを記憶する。伸長回路81は、メモリ79に記憶された文書画像データD5 を復号し、2値画像データD6 として出力する。マルチプレクサ76は、上記2値画像信号D4 または上記2値画像データD6 のいずれか一方を選択し2値画像信号D7 を出力する。出力画像処理回路84は、2値画像信号D7 の多値画像信号への変換および出力階調特性の補正を行うガンマ補正を行い、多値画像データD8 をパターン合成回路103に入力する。
【0031】
上記パターン合成回路103は、該パターン合成回路103に備えたビットマップメモリに記憶した、以下に説明するようにCPU91により生成された文書IDマーク等のビットマップ画像データを上記多値画像データD8 に合成して、合成画像データD9 を出力する。尚、該パターン合成回路103は、CPU91からの設定によりビットマップメモリ内の画像を合成して出力するか、合成せずに出力するかを選択することが可能である。PWM変調回路87は、多値画像である合成画像データD9 をパルス幅変調しPWM変調信号D10を出力し、該PWM変調信号D10に基づいてレーザドライバ89はレーザプリンタ部B内の半導体レーザを駆動する。
【0032】
上記構成においてマルチプレクサ76が入力画像処理回路の出力である2値画像データD4 を選択し、イメージスキャナ部Aの原稿読みとり処理と、レーザプリンタ部の画像形成処理を同期して行うことにより、リアルタイムで原稿画像のコピー処理が可能となる。
【0033】
CPUバス110に接続されたコントロールパネル92は、タッチパネル付きのLCDディスプレイ、複数の入力キーおよび磁気ガードリーダ(図示せず)を備え、本ディジタル複合機とユーザとのインタフェースとなる。
【0034】
CPUバス110に接続されたコミュニケーションコントロールユニット(CCU)93は、公衆回線95に接続されたFAXモデム94を制御し、CPU91の制御下でファクシミリ通信を行う。また、CPUバス110に接続されたLANコントローラ101は、ローカルエリアネットワーク(LAN)102を介して、該LAN102に接続されたパーソナルコンピュータなどの機器との通信を行う。また、CPUバス110に接続されたIDEコントローラ96は、ハードディスクドライブ(HDD)97を制御し、CPU91の制御下で、HDD97にデータの記憶/アクセスを行う。更に、CPUバス110に接続されたSCSIコントローラ98は、光磁気ディスクドライブ99を制御し、CPU91の制御下で、光磁気ディスク100にデータの記憶/アクセスを行うようになっている。
【0035】
図1は、主として上記CPU91の機能を示す機能ブロック図である。文書画像入力手段1は、上記イメージスキャナAとその制御機構よりなる画像読み取り手段13、ファクシミリ装置(CCU+FAXモデム)とその制御機構よりなるファクシミリ受信手段14、LANコントローラ101とその制御機構よりなるプリント画像受信手段15より構成される。ここで、上記各制御機構はCPU91が受け持つことになる。
【0036】
CPU91は、更に、以下の機能を備える。登録・転送手段Xは、文書画像入力手段1より得られた文書画像データをHDD97に登録(蓄積)したり、HDD97に蓄積された文書画像データを指定された装置(レーザプリンタB、FAXモデム94、光磁気ディスクドライブ99)に転送する。文書IDエンコード手段4は文書画像入力時に文書IDを生成し、文書IDデコード手段5は後に説明する文書IDマークより文書IDを得、また、文書管理手段3はHDD97に登録された各文書画像に対応した属性データの生成管理を行う。また、上記パターン合成回路103の制御機構、レーザプリンタ部Bの制御機構もCPU91が受け持つことになる。更に、表示・入力制御手段92aを備えて、コントロールパネル92に操作上必要な事項を表示するとともに、ユーザより必要事項を入力できる対話型操作手段10を構成するようになっている。
【0037】
〔コピー処理(1部目)〕
次に、上記構成のディジタル複合機において文書画像データのファイリング(蓄積)を原稿のコピー処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。図1は、本発明のディジタル複合機における主要部のブロック図であり、図11は、ADF30に載置された複数組の原稿を1部コピーするときのコピー処理のフロー図である。
【0038】
まず、上記ユーザとCPU91とのインターフェイスとなるコントロールパネル92は、例えば図4に示すように、LCDパネル802上に表示されるテンキーなどの複数のキー803等を用いて所定の事項を入力できるようになっており、上記したように該コントロールパネル92とCPU91の表示入力制御部92aとで、対話型操作手段10を構成するようになっている。
【0039】
ここで、ユーザは図4に示す画面を介して、上記コントロールパネル92を用いて、あらかじめ登録されたユーザIDおよびパスワードを入力することによりユーザ認証を行う。このユーザ認証は、あらかじめ登録された磁気カードを上記コントロールパネル92に接続した磁気カードリーダに読ませることによっても行うことができる。ユーザ認証の具体的な方法は既に公知になっている方法を含めて種々あり、本発明の要旨ではないので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0040】
上記ユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92で“コピー”モードを選択してADF30上にコピーしたい原稿を載置し、続いて図9に示す画面よりコピー枚数、ファイル登録要否選択(HDD97に蓄積するか否か)、ファイル登録されたときの文書画像データのアクセス権、コピー紙サイズ、ズーム率などを設定した後、スタートキーKsを押す。尚、図9における“マーク付き表紙”あるいは“文書ID入力”の欄を使用する場合に付いては後に説明する。また、図1に示す画像読み取り手段13は上記ADF30とその制御手段(CPU91のメカニカル制御部分)より構成される。
【0041】
上記アクセス権は、例えば登録した文書画像ファイルへのアクセスが、文書画像ファイルを登録したユーザのみが許可される“OWNER”、登録された複数のユーザが許可される“GROUP”、任意のユーザに許可される“FREE”の選択が可能である。
【0042】
上記のようにスタートキーKsが押されると、CPU91を構成する上記画像読み取り手段13は上記ADF30に載置された原稿の最後の頁から1枚ずつ原稿台31上にフィードする(図11、ステップS30)。また、上記スタートキーKsが押されたとき、図1に示す上記対話型操作手段10で設定されたアクセス権等の必要なデータが文書管理手段3に通知され、以下に説明する文書管理テーブルを形成することになる。更に、上記スタートキーKsが押されると出力手段9(レーザプリンタBとその制御部を含む)に出力部数が設定されるようになっている。
【0043】
一方、上記原稿が1枚フィードされた時点で、文書管理手段3が起動し、これからファイリングする文書画像データに対応する例えば8桁の数字等からなる装置内IDおよび例えば6桁の数字等からなる装置IDより構成される文書IDを生成する(ステップS31)。この文書IDは、文書IDエンコード手段4に通知され、ここで、例えば2次元の画像パターンである文書IDマークを生成する(ステップS32)。
【0044】
このように生成された文書IDマークは、パターン合成手段8(パターン合成制御部103a+パターン合成回路103)を構成するパターン合成回路103(図2参照)に備えられたビットマップメモリに記憶され、後に説明する文書IDマークを付加した文書を生成する(ステップS33)。
【0045】
上記原稿読み取り処理とともに、画像読み取り手段13を構成する上記イメージスキャナ部Aと出力手段9を構成する上記レーザプリンタ部Bを同期して処理させ、マルチプレクサ76が入力画像処理回路74の出力である2値画像データD4 を選択することで、原稿台31にフィードされた原稿のコピー処理を行い、同時に、圧縮回路77は2値画像データD4 をリアルタイムで符号化しメモリ79に記憶する。
【0046】
このようにメモリ79に一旦記憶された1頁分の符号化された文書画像データは、登録・転送手段XによってIDEコントローラ96を介してHDD97の文書蓄積領域7に順次蓄積される(ステップS36)。ここで、上記HDD97への1頁分の文書画像データの蓄積と、次の符号化文書画像データのメモリ79への記憶は並列処理が可能である。
【0047】
上記画像読み取り手段13は、上記ADF30への原稿のフィードを順次指示し、最後の原稿読み取りまで繰り返す(図11、ステップS34:N、S36,S37.S38の繰り返し)。ただし、ADF30により最後にフィードされた原稿の複写時のみ、パターン合成回路103は、上記ビットマップメモリに記憶された画像、すなわち文書IDマークを読み取り画像に合成する(図11、ステップS34:Y、ステップS35)。
【0048】
これにより、図5に示すように複写文書画像の1頁目(表紙)に、文書IDに対応する文書IDマークが付加された文書画像がレーザプリンタ部Bより出力されることになる(ステップS36)。また、上記ADF30に載置された原稿に対応する文書画像データは、例えばマルチ頁のTIFF(Tagged Image File Format)形式の文書画像ファイルとして、HDD97に蓄積される。このときのファイル名には、例えば上記文書IDを用いることができ、上記文書IDが00000001であれば文書画像ファイルのファイル名は、00000001.tifとなる。尚、上記のように文書IDマークを付した文書を以下表紙原稿という。
【0049】
上記のようにコピー処理が実行されると、該文書を管理するに必要な、上記文書IDを含む属性データが生成され、該属性データはHDD97の属性管理テーブルT10に登録されることになる。この属性管理テーブルT10に関しては後述する。尚、上記において最後の頁よりADF30でフィードするようにしているが、最初の頁よりフィードする構成とすることももちろ可能であり、いずれの場合であっても、1頁目(表紙)に文書IDマークを付加することにはかわりないことになる。
【0050】
〔2部目以降のコピー処理〕
上記コピー処理において、コントロールパネル92より複数部コピーが指示された場合は、上記処理に加えて2部目以降のコピー処理が図12に示すフロー図の如くに処理される。1部目の複写は、上記入力画像処理回路74の出力がマルチプレクサ76を介して直接レーザプリンタBより出力されることになるが、2部目以降はHDD97に蓄積された文書画像データをレーザプリンタBで出力するようにしている。
【0051】
上記画像読み取り手段13が上記、1部目の最後の頁(順番として最後の頁、実際は1頁目)の印刷処理を終えると(すなわち、ADF30に残りの原稿がないことを検出すると)、その旨を登録・転送手段Xに通知する。これによって、登録・転送手段Xは上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データより最終頁から順番に、文書画像データを読み出してメモリ79に記憶する(ステップS41→S42)。次に、伸長回路81で、メモリ79に記憶された1頁分の圧縮画像データが、レーザプリンタ部の記録処理に同期してリアルタイムに復号される。マルチプレクサ76では2値画像データD6 が選択され、メモリ79に記憶された文書画像データの出力手段9によるプリント処理が行われる(ステップS45)。ここで、上記プリント処理と、HDD97から次頁の文書画像データを読み出してメモリ79へ書き込む処理は並列処理が可能である。
【0052】
以上の処理を最後の頁まで必要回数繰り返し(ステップS46:N→S42)、更に、必要部数分繰り返されることになる(ステップS47:N→S41)。ただし、各部毎の最後の頁(1頁目)をプリントするときのみ、パターン合成回路103は、上記ビットマップメモリに記憶された画像を上記のようにHDD79より読み出した画像に合成する(ステップS43→S44)。これにより、複写文書の各部の1頁目(表紙)に、文書IDがエンコードされた文書IDマークが付加されることになる。
【0053】
以上の処理によってユーザは、原稿画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、コピー処理とともに自動的にファイリングすることができる。ファイリングされた文書画像データの取り出しについては、後述する。
【0054】
〔ファクシミリ送信処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データの蓄積を原稿のファクシミリ送信処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0055】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて“FAX送信”モードを選択してADF30上にファクシミリ送信したい原稿を載置し、図10の画面より送信先電話番号、ファイル登録要否選択、ファイル登録する文書画像ファイルのアクセス権などを設定した後、スタートキーKsを押す。
【0056】
上記ADF30は、載置された原稿の最後の頁から1枚ずつ原稿台31上にフィードし、以降、上記文書IDの生成、原稿の読み取り、文書画像データの上記メモリ79への蓄積、上記HDD97への蓄積等の処理は、上記コピー処理の場合と同様の処理がなされる。
【0057】
ただし、最後にフィードされた原稿(原稿の1頁目)を除いてプリントは行わず、この原稿の1頁目だけに、上記文書IDがエンコードされた文書IDマークを付加してプリントする。すなわち図11に示した処理と略同じ処理となるが、プリント処理(図11、ステップS36)は最終頁に対してのみ実行される。すなわち、図11の実線矢印(a) はファクシミリ送信のときは点線矢印(b) となる。
【0058】
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データより1頁ずつ文書画像データを読み出して上記メモリ79に記憶し、該文書画像データをCCU93を用いてファクシミリ送信する。上記メモリ79に記憶された文書画像データのファクシミリ送信と、上記文書画像ファイルからの次頁分の文書画像データの上記メモリ79への記憶は並列処理が可能である。以上の処理を最後の頁の文書画像データをファクシミリ送信するまで繰り返す。
【0059】
尚、ファイリングされた上記文書画像データには上記コピー処理の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3により形成され、HDD97の属性管理テーブルT10に登録される。ここでは上記属性情報テーブル中の「登録方法」にはファクシミリ送信を表す「FAXSEND」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」が登録される。
【0060】
尚、上記1頁目のプリント処理は、上記のように入力画像処理回路74から得られる多値画像データD4 を用いてもよいし、あるいは上記処理によってHDD97に一旦蓄積された画像データを用いてもよい。HDD97に一旦蓄積された画像データを用いる場合は、全頁の読取処理が終わって後、ファクシミリ送信前に、最終頁(1頁目)のみを文書IDマークを付して印刷するか、あるいは、ファクシミリ送信が終わってから最終頁のみを文書IDマークを付して印刷することになる。
【0061】
これにより、ユーザは、特別な操作をすることなくなく、ファクシミリ送信処理とともに、ファクシミリ送信原稿を自動的にHDD97の文書蓄積領域7に蓄積することができる。また、蓄積された文書画像データを取り出すための文書IDマーク付き表紙原稿も得ることができる。
【0062】
〔ファクシミリ受信処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データのファイリングをファクシミリ受信処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0063】
図13の下半分(ステップS121以降)はファクシミリ受信の手順を示すフロー図である。但し、後に説明する遠隔地のファクシミリよりの送信要求に基づくファクシミリ送信と共通の手順があるので、両者を1つのフロー図として現している。
【0064】
公衆回線95を介して、ファクシミリ受信手段14を構成するFAXモデム94、CCU93により受信したファクシミリ受信文書画像データは、1頁ごとに一旦上記メモリ79に記憶される。ここで、文書IDのサーチとデコード処理(ステップS114)がなされるが、通常のファクシミリ受信は文書IDを伴わない文書が送信されるので、ここではデコードができなかっとものとする。
【0065】
次に、上記コピー処理と同様にして文書管理手段3により、上記文書IDが生成され、文書IDエンコード手段5によりパターン合成手段8によりパターン合成回路103に文書IDマークをダウンロードする(ステップS121→S122→S123)。これとともに、上記登録・転送手段Xは、メモリ79に記憶された1頁毎の文書画像データを、IDEコントローラ96を介してHDD97の文書蓄積領域7に蓄積する(ステップS124)。次いで、2頁目以降の文書画像データのHDD97への蓄積を順次実行する(ステップS125:Y→I12:N→ステップS124)。尚、上記HDD97への1頁の文書画像データの蓄積と、次頁の文書画像データのメモリ79への記憶は並列処理が可能である。
【0066】
次にファクシミリ受信の通信終了後に、このように蓄積された文書画像データを記録紙にプリントする(ステップS126)。
このプリント処理は図12に示すコーピー処理時と略同じであるので、詳しい説明を省略するが、ここでは1部のみがプリントされるので部数チェック処理(図12、ステップS47)は不必要である。
【0067】
尚、ファクシミリ受信時に作られた文書画像ファイルには上記コピー処理の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3によりHDD97の属性管理テーブルT10に記憶される。ここでは上記「登録方法」にはファクシミリ受信を表す「FAX RECEIVED」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」、「ユーザID」にはユーザが特定されていないことを意味する「0」がセットされる。また、上記「アクセス権」は利用形態に応じてあらかじめ設定したアクセス権、例えばGROUP等に自動的に設定される。
【0068】
これにより、ユーザはファクシミリ受信画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、ファクシミリ受信とともに自動的にファイリングすることができ、更に、該ファイリングと同時にIDマーク付き文書を得ることが可能となる。
【0069】
〔リモートプリント処理〕
次に、上記ディジタル複合機において文書画像データのファイリングを、LAN102に接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)等から伝送される文書画像データをプリントするリモートプリント処理とともに行う場合について、以下図に基づいて説明する。
【0070】
LAN102に接続されたパーソナルコンピュータは、文書画像データを転送前に、ユーザID、パスワードおよびアクセス権情報をディジタル複合機に送信する。ディジタル複合機は、LAN102を介してプリント画像受信手段15を構成するLANコントローラ101より受信したユーザIDとパスワードに基づきユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると、ユーザはプリントの指示を行い、上記パーソナルコンピュータより文書画像データが転送され、以降の処理は上記ファクシミリ受信の場合と同様である。
【0071】
なお、ファイリングされた文書画像データには上記ファクシミリ受信の場合と同様に、上記属性情報が上記文書管理手段3によりHDD97の属性管理テーブルT10に記憶される。ここでは上記「登録方法」にはリモートプリントを表す「PRINT」、上記「メディアID」にはHDD97に対応する「0」、上記「ユーザID」には上記パーソナルコンピュータを操作したユーザのIDがセットされる。但し、上記したようにアクセス権の設定は文書送信前に可能である点ファクシミリ受信と異なっている。
【0072】
上記のように、リモートプリントの要求を出したパーソナルコンピュータのユーザは、プリント画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、リモートプリント処理とともに自動的にファイリングすることができるとともに、文書IDマーク付き文書を同時に得ることが可能となる。
【0073】
〔属性管理テーブル〕
以上のような文書蓄積処理の過程で生成された文書ID等の属性データは、HDD97上の属性領域6に割り当てられた属性管理テーブルT10に登録される。ここで、登録される事項は、図7に示すように文書画像データの「文書ID」、「頁数」、「画像サイズ」、「登録方法」、「登録日時」、「ユーザID」、「アクセス権」、「メディアID」等の他、以下に説明する「リンク先」および「リンク元」等の情報となる。
【0074】
この属性データの上記「画像サイズ」は、ファイリングしたときの文書画像データの定型紙対応サイズ(例えばA3、A4等)を示し、上記「登録方法」は、如何なる入力モード(コピー=COPY、ファクシミリ送信=FAXSEND、ファクシミリ受信=FAXRECEIVE、パソコンのプリント機能=PRINT)によって文書画像ファイルが生成されたのかを示し、上記「ユーザID」は、そのファイルを登録したユーザのユーザIDを示す。
【0075】
上記「メディアID」は、文書画像データが蓄積されるメディアを特定する識別子であって、上記HDD97のメディアIDは“0”であり、後に説明する光磁気ディスク100のメディアIDは“1”である。上記HDD97に蓄積された文書画像ファイルを、光磁気ディスク100に移動する処理、および光磁気ディスク100へのメディアIDの付与については、後述する。
【0076】
後述するように、文書IDマークが合成されてプリントした文書を、原稿として再度登録した場合、新しい文書IDが、文書IDマークにエンコードされて表紙原稿に印刷される。上記、「リンク先」および「リンク元」の欄は、上記新しい文書を特定する文書IDと、元の文書を特定する文書IDとの関係を示す。図7においては、文書ID00000005の文書画像データは、文書ID00000004の文書画像データを再登録(リファイリング)したものであることを示しており、また、「登録方法」には複写を表す「COPY」、「メディアID」にはHDD97に対応する「0」が登録される。
【0077】
〔文書の指定処理〕
上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データを取り出すとき(プリントする)、ファクシミリ送信するとき、あるいは、特定の文書画像データに対して編集処理(削除、結合)を行とき、該特定の文書画像データを指定する必要がある。図14はこの場合の文書画像データ指定処理の手順を示すフロー図である。
【0078】
文書画像データを指定する方法として、上記印刷された文書IDマークを読み取る方法と、直接文書IDを文字列(あるいは数字列)で入力する方法とがある(図14、ステップS131a、S131b)。いずれの場合であっても、例えば図20(文書取り出しのコントロールパネルの表示)に示すように各処理モードの冒頭でマーク付き表紙原稿を読み取るのか、文字列の文書IDを入力するのかについてユーザに問い合わせがあるので、ユーザはコントロールパネル92を介していずれの場合であるか指示する。更に、各処理モードに対応する必要事項を入力してスタートキーKsを押す。
【0079】
文書IDマーク付き表紙を読み取る場合は、ADF30に載置された文書IDマーク付きの表紙原稿を画像読み取り手段13で読み取ってメモリ79に該画像データを一旦蓄積する(図14、ステップS132)。尚、このときの文書IDマーク部分の読取処理については後に詳しく説明する。また、画像読み取り手段13で読み取られた画像データはこの場合圧縮回路77で圧縮されないでメモリ79に蓄積される。
【0080】
文書IDデコード手段5は、上記のようにメモリ79に蓄積された文書IDマークをデコードして文書I Dを得る(図14、ステップS133)。更に、のようにして得られた文書IDに基づいて、文書管理手段3は文書管理テーブルT10を参照して、該文書IDに対応する文書画像データがアクセス権を有するユーザによってアクセスされたか否か、すなわち“OWNER”である場合には属性管理テーブルT10上のユーザIDと入力されたユーザIDとが一致している必要があり、“GROUP”である場合は入力されたユーザIDが属性管理テーブルT10上のユーザと同じグループである必要があり、“FREE”である場合には誰でも使用が許可されることになる(図14、ステップS134)。
【0081】
以下に説明するように、画像文書データはHDD97に蓄積した後、光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアに移動が可能であるので、上記のように文書画像データが文書IDによって特定された後、該文書画像データがHDD97に蓄積されているのか、光磁気ディスク100に蓄積されているのかを判断するようになっている(図14、ステップS140)。
【0082】
光磁気ディスク100に登録されている場合には更に、正規のディスクIDを持つ光磁気ディスク100がディスクドライブに装填されているかを判断して、正規の光磁気ディスク100が装填されていないときにはユーザに正規の光磁気ディスク100の装填を促すように図23に示す警告メッセージを表するようになっている。このときユーザは指示された光磁気デスクを装填するようになっている(図14、ステップS141)。
【0083】
更に、後に説明するように、特定の文書画像データと他の特定の文書画像データが内容的に関連性を持っている場合がある。この時には上記したように、属性管理テーブルT10にリンク情報が登録されている。そこで、上記のように文書管理手段3が特定の文書画像データの文書IDを得た時点で、あるいは、蓄積メディアを特定した時点で、該文書IDに対応する文書画像データとそれにリンクする文書画像データをコントロールパネル92に表示して、改めてどの文書画像データを選択するかをユーザに問うようになっている(図14、ステップS142→S143)。
【0084】
ここでユーザが希望する文書画像データを選択すると該選択された文書画像データがこれから処理される文書画像データとなる。また、リンク情報がないときは最初の文書IDで特定される文書画像データがこれから処理される文書画像データとなる(図14、ステップS142:N)。
【0085】
〔HDDからの文書画像データ取り出し処理〕
次に、上記のようにHDD97に蓄積された文書画像データを取り出す(プリント)場合について、以下図に基づいて説明する。
【0086】
ユーザは、上記各実施例の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると、図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて文書取り出しモードを選択すれば、図20に示す文書取り出し画面が表示されるので、プリント部数、文書ID入力方法(文書IDマークに基づいて文書ID入力するか、文書IDを文字列で入力するか)、および取り出した文書に文書IDマークを合成するか否かを指定し、スタートキーKsを押す。これによって、部数は出力手段9に設定される。また、文字列で文書IDが入力されたときは該文書IDは文書管理手段3に通知され、文書IDマークが付加された表紙原稿を使用する場合は画像読み取り手段13が起動して上記表紙原稿を読み取り、上記の手順で文書IDを決定する(更に、必要に応じてメディアチェック、リンク情報のチェックがなされる)。
【0087】
上記のようにして文書画像データが特定されると、図15に示すプリント処理に移行する。
すなわち、出力文書に文書IDマークを印刷することが指示されていない場合は、以下のエンコード処理、文書IDマークの設定処理をしないで、プリント処理に移行する(図15、ステップS151N→S160)。文書IDマークを印刷することが指示されている場合は、まず、目的とする文書が読み出される前に、上記のようにして得られた文書IDが文書管理手段3を介して文書IDエンコード手段4に入力されて、ここで、文書IDマークにエンコードされる(図15、ステップS151Y→S152)。この文書IDマークはパターン合成手段8にダウンロードされる(図15、ステップS153)。
【0088】
以下図15のステップS154に示すように、図12で説明したプリント処理(コピー処理における2部目以降のプリント処理)と同様の手順でプリント処理が実行されることになる。
【0089】
プリント対象の頁が最終頁であるときに、文書IDマークと目的の文書画像データとを合成し、プリント処理することになる。尚、出力文書に文書IDマークを印刷することが指示されていない場合は、パターン合成回路103への文書IDマークの設定処理を行わないので、パターン合成処理(図12ステップS44)を実行しても、文書IDマークは印刷されないことになる。
【0090】
ここで、上記マルチプレクサ76は当然のことながら2値画像データD6 を選択し、伸長回路81を介して入力されるメモリ79に記憶された1頁分の画像データをリアルタイムで出力することになる。また、メモリ79に記憶された1頁分の画像データの出力と、HDD97よりメモリ79への書き込みは並列処理が可能となる。
【0091】
以上のように一つの文書画像データの取り出し終了後、上記ADF30上にさらに文書IDマーク付き原稿がある場合は、上記ADF30により原稿台31に次の原稿がフィードされる。以降の処理は、上記の処理と同じである。
【0092】
このように、上記文書IDマーク付きの表紙原稿を、上記イメージスキャナ部Aにより読み取ることにより、蓄積された文書画像データ全頁を容易に取り出す(プリント)ことができる。さらに、取り出したい文書画像データが複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き表紙原稿を上記ADF30に載置することにより、一括処理で取り出すことができる。
【0093】
〔ファイリングされた文書画像データのファクシミリ送信処理〕
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データをファクシミリ送信する場合について、以下図に基づいて説明する。
【0094】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて“蓄積文書FAX”モードを選択し、送信先FAX番号、文書ID入力方法指定する。
【0095】
この場合も文書の指定は、上記文書指定手順をそのまま使用できるので、ここでは説明を省略する。また、上記アクセス権をチェックした後(更に、必要に応じてメディアチェック、リンク情報のチェックがなされる)の文書画像データのファクシミリ送信処理は、メモリ79に1頁分ずつの文書画像データが読み出されると、該画像データを順次ファクシミリ送信するに過ぎないので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0096】
以上のように、上記文書IDマーク付きの表紙原稿を上記イメージスキャナ部Aにより読み取ることにより、または文書IDを直接キーにより指定することにより、蓄積された文書画像データを容易にファクシミリ送信することが可能である。また、ファクシミリ送信したい文書画像データが複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を上記ADF30に載置することにより、複数の蓄積された文書画像データを一括処理でファクシミリ送信することができる。
【0097】
〔リムーバブルメディアへのファイル文書移動/コピー処理〕
次に、上記HDD97に蓄積された文書画像データを例えば光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアに移動またはコピーする場合の処理について、以下図に基づいて説明する。
【0098】
ユーザは、上記コピー処理の場合と同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザは“蓄積文書処理”モードを選択すると、図21で示す蓄積文書処理選択画面が表示され、「ファイル移動」または「ファイルコピー」を選択する。次に、「ファイル移動」を選択した場合は図22に示す「ファイル移動指示画面」が、また「ファイルコピー」を選択した場合は図24に示す「ファイルコピー指示画面」が各々表示される。この「ファイル移動指示画面」または「ファイルコピー指示画面」において、処理文書の指定方法と、移動先またはコピー先を選択する。ここで移動先またはコピー先は、リムーバブルメディア(RMD)を指定する。
【0099】
なお、文書IDの入力方法ついては、上記HDDからの文書画像データ取り出し処理における文書取りだし方法と同じであり、ユーザは文書IDを文字列(あるいは数字列)で入力あるいは文書IDマーク付き表紙原稿をADF30上に載置した後、スタートキーKsを押す。
【0100】
これによって、特定の文書IDが得られると、該文書IDで特定される文書画像データがHDD97の文書蓄積領域7より登録・転送手段Xによって読み出されて光磁気ディスク100へ移動される。尚、上記文書ID決定の過程で、ここでも、上記HDD97からの文書画像データ取り出し処理と同様にアクセス権のチェックを行う。
【0101】
ファイル移動時においては、ユーザ認証時のユーザIDと、処理を行う文書画像ファイルの上記属性情報の「ユーザID]とが一致している場合のみ、登録・転送手段Xは上記文書画像データを光磁気ディスク100に移動する。すなわち、移動処理をするとHDD97には元の文書画像データが残らないことを考慮したものである。一方、ファイルコピー時においては、ユーザ認証時のユーザIDに対して、上記処理を行う文書画像データへのアクセスが許可されている場合に、上記登録・転送手段Xは上記文書画像データを光磁気ディスク100にコピーする。
【0102】
次に、ファイル移動時、ファイルコピー時ともに上記文書管理手段3は、上記処理を行う文書画像ファイルの文書IDに基づいて上記HDD97をアクセスして、上記属性管理テーブルT10より属性情報を読み出し、光磁気ディスク100に属性情報を蓄積する。
【0103】
上記光磁気ディスク100には、あらかじめメディアIDがファイル(以下、メディアIDファイルという)として蓄積されており、上記文書管理手段3は該メディアIDを上記光磁気ディスク100から読み出し、上記属性管理テーブルT10の「メディアID」フィールドに上記メディアIDを書き込む。図7に示す上記属性管理テーブルT10の内容の例では、文書ID=00000004の文書画像データは、メディアID=0001の光磁気ディスク100に移動されたことを示している。
【0104】
上記光磁気ディスク100に上記メディアIDファイルが存在しない場合、上記文書管理手段3は新たなメディアIDをファイル内容とするメディアIDファイルを、その光磁気ディスク100に作成する。ここで、上記文書管理手段3は使用済みのメディアIDをユーザID毎に管理しており、すでに最後に生成したメディアIDをインクリメントして新たなメディアIDを生成する。
【0105】
以上の処理を行うことにより、HDD97からリムーバブルメディアである光磁気ディスクへの移動/コピーを簡単に行うことができ、複数の文書画像ファイルの移動/コピーも文書IDマーク付きの画像をスキャナ部で読ませることにより一括して行うことができる。さらに、リムーバブルメディアに移動した文書画像ファイルの管理を行うことができる。
【0106】
〔リムーバブルメディアよりのファイル文書取り出し処理〕
次に、上記光磁気ディスク100等のリムーバブルメディアにファイリングされた文書画像データを取り出す(プリント)場合について、以下図に基づいて説明する。
【0107】
ユーザは、上記コピー処理の場合などと同様にしてユーザ認証を行う。このユーザ認証がなされると図8に示すモード選択画面がコントロールパネル92上に現れる。ここで、ユーザはコントロールパネル92を用いて文書取り出しモードを選択し、プリント部数、文書取り出し方法、および取り出した文書に文書IDマークを合成するか否かを指定し、光磁気ディスク100を光磁気ディスクドライブ99に挿入する。
【0108】
この場合も文書IDマークを使用する場合と文字列(あるいは数字列)の文書IDを使用する場合があるが、いずれの場合の処理も上記図14に説明で記述した通りであるのでここでは詳しい説明を省略する。
【0109】
HDD97からの文書取り出しと異なる点はアクセス権の確認後、メディアIDを確認し、正規の光磁気ディスクをドライブ99に装填する手順を必要とする点である。
【0110】
このようにメディアIDの一致を確認した後、図15に示すように、文書IDマーク付き文書を希望する場合は、対応する文書IDマークを画像合成回路103にダウンロードした後、印刷処理に移行する。この印刷処理は図12に示す印刷処理(HDD97よりの2部目以降の印刷処理)と同じであるのでここでは説明を省略する。
【0111】
以上のように、本発明によればリムーバブルメディア(光磁気ディスク100)に蓄積された文書画像データを容易に取り出すことができる。さらに、その文書ファイルが、どの光磁気ディスクに蓄積されているか不明になった場合でも、そのリムーバブルメディアのメディアIDを特定し、ユーザに知らせることができるので、操作性が向上する。
【0112】
〔文書IDマーク付き原稿のコピー動作〕
次に、本発明のディジタル複合機において、すでに文書IDマークの付いた原稿を登録(あるいはコピーと同時に登録)する場合がある。例えば、ある文書を1度HDD97に登録し、文書IDマークの付いた原稿を得た後、該文書IDマークの付いた原稿に修正を加えて再び登録する場合である。この場合、最初に登録した文書と後から登録した文書に管理上何らかの関連性をもたせておくと、ユーザは該2つ(複数)の文書の該関連性を確認しながら目的の文書を出力(ファクシミリ送信を含む)することができる。
【0113】
以下、図16は1部コピー時のコピー処理フロー図である。また、このときの入力画面は前述の図9を用いるものとする。以下図面を参照して文書IDマークがすでに付加されている原稿の1部コピー動作と同時に読み取り原稿画像を蓄積する場合の、画像信号の流れを説明する。
【0114】
ユーザ認証、コピー条件/アクセス権設定などの手順については、前述した通常のコピー動作と同様であるので、詳しい説明を省略する。入力画面として図9を使用するが、通常のコピー処理では文書IDマークが付加されていない文書を扱うが、この場合は文書IDマーク付き文書(あるいは数字列または文字列で文書IDを入力する場会)を扱うので、文書ID入力方法が指定される。
【0115】
更に、図11に示した文書IDの生成とプリント、記憶処理(図11、ステップS29〜S36)は、図16においても同じであるのでここでは説明を省略する(図16、ステップS49〜S56:参照)。また、ADF30に残りの原稿があるときの処理(図11、ステップS37→S38)も、図16ステップS57→S58に示すように同じであるのでここでは説明を省略する。
【0116】
ADF30が最後の頁をフィードして、その文書画像データが読み込まれると、文書IDデコード手段5は文書IDマークが存在するか否かをサーチして、存在する場合は、該文書IDマークをデコードして文書管理手段3に渡す。これによって、文書管理手段3は図7に示す文書管理テーブルT10に以下の書き込みをする。すなわち、現在読み込んでいる文書IDに対応する“リンク先フィールド”に新しく登録された文書IDを書き込み、新しく登録された文書IDに対応する“リンク元フィールド”に元の文書(現在読み込まれている文書)の文書IDを書き込むことになる(図16,ステップS57〜S60)。
【0117】
上記デコード処理において、文書IDマークをデコードができない(文書IDマークが存在しない場合を含む)場合は、上記に説明した通常のコピー処理と同じ手順となる。従って、説明の都合上、図11に通常のコピー処理を単独で示したが、より一般的には、通常のコピー処理、文書IDマーク付き原稿のコピー処理とも、図16に示す手順で処理することになる。
【0118】
図7の文書属性テーブルT10の内容の例では、プリントされた文書ID=00000004の文書を原稿として、再度コピー動作とともに登録された文書(文書ID=00000005)には、「リンク元」情報が付加され、文書ID=00000004 の文書には「リンク先」情報が付加されている。
【0119】
以上の処理により原稿の1部コピーが完了する。複数部コピーの場合は、前述の[コピー処理]の2部目以降と同じであるので、説明を省略する(図12参照)。また、すでに蓄積された文書(文書IDマークを持つ文書)を、FAX送信する場合も同様に、もとの文書ファイルの「リンク先」属性に、新たにファイリングする文書の文書IDが書き込まれ、新たにファイルされる文書の「リンク元」属性に、すでにファイリングされた文書の文書IDが書き込まれる。
【0120】
以上の構成により、本発明のディジタル複合機では、すでにファイリングされている文書原稿に、手書きでメモやコメントなどを書き加えて、再度その文書をファイリングする場合、その変更履歴を文書属性情報として、記憶することができ、ファイリングされた文書のバージョン管理が可能となる。
【0121】
〔リンク情報のある文書の取り出し動作〕
以上のようにして登録されたリンク情報を持った文書画像データは以下のように利用することが可能となる。
【0122】
図14において説明したように、画像読取手段13より文書IDマークがあるいはコントールパネル92上から文字列で文書IDが入力される。この文書IDは文書管理手段3に渡され、該文書管理手段3は文書属性テーブルをアクセスして、上記文書IDに対応する「アクセス権」「リンク先」および「リンク元」属性情報を抽出する。
【0123】
文書管理手段3は、上記「リンク先」「リンク元」情報を元に、上記入力された文書IDに関連する文書があり、かつ、それらの文書がユーザに取り出し可能な「アクセス権」がある場合は、関連する文書の一覧を、コントロールパネル92に表示する(図14、ステップS142:Y)。コントロールパネル92での関連文書の一覧表示状態を、図19に示す。ユーザは、関連文書を取り出したければ、その番号をテンキーで入力し、スタートキーを押す。また、入力した文書IDの文書を取り出したいときは0をテンキーで入力し、スタートキーKsを押す(図14、S143)。
【0124】
このように取り出したい文書が特定されるとその後の印刷処理、ファクシミリ送信処理は図15、図13で説明した通りであるで、説明は省略する。
以上のように、文書IDマーク付きの画像(すでにファイリングされている文書)が、再登録(リファイリング)された場合のリンク情報を文書属性テーブルT10に記憶しているので,文書取り出し時には、そのリンク情報を参照して、関連する文書を指定して取り出すことができる。
【0125】
〔文書画像データの結合、削除処理〕
まず、図7に示す属性管理テーブルT10は、更に詳しくは各文書を構成する頁毎の繋がり状態を記録するようになっている。その部分のみ抽出して表示すると、図26のようになる。すなわち、文書ID00000001の文書の1頁と2頁がリンクしている旨の文書内リンク記号54a、文書ID00000003の文書の1頁、2頁、3頁がそれぞれリンクしている旨の文書内リンク記号54b、54cが付されている。
【0126】
この状態で、まず、2つの画像データを連結させて1つの画像データとして扱えるようにする画像データの結合処理について図17に基づいて説明する。
まずユーザは、コントロールパネル92の図8に示すモード選択画面より、“蓄積文書処理”を選択しこれによってコントロールパネルに現れる図21の画面より“ファイル結合”を選択する。これによって、画像データの結合処理を行うことを指定する。その後、すでに登録されている画像データの第1の表紙原稿と第2の表紙原稿をADF30上に載置して2次元バーコードを読みとらせて文書IDデコード手段5でデコードして文書IDを得る。このデコードまでの手順は上記図113に記載の手順と同じであるので説明を省略する(図17、ステップS141〜143)。
【0127】
このように2文書に対応する文書IDが得られると、図27に示すように文書管理手段3が上記2文書の第1の文書の最終頁と、第2の文書の最初の頁をリンクする新たな文書内リンク記号54dを生成する(図17、ステップS144)。ここで、上記2つの文書に共通の新たな文書IDとしては上記第1の文書の文書IDを使用するようにすると、該新たな文書IDに対応する文書IDマークが文書IDエンコード手段4で生成され、パターン合成手段8で、該文書IDマークと新たな文書の第1頁に合成されて表紙原稿が印刷されることになる(図17、ステップS145〜S147)。
【0128】
このとき、図27において、文書ID記憶領域に記憶されている第2の文書の文書ID3の情報は残ったままであるので、文書ID00000003で検索されたときには上記第2の文書の1頁から3頁までの画像データが参照される点は、結合処理を行う前と同じであるが、文書ID00000001で検索されたときには、第1の文書(文書ID00000001)の1頁、2頁、第2の文書(文書ID00000003)の1〜3頁の計5ページの画像データが連続して取り出されることになる。
【0129】
以上の処理で、2つの文書に対応する画像データを結合させる処理が完了する。ここでは、2つの文書の画像データを結合するものとして説明したが、3つまたはそれ以上の文書の画像データを結合させることもできる。
【0130】
また、画像データの結合処理を行う他の方法としては、図28に示す方法がある。
すなわち、文書管理手段3は指定された上記の2文書の属性データをそれぞれHDD79の空き領域に指定された順にコピーし、該2つの文書に共通の新たな文書ID(ここでは文書ID00000004)を取得する。それとともに、上記第1の文書の各頁と第2の文書の各頁が連続するように文書内リンク記号54e〜54hを生成する。
【0131】
上記において、結合される複数の文書を特定するための文書IDを得るために、表紙原稿を画像読取手段13に読み取らせる方法を用いたが、上記した他の処理と同様、コントロールパネル92より直接文書IDを入力することでもよいことはもちろんである。
【0132】
次に、表紙原稿を用いた画像データの削除処理について説明する。このときの処理の流れを図18に示す。
まずユーザは、コントロールパネル92のテンキー803を用いて、図8のモード選択画面で“蓄積文書処理”を選択し、次いで、図21の画面で“ファイル削除”を選択する。削除対象となる文書画像が特定されるまでの手順は上記の各モードろお内示であるので説明を省略する。文書管理手段3は文書IDを受け取ると、登録・転送手段Xに該文書IDを渡し、該登録・転送手段Xが文書画像領域7より対象の画像データを読み出し、その縮小図をコントロールパネル92に表示する。あるいは文書管理手段3が抽出した画像データの属性データをコントロールパネル92で表示することになる(図18、ステップS151〜S153)。このように表示された縮小図、あるいは属性情報を確認してユーザが了解キー(図4等のコントロールパネル92には示されていないが、たとえばスタートキーKsを代用することができる)を押すことによって、削除処理が完了する。
【0133】
ここで、削除する画像データが複数あるときには、以上の処理を複数回繰り返す。
以上の処理で、削除対象の画像データの確認が行われた全ての文書IDに対応する画像データの削除処理を行う。
【0134】
ここで、削除した画像データに対応する文書IDは属性テーブルT10から削除されるが、すでに表紙原稿が印刷されているので、同じ文書IDは再利用出来ないようにする。よって、1つの識別コードに対応する画像データは1つだけであることが保証される。
【0135】
〔遠隔地ファクシミリによる取り出し〕
ユーザが出張先で自分の使用するディジタル複合機に格納されている文書画像データが必要になったとき、該出張先のファクシミリを使用して自分の使用するディジタル複合機に指示をして目的とする文書画像データを得ることができる。
【0136】
このとき、文書画像データを特定するために、上記表紙原稿に付された文書IDマークを使用するようになっている。
一般にファクシミリによる解像度は低いことから、表紙原稿に付される文書IDマークが小さいと、解読不能になることが多い。そこで、ユーザは遠隔地のファクシミリよりの伝送要求をする可能性のあるときには、予めサイズの大きな文書IDマークが付された表紙原稿を所持する必要がある。
【0137】
そこでユーザは出張等に先立って、上記図8に示したモード入力画面より“文書取り出し”を選択し、次いで、図25に示すように部数指定画面を表示する(図20は図25を説明に沿って簡略化した図である)。ここでユーザは上記の各例と同様、入力方法(マーク付き表紙を使用するのか文字列の文書IDを使用するのか)を入力するとともに、マーク付加の欄は“する”を選択する。“する”を選択したときはマーク大きさの欄で“大”を選択し、部数の欄は表紙原稿部数の欄に希望する部数を入力する。
【0138】
更に、必要ある場合は、後に説明するアクセス権を制限する例えばパスワードを入力し、この後にスタートキーKsを押す。
この後の印刷処理は図15(図12を含む)に示した処理と全く同じであるが、最終頁以外の頁に関する文書画像データは読み出されないようにすると、表紙原稿のみ印刷することができるとともに、文書IDエンコード手段4はエンコード処理(図15、ステップS152)において大サイズの文書IDマークを生成することになる。
【0139】
図6は上記の手順で作成された大サイズの文書IDマーク付き表紙原稿の一例であり、この例では小サイズの文書IDマークと、大サイズの文書IDマークの両方を持った表紙原稿を示しているが、大サイズの文書IDマークのみを付した表紙原稿としてもよい。
【0140】
図13は文書IDマーク付き画像データをファクシミリを使用して受信して対応する画像データを折り返し送信する際のフロー図である(通常のファクシミリ受信の手順も含まれている)。アクセス権の処理手順を除いて、文書の特定は図14(ステップS131〜133)で示した手順と略同様であるが、通常のファクシミリ受信と本実施例による折り返し送信の場合とを区別する必要がある。
【0141】
すなわち、通常のファクシミリ受信は最初の頁に文書IDマークが付加されていないので、文書IDデコード手段5での文書IDデコード処理(ステップS114)でデコードはできないことになり、通常のファクシミリ受信に移行する。上記文書IDデコード処理でデコードが成功すると、該文書IDに基づいて登録・転送手段Xが対応する文書画像データを読み出してCCU93に転送しファクシミリ送信する。尚、図13に示す例ではすべての頁に文書IDマークが付されているかもしれないことを勘案して、全ての頁に対して文書IDのデコードを試みている(図13、S112)。
【0142】
上記の方法によると、上記コピー処理等の冒頭で処理されるユーザの入力がなされないため、アクセス権を有しない者が、上記表紙原稿を何らかの方法で入手し、遠隔地のファクシミリから伝送した場合であっても、自由に特定の文書を取り出すことが可能となる。そこで、以下のようにアクセク権を制限することができるようにする。
【0143】
すなわち、上記図25の画面でパスワードを入力する。このように入力されたパスワードは文書IDエンコード手段4で文書IDマークにエンコードされるともに、文書管理手段3が属性管理テーブルT10に登録するようにする。これによって、該パスワードも含めた文書IDマークが生成される。
【0144】
このように生成された文書IDマークを付した表紙原稿が遠隔地のファクシミリから伝送されると、上記図13で説明したように文書の特定がなされるが、このとき、パスワードの照合も行い、該パスワードを含む文書IDマークを付した表紙原稿を有する者にのみアクセスを許可するようにする(図13、ステップS115)。
【0145】
尚、上記パスワード付き表紙原稿は、上記のように遠隔地のファクシミリからの取り出し要求だけでなく、ユーザ認証なしで文書取り出しするときにも有効となる。例えば、ユーザIDを入力するための磁気カードが手元にない場合であっても文書取り出しが可能となる。
【0146】
尚、上記の例で使用される原稿は1枚であるとしたがこれに限るものではない。例えば、原稿が3枚から構成されるような場合、画像データとしては3枚の画像を一つのファイルとして記憶装置に記憶し、文書IDマーク付き画像としては1ページ目だけを印刷すればよい(図25の入力画面で部数の欄を0、表紙原稿部数の欄に必要部数セット)。また、3枚の画像を縮小して合成して1枚の画像としこれを文書IDマーク付き画像として印刷してもよい。
【0147】
尚、本実施の形態では図6に示すように大サイズIDマーク付き画像401は通常の文書取出し用として文書IDマーク402を備えているが、遠隔地でファクシミリを使用して文書取出しを行うためだけならばこれは必要ではない。また、通常の文書取出しで大サイズ文書IDマーク403を文書IDデコード手段5がデコードするようなアルゴリズムにしても文書IDマーク402は不要となる。
【0148】
上記の実施の形態では、画像データ記憶領域7に蓄積した画像データをアクセス権管理して画像データの取り出し等のアクセスを特定のユーザーのみに解放して画像データの漏洩を防ぐとともに、文書IDマーク付き画像を所有するユーザーのうちアクセスを許されたユーザーのみが簡単に文書取出しを行うことができる。
【0149】
また、ファクシミリで文書を取り出す際にも、文書IDマーク付き画像を所有するユーザーのうちアクセスを許されたユーザーのみが簡単に文書取出しを行うことができることになる。
【0150】
〔文書IDマークの位置〕
以上説明したように、文書IDマークは文書取り出し等の処理をする際に、対象となる文書を指定するために用いる。従って、文書IDマークの表紙原稿上での位置が判っているのと、該文書IDマークの読取精度と速度を向上させることができる。
【0151】
以下、文書取り出しのモードでの原稿読み取りを例に以下説明する。
まず、HDD97には図29に示すように、印刷用紙サイズ、原稿内容の向き(ポートレイトかランドスケイプか)と文書IDマーク印刷位置との関係をマーク位置テーブルT20に登録しておく。尚、図29の数字は図30(a),(b) に示すように用紙の左上を原点に前半がX(横)方向、後半がY(縦)方向であり単位はmmである。尚、図30(a) はポートレイト原稿601を示し、図30(b) はランドスケイプ原稿602を示している。
【0152】
更に、原稿文書を登録するとき(コピー処理、あるいは単なる登録処理)時に原稿の方向がポートレイトかランドスケープかを図31の画面より設定しておく。次いで、画像読取手段13が作動すると、原稿サイズ検知手段204も同時に作動させて原稿のサイズを検出する。これによって、図30に示すように原稿サイズと原稿内容の方向〔ポートレイトかランドスケープ(ランドスケープにしたときはサイズの後にRを付加している)〕かが、文書管理手段3によって属性管理テーブルT10に登録されるようになっている。
【0153】
この状態で、文書取り出しモード(文書全体、あるいは表紙原稿のみの取り出し)にて、IDマーク付き表紙原稿より、あるいは、コントロールパネル92より直接文字列(あるいは数字列)で文書IDが入力され、更に、印刷用紙のサイズが図20(または図25)の画面より入力され、スタートキーKsが押されると、文書取り出し処理が開始する。
【0154】
このとき、文書IDエンコード手段4に上記マーク位置テーブルT20の内容と用紙サイズが設定されるとともに、出力手段9にも用紙サイズが設定される。
文書取り出し処理におけるエンコード処理において、上記文書IDエンコード手段4は文書IDマークを生成するとともに、用紙サイズに応じた配置位置をマーク位置テーブルT20から取得する。次いで、該文書IDエンコード手段4は上記文書IDマークと位置情報をパターン合成手段8に渡すようになっている。これによって、目的とする文書の各頁が印刷されることになり、表紙原稿の印刷時には、印刷用紙のサイズに応じて上記マーク位置テーブルT20に設定された位置に文書IDマークが印刷されることになる。もちろん、上記図25の画面より、表紙原稿部数のみを指定(部数欄0)表紙原稿のみ出力することもできる。
【0155】
蓄積画像サイズ(従って原稿のサイズ)がA4サイズであり印刷用紙がA4である場合の例は上記図5に示す通りであり、マーク位置テーブルT20に指定された位置に文書IDマークが印刷される。また、図32は蓄積画像402のサイズがA4サイズであり印刷用紙401がB4である場合の印刷例であり、この場合にもマーク位置テーブルT20で指定された位置に文書IDマーク403が印刷される。
【0156】
以上の手順で印刷された文書IDマーク付きの表紙原稿は、文書取り出し等の処理をするときに目的とする文書を指定するときに使用されることは上記した通りである。このとき、文書IDマークの位置が特定されているので、画像読取手段13は不要部分にマスクを掛けてスキャンするとともに、該マスク部分を読み飛ばすことができ、読取速度、文書特定処理を著しく早くすることができることになる。
【0157】
原稿画像を天地逆に登録していることも考えられるが、このときは、上記文書IDマークは印刷用紙の右上に位置することになる。このような場合であっても、文書IDデコード手段5によるデコード位置の順序を左下→右上とすると、読取画像全面をサーチするより遙かに早い速度で文書IDを決定できることになる。
【0158】
上記において、文書内容の方向(ポートレイト、ランドスケイプイ)は属性管理テーブルT10が保持する画像情報データに記録されているものとしたが、画像データ記憶領域7に記憶した画像データとともに記録することもできる。
【0159】
また、上記の説明では識別コードの位置は画像の左下としたがこれに限るものではない。例えば、綴じ代として左側に余白を開けている画像の場合、左上文書IDマークを配置すると、画像情報を損なう確率が少なくなるという効果が得られる。
【0160】
更に、上記の説明ではマーク位置テーブルT20で特定される文書IDマークの位置は一意的に定まるものとしたがこれに限るものではない。例えば原稿の種類によっては識別コードの位置を左上にしたり右下にするような機能を備えた画像情報処理装置では識別コード位置を複数マッピングするようにしてもよい。
【0161】
また、上記の説明では画像データサイズと印刷用紙サイズが異なる場合、印刷用紙の左上基準で画像データを配置したがそれに限るものではない。例えば、右上基準や中央基準でもよい。
【0162】
上記の例では、コントロールパネル92で文書の方向(ポートレイト、ランドスケイプ)の別を入力するようになっているが、以下のように入力することによって、該入力を省略することができる。
【0163】
すなわち、まず、図30(c),(d) に示すようにADF30への原稿の載置方向をポートレイト原稿の場合とランドスケイプ原稿の場合とで90°異ならせるようにする。ついで、原稿読取時に原稿サイズ検知手段204が検知した横方向、縦方向のサイズに基づいて文書内容の方向(ポートレイトかランドスケイプか)の判断をして文書管理手段13に入力する。文書管理手段13は上記原稿サイズ検知手段204が検知した原稿サイズと方向に基づいて文書内容の方向を属性管理テーブルT10に登録することになる。
【0164】
以上に述べた方法により、ユーザーが紙の置き方を変えるだけで原稿向きを文書管理テーブルT10に保存することができるので、当該ディジタル複合機を操作するコントロールパネル92より原稿向きを入力するといった煩雑さを避けるという効果を持つ画像情報処理装置を提供することができる。
【0165】
なお、コントロールパネル92より原稿内容の向きを入力する方法と、上記のように原稿内容の向きに応じてADF30上に載置される原稿の方向を換えるようにする方法とを併用することもできる。すなわち、ADF30に縦置き、横置きどちらでも置けるような紙サイズの場合には後者の方法を、紙サイズが大きく、ADF30に縦置き、横置きどちらかの置き方しか置けないような場合にはコントロールパネル92から原稿内容向きを入力する。これによって、原稿サイズが小さいときは煩わしいパネル操作のない自動認識を行うことができ、原稿サイズが大きいときは操作パネルを使用して確実に原稿内容向きを入力するというユーザーにとって非常に利便性の高いディジタル複合機を提供することができる。
【0166】
〔表紙原稿の種類、部数の設定等〕
上記において表紙原稿は全て文書の第1頁に文書IDマークが付加されたシートを意味した。しかしながら、表紙原稿の態様としては、例えば、図33に示すように、文書属性を表示した用紙に文書IDマークを付加したシートを考えることができる。この場合、例えば図11のフロー図の最後の頁を判断するステップと、文書IDマークをパターン合成回路に設定するステップ(ステップS34、ステップS35)は省略され、ADF30に原稿が搭載されていないことを確認してから、上記表紙原稿が印刷される。すなわち、図11のステップS37の判断がNOのとき、文書管理手段3が属性管理テーブルT10より属性データを読み出すとともに、文書IDマークをパターン合成回路103に設定し、両者の合成画像を印刷する。また、図12においても、ステップS43、S44が省略され、上記合成画像の印刷処理が、ステップS46とS47の間に実行されることになる。
【0167】
また、上記において、図20の本体部数設定欄でM(M:自然数)が設定されると、表紙原稿と表紙原稿以外の組の文書画像がM組印刷される例のみを示した。しかしながら本発明は、印刷部数について以下のような態様を考えることができる。
【0168】
例えばコントロールパネル92の入力画面を図25に示すように、本体(指定された文書の1頁から最終頁)の部数を設定する“本体部数”の欄と、表紙原稿の部数を設定する“表紙原稿部数”の欄を設けるようにする。ここで、表紙原稿の取り出しを目的とする場合は“本体部数”として0、あるいは内容を確認するのであれば1を設定し、“表紙原稿部数”としてMを設定する。
【0169】
文書取り出しのときは、上記したように図14のの手順で文書の特定処理を実行した後、図15の取り出し処理に移行するようになっている。ここで、本体部数が0以外であるときは図15のステップS154(すなわち図12の手順)を実行して必要部数の印刷をする。“本体部数”の設定数の印刷を終えると、改めて1頁のみ、あるいは属性データのみを読み出して、文書IDマークと合成して、所定の部数設定するようにするとよい。本体の第1頁に文書IDマークを印刷しないときは、図25の“マーク付加”の欄で“しない”を選択すればよい。
【0170】
これによって、ユーザは必要部数の文書本体と、表紙原稿を得ることができることになる。
以上の説明において対話型操作手段(コントロールパネル92+入力制御手段92a)10は本ディジタル複合機に備付けとしたが、LANを介して接続されるマイクロコンピュータにその機能を持たせて遠隔操作することも可能である。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、ユーザは、原稿画像をファイリングするための操作を特別にすることなく、コピー動作、FAX受信、FAX送信およびリモートプリントとともに自動的にファイリングすることができるとともに、文書IDマーク付きの文書画像を得ることができる。この文書IDマークの用紙上の位置は自動的に決定される。
【0172】
また、文書IDがエンコードされた文書IDマーク付きの文書画像を,スキャナ部により読み取ることにより、蓄積された元の文書画像データ全部を容易に取り出すことができる。さらに、取り出したい文書画像が複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を、ADFに載置することにより、一括処理で取り出すことができる。
【0173】
さらに、文書IDがエンコードされた文書IDマーク付きの画像を,スキャナ部により読み取ることにより、蓄積された元の文書画像データを容易にFAX送信することができ、FAX送信したい文書画像が複数ある場合でも、複数の文書IDマーク付き原稿を、ADFに載置することにより、複数の蓄積された画像を、一括処理でFAX送信することができる。更に、遠隔地のファクシミリから上記文書IDマーク付き文書画像が伝送されたときであっても、該文書IDに対応する文書画像データを折り返し伝送することができる。
【0174】
上記のように文書画像の登録時や、取り出し時に必要な文書IDマーク付きの文書画像あるいは、それ以外の文書画像の部数の設定は自由に行うことができる。
【0175】
加えて、本ディジタル複合機は、HDDからリムーバブルメディアである光磁気ディスクへの移動/コピーを簡単に行うことができ、複数の文書の移動/コピーも文書IDマーク付きの画像をスキャナ部で読ませることにより一括して行うことができる。さらに、リムーバブルメディアに移動した文書画像データの管理を行うことができる。
【0176】
また、リムーバブルメディアに蓄積された文書画像データ取り出す際、その文書ファイルが、どのメディアに格納されているか不明になった場合でも、そのリムーバブルメディアのメディアIDを特定し、ユーザに知らせることができるので、操作性が向上する。
【0177】
また、本発明のディジタル複合機では、すでにファイリングされている文書原稿に、手書きでメモやコメントなどを書き加えて、再度その文書をファイリングする場合、その変更履歴をリンク情報として、記憶することができ、ファイリングされた文書のバージョン管理が可能となる。
【0178】
前記バージョン管理機能を用いて、文書取り出し時には、そのリンク情報を参照して、関連する文書を指定して取り出すことができる。
また、文書画像データの結合、削除も自由に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル複合機の主要部のブロック図である。
【図2】本発明のディジタル複合機の画像信号系統を示すブロック図である。
【図3】本発明のディジタル複合機の概略構造を示す側面透視図である。
【図4】ユーザ認証時のコントロールパネルの状態図である。
【図5】文書IDマークが合成された複写原稿画像の図である。
【図6】大サイズの文書IDマークが合成された複写原稿画像の図である。
【図7】文書属性テーブルの内容の説明図である。
【図8】モード選択時のコントロールパネルの状態図である。
【図9】コピー時のコントロールパネルの状態図
【図10】ファクシミリ送信時のコントロールパネルの状態図
【図11】1部プリント出力時のコピー処理フロー図である。
【図12】複数部プリント出力時のフロー図である。
【図13】ファクシミリ受信、ファクシミリ返送時のフローチャートである。
【図14】文書IDを決定するときのフローチャートである。
【図15】文書取り出し時のフローチャートである。
【図16】一般的なコピー処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】文書結合の手順を示すフローチャートである。
【図18】文書削除の手順を示すフローチャートである。
【図19】リンク情報がある場合の文書履歴の表示例を示す図である。
【図20】文書取り出し時のコントロールパネルの状態図である。
【図21】蓄積文書処理のモード選択時のコントロールパネルの状態図である。
【図22】ファイル移動処理時のコントロールパネルの状態図である。
【図23】警告メッセージのコントロールパネルでの表示の状態図である。
【図24】ファイルコピー処理時のコントロールパネルの状態図である。
【図25】文書取り出し時のコントロールパネルの表示の状態図でる。
【図26】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図27】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図28】属性管理テーブルでの文書内リンク情報の構成図である。
【図29】マーク位置テーブルの内容を示す概念図である。
【図30】用紙サイズ、文書内容方向を示す概念図である。
【図31】文書内容方向を入力するためのコントロールパネルの状態図ある。
【図32】文書IDマーク位置の例を示す概念図でる。
【図33】文書IDマークが付された文書画像の例を示す概念図である。
【図34】従来例を示すブロック図である。
【図35】従来技術によるバーコードを付した文書を示す概念図である。
【符号の説明】
1 文書画像データ入力手段
2 制御手段
3 文書管理手段
4 文書IDエンコード手段
5 文書IDデコード手段
6 属性記憶手段
7 記憶手段
8 パターン合成手段
9 出力手段
10 対話型操作手段
11 属性表示手段
12 検索手段
13 画像読み取り手段
14 ファクシミリ受信手段
15 プリント画像受信手段
30 オートドキュメントフィーダ(ADF)
91 CPU
92 コントロールパネル
94 FAXモデム
95 公衆回線
97 ハードディスクドライブ(HDD)
99 光磁気ディスクドライブ
100 光磁気ディスク
102 LAN
103 パターン合成回路
A イメージスキャナ部
B レーザプリンタ部
Claims (17)
- 文書画像入力手段としての画像読み取り手段より入力された特定の文書に対応する文書画像データを、少なくとも1種の記憶手段に該文書画像データを特定する文書IDを付して蓄積するとともに、該文書IDを含む属性情報を文書管理手段で管理し、必要に応じて上記文書IDに基づいて指定された文書画像を出力手段より出力することができるディジタル複合機において、
上記特定の文書に対応する文書画像データを上記記憶手段に蓄積する際に、上記文書IDに対応する文書IDマークを生成する文書IDエンコード手段と、
上記文書IDエンコード手段により生成された文書IDマークと上記特定の文書に対応する文書画像とを合成するパターン合成手段と、
上記文書画像入力手段より文書IDマーク付き文書画像を読ませることによって、該文書IDマークを解読して文書IDを得る文書IDデコード手段と、
上記記憶手段への蓄積処理とともに上記パターン合成手段によって生成された文書IDマーク付き文書画像を印刷出力する上記出力手段を備え、
文書IDマークがすでに合成された文書画像の文書画像データを読み取って再度上記記憶手段に蓄積するときに、上記出力手段より出力される文書画像に上記読み取った文書IDマークとは別の文書IDマークを付加する上記文書IDエンコード手段を備えたことを特徴とするディジタル複合機。 - 上記文書IDデコード手段より得られた文書IDに対応する文書画像と、新しい文書IDに対応する文書画像とを関連付けるリンク情報を登録する上記文書管理手段を備えた請求項1に記載のディジタル複合機。
- 文書画像入力手段としての画像読み取り手段より入力された特定の文書に対応する文書画像データを、少なくとも1種の記憶手段に該文書画像データを特定する文書IDを付して蓄積するとともに、該文書IDを含む属性情報を文書管理手段で管理し、必要に応じて上記文書IDに基づいて指定された文書画像を出力手段より出力することができるディジタル複合機において、
上記特定の文書に対応する文書画像データを上記記憶手段に蓄積する際に、上記文書IDに対応する文書IDマークを生成する文書IDエンコード手段と、
上記文書IDエンコード手段により生成された文書IDマークと上記特定の文書に対応する文書画像とを合成するパターン合成手段と、
上記文書画像入力手段より文書IDマーク付き文書画像を読ませることによって、該文書IDマークを解読して文書IDを得る文書IDデコード手段と、
上記記憶手段への蓄積処理とともに上記パターン合成手段によって生成された文書IDマーク付き文書画像を印刷出力する上記出力手段と、
上記文書IDマークを用いて文書画像を取り出す際に、上記出力手段より得られる文書画像に文書IDマークを付すか否かの選択ができる対話型操作手段を備えたことを特徴とするディジタル複合機。 - 文書画像入力手段としての画像読み取り手段より入力された特定の文書に対応する文書画像データを、少なくとも1種の記憶手段に該文書画像データを特定する文書IDを付して蓄積するとともに、該文書IDを含む属性情報を文書管理手段で管理し、必要に応じて上記文書IDに基づいて指定された文書画像を、上記文書IDに対応した文書IDマークを付して、出力手段より出力することができるディジタル複合機において、
上記文書IDマーク付き文書画像に印刷されたIDマークを読み取る上記画像読み取り手段と、
該読み取られた文書IDマークを文書IDにデコードする文書IDマークデコード手段と、
上記文書IDマークデコード手段より得られた文書ID、もしくは直接対話型操作手段より文字列で入力された文書IDに対応した文書画像を、特定の処理のために指定する上記文書管理手段と、
上記指定のために、上記文書IDマークを上記読み取り手段で読み取る、もしくは直接文字列で文書IDを入力するかを選択できる対話型操作手段とを備えたことを特徴とするディジタル複合機。 - 上記特定の処理が出力手段による文書取り出し処理である請求項4に記載のディジタル複合機。
- 上記文書取り出し処理によって取り出された文書画像に対して、上記文書IDに基づく文書IDマークを生成する文書IDマークエンコード手段と、上記生成された文書IDマークと、目的とする文書画像とを合成して、出力手段に転送するパターン合成手段とを備えた請求項5に記載のディジタル複合機。
- 原稿の大きさと文書内容の方向を上記文書IDに対応させて上記文書管理手段で管理し、上記文書IDマーク付き文書をパターン合成手段で生成する際に該文書IDマークとともに、その位置情報をパターン合成手段に入力する上記文書IDマークエンコード手段と、上記位置情報に基づいて文書IDマークの位置を決定する上記パターン合成手段を備えた請求項6に記載のディジタル複合機。
- 上記特定の処理が、目的とする文書画像データを特定種の記憶手段より他の特定種の記憶手段への複写もしくは移動処理である請求項4に記載のディジタル複合機。
- 特定の文書画像と他の文書画像が内容的に関連することを意味するリンク情報を上記文書管理手段が管理する場合に、
特定の文書に対応する文書IDを得たとき、該特定の文書と相互にリンクされた複数の文書の属性情報を、対話型操作手段に転送する上記文書管理手段と、
上記文書管理手段より得た属性情報を表示してユーザの選択に供し、ユーザが目的とする文書画像を選択できる上記対話型操作手段を備えた請求項4に記載のディジタル複合機。 - 上記特定の処理が、文書管理手段による複数の文書画像データを相互に結合する結合処理である請求項4に記載のディジタル複合機。
- 上記文書管理手段が結合される複数の文書画像データ相互の関連付けをする文書内リンク情報を生成して文書管理テーブルに登録する請求項10に記載のディジタル複合機。
- 上記特定の処理が、文書管理手段による目的とする文書画像データを削除する削除処理である請求項4に記載のディジタル複合機。
- 上記削除された文書IDを再使用しないようにした請求項12に記載のディジタル複合機。
- 上記文書画像入力手段としてのファクシミリ受信手段を備えるとともに、出力手段としてのファクシミリ送信手段を備え、上記文書IDデコード手段が、ファクシミリより受信された文書画像に付された文書IDマークを解読し、該解読の結果得られた文書IDに基づいて文書管理手段が特定の文書に対応する画像データを上記ファクシミリ送信手段を介して遠隔のファクシミリに出力する請求項4に記載のディジタル複合機。
- 対話型操作手段よりのユーザの指示に従ってファクシミリ受信の文書画像に付された文書IDマークを読み取り可能なサイズの文書IDマークを生成する上記文書エンコード手段と、
上記生成された文書IDマークと、目的とする文書画像とを合成して、出力手段に転送するパターン合成手段とを備えた請求項14に記載のディジタル複合機。 - 対話型操作手段よりのユーザの指示に従って入力されたパスワードを含めた文書IDに対応する文書IDマークを生成する上記文書IDマークエンコード手段を備えた請求項15に記載のディジタル複合機。
- 特定の文書画像に対応する文書IDマーク付き文書画像および/または文書画像の全頁の出力部数を設定できる対話型操作手段を備えた請求項5に記載のディジタル複合機。
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