JP3585551B2 - 共振防止パイプクリップ - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、パイプ、チューブ、ケーブル等の細長い物品を表面から突き出すスタッドに固定するのに使われるプラスチック材料製のパイプクリップに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このようなクリップは例えば、燃料パイプ、ブレーキライン、電気ケーブル等を自動車両の車体に取り付けるのに使われ、しばしば自動車の車体の表面に溶接されたスタッドに取り付けられる。このように製造したクリップは、多くの変形態様に使われていて、本出願人が製造したものの例が英国特許２，０９８，６９９ 号と同２，１２９，８６３ 号に記述されている。
しかし、このようなクリップに保持されるパイプとケーブルが、例えばエンジンや燃料ポンプにより発生した振動や、又自動車両の通常の走行により発生した振動と共振し、これを伝達する場合がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、クリップ中に固定されるパイプ又はケーブルによる共振する傾向と振動の伝達を減少させるプラスチック製パイプクリップを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パイプ又はケーブルを固定する表面から突き出すスタッド上に係合するため、支持台上に支持された少なくとも１つの物品固定部材を備えるプラスチック製パイプクリップにおいて、物品固定部材が、支持台により支持された柔軟性ブリッジ部材上に取り付けられていることを特徴とするパイプクリップを提供する。
柔軟性ブリッジ部材が支持台をまたぐようにしてもよく、又は支持台が柔軟性ブリッジ部材に対しオフセット配置され、該ブリッジ部材の一端に又はその近くに位置するようにしてもよい。
一つの好適な実施例では、柔軟性ブリッジ部材は、支持台に直接又は直接でなく取り付けられた２つの丸い屈曲性要素の間に支持される。
複数の物品固定部材は、柔軟性ブリッジ部材上に取り付けるようにしてもよく、これらの物品固定部材は、同じ直径のパイプ及びケーブルを支持するような大きさにすることができ、又は異なる直径のパイプ及びケーブルを支持するような大きさにすることもできる。
【０００５】
物品固定部材は、支持台に直接は取り付けられず、柔軟性ブリッジ部材により支持されるので、物品固定部材に固定されるパイプ又はケーブルの振動は有効に吸収され、それゆえこのような振動は減衰する。従って、本発明により、パイプクリップ中に固定されるパイプ、ケーブル中の又はそこに誘起される共振は、大きく減少する。
本発明のパイプクリップには、カバーを組み込むことができ、該カバーはパイプクリップに係合するスタッドが取り付けられる表面に接するのが好ましい。所望により、カバーをパイプ、ケーブルに沿って延ばすことができ、又長いカバーが複数のパイプクリップを組み込むようにすることもできる。
本発明をよりよく理解するため、図面を参照していくつかの実施例を詳細に説明する。
【０００６】
【実施例】
図１，図２を参照すると、２つの物品固定部材（８） がそれぞれ内部に柔軟性パイプ設置フィンガー（９） を備える。物品固定部材（８） は、ウェブ（１２）により支持台（１３）に取り付けられる２つの丸い屈曲性要素（１１）の間を延びる柔軟性ブリッジ部材（１０）に取り付けられている。支持台（１３）は、自動車の車体のパネルに取り付けられるスタッド（図示せず）に係合するように設計されている。
使用中は、１対のパイプ（１４，１５） を物品固定部材（８） 内に置き、支持台（１３）をスタッドに係合させるとき、それによりパイプ（１４，１５） は自動車の車体のパネルに固定される。パイプがこのように固定されるとき、柔軟性ブリッジ部材（１０）は、パイプ（１４，１５） 内で発生する振動を吸収するのに役立つ。
図３，図４を参照すると、２つの物品固定部材がそれぞれ柔軟性パイプ設置フィンガー（１８，１９） と協働する受け台部分（１６，１７） により形成され、２つの大きな物品固定部材が柔軟性パイプ設置フィンガー（２２，２３） と協働する受け台部分（２０，２１） により形成されている。これらの４つの物品固定部材は、２つの丸い屈曲性要素（２５）の間を延びる柔軟性ブリッジ部材（２４）により支持され、該屈曲性要素（２５）は支持台（２７）に取り付けられたウェブ（２６）により支持される。支持台（２７）はウェブ（２６）とブリッジ部材（２４）の一端に取り付けられ、自動車の車体のパネル（２９）に溶接された溶接スタッド（２８）に係合する。ウェブ（２６）は延びてカバー（３０）を形成し、該カバーはパネル（２９）に接触して、パイプクリップ上にきちんとした保護シールを形成する。
【０００７】
パイプとケーブルが物品固定部材に支持され、柔軟性ブリッジ部材により自動車の車体に取り付けられた支持台に固定されているとき、パイプとケーブルに沿って発生する振動は、パイプクリップにより減衰する。
図５，図６を参照すると、再度２つの物品固定部材がそれぞれ柔軟性物品固定フィンガー（１８’，１９’） と協働する受け台部分（１６’，１７’） により形成され、２つの大きな物品固定部材が柔軟性パイプ設置フィンガー（２２’，２３’） と協働する受け台部分（２０’，２１’） により形成されている。これらの４つの物品固定部材は、２つの丸い屈曲性要素（２５’） の間を延びる細長い柔軟性ブリッジ部材（２４’） により支持され、該屈曲性要素（２５’） は第２柔軟性ブリッジ部材（３１）により連接され、該第２ブリッジ部材（３１）はウェブ（２６’） により支持される支柱（３２）に取り付けられ、該ウェブ（２６’） は、支持台（２７’） に取り付けられている。支持台（２７’） はウェブ（２６’） とブリッジ部材（２４’，３１）の一端に取り付けられ、自動車の車体のパネル（２９’） に溶接された溶接スタッド（２８’） に係合する。ウェブ（２６’） は延びてカバー（３０’） を形成し、該カバーはパネル（２９’） に接触して、パイプクリップ上にきちんとした保護シールを形成する。カバー（３０’） はリブ（３３）により強固にされる。
【０００８】
第２柔軟性ブリッジ部材（３１）が含まれるので、物品固定部材と支持台の間の柔軟性が増加し、パイプクリップがそれにより支持されるパイプとケーブルに沿って発生する振動を吸収する能力を改善することができる。
「パイプ」という言葉は、この明細書ではパイプ、チューブ、ケーブル及びこのような直線で細長い物品を含む。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による、１対の同じサイズのパイプを支持するように設計されたパイプクリップの側面図である。
【図２】図１のパイプクリップの平面図であり、２本のパイプがそこに固定されたことを示す。
【図３】本発明による、１対の同じサイズのパイプ又はケーブルと第２の１対の小さいパイプ又はケーブルを支持するように設計され、自動車の車体に取り付けられたパイプクリップの側面図である。
【図４】図３のパイプクリップの矢印ＩＶの方向から見た図である。
【図５】図３のパイプクリップを変形したものの側面図である。
【図６】図３のパイプクリップの矢印ＩＶの方向から見た図である。
【符号の説明】
８・・物品固定部材
９・・パイプ設置フィンガー
１０・・ブリッジ部材
１１・・屈曲性要素
１２・・ウェブ
１３・・支持台
１４，１５・・パイプ
１６，１７，２０，２１・・受け台部分
１８，１９，２２，２３・・パイプ設置フィンガー
２４・・ブリッジ部材
２５・・屈曲性要素
２６・・ウェブ
２７・・支持台
２８・・溶接スタッド
２９・・パネル
３０・・カバー
３１・・第２ブリッジ部材
３２・・支柱
３３・・リブ

Claims (11)

1. パイプ(14,15)を固定する表面から突き出すスタッド上に係合するため、支持台(13)上に支持された少なくとも１つの物品固定部材(8)を備えるプラスチック製パイプクリップにおいて、前記物品固定部材(8)が、前記支持台(13)により支持された柔軟性ブリッジ部材(10)上に取り付けられ、
   前記柔軟性ブリッジ部材 (10) が、前記支持台 (13) をまたぐことを特徴とするパイプクリップ。
2. パイプ (14,15) を固定する表面から突き出すスタッド上に係合するため、支持台 (27) 上に支持された少なくとも１つの物品固定部材 (16,17,20,21) を備えるプラスチック製パイプクリップにおいて、前記物品固定部材 (16,17,20,21) が、前記支持台 (27) により支持された柔軟性ブリッジ部材 (24) 上に取り付けられ、
   前記支持台(27)が、柔軟性ブリッジ部材(24)に対してオフセット配置され、該ブリッジ部材の一端に又はその近くに位置するようにしたことを特徴とするパイプクリップ。
3. 前記柔軟性ブリッジ部材(10,24)は、前記支持台(13,27)に取り付けられた２つの丸い屈曲性要素(11,25)の間に支持されることを特徴とする請求項１又は２記載のパイプクリップ。
4. 前記２つの屈曲性要素(25')は、前記支持台(27')に取り付けられたウェブ(26')に支持される２つの支柱(32)上に取り付けられる第２柔軟性ブリッジ部材(31)により連結されていることを特徴とする請求項３記載のパイプクリップ。
5. 複数の物品固定部材(16,17,20,21)は、前記柔軟性ブリッジ部材(24)上に取り付けられることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項記載のパイプクリップ。
6. 前記物品固定部材(16,17)は、同じ直径のパイプ及びケーブルを支持するような大きさであることを特徴とする請求項５記載のパイプクリップ。
7. 前記物品固定部材(16,17,20,21)は、異なる直径のパイプ及びケーブルを支持するような大きさであることを特徴とする請求項６記載のパイプクリップ。
8. 前記パイプクリップにカバー(30)を組み込んだことを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項記載のパイプクリップ。
9. 前記カバー(30)が、パイプクリップに係合するスタッド(28)が取り付けられる表面(29)に接することを特徴とする請求項８記載のパイプクリップ。
10. 前記カバー(30)が、前記パイプクリップにより固定されるパイプ、ケーブルに沿って延びることを特徴とする請求項８又は９記載のパイプクリップ。
11. 前記カバー(30)が、複数のパイプクリップを組み込むことを特徴とする請求項１０記載のパイプクリップ。

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