JP3587062B2 - 水性被覆剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性被覆剤及びその製造方法に関する。詳しくは、金属素材に直接または下地塗料上に塗装される金属缶用の水性被覆剤、さらに詳しくは高加工性、耐食性が要求される金属缶内面に適用される水性被覆剤に関する。
【0002】
【従来技術】
芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする被覆剤は、加工性、耐内容性、塗膜物性に優れ、金属用、特に缶用塗料として使用されているが、芳香族系エポキシ樹脂自体は水性の媒体に溶解ないし分散しない。
【0003】
一方、省資源、省エネルギー、あるいは環境保全等の観点から水性の金属用の下塗り剤や塗料が検討されており、芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする下塗り剤や塗料についても種々の提案がなされている。
例えば、芳香族系エポキシ樹脂を界面活性剤を用いて水中に分散させる方法が知られているが、界面活性剤の作用により被覆剤の貯蔵安定性や塗膜物性に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0004】
そこで、界面活性剤を用いずに芳香族系エポキシ樹脂を水性化する方法として、一分子中にカルボキシル基とエポキシ基とを併せ持ついわゆる自己乳化型芳香族系エポキシ樹脂なども種々提案されて来ている。
【0005】
例えば、特開昭53−14963号公報および特開昭55−9433号公報には、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部と芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とを3級アミン類の存在下にエステル反応せしめ変性エポキシ樹脂を得(この方法を「エステル化法」という。)、次いで係る変性エポキシ樹脂中に残存する過剰のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和せしめることによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが示されている。
【0006】
また、特開昭57−105418号公報および特開昭58−198513号公報には、芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基と反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物を、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する種々のモノマーと(メタ)アクリル酸との混合物と共重合し(この方法を「変性エステル化法」、又は「直接重合法」という。)、得られる共重合体、即ち変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが開示されている。
【0007】
さらに、特開昭53−1228号公報には、芳香族系エポキシ樹脂の存在下でベンゾイルパーオキサイドなどのフリーラジカル発生剤を用いて(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーを含むラジカル重合性不飽和二重結合を有する種々のモノマーの混合物を共重合することによりアクリル共重合体が芳香族系エポキシ樹脂にグラフトしてなる変性エポキシ樹脂(この方法を「グラフト法」という。)を、アンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって水性媒体中に安定に分散し得ることが示されている。
【0008】
上記方法により得られる変性エポキシ樹脂は、いずれも変性エポキシ樹脂自身が水に対する分散性を有する自己乳化型であり、被覆剤として用いた場合、その塗膜は界面活性剤を含まないので、化学的性能、耐水性等が優れている。
しかしながら、上記自己乳化型エポキシ樹脂は、いずれもエポキシ樹脂に由来する部分とアクリル樹脂に由来する部分とを有するため、エポキシ樹脂が本来持つ下地との接着力、耐食性、加工性が良好である等の性能をアクリル樹脂に由来する部分が損ないやすいという欠点を有していた。特に高分子量エポキシ樹脂を用いる場合は、得られる塗膜が加工性に優れる一方、自己乳化しにくく、その塗膜は基材との密着性が良くなく、耐食性に劣るという欠点があった。
【0009】
また、上記技術により得られる自己乳化型芳香族エポキシ樹脂には、密着性や耐食性を向上させる目的でレゾール型フェノール樹脂を配合することも知られているが、レゾール型フェノール樹脂は硬化速度が遅く、また実用的に密着性や耐食性を満足し得る量を用いた場合、加工性が低下する。この為、高加工性と耐食性が同時に要求される缶種,用途に使用することが難しかった。
【0010】
特に、炭酸を含む飲料を充填する飲料缶は、5℃程度の低温で内容物が充填され蓋が取り付けられた後室温まで戻される。この過程で、缶内部の圧力が高くなるので、缶の蓋部分は内部からの圧力により外側へ膨らむ。そこで、この様な内圧による変形をも考慮した種々の加工が蓋部分には施されている。この種々の加工は、蓋材上の両面に塗膜を設けた後に行われるため、被覆剤には種々の加工において、塗膜欠陥を生じないような高加工性が要求される。
【0011】
一方、自己乳化型エポキシ樹脂を用いて高加工性を確保するために、種々の提案がなされている。例えば、特開平3−33169号公報には、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自己乳化型エポキシ樹脂が缶内面用塗料として提案されているが、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自己乳化型エポキシ樹脂だけでは硬化性が極めて不十分であり、また係るビスフェノールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自己乳化型エポキシ樹脂とアミノ樹脂やフェノール樹脂を併用すると、硬化性の点はある程度向上するが、缶内面塗料、特に蓋用塗料として使用するには依然として硬化性や加工性が不十分であり、さらなる改良が待ち望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自己乳化型芳香族系エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、耐水性に優れ、缶用塗料、特に蓋用塗料として使用する場合に十分な加工性と耐食性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性被覆剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、第1の発明は、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)とを(a1)/(a2)=20〜90/80〜10(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(A)、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mgKOH/g)未満であり且つガラス転移温度が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを(b1)/(b2)=99〜1/1〜99(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(B)、揮発性塩基、及び水性媒体を、変性エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/1(重量比)の割合で含有することを特徴とすることを特徴とする水性被覆剤である。
【0014】
第2の発明は、変性エポキシ樹脂(A)の揮発性塩基の中和物が乳化成分であり、変性エポキシ樹脂(B)が被乳化成分であることを特徴とする第1の発明記載の水性被覆剤である。
【0016】
第3の発明は、変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基と、酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部とを反応せしめてなることを特徴とする第1又は第2の発明に記載の水性被覆剤である。
【0017】
第4の発明は、変性エポキシ樹脂(A)が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合してなることを特徴とする第1又は第2の発明記載の水性被覆剤である。
【0018】
第5の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量が2000〜20000であることを特徴とする第3又は第4の発明記載の水性被覆剤である。
【0019】
第6の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを特徴とする第3ないし第5の発明のいずれか記載の水性被覆剤である。
【0020】
第7の発明は、変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめてなることを特徴とする第1又は第2の発明記載の水性被覆剤である。
【0021】
第8の発明は、変性エポキシ樹脂(B)が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合してなることを特徴とする第1ないし第7の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0022】
第9の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量が、2000〜20000であることを特徴とする第8の発明記載の水性被覆剤である。
【0023】
第10の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを特徴とする第8又は第9の発明記載の水性被覆剤である。
【0024】
第11の発明は、変性エポキシ樹脂(B)が、芳香族系エポキシ樹脂(b1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及び/又はカルボキシル基を有さずラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめてなることを特徴とする第1ないし第7の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0025】
第12の発明は、変性エポキシ樹脂(B)中の芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)が99〜1重量%であり、アクリル系樹脂部分(b2)が1〜99重量%であることを特徴とする第1ないし第11の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0026】
第13の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(a1)及び/又は芳香族系エポキシ樹脂(b1)が、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合型からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする第1ないし第12の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0027】
第14の発明は、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)とを(a1)/(a2)=20〜90/80〜10(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(A)と、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mgKOH/g)未満であり、かつガラス転移温度が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを(b1)/(b2)=99〜1/1〜99(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(B)とを混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、変性エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/1(重量比)の割合で水性媒体中に分散せしめることを特徴とする水性被覆剤の製造方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の水性被覆剤は、高酸価のアクリル系樹脂部分(a2)を有し水性化能を担う変性エポキシ樹脂(A)と、加工性と耐食性に優れる低酸価でガラス転移温度(以下、Tgという)の低いアクリル系樹脂部分(b2)を有する変性エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするものである。
即ち、変性エポキシ樹脂(A)と変性エポキシ樹脂(B)とは、共に芳香族エポキシ樹脂部分とアクリル系樹脂部分とを有する。変性エポキシ樹脂(A)は、変性エポキシ樹脂(A)を構成するアクリル系樹脂部分(a2)の酸価を高くすることによって、変性エポキシ樹脂(A)自体の自己乳化性を確保するばかりでなく、後述する変性エポキシ樹脂(B)に対して変性エポキシ樹脂(A)が一種の乳化剤として機能し、変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に分散せしめる機能を担う。
一方、変性エポキシ樹脂(B)は、変性エポキシ樹脂(B)自体としてはほとんど自己乳化性を有しないほどアクリル系樹脂部分(b2)の酸価を低くすることによって、塗膜の耐水性を向上せしめる機能と、アクリル系樹脂部分(b2)のTgを低くすることによって、塗膜の加工性及びと耐食性を向上する機能を担う。
つまり、本発明の水性被覆剤中の分散粒子は、低酸価で低Tgの変性エポキシ樹脂(B)の周囲を高酸価の変性エポキシ樹脂(A)が取り囲む、一種のコア/シェル構造を呈しているものと考えらる。
以下、本発明の水性被覆剤に用いられる変性エポキシ樹脂(A)、変性エポキシ樹脂(B)等について説明する。
【0029】
本発明の水性被覆剤に用いられる変性エポキシ樹脂(A)は、上記したように芳香族系エポキシ樹脂(a1)と酸価が50〜450(mg KOH /g )のカルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)(以下、アクリル系樹脂部分(a2)と略す)とを有するものであり、以下に示すような(1)エステル化法、(2)変性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフト法等の種々の方法で得ることができる。
【0030】
(1)エステル化法:芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基と、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部とを反応せしめる。係るエステル化反応は、親水性有機溶媒中で60〜170℃で10分ないし5時間撹拌しながら行うと良く、反応触媒としてアンモニア、アミン類を用いることができる。
【0031】
(2)変性エステル化法(直接重合法):カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合する。
尚、エステル化法及び変性エステル化法の場合、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の全部をカルボキシル基と反応せしめて、変性エポキシ樹脂(A)をエポキシ基を有しない単なるエポキシ樹脂の誘導体とすることも可能ではあるが、塗料としての反応性の観点からは芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめ、変性エポキシ樹脂(A)はエポキシ基を有していることが好ましい。
【0032】
(3)グラフト法:芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめ、芳香族系エポキシ樹脂(a1)にアクリル系樹脂部分(a2)をグラフトせしめる。
【0033】
尚、(a1)についてであるが、変性前には芳香族系エポキシ樹脂(a1)といい、変性エポキシ樹脂(A)の一部分を構成する成分を指すときは芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)といい、簡略化のために(a1)という同じ記号を使う。後述する芳香族系エポキシ樹脂(b1)の場合も同様である。
また、エステル化法の場合、芳香族系エポキシ樹脂(a1)との反応前に独立してアクリル系樹脂(a2)を得るものであり、他方、変性エステル化法及びグラフト法の場合には、反応に伴って変性エポキシ樹脂を構成するアクリル系樹脂部分(a2)を生じるが、簡略化のために(a2)という同じ記号を使う。後述する芳香族系エポキシ樹脂(b2)の場合も同様である。
【0034】
種々の方法で得られる変性エポキシ樹脂(A)は、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)/アクリル系樹脂部分(a2)=20〜90/80〜10(重量比)であり、40〜90/60〜10であることが好ましい。芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)が少ないと塗膜の加工性が悪くなる傾向にあり、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)が多いと相対的にアクリル系樹脂部分(a2)が少なくなるため後述する変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分散し難くなる。
【0035】
本発明において用いられる芳香族系エポキシ樹脂(a1)としては、ビスフェノール型、ノボラック型等の芳香族系のエポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノール型が好ましく、特にビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合型からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。また、エポキシ当量は2000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量が2000未満だと、本発明の水性被覆剤を用いて形成する塗膜の加工性が低下する傾向にある。
尚、グラフト法の場合には、用いる芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量の上限については特に制約はないが、エステル化法又は変性エステル化法で変性エポキシ樹脂(A)を得る場合には、エポキシ当量が20000以下の芳香族系エポキシ樹脂(a1)を用いることが好ましい。エステル化法又は変性エステル化法の場合に芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量が20000を越えると、変性後のエポキシ樹脂(A)の乳化能力が劣り、後述する変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分散し難くなる。
【0036】
変性エポキシ樹脂(A)を構成するアクリル系樹脂部分(a2)は、酸価が50〜450(mg KOH /g)であることが重要であり、酸価が100〜400であることがより好ましい。アクリル系樹脂部分(a2)の酸価が50未満では、変性エポキシ樹脂(A)の乳化能が劣り、後述する変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に乳化、分散せしめることができない。一方、アクリル系樹脂部分(a2)の酸価が450を越えると、塗膜の耐水性が悪化する。
【0037】
エステル化法におけるアクリル系樹脂部分(a2)は、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとラジカル重合性不飽和二重結合を有する他のモノマーとを、有機過酸化物、過硫酸塩、アゾビス化合物、又はこれらと還元剤とを組み合わせたレドックス系の重合触媒を用いて共重合することによって得られるものである。共重合に供されるラジカル重合性の全モノマー中、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーは、5重量%以上であることが好ましく、より望ましくは25〜70重量%である。また、得られる共重合体の数平均分子量(Mn)は、2000〜100000であることが好ましく、より好ましくは5000〜50000である。
尚、本発明における数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて求めたものである。
【0038】
カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0039】
上記カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーと共重合し得るラジカル重合性不飽和二重結合を有する他のモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル等のヒドロキシル基含有モノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリル酸モノマー等の1種もしくは2種以上が挙げられるが、スチレンおよびアクリル酸エチルが好ましい。
【0040】
尚、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、アクリル酸エステル系モノマーおよび/またはメタクリル酸エステル系モノマーを、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルは、アクリル酸ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸ヒドロキシエチルを、N−置換(メタ)アクリル系モノマーはN−置換アクリル系モノマーおよび/またはN−置換メタクリル系モノマーを意味する。
【0041】
変性エステル化法におけるアクリル系樹脂部分(a2)は、上記したようにカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーと芳香族系エポキシ樹脂(a1)との反応、及び続く共重合によって形成される部分である。即ち、上述のエステル化法とは異なり変性エステル化法には、アクリル系樹脂(a2)を独立して製造する工程はないので、その酸価は直接測ることはできない。変性エステル化法におけるアクリル系樹脂部分(a2)の酸価とは、エポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとの共重合に供されるラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマー(カルボキシル基を有するモノマーも有しないモノマーをも含む)を共重合した場合の仮想の共重合体の理論酸価である。
変性エステル化法の場合に使用される種々のモノマーとしては、上記エステル化法の場合と同様のモノマーが例示でき、変性エステル化法の場合、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物と共重合せしめるラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー以外のモノマーを仮想の共重合体の理論酸価が50〜450(mg KOH /g)になるように適宜選択すればよい。
【0042】
グラフト法におけるアクリル系樹脂部分(a2)は、芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめて形成される部分である。即ち、上述のエステル化法とは異なりグラフト法には、アクリル系樹脂(a2)を独立して製造する工程はないので、上記変性エステル化法の場合と同様に、その酸価は直接測ることはできない。グラフト法におけるアクリル系樹脂部分(a2)の酸価とは、反応に供されるカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーと、他のモノマーとを共重合した場合の仮想の共重合体の理論酸価であり、この仮想の共重合体の理論酸価が50〜450になるように重合組成を適宜選択すればよい。
【0043】
次に、被乳化成分である変性エポキシ樹脂(B)について説明する。
変性エポキシ樹脂(B)は、上記したように芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mg KOH /g)未満でTgが50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)(以下、アクリル系樹脂部分(b2)と略す)とを有するものであり、上記変性エポキシ樹脂(A)の場合と同様に(1)エステル化法、(2)変性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフト法等の種々の方法で得ることができる。
しかし、エステル化法の場合、アクリル系樹脂(b2)中のカルボキシル基が芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基との反応点になるので、酸価が50未満のアクリル系樹脂は反応点が少なく、芳香族系エポキシ樹脂(b1)と反応し難くなる。そこで、変性エポキシ樹脂(B)は、(2)変性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフト法で得ることが好ましい。
【0044】
芳香族系エポキシ樹脂(b1)としては、芳香族系エポキシ樹脂(a1)と同様のものが例示でき、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合型からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。また、塗膜の加工性の観点からエポキシ当量は2000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。
さらに、変性エステル化法の場合には、エポキシ当量が20000以下の芳香族系エポキシ樹脂(b1)を用いることが好ましい。変性エステル化法の場合に芳香族系エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量が20000を越えると、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとの反応点が少なくなり、エポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得難くなり、芳香族系エポキシ樹脂(b1)とアクリル系樹脂部分(a2)とが部分的に結合した変性エポキシ樹脂(A)ではなく、芳香族系エポキシ樹脂(b1)とアクリル系樹脂の単なる混合物に近いものが得られることとなるので好ましくない。
また、変性エステル化法であれグラフト法であれ、芳香族系エポキシ樹脂(b1)は、数平均分子量は1000〜30000でることが好ましく、5000〜20000であることがより好ましい。数平均分子量が1000未満では加工性が悪くなる傾向にあり、数平均分子量が30000を越えると、変性後のエポキシ樹脂(B)の粘度が非常に高くなり、その結果変性エポキシ樹脂(A)を用いても変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分散し難くなる。
【0045】
変性エポキシ樹脂(B)を構成するアクリル系樹脂部分(b2)は、酸価が50(mg KOH /g)未満あることが重要であり、30以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。酸価が50以上だと、塗膜の耐水性をほとんど向上できない。
アクリル系樹脂部分(b2)は酸価が0でも良いので、変性エポキシ樹脂(B)をグラフト法で得る場合には、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーを必須成分として用いる必要はなく、カルボキシル基を有せずラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーのみを芳香族系エポキシ樹脂(b1)にグラフトせしめてもよい。
また、アクリル系樹脂部分(b2)は、Tgが50℃未満あることが重要であり、30℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましい。Tgが50℃以上だと、塗膜の加工性及び耐食性をほとんど向上できない。
【0046】
変性エステル化法及びグラフト法には、エステル化法とは異なりアクリル系樹脂(b2)を独立して製造する工程はないので、変性エステル化法又はグラフト法のアクリル系樹脂部分(b2)の酸価及びTgを直接測ることはできない。
変性エステル化法におけるアクリル系樹脂部分(b2)の酸価とは、エポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとの共重合に供されるラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマー(カルボキシル基を有するモノマーも有しないモノマーをも含む)を共重合した場合の仮想の共重合体の理論酸価である。変性エステル化法におけるアクリル系樹脂部分(b2)のTgは、変性エポキシ樹脂(B)を得るため使用されるラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを重合した場合の仮想の共重合体の理論Tgである。
グラフト法におけるアクリル系樹脂部分(b2)の酸価及びTgとは、変性エポキシ樹脂(B)を得るため使用される種々のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを共重合した場合の仮想の共重合体の理論酸価及び理論Tgである。
即ち、両方法の場合、アクリル系樹脂部分(b2)の酸価が50(mg KOH /g)未満になるように、かつTgが50℃未満になるように、適宜ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを選択すればよい。
【0047】
仮想の共重合体のTgは、北岡協三著,「塗料用合成樹脂入門」(高分子刊行会)に記載されている下記式から求めることができる。
1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )・・・・+(Wn /Tgn )
ここで、Tgは得られるガラス転移温度(K)、Tg1 、Tg2 等はそれぞれのモノマーの単独重合体のガラス転移温度(K)、W1 、W2 等はそれぞれのモノマーの重量比率を表す。
【0048】
種々の方法で得られる変性エポキシ樹脂(B)は、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)/アクリル系樹脂部分(b2)=99〜1/1〜99(重量比)であり、99〜50/1〜50であることが好ましい。芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)が少ないと塗膜としての密着性が劣り、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)が多いと相対的にアクリル系樹脂部分(b2)が少なくなるため、塗膜の加工性及び耐食性の向上があまり期待できない。
【0049】
本発明の水性被覆剤は、さらに硬化性を向上させる目的でレゾール型フェノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)を含有することもできる。
本発明に用いることができるレゾール型フェノール樹脂(C)としては、任意のフェノール成分とホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下に縮合させて得られる樹脂が挙げられる。
また、レゾール型フェノール樹脂を構成するフェノール成分としては、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール類、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−tert−アミノフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール等の2官能性フェノール類、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の4官能性フェノール類等の単独あるいは2種以上の組み合わせが使用できる。
塩基性触媒としては、例えばアンモニア、アミン、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物等を用いることができる。
【0050】
本発明に用いることができる水性アミノプラスト樹脂(D)としては、任意のアミノ成分とホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下で付加重合し、アルコールでアルキルエーテル化されたもの、されていないもの、いずれでも良い。
アミノ成分としては、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、尿素、スピログアナミン、フタログアナミン等があり、単独あるいは2種類以上の組み合わせが使用される。
エーテル化のためのアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、等があり、単独あるいは2種類以上の組み合わせが使用される。
水性アミノプラスト樹脂(D)としては、メタノールあるいはエタノールでエーテル化されたメラミンあるいはベンゾグアナミン樹脂が好ましい。
【0051】
本発明の水性被覆剤は、以下の(1)〜(3)のようにして得ることができ、水性被覆剤の分散安定性の観点からは、(1)又は(2)が好ましい。
(1)変性エポキシ樹脂(A)と、変性エポキシ樹脂(B)とを混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、水性媒体中に分散せしめた後に、必要に応じて前記レゾール型フェノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)を加える。
【0052】
(2)変性エポキシ樹脂(A)と、変性エポキシ樹脂(B)と、必要に応じて前記レゾール型フェノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)とを混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、水性媒体中に分散せしめる。
【0053】
(3)変性エポキシ樹脂(A)に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物を用いて、変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、水性媒体中に分散せしめた後に、必要に応じて前記レゾール型フェノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)を加える。
【0054】
中和に用いる揮発性塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアミノアルコール類やアンモニアが挙げられる。
【0055】
本発明に用いる水性媒体としては、水の他に、水と混合しやすい溶剤を用いることができる。
例えば、アルコール類、グリコール類、ジグリコール類、アセテート系溶剤を用いることができる。
具体的には、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、アミルアルコール、メチルアミルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレングリコール、メチルプロピレンジグリコール、プロピルプロピレングリコール、プロピルジプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等を挙げることができるが、特に水と混合しやすい溶剤であれば、限定されるものではない。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、これらは本発明になんら制限を与えるものではない。 なお、以下の実施例及び比較例において、特に断らない限り「部」は重量部を意味する。
【0057】
製造例1:アクリル樹脂(a2−1)溶液の製造
(1)スチレン 105.0部
(2)アクリル酸エチル 105.0部
(3)メタクリル酸 90.0部
(4)ベンゾイルパーオキサイド 6.0部
(5)n−ブタノール 100.0部
(6)n−ブタノール 592.8部
(7)ベンゾイルパーオキサイド 0.6部
(8)ベンゾイルパーオキサイド 0.6部
4ッ口フラスコに上記(6)を仕込み、窒素気流下で110℃に加熱撹拌し、(1)〜(5)の混合液を110℃で3時間を要して滴下し、滴下1時間後に(7)を添加し、更に1時間後に(8)を添加し同温度で1時間保持して、固形分約30%、酸価196、数平均分子量10000のアクリル樹脂(a2−1)溶液を得た。
【0058】
製造例2:アクリル樹脂(a2−2)溶液の製造
表1に示す処方に従って、製造例1と同様にして、固形分約30%、酸価326,数平均分子量15000のアクリル樹脂(a1−2)溶液を得た。
【0059】
製造例3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1−1)溶液の製造
(1)エピコート1010(油化シェルエポキシ(株)製) 400.0部
(7)エチレングリコールモノブチルエーテル 266.7部
4ツ口フラスコに上記(1)(7)を仕込み、窒素気流下で110℃に加熱溶解し、固形分約60%、エポキシ当量4000,数平均分子量6000のビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1−1)溶液を得た。
【0060】
製造例4:ビスフェノールF型/ビスフェノールA型共重合エポキシ樹脂(a1−2)溶液の製造
(2)エピコート828EL(油化シェルエポキシ(株)製) 254.2部
(4)ビスフェノールF 139.4部
(6)ナトリウムメチラート(メタノール28%溶液) 0.08部
(8)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 200.0部
(7)エチレングリコールモノブチルエーテル 62.4部
4つ口フラスコに(2)(4)(6)を仕込み、撹拌しながら110℃まで加熱した。110℃より6時間かけて徐々に170℃まで昇温し、粘度が高くなったら(8)を徐々に添加して粘度を下げ、170℃で更に3時間反応を続けた。数平均分子量12000、エポキシ当量8500に達したら冷却し、(7)を加えて、固形分約60%のエポキシ樹脂溶液(a1−2)溶液を得た。
【0061】
製造例5:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(b1−1)溶液の製造
表2の処方に従って、製造例3と同様にして固形分約60%、エポキシ当量55000、数平均分子量11800のエポキシ樹脂(b1−1)溶液を得た。
【0062】
製造例6:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(b1−2)溶液の製造
表2の処方に従って、製造例4と同様にして、固形分約60%、エポキシ当量10000、数平均分子量11000のエポキシ樹脂溶液(b1−2)溶液を得た。
【0063】
製造例7:ビスフェノールF型/ビスフェノールA型共重合エポキシ樹脂(b1−3)溶液の製造
表2の処方に従って、製造例4と同様にして、固形分約60%、エポキシ当量12000、数平均分子量13000、1分子あたり0.9のエポキシ基を有するエポキシ樹脂溶液(b1−3)溶液を得た。
【0064】
製造例8:ビスフェノールFのレゾール型フェノール樹脂(C)溶液の製造
(1)ビスフェノールF 298.9 部
(2)ホルマリン(37%水溶液) 581.6 部
(3)水酸化ナトリウム 119.6 部
4ツ口フラスコに(1)〜(3)を仕込み、窒素気流下で60℃にて5時間反応させた後、塩酸にて中和し、キシレン/n−ブタノール/シクロヘキサノン=1/1/1と大量の水を加えて5時間放置し、生成塩を含む水層を分離除去し、有機溶剤層を減圧脱水して、固形分約35%のビスフェノールFのレゾール型フェノール樹脂(C)溶液を得た。
GPCにて分子量を測定したところ、得られたビスフェノールFのレゾール型フェノール樹脂(C)は、単量体メチロール化物30%、2量体メチロール化物20%、3量体メチロール化物20%、4量体以上のメチロール化物30%の混合物であった。
【0065】
製造例9:変性エポキシ樹脂(A−1)溶液の製造
(1)製造例1で得たアクリル樹脂(a2−1)溶液 125.0部
(2)製造例3で得た芳香族系エポキシ樹脂(a1−1)溶液 245.9部
(3)エチレングリコールモノブチルエーテル 89.9部
(4)ジメチルアミノエタノール 1.8部
4つ口フラスコに(1)〜(4)を仕込み、110℃に加熱して5時間反応させて固形分約40%の変性エポキシ樹脂(A−1)溶液を得た。
【0066】
製造例10〜11:変性エポキシ樹脂(A−2)、(A−3)溶液の製造
表3の処方に従って、製造例9と同様にして、変性エポキシ樹脂(A−2)、(A−3)溶液を得た。
【0067】
製造例12:変性エポキシ樹脂(B−1)溶液の製造
(1)製造例5で得られたエポキシ樹脂(b1−1)溶液 300.0 部
(2)アクリル酸エチル 9.0 部
(3)スチレン 0.38部
(4)メタアクリル酸 0.09部
(5)n−ブタノール 9.47部
(6)ベンゾイルパーオキサイド 0.57部
(7)エチレングリコールモノブチルエーテル 60.0 部
4つ口フラスコに(1)を仕込み、125℃に加熱した。125℃に保ち、撹拌しながら(2)〜(6)の混合物を30分かけて滴下した。滴下終了後、125℃で2時間反応を続けた。反応終了後、冷却しながら(7)で希釈し、固形分約50%の変性エポキシ樹脂(B−1)溶液を得た。
(2)〜(4)を共重合した場合の酸価は6.5(mg KOH /g )、Tgは−18℃である。
【0068】
製造例13〜24:変性エポキシ樹脂(B−2)〜(B−13)溶液の製造
表4〜5に示す処方に従って、製造例12と同様にして変性エポキシ樹脂(B−2)〜(B−13)溶液を得た。
【0069】
実施例1
(1)製造例9で得られた変性エポキシ樹脂(A−1)溶液 150.0部
(2)製造例12で得られた変性エポキシ樹脂(B−1)溶液 280.0部
(3)ジメチルアミノエタノール 7.0部
(4)イオン交換水 1000.0部
(5)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部
(6)イオン交換水 200.0部
4つ口フラスコに(1)〜(2)を仕込み100℃に加熱した。(3)を添加してよく撹拌した後(4)を1時間で徐々に添加した。減圧下50〜60℃で水と共に溶剤の一部を抜き、(5)を添加し(6)で固形分調整して含有溶剤量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0070】
実施例2〜9
表6に示した処方(固形分)に従って、実施例1と同様にして、溶剤含有量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0071】
実施例10
(1)製造例9で得た変性エポキシ樹脂(A−1)溶液 250.0部
(2)製造例12で得た変性エポキシ樹脂(B−1)溶液 200.0部
(3)ジメチルアミノエタノール 7.0部
(4)イオン交換水 1000.0部
(5)製造例8で得たレゾール型フェノール樹脂(C)溶液 11.4部
(6)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部
(7)イオン交換水 200.0部
4つ口フラスコに(1)〜(2)を仕込み100℃に加熱した。(3)を添加してよく撹拌した後(4)を1時間で徐々に添加した。(5)を添加し撹拌した後、減圧下50〜60℃で水と共に溶剤の一部を抜き、(6)を添加し(7)で固形分調整して含有溶剤量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0072】
実施例11〜12
表6に示した処方(固形分)に従って、実施例10と同様にして、溶剤含有量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0073】
比較例1〜10
表7に示した処方(固形分)に従って、実施例1又は実施例10と同様にして、溶剤含有量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0074】
比較例11
(1)製造例21で得た変性エポキシ樹脂(B−10)溶液 500.0部
(2)ジメチルアミノエタノール 7.0部
(3)イオン交換水 1000.0部
(4)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部
(5)イオン交換水 200.0部
4つ口フラスコに(1)を仕込み100℃に加熱した。(2)を添加してよく撹拌した後(3)を1時間で徐々に添加した。減圧下50〜60℃で水と共に溶剤の一部を抜き、(4)を添加し(5)で固形分調整して含有溶剤量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0075】
実施例1〜12、比較例1〜11で得られた水性被覆剤について、塗料としての貯蔵安定性を評価し、また、下記の条件で作成した試験パネルについて塗膜の諸物性を評価した。結果を表8〜9に示す。表8〜9における各種の試験方法は下記の通りである。
【0076】
(1)塗料としての貯蔵安定性:50℃の恒温器に保存し、定期的に外観性状を3ヶ月にわたり評価した。
○・・・・貯蔵安定性良好
×・・・・貯蔵中にゲル化、沈降、分離等の異常を生じた。
【0077】
試験パネル作成条件:0.30mmアルミ板上に塗膜厚みが10μになるようにバーコーターにて各水性分散体を塗装し、200℃で3分焼き付け乾燥して試験パネルを作成した。
【0078】
(2)加工性:塗装板を大きさ30mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして試験部位が35mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を挟み、3kg荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。その後、折り曲げ部の外側に1%食塩水をしみ込ませたスポンジを押し当てる。該スポンジのもう一方の側は電極としての金属板に接触しており、該金属板と折り曲げた塗装板の先端間に6V×10秒間通電し、10秒後の該金属板と折り曲げ部間の電流値を測定した。
3mA未満・・・・・・・・・・○
3〜7mA・・・・・・・・・・△
7mA以上・・・・・・・・・・×
【0079】
(3)炭酸飲料浸漬後の加工性(以下浸漬後加工性と略す):塗装板を大きさ30mm×50mmに切断し、炭酸飲料中に5℃で10日間浸漬した。5℃雰囲気下で塗装パネルを取り出し、塗れた状態で直ちに塗膜を外側にして試験部位が35mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を挟み、3kg荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。その後、折り曲げ部の外側に1%食塩水をしみ込ませたスポンジを押し当てる。該スポンジのもう一方の側は電極としての金属板に接触しており、該金属板と折り曲げた塗装板の先端間に6V×10秒間通電し、10秒後の該金属板と折り曲げ部間の電流値を測定した。評価の基準は、上記加工性と同じ。
【0080】
(4)耐食性試験:上記と同様にして炭酸飲料浸漬後の板を折り曲げ加工した。次いで、折り曲げ加工した試料を炭酸飲料中に40℃−1ヶ月浸漬し、折り曲げ部の腐食度合いを目視判定した。
全く腐食なし・・・・・・・・・・○
一部腐食あり・・・・・・・・・・△
全体に腐食あり・・・・・・・・・×
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【発明の効果】
本発明の水性被覆剤は、乳化剤的機能を担う高酸価の変性エポキシ樹脂(A)で、低酸価で低Tgの変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に乳化、分散せしめることによって、塗膜の耐水性を損なうことなく加工性及び耐食性を向上することができるようになった。特に本発明の水性被覆剤を缶内面に塗布した場合には、炭酸飲料のような腐食性の強い内容物の充填後に変形や加工が起こった場合でも、その変形部分や加工部分で塗膜欠陥が発生し難く、腐食が発生しない。
Claims (14)
- 芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)とを(a1)/(a2)=20〜90/80〜10(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(A)、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mgKOH/g)未満であり且つガラス転移温度が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを(b1)/(b2)=99〜1/1〜99(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(B)、揮発性塩基、及び水性媒体を、変性エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/1(重量比)の割合で含有することを特徴とすることを特徴とする水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(A)の揮発性塩基の中和物が乳化成分であり、変性エポキシ樹脂(B)が被乳化成分であることを特徴とする請求項1記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基と、酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部とを反応せしめてなることを特徴とする請求項1又は2記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(A)が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合してなることを特徴とする請求項1又は2記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量が2000〜20000であることを特徴とする請求項3又は4記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを特徴とする請求項3ないし5いずれか記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめてなることを特徴とする請求項1又は2記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(B)が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合してなることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量が、2000〜20000であることを特徴とする請求項8記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを特徴とする請求項8又は9記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(B)が、芳香族系エポキシ樹脂(b1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及び/又はカルボキシル基を有さずラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめてなることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の水性被覆剤。
- 変性エポキシ樹脂(B)中の芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)が99〜1重量%であり、アクリル系樹脂部分(b2)が1〜99重量%であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂(a1)及び/又は芳香族系エポキシ樹脂(b1)が、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合型からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載の水性被覆剤。
- 芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸価が50〜450(mgKOH/g)のカルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)とを(a1)/(a2)=20〜90/80〜10(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(A)と、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mgKOH/g)未満であり、かつガラス転移温度が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを(b1)/(b2)=99〜1/1〜99(重量比)の割合で有する変性エポキシ樹脂(B)とを混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、変性エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/1(重量比)の割合で水性媒体中に分散せしめることを特徴とする水性被覆剤の製造方法。
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