JP3585387B2 - 案内掲示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地面に立設した支柱に放射状に案内パネルを取り付ける案内掲示装置に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、この種の案内掲示装置は主として道路、公園、遊園地、動物園、遊歩道などに行先案内などのために設置されているものであり、従来は、実開昭60ー107113号公報、実公平2ー23618号公報、実公平8ー5506号公報等に示されたようなものが知られている。これらはいずれも、支柱に対して案内パネルの端部を直接に又は案内パネルの端部に固定した部材を嵌合させることにより、案内パネルが支柱から放射状に突出するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのものはいずれも要するに支柱に案内パネルの端部を嵌合しただけにすぎず、案内パネルが支柱に対して強固に取り付けられる構造ではなかったから、強風や外力などによって案内パネルが支柱を中心に回転等で変動しやすい傾向があった。ところが、例えば行先案内の方向が狂ってしまえば、非常に迷惑になり、場合によっては事故を招くおそれもある。
【0004】
また、従来のものは、微妙な角度調整ができにくかった。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、案内パネルを支柱に対して強固に取り付け、支柱に対して回動したり、振れたりすることのない案内掲示装置を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る案内掲示装置は、長尺で中空の円筒状支柱の上部外周に巻き付けられた固定具を介して案内パネルを取着した案内掲示装置において、上記支柱の全外周面には連続した凹凸からなる波形の係合部を形成するとともに、上記固定具には、かつ支柱の周長よりも短い巻き付け部と、巻き付け部の両端から外方に突出する1対の挟持部とを設け、上記巻き付け部の内周には上記上記支柱の外周面の係合部に係合する係合受け部を形成し、上記支柱の係合部と上記巻き付け部の内周の係合受け部とを少なくとも上記固定具の巻き付け部の両端で係合させ、上記両挟持部間に上記案内パネルの端部を挟むとともに、上記両挟持部を引き寄せることにより、上記固定具を上記支柱に固定し、上記案内パネルを上記固定具に挟持固定して上記支柱の半径方向に突出させたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る案内掲示装置は、長尺で中空の支柱の上部外周に巻き付けられた固定具を介して案内パネルを取着した案内掲示装置において、上記支柱の外周面には係合部を形成するとともに、上記固定具には、かつ支柱の周長よりも短い断面円弧状の巻き付け部と、巻き付け部の両端から外方に突出する1対の挟持部とを設け、上記巻き付け部の内周には連続した波形の係合受け部を形成し、上記支柱の係合部と上記巻き付け部の内周の係合受け部とを少なくとも上記固定具の巻き付け部の両端で係合させ、上記両挟持部間に上記案内パネルの端部を挟むとともに、上記両挟持部を引き寄せることにより、上記固定具を上記支柱に固定し、上記案内パネルを上記固定具に挟持固定して上記支柱の半径方向に突出させるように構成してもよい。
0008
また、前記各固定具の挟持部には、案内パネル側に突出する突部を形成するのが好ましい。
0009
前記固定具と案内パネルとの間には厚み調整材が介装されているのが好ましい。
0010
また、前記固定具は前記巻き付け部が複数に分割された部材を回動自在に連結するように構成してもよい。
0011
さらに、前記両挟持部間には案内パネルの端部に固定された案内パネル支持具を挟持固定するようにしてもよい。
0012
【発明の実施の形態】
図1は案内掲示装置の斜視図、図2はその要部の分解斜視図、図3は要部の横断面図を示すものであり、この案内掲示装置は、アルミニウムなどの金属からなる長尺の支柱1の上部に固定具2を介して案内パネル3を取着して成るものである。
0013
支柱1は中空の円筒状(後述のように多角筒状でもよい)に形成され、その外周面には連続した凹凸からなる波形の係合部4が形成されている。
0014
固定具2は巻き付け部5と挟持部6とからバンド状で、Ω字形、U字形等に形成されている。巻き付け部5は上記支柱1の外周に巻き付けられ、かつ支柱1の周長よりも短く形成されている。また、巻き付け部5の内側には、上記支柱1の係合部4に対応するように連続した凹凸からなる波形の係合受け部7が形成されている。挟持部6は巻き付け部5の両端から外方に突出するように形成され、1対が対向状に形成されている。各固定具2の挟持部6の先端には互いに向き合うように突出した突部11が形成されている。
0015
案内パネル3も中空の押出型材から構成すればよい。表面には行先、案内などが表示されている。
0016
次に、支柱1の上部に固定具2を介して案内パネル3を取着するにあたっては、まず上記固定具2の巻き付け部5の内側を支柱1の外周に巻き付ける。係合部4と係合受け部7とは互いに重合するようにする。そして、案内パネル3を上記挟持部6間に挟み、ボルト8とナット9とにより締め付けて、両挟持部6を引き寄せ変形して係合部4と係合受け部7とが強固に圧接された状態で支持しあうようにする。支柱1の上端にはキャップ10を取り付ける。これにより、案内パネル3は上記固定具2に挟持され、また上記固定具2は支柱1に圧接固定される。
そして、案内パネル3を上記支柱1の半径方向に安定に突出させることができる。
0017
案内パネル3を交換、補修し、あるいは案内パネル3の方向を変えるときは、ボルト8ナット9を外せば案内パネル3の取り外しができ、ナット9をゆるめれば案内パネル3の方向を変えることができる。
0018
上述の構成によれば、案内パネル3を上記挟持部6間に挟んでボルト8、ナット9により締め付けて両挟持部6を引き寄せる際、挟持部6の先端の突部11のみが案内パネル3の表面に直接に当接し、他の部分は案内パネル3の面から浮いた状態になっており、両挟持部6を引き寄せる余裕空間ができる。したがって、ボルト8とナット9とを強固に締め付けることができ、固定具2を支柱1に強く圧接して固定することができる。
0019
また、支柱1の係合部4と固定具2の係合受け部7とは互いに圧接状に係合しているから、固定具2は支柱1の回りに勝手に回動したり、ガタ、揺れ等の振れ、落下等が発生することがない。したがって、案内パネル3の方向を常に安定に保持することができる。
0020
なお、図4(a)(b)のように、支柱1の外周に形成した係合部4の数の方が固定具2の巻き付け」部5の係合受け部7の数よりも多く形成してもよい。図5に示すように、支柱1の外周に形成した係合部4の数の方が固定具2の巻き付け部5の係合受け部7の数よりも少なく形成するようにしてもよい。
0021
また、係合部4と係合受け部7との係合態様は、図4(a)(b)、図5に示すように、係合部4と係合受け部7のいずれかを凹部と凸部、凸部とこの凸部と隣り合う凸部、また凹部とこの凹部と隣り合う凹部と互いに嵌り合う形状として構成してもよい。
0022
また、上記の例は支柱1の断面が円形状で、前記固定具2の巻き付け部5の断面が円弧状に形成されているものであるが、支柱1と固定具2の形状はこれに限定されない。例えば、図6(a)(b)に示されるように、支柱1の断面が円形状で、前記固定具2の巻き付け部5の断面が円形状、円弧状等に形成されるようにしてもよい。
0023
次に、係合部4と係合受け部7とは、少なくとも前記固定具2の巻き付け部5の両端a、bで係合するように形成するのが好ましい。その理由は、固定具2をボルト8とナット9で締め付けて両挟持部6を引き寄せたとき、その締め付け力は固定具2の巻き付け部5の両端に直接に伝達され、最も締め付け力が強くなる。この部分で支柱1と固定具2とが係合することにより、締め付け後のゆるみが少なくなり、両者を永く強く固定状態に保持することができるからである。
0024
また、案内パネル3の厚みも、図7のように固定具2と案内パネル3との間には厚み調整材12を介装するように構成し、または巻き付け部を支柱1の約半分にした構成にしてもよい。
0025
同様に、図8に示すように、両挟持部6間には案内パネル3の端部に固定された案内パネル支持具13を挟持固定するようにしてもよい。これによれば、案内パネル支持具13に案内パネル3を支持する支持部14と固定具2に支持される支持部15とを連続的に形成することができるので、固定具2が案内パネル3の厚みと関係なく、常に最もよい状態で案内パネル支持具13を固定することができる。
0026
さらに、固定具2は一体に形成されたものに限定されない。例えば、図9、図10に示すように、巻き付け部5から略半分に分割された部材16、17をヒンジ金具18を介して回動自在に連結するようにしたものでもよい。固定具2は開閉することが可能となるから、開いて支柱1の回りに巻き付け、閉じて案内パネル3を自由な放射方向に取り付けることができ、取り付け後の方向調整、変更ができるので、取り扱いが非常に楽になる。
0027
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、案内パネルを上記挟持部間に挟んでボルト、ナットにより締め付けて両挟持部を引き寄せて離間した挟持部のみが案内パネルの表面に直接に当接した状態になって両挟持部を引き寄せる余裕空間ができ、案内パネルをしっかり固定することが可能となるとともに、固定具を支柱に強く圧接して固定することができる。
0028
また、支柱の係合部と固定具の係合受け部とは互いに係合しているから、固定具は支柱の回りに勝手に回動することがないとともに、案内パネルへの振れ防止、落下防止となる。したがって、取付施工も省力化でき、案内パネルの半径方向で支柱に安定に保持することができる。
0029
さらに、係合部と係合受け部とは、少なくとも前記固定具の巻き付け部の両端で係合するように形成されているから、固定具の挟持部を引き寄せたとき、その力は固定具の巻き付け部の両端に直接に伝達され、最も締め付け力が強くなる。この部分で支柱と固定具とが係合することにより、引き付け後のゆるみが少なくなり、支柱と固定具とを永く強く固定状態に保持することができる。
0030
請求項3に係る発明によれば、各固定具の挟持部には、案内パネル側に突出する突部が形成されているから、案内パネルを上記挟持部間に挟んでボルト、ナットにより締め付けて両挟持部を引き寄せる際、挟持部の先端の突部のみが案内パネルの表面に直接に当接し、他の部分は案内パネルの面から浮いた状態になっており、両挟持部を引き寄せる余裕空間ができる。したがって、ボルトとナットの締めスプリング効果による締め外れ防止となり、かつ、係合部と係合受け部とが常に当接できるように締め付けることができ、固定具を支柱に強く圧接して固定することができる。
0031
請求項4に係る発明によれば、固定具と案内パネルとの間には厚み調整材が介装されているから、案内パネルの厚みの大小又は形状に自由に対応することができる。
0032
請求項5に係る発明によれば、固定具は前記巻き付け部が複数に分割された部材を回動自在に連結したものであるから、固定具を開閉することができる。したがって、案内パネルの方向性の調整や変更がよく、固定具の取り扱いが非常に楽になる。
0033
請求項6に係る発明によれば、両挟持部間には案内パネルの端部に固定された案内パネル支持具を挟持固定するようにしたから、固定金具は案内パネルの厚さや形状等に影響されずに支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る案内掲示装置の斜視図
【図2】図1の要部の分解斜視図
【図3】図1の要部の横断面図
【図4】(a)(b)は支柱の係合部の数の方が固定具の係合受け部の数よりも大きい場合の案内掲示装置の断面図
【図5】支柱の係合部の数の方が固定具の係合受け部の数よりも少ない場合の案内掲示装置の断面図
図6(a)(b)はそれぞれ支柱が多角形状に形成された例の案内掲示装置の断面図
図7】案内パネルの厚さが異なるものに対応する例を示した案内掲示装置の断面図
【図8】案内パネル支持具を介して案内パネルを挟持した例の案内掲示装置の断面図
【図9】固定具が分割された例を示す案内掲示装置の断面図
【図10】上記案内掲示装置の固定具が開いた状態の平面図
【符号の説明】
1 支柱
2 固定具
4 係合部
5 巻き付け部
6 挟持部
7 係合受け部
13 案内パネル支持具

Claims (6)

  1. 長尺で中空の円筒状支柱の上部外周に巻き付けられた固定具を介して案内パネルを取着した案内掲示装置において、上記支柱の全外周面には連続した凹凸からなる波形の係合部を形成するとともに、上記固定具には、かつ支柱の周長よりも短い巻き付け部と、巻き付け部の両端から外方に突出する1対の挟持部とを設け、上記巻き付け部の内周には上記上記支柱の外周面の係合部に係合する係合受け部を形成し、上記支柱の係合部と上記巻き付け部の内周の係合受け部とを少なくとも上記固定具の巻き付け部の両端で係合させ、上記両挟持部間に上記案内パネルの端部を挟むとともに、上記両挟持部を引き寄せることにより、上記固定具を上記支柱に固定し、上記案内パネルを上記固定具に挟持固定して上記支柱の半径方向に突出させたことを特徴とする案内掲示装置。
  2. 長尺で中空の支柱の上部外周に巻き付けられた固定具を介して案内パネルを取着した案内掲示装置において、上記支柱の外周面には係合部を形成するとともに、上記固定具には、かつ支柱の周長よりも短い断面円弧状の巻き付け部と、巻き付け部の両端から外方に突出する1対の挟持部とを設け、上記巻き付け部の内周には連続した波形の係合受け部を形成し、上記支柱の係合部と上記巻き付け部の内周の係合受け部とを少なくとも上記固定具の巻き付け部の両端で係合させ、上記両挟持部間に上記案内パネルの端部を挟むとともに、上記両挟持部を引き寄せることにより、上記固定具を上記支柱に固定し、上記案内パネルを上記固定具に挟持固定して上記支柱の半径方向に突出させたことを特徴とする案内掲示装置。
  3. 前記請求項1又は請求項2において、前記各固定具の挟持部には、案内パネル側に突出する突部を形成したことを特徴とする案内掲示装置。
  4. 前記請求項1又は請求項2において、前記固定具と案内パネルとの間には厚み調整材が介装されていることを特徴とする案内掲示装置。
  5. 前記請求項1又は請求項2において、前記固定具は前記巻き付け部が複数に分割された部材を回動自在に連結したものであることを特徴とする案内掲示装置。
  6. 前記請求項1又は請求項2において、前記両挟持部間には案内パネルの端部に固定された案内パネル支持具を挟持固定したことを特徴とする案内掲示装置。
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