JP3584102B2 - 移動足場用ハンガーレール - Google Patents

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JP3584102B2
JP3584102B2 JP32921395A JP32921395A JP3584102B2 JP 3584102 B2 JP3584102 B2 JP 3584102B2 JP 32921395 A JP32921395 A JP 32921395A JP 32921395 A JP32921395 A JP 32921395A JP 3584102 B2 JP3584102 B2 JP 3584102B2
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淳厚 本田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動足場用ハンガーレールに関し、詳しくは、橋梁や高架線路などの構築物の裏面等に対して行う補修や塗装などのメンテナンス作業に適した移動足場装置に用いられ、吊持された足場を移動可能に支持するための移動足場用ハンガーレールに関する。
【0002】
高架道路等の下面や側面のメンテナンス作業には足場が必要である。かかる作業対象の構築物が陸上に在ってさほど高くない場合、高所作業車によって持ち上げられた足場や地上に組み上げられたパイプ製の足場を用いて、比較的容易に作業を行うことができる。これに対し、水上の構築物や地上高さ数十メートル以上の高架物などの場合には、通常の足場装置では役に立たず、構築物に対して取り付けられた足場が必要になる。
【0003】
後者の場合、高架道路等が一般に同一・近似の断面形状で長く作られていることから、構築物の長手方向等の作業進行方向に沿って移動し得る移動足場が用いられる。これは、構築物に沿って取り付けられたハンガーレールと、このハンガーレールに移動自在に装着された吊持機と、この吊持機によって構築物の下方に吊持された足場とを備えて、構築物の下面等のメンテナンス作業を構築物に沿って行うことを可能としたものである。
【0004】
図3の全体図および図4の詳細図を引用して具体的に説明する。図3は移動足場を架設した高架道路等の構造物1を斜め下から見た図であり、図4はハンガーレール11の取付け部分である。この移動足場装置は、構造物1の下面の橋梁材2から左右(幅)方向に張り出したリブ2Aに対し、橋梁材2の長さ方向に沿ってハンガーレール11が万力12により取付けられている。
【0005】
ハンガーレール11は、逆T字形の断面形状をしており、下面には波形のラック状歯11aが長さ方向に設けられたものである。
【0006】
ハンガーレール11には、複数の吊持機20が移動可能に装着され、吊持機20は連結棒28によって連動して移動するようにされ、吊持機20には吊持棒32を介して吊持機30が吊持され、吊持機30にはトラスフレーム40上部のガイドレール41が左右方向移動可能に装着されている。なお、吊持機20は、箱形のケーシングにハンガーレール11貫通用の窓穴が開設されており、そのケーシングの中に、ハンガーレール11の上面を転動する車輪と、ハンガーレール11の下面のラック状歯11aに噛合するピニオンとが納められていて、ハンガーレール11に装着されたままで移動できるものとなっている。吊持機30も上下逆さであるが同様である。
【0007】
そして、透視のため図示を割愛した長板状の足場板が、何枚も、トラスフレーム40の下辺材43に端部のフックを係止して敷き詰められている。
【0008】
こうして布設された移動足場に乗って構造物1の下面に対する必要なメンテナンス作業を行い、その部分の作業を終えると、その後は作業進行方向へ新たなハンガーレール11を継ぎ足す。この際、収納自在な所謂オーバーハング足場を一時的に引き出し、この上に乗ってハンガーレールを延長連結する。そして、継ぎ足したハンガーレール11側へ吊持機20の作動等によって移動足場を移動させて再びメンテナンス作業を行う。
【0009】
この発明の移動足場用ハンガーレールは、このような移動足場に用いられ、足場の移動に先立つ延長のために連結することが可能な移動足場用ハンガーレールの連結部についての改良に関する。
【0010】
【従来の技術】
従来、移動足場用ハンガーレールは、図5に(a)の平面図,(b)の正面図を示したが、下面に波形のラック状歯11aが長さ方向に設けられた逆T字形の断面形状のレール本体部分すなわちハンガーレール11本体と、その両端に付設された連結板11b,連結板11cとから構成されている。
【0011】
連結板11b,連結板11cは、平面図上、ハンガーレール11の長手方向中心線に片面が接し、しかもその線に別異の方向から接するように、ハンガーレール11に固定されている。これにより、一方のハンガーレール11と他方のハンガーレール11との中心線を一致させて、互いの端部を当接させると、両者の連結板11b,11cが略全面で重なるようになっている。
【0012】
さらに、連結板11b,連結板11cには貫通孔が穿孔されている。しかも両板を重ねあわせたときに互いの貫通孔も連通するような部位に穿孔がなされている。さらに、連結板11b,11cの貫通孔は、径がボルト・ナット11dに対応している。
【0013】
そこで、既設のハンガーレール11に対し追加のハンガーレール11を延長連結するときには、既設ハンガーレール11の端面に追加ハンガーレール11の端面を当接させて、連結板11bと連結板11cとを重ね合わせ、その貫通孔が一致したところで、ボルト・ナット11dを通して両者を緊密に結合させるのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の移動足場用ハンガーレールでは、既設ハンガーレールと追加ハンガーレールとの中心線が一致するように両者の端面を当接させ且つ両者の連結板の貫通孔も一致するように両連結板を重ね合わせた状態でボルト・ナットを締結するに際し、作業者は一人しか乗れない狭いオーバーハング足場上で片手で両連結板を押えながら他の手で締結作業を行わなければならなかった。このため、素早くハンガーレールを延長連結するには、熟練や集中力が必要であった。
【0015】
そこで、連結板の一致状態を作業者の負担なしで維持させ作業者が締結作業に専念することが可能な構成を案出して、ハンガーレールの延長のための連結作業を容易なものにすることが課題となる。
【0016】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、延長のための連結作業が容易となる移動足場用ハンガーレールを実現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1ないし第3の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0018】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の移動足場用ハンガーレールは(、出願当初の請求項1に記載の如く)、
一方の端部に固設され隣接ハンガーレールとの連結を可能にする第1連結板と、他方の端部に固設され隣接ハンガーレールとの連結を可能にする第2連結板とを備え、構築物に沿って取り付けられ、且つ前記構築物の下方に移動足場を吊持した吊持機が移動自在に装着される移動足場用ハンガーレールにおいて、
前記第1連結板は、先端部に第1切欠が形成され、連結時に重ね合わせられる側の面の後部に第1固定突起が設けられ、中間部に第1可動突起が前記第1固定突起と同じ方向に突出して少なくとも上下移動可能に設けられたものであり、
前記第2連結板は、先端部に第2切欠が形成され、連結時に重ね合わせられる側の面の後部に第2固定突起が設けられ、中間部上辺に第3切欠が形成されたものであり、
前記第1連結板および前記第2連結板は、連結時に重ね合わせられる側の面を接して重ね合わせたときに、前記第1切欠および前記第2固定突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第2切欠および前記第1固定突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第3切欠および前記第1可動突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第1可動突起が前記第3切欠から脱抜可能な位置まで移動可能なものである
ことを特徴とするものである。
【0019】
ここで、上記の「先端部」とは、自連結板が固設されたハンガーレール本体の端部から外へ突き出た部分の先端をいい、「後部」とは、ハンガーレール本体の中央寄り部分をいう。また、「少なくとも上下移動」とは、鉛直方向移動の他に鉛直方向成分を含んだ斜め移動も該当する意味である。
【0020】
このような第1の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、既設ハンガーレールに追加ハンガーレールを延長連結するときには、一方のハンガーレールの第1連結板と他方の第2連結板とを重ね合わせて結合させるが、この際に先ず、連結対象の第1連結板の第1可動突起を上に移動させておく。そして、両ハンガーレールの中心線が一致するように両者の端面を近づけて当接させる。そうすると、連結対象の第1連結板および第2連結板において第1切欠と第2固定突起とが嵌合等するとともに第2切欠と第1固定突起とが嵌合等する。これにより、両者は引き離す向き以外の方向には固定される。
【0021】
それから、第1可動突起を下げると、連結対象の第1連結板および第2連結板において第3切欠および第1可動突起が嵌合等する。これにより、両者は引き離す向きにも固定される。そして、その後、両者をボルト・ナットや万力等で緊結する。この際、両者が全方向に固定されているので、作業者は両手を用いて緊結処理を行うことができる。なお、両者の連結を解くときには、逆順の処理を行えばよい。
【0022】
このように、両連結板の重ね合わせ作業とその緊結作業とを順次に分離して処理することが可能な構造としたことにより、連結板の一致状態を作業者の負担なしで維持させ作業者を緊結作業に専念させることが可能となった。
したがって、この発明の移動足場用ハンガーレールを用いれば、作業者は、一人しか乗れない狭いオーバーハング足場上であっても、ハンガーレールの延長のための連結作業を容易に行うことができる。
【0023】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の移動足場用ハンガーレールは(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記の第1の解決手段の移動足場用ハンガーレールであって、
前記第1連結板は、中間部上辺に第4切欠が形成されたものであり、
前記第2連結板は、中間部に第2可動突起が前記第2固定突起と同じ方向に突出して少なくとも上下移動可能に設けられたものであり、
前記第1連結板および前記第2連結板は、連結時に重ね合わせられる側の面を接して重ね合わせたときに前記第4切欠および前記第2可動突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており且つ前記第2可動突起が前記第4切欠から脱抜可能な位置まで移動可能なものであるとともに、前記第1切欠と前記第1固定突起との対、前記第2切欠と前記第2固定突起との対、前記第3切欠と前記第2可動突起との対、及び前記第4切欠と前記第1可動突起との対が総て鉛直軸に対して線対称の位置に配置されたものである
ことを特徴とするものである。
【0024】
このような第2の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、ハンガーレールの延長連結に際し、第1連結板の第1可動突起と同様に第2連結板の第2可動突起を上下移動させることで、一方のハンガーレールの第1連結板と他方の第2連結板とを重ね合わせておくことができる。これにより、緊結作業を分離して行えるので、第1の解決手段の作用効果を奏する。
【0025】
しかも、一方のハンガーレールの第1連結板と他方のハンガーレールの第1連結板とを重ね合わせた場合、両者とも、第1切欠と第1固定突起とが嵌合等するとともに、第4切欠と第1可動突起とが嵌合等する。さらに、一方のハンガーレールの第2連結板と他方のハンガーレールの第2連結板とを重ね合わせた場合、両者とも、第2切欠と第2固定突起とが嵌合等するとともに、第3切欠と第2可動突起とが嵌合等する。
【0026】
これにより、結合対象の連結板が第1,第2連結板の何れであるかを全く気にしないでも、誤ることなく、既設ハンガーレールに追加ハンガーレールを延長連結することができる。
【0027】
したがって、この発明によれば、延長のための連結作業が一層容易となる移動足場用ハンガーレールを実現することができる。
【0028】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の移動足場用ハンガーレールは(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第2の解決手段の移動足場用ハンガーレールであって、
前記第1連結板および前記第2連結板は、それぞれ、前記第3又は第4の切欠より先端側の上辺に傾斜部が形成されたものであり、
前記傾斜部は、先端部の高さが遊嵌または嵌合相手の可動突起よりも低くなるようになっている
ことを特徴とするものである。
【0029】
このような第3の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、既設ハンガーレールに追加ハンガーレールを延長連結するに際して両者の端面を近づけて当接させるとき、可動突起が下側にあると、可動突起は相手方の傾斜部に乗って押し上げられ、その後に相手方上辺の切欠に落ちて嵌まる。
【0030】
これにより、可動突起の移動が当接作業に付随して自動的に行われるので、予め可動突起を上に移動させておかなくても済む
したがって、この発明によれば、延長のための連結作業が格別に容易となる移動足場用ハンガーレールを実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態の移動足場用ハンガーレールは、上述した第1ないし第3の解決手段の移動足場用ハンガーレールであって、
延長連結に際して既設のハンガーレールに追加のハンガーレールを当接させようとするときの位置合わせが粗くても許容されるとともに、当接時にはガタツキがほとんど無くなるように、
前記第1切欠および前記第2切欠は、先端が該当固定突起の径よりも大きく開くとともに奥が該当固定突起の径に(着脱可能な程度の僅かな遊びを伴って)一致したテーパ状である
ことを特徴とする。
【0032】
【実施例】
[第1実施例]
本発明の移動足場用ハンガーレールの第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が連結前の平面図であり、(b)が連結前の正面図であり、(c)が連結時の正面図である。
【0033】
このハンガーレールは、ハンガーレール11本体と、その端部に付設された第1連結板としての連結板111および第2連結板としての連結板112とからなる。
ハンガーレール11本体は、逆T字形の断面形状のレールを具備し、その下面に波形のラック状歯が長さ方向に設けられた従来同様のものであり、構築物に沿って取り付けられ、且つその構築物の下方に移動足場を吊持した吊持機が移動自在に装着されるようになっている。
【0034】
連結板111はハンガーレール11の一方の端部に固設され、連結板112は他方の端部に固設されている。しかも、これらは、平面図上、ハンガーレール11の長手方向中心線に片面が接し、且つその線に別異の方向から接するように、ハンガーレール11に固定されている。これにより、一方のハンガーレール11と他方のハンガーレール11との中心線を一致させて、互いの端部を当接させると、連結板111と隣接ハンガーレールの連結板112とが、又は連結板112と隣接ハンガーレールの連結板111とが略全面で重なり合うようになっている。
【0035】
連結板111は、先端部に第1切欠としての切欠111aが形成され、後部においては中心線上の面に第1固定突起としての固定ピン111bが植設され、中間部においては少し後部寄りに第1可動突起としての可動ピン111cが上下方向に長い長孔に挿通している。これで、連結板111は、固定ピン111bと同じ方向に突出して上下移動可能となっている。なお、中央には貫通孔が穿孔されている。また、中心線上の面は、連結時に重ね合わせられる側の面となるものである。
【0036】
連結板112は、先端部に第2切欠としての切欠112bが切削形成され、後部においては中心線上の面に第2固定突起としての固定ピン112aが植設され、中間部においては少し先端部寄りの上辺に第3切欠としての切欠112cが切削形成されている。なお、これにも、中央には貫通孔が穿孔されている。
各ピン111b,111c,112aは、頂部がフランジ様に拡大していて、相手方連結板が板厚方向に離れないように規制するものとなっている。
【0037】
各切欠およびピンの配置関係については、連結板111の切欠111aと連結板112の固定ピン112aとは、高さ及びハンガーレール11端面からの距離が同じにされて、連結板111と連結板112とを中心線上の面を接して重ね合わせたときに、互いが嵌まり合うようになっている。連結板112の切欠112bと連結板111の固定ピン111bも同様に嵌合し、連結板112の切欠112cと連結板111の可動ピン111cも同様に嵌合するようになっている。さらに、連結板111における可動ピン111c挿通の長孔は、連結板112の切欠112cよりも長く形成されていて、可動ピン111cは切欠112cから脱抜可能な位置まで移動可能なものとなっている。
【0038】
なお、連結板111及び連結板112の貫通孔は、径がボルト・ナット11dに対応しており、しかも、ハンガーレール11端面の上方に同じ高さで設けられていて、中心線上の面を接して両板を重ねあわせたときに互いの貫通孔も連通するようになっている。
【0039】
この第1実施例の移動足場用ハンガーレールの使用態様を説明する。
【0040】
左側の既設ハンガーレール11の連結板111に対して右側から追加ハンガーレール11の連結板112を連結させるときの例を説明すると、先ず、連結板111の可動ピン111cを上に持ち上げる。
【0041】
次に、その状態で連結板111及び連結板112双方の中心線上の面を接触ささせながら、追加ハンガーレール11を右から左へ送ってその端面を既設ハンガーレール11の端面に衝き当てる。そして、可動ピン111cを切欠112c内奥にまで下げる。
【0042】
そうすると、切欠111aと固定ピン112aとの対、切欠112bと固定ピン111bとの対、及び切欠112cと可動ピン111cとの対が嵌合して、連結板111と連結板112とが離れない。こうして、作業者は手を可動ピン111cから離すことが可能となる。
【0043】
そこで、最後に、連結板111,112の連通した貫通孔にボルト・ナット11dを通して両者を緊密に結合させる(図1(c)参照)。
このとき、作業者は、両手を使って容易に締結作業を行うことができる。
【0044】
[第2実施例]
本発明の移動足場用ハンガーレールの第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図2は、(a)が連結前の平面図であり、(b)が連結前の正面図であり、(c)が連結時の正面図である。
【0045】
このハンガーレール11の両端には同一構造の連結板113が固設されている。すなわち連結板113は第1連結板としても第2連結板としても用いられるものである。
【0046】
この連結板113は、上述した連結板111を基にしている。すなわち、切欠113aが切欠111aと同様に形成され、固定ピン113bが固定ピン111bと同様に設けられ、可動ピン113cが可動ピン111cと同様に設けられている。貫通孔もある。そして、これに加え、中間部において、少し先端部寄りの上辺に、切欠113dが切削形成されている。その位置は、連結板112における切欠112cと同様に高さ及びハンガーレール11端面からの距離が可動ピン113cと同じにされて、連結板113同士を反転させて重ね合わせたときに、切欠113dと可動ピン113cとが嵌まり合うようになっている。
【0047】
これにより、連結板113は、切欠113aと固定ピン113bとの対および可動ピン113cと切欠113dとの対が総てハンガーレール11端面上の鉛直軸に対して線対称の位置に配置されるとともに、切欠113aが第1切欠および第2切欠として機能し、固定ピン113bが第1固定突起および第2固定突起として機能し、可動ピン113cが第1可動突起および第2可動突起として機能し、切欠113dが第3切欠および第4切欠として機能するものとなっている。
【0048】
また、連結板113は、切欠113aと切欠113dとの間の角部が切り落とされていて、先端側の上辺に傾斜部としての傾斜辺113eが形成されている。この傾斜辺113eは、傾斜が緩やかで、先端部の高さが可動ピン113cよりも低くされている。
【0049】
この第2実施例の移動足場用ハンガーレールの使用態様を説明する。
【0050】
上述の場合と同様に左側の既設ハンガーレール11の連結板113に対して右側から追加ハンガーレール11の連結板113を連結させるときの例を説明すると、この場合は、連結板113の可動ピン113cを手で上に持ち上げる必要はない。
【0051】
そこで、直ちに、連結板113同士の中心線上の面を接触させながら、追加ハンガーレール11を右から左へ送ってその端面を既設ハンガーレール11の端面に衝き当てる。すると、このとき、可動ピン113cは傾斜辺113eに載せられてそこを滑りながら自動的に上へ持ち上げられる。そして、ハンガーレール11の端面が当接したときには可動ピン113cは切欠113dのところに到達しているので、その可動ピン113cを切欠112d内奥にまで下げる。
【0052】
こうして、作業者は可動ピン113cを持ち上げなくても済む。また、切欠113aと固定ピン113bとの対および切欠113dと可動ピン113cとの対が嵌合して、2枚の連結板113が離れないようになる。
【0053】
そこで、最後に、2枚の連結板113の貫通孔が連通したところにボルト・ナット11dを通して両者を緊密に結合させる(図2(c)参照)。
こうして、作業者は、狭いオーバーハング足場の上でも、楽に、締結作業を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、両連結板の重ね合わせ作業とその緊結作業とを順次に分離して処理することが可能な構造としたことにより、延長のための連結作業が容易となる移動足場用ハンガーレールを実現することができるという有利な効果が有る。
【0055】
また、本発明の第2の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、第1連結板同士および第2連結板同士でも連結可能なようにしたことにより、ハンガーレールの向きを気にしないて連結させることができる。
したがって、連結作業が一層容易になるという有利な効果を奏する。
【0056】
さらに、本発明の第3の解決手段の移動足場用ハンガーレールにあっては、当接作業に付随して傾斜部が自動的に可動突起を押し上げるようにしたことにより、延長のための連結作業が格別に容易になるという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の移動足場用ハンガーレールの第1実施例である。
【図2】この発明の移動足場用ハンガーレールの第2実施例である。
【図3】移動足場の全体図である。
【図4】ハンガーレールの使用状態図である。
【図5】従来の移動足場用ハンガーレールである。
【符号の説明】
1 構造物
2 橋梁材
2A リブ
11 ハンガーレール
11a ラック状歯
11b 連結板
11c 連結板
11d ボルト・ナット
12 万力
20 吊持機
28 連結棒
30 吊持機
32 吊持棒
40 トラスフレーム
41 ガイドレール
42 ラック状歯
43 下辺材
111 連結板(第1連結板)
111a 切欠
111b 固定ピン(固定突起)
111c 可動ピン(可動突起)
112 連結板(第2連結板)
112a 固定ピン(固定突起)
112b 切欠
112c 切欠
113 連結板(第1連結板兼第2連結板)
113a 切欠
113b 固定ピン(固定突起)
113c 可動ピン(可動突起)
113d 切欠
113e 傾斜辺

Claims (3)

  1. 一方の端部に固設され隣接ハンガーレールとの連結を可能にする第1連結板と、他方の端部に固設され隣接ハンガーレールとの連結を可能にする第2連結板とを備え、構築物に沿って取り付けられ、且つ前記構築物の下方に移動足場を吊持した吊持機が移動自在に装着される移動足場用ハンガーレールにおいて、前記第1連結板は、先端部に第1切欠が形成され、連結時に重ね合わせられる側の面の後部に第1固定突起が設けられ、中間部に第1可動突起が前記第1固定突起と同じ方向に突出して少なくとも上下移動可能に設けられたものであり、前記第2連結板は、先端部に第2切欠が形成され、連結時に重ね合わせられる側の面の後部に第2固定突起が設けられ、中間部上辺に第3切欠が形成されたものであり、前記第1連結板および前記第2連結板は、連結時に重ね合わせられる側の面を接して重ね合わせたときに、前記第1切欠および前記第2固定突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第2切欠および前記第1固定突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第3切欠および前記第1可動突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており、前記第1可動突起が前記第3切欠から脱抜可能な位置まで移動可能なものであることを特徴とする移動足場用ハンガーレール。
  2. 前記第1連結板は、中間部上辺に第4切欠が形成されたものであり、前記第2連結板は、中間部に第2可動突起が前記第2固定突起と同じ方向に突出して少なくとも上下移動可能に設けられたものであり、前記第1連結板および前記第2連結板は、連結時に重ね合わせられる側の面を接して重ね合わせたときに前記第4切欠および前記第2可動突起が遊嵌または嵌合する部位に配設されており且つ前記第2可動突起が前記第4切欠から脱抜可能な位置まで移動可能なものであるとともに、前記第1切欠と前記第1固定突起との対、前記第2切欠と前記第2固定突起との対、前記第3切欠と前記第2可動突起との対、及び前記第4切欠と前記第1可動突起との対が総て鉛直軸に対して線対称の位置に配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の移動足場用ハンガーレール。
  3. 前記第1連結板および前記第2連結板は、それぞれ、前記第3又は第4の切欠より先端側の上辺に傾斜部が形成されたものであり、前記傾斜部は、先端部の高さが遊嵌または嵌合相手の可動突起よりも低くなるようになっていることを特徴とする請求項2記載の移動足場用ハンガーレール。
JP32921395A 1995-12-18 1995-12-18 移動足場用ハンガーレール Expired - Lifetime JP3584102B2 (ja)

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