JP2000073005A - 水性被覆剤及びその製造方法 - Google Patents

水性被覆剤及びその製造方法

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JP2000073005A JP10246244A JP24624498A JP2000073005A JP 2000073005 A JP2000073005 A JP 2000073005A JP 10246244 A JP10246244 A JP 10246244A JP 24624498 A JP24624498 A JP 24624498A JP 2000073005 A JP2000073005 A JP 2000073005A
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Moritsugu Miyamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、自己乳化型芳香族系エポキ
シ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、耐水性に優れ、缶用
塗料、特に蓋用塗料として使用する場合に十分な加工性
と耐食性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性被覆剤を提
供することにある。 【解決手段】 芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸
価が50〜450(mg KOH /g )のカルボキシル基含
有アクリル系樹脂部分(a2)とを有する変性エポキシ
樹脂(A)、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価
が50(mg KOH /g )未満であり且つガラス転移温度
が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを有する
変性エポキシ樹脂(B)、揮発性塩基、及び水性媒体を
含有することを特徴とする水性被覆剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性被覆剤及びそ
の製造方法に関する。詳しくは、金属素材に直接または
下地塗料上に塗装される金属缶用の水性被覆剤、さらに
詳しくは高加工性、耐食性が要求される金属缶内面に適
用される水性被覆剤に関する。
【0002】
【従来技術】芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする被覆
剤は、加工性、耐内容性、塗膜物性に優れ、金属用、特
に缶用塗料として使用されているが、芳香族系エポキシ
樹脂自体は水性の媒体に溶解ないし分散しない。
【0003】一方、省資源、省エネルギー、あるいは環
境保全等の観点から水性の金属用の下塗り剤や塗料が検
討されており、芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする下
塗り剤や塗料についても種々の提案がなされている。例
えば、芳香族系エポキシ樹脂を界面活性剤を用いて水中
に分散させる方法が知られているが、界面活性剤の作用
により被覆剤の貯蔵安定性や塗膜物性に悪影響を及ぼす
傾向がある。
【0004】そこで、界面活性剤を用いずに芳香族系エ
ポキシ樹脂を水性化する方法として、一分子中にカルボ
キシル基とエポキシ基とを併せ持ついわゆる自己乳化型
芳香族系エポキシ樹脂なども種々提案されて来ている。
【0005】例えば、特開昭53−14963号公報お
よび特開昭55−9433号公報には、カルボキシル基
を有するアクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部と芳
香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とを3級アミ
ン類の存在下にエステル反応せしめ変性エポキシ樹脂を
得(この方法を「エステル化法」という。)、次いで係
る変性エポキシ樹脂中に残存する過剰のカルボキシル基
をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和
せしめることによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に
安定に分散し得ることが示されている。
【0006】また、特開昭57−105418号公報お
よび特開昭58−198513号公報には、芳香族系エ
ポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を、(メタ)アクリル
酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合
とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基と反応せし
め、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重
結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物を、ラジカル
重合性不飽和二重結合を有する種々のモノマーと(メ
タ)アクリル酸との混合物と共重合し(この方法を「変
性エステル化法」、又は「直接重合法」という。)、得
られる共重合体、即ち変性エポキシ樹脂中のカルボキシ
ル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で
中和することによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に
安定に分散し得ることが開示されている。
【0007】さらに、特開昭53−1228号公報に
は、芳香族系エポキシ樹脂の存在下でベンゾイルパーオ
キサイドなどのフリーラジカル発生剤を用いて(メタ)
アクリル酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和
二重結合とを併せ持つモノマーを含むラジカル重合性不
飽和二重結合を有する種々のモノマーの混合物を共重合
することによりアクリル共重合体が芳香族系エポキシ樹
脂にグラフトしてなる変性エポキシ樹脂(この方法を
「グラフト法」という。)を、アンモニアもしくはアミ
ン類等の塩基性化合物で中和することによって水性媒体
中に安定に分散し得ることが示されている。
【0008】上記方法により得られる変性エポキシ樹脂
は、いずれも変性エポキシ樹脂自身が水に対する分散性
を有する自己乳化型であり、被覆剤として用いた場合、
その塗膜は界面活性剤を含まないので、化学的性能、耐
水性等が優れている。しかしながら、上記自己乳化型エ
ポキシ樹脂は、いずれもエポキシ樹脂に由来する部分と
アクリル樹脂に由来する部分とを有するため、エポキシ
樹脂が本来持つ下地との接着力、耐食性、加工性が良好
である等の性能をアクリル樹脂に由来する部分が損ない
やすいという欠点を有していた。特に高分子量エポキシ
樹脂を用いる場合は、得られる塗膜が加工性に優れる一
方、自己乳化しにくく、その塗膜は基材との密着性が良
くなく、耐食性に劣るという欠点があった。
【0009】また、上記技術により得られる自己乳化型
芳香族エポキシ樹脂には、密着性や耐食性を向上させる
目的でレゾール型フェノール樹脂を配合することも知ら
れているが、レゾール型フェノール樹脂は硬化速度が遅
く、また実用的に密着性や耐食性を満足し得る量を用い
た場合、加工性が低下する。この為、高加工性と耐食性
が同時に要求される缶種,用途に使用することが難しか
った。
【0010】特に、炭酸を含む飲料を充填する飲料缶
は、5℃程度の低温で内容物が充填され蓋が取り付けら
れた後室温まで戻される。この過程で、缶内部の圧力が
高くなるので、缶の蓋部分は内部からの圧力により外側
へ膨らむ。そこで、この様な内圧による変形をも考慮し
た種々の加工が蓋部分には施されている。この種々の加
工は、蓋材上の両面に塗膜を設けた後に行われるため、
被覆剤には種々の加工において、塗膜欠陥を生じないよ
うな高加工性が要求される。
【0011】一方、自己乳化型エポキシ樹脂を用いて高
加工性を確保するために、種々の提案がなされている。
例えば、特開平3−33169号公報には、ビスフェノ
ールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自己乳化型エポキ
シ樹脂が缶内面用塗料として提案されているが、ビスフ
ェノールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自己乳化型エ
ポキシ樹脂だけでは硬化性が極めて不十分であり、また
係るビスフェノールF型のエポキシ樹脂を用いてなる自
己乳化型エポキシ樹脂とアミノ樹脂やフェノール樹脂を
併用すると、硬化性の点はある程度向上するが、缶内面
塗料、特に蓋用塗料として使用するには依然として硬化
性や加工性が不十分であり、さらなる改良が待ち望まれ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自己
乳化型芳香族系エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善
し、耐水性に優れ、缶用塗料、特に蓋用塗料として使用
する場合に十分な加工性と耐食性を兼ね備えた塗膜を形
成し得る水性被覆剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、第1の発明は、芳
香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸価が50〜450
(mg KOH /g )のカルボキシル基含有アクリル系樹脂
部分(a2)とを有する変性エポキシ樹脂(A)、芳香
族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mg KOH
/g )未満であり且つガラス転移温度が50℃未満のア
クリル系樹脂部分(b2)とを有する変性エポキシ樹脂
(B)、揮発性塩基、及び水性媒体を含有することを特
徴とする水性被覆剤である。
【0014】第2の発明は、変性エポキシ樹脂(A)の
揮発性塩基の中和物が乳化成分であり、変性エポキシ樹
脂(B)が被乳化成分であることを特徴とする第1の発
明記載の水性被覆剤である。
【0015】第3の発明は、重量比で変性エポキシ樹脂
(A)/変性エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/
1であることを特徴とする第1又は第2の発明記載の水
性被覆剤である。
【0016】第4の発明は、変性エポキシ樹脂(A)
が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基と、
酸価が50〜450(mg KOH /g )のカルボキシル基
含有アクリル系樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部
とを反応せしめてなることを特徴とする第1ないし第3
の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0017】第5の発明は、変性エポキシ樹脂(A)
が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合と
を併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは
全部と、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基
とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合
性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物
と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーと
を共重合してなることを特徴とする第1ないし第3の発
明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0018】第6の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(a
1)のエポキシ当量が2000〜20000であること
を特徴とする第4又は第5の発明記載の水性被覆剤であ
る。
【0019】第7の発明は、芳香族系エポキシ樹脂(a
1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せし
めることを特徴とする第4ないし第6の発明いずれか記
載の水性被覆剤である。
【0020】第8の発明は、変性エポキシ樹脂(A)
が、芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボ
キシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ
モノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合を有するモ
ノマーを過酸化物を用いて重合せしめてなることを特徴
とする第1ないし第3の発明いずれか記載の水性被覆剤
である。
【0021】第9の発明は、変性エポキシ樹脂(B)
が、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合と
を併せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは
全部と、芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基
とを反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合
性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物
と、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーと
を共重合してなることを特徴とする第1ないし第8の発
明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0022】第10の発明は、芳香族系エポキシ樹脂
(b1)のエポキシ当量が、2000〜20000であ
ることを特徴とする第9の発明記載の水性被覆剤であ
る。
【0023】第11の発明は、芳香族系エポキシ樹脂
(b1)中のエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応
せしめることを特徴とする第9又は第10の発明記載の
水性被覆剤である。
【0024】第12の発明は、変性エポキシ樹脂(B)
が、芳香族系エポキシ樹脂(b1)の存在下に、カルボ
キシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ
モノマー及び/又はカルボキシル基を有さずラジカル重
合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用い
て重合せしめてなることを特徴とする第1ないし第8の
発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0025】第13の発明は、変性エポキシ樹脂(B)
中の芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)が99〜1重量
%であり、アクリル系樹脂部分(b2)が1〜99重量
%であることを特徴とする第1ないし第12の発明いず
れか記載の水性被覆剤である。
【0026】第14の発明は、芳香族系エポキシ樹脂部
分(a1)及び/又は芳香族系エポキシ樹脂部分(b
1)が、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビ
スフェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビ
スフェノールAとビスフェノールFとの共重合型からな
る群より選ばれる1種以上であることを特徴とする第1
ないし第13の発明いずれか記載の水性被覆剤である。
【0027】第15の発明は、芳香族系エポキシ樹脂部
分(a1)と酸価が50〜450(mg KOH /g )のカ
ルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)とを有す
る変性エポキシ樹脂(A)と、芳香族系エポキシ樹脂部
分(b1)と酸価が50(mg KOH /g )未満であり且
つガラス転移温度が50℃未満のアクリル系樹脂部分
(b2)とを有する変性エポキシ樹脂(B)とを混合し
た後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変
性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少なくとも
一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳
化し、水性媒体中に分散せしめることを特徴とする水性
被覆剤の製造方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の水性被覆剤は、高酸価の
アクリル系樹脂部分(a2)を有し水性化能を担う変性
エポキシ樹脂(A)と、加工性と耐食性に優れる低酸価
でガラス転移温度(以下、Tgという)の低いアクリル
系樹脂部分(b2)を有する変性エポキシ樹脂(B)と
を含有することを特徴とするものである。即ち、変性エ
ポキシ樹脂(A)と変性エポキシ樹脂(B)とは、共に
芳香族エポキシ樹脂部分とアクリル系樹脂部分とを有す
る。変性エポキシ樹脂(A)は、変性エポキシ樹脂
(A)を構成するアクリル系樹脂部分(a2)の酸価を
高くすることによって、変性エポキシ樹脂(A)自体の
自己乳化性を確保するばかりでなく、後述する変性エポ
キシ樹脂(B)に対して変性エポキシ樹脂(A)が一種
の乳化剤として機能し、変性エポキシ樹脂(B)を水性
媒体中に分散せしめる機能を担う。一方、変性エポキシ
樹脂(B)は、変性エポキシ樹脂(B)自体としてはほ
とんど自己乳化性を有しないほどアクリル系樹脂部分
(b2)の酸価を低くすることによって、塗膜の耐水性
を向上せしめる機能と、アクリル系樹脂部分(b2)の
Tgを低くすることによって、塗膜の加工性及びと耐食
性を向上する機能を担う。つまり、本発明の水性被覆剤
中の分散粒子は、低酸価で低Tgの変性エポキシ樹脂
(B)の周囲を高酸価の変性エポキシ樹脂(A)が取り
囲む、一種のコア/シェル構造を呈しているものと考え
らる。以下、本発明の水性被覆剤に用いられる変性エポ
キシ樹脂(A)、変性エポキシ樹脂(B)等について説
明する。
【0029】本発明の水性被覆剤に用いられる変性エポ
キシ樹脂(A)は、上記したように芳香族系エポキシ樹
脂(a1)と酸価が50〜450(mg KOH /g )のカ
ルボキシル基含有アクリル系樹脂部分(a2)(以下、
アクリル系樹脂部分(a2)と略す)とを有するもので
あり、以下に示すような(1)エステル化法、(2)変
性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフト法等の
種々の方法で得ることができる。
【0030】(1)エステル化法:芳香族系エポキシ樹
脂(a1)中のエポキシ基と、カルボキシル基を有する
アクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部とを反応せし
める。係るエステル化反応は、親水性有機溶媒中で60
〜170℃で10分ないし5時間撹拌しながら行うと良
く、反応触媒としてアンモニア、アミン類を用いること
ができる。
【0031】(2)変性エステル化法(直接重合法):
カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併
せ持つモノマー中のカルボキシル基の一部もしくは全部
と、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とを
反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不
飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、
ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共
重合する。尚、エステル化法及び変性エステル化法の場
合、芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の全
部をカルボキシル基と反応せしめて、変性エポキシ樹脂
(A)をエポキシ基を有しない単なるエポキシ樹脂の誘
導体とすることも可能ではあるが、塗料としての反応性
の観点からは芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポキ
シ基の一部をカルボキシル基と反応せしめ、変性エポキ
シ樹脂(A)はエポキシ基を有していることが好まし
い。
【0032】(3)グラフト法:芳香族系エポキシ樹脂
(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性
不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラジカル重合
性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて
重合せしめ、芳香族系エポキシ樹脂(a1)にアクリル
系樹脂部分(a2)をグラフトせしめる。
【0033】尚、(a1)についてであるが、変性前に
は芳香族系エポキシ樹脂(a1)といい、変性エポキシ
樹脂(A)の一部分を構成する成分を指すときは芳香族
系エポキシ樹脂部分(a1)といい、簡略化のために
(a1)という同じ記号を使う。後述する芳香族系エポ
キシ樹脂(b1)の場合も同様である。また、エステル
化法の場合、芳香族系エポキシ樹脂(a1)との反応前
に独立してアクリル系樹脂(a2)を得るものであり、
他方、変性エステル化法及びグラフト法の場合には、反
応に伴って変性エポキシ樹脂を構成するアクリル系樹脂
部分(a2)を生じるが、簡略化のために(a2)とい
う同じ記号を使う。後述する芳香族系エポキシ樹脂(b
2)の場合も同様である。
【0034】種々の方法で得られる変性エポキシ樹脂
(A)は、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)/アクリ
ル系樹脂部分(a2)=20〜90/80〜10(重量
比)であることが好ましく、40〜90/60〜10で
あることがより好ましい。芳香族系エポキシ樹脂部分
(a1)が少ないと塗膜の加工性が悪くなる傾向にあ
り、芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)が多いと相対的
にアクリル系樹脂部分(a2)が少なくなるため後述す
る変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分散し
難くなる。
【0035】本発明において用いられる芳香族系エポキ
シ樹脂(a1)としては、ビスフェノール型、ノボラッ
ク型等の芳香族系のエポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェ
ノール型が好ましく、特にビスフェノールA型、ビスフ
ェノールF型、ビスフェノールAとビスフェノールFと
の混合型、及びビスフェノールAとビスフェノールFと
の共重合型からなる群より選ばれる1種以上であること
が好ましい。また、エポキシ当量は2000以上である
ことが好ましく、4000以上であることがより好まし
い。芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量が2
000未満だと、本発明の水性被覆剤を用いて形成する
塗膜の加工性が低下する傾向にある。尚、グラフト法の
場合には、用いる芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポ
キシ当量の上限については特に制約はないが、エステル
化法又は変性エステル化法で変性エポキシ樹脂(A)を
得る場合には、エポキシ当量が20000以下の芳香族
系エポキシ樹脂(a1)を用いることが好ましい。エス
テル化法又は変性エステル化法の場合に芳香族系エポキ
シ樹脂(a1)のエポキシ当量が20000を越える
と、変性後のエポキシ樹脂(A)の乳化能力が劣り、後
述する変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分
散し難くなる。
【0036】変性エポキシ樹脂(A)を構成するアクリ
ル系樹脂部分(a2)は、酸価が50〜450(mg KO
H /g)であることが重要であり、酸価が100〜40
0であることがより好ましい。アクリル系樹脂部分(a
2)の酸価が50未満では、変性エポキシ樹脂(A)の
乳化能が劣り、後述する変性エポキシ樹脂(B)を水性
媒体中に乳化、分散せしめることができない。一方、ア
クリル系樹脂部分(a2)の酸価が450を越えると、
塗膜の耐水性が悪化する。
【0037】エステル化法におけるアクリル系樹脂部分
(a2)は、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二
重結合とを併せ持つモノマーとラジカル重合性不飽和二
重結合を有する他のモノマーとを、有機過酸化物、過硫
酸塩、アゾビス化合物、又はこれらと還元剤とを組み合
わせたレドックス系の重合触媒を用いて共重合すること
によって得られるものである。共重合に供されるラジカ
ル重合性の全モノマー中、カルボキシル基とラジカル重
合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーは、5重量%
以上であることが好ましく、より望ましくは25〜70
重量%である。また、得られる共重合体の数平均分子量
(Mn)は、2000〜100000であることが好ま
しく、より好ましくは5000〜50000である。
尚、本発明における数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透
クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレ
ンの検量線を用いて求めたものである。
【0038】カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二
重結合とを併せ持つモノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸
等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0039】上記カルボキシル基とラジカル重合性不飽
和二重結合とを併せ持つモノマーと共重合し得るラジカ
ル重合性不飽和二重結合を有する他のモノマーとして
は、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モ
ノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)
アクリル酸n−イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル
酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル等のヒドロキシル
基含有モノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN
−置換(メタ)アクリル酸モノマー等の1種もしくは2
種以上が挙げられるが、スチレンおよびアクリル酸エチ
ルが好ましい。
【0040】尚、(メタ)アクリル酸エステルモノマー
は、アクリル酸エステル系モノマーおよび/またはメタ
クリル酸エステル系モノマーを、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチルは、アクリル酸ヒドロキシエチルおよび
/またはメタクリル酸ヒドロキシエチルを、N−置換
(メタ)アクリル系モノマーはN−置換アクリル系モノ
マーおよび/またはN−置換メタクリル系モノマーを意
味する。
【0041】変性エステル化法におけるアクリル系樹脂
部分(a2)は、上記したようにカルボキシル基とラジ
カル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーと芳香
族系エポキシ樹脂(a1)との反応、及び続く共重合に
よって形成される部分である。即ち、上述のエステル化
法とは異なり変性エステル化法には、アクリル系樹脂
(a2)を独立して製造する工程はないので、その酸価
は直接測ることはできない。変性エステル化法における
アクリル系樹脂部分(a2)の酸価とは、エポキシ基と
ラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーと
の共重合に供されるラジカル重合性不飽和二重結合を有
するモノマー(カルボキシル基を有するモノマーも有し
ないモノマーをも含む)を共重合した場合の仮想の共重
合体の理論酸価である。変性エステル化法の場合に使用
される種々のモノマーとしては、上記エステル化法の場
合と同様のモノマーが例示でき、変性エステル化法の場
合、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重
結合とを併せ持つ化合物と共重合せしめるラジカル重合
性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、カルボキ
シル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモ
ノマー、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結
合とを併せ持つモノマー以外のモノマーを仮想の共重合
体の理論酸価が50〜450(mg KOH /g)になるよ
うに適宜選択すればよい。
【0042】グラフト法におけるアクリル系樹脂部分
(a2)は、芳香族系エポキシ樹脂(a1)の存在下
に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合と
を併せ持つモノマー及びラジカル重合性不飽和二重結合
を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめて形成
される部分である。即ち、上述のエステル化法とは異な
りグラフト法には、アクリル系樹脂(a2)を独立して
製造する工程はないので、上記変性エステル化法の場合
と同様に、その酸価は直接測ることはできない。グラフ
ト法におけるアクリル系樹脂部分(a2)の酸価とは、
反応に供されるカルボキシル基とラジカル重合性不飽和
二重結合とを併せ持つモノマーと、他のモノマーとを共
重合した場合の仮想の共重合体の理論酸価であり、この
仮想の共重合体の理論酸価が50〜450になるように
重合組成を適宜選択すればよい。
【0043】次に、被乳化成分である変性エポキシ樹脂
(B)について説明する。変性エポキシ樹脂(B)は、
上記したように芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸
価が50(mg KOH /g)未満でTgが50℃未満のア
クリル系樹脂部分(b2)(以下、アクリル系樹脂部分
(b2)と略す)とを有するものであり、上記変性エポ
キシ樹脂(A)の場合と同様に(1)エステル化法、
(2)変性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフ
ト法等の種々の方法で得ることができる。しかし、エス
テル化法の場合、アクリル系樹脂(b2)中のカルボキ
シル基が芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基
との反応点になるので、酸価が50未満のアクリル系樹
脂は反応点が少なく、芳香族系エポキシ樹脂(b1)と
反応し難くなる。そこで、変性エポキシ樹脂(B)は、
(2)変性エステル化法(直接重合法)、(3)グラフ
ト法で得ることが好ましい。
【0044】芳香族系エポキシ樹脂(b1)としては、
芳香族系エポキシ樹脂(a1)と同様のものが例示で
き、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフ
ェノールAとビスフェノールFとの混合型、及びビスフ
ェノールAとビスフェノールFとの共重合型からなる群
より選ばれる1種以上であることが好ましい。また、塗
膜の加工性の観点からエポキシ当量は2000以上であ
ることが好ましく、4000以上であることがより好ま
しい。さらに、変性エステル化法の場合には、エポキシ
当量が20000以下の芳香族系エポキシ樹脂(b1)
を用いることが好ましい。変性エステル化法の場合に芳
香族系エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量が2000
0を越えると、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和
二重結合とを併せ持つモノマーとの反応点が少なくな
り、エポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併
せ持つ化合物を得難くなり、芳香族系エポキシ樹脂(b
1)とアクリル系樹脂部分(a2)とが部分的に結合し
た変性エポキシ樹脂(A)ではなく、芳香族系エポキシ
樹脂(b1)とアクリル系樹脂の単なる混合物に近いも
のが得られることとなるので好ましくない。また、変性
エステル化法であれグラフト法であれ、芳香族系エポキ
シ樹脂(b1)は、数平均分子量は1000〜3000
0でることが好ましく、5000〜20000であるこ
とがより好ましい。数平均分子量が1000未満では加
工性が悪くなる傾向にあり、数平均分子量が30000
を越えると、変性後のエポキシ樹脂(B)の粘度が非常
に高くなり、その結果変性エポキシ樹脂(A)を用いて
も変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に安定に分散し
難くなる。
【0045】変性エポキシ樹脂(B)を構成するアクリ
ル系樹脂部分(b2)は、酸価が50(mg KOH /g)
未満あることが重要であり、30以下であることが好ま
しく、10以下であることがより好ましい。酸価が50
以上だと、塗膜の耐水性をほとんど向上できない。アク
リル系樹脂部分(b2)は酸価が0でも良いので、変性
エポキシ樹脂(B)をグラフト法で得る場合には、カル
ボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持
つモノマーを必須成分として用いる必要はなく、カルボ
キシル基を有せずラジカル重合性不飽和二重結合を有す
るモノマーのみを芳香族系エポキシ樹脂(b1)にグラ
フトせしめてもよい。また、アクリル系樹脂部分(b
2)は、Tgが50℃未満あることが重要であり、30
℃以下であることが好ましく、−10℃以下であること
がより好ましい。Tgが50℃以上だと、塗膜の加工性
及び耐食性をほとんど向上できない。
【0046】変性エステル化法及びグラフト法には、エ
ステル化法とは異なりアクリル系樹脂(b2)を独立し
て製造する工程はないので、変性エステル化法又はグラ
フト法のアクリル系樹脂部分(b2)の酸価及びTgを
直接測ることはできない。変性エステル化法におけるア
クリル系樹脂部分(b2)の酸価とは、エポキシ基とラ
ジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーとの
共重合に供されるラジカル重合性不飽和二重結合を有す
るモノマー(カルボキシル基を有するモノマーも有しな
いモノマーをも含む)を共重合した場合の仮想の共重合
体の理論酸価である。変性エステル化法におけるアクリ
ル系樹脂部分(b2)のTgは、変性エポキシ樹脂
(B)を得るため使用されるラジカル重合性不飽和二重
結合を有するモノマーを重合した場合の仮想の共重合体
の理論Tgである。グラフト法におけるアクリル系樹脂
部分(b2)の酸価及びTgとは、変性エポキシ樹脂
(B)を得るため使用される種々のラジカル重合性不飽
和二重結合を有するモノマーを共重合した場合の仮想の
共重合体の理論酸価及び理論Tgである。即ち、両方法
の場合、アクリル系樹脂部分(b2)の酸価が50(mg
KOH /g)未満になるように、かつTgが50℃未満
になるように、適宜ラジカル重合性不飽和二重結合を有
するモノマーを選択すればよい。
【0047】仮想の共重合体のTgは、北岡協三著,
「塗料用合成樹脂入門」(高分子刊行会)に記載されて
いる下記式から求めることができる。 1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )・・・・+
(Wn /Tgn ) ここで、Tgは得られるガラス転移温度(K)、T
1 、Tg2 等はそれぞれのモノマーの単独重合体のガ
ラス転移温度(K)、W1 、W2 等はそれぞれのモノマ
ーの重量比率を表す。
【0048】種々の方法で得られる変性エポキシ樹脂
(B)は、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)/アクリ
ル系樹脂部分(b2)=99〜1/1〜99(重量比)
であることが好ましく、99〜50/1〜50であるこ
とがより好ましい。芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)
が少ないと塗膜としての密着性が劣り、芳香族系エポキ
シ樹脂部分(b1)が多いと相対的にアクリル系樹脂部
分(b2)が少なくなるため、塗膜の加工性及び耐食性
の向上があまり期待できない。
【0049】本発明の水性被覆剤は、さらに硬化性を向
上させる目的でレゾール型フェノール樹脂(C)や水性
アミノプラスト樹脂(D)を含有することもできる。本
発明に用いることができるレゾール型フェノール樹脂
(C)としては、任意のフェノール成分とホルムアルデ
ヒドを塩基性触媒の存在下に縮合させて得られる樹脂が
挙げられる。また、レゾール型フェノール樹脂を構成す
るフェノール成分としては、2,4−キシレノール、
2,6−キシレノール等の1官能性フェノール類、o−
クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフ
ェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノー
ル、2,5−キシレノール、p−tert−アミノフェ
ノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−シクロヘキシルフェノール等の2官能性フェノ
ール類、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノー
ル、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等
の3官能性フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF等の4官能性フェノール類等の単独あるいは2
種以上の組み合わせが使用できる。塩基性触媒として
は、例えばアンモニア、アミン、アルカリ土類金属の水
酸化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸
化物等を用いることができる。
【0050】本発明に用いることができる水性アミノプ
ラスト樹脂(D)としては、任意のアミノ成分とホルム
アルデヒドを塩基性触媒の存在下で付加重合し、アルコ
ールでアルキルエーテル化されたもの、されていないも
の、いずれでも良い。アミノ成分としては、メラミン、
ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、尿素、スピログ
アナミン、フタログアナミン等があり、単独あるいは2
種類以上の組み合わせが使用される。エーテル化のため
のアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソ
ブタノール、n−ブタノール、等があり、単独あるいは
2種類以上の組み合わせが使用される。水性アミノプラ
スト樹脂(D)としては、メタノールあるいはエタノー
ルでエーテル化されたメラミンあるいはベンゾグアナミ
ン樹脂が好ましい。
【0051】本発明の水性被覆剤は、以下の(1)〜
(3)のようにして得ることができ、水性被覆剤の分散
安定性の観点からは、(1)又は(2)が好ましい。 (1)変性エポキシ樹脂(A)と、変性エポキシ樹脂
(B)とを混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性
媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシ
ル基の少なくとも一部を中和し、該中和物で変性エポキ
シ樹脂(B)を乳化し、水性媒体中に分散せしめた後
に、必要に応じて前記レゾール型フェノール樹脂(C)
や水性アミノプラスト樹脂(D)を加える。
【0052】(2)変性エポキシ樹脂(A)と、変性エ
ポキシ樹脂(B)と、必要に応じて前記レゾール型フェ
ノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)とを
混合した後、該混合物に揮発性塩基及び水性媒体を添加
し、変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の少な
くとも一部を中和し、該中和物で変性エポキシ樹脂
(B)を乳化し、水性媒体中に分散せしめる。
【0053】(3)変性エポキシ樹脂(A)に揮発性塩
基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂(A)中の
カルボキシル基の少なくとも一部を中和し、該中和物を
用いて、変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、水性媒体中
に分散せしめた後に、必要に応じて前記レゾール型フェ
ノール樹脂(C)や水性アミノプラスト樹脂(D)を加
える。
【0054】中和に用いる揮発性塩基としては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、
2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等の
アミノアルコール類やアンモニアが挙げられる。
【0055】本発明に用いる水性媒体としては、水の他
に、水と混合しやすい溶剤を用いることができる。例え
ば、アルコール類、グリコール類、ジグリコール類、ア
セテート系溶剤を用いることができる。具体的には、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、
アミルアルコール、メチルアミルアルコール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、メチルプロピレングリコール、メチ
ルプロピレンジグリコール、プロピルプロピレングリコ
ール、プロピルジプロピレングリコール、ブチルプロピ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メチル
−3−メトキシブチルアセテート等を挙げることができ
るが、特に水と混合しやすい溶剤であれば、限定される
ものではない。
【0056】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、これらは本発明になんら制限を与えるものでは
ない。 なお、以下の実施例及び比較例において、特に断
らない限り「部」は重量部を意味する。
【0057】 製造例1:アクリル樹脂(a2−1)溶液の製造 (1)スチレン 105.0部 (2)アクリル酸エチル 105.0部 (3)メタクリル酸 90.0部 (4)ベンゾイルパーオキサイド 6.0部 (5)n−ブタノール 100.0部 (6)n−ブタノール 592.8部 (7)ベンゾイルパーオキサイド 0.6部 (8)ベンゾイルパーオキサイド 0.6部 4ッ口フラスコに上記(6)を仕込み、窒素気流下で1
10℃に加熱撹拌し、(1)〜(5)の混合液を110
℃で3時間を要して滴下し、滴下1時間後に(7)を添
加し、更に1時間後に(8)を添加し同温度で1時間保
持して、固形分約30%、酸価196、数平均分子量1
0000のアクリル樹脂(a2−1)溶液を得た。
【0058】製造例2:アクリル樹脂(a2−2)溶液
の製造 表1に示す処方に従って、製造例1と同様にして、固形
分約30%、酸価326,数平均分子量15000のア
クリル樹脂(a1−2)溶液を得た。
【0059】 製造例3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1−1)溶液の製造 (1)エピコート1010(油化シェルエポキシ(株)製) 400.0部 (7)エチレングリコールモノブチルエーテル 266.7部 4ツ口フラスコに上記(1)(7)を仕込み、窒素気流
下で110℃に加熱溶解し、固形分約60%、エポキシ
当量4000,数平均分子量6000のビスフェノール
A型エポキシ樹脂(a1−1)溶液を得た。
【0060】 製造例4:ビスフェノールF型/ビスフェノールA型共重合エポキシ樹脂(a 1−2)溶液の製造 (2)エピコート828EL(油化シェルエポキシ(株)製) 254.2部 (4)ビスフェノールF 139.4部 (6)ナトリウムメチラート(メタノール28%溶液) 0.08部 (8)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 200.0部 (7)エチレングリコールモノブチルエーテル 62.4部 4つ口フラスコに(2)(4)(6)を仕込み、撹拌し
ながら110℃まで加熱した。110℃より6時間かけ
て徐々に170℃まで昇温し、粘度が高くなったら
(8)を徐々に添加して粘度を下げ、170℃で更に3
時間反応を続けた。数平均分子量12000、エポキシ
当量8500に達したら冷却し、(7)を加えて、固形
分約60%のエポキシ樹脂溶液(a1−2)溶液を得
た。
【0061】製造例5:ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(b1−1)溶液の製造 表2の処方に従って、製造例3と同様にして固形分約6
0%、エポキシ当量55000、数平均分子量1180
0のエポキシ樹脂(b1−1)溶液を得た。
【0062】製造例6:ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(b1−2)溶液の製造表2の処方に従って、製造例
4と同様にして、固形分約60%、エポキシ当量100
00、数平均分子量11000のエポキシ樹脂溶液(b
1−2)溶液を得た。
【0063】製造例7:ビスフェノールF型/ビスフェ
ノールA型共重合エポキシ樹脂(b1−3)溶液の製造 表2の処方に従って、製造例4と同様にして、固形分約
60%、エポキシ当量12000、数平均分子量130
00、1分子あたり0.9のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂溶液(b1−3)溶液を得た。
【0064】 製造例8:ビスフェノールFのレゾール型フェノール樹脂(C)溶液の製造 (1)ビスフェノールF 298.9 部 (2)ホルマリン(37%水溶液) 581.6 部 (3)水酸化ナトリウム 119.6 部 4ツ口フラスコに(1)〜(3)を仕込み、窒素気流下
で60℃にて5時間反応させた後、塩酸にて中和し、キ
シレン/n−ブタノール/シクロヘキサノン=1/1/
1と大量の水を加えて5時間放置し、生成塩を含む水層
を分離除去し、有機溶剤層を減圧脱水して、固形分約3
5%のビスフェノールFのレゾール型フェノール樹脂
(C)溶液を得た。GPCにて分子量を測定したとこ
ろ、得られたビスフェノールFのレゾール型フェノール
樹脂(C)は、単量体メチロール化物30%、2量体メ
チロール化物20%、3量体メチロール化物20%、4
量体以上のメチロール化物30%の混合物であった。
【0065】 製造例9:変性エポキシ樹脂(A−1)溶液の製造 (1)製造例1で得たアクリル樹脂(a2−1)溶液 125.0部 (2)製造例3で得た芳香族系エポキシ樹脂(a1−1)溶液 245.9部 (3)エチレングリコールモノブチルエーテル 89.9部 (4)ジメチルアミノエタノール 1.8部 4つ口フラスコに(1)〜(4)を仕込み、110℃に
加熱して5時間反応させて固形分約40%の変性エポキ
シ樹脂(A−1)溶液を得た。
【0066】製造例10〜11:変性エポキシ樹脂(A
−2)、(A−3)溶液の製造 表3の処方に従って、製造例9と同様にして、変性エポ
キシ樹脂(A−2)、(A−3)溶液を得た。
【0067】 製造例12:変性エポキシ樹脂(B−1)溶液の製造 (1)製造例5で得られたエポキシ樹脂(b1−1)溶液 300.0 部 (2)アクリル酸エチル 9.0 部 (3)スチレン 0.38部 (4)メタアクリル酸 0.09部 (5)n−ブタノール 9.47部 (6)ベンゾイルパーオキサイド 0.57部 (7)エチレングリコールモノブチルエーテル 60.0 部 4つ口フラスコに(1)を仕込み、125℃に加熱し
た。125℃に保ち、撹拌しながら(2)〜(6)の混
合物を30分かけて滴下した。滴下終了後、125℃で
2時間反応を続けた。反応終了後、冷却しながら(7)
で希釈し、固形分約50%の変性エポキシ樹脂(B−
1)溶液を得た。(2)〜(4)を共重合した場合の酸
価は6.5(mg KOH /g )、Tgは−18℃である。
【0068】製造例13〜24:変性エポキシ樹脂(B
−2)〜(B−13)溶液の製造 表4〜5に示す処方に従って、製造例12と同様にして
変性エポキシ樹脂(B−2)〜(B−13)溶液を得
た。
【0069】 実施例1 (1)製造例9で得られた変性エポキシ樹脂(A−1)溶液 150.0部 (2)製造例12で得られた変性エポキシ樹脂(B−1)溶液 280.0部 (3)ジメチルアミノエタノール 7.0部 (4)イオン交換水 1000.0部 (5)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部 (6)イオン交換水 200.0部 4つ口フラスコに(1)〜(2)を仕込み100℃に加
熱した。(3)を添加してよく撹拌した後(4)を1時
間で徐々に添加した。減圧下50〜60℃で水と共に溶
剤の一部を抜き、(5)を添加し(6)で固形分調整し
て含有溶剤量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を
得た。
【0070】実施例2〜9 表6に示した処方(固形分)に従って、実施例1と同様
にして、溶剤含有量約10%、固形分約25%の水性被
覆剤を得た。
【0071】 実施例10 (1)製造例9で得た変性エポキシ樹脂(A−1)溶液 250.0部 (2)製造例12で得た変性エポキシ樹脂(B−1)溶液 200.0部 (3)ジメチルアミノエタノール 7.0部 (4)イオン交換水 1000.0部 (5)製造例8で得たレゾール型フェノール樹脂(C)溶液 11.4部 (6)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部 (7)イオン交換水 200.0部 4つ口フラスコに(1)〜(2)を仕込み100℃に加
熱した。(3)を添加してよく撹拌した後(4)を1時
間で徐々に添加した。(5)を添加し撹拌した後、減圧
下50〜60℃で水と共に溶剤の一部を抜き、(6)を
添加し(7)で固形分調整して含有溶剤量約10%、固
形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0072】実施例11〜12 表6に示した処方(固形分)に従って、実施例10と同
様にして、溶剤含有量約10%、固形分約25%の水性
被覆剤を得た。
【0073】比較例1〜10 表7に示した処方(固形分)に従って、実施例1又は実
施例10と同様にして、溶剤含有量約10%、固形分約
25%の水性被覆剤を得た。
【0074】 比較例11 (1)製造例21で得た変性エポキシ樹脂(B−10)溶液 500.0部 (2)ジメチルアミノエタノール 7.0部 (3)イオン交換水 1000.0部 (4)エチレングリコールモノブチルエーテル 50.0部 (5)イオン交換水 200.0部 4つ口フラスコに(1)を仕込み100℃に加熱した。
(2)を添加してよく撹拌した後(3)を1時間で徐々
に添加した。減圧下50〜60℃で水と共に溶剤の一部
を抜き、(4)を添加し(5)で固形分調整して含有溶
剤量約10%、固形分約25%の水性被覆剤を得た。
【0075】実施例1〜12、比較例1〜11で得られ
た水性被覆剤について、塗料としての貯蔵安定性を評価
し、また、下記の条件で作成した試験パネルについて塗
膜の諸物性を評価した。結果を表8〜9に示す。表8〜
9における各種の試験方法は下記の通りである。
【0076】(1)塗料としての貯蔵安定性:50℃の
恒温器に保存し、定期的に外観性状を3ヶ月にわたり評
価した。 ○・・・・貯蔵安定性良好 ×・・・・貯蔵中にゲル化、沈降、分離等の異常を生じ
た。
【0077】試験パネル作成条件:0.30mmアルミ
板上に塗膜厚みが10μになるようにバーコーターにて
各水性分散体を塗装し、200℃で3分焼き付け乾燥し
て試験パネルを作成した。
【0078】(2)加工性:塗装板を大きさ30mm×
50mmに切断し、塗膜を外側にして試験部位が35m
mになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験
片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を挟み、3kg荷
重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。その
後、折り曲げ部の外側に1%食塩水をしみ込ませたスポ
ンジを押し当てる。該スポンジのもう一方の側は電極と
しての金属板に接触しており、該金属板と折り曲げた塗
装板の先端間に6V×10秒間通電し、10秒後の該金
属板と折り曲げ部間の電流値を測定した。 3mA未満・・・・・・・・・・○ 3〜7mA・・・・・・・・・・△ 7mA以上・・・・・・・・・・×
【0079】(3)炭酸飲料浸漬後の加工性(以下浸漬
後加工性と略す):塗装板を大きさ30mm×50mm
に切断し、炭酸飲料中に5℃で10日間浸漬した。5℃
雰囲気下で塗装パネルを取り出し、塗れた状態で直ちに
塗膜を外側にして試験部位が35mmになるように2つ
折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.3
0mmのアルミ板を挟み、3kg荷重を45cmの高さ
より折り曲げ部に落下させた。その後、折り曲げ部の外
側に1%食塩水をしみ込ませたスポンジを押し当てる。
該スポンジのもう一方の側は電極としての金属板に接触
しており、該金属板と折り曲げた塗装板の先端間に6V
×10秒間通電し、10秒後の該金属板と折り曲げ部間
の電流値を測定した。評価の基準は、上記加工性と同
じ。
【0080】(4)耐食性試験:上記と同様にして炭酸
飲料浸漬後の板を折り曲げ加工した。次いで、折り曲げ
加工した試料を炭酸飲料中に40℃−1ヶ月浸漬し、折
り曲げ部の腐食度合いを目視判定した。 全く腐食なし・・・・・・・・・・○ 一部腐食あり・・・・・・・・・・△ 全体に腐食あり・・・・・・・・・×
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【発明の効果】本発明の水性被覆剤は、乳化剤的機能を
担う高酸価の変性エポキシ樹脂(A)で、低酸価で低T
gの変性エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に乳化、分散
せしめることによって、塗膜の耐水性を損なうことなく
加工性及び耐食性を向上することができるようになっ
た。特に本発明の水性被覆剤を缶内面に塗布した場合に
は、炭酸飲料のような腐食性の強い内容物の充填後に変
形や加工が起こった場合でも、その変形部分や加工部分
で塗膜欠陥が発生し難く、腐食が発生しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 護嗣 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 中野 和人 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AD08 CD03 FB07 FB09 JA02 4J038 CG142 DB001 DB061 DB361 DB451 GA06 GA07 HA306 JB03 MA08 MA13 NA03 PA07 PB04 PC02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と酸
    価が50〜450(mgKOH /g )のカルボキシル基含有
    アクリル系樹脂部分(a2)とを有する変性エポキシ樹
    脂(A)、 芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸価が50(mg
    KOH /g )未満であり且つガラス転移温度が50℃未満
    のアクリル系樹脂部分(b2)とを有する変性エポキシ
    樹脂(B)、 揮発性塩基、及び水性媒体を含有することを特徴とする
    ことを特徴とする水性被覆剤。
  2. 【請求項2】 変性エポキシ樹脂(A)の揮発性塩基の
    中和物が乳化成分であり、変性エポキシ樹脂(B)が被
    乳化成分であることを特徴とする請求項1記載の水性被
    覆剤。
  3. 【請求項3】 重量比で変性エポキシ樹脂(A)/変性
    エポキシ樹脂(B)=20/80〜99/1であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の水性被覆剤。
  4. 【請求項4】 変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エ
    ポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基と、酸価が50〜4
    50(mg KOH /g )のカルボキシル基含有アクリル系
    樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部とを反応せしめ
    てなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載
    の水性被覆剤。
  5. 【請求項5】 変性エポキシ樹脂(A)が、カルボキシ
    ル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノ
    マー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族
    系エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とを反応せし
    め、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重
    結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル
    重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合して
    なることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の
    水性被覆剤。
  6. 【請求項6】 芳香族系エポキシ樹脂(a1)のエポキ
    シ当量が2000〜20000であることを特徴とする
    請求項4又は5記載の水性被覆剤。
  7. 【請求項7】 芳香族系エポキシ樹脂(a1)中のエポ
    キシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを特
    徴とする請求項4ないし6いずれか記載の水性被覆剤。
  8. 【請求項8】 変性エポキシ樹脂(A)が、芳香族系エ
    ポキシ樹脂(a1)の存在下に、カルボキシル基とラジ
    カル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及びラ
    ジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーを過酸化
    物を用いて重合せしめてなることを特徴とする請求項1
    ないし3いずれか記載の水性被覆剤。
  9. 【請求項9】 変性エポキシ樹脂(B)が、カルボキシ
    ル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノ
    マー中のカルボキシル基の一部もしくは全部と、芳香族
    系エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基とを反応せし
    め、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重
    結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物と、ラジカル
    重合性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合して
    なることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載の
    水性被覆剤。
  10. 【請求項10】 芳香族系エポキシ樹脂(b1)のエポ
    キシ当量が、2000〜20000であることを特徴と
    する請求項9記載の水性被覆剤。
  11. 【請求項11】 芳香族系エポキシ樹脂(b1)中のエ
    ポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめることを
    特徴とする請求項9又は10記載の水性被覆剤。
  12. 【請求項12】 変性エポキシ樹脂(B)が、芳香族系
    エポキシ樹脂(b1)の存在下に、カルボキシル基とラ
    ジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー及び
    /又はカルボキシル基を有さずラジカル重合性不飽和二
    重結合を有するモノマーを過酸化物を用いて重合せしめ
    てなることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載
    の水性被覆剤。
  13. 【請求項13】 変性エポキシ樹脂(B)中の芳香族系
    エポキシ樹脂部分(b1)が99〜1重量%であり、ア
    クリル系樹脂部分(b2)が1〜99重量%であること
    を特徴とする請求項1ないし12いずれか記載の水性被
    覆剤。
  14. 【請求項14】 芳香族系エポキシ樹脂(a1)及び/
    又は芳香族系エポキシ樹脂(b1)が、ビスフェノール
    A型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAとビスフ
    ェノールFとの混合型、及びビスフェノールAとビスフ
    ェノールFとの共重合型からなる群より選ばれる1種以
    上であることを特徴とする請求項1ないし13いずれか
    記載の水性被覆剤。
  15. 【請求項15】 芳香族系エポキシ樹脂部分(a1)と
    酸価が50〜450(mgKOH /g )のカルボキシル基含
    有アクリル系樹脂部分(a2)とを有する変性エポキシ
    樹脂(A)と、芳香族系エポキシ樹脂部分(b1)と酸
    価が50(mgKOH /g )未満であり、かつガラス転移温
    度が50℃未満のアクリル系樹脂部分(b2)とを有す
    る変性エポキシ樹脂(B)とを混合した後、該混合物に
    揮発性塩基及び水性媒体を添加し、変性エポキシ樹脂
    (A)中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、
    該中和物で変性エポキシ樹脂(B)を乳化し、水性媒体
    中に分散せしめることを特徴とする水性被覆剤の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002146164A (ja) * 2000-08-30 2002-05-22 Dainippon Ink & Chem Inc 水性樹脂組成物及び該組成物の硬化塗膜を有する塗装金属材料
JP2007284541A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物
JP2007291221A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Kansai Paint Co Ltd 水性被覆組成物
JP2008001888A (ja) * 2006-05-22 2008-01-10 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物
CN102504198A (zh) * 2011-10-21 2012-06-20 江苏三木化工股份有限公司 一种改性环氧丙烯酸酯的制备方法

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