JP3584240B2 - ロボット玩具における腕装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボット玩具において腕部の動作にバリエーションをもたせる腕装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
一般に、ロボット玩具は二足で歩行するか、あるいは直立状態で前後移動するかの2つの種類があるが、そのほかに、ロボット玩具の腕部や手部を動かしたり、肩部に武器玩具を取り付けておき、これによって武器を発射したりするものなどが知られている。
【0003】
しかしながら、ロボットの手部を動かしたり、手部に何かを持たせたりするためには、構造が複雑になるほか、出力も制限されるという問題がある。また、武器を肩部に備える方式では、弾丸を正確に飛ばすのは面倒であった。さらに、人間の手のような形では、作動に制約があり、自由な発想が生かされにくかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消し、構造を複雑にすることなしに大きな出力が得られ、また人間という枠にとらわれない、意外性のあるロボット玩具における腕装置を提案することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係るロボット玩具における腕装置は、以下の要件を備えたことを特徴とする。
(イ)頭部を備えた胴体部の左右両側に腕部材を前後方向に回動自在に連結するとともに、腕部材の先端には、適宜の作動機構を有する作動部材を着脱自在に取り付けるようにしたこと
(ロ)上記胴体部には上記腕部を回動させる駆動手段が設けられていること
(ハ)上記腕部の端面と上記作動部材の端面とには、それぞれコネクタ端子が設けられ、上記腕部と上記作動部材とが連結するときは、上記コネクタ端子は接続されること
(ニ)上記胴体部にはラジオコントロールによって制御される制御装置が備えられ、上記作動部材には上記制御装置から出力された信号を入力して作動する作動機構が備えられていること
【0006】
なお、前記作動機構は、前記腕部材の先端に設けられた1対のクランプ手段を開閉する開閉機構としてもよく、あるいは弾丸を飛ばす発射機構としてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1はロボット玩具の斜視図で、同図において符号1は胴体部、2は頭部、3は腕部である。
【0008】
腕部3は腕部材3aと作動部材3bとから構成されている。
【0009】
腕部材3aは胴体部1の左右両側に前後方向に回動自在に連結されている。また、腕部材3aは4個のリンク5、6、7、8によって構成されている。すなわち、上腕部3を構成する3個のリンク5、6、7、すなわち肩部に配置された基部リンク板5及びこのリンク板5に連結された2本のリンク6、7と、これら2本のリンク6、7の先端に連結されて前腕部3の基部を構成する連結リンク8とから構成されている。
【0010】
基部リンク板5は胴体部1の上部側面から側方に突出した駆動軸9に固定され、この駆動軸9には上記2本のリンクのうち一方のリンク6の端部も連結されている。したがって、基部リンク板5を回動させることにより、連結リンク8が上下に移動する。
【0011】
なお、駆動軸9は、図示しないが、胴体部1内に配置されたモータや歯車などの回転駆動手段に作動連結している。また、胴体部1の内部には制御装置(中央演算処理装置)が設けられ、腰部の後方にはバッテリ電源が設けられている。さらに、肩部には受信アンテナ10が設けられている。これに対し、コントローラ4からは制御信号が発信されるように構成されている。
【0012】
また、連結リンク8の内部には先端が開口した連結用空洞部11が形成されている。そして、空洞部11の底部中央にはコネクタ端子12が突設されている。コネクタ端子12は胴体部1の内部に設けられた制御装置とともに、背中に設けられたバッテリ電源(図示せず)に接続している。
【0013】
また、図3に示されるように、連結リンク8の上部には係合爪13が回動自在に取り付けられ、その基部には係合凸部14が形成され、係合爪13が倒れたときには上記係合凸部14が空洞部11内に突出するようになっている。
【0014】
次に、作動部材3bには、図3に示すハンドユニット15と図4に示すガンユニット16とがある。
【0015】
ハンドユニット15は、図3に示されるように、前腕部3の残りの一部を構成するハンド本体17とクランプハンド18とからなり、クランプハンド18は腕の軸を中心に回転するとともに、2本のクランプ手段19を開閉することができるように構成されている。
【0016】
すなわち、クランプハンド18の基部中央には筒軸20が形成され、筒軸20はハンド本体17の内部に嵌合している。筒軸20の端部には歯車21が固定されている。また、上記筒軸20の中心には回転軸22が配置され、回転軸22の先端にはウオーム歯車23が固定され、他端には歯車24が固定されている。クランプハンド18の内部には1対の歯車25、25が対向配置され、それぞれウオーム歯車23に噛合している。そして、1対の各歯車25、25にはクランプ手段19が固定されている。なお、ウオーム歯車23が回転すると、1対の対向歯車25、25は互いに逆方向に回転するように設定されている。
【0017】
ハンド本体17の内部には2つのモータ26、27と減速歯車28、29とが配置され、一方のモータ26の減速歯車28はクランプハンド18の筒軸の歯車21に、他方のモータの減速歯車29はウオーム歯車23の回転軸22の歯車24に噛合している。また、ハンド本体17の基部には連結軸31が形成されている。連結軸31は上記腕部材3aの連結用空洞部11に嵌入できる程度の大きさに形成され、その端部近傍の上部には凹部32が形成されている。また、連結軸31の端面にはコネクタ端子33が設けられている。このコネクタ端子33は上記2つのモータ26、27に電気的に接続している。
【0018】
上記ハンドユニット15を腕部材3aに連結するときは、腕部材3aの係合爪13を立てておき、上記連結軸31を腕部材3aの連結用空洞部11に嵌入し、両方のコネクタ端子12、33を接続させた後、上記係合爪13を倒して連結軸31の凹部32に係合爪13の係合凸部14を係合させればよい。
【0019】
次に、ガンユニット16は、図4に示されるように、箱型のガン本体35の先端から銃身筒36を突設し、基部から連結軸37を突設するとともに、ガン本体35の上部にはBB弾38(他の弾丸でもよい)の収納部39が形成され、該収納部39の上部には蓋付きの開口部40が形成されている。
【0020】
ガン本体35の内部には銃身筒36に打撃体41がBB弾38の発射方向に移動可能に配置され、圧縮バネ42により常時前方に付勢されている。打撃体41にはラック部43が一体に形成され、ラック部43には、扇形歯車44が噛合している。扇形歯車44は減速歯車45を介してモータ46に作動連結している。なお、BB弾38の収納部39の底部は上記銃身筒36の基部に開口している。また、連結軸37の端面にはコネクタ端子33が設けられている。このコネクタ端子33は上記モータ46に電気的に接続している。
【0021】
上記ガンユニット16を腕部材3aに連結するときも、腕部材3aの係合爪13を立てておき、図3に示されたものと同様に、上記連結軸37を腕部材3aの連結用空洞部11に嵌入し、両方のコネクタ端子12、33を接続させた後、上記係合爪13を倒して連結軸37の凹部に係合爪13の係合凸部14を係合させればよい。
【0022】
上記構成において、コントローラ4から信号を発信すると、この制御信号を受信して制御装置が胴体部1内の回転駆動手段を構成するモータを作動させ、腕部材3aのリンク機構を構成する基部リンクが回転するので、腕部材3aはモータの回転方向に応じて上方又は下方に回動する。これによって、腕部材3aの上下動を制御することができる。
【0023】
また、ラジオコントロールによってハンドユニット15の一方のモータ26に信号を発信すると、中央演算装置から一方のモータに作動信号が出力され、作動信号を入力したモータの作動により筒軸20が回転するので、クランプハンド18は筒軸20の軸心を中心に回転する。モータに逆転の信号を出力すると、クランプハンド18は逆方向に回転する。
【0024】
また、ハンドユニット15の他方のモータ27に信号を発信すると、このモータの作動により、ウオーム歯車23が回転し、対向配置された歯車25、25が互いに逆方向に回転するので、クランプ手段19は開閉するように動く。モータが一方に回転すると、クランプ手段19が開き方向に回動し、逆方向に回転すると、クランプ手段19は閉じ方向に回動する。
【0025】
したがって、クランプ手段19の方向と開閉を制御して、物を掴んだり、回転させたりすることができる。
【0026】
次に、ラジオコントロールによってガンユニット16のモータ46に信号を発信すると、作動信号を入力したモータ46の作動により減速歯車が回転し、ラック部43に噛合する扇形歯車44が回転するので、図5に示されるように、打撃体41が圧縮バネ42に抗して後方に移動させられる。そして、扇形歯車44とラック部43との噛合が外れると、圧縮バネ42により打撃体41が急激に前進する。銃身筒36には収納部内のBB弾38が供給されているから、打撃体41がBB弾38を打撃し、銃身筒36から打ち出す。モータが連続して回転すると、扇形歯車44が再びラック部43を後退させるので、BB弾38が発射される。このようにして、モータ46が回転している限りBB弾38は連続的に発射される。
【0027】
このようにして、腕部材3aを上下動させて適宜の的にBB弾38を当てるゲームや遊びを楽しむことができる。
【0028】
また、作動部材3bを交換するだけでいろいろなロボット玩具に多様な機能を持たせることができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、腕部材と作動部材とを別体として、作動部材を着脱自在としたので、作動する機構は作動部材に集中配置すればよい。そのため、構造を複雑にすることなしに大きな出力が得られ、また、必ずしも人間の手である必要がないので、先入観にとらわれない、意外性の高いロボット玩具を提供することができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、クランプ手段が開閉する構造であるから、簡単な構造で物を掴んだり放したりすることができる。
【0031】
請求項3に係る発明によれば、腕部自体に弾丸発射機構が組み込まれているので、腕部自体の操作によって同時に弾丸の発射方向も制御できる。したがって、弾丸の命中度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロボット玩具の斜視図
【図2】腕部の作動態様説明図
【図3】ハンドユニットの構造説明図
【図4】ガンユニットの構造説明図
【図5】ガンユニットの作動態様説明図
【符号の説明】
1 胴体部
3b 作動部材
12、33 コネクタ端子
Claims (3)
- 以下の要件を備えたことを特徴とするロボット玩具における腕装置。
(イ)頭部を備えた胴体部の左右両側に腕部材を前後方向に回動自在に連結するとともに、腕部材の先端には、適宜の作動機構を有する作動部材を着脱自在に取り付けるようにしたこと
(ロ)上記胴体部には上記腕部を回動させる駆動手段が設けられていること
(ハ)上記腕部の端面と上記作動部材の端面とには、それぞれコネクタ端子が設けられ、上記腕部と上記作動部材とが連結するときは、上記コネクタ端子は接続されること
(ニ)上記胴体部にはラジオコントロールによって制御される制御装置が備えられ、上記作動部材には上記制御装置から出力された信号を入力して作動する作動機構が備えられていること - 前記作動機構は、前記腕部材の先端に設けられた1対のクランプ手段を開閉する開閉機構である、請求項1記載のロボット玩具における腕装置。
- 前記作動機構は、弾丸を飛ばす発射機構である、請求項1記載のロボット玩具における腕装置。
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