JP3584099B2 - ポリエステルブロック共重合体及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリエステルブロック共重合体に関する。更に詳しくは、耐熱性、弾性回復性に優れ、製造が容易なポリエステルブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルエラストマーは、エンジニアリングプラスチック系の熱可塑性エラストマーであり、芳香族ポリエステルのハードセグメントと、脂肪族ポリエーテルのソフトセグメントとから構成されるポリエステルブロック共重合体が主に使用されている。
【0003】
これらのポリエステルブロック共重合体は、耐熱性の点で不十分な問題があったことから、本発明者らは、耐熱性の改善されたポリエステルエラストマーとして、芳香族ジカルボン酸とポリオキシエチレングリコールとからなるポリエステルのソフトセグメントを有するポリエステルブロック共重合体を提案した(特開平4―153216号公報)。
【0004】
同号公報に記載のポリエステルブロック共重合体は、非晶性のポリエステル部分と結晶性のポリエステル部分とから成るポリエステルブロック共重合体であり、非晶性ポリエステル部分はイソフタル酸及び/又はフタル酸を主たる酸成分とし、トリエチレングリコール及び/又はテトラエチレングリコールを主たるグリコール成分として成るものであり、結晶性ポリエステル部分は芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族ジオールをグリコール成分として成るものである。このポリエステルブロック共重合体は結晶性ポリエステル部分と非晶性ポリエステル部分のエステル交換反応によって製造され、エステル交換の程度はポリエステルブロック共重合体の融点が指標となる。エステル交換反応によって共重合を行い、ブロック共重合体を製造する場合一般的に反応が進行するにつれて融点が降下する。
【0005】
従来の技術においては、所望の融点を有して得られたブロック共重合体を、改質剤等を混練するため溶融押出したり、さらに溶融成形する場合、溶融押出、溶融成形中にもエステル交換反応が比較的速く進行する。このため、押出、成形中のエステル交換反応による融点の降下速度を低く抑える技術が望まれていた。
【0006】
また、従来技術のポリエステルブロック共重合体は、ソフトセグメントのジカルボン酸成分が、工業的に多くの量が製造されているポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに使用されるテレフタル酸ではないため、ポリマーの製造が比較的困難な問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み溶融押出時及び溶融成形時の溶融過程におけるポリマーの融点降下速度が低く、融点の安定したポリエステルブロック共重合体を提供することを主な課題とし、併せてかかる融点安定性に加え耐熱性、弾性回復性に優れたポリエステルブロック共重合体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ブロック共重合体を構成するジカルボン酸成分及びジオール成分によって、溶融押出時及び溶融成形時のエステル交換反応による融点降下の速度に差があることを認め、ブロック共重合体の構成成分であるハードセグメントを構成するジカルボン酸成分とソフトセグメントを構成するジカルボン酸成分に共通のテレフタル酸成分を用いることによって、従来技術における問題点を解決することができることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】
即ち、本発明はテトラメチレンテレフタレート単位が60モル%以上のポリブチレンテレフタレートからなるハードセグメント(A)20〜80重量%、並びに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上及びジオール成分としてオキシエチレン単位2〜5個からなるポリオキシエチレングリコール成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上から構成されるポリエステルからなるソフトセグメント(B)80〜20重量%からなるポリエステルブロック共重合体であって、その融点T(℃)が下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とするポリエステルブロック共重合体である。
【0010】
【数2】
T0 −5>T>T0 −60 (I)
T>T′+10 (II)
[但しT0 はハードセグメントを構成する成分からなるポリマーの融点(℃)、T′はハードセグメント及びソフトセグメントを構成する全成分からなるランダム共重合体の融点(℃)を示す]
【0011】
本発明によれば、上記のポリエステルブロック共重合体、並びに上記ポリエステルブロック共重合体の製造においてハードセグメントを構成する成分からなるポリエステル及びソフトセグメントを構成する成分からなるポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶融混合し、融点がハードセグメントを構成する成分からなるポリエステルよりも5〜60℃低くなるように共重合することを特徴とするポリエステルブロック共重合体の製造法が提供される。
【0012】
本発明のポリエステルブロック共重合体を構成する成分の一つであるハードセグメント(A)はテトラメチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエステルから成る。
【0013】
このハードセグメント(A)にはテレフタル酸以外のベンゼン環を含む芳香族ジカルボン酸、ナフタレン環を含む芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、テトラメチレングリコール以外の炭素数2〜12の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が共重合されていてもよい。
【0014】
ハードセグメント(A)はテトラメチレンテレフタレート単位が60モル%以上含まれて構成されている必要があり、好ましくは70モル%以上である。共重合成分の割合は、少ないほど融点が高く好ましい。テトラメチレンテレフタレート単位が60モル%未満であると、結晶化しにくくなり成形性が悪くなる。
【0015】
ハードセグメント(A)を構成する共重合成分は、上述のように40モル%未満であることが必要であるが、この共重合成分の割合は、結晶の融点が160℃以上、更には170℃以上になるような共重合割合であることが好ましい。融点が上記より低い場合、結晶性も低下し好ましくない。
【0016】
本発明のポリエステルブロック共重合体を構成するもう一方のセグメントであるソフトセグメント(B)はジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全ジカルボン酸に対して50モル%以上、及びジオール成分としてオキシエチレン単位を2〜5個からなるポリオキシエチレングリコール成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上から構成されるポリエステルから成る。
【0017】
ジオール成分のオキシエチレン単位が2〜5個のポリオキシエチレングリコールは、例えばジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールであり、これらの混合物でも好い。この場合平均したオキシエチレン単位が2.5〜4のポリエチレングリコールの混合物が好ましく用いられる。オキシエチレン単位が少ない場合は、弾性回復性が低下し好ましくなく、また、オキシエチレン単位が多い場合は、耐熱性が不十分となり、また、耐水性が低下する問題もあり、好ましくない。
【0018】
このソフトセグメント(B)は、ソフトセグメントを構成する成分のみからなる共重合体の融点が100℃以下であるものが好ましく、50℃以下であるものが更に好ましく、非晶であるものが好ましく用いられる。
【0019】
ジオール成分として用いられるオキシエチレン単位2〜5個からなるポリオキシエチレングリコールは全ジカルボン酸に対して50モル%以上であることが必要であり、50モル%未満の場合弾性回復性が低下し好ましくない。
【0020】
ソフトセグメントを構成するもう一方の成分であるジカルボン酸はテレフタル酸である。テレフタル酸は全ジカルボン酸に対して50モル%以上含有されている必要がある。50モル%未満では、本発明の主要な効果である溶融保持の融点降下速度を低く抑える効果が十分に発揮されない。
【0021】
ソフトセグメントには、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族又は脂環族ジカルボン酸が共重合させていてもよく、ジオール成分として、脂肪族グリコール及び/又は主成分として用いたポリオキシアルキレングリコール以外のポリオキシアルキレングリコールが共重合されていてもよい。
【0022】
ソフトセグメントに酸成分として使用され得る共重合可能な芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸を、脂肪族ジカルボン酸としては、例えば炭素数4〜12の直鎖状のジカルボン酸、特に炭素数8〜12の直鎖状のジカルボン酸を、脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸を挙げることができる。
【0023】
ソフトセグメントにジオール成分として使用され得る共重合可能な脂肪族グリコールとしては、例えば炭素数2〜12の脂肪族グリコールを、ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを挙げることができる。
【0024】
ソフトセグメントに共重合成分として用いられるポリオキシアルキレングリコールには、分子量1500以下、更に好ましくは1000以下の比較的低分子量のものが好ましく用いられる。
【0025】
本発明のポリエステルブロック共重合体は上述のハードセグメント(A)及びソフトセグメント(B)から構成されており、ハードセグメント(A)とソフトセグメント(B)の量比は、重量比において(20〜80)対(80〜20)であり、好ましくは(25〜50)対(75〜50)である。
【0026】
ハードセグメント(A)及びソフトセグメント(B)の量比が上記の範囲外にあると、弾性回復性が低下して好ましくない。
【0027】
ポリエステルブロック共重合体を構成するハードセグメント及びソフトセグメントのセグメント長は、分子量として、およそ500〜7000が好ましく、800〜5000が更に好ましい。このセグメント長は直接測定するのは困難であるが、例えばハードセグメント、ソフトセグメントそれぞれ構成する成分の全体の量比と、ハードセグメントを構成する成分からなるポリエステルの融点及び得られたポリエステルブロック共重合体の融点とから、フローリーの融点降下式を用いて推定することができる。
【0028】
本発明のポリエステルブロック共重合体は、その融点T(℃)が下記式(I)及び(II)を満たすことが必要である。
【0029】
【数3】
T0 −5>T>T0 −60 (I)
T>T′+10 (II)
[但しT0 :ハードセグメントを構成する成分からなるポリマーの融点(℃)、T′はハードセグメント及びソフトセグメントを構成する全成分からなるランダム共重合体の融点(℃)を示す]
【0030】
ポリエステルブロック共重合体の融点は、この範囲を外れた場合、弾性回復性の不十分な共重合体となる。
【0031】
ハードセグメント、ソフトセグメントを構成する全成分からなる共重合ポリマーが融点を示さない場合は、式(I)を満たすことが必要であるが式(II)を満たす必要はない。
【0032】
本発明のポリエステルブロック共重合体は、固有粘度(35℃、オルトクロロフェノール溶液中での測定値)が0.6以上、好ましくは0.8〜1.5である。固有粘度が低い場合、機械的強度が低くなるため好ましくない。
【0033】
本発明のポリエステルブロック共重合体の製造法は、ハードセグメントを構成する成分からなるポリエステル及びソフトセグメントを構成する成分からなるポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶融混合し、融点がハードセグメントを構成するポリエステルよりも5〜60℃低くなるように共重合する方法が好ましい。
【0034】
本発明のポリエステルブロック共重合体は、その製造におけるブロック共重合反応において、ハードセグメントとソフトセグメントの間のエステル交換反応をある程度以上進行させないようにする為に、触媒の失活剤を添加しても良い。失活剤は、例えば、燐酸、亜燐酸、ホスフォン酸、ホスフィン酸及びこれらの誘導体、例えば、低分子アルコールのエステル、ナトリウムであり、これらの失活剤は、触媒のチタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物などの金属と当モル以上の量を使用することが好ましい。
【0035】
本発明のポリエステルブロック共重合体は、安定剤、補強材、難燃剤、核剤、滑剤、顔料、染料、制電剤、相溶化剤等の添加剤を配合した組成物として用いてもよく、また、他のポリマーを本発明の効果をそこなわない範囲で少量配合した組成物として用いてもよい。
【0036】
本発明のポリエステルブロック共重合体に好適に配合することのできるポリマーはエチレン、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等の共重合体である。これらの添加剤やポリマーの配合量は、本発明のポリエステルブロック共重合体100重量部に対し、0.01〜50重量部であることが好ましく、配合量が多過ぎると、その組成物は本発明の効果を発揮できない。
【0037】
本発明の構成をとることによって溶融保持の際のポリマーの融点降下の速度を低く抑える効果が奏されるのである。この効果の理由は定かではないが次のような理由によるものと考えられる。
【0038】
ハードセグメントとソフトセグメントが異種のジカルボン酸を主成分として構成されている場合には、エステル交換反応に関与する成分は、ジオール成分及びジカルボン酸成分である。一方、本発明のように、ハードセグメントとソフトセグメントが同じジカルボン酸成分を主成分として構成されている場合には、エステル交換反応に関与する成分は見かけ上ジオール成分のみであり、共重合成分の数が少ないことになる。この結果、溶融保持の際のポリマーの融点降下の速度を低く抑えることができるものと考えられる。
【0039】
【実施例】
実施例により本発明を詳述する。なお、実施例中「部」とは、「重量部」を示す。固有粘度は、オルトクロロフェノール溶液、35℃で測定した値をもとに算出した値である。
【0040】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100部、トリエチレングリコール94部を、ジブチル錫ジアセテートを触媒としてエステル交換反応を行い、引き続き、減圧下に重縮合反応を行い、固有粘度1.01のポリエステル(II)を得た。このポリエステルに、別途重縮合して得た固有粘度0.95のポリブチレンテレフタレート(I)のチップを乾燥して、63部添加し、減圧下に240℃で更に65分反応させた後、フェニルホスフォン酸0.06部を添加した。得られたポリエステルブロック共重合体を取り出しチップ化した。このポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.04、融点は170℃であった。
【0041】
このポリエステルブロック共重合体を、120℃で3時間乾燥後、溶融温度230℃、金型温度80℃の条件で、JIS3号ダンベル試験片を射出成形した。
【0042】
この試験片を用い、永久歪(10%伸長、10分保持)、及び繰返し伸長後の永久歪(10%伸長、10分保持を10回)を測定した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は弾性回復性に優れている。
【0043】
また、この試験片をギアオープンで、150℃、24時間保持し、熱老化試験を行った。熱老化試験の前後に引張試験を行い比較した。熱老化試験後の伸度保持率は表1に示した通りであり、このポリエステルブロック共重合体は耐熱性に優れている。
【0044】
[比較例1]
ジメチルテレフタレート、テトラメチレングリコール、及び平均分子量が2000のポリテトラメチレングリコールとから、常法に従ってポリテトラメチレングリコール成分が70重量%のポリエステルブロック共重合体を得た。
【0045】
このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は耐熱性が劣る。
【0046】
[比較例2]
実施例1において、ポリエステル(II)としてイソフタル酸とヘキサメチレングリコールとからなるポリエステルを用いる以外は実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。
【0047】
このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は弾性回復性の点が若干劣る。
【0048】
[比較例3]
実施例1において、ポリエステル(II)としてテレフタル酸と平均分子量300のポリエチレングリコールとからなるポリエステルを用いる以外は実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。
【0049】
このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は耐熱性が劣る。
【0050】
[実施例2〜4]
表1記載のポリブチレンテレフタレート(I)及びポリエステル(II)を表1記載の量比で用い、実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果を表1に示した。
【0051】
[比較例4]
実施例1において、ポリブチレンテレフタレート(I)及びポリエステル(II)の量比を表1記載の量比に変える以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。
【0052】
このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は弾性回復性が劣る。
【0053】
[比較例5]
実施例1において、ポリエステル(II)にポリブチレンテレフタレート(I)を添加した後の反応時間を10分とし、それ以外は実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。このポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.02、融点は222℃であった。このポリエステルブロック共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は弾性回復性が劣る。
【0054】
[実施例5]
実施例1において、ポリエステル(II)とポリブチレンテレフタレート(I)を反応させた後、フェニルホスフォン酸を添加しないで、ポリエステルブロック共重合体を得た。このポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.06、融点は169℃であった。
【0055】
このポリエステルブロック共重合体100部を、120℃で3時間乾燥後、モンタン酸ワックス0.2部を添加し、押出機を用いて240℃で溶融押出しして、冷却、チップ化した。
【0056】
さらに、このチップを、実施例1同様の方法で、JIS3号ダンベル試験片を射出成形した。この試験片の融点は167℃であった。
【0057】
[比較例6]
実施例5において、ポリエステル(II)として、イソフタル酸とトリエチレングリコールからなるポリエステルを用いる以外は実施例5と同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。このポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.04、融点は168℃であった。
【0058】
このポリエステルブロック共重合体を実施例5と同様の方法で、押出機を用い溶融押出ししてチップ化し、さらに、JIS3号ダンベル試験片を射出成形した。この試験片の融点は161℃であった。
【0059】
このポリエステルブロック共重合体は、実施例5のポリエステルブロック共重合体と比較し、溶融保持の際の融点降下が大きいものであった。
【0060】
【表1】
【0061】
表中、<1は1未満を、90<は90を越えることを意味する。
【0062】
【発明の効果】
本発明のポリエステルブロック共重合体は溶融押出時及び溶融成形時の溶融保持におけるポリマーの融点降下速度が小さく融点の安定している点において、従来技術に比較して著しい効果を奏する。本発明のポリエステルブロック共重合体及びその製造方法によれば、上述の融点安定性を備え、成形時に融点降下による成形困難の発生することない耐熱性、弾性回復性に優れたポリエステルブロック共重合体を得ることができる。
Claims (2)
- テトラメチレンテレフタレート単位が60モル%以上のポリブチレンテレフタレートからなるハードセグメント(A)20〜80重量%、並びに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上及びジオール成分としてオキシエチレン単位2〜5個からなるポリオキシエチレングリコール成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上から構成されるポリエステルからなるソフトセグメント(B)80〜20重量%からなるポリエステルブロック共重合体であって、その融点T(℃)が下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とするポリエステルブロック共重合体。
- 請求項1のポリエステルブロック共重合体の製造において、ハードセグメントを構成する成分からなるポリエステル及びソフトセグメントを構成する成分からなるポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶融混合し、融点がハードセグメントを構成する成分からなるポリエステルよりも5〜60℃低くなるように共重合することを特徴とするポリエステルブロック共重合体の製造法。
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